ペテロの第一の手紙

第一章

1イエス・キリストの使徒(しと)ペテロから、ポント、ガラテヤ、カパドキヤ、アジヤおよびビテニヤに離散(りさん)し寄留(きりゅう)している人(ひと)たち、 2すなわち、イエス・キリストに従(したが)い、かつ、その血(ち)のそそぎを受(う)けるために、父(ちち)なる神(かみ)の予知(よち)されたところによって選(えら)ばれ、御霊(みたま)のきよめにあずかっている人(ひと)たちへ。

恵(めぐ)みと平安(へいあん)とが、あなたがたに豊(ゆた)かに加(くわ)わるように。

3ほむべきかな、わたしたちの主(しゅ)イエス・キリストの父(ちち)なる神(かみ)。神(かみ)は、その豊(ゆた)かなあわれみにより、イエス・キリストを死人(しにん)の中(なか)からよみがえらせ、それにより、わたしたちを新(あら)たに生(うま)れさせて生(い)ける望(のぞ)みをいだかせ、 4あなたがたのために天(てん)にたくわえてある、朽(く)ちず汚(けが)れず、しぼむことのない資産(しさん)を受(う)け継(つ)ぐ者(もの)として下(くだ)さったのである。 5あなたがたは、終(おわ)りの時(とき)に啓示(けいじ)さるべき救(すくい)にあずかるために、信仰(しんこう)により神(かみ)の御(み)力(ちから)に守(まも)られているのである。 6そのことを思(おも)って、今(いま)しばらくのあいだは、さまざまな試錬(しれん)で悩(なや)まねばならないかも知(し)れないが、あなたがたは大(おお)いに喜(よろこ)んでいる。 7こうして、あなたがたの信仰(しんこう)はためされて、火(ひ)で精錬(せいれん)されても朽(く)ちる外(ほか)はない金(きん)よりもはるかに尊(たっと)いことが明(あき)らかにされ、イエス・キリストの現(あらわ)れるとき、さんびと栄光(えいこう)とほまれとに変(かわ)るであろう。 8あなたがたは、イエス・キリストを見(み)たことはないが、彼(かれ)を愛(あい)している。現在(げんざい)、見(み)てはいないけれども、信(しん)じて、言葉(ことば)につくせない、輝(かがや)きにみちた喜(よろこ)びにあふれている。 9それは、信仰(しんこう)の結果(けっか)なるたましいの救(すくい)を得(え)ているからである。 10この救(すくい)については、あなたがたに対(たい)する恵(めぐ)みのことを預言(よげん)した預言者(よげんしゃ)たちも、たずね求(もと)め、かつ、つぶさに調(しら)べた。 11彼(かれ)らは、自分(じぶん)たちのうちにいますキリストの霊(れい)が、キリストの苦難(くなん)とそれに続(つづ)く栄光(えいこう)とを、あらかじめあかしした時(とき)、それは、いつの時(とき)、どんな場合(ばあい)をさしたのかを、調(しら)べたのである。 12そして、それらについて調(しら)べたのは、自分(じぶん)たちのためではなくて、あなたがたのための奉仕(ほうし)であることを示(しめ)された。それらの事(こと)は、天(てん)からつかわされた聖霊(せいれい)に感(かん)じて福音(ふくいん)をあなたがたに宣(の)べ伝(つた)えた人々(ひとびと)によって、今(いま)や、あなたがたに告(つ)げ知(し)らされたのであるが、これは、御使(みつかい)たちも、うかがい見(み)たいと願(ねが)っている事(こと)である。

