歴代志下

第一章

1ダビデの子(こ)ソロモンはその国(くに)に自分(じぶん)の地位(ちい)を確立(かくりつ)した。その神(かみ)、主(しゅ)が共(とも)にいまして彼(かれ)を非常(ひじょう)に大(おお)いなる者(もの)にされた。

2ソロモンはすべてのイスラエルびと、すなわち千人(にん)の長(ちょう)、百人(にん)の長(ちょう)、さばきびとおよびイスラエルの全(ぜん)地(ち)のすべてのつかさ、氏族(しぞく)のかしらたちに告(つ)げた。 3そしてソロモンとイスラエルの全(ぜん)会衆(かいしゅう)はともにギベオンにある高(たか)き所(ところ)へ行(い)った。主(しゅ)のしもべモーセが荒野(あらの)で造(つく)った神(かみ)の会見(かいけん)の幕屋(まくや)がそこにあったからである。 4(しかし神(かみ)の箱(はこ)はダビデがすでにキリアテ・ヤリムから、これのために備(そな)えた所(ところ)に運(はこ)び上(のぼ)らせてあった。ダビデはさきに、エルサレムでこれのために天幕(てんまく)を張(は)って置(お)いたからである。) 5またホルの子(こ)であるウリの子(こ)ベザレルが造(つく)った青銅(せいどう)の祭壇(さいだん)がその所(ところ)の主(しゅ)の幕屋(まくや)の前(まえ)にあり、ソロモンおよび会衆(かいしゅう)は主(しゅ)に求(もと)めた。 6ソロモンはそこに上(のぼ)って行(い)って、会見(かいけん)の幕屋(まくや)のうちにある主(しゅ)の前(まえ)の青銅(せいどう)の祭壇(さいだん)に燔祭(はんさい)一千をささげた。

7その夜(よる)、神(かみ)はソロモンに現(あらわ)れて言(い)われた、「あなたに何(なに)を与(あた)えようか、求(もと)めなさい」。 8ソロモンは神(かみ)に言(い)った、「あなたはわたしの父(ちち)ダビデに大(おお)いなるいつくしみを示(しめ)し、またわたしを彼(かれ)に代(かわ)って王(おう)とされました。 9主(しゅ)なる神(かみ)よ、どうぞわが父(ちち)ダビデに約束(やくそく)された事(こと)を果(はた)してください。あなたは地(ち)のちりのような多(おお)くの民(たみ)の上(うえ)にわたしを立(た)てて王(おう)とされたからです。 10この民(たみ)の前(まえ)に出入(でい)りすることのできるように今(いま)わたしに知恵(ちえ)と知識(ちしき)とを与(あた)えてください。だれがこのような大(おお)いなるあなたの民(たみ)をさばくことができましょうか」。 11神(かみ)はソロモンに言(い)われた、「この事(こと)があなたの心(こころ)にあって、富(とみ)をも、宝(たから)をも、誉(ほまれ)をも、またあなたを憎(にく)む者(もの)の命(いのち)をも求(もと)めず、また長命(ちょうめい)をも求(もと)めず、ただわたしがあなたを立(た)てて王(おう)としたわたしの民(たみ)をさばくために知恵(ちえ)と知識(ちしき)とを自分(じぶん)のために求(もと)めたので、 12知恵(ちえ)と知識(ちしき)とはあなたに与(あた)えられている。わたしはまたあなたの前(まえ)の王(おう)たちの、まだ得(え)たことのないほどの富(とみ)と宝(たから)と誉(ほまれ)とをあなたに与(あた)えよう。あなたの後(のち)の者(もの)も、このようなものを得(え)ないでしょう」。 13それからソロモンはギベオンの高(たか)き所(ところ)を去(さ)り、会見(かいけん)の幕屋(まくや)の前(まえ)を去(さ)って、エルサレムに帰(かえ)り、イスラエルを治(おさ)めた。

14ソロモンは戦車(せんしゃ)と騎兵(きへい)とを集(あつ)めたが、戦車(せんしゃ)一千四百両(りょう)、騎兵(きへい)一万二千人(にん)あった。ソロモンはこれを戦車(せんしゃ)の町々(まちまち)と、エルサレムの王(おう)のもととに置(お)いた。 15王(おう)は銀(ぎん)と金(きん)を石(いし)のようにエルサレムに多(おお)くし、香柏(こうはく)を平野(へいや)のいちじく桑(くわ)のように多(おお)くした。 16ソロモンが馬(うま)を輸入(ゆにゅう)したのはエジプトとクエからであった。すなわち王(おう)の貿易(ぼうえき)商人(しょうにん)がクエから代価(だいか)を払(はら)って受(う)け取(と)って来(き)た。 17彼(かれ)らはエジプトから戦車(せんしゃ)一両(りょう)を銀(ぎん)六百シケルで輸入(ゆにゅう)し、馬(うま)一頭(とう)を銀(ぎん)百五十で輸入(ゆにゅう)した。同(おな)じようにこれらのものが彼(かれ)らによってヘテびとのすべての王(おう)たち、およびスリヤの王(おう)たちにも輸出(ゆしゅつ)された。

第二章

1さてソロモンは主(しゅ)の名(な)のために一つの宮(みや)を建(た)て、また自分(じぶん)のために一つの王宮(おうきゅう)を建(た)てようと思(おも)った。 2そしてソロモンは荷(に)を負(お)う者(もの)七万人(にん)、山(やま)で石(いし)を切(き)り出(だ)す者(もの)八万人(にん)、これらを監督(かんとく)する者(もの)三千六百人(にん)を数(かぞ)え出(だ)した。 3ソロモンはまずツロのヒラムに人(ひと)をつかわして言(い)わせた、「あなたはわたしの父(ちち)ダビデに、その住(す)むべき家(いえ)を建(た)てるために香柏(こうはく)を送(おく)られました。どうぞ彼(かれ)にされたように、わたしにもして下(くだ)さい。 4見(み)よ、わたしはわが神(かみ)、主(しゅ)の名(な)のために一つの家(いえ)を建(た)て、これを聖別(せいべつ)して彼(かれ)にささげ、彼(かれ)の前(まえ)にこうばしい香(こう)をたき、常供(じょうく)のパンを供(そな)え、また燔祭(はんさい)を安息日(あんそくにち)、新月(しんげつ)、およびわれらの神(かみ)、主(しゅ)の定(さだ)めの祭(まつり)に朝夕(あさゆう)ささげ、これをイスラエルのながく守(まも)るべき定(さだ)めにしようとしています。 5またわたしの建(た)てる家(いえ)は大(おお)きな家(いえ)です。われらの神(かみ)はすべての神(かみ)よりも大(おお)いなる神(かみ)だからです。 6しかし、天(てん)も、諸(しょ)天(てん)の天(てん)も彼(かれ)を入(い)れることができないのに、だれが彼(かれ)のために家(いえ)を建(た)てることができましょうか。わたしは何者(なにもの)ですか、彼(かれ)のために家(いえ)を建(た)てるというのも、ただ彼(かれ)の前(まえ)に香(こう)をたく所(ところ)に、ほかならないのです。 7それで、どうぞ金(きん)、銀(ぎん)、青銅(せいどう)、鉄(てつ)の細工(さいく)および紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、青(あお)糸(いと)の織物(おりもの)にくわしく、また彫刻(ちょうこく)の術(じゅつ)に巧(たく)みな工人(こうじん)ひとりをわたしに送(おく)って、父(ちち)ダビデが備(そな)えておいたユダとエルサレムのわたしの工人(こうじん)たちと一緒(いっしょ)に働(はたら)かせてください。 8またどうぞレバノンから香柏(こうはく)、いとすぎ、びゃくだんを送(おく)ってください。わたしはあなたのしもべたちがレバノンで木(き)を切(き)ることをよくわきまえているのを知(し)っています。わたしのしもべたちも、あなたのしもべたちと一緒(いっしょ)に働(はたら)かせ、 9わたしのためにたくさんの材木(ざいもく)を備(そな)えさせてください。わたしの建(た)てる家(いえ)は非常(ひじょう)に広大(こうだい)なものですから。 10わたしは木(き)を切(き)るあなたのしもべたちに砕(くだ)いた小麦(こむぎ)二万コル、大麦(おおむぎ)二万コル、ぶどう酒(しゅ)二万バテ、油(あぶら)二万バテを与(あた)えます」。

11そこでツロの王(おう)ヒラムは手紙(てがみ)をソロモンに送(おく)って答(こた)えた、「主(しゅ)はその民(たみ)を愛(あい)するゆえに、あなたを彼(かれ)らの王(おう)とされました」。 12ヒラムはまた言(い)った、「天地(てんち)を造(つく)られたイスラエルの神(かみ)、主(しゅ)はほむべきかな。彼(かれ)はダビデ王(おう)に賢(かしこ)い子(こ)を与(あた)え、これに分別(ふんべつ)と知恵(ちえ)を授(さづ)けて、主(しゅ)のために宮(みや)を建(た)て、また自分(じぶん)のために、王宮(おうきゅう)を建(た)てることをさせられた。

