列王紀上

第一章

1ダビデおうとしがすすんでい、夜着よぎせてもあたたまらなかったので、 2その家来けらいたちはかれった、「おうわがしゅのために、ひとりのわかいおとめをさがもとめておうにはべらせ、おう付添つきそいとし、あなたのふところにて、おうわがしゅあたためさせましょう」。 3そしてかれらはあまねくイスラエルの領土りょうどうつくしいおとめをさがもとめて、シュナミびとアビシャグをおうのもとにれてきた。 4おとめは非常ひじょううつくしく、おう付添つきそいとなっておうつかえたが、おう彼女かのじょることがなかった。

5さてハギテのアドニヤはたかぶって、「わたしはおうとなろう」とい、自分じぶんのために戦車せんしゃ騎兵きへいおよび自分じぶんまえけるもの五十にんそなえた。 6かれちちかれうまれてこのかた一も「なぜ、そのようなことをするのか」とってかれをたしなめたことがなかった。アドニヤもまた非常ひじょう姿すがたひとであって、アブサロムのつぎうまれたものである。 7かれがゼルヤのヨアブと祭司さいしアビヤタルとに相談そうだんしたので、かれらはアドニヤにしたがってかれたすけた。 8しかし祭司さいしザドクと、エホヤダのベナヤと、預言者よげんしゃナタンおよびシメイとレイ、ならびにダビデの勇士ゆうしたちはアドニヤにしたがわなかった。

9アドニヤはエンロゲルのほとりにある「へびのいし」のかたわらで、ひつじうしえた家畜かちくをほふって、おうである自分じぶん兄弟きょうだいたち、およびおう家来けらいであるユダの人々ひとびとをことごとくまねいた。 10しかし預言者よげんしゃナタンと、ベナヤと、勇士ゆうしたちと、自分じぶん兄弟きょうだいソロモンとはまねかなかった。

11ときにナタンはソロモンのははバテシバにった、「ハギテのアドニヤがおうとなったのをおきになりませんでしたか。われわれのしゅダビデはそれをごぞんじないのです。 12それでいま、あなたにはかりごとをさづけて、あなたのいのちと、あなたのソロモンのいのちすくうようにいたしましょう。 13あなたはすぐダビデおうのところへって、『おうわがしゅよ、あなたは、はしためにちかって、おまえのソロモンが、わたしにいでおうとなり、わたしのくらいするであろうとわれたではありませんか。そうであるのに、どうしてアドニヤがおうとなったのですか』といなさい。 14あなたがなおおうはなしておられるあいだに、わたしもまた、あなたのあとから、はいってって、あなたの言葉ことば確認かくにんしましょう」。

15そこでバテシバは寝室しんしつにはいっておうところった。(おう非常ひじょういて、シュナミびとアビシャグがおうつかえていた)。 16バテシバはをかがめておうはいした。おうった、「なにようか」。 17彼女かのじょおうった、「わがしゅよ、あなたは、あなたのかみしゅをさして、はしためにちかい、『おまえのソロモンがわたしにいでおうとなり、わたしのくらいするであろう』とわれました。 18そうであるのに、ごらんなさい、いまアドニヤがおうとなりました。おうわがしゅよ、あなたはそれをごぞんじないのです。 19かれうしえた家畜かちくひつじをたくさんほふって、おうたち、および祭司さいしアビヤタルと、ぐんちょうヨアブをまねきましたが、あなたのしもべソロモンはまねきませんでした。 20おうわがしゅよ、イスラエルのすべてのはあなたにそそがれ、だれがあなたにいで、おうわがしゅくらいすべきかをげられるのをのぞんでいます。 21おうわがしゅ先祖せんぞともねむられるとき、わたしと、わたしのソロモンは謀叛むほんひととみなされるでしょう」。

22バテシバがなおおうはなしているうちに、預言者よげんしゃナタンがはいってきた。 23人々ひとびとおうげて、「預言者よげんしゃナタンがここにおります」とった。かれおうまえにはいり、しておうはいした。 24そしてナタンはった、「おうわがしゅよ、あなたは、『アドニヤがわたしにいでおうとなり、わたしのくらいするであろう』とおおせられましたか。 25かれはきょうくだっていって、うしと、えた家畜かちくひつじをたくさんほふって、おうたちと、ぐんちょうヨアブと、祭司さいしアビヤタルをまねきました。かれらはアドニヤのまえみして、『アドニヤ万歳ばんざい』といました。 26しかし、あなたのしもべであるわたしと、祭司さいしザドクと、エホヤダのベナヤと、あなたのしもべソロモンをまねきませんでした。 27このことおうわがしゅがさせられたことですか。あなたはしもべたちに、だれがあなたにいでおうわがしゅくらいすべきかをげられませんでした」。

28ダビデおうこたえてった、「バテシバをわたしのところにびなさい」。彼女かのじょおうまえにはいってきて、おうまえった。 29するとおうちかってった、「わたしのいのちをすべての苦難くなんからすくわれたしゅきておられる。 30わたしがイスラエルのかみしゅをさしてあなたにちかい、『あなたのソロモンがわたしにいでおうとなり、わたしにかわって、わたしのくらいするであろう』とったように、わたしはきょう、そのようにしよう」。 31そこでバテシバはをかがめ、しておうはいし、「わがしゅダビデおうが、とこしえにきながらえられますように」とった。

32ダビデはった、「祭司さいしザドクと、預言者よげんしゃナタンおよびエホヤダのベナヤをわたしのところびなさい」。やがてかれらはおうまえにきた。 33おうかれらにった、「あなたがたの主君しゅくん家来けらいたちをれ、わがソロモンをわたしの騾馬らばせ、かれみちびいてギホンにくだり、 34そのところ祭司さいしザドクと預言者よげんしゃナタンはかれあぶらそそいでイスラエルのおうとしなさい。そしてラッパをいて、『ソロモンおう万歳ばんざい』といなさい。 35それから、あなたがたはかれしたがってのぼってきなさい。かれはきて、わたしのくらいし、わたしにかわっておうとなるであろう。わたしはかれててイスラエルとユダのうえ主君しゅくんとする」。 36エホヤダのベナヤはおうこたえてった、「アァメン、ねがわくは、おうわが主君しゅくんかみしゅもまたそうおおせられますように。 37ねがわくは、しゅおうわが主君しゅくんともにおられたように、ソロモンとともにおられて、そのくらいをわが主君しゅくんダビデおうくらいよりもおおきくせられますように」。

38そこで祭司さいしザドクと預言者よげんしゃナタンおよびエホヤダのベナヤ、ならびにケレテびとと、ペレテびとはくだってって、ソロモンをダビデおう騾馬らばせ、かれをギホンにみちびいてった。 39祭司さいしザドクは幕屋まくやからあぶらつのってきて、ソロモンにあぶらそそいだ。そしてラッパをらし、たみみな「ソロモンおう万歳ばんざい」とった。 40たみはみなかれしたがってのぼり、ふえいておおいによろこいわった。かれらのこえけるばかりであった。

41アドニヤおよびかれともにいたきゃくたちはみな食事しょくじおわったとき、これをいた。ヨアブはラッパのおといてった、「まちなかのあのさわぎはなにか」。 42かれ言葉ことばのなおおわらないうちに、そこへ祭司さいしアビヤタルのヨナタンがきたので、アドニヤはかれった、「はいりなさい。あなたは勇敢ゆうかんひとで、よいらせをってきたのでしょう」。 43ヨナタンはこたえてアドニヤにった、「いいえ、主君しゅくんダビデおうはソロモンをおうとせられました。 44おう祭司さいしザドクと預言者よげんしゃナタンおよびエホヤダのベナヤ、ならびにケレテびとと、ペレテびとをソロモンとともにつかわされたので、かれらはソロモンをおう騾馬らばせてき、 45祭司さいしザドクと預言者よげんしゃナタンはギホンでかれあぶらそそいでおうとしました。そしてかれらがそこからよろこんでのぼってるので、まちさわがしいのです。あなたがいたこえはそれなのです。 46こうしてソロモンはおうくらいし、 47かつおう家来けらいたちがきて、主君しゅくんダビデおういわいをべて、『ねがわくは、あなたのかみがソロモンのをあなたのよりもたかくし、かれくらいをあなたのくらいよりもおおきくされますように』といました。そしておうゆかうえはいされました。 48おうはまたこうわれました、『イスラエルのかみしゅはほむべきかな。しゅはきょう、わたしのくらいするひとりのあたえて、これをわたしにせてくださった』と」。

49そのときアドニヤとともにいたきゃくはみなおどろき、っておのおの自分じぶんみちってった。 50そしてアドニヤはソロモンをおそれ、ってって祭壇さいだんつのをつかんだ。 51あるひとがこれをソロモンにげてった、「アドニヤはソロモンをおそれ、いまかれ祭壇さいだんつのをつかんで、『どうぞ、ソロモンおうがきょう、つるぎをもってしもべをころさないとわたしにちかってくださるように』とっています」。 52ソロモンはった、「もしかれがよいひととなるならば、そのかみひとすじもちることはなかろう。しかしかれのうちにあくのあることがわかるならば、かれななければならない」。 53ソロモンはひとをつかわしてかれ祭壇さいだんからつれてくだらせた。かれがきてソロモンをはいしたので、ソロモンはかれに「いえかえりなさい」とった。

第二章

1ダビデのちかづいたので、かれはそのソロモンにめいじてった、 2「わたしはのすべてのひとみちこうとしている。あなたはつよく、おとこらしくなければならない。 3あなたのかみしゅのさとしをまもり、そのみちあゆみ、そのさだめといましめと、おきてとあかしとを、モーセの律法りっぽうにしるされているとおりにまもらなければならない。そうすれば、あなたがするすべてのことと、あなたのかうすべてのところで、あなたはさかえるであろう。 4またしゅがさきにわたしについてかたって『もしおまえのたちが、そのみちつつしみ、こころをつくし、精神せいしんをつくして真実しんじつをもって、わたしのまえあゆむならば、おまえにいでイスラエルのくらいにのぼるひとが、けることはなかろう』とわれた言葉ことば確実かくじつにされるであろう。

5またあなたはゼルヤのヨアブがわたしにしたこと、すなわちかれがイスラエルのふたりのぐんちょうネルのアブネルと、エテルのアマサにしたことっている。かれはこのふたりをころして、戦争せんそうながした太平たいへいときむくい、つみのないものをわたしのこしのまわりのおびと、わたしのあしのくつにつけた。 6それゆえ、あなたの知恵ちえにしたがってことおこない、かれのしらがをやすらかに陰府よみくだらせてはならない。 7ただしギレアデびとバルジライのらにはめぐみをほどこし、かれらをあなたの食卓しょくたく食事しょくじする人々ひとびとのうちにくわえなさい。かれらはわたしがあなたの兄弟きょうだいアブサロムをけてげたとき、わたしをむかえてくれたからである。 8またバホリムのベニヤミンびとゲラのシメイがあなたとともにいる。かれはわたしがマハナイムへったときはげしいのろいの言葉ことばをもってわたしをのろった。しかしかれがヨルダンへくだってきて、わたしをむかえたので、わたしはしゅをさしてかれちかい、『わたしはつるぎをもってあなたをころさない』とった。 9しかしかれつみのないものとしてはならない。あなたは知恵ちえのあるひとであるから、かれになすべきことっている。あなたはかれのしらがをめて陰府よみくだらせなければならない」。

10ダビデはその先祖せんぞともねむって、ダビデのまちほうむられた。 11ダビデがイスラエルをおさめた日数にっすうは四十ねんであった。すなわちヘブロンで七ねん、エルサレムで三十三ねんおうであった。 12このようにしてソロモンはちちダビデのくらいし、くにかたさだまった。

13さて、ハギテのアドニヤがソロモンのははバテシバのところへきたので、バテシバはった、「あなたはおだやかなことのためにきたのですか」。かれった、「おだやかなことのためです」。 14かれはまたった、「あなたにもうしあげることがあります」。バテシバはった、「いなさい」。 15かれった、「ごぞんじのように、くにはわたしのもので、イスラエルのひとみなわたしがおうになるものと期待きたいしていました。しかしくにてんじて、わたしの兄弟きょうだいのものとなりました。かれのものとなったのは、しゅからたことです。 16いまわたしはあなたに一つのおねがいがあります。ことわらないでください」。バテシバはかれった、「いなさい」。 17かれった、「どうかソロモンおううて、――おうはあなたにことわるようなことはないでしょうから――シュナミびとアビシャグをわたしにあたえてつまにさせてください」。 18バテシバはった、「よろしい。わたしはあなたのためにおうはなしましょう」。

19バテシバはアドニヤのためにソロモンおうはなすため、おうのもとへった。おうってむかえ、彼女かのじょはいして王座おうざき、おうははのためにもうけさせたので、彼女かのじょおうみぎした。 20そこでバテシバはった、「あなたに一つのちいさいおねがいがあります。おことわりにならないでください」。おう彼女かのじょった、「母上ははうえよ、あなたのねがいをってください。わたしはことわらないでしょう」。 21彼女かのじょった、「どうぞ、シュナミびとアビシャグをあなたの兄弟きょうだいアドニヤにあたえて、つまにさせてください」。 22ソロモンおうこたえてははった、「どうしてアドニヤのためにシュナミびとアビシャグをもとめられるのですか。かれのためにはくにをももとめなさい。かれはわたしのあにで、かれ味方みかたには祭司さいしアビヤタルとゼルヤのヨアブがいるのですから」。 23そしてソロモンおうしゅをさしてちかってった、「もしアドニヤがこの言葉ことばによって自分じぶんいのちうしなうのでなければ、どんなにでもわたしをばっしてください。 24わたしをてて、ちちダビデのくらいにのぼらせ、しゅ約束やくそくされたように、わたしに一家いっかあたえてくださったしゅきておられる。アドニヤはきょうさつされなければならない」。 25ソロモンおうはエホヤダのベナヤをつかわしたので、かれはアドニヤをってころした。

26おうはまた祭司さいしアビヤタルにった、「あなたの領地りょうちアナトテへきなさい。あなたはあたものですが、さきにわたしのちちダビデのまえかみしゅはこをかつぎ、またすべてわたしのちちけたくるしみを、あなたもともくるしんだので、わたしは、きょうは、あなたをころしません」。 27そしてソロモンはアビヤタルをしゅ祭司さいししょくから追放ついほうした。こうしてしゅがシロでエリのいえについてわれたしゅ言葉ことば成就じょうじゅした。

28さてこのらせがヨアブにたっしたので、ヨアブはしゅ幕屋まくやにのがれて、祭壇さいだんつのをつかんだ。ヨアブはアブサロムを支持しじしなかったけれども、アドニヤを支持しじしたからである。 29ヨアブがしゅ幕屋まくやにのがれて、祭壇さいだんのかたわらにいることを、ソロモンおうげるものがあったので、ソロモンおうはエホヤダのベナヤをつかわし、「ってかれて」とった。 30ベナヤはしゅ幕屋まくやってかれった、「おうはあなたに、るようにともうされます」。しかしかれった、「いや、わたしはここでにます」。ベナヤはおう復命ふくめいしてった、「ヨアブはこうもうしました。またわたしにこうこたえました」。 31そこでおうはベナヤにった、「かれうようにし、かれころしてほうむり、ヨアブがゆえなくながしたのとがをわたしと、わたしのちちいえからのぞりなさい。 32しゅはまたヨアブがながした行為こういを、かれ自身じしんのこうべにむくいられるであろう。これはかれ自分じぶんよりもただしいすぐれたふたりのひと、すなわちイスラエルのぐんちょうネルのアブネルと、ユダのぐんちょうエテルのアマサを、つるぎをもってころし、わたしのちちダビデのあずかりらないことをしたからである。 33それゆえ、かれらの永遠えいえんにヨアブのこうべと、その子孫しそんのこうべにすであろう。しかしダビデと、その子孫しそんと、そのいえと、そのくらいとには、しゅからたまわる平安へいあん永久えいきゅうにあるであろう」。 34そこでエホヤダのベナヤはのぼっていって、かれころした。かれ荒野あらのにある自分じぶんいえほうむられた。 35おうはエホヤダのベナヤを、ヨアブにかわってぐんちょうとした。おうはまた祭司さいしザドクをアビヤタルにかわらせた。

36またおうひとをつかわし、シメイをしてった、「あなたはエルサレムのうちに、自分じぶんのためにいえてて、そこにみ、そこからどこへもてはならない。 37あなたがて、キデロンかわわたにはかならころされることを、しかとらなければならない。あなたのはあなたのこうべにすであろう」。 38シメイはおうった、「お言葉ことば結構けっこうです。おう、わがしゅおおせられるとおりに、しもべはいたしましょう」。こうしてシメイはひさしくエルサレムにんだ。

39ところが三ねんのち、シメイのふたりの奴隷どれいが、ガテのおうマアカのアキシのところへった。人々ひとびとがシメイにげて、「ごらんなさい、あなたの奴隷どれいはガテにいます」とったので、 40シメイはって、ろばにくらをき、ガテのアキシのところへって、その奴隷どれいたずねた。すなわちシメイはってその奴隷どれいをガテかられてきたが、 41シメイがエルサレムからガテへってかえったことがソロモンおうきこえたので、 42おうひとをつかわし、シメイをしてった、「わたしはあなたにしゅをさしてちかわせ、かつおごそかにあなたをいましめて、『あなたがて、どこかへには、かならころされることを、しかとらなければならない』とったではないか。そしてあなたは、わたしに『お言葉ことば結構けっこうです。したがいます』とった。 43ところで、あなたはなぜしゅたいするちかいと、わたしがめいじた命令めいれいまもらなかったのか」。 44おうはまたシメイにった、「あなたは自分じぶんこころに、あなたがわたしのちちダビデにしたもろもろのあくっている。しゅはあなたのあくをあなたのこうべにむくいられるであろう。 45しかしソロモンおう祝福しゅくふくをうけ、ダビデのくらい永久えいきゅうしゅまえかたつであろう」。 46おうがエホヤダのベナヤにめいじたので、かれていってシメイをころした。こうしてくにはソロモンのかたった。