13それだから、心(こころ)の腰(こし)に帯(おび)を締(し)め、身(み)を慎(つつし)み、イエス・キリストの現(あらわ)れる時(とき)に与(あた)えられる恵(めぐ)みを、いささかも疑(うたが)わずに待(ま)ち望(のぞ)んでいなさい。 14従順(じゅうじゅん)な子供(こども)として、無知(むち)であった時代(じだい)の欲情(よくじょう)に従(したが)わず、 15むしろ、あなたがたを召(め)して下(くだ)さった聖(せい)なるかたにならって、あなたがた自身(じしん)も、あらゆる行(おこな)いにおいて聖(せい)なる者(もの)となりなさい。 16聖書(せいしょ)に、「わたしが聖(せい)なる者(もの)であるから、あなたがたも聖(せい)なる者(もの)になるべきである」と書(か)いてあるからである。 17あなたがたは、人(ひと)をそれぞれのしわざに応(おう)じて、公平(こうへい)にさばくかたを、父(ちち)と呼(よ)んでいるからには、地上(ちじょう)に宿(やど)っている間(あいだ)を、おそれの心(こころ)をもって過(す)ごすべきである。 18あなたがたのよく知(し)っているとおり、あなたがたが先祖(せんぞ)伝来(でんらい)の空疎(くうそ)な生活(せいかつ)からあがない出(だ)されたのは、銀(ぎん)や金(きん)のような朽(く)ちる物(もの)によったのではなく、 19きずも、しみもない小羊(こひつじ)のようなキリストの尊(たっと)い血(ち)によったのである。 20キリストは、天地(てんち)が造(つく)られる前(まえ)から、あらかじめ知(し)られていたのであるが、この終(おわ)りの時(とき)に至(いた)って、あなたがたのために現(あらわ)れたのである。 21あなたがたは、このキリストによって、彼(かれ)を死人(しにん)の中(なか)からよみがえらせて、栄光(えいこう)をお与(あた)えになった神(かみ)を信(しん)じる者(もの)となったのであり、したがって、あなたがたの信仰(しんこう)と望(のぞ)みとは、神(かみ)にかかっているのである。

22あなたがたは、真理(しんり)に従(したが)うことによって、たましいをきよめ、偽(いつわ)りのない兄弟(きょうだい)愛(あい)をいだくに至(いた)ったのであるから、互(たがい)に心(こころ)から熱(あつ)く愛(あい)し合(あ)いなさい。 23あなたがたが新(あら)たに生(うま)れたのは、朽(く)ちる種(たね)からではなく、朽(く)ちない種(たね)から、すなわち、神(かみ)の変(かわ)ることのない生(い)ける御言(みことば)によったのである。
24「人(ひと)はみな草(くさ)のごとく、
その栄華(えいが)はみな草(くさ)の花(はな)に似(に)ている。
草(くさ)は枯(か)れ、
花(はな)は散る。
しかし、主(しゅ)の言葉(ことば)は、とこしえに残(のこ)る」。
25これが、あなたがたに宣(の)べ伝(つた)えられた御言葉(みことば)である。