13いまわたしは達人(たつじん)ヒラムという知恵(ちえ)のある工人(こうじん)をつかわします。 14彼(かれ)はダンの子孫(しそん)である女(おんな)を母(はは)とし、ツロの人(ひと)を父(ちち)とし、金銀(きんぎん)、青銅(せいどう)、鉄(てつ)、石(いし)、木(き)の細工(さいく)および紫(むらさき)糸(いと)、青(あお)糸(いと)、亜麻(あま)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)の織物(おりもの)にくわしく、またよくもろもろの彫刻(ちょうこく)をし、意匠(いしょう)を凝(こ)らしてもろもろの工作(こうさく)をします。彼(かれ)を用(もち)いてあなたの工人(こうじん)およびあなたの父(ちち)、わが主(しゅ)ダビデの工人(こうじん)と一緒(いっしょ)に働(はたら)かせなさい。 15それでいまわが主(しゅ)の言(い)われた小麦(こむぎ)、大麦(おおむぎ)、油(あぶら)およびぶどう酒(しゅ)をそのしもべどもに送(おく)ってください。 16あなたの求(もと)められる材木(ざいもく)はレバノンから切(き)りだし、いかだに組(く)んで、海(うみ)からヨッパに送(おく)ります。あなたはそれをエルサレムに運(はこ)び上(あ)げなさい」。

17そこでソロモンはその父(ちち)ダビデが数(かぞ)えたようにイスラエルの国(くに)にいるすべての他国(たこく)人(じん)を数(かぞ)えたが、合(あ)わせて十五万三千六百人(にん)あった。 18彼(かれ)はその七万人(にん)を荷(に)を負(お)う者(もの)とし、八万人(にん)を山(やま)で木(き)や石(いし)を切(き)る者(もの)とし、三千六百人(にん)を民(たみ)を働(はたら)かせる監督(かんとく)者(しゃ)とした。

第三章

1ソロモンはエルサレムのモリアの山(やま)に主(しゅ)の宮(みや)を建(た)てることを始(はじ)めた。そこは父(ちち)ダビデに主(しゅ)が現(あらわ)れられた所(ところ)、すなわちエブスびとオルナンの打(う)ち場(ば)にダビデが備(そな)えた所(ところ)である。 2ソロモンが宮(みや)を建(た)て始(はじ)めたのは、その治世(ちせい)の四年(ねん)の二月(がつ)であった。 3ソロモンの建(た)てた神(かみ)の宮(みや)の基(もとい)の寸法(すんぽう)は次(つぎ)のとおりである。すなわち昔(むかし)の尺度(しゃくど)によれば長(なが)さ六十キュビト、幅(はば)二十キュビト、 4宮(みや)の前(まえ)の廊(ろう)は宮(みや)の幅(はば)に従(したが)って長(なが)さ二十キュビト高(たか)さ百二十キュビトで、その内部(ないぶ)は純金(じゅんきん)でおおった。 5またその拝殿(はいでん)はいとすぎの板(いた)で張(は)り、精(せい)金(きん)をもってこれをおおい、その上(うえ)にしゅろと鎖(くさり)の形(かたち)を施(ほどこ)した。 6また宝石(ほうせき)をはめ込(こ)んで宮(みや)を飾(かざ)った。その金(きん)はパルワイムの金(きん)であった。 7彼(かれ)はまた金(きん)をもってその宮(みや)、すなわち、梁(はり)、敷居(しきい)、壁(かべ)および戸(と)をおおい、壁(かべ)の上(うえ)にケルビムを彫(ほ)りつけた。 8彼(かれ)はまた至聖所(しせいじょ)を造(つく)った。その長(なが)さは宮(みや)の長(なが)さにしたがって二十キュビト、幅(はば)も二十キュビトである。彼(かれ)は精(せい)金(きん)六百タラントをもってこれをおおった。 9その釘(くぎ)の金(きん)の重(おも)さは五十シケルであった。彼(かれ)はまた階上(かいじょう)の室(しつ)も金(きん)でおおった。

10彼(かれ)は至聖所(しせいじょ)に木(き)を刻(きざ)んだケルビムの像(ぞう)を二つ造(つく)り、これを金(きん)でおおった。 11ケルビムの翼(つばさ)の長(なが)さは合(あ)わせて二十キュビトあった。すなわち一つのケルブの一つの翼(つばさ)は五キュビトで、宮(みや)の壁(かべ)に届(とど)き、ほかの翼(つばさ)も五キュビトで、他(た)のケルブの翼(つばさ)に届(とど)き、 12他(た)のケルブの一つの翼(つばさ)も五キュビトで、宮(みや)の壁(かべ)に届(とど)き、ほかの翼(つばさ)も五キュビトで、先(さき)のケルブの翼(つばさ)に接(せっ)していた。 13これらのケルビムの翼(つばさ)は広(ひろ)げると二十キュビトあった。かれらは共(とも)に足(あし)で立(た)ち、その顔(かお)は拝殿(はいでん)に向(む)かっていた。 14ソロモンはまた青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)および亜麻(あま)糸(いと)で垂幕(たれまく)を造(つく)り、その上(うえ)にケルビムの縫(ぬ)い取(と)りを施(ほどこ)した。

15彼(かれ)は宮(みや)の前(まえ)に柱(はしら)を二本(ほん)造(つく)った。その高(たか)さは三十五キュビト、おのおのの柱(はしら)の頂(いただき)に五キュビトの柱頭(ちゅうとう)を造(つく)った。 16彼(かれ)は首(くび)飾(かざり)のような鎖(くさり)を造(つく)って、柱(はしら)の頂(いただき)につけ、ざくろ百を造(つく)ってその鎖(くさり)の上(うえ)につけた。 17彼(かれ)はこの柱(はしら)を神殿(しんでん)の前(まえ)に、一本(ぽん)を南(みなみ)の方(ほう)に、一本(ぽん)を北(きた)の方(ほう)に立(た)て、南(みなみ)の方(ほう)のをヤキンと名(な)づけ、北(きた)の方(ほう)のをボアズと名(な)づけた。

第四章

1ソロモンはまた青銅(せいどう)の祭壇(さいだん)を造(つく)った。その長(なが)さ二十キュビト、幅(はば)二十キュビト、高(たか)さ十キュビトである。 2彼(かれ)はまた海(うみ)を鋳(い)て造(つく)った。縁(ふち)から縁(ふち)まで十キュビトであって、周囲(しゅうい)は円形(えんけい)をなし、高(たか)さ五キュビトで、その周囲(しゅうい)は綱(つな)をもって測(はか)ると三十キュビトあった。 3海(うみ)の下(した)には三十キュビトの周囲(しゅうい)をめぐるひさごの形(かたち)があって、海(うみ)の周囲(しゅうい)を囲(かこ)んでいた。そのひさごは二並(なら)びで、海(うみ)を鋳(い)る時(とき)に鋳(い)たものである。 4その海(うみ)は十二の牛(うし)の上(うえ)に置(お)かれ、その三つは北(きた)に向(む)かい、三つは西(にし)に向(む)かい、三つは南(みなみ)に向(む)かい、三つは東(ひがし)に向(む)かっていた。海(うみ)はその上(うえ)に置(お)かれ、牛(うし)のうしろはみな内(うち)に向(む)かっていた。 5海(うみ)の厚(あつ)さは手(て)の幅(はば)で、その縁(ふち)は杯(はい)の縁(ふち)のように、ゆりの花(はな)に似(に)せて造(つく)られた。海(うみ)には水(みず)を三千バテ入(い)れることができた。 6彼(かれ)はまた物(もの)を洗(あら)うために洗盤(せんばん)十個(こ)を造(つく)って、五個(こ)を南側(みなみがわ)に、五個(こ)を北側(きたがわ)に置(お)いた。その中(なか)で燔祭(はんさい)に用(もち)いるものを洗(あら)った。しかし海(うみ)は祭司(さいし)がその中(なか)で身(み)を洗(あら)うためであった。

7彼(かれ)はまた金(きん)の燭台(しょくだい)十個(こ)をその定(さだ)めに従(したが)って造(つく)り、拝殿(はいでん)の中(なか)の南側(みなみがわ)に五個(こ)、北側(きたがわ)に五個(こ)を置(お)き、 8また机(つくえ)十個(こ)を造(つく)り、神殿(しんでん)の中(なか)の南側(みなみがわ)に五個(こ)、北側(きたがわ)に五個(こ)を置(お)き、また金(きん)の鉢(はち)百を造(つく)った。 9彼(かれ)はまた祭司(さいし)の庭(にわ)と大庭(おおにわ)および庭(にわ)の戸(と)を造(つく)り、その戸(と)を青銅(せいどう)でおおった。 10彼(かれ)は海(うみ)を宮(みや)の東南(とうなん)のすみにすえた。

11ヒラムはまたつぼと十能(じゅうのう)と鉢(はち)とを造(つく)った。こうしてヒラムはソロモン王(おう)のため、神(かみ)の宮(みや)の工事(こうじ)を終(お)えた。 12すなわち二本(ほん)の柱(はしら)と玉(たま)と、柱(はしら)の頂(いただき)にある二つの柱頭(ちゅうとう)と、柱(はしら)の頂(いただき)にある柱頭(ちゅうとう)の二つの玉(たま)をおおう二つの網(あみ)細工(ざいく)と、 13その二つの網(あみ)細工(ざいく)のためのざくろ四百、このざくろはおのおの網(あみ)細工(ざいく)に二並(なら)びにつけて、柱(はしら)の頂(いただき)にある柱頭(ちゅうとう)の二つの玉(たま)を巻(ま)いていた。 14彼(かれ)はまた台(だい)と台(だい)の上(うえ)の洗盤(せんばん)と、 15一つの海(うみ)とその下(した)の十二の牛(うし)を造(つく)った。 16つぼ、十能(じゅうのう)、肉(にく)さしなどすべてこれらの器物(うつわもの)を、達人(たつじん)ヒラムはソロモン王(おう)のため、主(しゅ)の宮(みや)のために、光(ひかり)のある青銅(せいどう)で造(つく)った。 17王(おう)はヨルダンの低地(ていち)で、スコテとゼレダの間(あいだ)の粘土(ねんど)の地(ち)でこれを鋳(い)た。 18このようにソロモンはこれらのすべての器物(うつわもの)を非常(ひじょう)に多(おお)く造(つく)ったので、その青銅(せいどう)の重量(じゅうりょう)は、量(はか)ることができなかった。