第三章

1ソロモンおうはエジプトのおうパロとふちむすび、パロのむすめをめとってダビデのまちれてきて、自分じぶんいえと、しゅみやと、エルサレムの周囲しゅうい城壁じょうへきおわるまでそこにおらせた。 2そのころまでしゅのためにてたみやがなかったので、たみたかところ犠牲ぎせいをささげていた。

3ソロモンはしゅあいし、ちちダビデのさだめにあゆんだが、ただかれたかところ犠牲ぎせいをささげ、こうをたいた。 4あるおうはギベオンへって、そこで犠牲ぎせいをささげようとした。それが主要しゅようたかところであったからである。ソロモンは一千の燔祭はんさいをその祭壇さいだんにささげた。 5ギベオンでしゅゆめにソロモンにあらわれてわれた、「あなたになにあたえようか、もとめなさい」。 6ソロモンはった、「あなたのしもべであるわたしのちちダビデがあなたにたいして誠実せいじつ公義こうぎ真心まごころとをもって、あなたのまえあゆんだので、あなたはおおいなるいつくしみをかれしめされました。またあなたはかれのために、このおおいなるいつくしみをたくわえて、今日こんにちかれくらいするさづけられました。 7わがかみしゅよ、あなたはこのしもべを、わたしのちちダビデにかわっておうとならせられました。しかし、わたしはちいさい子供こどもであって、出入でいりすることをりません。 8かつ、しもべはあなたがえらばれた、あなたのたみ、すなわちそのかずおおくて、かぞえることも、調しらべることもできないほどのおびただしいたみなかにおります。 9それゆえ、きわけるこころをしもべにあたえて、あなたのたみをさばかせ、わたしに善悪ぜんあくをわきまえることをさせてください。だれが、あなたのこのおおいなるたみをさばくことができましょう」。

10ソロモンはこのこともとめたので、そのことがしゅのみこころにかなった。 11そこでかみかれわれた、「あなたはこのこともとめて、自分じぶんのために長命ちょうめいもとめず、また自分じぶんのためにとみもとめず、また自分じぶんてきいのちをももとめず、ただうったえをききわける知恵ちえもとめたゆえに、 12よ、わたしはあなたの言葉ことばにしたがって、かしこい、英明えいめいこころあたえる。あなたのさきにはあなたにならものがなく、あなたののちにもあなたにならものおこらないであろう。 13わたしはまたあなたのもとめないもの、すなわちとみほまれをもあなたにあたえる。あなたのきているかぎり、おうたちのうちにあなたにならものはないであろう。 14もしあなたが、あなたのちちダビデのあゆんだように、わたしのみちあゆんで、わたしのさだめと命令めいれいとをまもるならば、わたしはあなたのながくするであろう」。

15ソロモンがをさましてみると、それはゆめであった。そこでかれはエルサレムへき、しゅ契約けいやくはこまえって燔祭はんさい酬恩祭しゅうおんさいをささげ、すべての家来けらいのために祝宴しゅくえんもうけた。

16さて、ふたりの遊女ゆうじょおうのところにきて、おうまえった。 17ひとりのおんなった、「ああ、わがしゅよ、このおんなとわたしとはひとつのいえんでいますが、わたしはこのおんな一緒いっしょいえにいるときみました。 18ところがわたしのんだのち、三にこのおんなもまたみました。そしてわたしたちは一緒いっしょにいましたが、いえにはほかにだれもわたしたちとともにいたものはなく、ただわたしたちふたりだけでした。 19ところがこのおんな自分じぶんうえしたので、よるのうちにそのにました。 20彼女かのじょ夜中よなかきて、はしためのねむっているあいだに、わたしのをわたしのかたわらからって、自分じぶんのふところにかせ、自分じぶんんだをわたしのふところにかせました。 21わたしはあさちちませようとしてきてるとんでいました。しかしあさになってよくると、それはわたしがんだではありませんでした」。 22ほかのおんなった、「いいえ、きているのがわたしのです。んだのはあなたのです」。はじめのおんなった、「いいえ、んだのがあなたのです。きているのはわたしのです」。かれらはこのようにおうまえった。

23このときおうった、「ひとりは『このきているのがわたしので、んだのがあなたのだ』とい、またひとりは『いいえ、んだのがあなたので、きているのはわたしのだ』とう」。 24そこでおうは「かたなってきなさい」とったので、かたなおうまえってきた。 25おうった、「きているを二つにけて、半分はんぶんをこちらに、半分はんぶんをあちらにあたえよ」。 26するときているははであるおんなは、そののためにこころがやけるようになって、おうった、「ああ、わがしゅよ、きている彼女かのじょあたえてください。けっしてそれをころさないでください」。しかしほかのひとりはった、「それをわたしのものにも、あなたのものにもしないで、けてください」。 27するとおうこたえてった、「きているはじめのおんなあたえよ。けっしてころしてはならない。彼女かのじょはそのははなのだ」。 28イスラエルはみなおうあたえた判決はんけついておうおそれた。かみ知恵ちえかれのうちにあって、さばきをするのをたからである。

第四章

1ソロモンおうはイスラエルのぜんおうであった。 2かれ高官こうかんたちはつぎのとおりである。ザドクのアザリヤは祭司さいし 3シシャのエリホレフとアヒヤは書記官しょきかん。アヒルデのヨシャバテは史官しかん 4エホヤダのベナヤはぐんちょう。ザドクとアビヤタルは祭司さいし 5ナタンのアザリヤは代官だいかんちょう。ナタンのザブデは祭司さいしで、おうともであった。 6アヒシャルは宮内卿くないきょう。アブダのアドニラムは徴募ちょうぼちょうであった。

7ソロモンはまたイスラエルのぜんに十二にん代官だいかんいた。その人々ひとびとおうとそのいえのために食物しょくもつそなえた。すなわちおのおの一ねんに一つきずつ食物しょくもつそなえるのであった。 8そのつぎのとおりである。エフライムの山地さんちにはベンホル。 9マカヅと、シャラビムと、ベテシメシと、エロン・ベテハナンにはベンデケル。 10アルボテにはベンヘセデ、(かれはソコとヘペルのぜん担当たんとうした)。 11ドルの高地こうち全部ぜんぶにはベン・アビナダブ、(かれはソロモンのむすめタパテをつまとした)。 12アヒルデのバアナはタアナクとメギドと、エズレルのした、ザレタンのかたわらにあるベテシャンのぜん担当たんとうして、ベテシャンからアベル・メホラにいたり、ヨクメアムのこうにまでおよんだ。 13ラモテ・ギレアデにはベンゲベル、(かれはギレアデにあるマナセのヤイルの村々むらむら担当たんとうし、またバシャンにあるアルゴブの地方ちほう城壁じょうへき青銅せいどうかんのあるおおきなまち六十を担当たんとうした)。 14マハナイムにはイドのアヒナダブ。 15ナフタリにはアヒマアズ、(かれもソロモンのむすめバスマテをつまにめとった)。 16アセルとベアロテにはホシャイのバアナ。 17イッサカルにはパルアのヨシャパテ。 18ベニヤミンにはエラのシメイ。 19アモリびとのおうシホンのおよびバシャンのおうオグのなるギレアデのにはウリのゲベル。かれはそののただひとりの代官だいかんであった。

20ユダとイスラエルの人々ひとびとおおくて、うみべのすなのようであったが、かれらはいしてたのしんだ。 21ソロモンはユフラテかわからペリシテびとのと、エジプトのさかいいたるまでの諸国しょこくおさめたので、みなみつぎものたずさえてきて、ソロモンの一生いっしょうのあいだつかえた。

22さてソロモンの一にち食物しょくもつこまかい麦粉むぎこ三十コル、あら麦粉むぎこ六十コル、 23えたうしとう牧場まきばうし二十とうひつじとうで、そのほかにじか、かもしか、こじか、およびえたとりがあった。 24これはソロモンがユフラテかわ西にし地方ちほうをテフサからガザまで、ことごとくおさめたからである。すなわちかれはユフラテかわ西にし諸王しょおうをことごとくおさめ、周囲しゅういいたところ平安へいあんた。 25ソロモンの一生いっしょうあいだ、ユダとイスラエルはダンからベエルシバにいたるまで、やすらかにおのおの自分じぶんたちのぶどうのしたと、いちじくのしたんだ。 26ソロモンはまた戦車せんしゃうまの、うまや四千と、騎兵きへい一万二千をっていた。 27そしてそれらの代官だいかんたちはおのおの当番とうばんつきにソロモンおうのため、およびすべてソロモンおう食卓しょくたくつらなるもののために、食物しょくもつそなえてけることのないようにした。 28またかれらはおのおのその割当わりあてにしたがってうまおよび早馬はやうまわせる大麦おおむぎとわらを、そのうまのいるところってきた。

29かみはソロモンに非常ひじょうおおくの知恵ちえさとりをさづけ、またうみべの砂原すなはらのようにひろこころさづけられた。 30ソロモンの知恵ちえひがし人々ひとびと知恵ちえとエジプトのすべての知恵ちえにまさった。 31かれはすべてのひとよりもかしこく、エズラびとエタンよりも、またマホルのヘマン、カルコル、ダルダよりもかしこく、その名声めいせい周囲しゅういのすべての国々くにぐにきこえた。 32かれはまた箴言しんげん三千をいた。またそのうたは一千五しゅあった。 33かれはまた草木くさきのことをろんじてレバノンの香柏こうはくからいしがきにはえるヒソプにまでおよんだ。かれはまたけものとりうものとうおのことをろんじた。 34諸国しょこく人々ひとびとはソロモンの知恵ちえくためにきた。諸王しょおうはソロモンの知恵ちえいてひとをつかわした。

第五章

1さてツロのおうヒラムは、ソロモンがあぶらそそがれ、そのちちかわって、おうとなったのをいて、家来けらいをソロモンにつかわした。ヒラムはつねにダビデをあいしたからである。 2そこでソロモンはヒラムにひとをつかわしてった、 3「あなたのられるとおり、ちちダビデはその周囲しゅういにあったてきとのたたかいのゆえに、かれかみしゅのためにみやてることができず、しゅかれらをそのあしうらしたかれるのをちました。 4ところがいまわがかみしゅはわたしに四方しほう太平たいへいたまわって、てきもなく、わざわいもなくなったので、 5しゅちちダビデに『おまえにかわって、おまえのくらいに、わたしがつかせるおまえの、そのひとがわがのためにみやてるであろう』とわれたように、わがかみしゅのためにみやてようとおもいます。 6それゆえ、あなたは命令めいれいくだして、レバノンの香柏こうはくをわたしのためにさせてください。わたしのしもべたちをあなたのしもべたちと一緒いっしょはたらかせます。またわたしはすべてあなたのおっしゃるとおり、あなたのしもべたちの賃銀ちんぎんをあなたにはらいます。あなたのられるとおり、わたしたちのうちにはシドンびとのようにるにたくみなひとがないからです」。

7ヒラムはソロモンの言葉ことばいておおいによろこび、「きょう、しゅはあがむべきかな。しゅはこのおびただしいたみおさめるかしこをダビデにたまわった」とった。 8そしてヒラムはソロモンにひとをつかわしてった、「わたしはあなたがもうしおくられたことをきました。香柏こうはく材木ざいもくと、いとすぎの材木ざいもくについては、すべておのぞみのようにいたします。 9わたしのしもべどもにそれをレバノンからうみはこびおろさせましょう。わたしはそれをいかだにんで、海路かいろ、あなたの指示しじされる場所ばしょまでおくり、そこでそれをくずしましょう。あなたはそれをってください。また、あなたはわたしのいえのために食物しょくもつ供給きょうきゅうして、わたしののぞみをかなえてください」。 10こうしてヒラムはソロモンにすべてのぞみのように香柏こうはく材木ざいもくと、いとすぎの材木ざいもくあたえた。 11またソロモンはヒラムにそのいえ食物しょくもつとして小麦こむぎ二万コルをあたえ、またオリブをつぶしてったあぶら二万コルをあたえた。このようにソロモンは年々ねんねんヒラムにあたえた。 12しゅ約束やくそくされたようにソロモンに知恵ちえたまわった。またヒラムとソロモンのあいだ平和へいわであって、かれらふたりは条約じょうやくむすんだ。

13ソロモンおうはイスラエルのぜんから強制的きょうせいてき労働者ろうどうしゃ徴募ちょうぼした。その徴募ちょうぼ人員じんいんは三万にんであった。 14ソロモンはかれらを一かげつ交代こうたいに一万にんずつレバノンにつかわした。すなわち一かげつレバノンに、二かげついえにあり、アドニラムは徴募ちょうぼ監督かんとくであった。 15ソロモンにはまたものが七万にんやまいしものが八万にんあった。 16ほかにソロモンには工事こうじ監督かんとくする上役うわやく官吏かんりが三千三百にんあって、工事こうじはたらたみ監督かんとくした。 17おうめいじておおきい高価こうかいしさせ、いしをもってみやもといをすえさせた。 18こうしてソロモンの建築者けんちくしゃと、ヒラムの建築者けんちくしゃおよびゲバルびとはいしり、材木ざいもくいしとをみやてるためにそなえた。

第六章

1イスラエルの人々ひとびとがエジプトののち四百八十ねん、ソロモンがイスラエルのおうとなってだいねんのジフのつきすなわち二がつに、ソロモンはしゅのためにみやてることをはじめた。 2ソロモンおうしゅのためにてたみやながさ六十キュビト、はば二十キュビト、たかさ三十キュビトであった。 3みや拝殿はいでんまえろうみやはばにしたがってながさ二十キュビト、そのはばみやまえで十キュビトであった。 4かれみやに、内側うちがわひろわくまどつくった。 5またみやかべにつけて周囲しゅうい脇屋わきやもうけ、みやかべすなわち拝殿はいでん本殿ほんでんかべ周囲しゅういてめぐらし、みや周囲しゅうい脇間わきまがあるようにした。 6した脇間わきまひろさ五キュビト、なかひろさ六キュビト、だい三のはひろさ七キュビトであった。みや外側そとがわにはかべだんつくって、はりみやかべなかまないようにした。

7みやてるときに、いしととのえたいしをもってつくったので、てているあいだみやのうちには、つちも、おのも、その鉄器てっきもそのおときこえなかった。

8した脇間わきま入口いりぐちみや右側みぎがわにあり、まわ階段かいだんによってなか脇間わきまに、なか脇間わきまからだい三の脇間わきまにのぼった。 9こうしてかれみやおわり、香柏こうはくのたるきといたをもってみや天井てんじょうつくった。 10またみやにつけて、おのおのたかさ五キュビトの脇間わきまのある脇屋わきやてめぐらし、香柏こうはく材木ざいもくをもってみや接続せつぞくさせた。

11そこでしゅ言葉ことばがソロモンにのぞんだ、 12「あなたがてるこのみやについては、もしあなたがわたしのさだめにあゆみ、おきてをおこない、すべてのいましめをまもり、それにしたがってあゆむならば、わたしはあなたのちちダビデに約束やくそくしたことを成就じょうじゅする。 13そしてわたしはイスラエルの人々ひとびとのうちにみ、わたしのたみイスラエルをてることはない」。

14こうしてソロモンはみやおわった。 15かれ香柏こうはくいたをもってみやかべ内側うちがわった。すなわちみやゆかから天井てんじょうのたるきまで香柏こうはくいたった。また、いとすぎのいたをもってみやゆかった。 16またみやおくに二十キュビトのしつゆかから天井てんじょうのたるきまで香柏こうはくいたをもってつくった。すなわちみやうち至聖所しせいじょとしての本堂ほんどうつくった。 17みやすなわち本殿ほんでんまえにある拝殿はいでんながさ四十キュビトであった。 18みやうちがわ香柏こうはくいたは、ひさごのかたちと、いたはな浮彫うきぼりりにしたもので、みな香柏こうはくいたで、いしえなかった。 19そしてしゅ契約けいやくはこくために、みやうちおく本殿ほんでんもうけた。 20本殿ほんでんながさ二十キュビト、はば二十キュビト、たかさ二十キュビトであって、純金じゅんきんでこれをおおった。また香柏こうはく祭壇さいだんつくった。 21ソロモンは純金じゅんきんをもってみやうちがわをおおい、本殿ほんでんまえきんくさりをもってへだてをつくり、きんをもってこれをおおった。 22またきんをもってのこらずみやをおおい、ついにみやかざることをことごとくえた。また本殿ほんでんぞくする祭壇さいだんをことごとくきんでおおった。

23本殿ほんでんのうちにオリブのをもって二つのケルビムをつくった。そのたかさはおのおの十キュビト。 24そのケルブの一つのつばさながさは五キュビト、またそのケルブのつばさながさも五キュビトであった。一つのつばさはしからつばさはしまでは十キュビトあった。 25のケルブも十キュビトであって、二つのケルビムはおな寸法すんぽうおなかたちであった。 26このケルブのたかさは十キュビト、かのケルブのたかさもおなじであった。 27ソロモンはみやのうちのおくにケルビムをすえた。ケルビムのつばさばしたところ、このケルブのつばさはこのかべたっし、かのケルブのつばさはかのかべたっし、の二つのつばさみやなかたがいった。 28かれきんをもってそのケルビムをおおった。