第二章

1だから、あらゆる悪意(あくい)、あらゆる偽(いつわ)り、偽善(ぎぜん)、そねみ、いっさいの悪口(あっこう)を捨(す)てて、 2今(いま)生(うま)れたばかりの乳飲(ちの)み子(ご)のように、混(ま)じりけのない霊(れい)の乳(ちち)を慕(した)い求(もと)めなさい。それによっておい育(そだ)ち、救(すくい)に入(はい)るようになるためである。 3あなたがたは、主(しゅ)が恵(めぐ)み深(ぶか)いかたであることを、すでに味(あじ)わい知(し)ったはずである。 4主(しゅ)は、人(ひと)には捨(す)てられたが、神(かみ)にとっては選(えら)ばれた尊(たっと)い生(い)ける石(いし)である。 5この主(しゅ)のみもとにきて、あなたがたも、それぞれ生(い)ける石(いし)となって、霊(れい)の家(いえ)に築(きず)き上(あ)げられ、聖(せい)なる祭司(さいし)となって、イエス・キリストにより、神(かみ)によろこばれる霊(れい)のいけにえを、ささげなさい。 6聖書(せいしょ)にこう書(か)いてある、
「見(み)よ、わたしはシオンに、
選(えら)ばれた尊(たっと)い石(いし)、隅(すみ)のかしら石(いし)を置(お)く。
それにより頼(たの)む者(もの)は、
決(けっ)して、失望(しつぼう)に終(おわ)ることがない」。
7この石(いし)は、より頼(たの)んでいるあなたがたには尊(たっと)いものであるが、不(ふ)信仰(しんこう)な人々(ひとびと)には「家(いえ)造(つく)りらの捨(す)てた石(いし)で、隅(すみ)のかしら石(いし)となったもの」、 8また「つまずきの石(いし)、妨(さまた)げの岩(いわ)」である。しかし、彼(かれ)らがつまずくのは、御言(みことば)に従(したが)わないからであって、彼(かれ)らは、実(じつ)は、そうなるように定(さだ)められていたのである。 9しかし、あなたがたは、選(えら)ばれた種族(しゅぞく)、祭司(さいし)の国(くに)、聖(せい)なる国民(こくみん)、神(かみ)につける民(たみ)である。それによって、暗(くら)やみから驚(おどろ)くべきみ光(ひかり)に招(まね)き入(い)れて下(くだ)さったかたのみわざを、あなたがたが語(かた)り伝(つた)えるためである。 10あなたがたは、以前(いぜん)は神(かみ)の民(たみ)でなかったが、いまは神(かみ)の民(たみ)であり、以前(いぜん)は、あわれみを受(う)けたことのない者(もの)であったが、いまは、あわれみを受(う)けた者(もの)となっている。

11愛(あい)する者(もの)たちよ。あなたがたに勧(すす)める。あなたがたは、この世(よ)の旅人(たびびと)であり寄留者(きりゅうしゃ)であるから、たましいに戦(たたか)いをいどむ肉(にく)の欲(よく)を避(さ)けなさい。 12異邦人(いほうじん)の中(なか)にあって、りっぱな行(おこな)いをしなさい。そうすれば、彼(かれ)らは、あなたがたを悪人(あくにん)呼(よ)ばわりしていても、あなたがたのりっぱなわざを見(み)て、かえって、おとずれの日(ひ)に神(かみ)をあがめるようになろう。

13あなたがたは、すべて人(ひと)の立(た)てた制(せい)度(ど)に、主(しゅ)のゆえに従(したが)いなさい。主権者(しゅけんしゃ)としての王(おう)であろうと、 14あるいは、悪(あく)を行(おこな)う者(もの)を罰(ばっ)し善(ぜん)を行(おこな)う者(もの)を賞(しょう)するために、王(おう)からつかわされた長官(ちょうかん)であろうと、これに従(したが)いなさい。 15善(ぜん)を行(おこな)うことによって、愚(おろ)かな人々(ひとびと)の無知(むち)な発言(はつげん)を封(ふう)じるのは、神(かみ)の御旨(みむね)なのである。 16自由人(じゆうじん)にふさわしく行動(こうどう)しなさい。ただし、自由(じゆう)をば悪(あく)を行(おこな)う口実(こうじつ)として用(もち)いず、神(かみ)の僕(しもべ)にふさわしく行動(こうどう)しなさい。 17すべての人(ひと)をうやまい、兄弟(きょうだい)たちを愛(あい)し、神(かみ)をおそれ、王(おう)を尊(たっと)びなさい。