19こうしてソロモンは神(かみ)の宮(みや)のすべての器物(うつわもの)を造(つく)った。すなわち金(きん)の祭壇(さいだん)と、供(そな)えのパンを載(の)せる机(つくえ)、 20また定(さだ)めのように本殿(ほんでん)の前(まえ)で火(ひ)をともす純金(じゅんきん)の燭台(しょくだい)と、そのともしび皿(さら)を造(つく)った。 21その花(はな)、ともしび皿(さら)、心(こころ)かきは精(せい)金(きん)であった。 22また心切(しんき)りばさみ、鉢(はち)、香(こう)の杯(はい)、心取(しんと)り皿(ざら)は純金(じゅんきん)であった。また宮(みや)の戸(と)、すなわち至聖所(しせいじょ)の内部(ないぶ)の戸(と)および拝殿(はいでん)の戸(と)のひじつぼは金(きん)であった。

第五章

1こうしてソロモンは主(しゅ)の宮(みや)のためにしたすべての工事(こうじ)を終(おわ)った。そしてソロモンは父(ちち)ダビデがささげた物(もの)、すなわち金銀(きんぎん)およびもろもろの器物(うつわもの)を携(たずさ)えて行(い)って神(かみ)の宮(みや)の宝蔵(ほうぞう)に納(おさ)めた。

2ソロモンは主(しゅ)の契約(けいやく)の箱(はこ)をダビデの町(まち)シオンからかつぎ上(のぼ)ろうとして、イスラエルの長老(ちょうろう)たちと、すべての部族(ぶぞく)のかしらたちと、イスラエルの人々(ひとびと)の氏族(しぞく)の長(ちょう)たちをエルサレムに召(め)し集(あつ)めた。 3イスラエルの人々(ひとびと)は皆(みな)七月(がつ)の祭(まつり)に王(おう)のもとに集(あつ)まった。 4イスラエルの長老(ちょうろう)たちが皆(みな)きたので、レビびとたちは箱(はこ)を取(と)り上(あ)げた。 5彼(かれ)らは箱(はこ)と、会見(かいけん)の幕屋(まくや)と、幕屋(まくや)にあるすべて聖(せい)なる器(うつわ)をかつぎ上(のぼ)った。すなわち祭司(さいし)とレビびとがこれらの物(もの)をかつぎ上(のぼ)った。 6ソロモン王(おう)および彼(かれ)のもとに集(あつ)まったイスラエルの会衆(かいしゅう)は皆(みな)箱(はこ)の前(まえ)で羊(ひつじ)と牛(うし)をささげたが、その数(かず)が多(おお)くて、調(しら)べることも数(かぞ)えることもできなかった。 7こうして祭司(さいし)たちは主(しゅ)の契約(けいやく)の箱(はこ)をその場所(ばしょ)にかつぎ入(い)れ、宮(みや)の本殿(ほんでん)である至聖所(しせいじょ)のうちのケルビムの翼(つばさ)の下(した)に置(お)いた。 8ケルビムは翼(つばさ)を箱(はこ)の所(ところ)の上(うえ)に伸(の)べていたので、ケルビムは上(うえ)から箱(はこ)とそのさおをおおった。 9さおは長(なが)かったので、さおの端(はし)が本殿(ほんでん)の前(まえ)の聖所(せいじょ)から見(み)えた。しかし外部(がいぶ)には見(み)えなかった。さおは今日(こんにち)までそこにある。 10箱(はこ)の内(うち)には二枚(まい)の板(いた)のほか何(なに)もなかった。これはイスラエルの人々(ひとびと)がエジプトから出(で)て来(き)たとき、主(しゅ)が彼(かれ)らと契約(けいやく)を結(むす)ばれ、モーセがホレブでそれを納(おさ)めたものである。 11そして祭司(さいし)たちが聖所(せいじょ)から出(で)たとき(ここにいた祭司(さいし)たちは皆(みな)、その組(くみ)の順(じゅん)にかかわらず身(み)を清(きよ)めた。 12またレビびとの歌(うた)うたう者(もの)、すなわちアサフ、ヘマン、エドトンおよび彼(かれ)らの子(こ)たちと兄弟(きょうだい)たちはみな亜麻(あま)布(ぬの)を着(き)、シンバルと、立琴(たてごと)と、琴(こと)をとって祭壇(さいだん)の東(ひがし)に立(た)ち、百二十人(にん)の祭司(さいし)は彼(かれ)らと一緒(いっしょ)に立(た)ってラッパを吹(ふ)いた。 13ラッパ吹(ふ)く者(もの)と歌(うた)うたう者(もの)とは、ひとりのように声(こえ)を合(あ)わせて主(しゅ)をほめ、感謝(かんしゃ)した)、そして彼(かれ)らがラッパと、シンバルとその他(た)の楽器(がっき)をもって声(こえ)をふりあげ、主(しゅ)をほめて
「主(しゅ)は恵(めぐ)みあり、
そのあわれみはとこしえに絶(た)えることがない」
と言(い)ったとき、雲(くも)はその宮(みや)すなわち主(しゅ)の宮(みや)に満(み)ちた。 14祭司(さいし)たちは雲(くも)のゆえに立(た)って勤(つと)めをすることができなかった。主(しゅ)の栄光(えいこう)が神(かみ)の宮(みや)に満(み)ちたからである。

第六章

1そこでソロモンは言(い)った、
「主(しゅ)はみずから濃(こ)き雲(くも)の中(なか)に住(す)まおうと言(い)われた。
2しかしわたしはあなたのために高(たか)き家(いえ)、
とこしえのみすまいを建(た)てた」。
3そして王(おう)は顔(かお)をふり向(む)けてイスラエルの全(ぜん)会衆(かいしゅう)を祝福(しゅくふく)した。その時(とき)イスラエルの全(ぜん)会衆(かいしゅう)は立(た)っていた。 4彼(かれ)は言(い)った、「イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)はほむべきかな。主(しゅ)は口(くち)をもってわが父(ちち)ダビデに約束(やくそく)されたことを、その手(て)をもってなし遂(と)げられた。すなわち主(しゅ)は言(い)われた、 5『わが民(たみ)をエジプトの地(ち)から導(みちび)き出(だ)した日(ひ)から、わたしはわが名(な)を置(お)くべき家(いえ)を建(た)てるために、イスラエルのもろもろの部族(ぶぞく)のうちから、どの町(まち)をも選(えら)んだことがなく、また他(た)のだれをもわが民(たみ)イスラエルの君(きみ)として選(えら)んだことがない。 6わが名(な)を置(お)くために、ただエルサレムだけを選(えら)び、またわが民(たみ)イスラエルを治(おさ)めさせるために、ただダビデだけを選(えら)んだ』。 7イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)の名(な)のために家(いえ)を建(た)てることは、父(ちち)ダビデの心(こころ)にあった。 8しかし主(しゅ)は父(ちち)ダビデに言(い)われた、『わたしの名(な)のために家(いえ)を建(た)てることはあなたの心(こころ)にあった。あなたの心(こころ)にこの事(こと)のあったのは結構(けっこう)である。 9しかしあなたはその家(いえ)を建(た)ててはならない。あなたの腰(こし)から出(で)るあなたの子(こ)がわたしの名(な)のために家(いえ)を建(た)てるであろう』。 10そして主(しゅ)はそう言(い)われた言葉(ことば)を行(おこな)われた。すなわちわたしは父(ちち)ダビデに代(かわ)って立(た)ち、主(しゅ)が言(い)われたように、イスラエルの位(くらい)に座(ざ)し、イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)の名(な)のために家(いえ)を建(た)てた。 11わたしはまた、主(しゅ)がイスラエルの人々(ひとびと)と結(むす)ばれた主(しゅ)の契約(けいやく)を入(い)れた箱(はこ)をそこに納(おさ)めた」。

12ソロモンはイスラエルの全(ぜん)会衆(かいしゅう)の前(まえ)、主(しゅ)の祭壇(さいだん)の前(まえ)に立(た)って、手(て)を伸(の)べた。 13ソロモンはさきに長(なが)さ五キュビト、幅(はば)五キュビト、高(たか)さ三キュビトの青銅(せいどう)の台(だい)を造(つく)って、庭(にわ)のまん中(なか)にすえて置(お)いたので、彼(かれ)はその上(うえ)に立(た)ち、イスラエルの全(ぜん)会衆(かいしゅう)の前(まえ)でひざをかがめ、その手(て)を天(てん)に伸(の)べて、 14言(い)った、「イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)よ、天(てん)にも地(ち)にも、あなたのような神(かみ)はありません。あなたは契約(けいやく)を守(まも)られ、心(こころ)をつくしてあなたの前(まえ)に歩(あゆ)むあなたのしもべらに、いつくしみを施(ほどこ)し、 15あなたのしもべ、わたしの父(ちち)ダビデに約束(やくそく)されたことを守(まも)られました。あなたが口(くち)をもって約束(やくそく)されたことを、手(て)をもってなし遂(と)げられたことは、今日(こんにち)見(み)るとおりであります。 16それゆえ、イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)よ、あなたのしもべ、わたしの父(ちち)ダビデに、あなたが約束(やくそく)して、『おまえがわたしの前(まえ)に歩(あゆ)んだように、おまえの子孫(しそん)がその道(みち)を慎(つつし)んで、わたしのおきてに歩(あゆ)むならば、おまえにはイスラエルの位(くらい)に座(ざ)する人(ひと)がわたしの前(まえ)に欠(か)けることはない』と言(い)われたことを、ダビデのためにお守(まも)りください。 17それゆえ、イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)よ、どうぞ、あなたのしもべダビデに言(い)われた言葉(ことば)を確認(かくにん)してください。