29かれみや周囲しゅういかべに、内外ないがいしつともみなケルビムと、しゅろのと、いたはなかたちものきざみ、 30みやゆかは、内外ないがいしつともきんでおおった。

31本殿ほんでん入口いりぐちにはオリブののとびらをつくった。そのとびらのうえのかまちとわきばしらとで五へんけいをなしていた。 32その二つのとびらもオリブのであって、ソロモンはそのうえにケルビムと、しゅろのと、いたはなかたちきざみ、きんをもっておおった。すなわちケルビムと、しゅろのうえきんせた。

33こうしてソロモンはまた拝殿はいでん入口いりぐちのためにオリブの四角しかくかたちわきばしらつくった。 34その二つのとびらはいとすぎであって、一つのとびらは二つにたたむであり、のとびらも二つにたたむであった。 35ソロモンはそのうえにケルビムと、しゅろのと、いたはなきざみ、きんをもってものうえかたちどおりにおおった。 36またいし三かさねと、香柏こうはく角材かくざいひとかさねとをもって内庭うちにわつくった。

37だいねんのジフのつきしゅみやもといをすえ、 38だい十一ねんのブルのつきすなわち八がつに、みやのすべての部分ぶぶん設計せっけいどおりに完成かんせいした。ソロモンはこれをてるのに七ねんようした。

第七章

1またソロモンは自分じぶんいえてたが、十三ねんかかってそのいえ全部ぜんぶおわった。

2かれはレバノンのもりいえてた。ながさ百キュビト、はば五十キュビト、たかさ三十キュビトで、三れつ香柏こうはくはしらがあり、そのはしらうえ香柏こうはくはりがあった。 3四十五ほんはしらうえにあるしつ香柏こうはくいたでおおった。はしらかくれつ十五ほんあった。 4またまどわくが三れつあって、まどまどと三だんかいっていた。 5戸口とぐちまどはみな四角しかくわくをもち、まどまどと三だんかいった。

6またはしら広間ひろまつくった。ながさ五十キュビト、はば三十キュビトであった。はしらまえに一つの広間ひろまがあり、その玄関げんかんはしらとひさしがあった。

7またソロモンはみずから審判しんぱんをするために玉座ぎょくざ広間ひろま、すなわち審判しんぱん広間ひろまつくった。ゆかからたるきまで香柏こうはくをもっておおった。

8ソロモンがんだ宮殿きゅうでんはその広間ひろまのうしろのにわにあって、その造作ぞうさおなじであった。ソロモンはまたかれがめとったパロのむすめのためにいえてたが、その広間ひろまおなじであった。

9これらはみな内外ないがいとも、土台どだいからのきまで、またしゅみやにわから大庭おおにわまで、寸法すんぽうわせてったいし、すなわち、のこぎりでひいた高価こうかいしつくられた。 10また土台どだい高価こうかいしおおきないし、すなわち八キュビトのいし、十キュビトのいしであった。 11そのうえには寸法すんぽうわせてった高価こうかいし香柏こうはくとがあった。 12また大庭おおにわ周囲しゅういには三かさねのいしと、一かさねの香柏こうはく角材かくざいがあった。しゅみやうちにわ宮殿きゅうでん広間ひろまにわ場合ばあいおなじである。

13ソロモンおうひとをつかわしてツロからヒラムをんできた。 14かれはナフタリの部族ぶぞく寡婦かふであって、そのちちはツロのひとで、青銅せいどう細工人さいくにんであった。ヒラムは青銅せいどうのいろいろな細工さいくをする知恵ちえさとりと知識ちしきちたものであったが、ソロモンおうのところにきて、そのすべての細工さいくをした。

15かれ青銅せいどうはしらほんた。一ぽんはしらたかさは十八キュビト、そのまわりはつなをもってはかると十二キュビトあり、ゆびほんあつさで空洞くうどうであった。はしらおなじである。 16また青銅せいどうかして柱頭ちゅうとう二つをつくり、はしらいただきにすえた。その一つの柱頭ちゅうとうたかさは五キュビト、柱頭ちゅうとうたかさも五キュビトであった。 17はしらいただきにある柱頭ちゅうとうのためにくさりんだかざりひもで市松いちまつ模様もようあみ細工ざいく二つをつくった。すなわちこの柱頭ちゅうとうのために一つ、かの柱頭ちゅうとうのために一つをつくった。 18またざくろをつくった。すなわち二ならびのざくろを一つのあみ細工ざいくうえのまわりにつくって、はしらいただきにある柱頭ちゅうとういた。柱頭ちゅうとうにもおなじようにした。 19このろうはしらいただきにある柱頭ちゅうとううえに四キュビトのゆりのはな細工さいくがあった。 20二つのはしら上端じょうたんまる突出とっしゅつうえにあるあみ細工ざいく柱頭ちゅうとう周囲しゅういには、おのおの二百のざくろが二ならびになっていた。 21このはしら神殿しんでんろうてた。すなわちみなみはしらてて、そのをヤキンとづけ、きたはしらてて、そのをボアズとづけた。 22そのはしらいただきにはゆりのはな細工さいくがあった。こうしてそのはしら造作ぞうさができあがった。

23またうみつくった。ふちからふちまで十キュビトであって、周囲しゅうい円形えんけいをなし、たかさ五キュビトで、その周囲しゅういつなをもってはかると三十キュビトであった。 24そのふちしたには三十キュビトの周囲しゅういをめぐるひさごがあって、うみ周囲しゅういかこんでいた。そのひさごは二ならびで、うみときたものである。 25そのうみは十二のうしうえかれ、その三つはきたかい、三つは西にしかい、三つはみなみかい、三つはひがしかっていた。うみはそのうえかれ、うしのうしろはみなうちかっていた。 26うみあつさははばで、そのふちはいふちのように、ゆりのはなせてつくられた。うみにはみずが二千バテはいった。

27また青銅せいどうだいを十つくった。だいながさ四キュビト、はば四キュビト、たかさ三キュビトであった。 28そのだい構造こうぞうつぎのとおりである。だいには鏡板かがみいたがあり、鏡板かがみいたわくなかにあった。 29わくなかにある鏡板かがみいたには、ししとうしとケルビムとがあり、また、ししとうしうえしたにあるわく斜面しゃめんにははなかざりが細工さいくしてあった。 30まただいにはおのおの四つの青銅せいどう車輪しゃりんと、青銅せいどう車軸しゃじくがあり、その四すみには洗盤せんばんのささえがあった。そのささえは、おのおのはなかざりのかたわらにつくりつけてあった。 31そのくちは一キュビトうえて、だいいただきうちにあり、そのくちまるく、台座だいざのようにつくられ、ふかさ一キュビトはんであった。またそのくちにはものがあった。その鏡板かがみいた四角しかくで、まるくなかった。 32四つの車輪しゃりん鏡板かがみいたしたにあり、車軸しゃじくだいけてあり、車輪しゃりんたかさはおのおの一キュビトはんであった。 33車輪しゃりん構造こうぞう戦車せんしゃ車輪しゃりん構造こうぞうおなじで、その車軸しゃじくふちこしきとはみな鋳物いものであった。 34おのおののだいの四すみに四つのささえがあり、そのささえはだい一部いちぶをなしていた。 35だいうえにはたかはんキュビトのまるおびがあった。そしてだいうえにあるその支柱しちゅう鏡板かがみいたとはその一部いちぶをなしていた。 36その支柱しちゅう表面ひょうめん鏡板かがみいたにはそれぞれの場所ばしょに、ケルビムと、ししと、しゅろをきざみ、またその周囲しゅういはなかざりをほどこした。 37このようにして十だいつくった。それはみなおな鋳方いかたおな寸法すんぽうおなかたちであった。

38また青銅せいどう洗盤せんばんを十つくった。洗盤せんばんはおのおの四十バテのみずがはいり、洗盤せんばんはおのおの四キュビトであった。十だいうえにはおのおの一つずつの洗盤せんばんがあった。 39そのだいの五みやみなみほうに、五みやきたほうき、みや東南とうなんほううみをすえた。

40ヒラムはまたつぼと十能じゅうのうはちつくった。こうしてヒラムはソロモンおうのためにしゅみやのすべての細工さいくをなしえた。 41すなわち二ほんはしらと、そのはしらいただきにある柱頭ちゅうとうの二つのたまと、はしらいただきにある柱頭ちゅうとうの二つのたまをおおう二つのあみ細工ざいくと、 42その二つのあみ細工ざいくのためのざくろ四百。このざくろは一つのあみ細工ざいくに、二ならびにつけて、はしらいただきにある柱頭ちゅうとうの二つのたまいた。 43また十だいと、そのだいうえの十洗盤せんばんと、 44一つのうみと、そのうみしたの十二のうしとであった。

45さてつぼと十能じゅうのうはち、すなわちヒラムがソロモンおうのためにつくったしゅみやのこれらのうつわはみなひかりのある青銅せいどうであった。 46おうはヨルダンの低地ていちで、スコテとザレタンのあいだ粘土ねんどでこれらをた。 47ソロモンはそのうつわ非常ひじょうおおかったので、みなそれをはからずにおいた。その青銅せいどうおもさは、はかりなかった。

48またソロモンはしゅみやにあるもろもろのうつわつくった。すなわちきん祭壇さいだんと、そなえのパンをせるきんつくえ 49および純金じゅんきん燭台しょくだい。この燭台しょくだい本殿ほんでんまえに、五つはみなみに、五つはきたにあった。またきんはなと、ともしびさらと、こころかきと、 50純金じゅんきんさらと、心切しんきりばさみと、はちと、こうはいと、心取しんとざらと、至聖所しせいじょであるみやおくのとびらのためおよび、みや拝殿はいでんのとびらのために、きんのひじつぼをつくった。

51こうしてソロモンおうしゅみやのためにつくるすべての細工さいくおわった。そしてソロモンはちちダビデがささげたもの、すなわち金銀きんぎんおよび器物うつわものたずさはいり、しゅみや宝蔵ほうぞうなかにたくわえた。

第八章

1ソロモンはしゅ契約けいやくはこをダビデのまち、すなわちシオンからかつぎのぼろうとして、イスラエルの長老ちょうろうたちと、すべての部族ぶぞくのかしらたちと、イスラエルの人々ひとびと氏族しぞくちょうたちをエルサレムでソロモンおうのもとにあつめた。 2イスラエルのひとみなエタニムのつきすなわち七がつまつりにソロモンおうのもとにあつまった。 3イスラエルの長老ちょうろうたちがみなたので、祭司さいしたちははこりあげた。 4そしてかれらはしゅはこと、会見かいけん幕屋まくやと、幕屋まくやにあるすべてのせいなるうつわをかつぎのぼった。すなわち祭司さいしとレビびとがこれらのものをかつぎのぼった。 5ソロモンおうおよびかれのもとにあつまったイスラエルの会衆かいしゅうみなかれともはこまえで、ひつじうしをささげたが、そのかずおおくて調しらべることもかぞえることもできなかった。 6祭司さいしたちはしゅ契約けいやくはこをその場所ばしょにかつぎれた。すなわちみや本殿ほんでんである至聖所しせいじょのうちのケルビムのつばさしたいた。 7ケルビムはつばさはこところべていたので、ケルビムはうえからはことそのさおをおおった。 8さおはながかったので、さおのはし本殿ほんでんまえ聖所せいじょからえた。しかしそとにはえなかった。そのさおは今日こんにちまでそこにある。 9はこうちには二つのいしいたのほかなにもなかった。これはイスラエルの人々ひとびとがエジプトのからたとき、しゅかれらと契約けいやくむすばれたときに、モーセがホレブで、それにおさめたものである。 10そして祭司さいしたちが聖所せいじょからたとき、くもしゅみやちたので、 11祭司さいしたちはくものためにってつかえることができなかった。しゅ栄光えいこうしゅみやちたからである。

12そこでソロモンはった、
しゅてんかれた。
しかもしゅみずかくもなかまおうとわれた。
13わたしはあなたのためにたかいえ
とこしえのみすまいをてた」。
14おうをめぐらして、イスラエルのすべての会衆かいしゅう祝福しゅくふくした。そのときイスラエルのすべての会衆かいしゅうっていた。 15かれった、「イスラエルのかみしゅはほむべきかな。しゅはそのくちをもってわたしのちちダビデに約束やくそくされたことを、そのをもってなしげられた。しゅわれた、 16『わがたみイスラエルをエジプトからみちびしたから、わたしはわたしのくべきみやてるために、イスラエルのもろもろの部族ぶぞくのうちから、どのまちをもえらんだことがなかった。ただダビデをえらんで、わがたみイスラエルのうえたせた』と。 17イスラエルのかみしゅのためにみやてることは、わたしのちちダビデのこころにあった。 18しかししゅはわたしのちちダビデにわれた、『わたしののためにみやてることはあなたのこころにあった。あなたのこころにこのことのあったのは結構けっこうである。 19けれどもあなたはそのみやててはならない。あなたのからるあなたのがわたしののためにみやてるであろう』と。 20そしてしゅはそのわれた言葉ことばおこなわれた。すなわちわたしはちちダビデにかわってち、しゅわれたように、イスラエルのくらいし、イスラエルのかみしゅのためにみやてた。 21わたしはまたそこにしゅ契約けいやくおさめたはこのために一つの場所ばしょもうけた。その契約けいやくしゅがわれわれの先祖せんぞをエジプトのからみちびされたときに、かれらとむすばれたものである」。

22ソロモンはイスラエルのぜん会衆かいしゅうまえで、しゅ祭壇さいだんまえち、てんべて、 23った、「イスラエルのかみしゅよ、うえてんにも、したにも、あなたのようなかみはありません。あなたは契約けいやくまもられ、こころをつくしてあなたのまえあゆむあなたのしもべらに、いつくしみをほどこし、 24あなたのしもべであるわたしのちちダビデに約束やくそくされたことをまもられました。あなたがくちをもって約束やくそくされたことを、をもってなしげられたことは、今日こんにちるとおりであります。 25それゆえ、イスラエルのかみしゅよ、あなたのしもべであるわたしのちちダビデに、あなたが約束やくそくして『おまえがわたしのまえあゆんだように、おまえの子孫しそんが、そのみちつつしんで、わたしのまえあゆむならば、おまえにはイスラエルのくらいするひとが、わたしのまえけることはないであろう』とわれたことを、ダビデのためにまもってください。 26イスラエルのかみよ、どうぞ、あなたのしもべであるわたしのちちダビデにわれた言葉ことば確認かくにんしてください。

27しかしかみは、はたして地上ちじょうまわれるでしょうか。よ、てんも、いとたかてんもあなたをいれることはできません。ましてわたしのてたこのみやはなおさらです。 28しかしわがかみしゅよ、しもべのいのりねがいをかえりみて、しもべがきょう、あなたのまえにささげるさけびといのりをおきください。 29あなたが『わたしのをそこにく』とわれたところ、すなわち、このみやかって夜昼よるひるあなたのをおひらきください。しもべがこのところかっていのいのりをおきください。 30しもべと、あなたのたみイスラエルがこのところかっていのときに、そのねがいをおきください。あなたのすみかであるてんき、いておゆるしください。

31もしひとがそのとなびとたいしてつみおかし、ちかいをすることをもとめられるときてこのみやであなたの祭壇さいだんまえちかうならば、 32あなたはてんいておこない、あなたのしもべらをさばき、悪人あくにんばっして、そのおこないのむくいをそのこうべにし、義人ぎじんとして、そのにしたがって、そのひとむくいてください。

33もしあなたのたみイスラエルが、あなたにたいしてつみおかしたためにてきまえやぶれたとき、あなたにかえって、あなたのをあがめ、このみやであなたにいのねがうならば、 34あなたはてんにあってき、あなたのたみイスラエルのつみをゆるして、あなたがかれらの先祖せんぞたまわったかれらをかえらせてください。

35もしかれらがあなたにつみおかしたために、てんざされてあめがなく、あなたがかれらをくるしめられるときかれらがこのところかっていのり、あなたのをあがめ、そのつみはなれるならば、 36あなたはてんき、あなたのしもべ、あなたのたみイスラエルのつみをゆるし、かれらにあゆむべきみちおしえて、あなたが、あなたのたみぎょうとしてあたえられたあめらせてください。

37もしくににききんがあるか、もしくは疫病えきびょうれ、くさ、いなご、青虫あおむしがあるか、もしくはてきのためにまちなかかこまれることがあるか、どんな災害さいがい、どんな病気びょうきがあっても、 38もし、だれでも、あなたのたみイスラエルがみな、おのおのそのこころなやみをって、このみやかい、べるならば、どんないのり、どんなねがいでも、 39あなたは、あなたのすみかであるてんいてゆるし、かつおこない、おのおののひとに、そのこころっておられるゆえ、そのすべてのみちにしたがってむくいてください。ただ、あなただけ、すべてのひとこころっておられるからです。 40あなたが、われわれの先祖せんぞたまわったに、かれらのきながらえるあいだつねにあなたをおそれさせてください。

41またあなたのたみイスラエルのものでなく、あなたののためにとおくにから異邦人いほうじんが、 42――それはかれらがあなたのおおいなると、つよと、べたうでとについておよぶからです、――もしきて、このみやかっていのるならば、 43あなたは、あなたのすみかであるてんき、すべて異邦人いほうじんがあなたにもとめることをかなえさせてください。そうすれば、のすべてのたみは、あなたのたみイスラエルのように、あなたのり、あなたをおそれ、またわたしがてたこのみやがあなたのによってばれることをるにいたるでしょう。

44あなたのたみてきたたかうために、あなたがつかわされるみちとおってくとき、もしかれらがあなたのえらばれたまち、わたしがあなたののためにてたみやほうかって、しゅいのるならば、 45あなたはてんで、かれらのいのりねがいをいてかれらをおたすけください。