18僕(しもべ)たる者(もの)よ。心(こころ)からのおそれをもって、主人(しゅじん)に仕(つか)えなさい。善良(ぜんりょう)で寛容(かんよう)な主人(しゅじん)だけにでなく、気(き)むずかしい主人(しゅじん)にも、そうしなさい。 19もしだれかが、不当(ふとう)な苦(くる)しみを受(う)けても、神(かみ)を仰(あお)いでその苦痛(くつう)を耐(た)え忍(しの)ぶなら、それはよみせられることである。 20悪(わる)いことをして打(う)ちたたかれ、それを忍(しの)んだとしても、なんの手柄(てがら)になるのか。しかし善(ぜん)を行(おこな)って苦(くる)しみを受(う)け、しかもそれを耐(た)え忍(しの)んでいるとすれば、これこそ神(かみ)によみせられることである。 21あなたがたは、実(じつ)に、そうするようにと召(め)されたのである。キリストも、あなたがたのために苦(くる)しみを受(う)け、御足(みあし)の跡(あと)を踏(ふ)み従(したが)うようにと、模範(もはん)を残(のこ)されたのである。 22キリストは罪(つみ)を犯(おか)さず、その口(くち)には偽(いつわ)りがなかった。 23ののしられても、ののしりかえさず、苦(くる)しめられても、おびやかすことをせず、正(ただ)しいさばきをするかたに、いっさいをゆだねておられた。 24さらに、わたしたちが罪(つみ)に死(し)に、義(ぎ)に生(い)きるために、十字架(じゅうじか)にかかって、わたしたちの罪(つみ)をご自分(じぶん)の身(み)に負(お)われた。その傷(きず)によって、あなたがたは、いやされたのである。 25あなたがたは、羊(ひつじ)のようにさ迷(まよ)っていたが、今(いま)は、たましいの牧者(ぼくしゃ)であり監督(かんとく)であるかたのもとに、たち帰(かえ)ったのである。

第三章

1同(おな)じように、妻(つま)たる者(もの)よ。夫(おっと)に仕(つか)えなさい。そうすれば、たとい御言(みことば)に従(したが)わない夫(おっと)であっても、 2あなたがたのうやうやしく清(きよ)い行(おこな)いを見(み)て、その妻(つま)の無言(むごん)の行(おこな)いによって、救(すくい)に入(い)れられるようになるであろう。 3あなたがたは、髪(かみ)を編(あ)み、金(きん)の飾(かざ)りをつけ、服装(ふくそう)をととのえるような外(がい)面(めん)の飾(かざ)りではなく、 4かくれた内(うち)なる人(ひと)、柔和(にゅうわ)で、しとやかな霊(れい)という朽(く)ちることのない飾(かざ)りを、身(み)につけるべきである。これこそ、神(かみ)のみまえに、きわめて尊(たっと)いものである。 5むかし、神(かみ)を仰(あお)ぎ望(のぞ)んでいた聖(せい)なる女(おんな)たちも、このように身(み)を飾(かざ)って、その夫(おっと)に仕(つか)えたのである。 6たとえば、サラはアブラハムに仕(つか)えて、彼(かれ)を主(しゅ)と呼(よ)んだ。あなたがたも、何事(なにごと)にもおびえ臆(おく)することなく善(ぜん)を行(おこな)えば、サラの娘(むすめ)たちとなるのである。

7夫(おっと)たる者(もの)よ。あなたがたも同(おな)じように、女(おんな)は自分(じぶん)よりも弱(よわ)い器(うつわ)であることを認(みと)めて、知識(ちしき)に従(したが)って妻(つま)と共(とも)に住(す)み、いのちの恵(めぐ)みを共(とも)どもに受(う)け継(つ)ぐ者(もの)として、尊(たっと)びなさい。それは、あなたがたの祈(いのり)が妨(さまた)げられないためである。

8最後(さいご)に言(い)う。あなたがたは皆(みな)、心(こころ)をひとつにし、同情(どうじょう)し合(あ)い、兄弟(きょうだい)愛(あい)をもち、あわれみ深(ぶか)くあり、謙虚(けんきょ)でありなさい。 9悪(あく)をもって悪(あく)に報(むく)いず、悪口(あっこう)をもって悪口(あっこう)に報(むく)いず、かえって、祝福(しゅくふく)をもって報(むく)いなさい。あなたがたが召(め)されたのは、祝福(しゅくふく)を受(う)け継(つ)ぐためなのである。
10「いのちを愛(あい)し、
さいわいな日々(ひび)を過(す)ごそうと願(ねが)う人(ひと)は、
舌(した)を制(せい)して悪(あく)を言(い)わず、
くちびるを閉(と)じて偽(いつわ)りを語(かた)らず、
11悪(あく)を避(さ)けて善(ぜん)を行(おこな)い、
平和(へいわ)を求(もと)めて、これを追(お)え。
12主(しゅ)の目(め)は義人(ぎじん)たちに注(そそ)がれ、
主(しゅ)の耳(みみ)は彼(かれ)らの祈(いのり)にかたむく。
しかし主(しゅ)の御顔(みかお)は、悪(あく)を行(おこな)う者(もの)に対(たい)して向(む)かう」。