18しかし神(かみ)は、はたして人(ひと)と共(とも)に地上(ちじょう)に住(す)まわれるでしょうか。見(み)よ、天(てん)も、いと高(たか)き天(てん)もあなたをいれることはできません。わたしの建(た)てたこの家(いえ)などなおさらです。 19しかしわが神(かみ)、主(しゅ)よ、しもべの祈(いのり)と願(ねが)いを顧(かえり)みて、しもべがあなたの前(まえ)にささげる叫(さけ)びと祈(いのり)をお聞(き)きください。 20どうぞ、あなたの目(め)を昼(ひる)も夜(よる)もこの家(いえ)に、すなわち、あなたの名(な)をそこに置(お)くと言(い)われた所(ところ)に向(む)かってお開(ひら)きください。どうぞ、しもべがこの所(ところ)に向(む)かってささげる祈(いのり)をお聞(き)きください。 21どうぞ、しもべと、あなたの民(たみ)イスラエルがこの所(ところ)に向(む)かって祈(いの)る時(とき)に、その願(ねが)いをお聞(き)きください。あなたのすみかである天(てん)から聞(き)き、聞(き)いておゆるしください。

22もし人(ひと)がその隣(とな)り人(びと)に対(たい)して罪(つみ)を犯(おか)し、誓(ちか)いをすることを求(もと)められるとき、来(き)てこの宮(みや)で、あなたの祭壇(さいだん)の前(まえ)に誓(ちか)うならば、 23あなたは天(てん)から聞(き)いて、行(おこな)い、あなたのしもべらをさばき、悪人(あくにん)に報(むく)いをなして、その行(おこな)いの報(むく)いをそのこうべに帰(き)し、義人(ぎじん)を義(ぎ)として、その義(ぎ)にしたがってその人(ひと)に報(むく)いてください。

24もしあなたの民(たみ)イスラエルが、あなたに対(たい)して罪(つみ)を犯(おか)したために、敵(てき)の前(まえ)に敗(やぶ)れた時(とき)、あなたに立(た)ち返(かえ)って、あなたの名(な)をあがめ、この宮(みや)であなたの前(まえ)に祈(いの)り願(ねが)うならば、 25あなたは天(てん)から聞(き)き、あなたの民(たみ)イスラエルの罪(つみ)をゆるして、あなたが彼(かれ)らとその先祖(せんぞ)に与(あた)えられた地(ち)に彼(かれ)らを帰(かえ)らせてください。

26もし彼(かれ)らがあなたに罪(つみ)を犯(おか)したために、天(てん)が閉(と)ざされて、雨(あめ)がなく、あなたが彼(かれ)らを苦(くる)しめられるとき、彼(かれ)らがこの所(ところ)に向(む)かって祈(いの)り、あなたの名(な)をあがめ、その罪(つみ)を離(はな)れるならば、 27あなたは天(てん)にあって聞(き)き、あなたのしもべ、あなたの民(たみ)イスラエルの罪(つみ)をゆるして、彼(かれ)らに歩(あゆ)むべき良(よ)い道(みち)を教(おし)え、あなたの民(たみ)に嗣(し)業(ぎょう)として賜(たま)わった地(ち)に雨(あめ)を降(ふ)らせてください。

28もし国(くに)にききんがあるか、もしくは疫病(えきびょう)、立(た)ち枯(が)れ、腐(くさ)り穂(ほ)、いなご、青虫(あおむし)があるか、または敵(てき)のために町(まち)の門(もん)の中(なか)に攻(せ)め囲(かこ)まれることがあるか、どんな災害(さいがい)、どんな病気(びょうき)があっても、 29もし、ひとりか、あるいはあなたの民(たみ)イスラエルが皆(みな)おのおのその心(こころ)の悩(なや)みを知(し)って、この宮(みや)に向(む)かい、手(て)を伸(の)べるならば、どんな祈(いのり)、どんな願(ねが)いでも、 30あなたはそのすみかである天(てん)から聞(き)いてゆるし、おのおのの人(ひと)に、その心(こころ)を知(し)っておられるゆえ、そのすべての道(みち)にしたがって報(むく)いてください。ただあなただけがすべての人(ひと)の心(こころ)を知(し)っておられるからです。 31あなたがわれわれの先祖(せんぞ)たちに賜(たま)わった地(ち)に、彼(かれ)らの生(い)きながらえる日(ひ)の間(あいだ)、常(つね)にあなたを恐(おそ)れさせ、あなたの道(みち)に歩(あゆ)ませてください。

32またあなたの民(たみ)イスラエルの者(もの)でなく、他国(たこく)人(じん)で、あなたの大(おお)いなる名(な)と、強(つよ)い手(て)と、伸(の)べた腕(うで)のために遠(とお)い国(くに)から来(き)て、この宮(みや)に向(む)かって祈(いの)るならば、 33あなたは、あなたのすみかである天(てん)から聞(き)き、すべて他国(たこく)人(じん)があなたに呼(よ)び求(もと)めるようにしてください。そうすれば地(ち)のすべての民(たみ)はあなたの民(たみ)イスラエルのように、あなたの名(な)を知(し)り、あなたを恐(おそ)れ、またわたしが建(た)てたこの宮(みや)が、あなたの名(な)によって呼(よ)ばれることを知(し)るにいたるでしょう。

34あなたの民(たみ)が敵(てき)と戦(たたか)うために、あなたがつかわされる道(みち)によって出(で)るとき、もし彼(かれ)らがあなたの選(えら)ばれたこの町(まち)と、わたしがあなたの名(な)のために建(た)てたこの宮(みや)に向(む)かってあなたに祈(いの)るならば、 35あなたは天(てん)から彼(かれ)らの祈(いのり)と願(ねが)いとを聞(き)いて彼(かれ)らをお助(たす)けください。 36彼(かれ)らがあなたに対(たい)して罪(つみ)を犯(おか)すことがあって、――罪(つみ)を犯(おか)さない人(ひと)はないゆえ、――あなたが彼(かれ)らを怒(いか)って、敵(てき)にわたし、敵(てき)が彼(かれ)らを捕虜(ほりょ)として遠(とお)い地(ち)あるいは近(ちか)い地(ち)に引(ひ)いて行(い)くとき、 37もし、彼(かれ)らが捕(とら)われて行(い)った地(ち)で、みずから省(かえり)みて悔(く)い、その捕(とら)われの地(ち)であなたに願(ねが)い、『われわれは罪(つみ)を犯(おか)し、よこしまな事(こと)をし、悪(あく)を行(おこな)いました』と言(い)い、 38その捕(とら)われの地(ち)で心(こころ)をつくし、精神(せいしん)をつくしてあなたに立(た)ち返(かえ)り、あなたが彼(かれ)らの先祖(せんぞ)に与(あた)えられた地(ち)、あなたが選(えら)ばれた町(まち)、わたしがあなたの名(な)のために建(た)てたこの宮(みや)に向(む)かって祈(いの)るならば、 39あなたのすみかである天(てん)から、彼(かれ)らの祈(いのり)と願(ねが)いとを聞(き)いて彼(かれ)らを助(たす)け、あなたに向(む)かって罪(つみ)を犯(おか)したあなたの民(たみ)をおゆるしください。 40わが神(かみ)よ、どうぞ、この所(ところ)でささげる祈(いのり)にあなたの目(め)を開(ひら)き、あなたの耳(みみ)を傾(かたむ)けてください。
41主(しゅ)なる神(かみ)よ、今(いま)あなたと、あなたの力(ちから)の箱(はこ)が
立(た)って、あなたの安息所(あんそくじょ)におはいりください。
主(しゅ)なる神(かみ)よ、どうぞあなたの祭司(さいし)たちに
救(すくい)の衣(ころも)を着(き)せ、
あなたの聖徒(せいと)たちに恵(めぐ)みを喜(よろこ)ばせてください。
42主(しゅ)なる神(かみ)よ、どうぞあなたの油(あぶら)そそがれた者(もの)の顔(かお)を
退(しりぞ)けないでください。
あなたのしもべダビデに示(しめ)されたいつくしみを
覚(おぼ)えて下(くだ)さい」。

第七章

1ソロモンが祈(いの)り終(おわ)ったとき、天(てん)から火(ひ)が下(くだ)って燔祭(はんさい)と犠牲(ぎせい)を焼(や)き、主(しゅ)の栄光(えいこう)が宮(みや)に満(み)ちた。 2主(しゅ)の栄光(えいこう)が主(しゅ)の宮(みや)に満(み)ちたので、祭司(さいし)たちは主(しゅ)の宮(みや)に、はいることができなかった。 3イスラエルの人々(ひとびと)はみな火(ひ)が下(くだ)ったのを見(み)、また主(しゅ)の栄光(えいこう)が宮(みや)に臨(のぞ)んだのを見(み)て、敷石(しきいし)の上(うえ)で地(ち)にひれ伏(ふ)して拝(はい)し、主(しゅ)に感謝(かんしゃ)して言(い)った、
「主(しゅ)は恵(めぐ)みふかく、
そのいつくしみはとこしえに絶(た)えることがない」。