46かれらがあなたにたいしてつみおかすことがあって、――ひとつみおかさないものはないのです、――あなたがかれらをいかり、かれらをてきにわたし、てきかれらを捕虜ほりょとして遠近えんきんにかかわらず、てきいてとき 47もしかれらがとらわれていったで、みずからかえりみてい、自分じぶんとらえていったもので、あなたにねがい、『われわれはつみおかしました、そむいてあくおこないました』とい、 48自分じぶんとらえていったてきで、こころをつくし、精神せいしんをつくしてあなたにかえり、あなたがかれらの先祖せんぞあたえられた、あなたがえらばれたまち、わたしがあなたののためにてたみやほうかって、あなたにいのるならば、 49あなたのすみかであるてんで、かれらのいのりねがいをいて、かれらをたすけ、 50あなたのたみが、あなたにたいしておかしたつみと、あなたにたいしてったすべてのあやまちをゆるし、かれらをとらえていったものまえで、かれらにあわれみをさせ、その人々ひとびとかれらをあわれむようにしてください。 51かれらはあなたがエジプトから、てつのかまどのなかからみちびされたあなたのたみ、あなたのぎょうであるからです)。 52どうぞ、しもべのねがいと、あなたのたみイスラエルのねがいに、あなたのひらき、すべてあなたにもとめるときかれらのねがいをおきください。 53あなたはかれらをのすべてのたみのうちからべっして、あなたのぎょうとされたからです。しゅなるかみよ、あなたがわれわれの先祖せんぞをエジプトからみちびされたとき、モーセによってわれたとおりです」。

54ソロモンはこのいのりねがいをことごとくしゅにささげおわると、それまでてんかってべ、ひざまずいていたしゅ祭壇さいだんまえからちあがり、 55って大声おおごえでイスラエルのぜん会衆かいしゅう祝福しゅくふくしてった、 56しゅはほむべきかな。しゅはすべて約束やくそくされたように、そのたみイスラエルに太平たいへいたまわった。そのしもべモーセによっておおせられたその約束やくそくみな一つもたがわなかった。 57われわれのかみがわれわれの先祖せんぞともにおられたように、われわれとともにおられるように。われわれをはなれず、またわれわれを見捨みすてられないように。 58われわれのこころしゅかたむけて、しゅのすべてのみちあゆませ、われわれの先祖せんぞめいじられたいましめとさだめと、おきてとをまもらせられるように。 59しゅまえにわたしがべたこれらのねがいの言葉ことばが、日夜にちやわれわれのかみしゅおぼえられるように。そしてしゅ日々ひびことに、しもべをたすけ、しゅたみイスラエルをたすけられるように。 60そうすれば、のすべてのたみしゅかみであることと、ほかかみのないことをるにいたるであろう。 61それゆえ、あなたがたは、今日こんにちのようにわれわれのかみしゅたいして、こころまった真実しんじつであり、しゅさだめにあゆみ、しゅいましめをまもらなければならない」。

62そしておうおよびおうともにいるすべてのイスラエルびとはしゅまえ犠牲ぎせいをささげた。 63ソロモンは酬恩祭しゅうおんさいとしてうし二万二千とうひつじ十二万とうしゅにささげた。こうしておうとイスラエルの人々ひとびとみなしゅみや奉献ほうけんした。 64そのおうしゅみやまえにあるにわなか聖別せいべつし、そのところ燔祭はんさい素祭そさい酬恩祭しゅうおんさい脂肪しぼうをささげた。これはしゅまえにある青銅せいどう祭壇さいだん素祭そさい酬恩祭しゅうおんさい脂肪しぼうとをけるにりなかったからである。

65そのときソロモンは七日なぬかあいだわれわれのかみしゅまえまつりおこなった。ハマテの入口いりぐちからエジプトのかわいたるまでのすべてのイスラエルびとのおおいなる会衆かいしゅうかれともにいた。 66にソロモンはたみかえらせた。たみおう祝福しゅくふくし、しゅがそのしもべダビデと、そのたみイスラエルとにほどこされたもろもろのめぐみをよろこび、こころたのしんでその天幕てんまくかえってった。

第九章

1ソロモンがしゅみやおう宮殿きゅうでんおよびソロモンがてようとのぞんだすべてのものをおわったとき 2しゅはかつてギベオンでソロモンにあらわれられたようにふたたあらわれて、 3かれわれた、「あなたが、わたしのまえねがったいのりねがいとをいた。わたしはあなたがてたこのみや聖別せいべつして、わたしの永久えいきゅうにそこにく。わたしのと、わたしのこころつねにそこにあるであろう。 4あなたがもし、あなたのちちダビデがあゆんだようにまったこころをもってただしくわたしのまえあゆみ、すべてわたしがめいじたようにおこなって、わたしのさだめと、おきてとをまもるならば、 5わたしは、あなたのちちダビデに約束やくそくして『イスラエルの王位おういにのぼるひとがあなたにけることはないであろう』とったように、あなたのイスラエルにおうたるくらいをながく確保かくほするであろう。 6しかし、あなたがた、またはあなたがたの子孫しそんがそむいてわたしにしたがわず、わたしがあなたがたのまえいたいましめとさだめとをまもらず、神々かみがみって、それにつかえ、それをおがむならば、 7わたしはイスラエルを、わたしがあたえたのおもてからつであろう。またわたしののために聖別せいべつしたみやをわたしのまえからげすてるであろう。そしてイスラエルはもろもろのたみのうちにことわざとなり、わらぐさとなるであろう。 8かつ、このみや荒塚あらつかとなり、そのかたわらをぎるものみなおどろき、うそぶいて『なにゆえ、しゅはこのと、このみやとにこのようにされたのか』とうであろう。 9そのとき人々ひとびとこたえて『かれらは自分じぶん先祖せんぞをエジプトのからみちびしたかれらのかみしゅてて、神々かみがみにつきしたがい、それをおがみ、それにつかえたために、しゅはこのすべてのわざわいかれらのうえくだしたのである』とうであろう」。

10ソロモンは二十ねんて二つのいえすなわちしゅみやおう宮殿きゅうでんとをおわったとき 11ツロのおうヒラムがソロモンののぞみにまかせて香柏こうはくと、いとすぎと、きんとを供給きょうきゅうしたので、ソロモンおうはガリラヤのまち二十をヒラムにあたえた。 12しかしヒラムがツロからて、ソロモンがかれあたえた町々まちまちたとき、それらはかれにいらなかったので、 13かれは、「兄弟きょうだいよ、あなたがくださったこれらの町々まちまちは、いったいなんですか」とった。それで、そこは今日こんにちまでカブルのばれている。 14ヒラムはかつてきん百二十タラントをおうおくった。

15ソロモンおう強制的きょうせいてき労働者ろうどうしゃ徴募ちょうぼしたのはこうである。すなわちしゅみや自分じぶん宮殿きゅうでんと、ミロとエルサレムの城壁じょうへきと、ハゾルとメギドとゲゼルをてるためであった。 16(エジプトのおうパロはかつてのぼってきて、ゲゼルをり、でこれをき、そのまちんでいたカナンびとをころし、これをソロモンのつまである自分じぶんむすめあたえて婚姻こんいんおくものとしたので、 17ソロモンはそのゲゼルをなおした)。またまたしたベテホロンと、 18バアラテとユダのくに荒野あらのにあるタマル、 19およびソロモンがっていた倉庫そうこ町々まちまち戦車せんしゃ町々まちまち騎兵きへい町々まちまちならびにソロモンがエルサレム、レバノンおよびそのすべての領地りょうちにおいててようとのぞんだものをことごとくてるためであった。 20すべてイスラエルの子孫しそんでないアモリびと、ヘテびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとののこったもの 21そのにあってかれらのあとにのこった子孫しそんすなわちイスラエルの人々ひとびとほろぼしつくすことのできなかったものを、ソロモンは強制的きょうせいてき奴隷どれいとして徴募ちょうぼをおこない、今日こんにちいたっている。 22しかしイスラエルの人々ひとびとをソロモンはひとりも奴隷どれいとしなかった。かれらは軍人ぐんじん、またかれ役人やくにん司令しれいかん指揮しきかん戦車せんしゃ隊長たいちょう騎兵隊きへいたいちょうであったからである。

23ソロモンの工事こうじ監督かんとくする上役うわやく官吏かんりは五百五十にんであって、工事こうじはたらたみおさめた。

24パロのむすめはダビデのまちからのぼって、ソロモンが彼女かのじょのためにてたいえんだ。そのときソロモンはミロをてた。

25ソロモンはしゅのためにきずいた祭壇さいだんうえねんに三燔祭はんさい酬恩祭しゅうおんさいをささげ、またしゅまえこうをたいた。こうしてソロモンはみや完成かんせいした。

26ソロモンおうはエドムの紅海こうかいきしのエラテにちかいエジオン・ゲベルで数隻すうせきふねつくった。 27ヒラムはうみことっている船員せんいんであるそのしもべをソロモンのしもべとともにそのふねでつかわした。 28かれらはオフルへって、そこからきん四百二十タラントをって、ソロモンおうところにもってきた。

第一〇章

1シバの女王じょおうしゅにかかわるソロモンの名声めいせいいたので、難問なんもんをもってソロモンをこころみようとたずねてきた。 2彼女かのじょおおくの従者じゅうしゃれ、香料こうりょうと、たくさんのきん宝石ほうせきとをらくだにわせてエルサレムにきた。彼女かのじょはソロモンのもとにきて、そのこころにあることをことごとくかれげたが、 3ソロモンはそのすべてのといこたえた。おうらないで彼女かのじょ説明せつめいのできないことは一つもなかった。 4シバの女王じょおうはソロモンのもろもろの知恵ちえと、ソロモンがてた宮殿きゅうでん 5その食卓しょくたく食物しょくもつと、列座れつざ家来けらいたちと、その侍臣じしんたちの伺候しこうぶり、かれらの服装ふくそうと、かれ給仕きゅうじたち、およびかれしゅみやでささげる燔祭はんさいて、まったうばわれてしまった。

6彼女かのじょおうった、「わたしがくにであなたのことと、あなたの知恵ちえについていたことは真実しんじつでありました。 7しかしわたしがきて、るまでは、その言葉ことばしんじませんでしたが、今見いまみるとその半分はんぶんもわたしはらされていなかったのです。あなたの知恵ちえ繁栄はんえいはわたしがいたうわさにまさっています。 8あなたの奥方おくがたたちはさいわいです。つねにあなたのまえって、あなたの知恵ちえ家来けらいたちはさいわいです。 9あなたのかみしゅはほむべきかな。しゅはあなたをよろこび、あなたをイスラエルのくらいにのぼらせられました。しゅ永久えいきゅうにイスラエルをあいせられるゆえ、あなたをおうとして公道こうどう正義せいぎとをおこなわせられるのです」。 10そして彼女かのじょきん百二十タラントおよびおおくの香料こうりょう宝石ほうせきとをおうおくった。シバの女王じょおうがソロモンおうおくったようなおおくの香料こうりょうふたたびこなかった。

11オフルからきんせてきたヒラムのふねは、またオフルからたくさんのびゃくだんの宝石ほうせきとをはこんできたので、 12おうはびゃくだんのをもってしゅみやおう宮殿きゅうでんのためにへきちゅうつくり、またうた人々ひとびとのためにこと立琴たてごととをつくった。このようなびゃくだんのは、かつてきたこともなく、また今日こんにちまでたこともなかった。

13ソロモンおうはそのゆたかなのにしたがってシバの女王じょおうおくものをしたほかに、彼女かのじょのぞみにまかせて、すべてそのもとめるものおくった。そして彼女かのじょはその家来けらいたちととも自分じぶんくにかえっていった。

14さて一ねんあいだにソロモンのところに、はいってきたきん目方めかたは六百六十六タラントであった。 15そのほかに貿易ぼうえきしょうおよび商人しょうにん取引とりひき、ならびにアラビヤの諸王しょおうくに代官だいかんたちからも、はいってきた。 16ソロモンおう延金のべきん大盾おおだて二百をつくった。その大盾おおだてにはおのおの六百シケルのきんもちいた。 17また延金のべきん小盾こだて三百をつくった。その小盾こだてにはおのおの三ミナのきんもちいた。おうはこれらをレバノンのもりいえいた。 18おうはまたおおきな象牙ぞうげ玉座ぎょくざつくり、純金じゅんきんをもってこれをおおった。 19その玉座ぎょくざに六つのだんがあり、玉座ぎょくざのちうしあたまがあり、座席ざせき両側りょうがわにひじけがあって、ひじけのわきに二つのししがっていた。 20また六つのだんのおのおのの両側りょうがわに十二のししがっていた。このようなものはどこのくにでもつくられたことがなかった。 21ソロモンおうむときにもちいたうつわみなきんであった。またレバノンのもりいえうつわみな純金じゅんきんであって、ぎんのものはなかった。ぎんはソロモンのにはかえりみられなかった。 22これはおううみにタルシシの船隊せんたい所有しょゆうして、ヒラムの船隊せんたい一緒いっしょ航海こうかいさせ、タルシシの船隊せんたいに三ねんに一きんぎん象牙ぞうげ、さる、くじゃくをせてこさせたからである。

23このようにソロモンおうとみ知恵ちえも、のすべてのおうにまさっていたので、 24ぜん人々ひとびとかみがソロモンのこころさづけられた知恵ちえこうとしてソロモンに謁見えっけんもとめた。 25人々ひとびとはおのおのおくものたずさえてきた。すなわちぎんうつわきんうつわ衣服いふく没薬もつやく香料こうりょううま騾馬らばなど年々ねんねんさだまっていた。

26ソロモンは戦車せんしゃ騎兵きへいとをあつめたが、戦車せんしゃ一千四百りょう騎兵きへい一万二千あった。ソロモンはこれを戦車せんしゃまちとエルサレムのおうのもとにいた。 27おうはエルサレムで、ぎんいしのようにもちい、香柏こうはく平地へいちにあるいちじくくわのようにおおもちいた。 28ソロモンがうま輸入ゆにゅうしたのはエジプトとクエからであった。すなわちおう貿易ぼうえきしょうはクエから代価だいかはらってってきた。 29エジプトから輸入ゆにゅうされる戦車せんしゃりょうぎん六百シケル、うまは百五十シケルであった。このようにして、これらのものがおう貿易ぼうえきしょうによって、ヘテびとのすべてのおうたちおよびスリヤのおうたちに輸出ゆしゅつされた。

第一一章

1ソロモンおうおおくの外国がいこくおんなあいした。すなわちパロのむすめ、モアブびと、アンモンびと、エドムびと、シドンびと、ヘテびとのおんなあいした。 2しゅはかつてこれらの国民こくみんについて、イスラエルの人々ひとびとわれた、「あなたがたはかれらとまじわってはならない。かれらもまたあなたがたとまじわってはならない。かれらはかならずあなたがたのこころてんじてかれらの神々かみがみしたがわせるからである」。しかしソロモンはかれらをあいしてはなれなかった。 3かれには王妃おうひとしてのつま七百にん、そばめ三百にんがあった。そのつまたちがかれこころてんじたのである。 4ソロモンが年老としおいたとき、そのつまたちがかれこころてんじて神々かみがみしたがわせたので、かれこころちちダビデのこころのようには、そのかみしゅ真実しんじつでなかった。 5これはソロモンがシドンびとの女神めがみアシタロテにしたがい、アンモンびとのかみであるにくむべきものミルコムにしたがったからである。 6このようにソロモンはしゅまえあくおこない、ちちダビデのようにまったくはしゅしたがわなかった。 7そしてソロモンはモアブのかみであるにくむべきものケモシのために、またアンモンの人々ひとびとかみであるにくむべきものモレクのためにエルサレムのひがしやまたかところきずいた。 8かれはまた外国がいこくのすべてのつまたちのためにもそうしたので、彼女かのじょたちはその神々かみがみこうをたき、犠牲ぎせいをささげた。

9このようにソロモンのこころてんじて、イスラエルのかみしゅはなれたため、しゅかれいかられた。すなわちしゅがかつて二かれあらわれ、 10このことについてかれに、神々かみがみしたがってはならないとめいじられたのに、かれしゅめいじられたことをまもらなかったからである。 11それゆえ、しゅはソロモンにわれた、「これがあなたの本心ほんしんであり、わたしがめいじた契約けいやくさだめとをまもらなかったので、わたしはかならずあなたからくにはなして、それをあなたの家来けらいあたえる。 12しかしあなたのちちダビデのために、あなたのにはそれをしないが、あなたのからそれをはなす。 13ただし、わたしはくにをことごとくははなさず、わたしのしもべダビデのために、またわたしがえらんだエルサレムのために一つの部族ぶぞくをあなたのあたえるであろう」。

14こうしてしゅはエドムびとハダデをおこして、ソロモンのてきとされた。かれはエドムのおういえものであった。 15さきにダビデはエドムにいたが、ぐんちょうヨアブがのぼっていって、戦死せんししたものほうむり、エドムの男子だんしをことごとくころしたとき 16(ヨアブはイスラエルの人々ひとびとともに六かげつそこにとどまって、エドムの男子だんしをことごとくった)。 17ハダデはそのちちのしもべである数人すうにんのエドムびととともげてエジプトへこうとした。そのときハダデはまだ少年しょうねんであった。 18かれらがミデアンをってパランへき、パランから人々ひとびとともなってエジプトへき、エジプトのおうパロのところへくと、パロはかれいえあたえ、食糧しょくりょうさだめ、かつ土地とちあたえた。 19ハダデはおおいにパロのこころにかなったので、パロは自分じぶんつまいもうとすなわち王妃おうひタペネスのいもうとつまとしてかれあたえた。 20タペネスのいもうとかれおとこゲヌバテをんだので、タペネスはそのをパロのいえのうちで乳離ちばなれさせた。ゲヌバテはパロのいえで、パロのどもたちと一緒いっしょにいた。 21さてハダデはエジプトで、ダビデがその先祖せんぞともねむったことと、ぐんちょうヨアブがんだことをいたので、ハダデはパロにった、「わたしをらせて、くにかえらせてください」。 22パロはかれった、「わたしとともにいて、なんの不足ふそくがあってくにかえることをもとめるのですか」。かれった、「ただ、わたしをかえらせてください」。