13そこで、もしあなたがたが善(ぜん)に熱心(ねっしん)であれば、だれが、あなたがたに危害(きがい)を加(くわ)えようか。 14しかし、万一(まんいち)義(ぎ)のために苦(くる)しむようなことがあっても、あなたがたはさいわいである。彼(かれ)らを恐(おそ)れたり、心(こころ)を乱(みだ)したりしてはならない。 15ただ、心(こころ)の中(なか)でキリストを主(しゅ)とあがめなさい。また、あなたがたのうちにある望(のぞ)みについて説明(せつめい)を求(もと)める人(ひと)には、いつでも弁明(べんめい)のできる用意(ようい)をしていなさい。 16しかし、やさしく、慎(つつし)み深(ぶか)く、明(あき)らかな良心(りょうしん)をもって、弁明(べんめい)しなさい。そうすれば、あなたがたがキリストにあって営(いとな)んでいる良(よ)い生活(せいかつ)をそしる人々(ひとびと)も、そのようにののしったことを恥(は)じいるであろう。 17善(ぜん)をおこなって苦(くる)しむことは――それが神(かみ)の御旨(みむね)であれば――悪(あく)をおこなって苦(くる)しむよりも、まさっている。 18キリストも、あなたがたを神(かみ)に近づけようとして、自(みずか)らは義(ぎ)なるかたであるのに、不義(ふぎ)なる人々(ひとびと)のために、ひとたび罪(つみ)のゆえに死(し)なれた。ただし、肉(にく)においては殺(ころ)されたが、霊(れい)においては生(い)かされたのである。 19こうして、彼(かれ)は獄(ごく)に捕(とら)われている霊(れい)どものところに下(くだ)って行(い)き、宣(の)べ伝(つた)えることをされた。 20これらの霊(れい)というのは、むかしノアの箱舟(はこぶね)が造(つく)られていた間(あいだ)、神(かみ)が寛容(かんよう)をもって待(ま)っておられたのに従(したが)わなかった者(もの)どものことである。その箱舟(はこぶね)に乗(の)り込(こ)み、水(みず)を経(へ)て救(すく)われたのは、わずかに八名(めい)だけであった。 21この水(みず)はバプテスマを象徴(しょうちょう)するものであって、今(いま)やあなたがたをも救(すく)うのである。それは、イエス・キリストの復活(ふっかつ)によるのであって、からだの汚(けが)れを除(のぞ)くことではなく、明(あき)らかな良心(りょうしん)を神(かみ)に願(ねが)い求(もと)めることである。 22キリストは天(てん)に上(のぼ)って神(かみ)の右(みぎ)に座(ざ)し、天使(てんし)たちともろもろの権威(けんい)、権力(けんりょく)を従(したが)えておられるのである。