4そして王(おう)と民(たみ)は皆(みな)主(しゅ)の前(まえ)に犠牲(ぎせい)をささげた。 5ソロモン王(おう)のささげた犠牲(ぎせい)は、牛(うし)二万二千頭(とう)、羊(ひつじ)十二万頭(とう)であった。こうして王(おう)と民(たみ)は皆(みな)神(かみ)の宮(みや)をささげた。 6祭司(さいし)はその持(も)ち場(ば)に立(た)ち、レビびとも主(しゅ)の楽器(がっき)をとって立(た)った。その楽器(がっき)はダビデ王(おう)が主(しゅ)に感謝(かんしゃ)するために造(つく)ったもので、ダビデが彼(かれ)らの手(て)によってさんびをささげるとき、「そのいつくしみは、とこしえに絶(た)えることがない」ととなえさせたものである。祭司(さいし)は彼(かれ)らの前(まえ)でラッパを吹(ふ)き、すべてのイスラエルびとは立(た)っていた。

7ソロモンはまた主(しゅ)の宮(みや)の前(まえ)にある庭(にわ)の中(なか)を聖別(せいべつ)し、その所(ところ)で、燔祭(はんさい)と酬恩祭(しゅうおんさい)のあぶらをささげた。これはソロモンが造(つく)った青銅(せいどう)の祭壇(さいだん)が、その燔祭(はんさい)と素祭(そさい)とあぶらとを載(の)せるに足(た)りなかったからである。

8その時(とき)ソロモンは七日(なぬか)の間(あいだ)祭(まつり)を行(おこな)った。ハマテの入口(いりぐち)からエジプトの川(かわ)に至(いた)るまでのすべてのイスラエルびとが彼(かれ)と共(とも)にあり、非常(ひじょう)に大(おお)きな会衆(かいしゅう)であった。 9そして八日(か)目(め)に聖(せい)会(かい)を開(ひら)いた。彼(かれ)らは七日(なぬか)の間(あいだ)、祭壇(さいだん)奉献(ほうけん)の礼(れい)を行(おこな)い、七日(なぬか)の間(あいだ)祭(まつり)を行(おこな)ったが、 10七月(がつ)二十三日(にち)に至(いた)ってソロモンは民(たみ)をその天幕(てんまく)に帰(かえ)らせた。皆(みな)主(しゅ)がダビデ、ソロモンおよびその民(たみ)イスラエルに施(ほどこ)された恵(めぐ)みのために喜(よろこ)び、かつ心(こころ)に楽(たの)しんで去(さ)った。

11こうしてソロモンは主(しゅ)の家(いえ)と王(おう)の家(いえ)とを造(つく)り終(お)えた。すなわち彼(かれ)は主(しゅ)の家(いえ)と自分(じぶん)の家(いえ)について、しようと計画(けいかく)したすべての事(こと)を首尾(しゅび)よくなし遂(と)げた。 12時(とき)に主(しゅ)は夜(よる)ソロモンに現(あらわ)れて言(い)われた、「わたしはあなたの祈(いのり)を聞(き)き、この所(ところ)をわたしのために選(えら)んで、犠牲(ぎせい)をささげる家(いえ)とした。 13わたしが天(てん)を閉(と)じて雨(あめ)をなくし、またはわたしがいなごに命(めい)じて地(ち)の物(もの)を食(く)わせ、または疫病(えきびょう)を民(たみ)の中(なか)に送(おく)るとき、 14わたしの名(な)をもってとなえられるわたしの民(たみ)が、もしへりくだり、祈(いの)って、わたしの顔(かお)を求(もと)め、その悪(わる)い道(みち)を離(はな)れるならば、わたしは天(てん)から聞(き)いて、その罪(つみ)をゆるし、その地(ち)をいやす。 15今(いま)この所(ところ)にささげられる祈(いのり)にわたしの目(め)を開(ひら)き、耳(みみ)を傾(かたむ)ける。 16今(いま)わたしはわたしの名(な)をながくここにとどめるために、この宮(みや)を選(えら)び、かつ聖別(せいべつ)した。わたしの目(め)とわたしの心(こころ)は常(つね)にここにある。 17あなたがもし父(ちち)ダビデの歩(あゆ)んだようにわたしの前(まえ)に歩(あゆ)み、わたしが命(めい)じたとおりにすべて行(い)って、わたしの定(さだ)めとおきてとを守(まも)るならば、 18わたしはあなたの父(ちち)ダビデに契約(けいやく)して『イスラエルを治(おさ)める人(ひと)はあなたに欠(か)けることがない』と言(い)ったとおりに、あなたの王(おう)の位(くらい)を堅(かた)くする。

19しかし、あなたがたがもし翻(ひるがえ)って、わたしがあなたがたの前(まえ)に置(お)いた定(さだ)めと戒(いまし)めとを捨(す)て、行(い)って他(た)の神々(かみがみ)に仕(つか)え、それを拝(おが)むならば、 20わたしはあなたがたをわたしの与(あた)えた地(ち)から抜(ぬ)き去(さ)り、またわたしの名(な)のために聖別(せいべつ)したこの宮(みや)をわたしの前(まえ)から投(な)げ捨(す)てて、もろもろの民(たみ)のうちにことわざとし、笑(わら)い草(ぐさ)とする。 21またこの宮(みや)は高(たか)いけれども、ついには、そのかたわらを過(す)ぎる者(もの)は皆(みな)驚(おどろ)いて、『何(なに)ゆえ主(しゅ)はこの地(ち)と、この宮(みや)とにこのようにされたのか』と言(い)うであろう。 22その時(とき)、人々(ひとびと)は答(こた)えて『彼(かれ)らはその先祖(せんぞ)たちをエジプトの地(ち)から導(みちび)き出(だ)した彼(かれ)らの神(かみ)、主(しゅ)を捨(す)てて、他(た)の神々(かみがみ)につき従(したが)い、それを拝(おが)み、それに仕(つか)えたために、主(しゅ)はこのすべての災(わざわい)を彼(かれ)らの上(うえ)に下(くだ)したのである』と言(い)うであろう」。

第八章

1ソロモンは二十年(ねん)を経(へ)て、主(しゅ)の家(いえ)と自分(じぶん)の家(いえ)とを建(た)て終(おわ)った。 2またソロモンはヒラムから送(おく)られた町々(まちまち)を建(た)て直(なお)して、そこにイスラエルの人々(ひとびと)を住(す)ませた。

3ソロモンはまたハマテ・ゾバを攻(せ)めて、これを取(と)った。 4彼(かれ)はまた荒野(あらの)にタデモルを建(た)て、もろもろの倉(くら)の町(まち)をハマテに建(た)てた。 5また城壁(じょうへき)、門(もん)、貫(かん)の木(き)のある堅固(けんご)な町(まち)、上(うえ)ベテホロンと下(した)ベテホロンを建(た)てた。 6ソロモンはまたバアラテと自分(じぶん)のもっていたすべての倉(くら)の町(まち)と、すべての戦車(せんしゃ)の町(まち)と、騎兵(きへい)の町(まち)、ならびにエルサレム、レバノンおよび自分(じぶん)の治(おさ)める全(ぜん)地方(ちほう)に建(た)てようと望(のぞ)んだものを、ことごとく建(た)てた。 7すべてイスラエルの子孫(しそん)でないヘテびと、アモリびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの残(のこ)った民(たみ)、 8その地(ち)にあって彼(かれ)らのあとに残(のこ)ったその子孫(しそん)、すなわちイスラエルの子孫(しそん)が滅(ほろ)ぼし尽(つく)さなかった民(たみ)に、ソロモンは強制(きょうせい)徴募(ちょうぼ)をおこなって今日(こんにち)に及(およ)んでいる。 9しかし、イスラエルの人々(ひとびと)をソロモンはその工事(こうじ)のためには、ひとりも奴隷(どれい)としなかった。彼(かれ)らは兵士(へいし)となり、将校(しょうこう)となり、戦車(せんしゃ)と、騎兵(きへい)の長(ちょう)となった。 10これらはソロモン王(おう)のおもな官吏(かんり)で、二百五十人(にん)あり、民(たみ)を治(おさ)めた。

11ソロモンはパロの娘(むすめ)をダビデの町(まち)から連(つ)れ上(のぼ)って、彼女(かのじょ)のために建(た)てた家(いえ)に入(い)れて言(い)った、「主(しゅ)の箱(はこ)を迎(むか)えた所(ところ)は神聖(しんせい)であるから、わたしの妻(つま)はイスラエルの王(おう)ダビデの家(いえ)に住(す)んではならない」。

12ソロモンは廊(ろう)の前(まえ)に築(きず)いておいた主(しゅ)の祭壇(さいだん)の上(うえ)で主(しゅ)に燔祭(はんさい)をささげた。 13すなわちモーセの命令(めいれい)に従(したが)って、毎日(まいにち)定(さだ)めのようにささげ、安息日(あんそくにち)、新月(しんげつ)および年(ねん)に三度(ど)の祭(まつり)、すなわち種(たね)入(い)れぬパンの祭(まつり)、七週(しゅう)の祭(まつり)、仮庵(かりいお)の祭(まつり)にこれをささげた。 14ソロモンは、その父(ちち)ダビデのおきてに従(したが)って、祭司(さいし)の組(くみ)を定(さだ)めてその職(しょく)に任(にん)じ、またレビびとをその勤(つと)めに任(にん)じて、毎日(まいにち)定(さだ)めのように祭司(さいし)の前(まえ)でさんびと奉仕(ほうし)をさせ、また門(もん)を守(まも)る者(もの)に、その組(くみ)にしたがって、もろもろの門(もん)を守(まも)らせた。これは神(かみ)の人(ひと)ダビデがこのように命(めい)じたからである。 15祭司(さいし)とレビびとはすべての事(こと)につき、また倉(くら)の事(こと)について、王(おう)の命令(めいれい)にそむかなかった。