23かみはまたエリアダのレゾンをおこしてソロモンのてきとされた。かれはその主人しゅじんゾバのおうハダデゼルのもとをったものであった。 24ダビデがゾバの人々ひとびところしたのちかれ人々ひとびと自分じぶんのまわりにあつめて略奪りゃくだつたい首領しゅりょうとなった。かれらはダマスコへって、そこにみ、ダマスコでかれおうとした。 25かれはソロモンの一生いっしょうあいだ、イスラエルのてきとなって、ハダデがしたようにがいをなし、イスラエルをにくんでスリヤをおさめた。

26ゼレダのエフライムびとネバテのヤラベアムはソロモンの家来けらいであったが、そのはははゼルヤといって寡婦かふであった。かれもまたそのをあげておうてきした。 27かれをあげて、おうてきした事情じじょうはこうである。ソロモンはミロをきずき、ちちダビデのまちやぶくちをふさいでいた。 28ヤラベアムは非常ひじょう手腕しゅわんのあるひとであったが、ソロモンはこの若者わかものがよくはたらくのをて、かれにヨセフのいえのすべての強制きょうせい労働ろうどう監督かんとくをさせた。 29そのころ、ヤラベアムがエルサレムをたとき、シロびとである預言者よげんしゃアヒヤがみちかれった。アヒヤはあたらしい着物きものていた。そしてかれらふたりだけがにいた。 30アヒヤはている着物きものをつかんで、それを十二れにき、 31ヤラベアムにった、「あなたは十れをりなさい。イスラエルのかみしゅはこうわれる、『よ、わたしはくにをソロモンのからはなして、あなたに十部族ぶぞくあたえよう。 32(ただしかれはわたしのしもべダビデのために、またわたしがイスラエルのすべての部族ぶぞくのうちからえらんだまちエルサレムのために、一つの部族ぶぞくをもつであろう)。 33それはかれがわたしをてて、シドンびとの女神めがみアシタロテと、モアブのかみケモシと、アンモンの人々ひとびとかみミルコムをおがみ、ちちダビデのように、わたしのみちあゆんで、わたしのにかなうことおこない、わたしのさだめと、おきてをまもることをしなかったからである。 34しかし、わたしはくにをことごとくはかれかららない。わたしがえらんだ、わたしのしもべダビデが、わたしの命令めいれいさだめとをまもったので、わたしはかれのためにソロモンを一生いっしょうあいだきみとしよう。 35そして、わたしはそのからくにって、その十部族ぶぞくをあなたにあたえる。 36そのには一つの部族ぶぞくあたえて、わたしのくためにえらんだまちエルサレムで、わたしのしもべダビデに、わたしのまえつねに一つのともしびをたもたせるであろう。 37わたしがあなたをえらび、あなたはすべてこころのぞむところをおさめて、イスラエルのうえおうとなるであろう。 38もし、あなたが、わたしのめいじるすべてのこといて、わたしのみちあゆみ、わたしのにかなうことおこない、わたしのしもべダビデがしたように、わたしのさだめといましめとをまもるならば、わたしはあなたとともにいて、わたしがダビデのためにてたように、あなたのために堅固けんごいえてて、イスラエルをあなたにあたえよう。 39わたしはこのためにダビデの子孫しそんくるしめる。しかし永久えいきゅうにではない』」。 40ソロモンはヤラベアムをころそうとしたが、ヤラベアムはってエジプトにのがれ、エジプトおうシシャクのところへって、ソロモンのぬまでエジプトにいた。

41ソロモンのそのほかの事績じせきと、かれがしたすべてのことおよびその知恵ちえは、ソロモンの事績じせきしょにしるされているではないか。 42ソロモンがエルサレムでイスラエルのぜんおさめたは四十ねんであった。 43ソロモンはその先祖せんぞともねむって、ちちダビデのまちほうむられ、そのレハベアムがかわっておうとなった。

第一二章

1レハベアムはシケムへった。すべてのイスラエルびとがかれおうにしようとシケムへったからである。 2ネバテのヤラベアムはソロモンをけてエジプトにのがれ、なおそこにいたが、これをいてエジプトからかえったので、 3人々ひとびとひとをつかわしてかれまねいた。そしてヤラベアムとイスラエルの会衆かいしゅうみなレハベアムのところにきてった、 4父上ちちうえはわれわれのくびきをおもくされましたが、いま父上ちちうえのきびしい使役しえきと、父上ちちうえがわれわれにわせられたおもいくびきとをかるくしてください。そうすればわれわれはあなたにつかえます」。 5レハベアムはかれらにった、「って、三ぎてから、またわたしのところにきなさい」。それでたみった。

6レハベアムおうちちソロモンの存命ぞんめいなかソロモンにつかえた老人ろうじんたちに相談そうだんしてった、「このたみにどう返答へんとうすればよいとおもいますか」。 7かれらはレハベアムにった、「もし、あなたが、きょう、このたみのしもべとなってかれらにつかえ、かれらにこたえるとき、ねんごろにかたられるならば、かれらは永久えいきゅうにあなたのしもべとなるでしょう」。 8しかしかれ老人ろうじんたちがあたえたすすめをてて、自分じぶん一緒いっしょおおきくなって自分じぶんつかえている若者わかものたちに相談そうだんして、 9かれらにった、「このたみがわたしにむかって『あなたのちちがわれわれにわせたくびきをかるくしてください』というのに、われわれはなんと返答へんとうすればよいとおもいますか」。 10かれ一緒いっしょおおきくなった若者わかものたちはかれった、「あなたにむかって『父上ちちうえはわれわれのくびきをおもくされましたが、あなたは、それをわれわれのためにかるくしてください』とうこのたみに、こういなさい、『わたしの小指こゆびちちこしよりもふとい。 11ちちはあなたがたにおもいくびきをわせたが、わたしはさらに、あなたがたのくびきをおもくしよう。ちちはむちであなたがたをらしたが、わたしはさそりをもってあなたがたをらそう』と」。

12さてヤラベアムとたみみなおうが「三ふたたびわたしのところにるように」とったとおりに、三にレハベアムのところにきた。 13おう荒々あらあらしくたみこたえ、老人ろうじんたちがあたえたすすめをてて、 14若者わかものたちのすすめにしたがい、かれらにげてった、「ちちはあなたがたのくびきをおもくしたが、わたしはあなたがたのくびきを、さらにおもくしよう。ちちはむちであなたがたをらしたが、わたしはさそりをもってあなたがたをらそう」。 15このようにおうたみうことをきいれなかった。これはかつてしゅがシロびとアヒヤによって、ネバテのヤラベアムにわれた言葉ことば成就じょうじゅするために、しゅ仕向しむけられたことであった。

16イスラエルの人々ひとびとみなおう自分じぶんたちのうことをきいれないのをたので、たみおうこたえてった、
「われわれはダビデのうちになにぶんがあろうか、
エッサイののうちにぎょうがない。
イスラエルよ、あなたがたの天幕てんまくかえれ。
ダビデよ、いま自分じぶんいえことよ」。
そしてイスラエルはその天幕てんまくっていった。 17しかしレハベアムはユダの町々まちまちんでいるイスラエルの人々ひとびとおさめた。 18レハベアムおう徴募ちょうぼ監督かんとくであったアドラムをつかわしたが、イスラエルがみなかれいしころしたので、レハベアムおういそいでくるまり、エルサレムへげた。 19こうしてイスラエルはダビデのいえにそむいて今日こんにちいたった。 20イスラエルはみなヤラベアムのかえってきたのをき、ひとをつかわしてかれ集会しゅうかいまねき、イスラエルの全家ぜんかうえおうとした。ユダの部族ぶぞくのほかはダビデのいえしたがものがなかった。

21ソロモンのレハベアムはエルサレムにて、ユダの全家ぜんかとベニヤミンの部族ぶぞくもの、すなわちえりきの軍人ぐんじん十八万をあつめ、くにりもどすために、イスラエルのいえたたかおうとしたが、 22かみ言葉ことばかみひとシマヤにのぞんだ、 23「ソロモンのであるユダのおうレハベアム、およびユダとベニヤミンの全家ぜんか、ならびにそのほかのたみいなさい、 24しゅはこうおおせられる。あなたがたはのぼっていってはならない。あなたがたの兄弟きょうだいであるイスラエルの人々ひとびとたたかってはならない。おのおのいえかえりなさい。このことはわたしからたのである』」。それでかれらはしゅ言葉ことばをきき、しゅ言葉ことばしたがってかえっていった。

25ヤラベアムはエフライムの山地さんちにシケムをてて、そこにんだ。かれはまたそこからてペヌエルをてた。 26しかしヤラベアムはそのこころのうちにった、「くにいまダビデのいえにもどるであろう。 27もしこのたみがエルサレムにあるしゅみや犠牲ぎせいをささげるためにのぼるならば、このたみこころはユダのおうであるかれらの主君しゅくんレハベアムにかえり、わたしをころして、ユダのおうレハベアムにかえるであろう」。 28そこでおう相談そうだんして、二つのきんうしつくり、たみった、「あなたがたはもはやエルサレムにのぼるには、およばない。イスラエルよ、あなたがたをエジプトのくにからみちびのぼったあなたがたのかみよ」。 29そしてかれは一つをベテルにすえ、一つをダンにいた。 30このことつみとなった。たみがベテルへって一つを礼拝れいはいし、ダンへって一つを礼拝れいはいしたからである。 31かれはまたたかところいえつくり、レビの子孫しそんでない一般いっぱんたみ祭司さいし任命にんめいした。 32またヤラベアムはユダでおこなまつりおなまつりを八がつの十五にちさだめ、そして祭壇さいだんのぼった。かれはベテルでそのようにおこない、かれつくったうし犠牲ぎせいをささげた。また自分じぶんつくったたかところ祭司さいしをベテルにてた。 33こうしてかれはベテルにつくった祭壇さいだんに八がつの十五にちのぼった。これはかれ自分じぶん勝手かってかんがえついたつきであった。そしてかれはイスラエルの人々ひとびとのためにまつりさだめ、祭壇さいだんのぼってこうをたいた。

第一三章

1よ、かみひとしゅいのちによってユダからベテルにきた。そのときヤラベアムは祭壇さいだんうえってこうをたいていた。 2かみひと祭壇さいだんにむかいしゅいのちによってばわってった、「祭壇さいだんよ、祭壇さいだんよ、しゅはこうおおせられる、『よ、ダビデのいえにひとりのうまれる。そのをヨシヤという。かれはおまえのうえこうをたくたかところ祭司さいしらを、おまえのうえにささげる。またひとほねがおまえのうえかれる』」。 3そのかれはまた一つのしるしをしめしてった、「しゅわれたしるしはこれである、『よ、祭壇さいだんけ、そのうえにあるはいはこぼれるであろう』」。 4ヤラベアムおうは、かみひとがベテルにある祭壇さいだんにむかってばわる言葉ことばいたとき祭壇さいだんからばして、「かれとらえよ」とったが、かれにむかってばしたれて、ひっめることができなかった。 5そしてかみひとしゅ言葉ことばをもってしめしたしるしのように祭壇さいだんけ、はい祭壇さいだんからこぼれた。 6おうかみひとった、「あなたのかみしゅねがい、わたしのためにいのって、わたしのをもとにかえらせてください」。かみひとしゅねがったので、おうはもとにかえって、まえのようになった。 7そこでおうかみひとった、「わたしと一緒いっしょいえにきて、やすめなさい。あなたに謝礼しゃれいをさしあげましょう」。 8かみひとおうった、「たとい、あなたのいえなかばをくださっても、わたしはあなたと一緒いっしょにまいりません。またこのところでは、パンもべずみずみません。 9しゅ言葉ことばによってわたしは、『パンをべてはならない、みずんではならない。またみちからかえってはならない』とめいじられているからです」。 10こうしてかれはほかのみちき、ベテルにみちからはかえらなかった。

11さてベテルにひとりの年老としおいた預言者よげんしゃんでいたが、そのむすこたちがきて、そのかみひとがベテルでしたことどもをかれはなした。またかみひとおうった言葉ことばをもそのちちはなした。 12ちちかれらに「そのひとはどのみちったか」といたので、むすこたちはユダからきたかみひとったみちちちしめした。 13ちちはむすこたちにった、「わたしのためにろばにくらをきなさい」。かれらがろばにくらをいたので、かれはそれにり、 14かみひとのあとをってき、かしのしたにすわっているのをて、そのひとった、「あなたはユダからこられたかみひとですか」。そのひとった、「そうです」。 15そこでかれはそのひとった、「わたしと一緒いっしょいえにきてパンをべてください」。 16そのひとった、「わたしはあなたと一緒いっしょかえすことはできません。あなたと一緒いっしょくことはできません。またわたしはこのところであなたと一緒いっしょにパンもべずみずみません。 17しゅ言葉ことばによってわたしは、『そのところでパンをべてはならない、みずんではならない。またみちからかえってはならない』とわれているからです」。 18かれはそのひとった、「わたしもあなたとおな預言者よげんしゃですが、てん使つかいしゅいのちによってわたしにげて、『そのひと一緒いっしょいえにつれかえり、パンをべさせ、みずませよ』といました」。これはかれがそのひとあざむいたのである。 19そこでそのひとかれ一緒いっしょかえし、そのいえでパンをべ、みずんだ。

20かれらが食卓しょくたくについていたとき、しゅ言葉ことばが、そのひとをつれてかえった預言者よげんしゃのぞんだので、 21かれはユダからきたかみひとにむかいばわってった、「しゅはこうおおせられます、『あなたがしゅ言葉ことばにそむき、あなたのかみしゅがおめいじになった命令めいれいまもらず、 22かえして、しゅがあなたに、パンをべてはならない、みずんではならない、とわれた場所ばしょでパンをべ、みずんだゆえ、あなたの死体したいはあなたの先祖せんぞはかかないであろう』」。 23そしてそのひとがパンをべ、みずんだのちかれはそのひとのため、すなわちつれかえった預言者よげんしゃのためにろばにくらをいた。 24こうしてそのひとったが、みちでししがかれってかれころした。そしてその死体したいみちてられ、ろばはそのかたわらにち、ししもまた死体したいのかたわらにっていた。 25人々ひとびとはそこをとおって、みちてられている死体したいと、死体したいのかたわらにっているししをて、かのろう預言者よげんしゃんでいるまちにきてそれをはなした。

26そのひとみちからつれてかえった預言者よげんしゃはそれをいてった、「それはしゅ言葉ことばにそむいたかみひとだ。しゅかれわれた言葉ことばのように、しゅかれをししにわたされ、ししがかれころしたのだ」。 27そしてむすこたちにった、「わたしのためにろばにくらをきなさい」。かれらがくらをいたので、 28かれって、死体したいみちてられ、ろばとししが死体したいのかたわらにっているのをた。ししはその死体したいべず、ろばもいていなかった。 29そこで預言者よげんしゃかみひと死体したいりあげ、それをろばにせてまちかえり、かなしんでそれをほうむった。 30すなわちその死体したい自分じぶんはかおさめ、みなこれがために「ああ、わが兄弟きょうだいよ」とってかなしんだ。 31かれはそれをほうむってのち、むすこたちにった、「わたしがんだときは、かみひとほうむったはかほうむり、わたしのほねかれほねのかたわらにおさめなさい。 32かれしゅいのちによって、ベテルにある祭壇さいだんにむかい、またサマリヤの町々まちまちにあるたかところのすべてのいえにむかってばわった言葉ことばかなら成就じょうじゅするのです」。

33このことのちも、ヤラベアムはそのわるみちはなれてかえることをせず、また一般いっぱんたみを、たかところ祭司さいし任命にんめいした。すなわち、だれでもこのものは、それをててたかところ祭司さいしとした。 34このことはヤラベアムのいえつみとなって、ついにこれをのおもてからほろぼすようになった。

第一四章

1そのころヤラベアムのアビヤが病気びょうきになったので、 2ヤラベアムはつまった、「って姿すがたえ、ヤラベアムのつまであることのられないようにしてシロへきなさい。わたしがこのたみおうとなることを、わたしにげた預言者よげんしゃアヒヤがそこにいます。 3パン十菓子かし数個すうこおよび、みつ一びんをたずさえてかれのところへきなさい。かれはこのがどうなるかをあなたにげるでしょう」。

4ヤラベアムのつまはそのようにして、ってシロへき、アヒヤのいえいたが、アヒヤは年老としおいたため、がかすんでることができなかった。 5しかししゅはアヒヤにわれた、「ヤラベアムのつま子供こどもことをあなたにたずねるためにる。子供こども病気びょうきだ。あなたは彼女かのじょにこうこうわなければならない」。