第四章

1このように、キリストは肉(にく)において苦(くる)しまれたのであるから、あなたがたも同(おな)じ覚悟(かくご)で心(こころ)の武装(ぶそう)をしなさい。肉(にく)において苦(くる)しんだ人(ひと)は、それによって罪(つみ)からのがれたのである。 2それは、肉(にく)における残(のこ)りの生涯(しょうがい)を、もはや人間(にんげん)の欲情(よくじょう)によらず、神(かみ)の御旨(みむね)によって過(す)ごすためである。 3過(す)ぎ去(さ)った時代(じだい)には、あなたがたは、異邦人(いほうじん)の好(この)みにまかせて、好色(こうしょく)、欲情(よくじょう)、酔酒(すいしゅ)、宴楽(えんらく)、暴飲(ぼういん)、気(き)ままな偶像(ぐうぞう)礼拝(れいはい)などにふけってきたが、もうそれで十分(じゅうぶん)であろう。 4今(いま)はあなたがたが、そうした度(ど)を過(す)ごした乱行(らんぎょう)に加(くわ)わらないので、彼(かれ)らは驚(おどろ)きあやしみ、かつ、ののしっている。 5彼(かれ)らは、やがて生(い)ける者(もの)と死(し)ねる者(もの)とをさばくかたに、申(もう)し開(ひら)きをしなくてはならない。 6死人(しにん)にさえ福音(ふくいん)が宣(の)べ伝(つた)えられたのは、彼(かれ)らは肉(にく)においては人間(にんげん)としてさばきを受(う)けるが、霊(れい)においては神(かみ)に従(したが)って生(い)きるようになるためである。

7万物(ばんぶつ)の終(おわ)りが近(ちか)づいている。だから、心(こころ)を確(たし)かにし、身(み)を慎(つつし)んで、努(つと)めて祈(いの)りなさい。 8何(なに)よりもまず、互(たがい)の愛(あい)を熱(あつ)く保(たも)ちなさい。愛(あい)は多(おお)くの罪(つみ)をおおうものである。 9不平(ふへい)を言(い)わずに、互(たがい)にもてなし合(あ)いなさい。 10あなたがたは、それぞれ賜物(たまもの)をいただいているのだから、神(かみ)のさまざまな恵(めぐ)みの良(よ)き管理人(かんりにん)として、それをお互(たがい)のために役(やく)立(た)てるべきである。 11語(かた)る者(もの)は、神(かみ)の御言(みことば)を語(かた)る者(もの)にふさわしく語(かた)り、奉仕(ほうし)する者(もの)は、神(かみ)から賜(たま)わる力(ちから)による者(もの)にふさわしく奉仕(ほうし)すべきである。それは、すべてのことにおいてイエス・キリストによって、神(かみ)があがめられるためである。栄光(えいこう)と力(ちから)とが世々(よよ)限(かぎ)りなく、彼(かれ)にあるように、アァメン。

12愛(あい)する者(もの)たちよ。あなたがたを試(こころ)みるために降(ふ)りかかって来(く)る火(ひ)のような試錬(しれん)を、何(なに)か思(おも)いがけないことが起(おこ)ったかのように驚(おどろ)きあやしむことなく、 13むしろ、キリストの苦(くる)しみにあずかればあずかるほど、喜(よろこ)ぶがよい。それは、キリストの栄光(えいこう)が現(あらわ)れる際(さい)に、よろこびにあふれるためである。 14キリストの名(な)のためにそしられるなら、あなたがたはさいわいである。その時(とき)には、栄光(えいこう)の霊(れい)、神(かみ)の霊(れい)が、あなたがたに宿(やど)るからである。 15あなたがたのうち、だれも、人殺(ひとごろ)し、盗人(ぬすびと)、悪(あく)を行(おこな)う者(もの)、あるいは、他人(たにん)に干渉(かんしょう)する者(もの)として苦(くる)しみに会(あ)うことのないようにしなさい。 16しかし、クリスチャンとして苦(くる)しみを受(う)けるのであれば、恥(は)じることはない。かえって、この名(な)によって神(かみ)をあがめなさい。 17さばきが神(かみ)の家(いえ)から始(はじ)められる時(とき)がきた。それが、わたしたちからまず始(はじ)められるとしたら、神(かみ)の福音(ふくいん)に従(したが)わない人々(ひとびと)の行(ゆ)く末(すえ)は、どんなであろうか。 18また義人(ぎじん)でさえ、かろうじて救(すく)われるのだとすれば、不信(ふしん)なる者(もの)や罪人(つみびと)は、どうなるであろうか。 19だから、神(かみ)の御旨(みむね)に従(したが)って苦(くる)しみを受(う)ける人々(ひとびと)は、善(ぜん)をおこない、そして、真実(しんじつ)であられる創造者(そうぞうしゃ)に、自分(じぶん)のたましいをゆだねるがよい。