16このようにソロモンは、主(しゅ)の宮(みや)の基(もとい)をすえた日(ひ)からこれをなし終(お)えたときまで、その工事(こうじ)の準備(じゅんび)をことごとくなしたので、主(しゅ)の宮(みや)は完成(かんせい)した。

17それからソロモンはエドムの地(ち)の海(うみ)べにあるエジオン・ゲベルおよびエロテへ行(い)った。 18時(とき)にヒラムはそのしもべどもの手(て)によって船団(せんだん)を彼(かれ)に送(おく)り、また海(うみ)の事(こと)になれたしもべどもをつかわしたので、彼(かれ)らはソロモンのしもべらと共(とも)にオフルへ行(い)き、そこから金(きん)四百五十タラントを取(と)って、これをソロモン王(おう)のもとに携(たずさ)えてきた。

第九章

1シバの女王(じょおう)はソロモンの名声(めいせい)を聞(き)いたので、難問(なんもん)をもってソロモンを試(こころ)みようと、非常(ひじょう)に多(おお)くの従者(じゅうしゃ)を連(つ)れ、香料(こうりょう)と非常(ひじょう)にたくさんの金(きん)と宝石(ほうせき)とをらくだに負(お)わせて、エルサレムのソロモンのもとに来(き)て、その心(こころ)にあることをことごとく彼(かれ)に告(つ)げた。 2ソロモンは彼女(かのじょ)のすべての問(とい)に答(こた)えた。ソロモンが知(し)らないで彼女(かのじょ)に説明(せつめい)のできないことは一つもなかった。 3シバの女王(じょおう)はソロモンの知恵(ちえ)と、彼(かれ)が建(た)てた家(いえ)を見(み)、 4またその食卓(しょくたく)の食物(しょくもつ)と、列座(れつざ)の家来(けらい)たちと、その侍臣(じしん)たちの伺候(しこう)振(ふ)りと彼(かれ)らの服装(ふくそう)、および彼(かれ)の給仕(きゅうじ)たちとその服装(ふくそう)、ならびに彼(かれ)が主(しゅ)の宮(みや)でささげる燔祭(はんさい)を見(み)て、全(まった)く気(き)を奪(うば)われてしまった。

5彼女(かのじょ)は王(おう)に言(い)った、「わたしが国(くに)であなたの事(こと)と、あなたの知恵(ちえ)について聞(き)いたうわさは真実(しんじつ)でした。 6しかしわたしは来(き)て目(め)に見(み)るまでは、そのうわさを信(しん)じませんでしたが、今見(いまみ)ると、あなたの知恵(ちえ)の大(おお)いなることはその半分(はんぶん)もわたしに知(し)らされませんでした。あなたはわたしの聞(き)いたうわさにまさっています。 7あなたの奥方(おくがた)たちはさいわいです。常(つね)にあなたの前(まえ)に立(た)って、あなたの知恵(ちえ)を聞(き)くこのあなたの家来(けらい)たちはさいわいです。 8あなたの神(かみ)、主(しゅ)はほむべきかな。主(しゅ)はあなたを喜(よろこ)び、あなたをその位(くらい)につかせ、あなたの神(かみ)、主(しゅ)のために王(おう)とされました。あなたの神(かみ)はイスラエルを愛(あい)して、とこしえにこれを堅(かた)くするために、あなたをその王(おう)とされ、公道(こうどう)と正義(せいぎ)を行(おこな)われるのです」。 9そして彼女(かのじょ)は金(きん)百二十タラント、および非常(ひじょう)に多(おお)くの香料(こうりょう)と宝石(ほうせき)とを王(おう)に贈(おく)った。シバの女王(じょおう)がソロモンに贈(おく)ったような香料(こうりょう)は、いまだかつてなかった。

10オフルから金(きん)を携(たずさ)えて来(き)たヒラムのしもべたちとソロモンのしもべたちはまた、びゃくだんの木(き)と宝石(ほうせき)をも携(たずさ)えて来(き)た。 11王(おう)はそのびゃくだんの木(き)で、主(しゅ)の宮(みや)と王(おう)の家(いえ)とに階段(かいだん)を造(つく)り、また歌(うた)うたう者(もの)のために琴(こと)と立琴(たてごと)を造(つく)った。このようなものはかつてユダの地(ち)で見(み)たことがなかった。

12ソロモン王(おう)は、シバの女王(じょおう)が贈(おく)った物(もの)に報(むく)いたほかに、彼女(かのじょ)の望(のぞ)みにまかせて、すべてその求(もと)めるものを贈(おく)った。そして彼女(かのじょ)はその家来(けらい)たちと共(とも)に自分(じぶん)の国(くに)へ帰(かえ)って行(い)った。

13さて一年(ねん)の間(あいだ)にソロモンの所(ところ)にはいって来(き)た金(きん)の目方(めかた)は六百六十六タラントであった。 14このほかに貿易(ぼうえき)商(しょう)および商人(しょうにん)の携(たずさ)えて来(き)たものがあった。またアラビヤのすべての王(おう)たちおよび国(くに)の代官(だいかん)たちも金銀(きんぎん)をソロモンに携(たずさ)えてきた。 15ソロモン王(おう)は延金(のべきん)の大盾(おおだて)二百を造(つく)った。その大盾(おおだて)にはおのおの六百シケルの延金(のべきん)を用(もち)いた。 16また延金(のべきん)の小盾(こだて)三百を造(つく)った。小盾(こだて)にはおのおの三百シケルの金(きん)を用(もち)いた。王(おう)はこれらをレバノンの森(もり)の家(いえ)に置(お)いた。 17王(おう)はまた大(おお)きな象牙(ぞうげ)の玉座(ぎょくざ)を造(つく)り、純金(じゅんきん)でこれをおおった。 18その玉座(ぎょくざ)には六つの段(だん)があり、また金(きん)の足(あし)台(だい)があって共(とも)に玉座(ぎょくざ)につらなり、その座(ざ)する所(ところ)の両方(りょうほう)に、ひじかけがあって、ひじかけのわきに二つのししが立(た)っていた。 19また十二のししが六つの段(だん)のおのおのの両側(りょうがわ)に立(た)っていた。このような物(もの)はどこの国(くに)でも造(つく)られたことがなかった。 20ソロモン王(おう)が飲(の)むときに用(もち)いた器(うつわ)はみな金(きん)であった。またレバノンの森(もり)の家(いえ)の器(うつわ)もみな純金(じゅんきん)であって、銀(ぎん)はソロモンの世(よ)には尊(たっと)ばれなかった。 21これは王(おう)の船(ふね)がヒラムのしもべたちを乗(の)せてタルシシへ行(い)き、三年(ねん)ごとに一度(ど)、そのタルシシの船(ふね)が金(きん)、銀(ぎん)、象牙(ぞうげ)、さる、くじゃくを載(の)せて来(き)たからである。

22このようにソロモン王(おう)は富(とみ)と知恵(ちえ)において、地(ち)のすべての王(おう)にまさっていたので、 23地(ち)のすべての王(おう)は神(かみ)がソロモンの心(こころ)に授(さづ)けられた知恵(ちえ)を聞(き)こうとしてソロモンに謁見(えっけん)を求(もと)めた。 24人々(ひとびと)はおのおの贈(おく)り物(もの)を携(たずさ)えてきた。すなわち銀(ぎん)の器(うつわ)、金(きん)の器(うつわ)、衣服(いふく)、没薬(もつやく)、香料(こうりょう)、馬(うま)、騾馬(らば)など年々(ねんねん)定(さだ)まっていた。 25ソロモンは馬(うま)と戦車(せんしゃ)のために馬屋(うまや)四千と騎兵(きへい)一万二千を持(も)ち、これを戦車(せんしゃ)の町(まち)に置(お)き、またエルサレムの王(おう)のもとに置(お)いた。 26彼(かれ)はユフラテ川(かわ)からペリシテびとの地(ち)と、エジプトの境(さかい)に至(いた)るまでのすべての王(おう)を治(おさ)めた。 27王(おう)はまた銀(ぎん)を石(いし)のようにエルサレムに多(おお)くし、香柏(こうはく)を平野(へいや)のいちじく桑(くわ)のように多(おお)くした。 28また人々(ひとびと)はエジプトおよび諸国(しょこく)から馬(うま)をソロモンのために輸入(ゆにゅう)した。

29ソロモンのそのほかの始終(しじゅう)の行為(こうい)は、預言者(よげんしゃ)ナタンの書(しょ)と、シロびとアヒヤの預言(よげん)と、先見者(せんけんしゃ)イドがネバテの子(こ)ヤラベアムについて述(の)べた黙示(もくし)のなかに、しるされているではないか。 30ソロモンはエルサレムで四十年(ねん)の間(あいだ)イスラエルの全(ぜん)地(ち)を治(おさ)めた。 31ソロモンはその先祖(せんぞ)たちと共(とも)に眠(ねむ)って、父(ちち)ダビデの町(まち)に葬(ほうむ)られ、その子(こ)レハベアムが代(かわ)って王(おう)となった。

第一〇章

1レハベアムはシケムへ行(い)った。すべてのイスラエルびとが彼(かれ)を王(おう)にしようとシケムへ行(い)ったからである。 2ネバテの子(こ)ヤラベアムは、ソロモンを避(さ)けてエジプトにのがれていたが、これを聞(き)いてエジプトから帰(かえ)ったので、 3人々(ひとびと)は人(ひと)をつかわして彼(かれ)を招(まね)いた。そこでヤラベアムとすべてのイスラエルは来(き)て、レハベアムに言(い)った、 4「あなたの父(ちち)は、われわれのくびきを重(おも)くしましたが、今(いま)あなたの父(ちち)のきびしい使役(しえき)と、あなたの父(ちち)が、われわれに負(お)わせた重(おも)いくびきを軽(かる)くしてください。そうすればわたしたちはあなたに仕(つか)えましょう」。 5レハベアムは彼(かれ)らに答(こた)えた、「三日(か)の後(のち)、またわたしの所(ところ)に来(き)なさい」。それで民(たみ)は去(さ)った。