彼女かのじょるとき、他人たにんよそおっていた。 6しかし彼女かのじょ戸口とぐちにはいってきたとき、アヒヤはその足音あしおといてった、「ヤラベアムのつまよ、はいりなさい。なぜ、他人たにんよそおうのですか。わたしはあなたにきびしいことげるよう、めいじられています。 7ってヤラベアムにいなさい、『イスラエルのかみしゅはこうおおせられる、「わたしはあなたをたみのうちからあげ、わたしのたみイスラエルのうえててきみとし、 8くにをダビデのいえからはなして、それをあなたにあたえたのに、あなたはわたしのしもべダビデが、わたしの命令めいれいまもって一心いっしんにわたしにしたがい、ただわたしのにかなったことのみをおこなったようにではなく、 9あなたよりもさきにいたすべてのものにまさってあくをなし、って自分じぶんのために神々かみがみぞうつくり、わたしをいからせ、わたしをうしろにった。 10それゆえ、よ、わたしはヤラベアムのいえわざわいくだし、ヤラベアムにぞくするおとこは、イスラエルについて、つながれたものも、自由じゆうものもことごとくち、ひとがあくたをのこりなくきつくすように、ヤラベアムのいえまったほろぼすであろう。 11ヤラベアムにぞくするものは、まちものいぬべ、ものそらとりべるであろう。しゅがこれをわれるのである」』。 12あなたはって、いえかえりなさい。あなたのあしまちにはいるときに、どもはにます。 13そしてイスラエルはみなかれのためにかなしんでかれほうむるでしょう。ヤラベアムにぞくするものは、ただかれだけはかほうむられるでしょう。ヤラベアムのいえのうちで、かれはイスラエルのかみしゅにむかっておもいをいだいていたからです。 14しゅはイスラエルのうえにひとりのおうおこされます。かれはそのヤラベアムのいえつでしょう。 15そののちしゅはイスラエルをって、みずらぐあしのようにし、イスラエルを、その先祖せんぞたまわったこのからって、ユフラテかわこうにらされるでしょう。かれらがアシラぞうつくってしゅいからせたからです。 16しゅはヤラベアムのつみのゆえに、すなわちかれがみずからおかし、またイスラエルにおかさせたそのつみのゆえにイスラエルをてられるでしょう」。

17ヤラベアムのつまってり、テルザへって、いえ敷居しきいをまたいだときどもはんだ。 18イスラエルはみなかれほうむり、かれのためにかなしんだ。しゅがそのしもべ預言者よげんしゃアヒヤによってわれた言葉ことばのとおりである。 19ヤラベアムのその事績じせきかれがどのようにたたかい、どのようにおさめたかは、イスラエルのおう歴代志れきだいししょにしるされている。 20ヤラベアムがおさめたは二十二ねんであった。かれはその先祖せんぞともねむって、そのナダブがかわっておうとなった。

21ソロモンのレハベアムはユダでおさめた。レハベアムはおうとなったとき四十一さいであったが、しゅがそのくために、イスラエルのすべての部族ぶぞくのうちからえらばれたまちエルサレムで、十七ねんおさめた。そのはははナアマといってアンモンびとであった。 22ユダの人々ひとびとはその先祖せんぞおこなったすべてのことにまさって、しゅまえあくおこない、そのおかしたつみによってしゅいかりをおこした。 23かれらもすべてのたかおかうえと、すべてのあおしたに、たかところいしはしらとアシラぞうとをてたからである。 24そのくににはまた神殿しんでん男娼だんしょうたちがいた。かれらはしゅがイスラエルの人々ひとびとまえからはらわれた国民こくみんのすべてのにくむべきことをならいった。

25レハベアムのおうだいねんにエジプトのおうシシャクがエルサレムにのぼってきて、 26しゅみや宝物ほうもつと、おう宮殿きゅうでん宝物ほうもつうばった。かれはそれをことごとくうばり、またソロモンのつくったきんたてをみなうばった。 27レハベアムはそのかわりに青銅せいどうたてつくって、おう宮殿きゅうでんもんまも侍衛じえいちょうにわたした。 28おうしゅみやにはいるごとに、侍衛じえいはそれをたずさえ、また、それを侍衛じえいのへやへかえった。

29レハベアムのその事績じせきと、かれがしたすべてのことは、ユダのおう歴代志れきだいししょにしるされているではないか。 30レハベアムとヤラベアムのあいだにはえず戦争せんそうがあった。 31レハベアムはその先祖せんぞともねむって先祖せんぞともにダビデのまちほうむられた。そのはははナアマといってアンモンびとであった。そのアビヤムがかわっておうとなった。

第一五章

1ネバテのヤラベアムおうだい十八ねんにアビヤムがユダのおうとなり、 2エルサレムで三ねんおさめた。そのはははマアカといって、アブサロムのむすめであった。 3かれはそのちちさきおこなったもろもろのつみをおこない、そのこころちちダビデのこころのようにそのかみしゅたいしてまった真実しんじつではなかった。 4それにもかかわらず、そのかみしゅはダビデのために、エルサレムにおいてかれに一つのともしびをあたえ、そのかれのあとにてて、エルサレムをかためられた。 5それはダビデがヘテびとウリヤのことのほか、一生いっしょうあいだしゅにかなうことおこない、しゅめいじられたすべてのことに、そむかなかったからである。 6レハベアムとヤラベアムのあいだには一生いっしょうあいだ戦争せんそうがあった。 7アビヤムのその行為こういと、かれがしたすべてのことは、ユダのおう歴代志れきだいししょにしるされているではないか。アビヤムとヤラベアムのあいだにも戦争せんそうがあった。 8アビヤムはその先祖せんぞともねむって、ダビデのまちほうむられ、そのアサがかわっておうとなった。

9イスラエルのおうヤラベアムのだい二十ねんにアサはユダのおうとなり、 10エルサレムで四十一ねんおさめた。そのはははマアカといってアブサロムのむすめであった。 11アサはそのちちダビデがしたようにしゅにかなうことをし、 12神殿しんでん男娼だんしょうくにからし、先祖せんぞたちのつくったもろもろの偶像ぐうぞうのぞいた。 13かれはまたそのははマアカが、アシラのためににくむべきぞうつくらせたので、彼女かのじょ太后たいこうくらいから退しりぞけた。そしてアサはそのにくむべきぞうたおしてキデロンのたにてた。 14ただしたかところのぞかなかった。けれどもアサのこころ一生いっしょうあいだしゅたいしてまった真実しんじつであった。 15かれちち献納けんのうしたもの自分じぶん献納けんのうしたもの金銀きんぎんおよび器物うつわものしゅみやたずされた。

16アサとイスラエルのおうバアシャのあいだには一生いっしょうあいだ戦争せんそうがあった。 17イスラエルのおうバアシャはユダにのぼり、ユダのおうアサのところに、だれをも出入でいりさせないためにラマをきずいた。 18そこでアサはしゅみや宝蔵ほうぞうと、おう宮殿きゅうでん宝蔵ほうぞうのこっている金銀きんぎんをことごとくって、これを家来けらいたちのにわたし、そしてアサおうかれらをダマスコにんでいるスリヤのおう、ヘジョンのタブリモンのであるベネハダデにつかわしてわせた、 19「わたしのちちとあなたのちちとのあいだむすばれていたように、わたしとあなたのあいだ同盟どうめいむすびましょう。わたしはあなたに金銀きんぎんおくものをさしあげます。って、あなたとイスラエルのおうバアシャとの同盟どうめい破棄はきし、かれをわたしのところから撤退てったいさせてください」。 20ベネハダデはアサおううことをき、自分じぶん軍勢ぐんぜいちょうたちをつかわしてイスラエルの町々まちまちめ、イヨンとダンとアベル・ベテ・マアカおよびキンネレテのぜんと、ナフタリのぜんった。 21バアシャはこれをき、ラマをきずくことをやめて、テルザにとどまった。 22そこでアサおうはユダ全国ぜんこく布告ふこくはっした。ひとりもまぬかれるものはなかった。すなわちバアシャがラマをきずくためにもちいたいし材木ざいもくはこびこさせ、アサおうはそれをもちいて、ベニヤミンのゲバとミヅパをきずいた。 23アサのその事績じせきとそのすべての勲功くんこうと、かれがしたすべてのことおよびかれてた町々まちまちは、ユダのおう歴代志れきだいししょにしるされているではないか。かれ老年ろうねんになってあしんだ。 24アサはその先祖せんぞともねむって、ちちダビデのまち先祖せんぞともほうむられ、そのヨシャパテがかわっておうとなった。

25ユダのおうアサのだいねんにヤラベアムのナダブがイスラエルのおうとなって、二ねんイスラエルをおさめた。 26かれしゅまえあくおこない、そのちちみちあゆみ、ちちがイスラエルにおかさせたつみをおこなった。

27イッサカルのいえのアヒヤのバアシャはかれたいしてむほんをくわだて、ペリシテびとにぞくするギベトンでかれった。これはナダブとイスラエルがみなギベトンをかこんでいたからである。 28こうしてユダのおうアサのだいねんにバアシャはかれころし、かれかわっておうとなった。 29かれおうとなるとすぐヤラベアムの全家ぜんかち、いきのあるものをひとりもヤラベアムのいえのこさず、ことごとくほろぼした。しゅがそのしもべシロびとアヒヤによってわれた言葉ことばのとおりであって、 30これはヤラベアムがみずからおかし、またイスラエルにおかさせたつみのため、またかれがイスラエルのかみしゅいからせたそのいかりによるのであった。

31ナダブのその事績じせきと、かれがしたすべてのことは、イスラエルのおう歴代志れきだいししょにしるされているではないか。 32アサとイスラエルのおうバアシャのあいだには一生いっしょうあいだ戦争せんそうがあった。

33ユダのおうアサのだいねんにアヒヤのバアシャはテルザでイスラエルのぜんおうとなって、二十四ねんおさめた。 34かれしゅまえあくおこない、ヤラベアムのみちあゆみ、ヤラベアムがイスラエルにおかさせたつみをおこなった。

第一六章

1そこでしゅ言葉ことばがハナニのエヒウにのぞみ、バアシャをめてった、 2「わたしはあなたをちりのなかからあげて、わたしのたみイスラエルのうえきみとしたが、あなたはヤラベアムのみちあゆみ、わたしのたみイスラエルにつみおかさせ、そのつみをもってわたしをいからせた。 3それでわたしは、バアシャとそのいえまったほろぼしり、あなたのいえをネバテのヤラベアムのいえのようにする。 4バアシャにぞくするもので、まちものいぬべ、かれぞくするもので、ものそらとりべるであろう」。

5バアシャのその事績じせきと、かれがしたことと、その勲功くんこうとは、イスラエルのおう歴代志れきだいししょにしるされているではないか。 6バアシャはその先祖せんぞともねむって、テルザにほうむられ、そのエラがかわっておうとなった。 7しゅ言葉ことばはまたハナニの預言者よげんしゃエヒウによってのぞみ、バアシャとそのいえめた。これはかれしゅまえに、もろもろのあくおこない、そののわざをもってしゅいからせ、ヤラベアムのいえにならったためであり、またかれがヤラベアムのいえほろぼしたためであった。

8ユダのおうアサのだい二十六ねんにバアシャのエラはテルザでイスラエルのおうとなり、二ねんおさめた。 9かれがテルザにいて、テルザの宮殿きゅうでんのつかさアルザのいえさけんでったとき、その家来けらい戦車せんしゃたいなかばを指揮しきしていたジムリが、かれにそむいた。 10そしてユダのおうアサのだい二十七ねんにジムリは、はいってきてかれころし、かれかわっておうとなった。

11ジムリはおうとなって、くらいについたとき、バアシャの全家ぜんかころし、その親族しんぞくまたはともだちの男子だんしは、ひとりものこさなかった。 12こうしてジムリはバアシャの全家ぜんかほろぼした。しゅ預言者よげんしゃエヒウによってバアシャをめてわれた言葉ことばのとおりである。 13これはバアシャのもろもろのつみと、そのエラのつみのためであって、かれらがつみおかし、またイスラエルにつみおかさせ、かれらの偶像ぐうぞうをもってイスラエルのかみしゅいからせたからである。 14エラのその事績じせきと、かれがしたすべてのことは、イスラエルのおう歴代志れきだいししょにしるされているではないか。

15ユダのおうアサのだい二十七ねんにジムリはテルザで七日なぬかあいだおさめた。たみはペリシテびとにぞくするギベトンにむかって陣取じんどっていたが、 16その陣取じんどっていたたみが「ジムリはむほんをおこしておうころした」とひとのいうのをいたので、イスラエルはみなその陣営じんえいで、ぐんちょうオムリをイスラエルのおうとした。 17そこでオムリはイスラエルの人々ひとびとともにギベトンからのぼってテルザをかこんだ。 18ジムリはそのまちおちいるのをて、おう宮殿きゅうでん天守てんしゅにはいり、おう宮殿きゅうでんをかけてそのなかんだ。 19これはかれおかしたつみのためであって、かれしゅまえあくおこない、ヤラベアムのみちあゆみ、ヤラベアムがイスラエルにおかさせたそのつみおこなったからである。 20ジムリのその事績じせきと、かれくわだてた陰謀いんぼうは、イスラエルのおう歴代志れきだいししょにしるされているではないか。

21そのときイスラエルのたみは二つにわかれ、たみなかばはギナテのテブニにしたがって、これをおうとしようとし、なかばはオムリにしたがった。 22しかしオムリにしたがったたみはギナテのテブニにしたがったたみって、テブニはに、オムリがおうとなった。 23ユダのおうアサのだい三十一ねんにオムリはイスラエルのおうとなって十二ねんおさめた。かれはテルザで六ねんおうであった。 24かれぎん二タラントでセメルからサマリヤのやまい、そのうえまちて、そのてたまちをそのやまぬしであったセメルのしたがってサマリヤとんだ。

25オムリはしゅまえあくおこない、かれよりもさきにいたすべてのものにまさってわることをした。 26かれはネバテのヤラベアムのすべてのみちあゆみ、ヤラベアムがイスラエルにつみおかさせ、かれらの偶像ぐうぞうをもってイスラエルのかみしゅいからせたそのつみおこなった。 27オムリがったその事績じせきと、かれがあらわした勲功くんこうとは、イスラエルのおう歴代志れきだいししょにしるされているではないか。 28オムリはその先祖せんぞともねむって、サマリヤにほうむられ、そのアハブがかわっておうとなった。

29ユダのおうアサのだい三十八ねんにオムリのアハブがイスラエルのおうとなった。オムリのアハブはサマリヤで二十二ねんイスラエルをおさめた。 30オムリのアハブはかれよりもさきにいたすべてのものにまさって、しゅまえあくおこなった。 31かれはネバテのヤラベアムのつみおこなうことを、かることとし、シドンびとのおうエテバアルのむすめイゼベルをつまにめとり、ってバアルにつかえ、これをおがんだ。 32かれはサマリヤにてたバアルのみやに、バアルのために祭壇さいだんきずいた。 33アハブはまたアシラぞうつくった。アハブはかれよりもさきにいたイスラエルのすべてのおうにまさってイスラエルのかみしゅいからせることをおこなった。 34かれにベテルびとヒエルはエリコをてた。かれはそのもといをすえるとき長子ちょうしアビラムをうしない、そのもんてるときすえセグブをうしなった。しゅがヌンのヨシュアによってわれた言葉ことばのとおりである。

第一七章

1ギレアデのテシベにむテシベびとエリヤはアハブにった、「わたしのつかえているイスラエルのかみしゅきておられます。わたしの言葉ことばのないうちは、数年すうねんあめつゆもないでしょう」。 2しゅ言葉ことばがエリヤにのぞんだ、 3「ここをってひがしにおもむき、ヨルダンのひがしにあるケリテかわのほとりにかくしなさい。 4そしてそのかわみずみなさい。わたしはからすにめいじて、そこであなたをやしなわせよう」。 5エリヤはって、しゅ言葉ことばのとおりにした。すなわちって、ヨルダンのひがしにあるケリテかわのほとりにんだ。 6すると、からすがあさごとにかれところにパンとにくはこび、またゆうごとにパンとにくはこんできた。そしてかれはそのかわみずんだ。 7しかしくにあめがなかったので、しばらくしてそのかわはかれた。

8そのときしゅ言葉ことばかれのぞんでった、 9ってシドンにぞくするザレパテへって、そこにみなさい。わたしはそのところのやもめおんなめいじてあなたをやしなわせよう」。 10そこでかれってザレパテへったが、まちもんいたとき、ひとりのやもめおんなが、そのところでたきぎをひろっていた。かれはそのおんなこえをかけてった、「うつわみずすこってきて、わたしにませてください」。 11彼女かのじょって、それをってこようとしたときかれ彼女かのじょんでった、「一口ひとくちのパンをってきてください」。 12彼女かのじょった、「あなたのかみしゅきておられます。わたしにはパンはありません。ただ、かめに一握ひとにぎりのこなと、びんにすこしのあぶらがあるだけです。いまわたしはたきぎ二、三ぼんひろい、うちへかえって、わたしと子供こどものためにそれを調理ちょうりし、それをべてのうとしているのです」。 13エリヤは彼女かのじょった、「おそれるにはおよばない。って、あなたがったとおりにしなさい。しかしまず、それでわたしのためにちいさいパンを、一つつくってってきなさい。そののち、あなたと、あなたの子供こどものためにつくりなさい。 14しゅあめのおもてにらすまで、かめのこなきず、びんのあぶらえない』とイスラエルのかみしゅわれるからです」。 15彼女かのじょって、エリヤがったとおりにした。彼女かのじょかれおよび彼女かのじょ家族かぞくひさしくべた。 16しゅがエリヤによってわれた言葉ことばのように、かめのこなきず、びんのあぶらえなかった。