第五章

1そこで、あなたがたのうちの長老(ちょうろう)たちに勧(すす)める。わたしも、長老(ちょうろう)のひとりで、キリストの苦難(くなん)についての証人(しょうにん)であり、また、やがて現(あらわ)れようとする栄光(えいこう)にあずかる者(もの)である。 2あなたがたにゆだねられている神(かみ)の羊(ひつじ)の群(む)れを牧(ぼく)しなさい。しいられてするのではなく、神(かみ)に従(したが)って自(みずか)ら進(すす)んでなし、恥(は)ずべき利得(りとく)のためではなく、本心(ほんしん)から、それをしなさい。 3また、ゆだねられた者(もの)たちの上(うえ)に権力(けんりょく)をふるうことをしないで、むしろ、群(む)れの模範(もはん)となるべきである。 4そうすれば、大牧者(だいぼくしゃ)が現(あらわ)れる時(とき)には、しぼむことのない栄光(えいこう)の冠(かんむり)を受(う)けるであろう。 5同(おな)じように、若(わか)い人(ひと)たちよ。長老(ちょうろう)たちに従(したが)いなさい。また、みな互(たがい)に謙遜(けんそん)を身(み)につけなさい。神(かみ)は高(たか)ぶる者(もの)をしりぞけ、へりくだる者(もの)に恵(めぐ)みを賜(たま)うからである。

6だから、あなたがたは、神(かみ)の力強(ちからづよ)い御(み)手(て)の下(もと)に、自(みずか)らを低(ひく)くしなさい。時(とき)が来(く)れば神(かみ)はあなたがたを高(たか)くして下(くだ)さるであろう。 7神(かみ)はあなたがたをかえりみていて下(くだ)さるのであるから、自分(じぶん)の思(おも)いわずらいを、いっさい神(かみ)にゆだねるがよい。 8身(み)を慎(つつし)み、目(め)をさましていなさい。あなたがたの敵(てき)である悪魔(あくま)が、ほえたけるししのように、食(く)いつくすべきものを求(もと)めて歩(ある)き回(まわ)っている。 9この悪魔(あくま)にむかい、信仰(しんこう)にかたく立(た)って、抵抗(ていこう)しなさい。あなたがたのよく知(し)っているとおり、全(ぜん)世界(せかい)にいるあなたがたの兄弟(きょうだい)たちも、同(おな)じような苦(くる)しみの数々(かずかず)に会(あ)っているのである。 10あなたがたをキリストにある永遠(えいえん)の栄光(えいこう)に招(まね)き入(い)れて下(くだ)さったあふるる恵(めぐ)みの神(かみ)は、しばらくの苦(くる)しみの後(のち)、あなたがたをいやし、強(つよ)め、力(ちから)づけ、不動(ふどう)のものとして下(くだ)さるであろう。 11どうか、力(ちから)が世々(よよ)限(かぎ)りなく、神(かみ)にあるように、アァメン。

12わたしは、忠実(ちゅうじつ)な兄弟(きょうだい)として信頼(しんらい)しているシルワノの手(て)によって、この短(みじか)い手紙(てがみ)をあなたがたにおくり、勧(すす)めをし、また、これが神(かみ)のまことの恵(めぐ)みであることをあかしした。この恵(めぐ)みのうちに、かたく立(た)っていなさい。 13あなたがたと共(とも)に選(えら)ばれてバビロンにある教会(きょうかい)、ならびに、わたしの子(こ)マルコから、あなたがたによろしく。 14愛(あい)の接吻(せっぷん)をもって互(たがい)にあいさつをかわしなさい。

キリストにあるあなたがた一同(いちどう)に、平安(へいあん)があるように。