6レハベアム王(おう)は父(ちち)ソロモンの存命(ぞんめい)中(ちゅう)ソロモンに仕(つか)えた長老(ちょうろう)たちに相談(そうだん)して言(い)った、「あなたがたはこの民(たみ)にどう返答(へんとう)すればよいと思(おも)いますか」。 7彼(かれ)らはレハベアムに言(い)った、「あなたがもしこの民(たみ)を親切(しんせつ)にあつかい、彼(かれ)らを喜(よろこ)ばせ、ねんごろに語(かた)られるならば彼(かれ)らは長(なが)くあなたのしもべとなるでしょう」。 8しかし彼(かれ)は長老(ちょうろう)たちが与(あた)えた勧(すす)めをすてて、自分(じぶん)と一緒(いっしょ)に大(おお)きくなって自分(じぶん)に仕(つか)えている若者(わかもの)たちに相談(そうだん)して、 9彼(かれ)らに言(い)った、「あなたがたは、この民(たみ)がわたしに向(む)かって、『あなたの父上(ちちうえ)が、われわれに負(お)わせたくびきを軽(かる)くしてください』と言(い)うのに、われわれはなんと返答(へんとう)すればよいと思(おも)いますか」。 10彼(かれ)と一緒(いっしょ)に大(おお)きくなった若者(わかもの)たちは彼(かれ)に言(い)った、「あなたに向(む)かって、『あなたの父(ちち)は、われわれのくびきを重(おも)くしたが、あなたは、それをわれわれのために軽(かる)くしてください』と言(い)ったこの民(たみ)に、こう言(い)いなさい、『わたしの小指(こゆび)は父(ちち)の腰(こし)よりも太(ふと)い、 11父(ちち)はあなたがたに重(おも)いくびきを負(お)わせたが、わたしはさらに、あなたがたのくびきを重(おも)くしよう。父(ちち)はむちであなたがたを懲(こ)らしたが、わたしはさそりであなたがたを懲(こ)らそう』」。

12さてヤラベアムと民(たみ)は皆(みな)、王(おう)が「三日(か)目(め)にわたしのところに来(き)なさい」と言(い)ったとおりに、三日(か)目(め)にレハベアムのところへ行(い)った。 13王(おう)は荒々(あらあら)しく彼(かれ)らに答(こた)えた。すなわちレハベアム王(おう)は長老(ちょうろう)たちの勧(すす)めをすて、 14若者(わかもの)たちの勧(すす)めに従(したが)い、彼(かれ)らに告(つ)げて言(い)った、「父(ちち)はあなたがたのくびきを重(おも)くしたが、わたしは更(さら)にこれを重(おも)くしよう。父(ちち)はむちであなたがたを懲(こ)らしたが、わたしはさそりであなたがたを懲(こ)らそう」。 15このように王(おう)は民(たみ)の言(い)うことを聞(き)きいれなかった。これは主(しゅ)が、かつてシロびとアヒヤによって、ネバテの子(こ)ヤラベアムに言(い)われた言葉(ことば)を成就(じょうじゅ)するために、神(かみ)がなされたのであった。

16イスラエルの人々(ひとびと)は皆(みな)、王(おう)が自分(じぶん)たちの言(い)うことを聞(き)きいれないのを見(み)たので、民(たみ)は王(おう)に答(こた)えて言(い)った、
「われわれはダビデのうちに何(なに)の分(ぶん)があろうか。
われわれはエッサイの子(こ)のうちに嗣(し)業(ぎょう)がない。
イスラエルよ、めいめいの天幕(てんまく)に帰(かえ)れ。
ダビデよ、今(いま)あなたの家(いえ)を見(み)よ」。
そしてイスラエルは皆(みな)彼(かれ)らの天幕(てんまく)へ去(さ)って行(い)った。 17しかしレハベアムはユダの町々(まちまち)に住(す)んでいるイスラエルの人々(ひとびと)を治(おさ)めた。 18レハベアム王(おう)は徴募(ちょうぼ)人(にん)の監督(かんとく)であったアドラムをつかわしたが、イスラエルの人々(ひとびと)が石(いし)で彼(かれ)を撃(う)ち殺(ころ)したので、レハベアム王(おう)は急(いそ)いで車(くるま)に乗(の)り、エルサレムに逃(に)げた。 19こうしてイスラエルはダビデの家(いえ)にそむいて今日(こんにち)に至(いた)った。

第一一章

1レハベアムはエルサレムに来(き)て、ユダとベニヤミンの家(いえ)の者(もの)、すなわち、えり抜(ぬ)きの軍人(ぐんじん)十八万人(にん)を集(あつ)め、国(くに)を取(と)りもどすためにイスラエルと戦(たたか)おうとしたが、 2主(しゅ)の言葉(ことば)が神(かみ)の人(ひと)シマヤに臨(のぞ)んで言(い)った、 3「ソロモンの子(こ)、ユダの王(おう)レハベアムおよびユダとベニヤミンにいるすべてのイスラエルの人々(ひとびと)に言(い)いなさい、 4『主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、あなたがたは上(のぼ)ってはならない。あなたがたの兄弟(きょうだい)と戦(たたか)ってはならない。おのおの自分(じぶん)の家(いえ)に帰(かえ)りなさい。この事(こと)はわたしから出(で)たのである』」。それで人々(ひとびと)は主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)き、ヤラベアムを攻(せ)めに行(い)くのをやめて帰(かえ)った。

5レハベアムはエルサレムに住(す)んで、ユダに防衛(ぼうえい)の町々(まちまち)を建(た)てた。 6すなわちベツレヘム、エタム、テコア、 7ベテズル、ソコ、アドラム、 8ガテ、マレシャ、ジフ、 9アドライム、ラキシ、アゼカ、 10ゾラ、アヤロン、およびヘブロン。これらはユダとベニヤミンにあって要害(ようがい)の町々(まちまち)である。 11彼(かれ)はその要害(ようがい)を堅固(けんご)にし、これに軍(ぐん)長(ちょう)を置(お)き、糧食(りょうしょく)と油(あぶら)とぶどう酒(しゅ)をたくわえ、 12またそのすべての町(まち)に盾(たて)とやりを備(そな)えて、これを非常(ひじょう)に強化(きょうか)し、そしてユダとベニヤミンを確保(かくほ)した。

13イスラエルの全(ぜん)地(ち)の祭司(さいし)とレビびとは四方(しほう)の境(さかい)から来(き)てレハベアムに身(み)を寄(よ)せた。 14すなわちレビびとは自分(じぶん)の放牧(ほうぼく)地(ち)と領地(りょうち)を離(はな)れてユダとエルサレムに来(き)た。これはヤラベアムとその子(こ)らが彼(かれ)らを排斥(はいせき)して、主(しゅ)の前(まえ)に祭司(さいし)の務(つとめ)をさせなかったためである。 15ヤラベアムは高(たか)き所(ところ)と、みだらな神(かみ)と、自分(じぶん)で造(つく)った子(こ)牛(うし)のために自分(じぶん)の祭司(さいし)を立(た)てた。 16またイスラエルのすべての部族(ぶぞく)のうちで、すべてその心(こころ)を傾(かたむ)けて、イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)を求(もと)める者(もの)は先祖(せんぞ)の神(かみ)、主(しゅ)に犠牲(ぎせい)をささげるために、レビびとに従(したが)ってエルサレムに来(き)た。 17このように彼(かれ)らはユダの国(くに)を堅(かた)くし、ソロモンの子(こ)レハベアムを三年(ねん)の間(あいだ)強(つよ)くした。彼(かれ)らは三年(ねん)の間(あいだ)ダビデとソロモンの道(みち)に歩(あゆ)んだからである。

18レハベアムはダビデの子(こ)エレモテの娘(むすめ)マハラテを妻(つま)にめとった。マハラテはエッサイの子(こ)エリアブの娘(むすめ)アビハイルが産(う)んだ者(もの)である。 19彼女(かのじょ)はエウシ、シマリヤおよびザハムの三子(し)を産(う)んだ。 20彼(かれ)はまた彼女(かのじょ)の後(のち)にアブサロムの娘(むすめ)マアカをめとった。マアカはアビヤ、アッタイ、ジザおよびシロミテを産(う)んだ。 21レハベアムはアブサロムの娘(むすめ)マアカをすべての妻(つま)とそばめにまさって愛(あい)した。彼(かれ)は妻(つま)十八人(にん)、そばめ六十人(にん)をめとって、男(おとこ)の子(こ)二十八人(にん)と女(おんな)の子(こ)六十人(にん)をもうけた。 22レハベアムはマアカの子(こ)アビヤを立(た)ててかしらとし、その兄弟(きょうだい)の長(ちょう)とした。彼(かれ)はアビヤを王(おう)にしようと思(おも)ったからである。 23それで王(おう)は賢(かしこ)くとり行(おこな)い、そのむすこたちをことごとく、ユダとベニヤミンの全(ぜん)地方(ちほう)にあるすべての要害(ようがい)の町(まち)に散在(さんざい)させ、彼(かれ)らに糧食(りょうしょく)を多(おお)く与(あた)え、また多(おお)くの妻(つま)を得(え)させた。