17これらのことのち、そのいえ主婦しゅふであるこのおんなおとこ病気びょうきになった。その病気びょうきはたいそうおもく、いきえたので、 18彼女かのじょはエリヤにった、「かみひとよ、あなたはわたしに、なにうらみがあるのですか。あなたはわたしのつみおもさせるため、またわたしのなせるためにおいでになったのですか」。 19エリヤは彼女かのじょった、「をわたしによこしなさい」。そして彼女かのじょのふところから子供こどもり、自分じぶんのいる屋上おくじょうのへやへかかえてのぼり、自分じぶん寝台しんだいかせ、 20しゅばわってった、「わがかみしゅよ、あなたはわたしが宿やどっているいえのやもめにさえわざわいをくだして、子供こどもころされるのですか」。 21そして三そのともうえばし、しゅばわってった、「わがかみしゅよ、この子供こどもたましいをもとにかえらせてください」。 22しゅはエリヤのこえきいれられたので、そのともたましいはもとにかえって、かれきかえった。 23エリヤはそのともって屋上おくじょうのへやからいえなかにつれてり、そのははにわたしてった、「ごらんなさい。あなたのきかえりました」。 24おんなはエリヤにった、「いまわたしはあなたがかみひとであることと、あなたのくちにあるしゅ言葉ことば真実しんじつであることをりました」。

第一八章

1おおくのて、三ねんしゅ言葉ことばがエリヤにのぞんだ、「って、あなたのをアハブにしめしなさい。わたしはあめらせる」。 2エリヤはそのをアハブにしめそうとしてった。そのとき、サマリヤにききんがはげしかった。 3アハブはいえづかさオバデヤをした。(オバデヤはふかしゅおそれるひとで、 4イゼベルがしゅ預言者よげんしゃほろぼしたとき、オバデヤは百にん預言者よげんしゃすくして五十にんずつほらあなかくし、パンとみずをもってかれらをやしなった)。 5アハブはオバデヤにった、「国中くにぢゅうのすべてのみずみなもとと、すべてのかわってみるがよい。うま騾馬らばかしておくためのくさがあるかもしれない。そうすれば、われわれは家畜かちくをいくぶんでもうしなわずにすむであろう」。 6かれらはめぐをふたりでけ、アハブはひとりでこのみちき、オバデヤはひとりでみちおこなった。

7オバデヤがみちすすんでいたとき、エリヤがかれった。かれはエリヤをみとめてしてった、「わがしゅエリヤよ、あなたはここにおられるのですか」。 8エリヤはかれった、「そうです。って、あなたの主人しゅじんに、エリヤはここにいるとげなさい」。 9かれった、「わたしにどんなつみがあって、あなたはしもべをアハブのにわたしてころそうとされるのですか。 10あなたのかみしゅきておられます。わたしの主人しゅじんがあなたをたずねるために、ひとをつかわさないたみはなく、くにもありません。そしてエリヤはいないとときは、そのくに、そのたみに、あなたがつからないというちかいをさせるのです。 11あなたはいまって、エリヤはここにいると主人しゅじんげよ』とわれます。 12しかしわたしがあなたをはなれてくと、しゅれいはあなたを、わたしのらないところれてくでしょう。わたしがってアハブにげ、かれがあなたをつけることができなければ、かれはわたしをころすでしょう。しかし、しもべはおさなときからしゅおそれているものです。 13イゼベルがしゅ預言者よげんしゃころしたときに、わたしがしたこと、すなわち、わたしがしゅ預言者よげんしゃのうち百にんを五十にんずつほらあなかくして、パンとみずをもってやしなったことを、わがしゅかれませんでしたか。 14ところがいまあなたは『って、エリヤはここにいると主人しゅじんげよ』とわれます。そのようなことをすればかれはわたしをころすでしょう」。 15エリヤはった、「わたしのつかえる万軍ばんぐんしゅきておられる。わたしはかならず、きょう、わたしのかれしめすであろう」。 16オバデヤはってアハブにい、かれげたので、アハブはエリヤにおうとしてった。

17アハブはエリヤをたとき、かれった、「イスラエルをなやますものよ、あなたはここにいるのですか」。 18かれこたえた、「わたしがイスラエルをなやますのではありません。あなたと、あなたのちちいえなやましたのです。あなたがたがしゅ命令めいれいて、バアルにしたがったためです。 19それでいまひとをつかわしてイスラエルのすべてのひとおよびバアルの預言者よげんしゃ四百五十にん、ならびにアシラの預言者よげんしゃ四百にん、イゼベルの食卓しょくたく食事しょくじするものたちをカルメルやまあつめて、わたしのところにこさせなさい」。

20そこでアハブはイスラエルのすべてのひとひとをつかわして、預言者よげんしゃたちをカルメルやまあつめた。 21そのときエリヤはすべてのたみちかづいてった、「あなたがたはいつまで二つのもののあいだまよっているのですか。しゅかみならばそれにしたがいなさい。しかしバアルがかみならば、それにしたがいなさい」。たみはひとことかれこたえなかった。 22エリヤはたみった、「わたしはただひとりのこったしゅ預言者よげんしゃです。しかしバアルの預言者よげんしゃは四百五十にんあります。 23われわれに二とううしをください。そして一とううしかれらにえらばせ、それをいて、たきぎのうえせ、それにをつけずにおかせなさい。わたしも一とううしととのえ、それをたきぎのうえせてをつけずにおきましょう。 24こうしてあなたがたはあなたがたのかみびなさい。わたしはしゅびましょう。そしてをもってこたえるかみかみとしましょう」。たみみなこたえて「それがよかろう」とった。 25そこでエリヤはバアルの預言者よげんしゃたちにった、「あなたがたはだいぜいだからはじめに一とううしえらんで、それをととのえ、あなたがたのかみびなさい。ただしをつけてはなりません」。 26かれらはあたえられたうしってととのえ、あさからひるまでバアルのんで「バアルよ、こたえてください」とった。しかしなんのこえもなく、またこたえるものもなかったので、かれらは自分じぶんたちのつくった祭壇さいだんのまわりにおどった。 27ひるになってエリヤはかれらをあざけってった、「かれかみだから、大声おおごえをあげてびなさい。かれかんがえにふけっているのか、よそへったのか、たびたのか、またはねむっていておこされなければならないのか」。 28そこでかれらは大声おおごえばわり、かれらのならわしにしたがって、かたなとやりできずつけ、をそのながすにいたった。 29こうしてひるぎてもかれらはなおさけつづけて、ゆうそなものをささげるときにまでおよんだ。しかしなんのこえもなく、こたえるものもなく、またかえりみるものもなかった。

30そのときエリヤはすべてのたみにむかって「わたしに近寄ちかよりなさい」とったので、たみみなかれ近寄ちかよった。かれはこわれているしゅ祭壇さいだんつくろった。 31そしてエリヤはむかししゅ言葉ことばがヤコブにのぞんで、「イスラエルをあなたのとせよ」とわれたヤコブのらの部族ぶぞくかずにしたがって十二のいしり、 32そのいししゅによって祭壇さいだんきずき、祭壇さいだん周囲しゅういたね二セヤをいれるほどのおおきさの、みぞをつくった。 33また、たきぎをならべ、うしいてたきぎのうえせてった、「四つのかめにみずたし、それを燔祭はんさいとたきぎのうえそそげ」。 34またった、「それを二せよ」。二それをすると、またった、「三それをせよ」。三それをした。 35みず祭壇さいだん周囲しゅういながれた。またみぞにもみずたした。

36ゆうそなものをささげるときになって、預言者よげんしゃエリヤは近寄ちかよってった、「アブラハム、イサク、ヤコブのかみしゅよ、イスラエルでは、あなたがかみであること、わたしがあなたのしもべであって、あなたの言葉ことばしたがってこのすべてのことおこなったことを、今日こんにちらせてください。 37しゅよ、わたしにこたえてください、わたしにこたえてください。しゅよ、このたみにあなたがかみであること、またあなたがかれらのこころひるがえされたのであることをらせてください」。 38そのときしゅくだって燔祭はんさいと、たきぎと、いしと、ちりとをきつくし、またみぞのみずをなめつくした。 39たみみなて、ひれしてった、「しゅかみである。しゅかみである」。 40エリヤはかれらにった、「バアルの預言者よげんしゃとらえよ。そのひとりもがしてはならない」。そこでかれらをとらえたので、エリヤはかれらをキションかわれくだって、そこでかれらをころした。

41エリヤはアハブにった、「大雨おおあめおとがするから、のぼってって、みしなさい」。 42アハブはみするためにのぼっていった。しかしエリヤはカルメルのいただきのぼり、してかおをひざのあいだれていたが、 43かれはしもべにった、「のぼっていってうみほうなさい」。かれのぼっていって、て、「なにもありません」とったので、エリヤは「もう一きなさい」とって七およんだ。 44度目どめにしもべはった、「うみからひとほどのちいさなくもっています」。エリヤはった、「のぼっていって、『あめにとどめられないようにくるまととのえてくだれ』とアハブにいなさい」。 45するともなく、くもかぜおこり、そらくろくなって大雨おおあめってきた。アハブはくるまってエズレルへった。 46またしゅがエリヤにのぞんだので、かれこしをからげ、エズレルの入口いりぐちまでアハブのまえはしっていった。

第一九章

1アハブはエリヤのしたすべてのこと、またかれがすべての預言者よげんしゃかたなころしたことをイゼベルにげたので、 2イゼベルは使者ししゃをエリヤにつかわしてった、「もしわたしが、あすのいまごろ、あなたのいのちをあの人々ひとびとのひとりのいのちのようにしていないならば、神々かみがみがどんなにでも、わたしをばっしてくださるように」。 3そこでエリヤはおそれて、自分じぶんいのちすくうためにってげ、ユダにぞくするベエルシバへって、しもべをそこにのこし、 4自分じぶんは一にちみちのりほど荒野あらのにはいってって、れだまのしたし、自分じぶんもとめてった、「しゅよ、もはや、じゅうぶんです。いまわたしのいのちってください。わたしは先祖せんぞにまさるものではありません」。 5かれはれだまのしたしてねむったが、てん使つかいかれにさわり、「きてべなさい」とったので、 6きてると、とうのそばに、いしうえいたパン一と、一びんのみずがあった。かれべ、かつんでまたた。 7しゅ使つかいふたたびきて、かれにさわってった、「きてべなさい。みちとおくてえられないでしょうから」。 8かれきてべ、かつみ、その食物しょくもつちからづいて四十にち四十って、かみやまホレブにいた。

9そのところかれはほらあなにはいって、そこに宿やどったが、しゅ言葉ことばかれのぞんで、かれわれた、「エリヤよ、あなたはここでなにをしているのか」。 10かれった、「わたしは万軍ばんぐんかみしゅのために非常ひじょう熱心ねっしんでありました。イスラエルの人々ひとびとはあなたの契約けいやくて、あなたの祭壇さいだんをこわし、かたなをもってあなたの預言者よげんしゃたちをころしたのです。ただわたしだけのこりましたが、かれらはわたしのいのちろうとしています」。 11しゅわれた、「て、やまうえしゅまえに、ちなさい」。そのときしゅとおぎられ、しゅまえおおきなつよかぜき、やまき、いわくだいた。しかししゅかぜなかにおられなかった。かぜのち地震じしんがあったが、地震じしんなかにもしゅはおられなかった。 12地震じしんのちがあったが、なかにもしゅはおられなかった。のちしずかなほそこえきこえた。 13エリヤはそれをいてかお外套がいとうつつみ、てほらあなくちつと、かれかたこえきこえた、「エリヤよ、あなたはここでなにをしているのか」。 14かれった、「わたしは万軍ばんぐんかみしゅのために非常ひじょう熱心ねっしんでありました。イスラエルの人々ひとびとはあなたの契約けいやくて、あなたの祭壇さいだんをこわし、かたなであなたの預言者よげんしゃたちをころしたからです。ただわたしだけのこりましたが、かれらはわたしのいのちろうとしています」。 15しゅかれわれた、「あなたのみちかえってって、ダマスコの荒野あらのにおもむき、ダマスコにいて、ハザエルにあぶらそそぎ、スリヤのおうとしなさい。 16またニムシのエヒウにあぶらそそいでイスラエルのおうとしなさい。またアベルメホラのシャパテのエリシャにあぶらそそいで、あなたにかわって預言者よげんしゃとしなさい。 17ハザエルのつるぎをのがれるものをエヒウがころし、エヒウのつるぎをのがれるものをエリシャがころすであろう。 18また、わたしはイスラエルのうちに七千にんのこすであろう。みなバアルにひざをかがめず、それにくちづけしないものである」。

19さてエリヤはそこをってって、シャパテのエリシャにった。かれは十二くびきのうしまえかせ、自分じぶんは十二番目ばんめのくびきとともにいてたがやしていた。エリヤはかれのかたわらをとおぎて外套がいとうかれうえにかけた。 20エリシャはうして、エリヤのあとにはしってきてった、「わたしの父母ふぼくちづけさせてください。そしてのちあなたにしたがいましょう」。エリヤはかれった、「ってきなさい。わたしはあなたになにをしましたか」。 21エリシャはかれはなれてかえり、ひとくびきのうしってころし、うしのくびきをやしてそのにく、それをたみあたえてべさせ、ってってエリヤにしたがい、かれつかえた。

第二〇章

1スリヤのおうベネハダデはその軍勢ぐんぜいをことごとくあつめた。三十二にんおうかれともにおり、またうま戦車せんしゃもあった。かれのぼってサマリヤをかこみ、これをめた。 2またかれまち使者ししゃをつかわし、イスラエルのおうアハブにった、「ベネハダデはこうもうします、 3『あなたの金銀きんぎんはわたしのもの、またあなたのつまたちと子供こどもたちのもっとうつくしいものもわたしのものです』」。 4イスラエルのおうこたえた、「おう、わがしゅよ、おおせのとおり、わたしと、わたしのものみなあなたのものです」。 5使者ししゃふたたびきてった、「ベネハダデはこうもうします、『わたしはさきにひとをつかわして、あなたの金銀きんぎん妻子さいしきわたせといました。 6しかし、あすのいまごろ、しもべたちをあなたにつかわします。かれらはあなたのいえと、あなたの家来けらいいえさぐって、すべてかれらのにいるものれてうばるでしょう』」。

7そこでイスラエルのおうくに長老ちょうろうをことごとくしてった、「よく注意ちゅういして、このひと無理むりこともとめているのをりなさい。かれひとをつかわして、わたしの妻子さいし金銀きんぎんもとめたが、わたしはそれをこばまなかった」。 8すべての長老ちょうろうおよびたみみなかれった、「いてはなりません。承諾しょうだくしてはなりません」。 9それでかれはベネハダデの使者ししゃった、「おう、わがしゅげなさい。『あなたがはじめに要求ようきゅうされたことはみないたしましょう。しかし今度こんどことはできません』」。使者ししゃって復命ふくめいした。 10ベネハダデはかれひとをつかわしてった、「もしサマリヤのちりが、わたしにしたがうすべてのたみたすにりるならば、神々かみがみがどんなにでも、わたしをばっしてくださるように」。 11イスラエルのおうこたえた、「『武具ぶぐびるものは、それをもののようにほこってはならない』とげなさい」。 12ベネハダデはかり小屋ごやで、おうたちとさけんでいたが、このこといて、その家来けらいたちにった、「たたかいのそなえをせよ」。かれらはまちにむかってたたかいのそなえをした。

13このときひとりの預言者よげんしゃがイスラエルのおうアハブのもとにきてった、「しゅはこうおおせられる、『あなたはこの大軍たいぐんたか。わたしはきょう、これをあなたのにわたす。あなたは、わたしがしゅであることを、るようになるであろう』」。 14アハブはった、「だれにさせましょうか」。かれった、「しゅはこうおおせられる、『地方ちほう代官だいかん家来けらいたちにさせよ』」。アハブはった、「だれがたたかいをはじめましょうか」。かれこたえた、「あなたです」。 15そこでアハブは地方ちほう代官だいかん家来けらいたちを調しらべたところ二百三十二にんあった。つぎにすべてのたみ、すなわちイスラエルのすべてのひと調しらべたところ七千にんあった。

16かれらはひるごろていったが、ベネハダデはかり小屋ごやで、味方みかたの三十二にんおうたちとともさけんでっていた。 17地方ちほう代官だいかん家来けらいたちがさきていった。ベネハダデは斥候せっこうをつかわしたが、かれらは「サマリヤから人々ひとびとてきた」と報告ほうこくしたので、 18かれった、「和解わかいのためにてきたのであっても、いけどりにせよ。またたたかいのためにてきたのであっても、いけどりにせよ」。

19地方ちほう代官だいかん家来けらいたちと、それにしたが軍勢ぐんぜいまちからていって、 20おのおのその相手あいてころしたので、スリヤびとはげた。イスラエルはこれをったが、スリヤのおうベネハダデはうまり、騎兵きへいしたがえてのがれた。 21イスラエルのおうていって、うま戦車せんしゃをぶんどり、またおおいにスリヤびとをころした。

22ときに、かの預言者よげんしゃがイスラエルのおうのもとにきてった、「って、ちからやしない、なすべきことをよくかんがえなさい。来年らいねんはるにはスリヤのおうが、あなたのところにのぼってくるからです」。

23スリヤのおう家来けらいたちはおうった、「かれらの神々かみがみやまかみですからかれらがわれわれよりもつよかったのです。もしわれわれが平地へいちたたかうならば、かならかれらよりもつよいでしょう。 24それでこうしなさい。おうたちをおのおのその地位ちいから退しりぞかせ、総督そうとくいてそれにかわらせなさい。 25またあなたがうしなった軍勢ぐんぜいひとしい軍勢ぐんぜいあつめ、うまうま戦車せんしゃ戦車せんしゃをもっておぎないなさい。こうしてわれわれが平地へいちたたかうならばかならかれらよりもつよいでしょう」。かれはその言葉ことばきいれて、そのようにした。

26はるになって、ベネハダデはスリヤびとをあつめて、イスラエルとたたかうために、アペクにのぼってきた。 27イスラエルの人々ひとびと召集しょうしゅうされ、糧食りょうしょくけてかれらをむかつためにかけた。イスラエルの人々ひとびとはやぎの二つのちいさいれのようにかれらのまえ陣取じんどったが、スリヤびとはそのちていた。 28そのときかみひとがきて、イスラエルのおうった、「しゅはこうおおせられる、『スリヤびとが、しゅやまかみであって、たにかみではないとっているから、わたしはこのすべての大軍たいぐんをあなたのにわたす。あなたは、わたしがしゅであることをるようになるであろう』」。 29かれらは七日なぬかあいだたがいにむかいあって陣取じんどり、七日なぬかになってたたかいをまじえたが、イスラエルの人々ひとびとは一にちにスリヤびとの歩兵ほへい十万にんころした。 30そのほかのものはアペクのまちげこんだが、城壁じょうへきがくずれて、そののこった二万七千にんうえたおれた。

ベネハダデはげてまちはいり、おくあいだにはいった。 31家来けらいたちはかれった、「イスラエルのいえおうたちはあわれみふかおうであるといています。それでわれわれのこし荒布あらぬのをつけ、くびになわをかけて、イスラエルのおうところかせてください。たぶんかれはあなたのいのちたすけるでしょう」。 32そこでかれらは荒布あらぬのこしにまき、なわをくびにかけてイスラエルのおうところってった、「あなたのしもべベネハダデが『どうぞ、わたしのいのちたすけてください』ともうしています」。アハブはった、「かれはまだきているのですか。かれはわたしの兄弟きょうだいです」。 33その人々ひとびとはこれを吉兆きっちょうとしてすみやかにかれ言葉ことばをうけ、「そうです。ベネハダデはあなたの兄弟きょうだいです」とったので、かれった、「ってかれをつれてきなさい」。それでベネハダデはかれところてきたので、かれはこれを自分じぶんくるませた。 34ベネハダデはかれった、「わたしのちちが、あなたの父上ちちうえからった町々まちまちかえします。またわたしのちちがサマリヤにつくったように、あなたはダマスコに、あなたのために市場しじょうもうけなさい」。アハブはった、「わたしはこの契約けいやくをもってあなたをかえらせましょう」。こうしてアハブはかれ契約けいやくむすび、かれかえらせた。

35さて預言者よげんしゃのともがらのひとりがしゅ言葉ことばしたがってその仲間なかまった、「どうぞ、わたしをってください」。しかしそのひとつことをこばんだので、 36かれはそのひとった、「あなたはしゅ言葉ことばしたがわないゆえ、わたしをはなれてくとすぐ、ししがあなたをころすでしょう」。そのひとかれのそばをはなれてくとすぐ、ししがかれってかれころした。 37かれはまたほかのひとってった、「どうぞ、わたしをってください」。するとそのひとかれち、ってきずつけた。 38こうしてその預言者よげんしゃって、みちのかたわらでおうち、にほうたいをてて姿すがたえていた。 39おうとおぎるときおうばわってった、「しもべはいくさのなかきましたが、ある軍人ぐんじんが、ひとりのひとをわたしのところにつれてきていました、『このひとまもっていなさい。もしかれがいなくなれば、あなたのいのちかれいのちえるか、またはぎん一タラントをはらわなければならない』。 40ところが、しもべはあちらこちらといそがしくしていたので、ついにかれはいなくなりました」。イスラエルのおうかれった、「あなたはそのとおりにさばかれなければならない。あなたが自分じぶんでそれをさだめたのです」。 41そこでかれいそいでのほうたいをのぞいたので、イスラエルのおうはそれが預言者よげんしゃのひとりであることをった。 42かれおうった、「しゅはこうおおせられる、『わたしがほろぼそうとさだめたひとを、あなたは自分じぶんからはなしてかせたので、あなたのいのちかれいのちかわり、あなたのたみかれたみかわるであろう』と」。 43イスラエルのおうかなしみ、かついかって自分じぶんいえにおもむき、サマリヤにかえった。

第二一章

1さてエズレルびとナボテはエズレルにぶどうはたけをもっていたが、サマリヤのおうアハブの宮殿きゅうでんのかたわらにあったので、 2アハブはナボテにった、「あなたのぶどうはたけはわたしのいえちかくにあるので、わたしにゆずって青物あおものはたけにさせてください。そのかわり、わたしはそれよりもいぶどうはたけをあなたにあげましょう。もしおのぞみならば、そのあたいきんでさしあげましょう」。 3ナボテはアハブにった、「わたしは先祖せんぞぎょうをあなたにゆずることをだんじていたしません」。 4アハブはエズレルびとナボテがった言葉ことばいて、かなしみ、かついかっていえにはいった。ナボテが「わたしは先祖せんぞぎょうをあなたにゆずりません」とったからである。アハブはとこし、かおをそむけて食事しょくじをしなかった。

5つまイゼベルはかれところにきて、った、「あなたはなにをそんなにかなしんで、食事しょくじをなさらないのですか」。 6かれ彼女かのじょった、「わたしはエズレルびとナボテに『あなたのぶどうはたけかねゆずってください。もしのぞむならば、そのかわりに、ほかのぶどうはたけをあげよう』とったが、かれこたえて『わたしはぶどうはたけゆずりません』とったからだ」。 7つまイゼベルはかれった、「あなたがいまイスラエルをおさめているのですか。きて食事しょくじをし、元気げんきしてください。わたしがエズレルびとナボテのぶどうはたけをあなたにあげます」。

8彼女かのじょはアハブの手紙てがみき、かれしるしをおして、ナボテとおなじように、そのまちんでいる長老ちょうろうたちと身分みぶんたっと人々ひとびとに、その手紙てがみおくった。 9彼女かのじょはその手紙てがみきしるした、「断食だんじき布告ふこくして、ナボテをたみのうちのたかところにすわらせ、 10またふたりのよこしまなものかれまえにすわらせ、そしてかれうったえて、『あなたはかみおうとをのろった』とわせなさい。こうしてかれし、いしころしなさい」。 11そのまち人々ひとびと、すなわち、そのまちんでいる長老ちょうろうたちおよび身分みぶんたっと人々ひとびとは、イゼベルがいつかわしたようにした。彼女かのじょかれらにおくった手紙てがみきしるされていたように、 12かれらは断食だんじき布告ふこくして、ナボテをたみのうちのたかところにすわらせた。 13そしてふたりのよこしまなものがはいってきて、そのまえにすわり、そのよこしまなものたちがたみまえでナボテをうったえて、「ナボテはかみおうとをのろった」とった。そこで人々ひとびとかれまちそとし、いしころした。 14そして人々ひとびとはイゼベルに「ナボテはいしころされた」とおくった。

15イゼベルはナボテがいしころされたのをくとすぐ、アハブにった、「って、あのエズレルびとナボテが、あなたにかねゆずることをこばんだぶどうはたけりなさい。ナボテはきていません。んだのです」。 16アハブはナボテのんだのをくとすぐ、って、エズレルびとナボテのぶどうはたけるために、そこへくだっていった。

17そのとき、しゅ言葉ことばがテシベびとエリヤにのぞんだ、 18って、くだってき、サマリヤにいるイスラエルのおうアハブにいなさい。かれはナボテのぶどうはたけろうとしてそこへくだっている。 19あなたはかれわなければならない、『しゅはこうおおせられる、あなたはころしたのか、またったのか』と。またかれいなさい、『しゅはこうおおせられる、いぬがナボテのをなめた場所ばしょで、いぬがあなたのをなめるであろう』」。

20アハブはエリヤにった、「わがてきよ、ついに、わたしをつけたのか」。かれった、「つけました。あなたがしゅまえあくおこなうことにをゆだねたゆえ、 21わたしはあなたにわざわいくだし、あなたをまったほろぼし、アハブにぞくするおとこは、イスラエルにいてつながれたものも、自由じゆうものもことごとくち、 22またあなたのいえをネバテのヤラベアムのいえのようにし、アヒヤのバアシャのいえのようにするでしょう。これはあなたがわたしをいからせたいかりのゆえ、またイスラエルにつみおかさせたゆえです。 23イゼベルについて、しゅはまたわれました、『いぬがエズレルの地域ちいきでイゼベルをうであろう』と。 24アハブにぞくするものは、まちものいぬい、ものそらとりうでしょう」。

25アハブのようにしゅまえあくおこなうことにをゆだねたものはなかった。そのつまイゼベルがかれをそそのかしたのである。 26かれしゅがイスラエルの人々ひとびとまえからはらわれたアモリびとがしたように偶像ぐうぞうしたがって、はなはだにくむべきことおこなった。

27アハブはこれらの言葉ことばいたときころもき、荒布あらぬのにまとい、しょくち、荒布あらぬのし、ちしおれてあるいた。 28このときしゅ言葉ことばがテシベびとエリヤにのぞんだ、 29「アハブがわたしのまえにへりくだっているのをたか。かれがわたしのまえにへりくだっているゆえ、わたしはにはわざわいくださない。そのわざわいをそのいえくだすであろう」。

第二二章

1スリヤとイスラエルのあいだ戦争せんそうがなくて三ねんた。 2しかし三ねんにユダのおうヨシャパテがイスラエルのおうところくだっていったので、 3イスラエルのおうはその家来けらいたちにった、「あなたがたは、ラモテ・ギレアデがわれわれの所有しょゆうであることをっていますか。しかもなおわれわれはスリヤのおうからそれをらずにだまっているのです」。 4かれはヨシャパテにった、「ラモテ・ギレアデでたたかうためにわたしと一緒いっしょかれませんか」。ヨシャパテはイスラエルのおうった、「わたしはあなたと一つです。わたしのたみはあなたのたみと一つです。わたしのうまはあなたのうまと一つです」。

5ヨシャパテはまたイスラエルのおうった、「まず、しゅ言葉ことばうかがいなさい」。 6そこでイスラエルのおう預言者よげんしゃ四百にんばかりをあつめて、かれらにった、「わたしはラモテ・ギレアデにたたかいにくべきでしょうか、あるいはひかえるべきでしょうか」。かれらはった、「のぼっていきなさい。しゅはそれをおうにわたされるでしょう」。 7ヨシャパテはった、「ここには、われわれのうべきしゅ預言者よげんしゃがほかにいませんか」。 8イスラエルのおうはヨシャパテにった、「われわれがしゅうことのできるひとが、まだひとりいます。イムラのミカヤです。かれはわたしについてこと預言よげんせず、ただわることだけを預言よげんするので、わたしはかれにくんでいます」。ヨシャパテはった、「おうよ、そうわないでください」。 9そこでイスラエルのおう役人やくにんんで、「いそいでイムラのミカヤをれてきなさい」とった。 10さてイスラエルのおうおよびユダのおうヨシャパテはおうふくて、サマリヤのもん入口いりぐち広場ひろばに、おのおのその王座おうざにすわり、預言者よげんしゃたちはみなそのまえ預言よげんしていた。 11ケナアナのゼデキヤはてつつのつくってった、「しゅはこうおおせられます、『あなたはこれらのつのをもってスリヤびとをいてかれらをほろぼしなさい』」。 12預言者よげんしゃたちはみなそのように預言よげんしてった、「ラモテ・ギレアデにのぼっていって勝利しょうりなさい。しゅはそれをおうにわたされるでしょう」。

13さてミカヤをびにいった使者ししゃかれった、「預言者よげんしゃたちは一致いっちしておうこといました。どうぞ、あなたも、かれらのひとりの言葉ことばのようにして、ことってください」。 14ミカヤはった、「しゅきておられます。しゅがわたしにわれることもうしましょう」。 15かれおうところくと、おうかれった、「ミカヤよ、われわれはラモテ・ギレアデにたたかいにくべきでしょうか、あるいはひかえるべきでしょうか」。かれおうった、「のぼっていって勝利しょうりなさい。しゅはそれをおうにわたされるでしょう」。 16しかしおうかれった、「いくたびあなたをちかわせたら、あなたはしゅをもって、ただ真実しんじつのみをわたしにげるでしょうか」。 17かれった、「わたしはイスラエルがみな牧者ぼくしゃのないひつじのように、やまっているのをました。するとしゅは『これらのもの飼主かいぬしがいない。かれらをそれぞれやすらかに、そのいえかえらせよ』とわれました」。 18イスラエルのおうはヨシャパテにった、「かれがわたしについてこと預言よげんせず、ただわることだけを預言よげんすると、あなたにげたではありませんか」。 19ミカヤはった、「それゆえしゅ言葉ことばきなさい。わたしはしゅがその玉座ぎょくざにすわり、てん万軍ばんぐんがそのかたわらに、右左みぎひだりっているのをたが、 20しゅは『だれがアハブをいざなってラモテ・ギレアデにのぼらせ、かれたおれさせるであろうか』とわれました。するとひとりはこのことい、ひとりはほかのこといました。 21そのとき一つのれいすすて、しゅまえち、『わたしがかれをいざないましょう』といました。 22しゅは『どのような方法ほうほうでするのか』とわれたので、かれは『わたしがって、いつわりをれいとなって、すべての預言者よげんしゃくち宿やどりましょう』といました。そこでしゅは『おまえはかれをいざなって、それをげるであろう。って、そうしなさい』とわれました。 23それでしゅいつわりをれいをあなたのすべての預言者よげんしゃくちれ、またしゅはあなたのおこわざわいげられたのです」。 24するとケナアナのゼデキヤは近寄ちかよって、ミカヤのほおをってった、「どのようにしてしゅれいがわたしをはなれて、あなたにかたりましたか」。 25ミカヤはった、「あなたがおくあいだにはいってかくすそのに、わかるでしょう」。 26イスラエルのおうった、「ミカヤをとらえ、まちのつかさアモンと、おうヨアシのところいてかえって、 27いなさい、『おうがこういます、このもの獄屋ごくやれ、わずかのパンとみずをもってかれやしない、わたしが勝利しょうりかえってくるのをて』」。 28ミカヤはった、「もしあなたが勝利しょうりかえってこられるならば、しゅがわたしによってかたられなかったのです」。またかれった、「あなたがた、すべてのたみよ、きなさい」。

29こうしてイスラエルのおうとユダのおうヨシャパテはラモテ・ギレアデにのぼっていった。 30イスラエルのおうはヨシャパテにった、「わたしは姿すがたえて、たたかいにきます。あなたはおうふくけなさい」。イスラエルのおう姿すがたえてたたかいにった。 31さて、スリヤのおうは、その戦車せんしゃちょう三十二にんめいじてった、「あなたがたは、ちいさいものともおおきいものともたたかわないで、ただイスラエルのおうとだけたたかいなさい」。 32戦車せんしゃちょうらはヨシャパテをたとき、これはきっとイスラエルのおうだとおもったので、をめぐらして、これとたたかおうとすると、ヨシャパテはばわった。 33戦車せんしゃちょうらはかれがイスラエルのおうでないのをたので、かれうことをやめてかえした。 34しかし、ひとりのひとなにこころなくゆみをひいて、イスラエルのおう胸当むねあて草摺くさずりあいだたので、かれはその戦車せんしゃ御者ぎょしゃった、「わたしはきずけた。戦車せんしゃをめぐらして、わたしを戦場せんじょうからはこせ」。 35そのたたかいははげしくなった。おう戦車せんしゃなかにささえられてち、スリヤびとにむかっていたが、ついに、夕暮ゆうぐれになってんだ。きず戦車せんしゃそこながれた。 36ぼっするころ、軍勢ぐんぜいなかばわるこえがした、「めいめいそのまちへ、めいめいそのくにかえれ」。

37おうんで、サマリヤへたずさかれた。人々ひとびとおうをサマリヤにほうむった。 38またその戦車せんしゃをサマリヤのいけあらったが、いぬがそのをなめた。また遊女ゆうじょがそこであらった。しゅわれた言葉ことばのとおりである。 39アハブのそのほかの事績じせきと、かれがしたすべてのことと、そのてた象牙ぞうげいえと、そのてたすべてのまちは、イスラエルのおう歴代志れきだいししょにしるされているではないか。 40こうしてアハブはその先祖せんぞともねむって、そのアハジヤがかわっておうとなった。

41アサのヨシャパテはイスラエルのおうアハブのだいねんにユダのおうとなった。 42ヨシャパテはおうとなったとき、三十五さいであったが、エルサレムで二十五ねんおさめた。そのはははアズバといい、シルヒのむすめであった。 43ヨシャパテはちちアサのすべてのみちあゆみ、それをはなれることなく、しゅにかなうことをした。ただしたかところのぞかなかったので、たみはなおたかところ犠牲ぎせいをささげ、こうをたいた。 44ヨシャパテはまたイスラエルのおうと、よしみをむすんだ。

45ヨシャパテのその事績じせきと、かれがあらわした勲功くんこうおよびその戦争せんそうについては、ユダのおう歴代志れきだいししょにしるされているではないか。 46かれちちアサのになおのこっていた神殿しんでん男娼だんしょうたちをくにのうちからはらった。

47そのころエドムにはおうがなく、代官だいかんおうであった。 48ヨシャパテはタルシシのふねつくって、きんるためにオフルにかせようとしたが、そのふねはエジオン・ゲベルで難破なんぱしたため、ついにかなかった。 49そこでアハブのアハジヤはヨシャパテに「わたしの家来けらいをあなたの家来けらい一緒いっしょふねかせなさい」とったが、ヨシャパテは承知しょうちしなかった。 50ヨシャパテはその先祖せんぞともねむって、ちちダビデのまち先祖せんぞともほうむられ、そのヨラムがかわっておうとなった。

51アハブのアハジヤはユダのおうヨシャパテのだい十七ねんにサマリヤでイスラエルのおうとなり、二ねんイスラエルをおさめた。 52かれしゅまえあくおこない、そのちちみちと、そのははみち、およびかのイスラエルにつみおかさせたネバテのヤラベアムのみちあゆみ、 53バアルにつかえて、それをおがみ、イスラエルのかみしゅいからせた。すべてかれちちがしたとおりであった。