第一二章

1レハベアムはその国(くに)が堅(かた)く立(た)ち、強(つよ)くなるに及(およ)んで、主(しゅ)のおきてを捨(す)てた。イスラエルも皆(みな)彼(かれ)にならった。 2彼(かれ)らがこのように主(しゅ)に向(む)かって罪(つみ)を犯(おか)したので、レハベアム王(おう)の五年(ねん)にエジプトの王(おう)シシャクがエルサレムに攻(せ)め上(のぼ)ってきた。 3その戦車(せんしゃ)は一千二百、騎兵(きへい)は六万、また彼(かれ)に従(したが)ってエジプトから来(き)た民(たみ)、すなわちリビアびと、スキびと、エチオピヤびとは無数(むすう)であった。 4シシャクはユダの要害(ようがい)の町々(まちまち)を取(と)り、エルサレムに迫(せま)って来(き)た。 5そこで預言者(よげんしゃ)シマヤは、レハベアムおよびシシャクのゆえに、エルサレムに集(あつ)まったユダのつかさたちのもとにきて言(い)った、「主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、『あなたがたはわたしを捨(す)てたので、わたしもあなたがたを捨(す)ててシシャクにわたした』と」。 6そこでイスラエルのつかさたち、および王(おう)はへりくだって、「主(しゅ)は正(ただ)しい」と言(い)った。 7主(しゅ)は彼(かれ)らのへりくだるのを見(み)られたので、主(しゅ)の言葉(ことば)がシマヤにのぞんで言(い)った、「彼(かれ)らがへりくだったから、わたしは彼(かれ)らを滅(ほろ)ぼさないで、間(ま)もなく救(すくい)を施(ほどこ)す。わたしはシシャクの手(て)によって、怒(いか)りをエルサレムに注(そそ)ぐことをしない。 8しかし彼(かれ)らはシシャクのしもべになる。これは彼(かれ)らがわたしに仕(つか)えることと、国々(くにぐに)の王(おう)たちに仕(つか)えることとの相違(そうい)を知(し)るためである」。

9エジプトの王(おう)シシャクはエルサレムに攻(せ)めのぼって、主(しゅ)の宮(みや)の宝物(ほうもつ)と、王(おう)の家(いえ)の宝物(ほうもつ)とを奪(うば)い去(さ)った。すなわちそれらをことごとく奪(うば)い去(さ)り、またソロモンの造(つく)った金(きん)の盾(たて)をも奪(うば)い去(さ)った。 10それでレハベアム王(おう)は、その代(かわ)りに青銅(せいどう)の盾(たて)を造(つく)って、王(おう)の家(いえ)の門(もん)を守(まも)る侍衛(じえい)長(ちょう)たちの手(て)に渡(わた)した。 11王(おう)が主(しゅ)の宮(みや)にはいるごとに侍衛(じえい)は来(き)て、これを負(お)い、またこれを侍衛(じえい)のへやへ持(も)って帰(かえ)った。 12レハベアムがへりくだったので主(しゅ)の怒(いか)りは彼(かれ)を離(はな)れ、彼(かれ)をことごとく滅(ほろ)ぼそうとはされなかった。またユダの事情(じじょう)もよくなった。

13レハベアム王(おう)はエルサレムで自分(じぶん)の地位(ちい)を確立(かくりつ)し、世(よ)を治(おさ)めた。すなわちレハベアムは四十一歳(さい)のとき位(くらい)につき、十七年(ねん)の間(あいだ)エルサレムで世(よ)を治(おさ)めた。エルサレムは主(しゅ)がその名(な)を置(お)くためにイスラエルのすべての部族(ぶぞく)のうちから選(えら)ばれた町(まち)である。彼(かれ)の母(はは)はアンモンの女(おんな)で、名(な)をナアマといった。 14レハベアムは主(しゅ)を求(もと)めることに心(こころ)を傾(かたむ)けないで、悪(わる)い事(こと)を行(おこな)った。

15レハベアムの始終(しじゅう)の行為(こうい)は、預言者(よげんしゃ)シマヤおよび先見者(せんけんしゃ)イドの書(しょ)にしるされているではないか。レハベアムとヤラベアムとの間(あいだ)には絶(た)えず戦争(せんそう)があった。 16レハベアムはその先祖(せんぞ)たちと共(とも)に眠(ねむ)って、ダビデの町(まち)に葬(ほうむ)られ、その子(こ)アビヤが彼(かれ)に代(かわ)って王(おう)となった。

第一三章

1ヤラベアム王(おう)の第(だい)十八年(ねん)にアビヤがユダの王(おう)となった。 2彼(かれ)は三年(ねん)の間(あいだ)エルサレムで世(よ)を治(おさ)めた。彼(かれ)の母(はは)はギベアのウリエルの娘(むすめ)で、名(な)をミカヤといった。

3ここにアビヤとヤラベアムとの間(あいだ)に戦争(せんそう)が起(おこ)り、アビヤは四十万の精兵(せいへい)から成(な)る勇敢(ゆうかん)な軍勢(ぐんぜい)をもって戦(たたか)いにいで、ヤラベアムも大(だい)勇士(ゆうし)から成(な)る八十万の精兵(せいへい)をもって、これに向(む)かって戦(たたか)いの備(そな)えをした。 4時(とき)にアビヤはエフライムの山地(さんち)にあるゼマライム山(やま)の上(うえ)に立(た)って言(い)った、「ヤラベアムおよびイスラエルの人々(ひとびと)よ皆(みな)聞(き)け。 5あなたがたはイスラエルの神(かみ)、主(しゅ)が塩(しお)の契約(けいやく)をもってイスラエルの国(くに)をながくダビデとその子孫(しそん)に賜(たま)わったことを知(し)らないのか。 6ところがダビデの子(こ)ソロモンの家来(けらい)であるネバテの子(こ)ヤラベアムが起(た)って、その主君(しゅくん)にそむき、 7また卑(いや)しい無頼(ぶらい)のともがらが集(あつ)まって彼(かれ)にくみし、ソロモンの子(こ)レハベアムに敵(てき)したが、レハベアムは若(わか)く、かつ意志(いし)が弱(よわ)くてこれに当(あた)ることができなかった。

8今(いま)また、あなたがたは大軍(たいぐん)をたのみ、またヤラベアムが造(つく)って、あなたがたの神(かみ)とした金(きん)の子(こ)牛(うし)をたのんで、ダビデの子孫(しそん)の手(て)にある主(しゅ)の国(くに)に敵対(てきたい)しようとしている。 9またあなたがたはアロンの子孫(しそん)である主(しゅ)の祭司(さいし)とレビびととを追(お)いだして、他(た)の国々(くにぐに)の民(たみ)がするように祭司(さいし)を立(た)てたではないか。すなわちだれでも若(わか)い雄牛(おうし)一頭(とう)、雄羊(おひつじ)七頭(とう)を携(たずさ)えてきて、自分(じぶん)を聖別(せいべつ)する者(もの)は皆(みな)あの神(かみ)でない者(もの)の祭司(さいし)とすることができた。 10しかしわれわれにおいては、主(しゅ)がわれわれの神(かみ)であって、われわれは彼(かれ)を捨(す)てない。また主(しゅ)に仕(つか)える祭司(さいし)はアロンの子孫(しそん)であり、働(はたら)きをなす者(もの)はレビびとである。 11彼(かれ)らは朝(あさ)ごと夕(ゆう)ごとに主(しゅ)に燔祭(はんさい)と、こうばしい香(こう)をささげ、供(そな)えのパンを純金(じゅんきん)の机(つくえ)の上(うえ)に供(そな)え、また金(きん)の燭台(しょくだい)とそのともしび皿(さら)を整(ととの)えて、夕(ゆう)ごとにともすのである。このようにわれわれはわれわれの神(かみ)、主(しゅ)の務(つとめ)を守(まも)っているが、あなたがたは彼(かれ)を捨(す)てた。 12見(み)よ、神(かみ)はみずからわれわれと共(とも)におられて、われわれのかしらとなられ、また、その祭司(さいし)たちはラッパを吹(ふ)きならして、あなたがたを攻(せ)める。イスラエルの人々(ひとびと)よ、あなたがたの先祖(せんぞ)の神(かみ)、主(しゅ)に敵(てき)して戦(たたか)ってはならない。あなたがたは成功(せいこう)しない」。

13ヤラベアムは伏兵(ふくへい)を彼(かれ)らのうしろに回(まわ)らせたので、彼(かれ)の軍隊(ぐんたい)はユダの前(まえ)にあり、伏兵(ふくへい)は彼(かれ)らのうしろにあった。 14ユダはうしろを見(み)ると、敵(てき)が前(まえ)とうしろとにあったので、主(しゅ)に向(む)かって呼(よ)ばわり、祭司(さいし)たちはラッパを吹(ふ)いた。 15そこでユダの人々(ひとびと)はときの声(こえ)をあげた。ユダの人々(ひとびと)がときの声(こえ)をあげると、神(かみ)はヤラベアムとイスラエルの人々(ひとびと)をアビヤとユダの前(まえ)に打(う)ち敗(やぶ)られたので、 16イスラエルの人々(ひとびと)はユダの前(まえ)から逃(に)げた。神(かみ)が彼(かれ)らをユダの手(て)に渡(わた)されたので、 17アビヤとその民(たみ)は、彼(かれ)らをおびただしく撃(う)ち殺(ころ)した。イスラエルの殺(ころ)されて倒(たお)れた者(もの)は五十万人(にん)、皆(みな)精兵(せいへい)であった。 18このように、この時(とき)イスラエルの人々(ひとびと)は打(う)ち負(ま)かされ、ユダの人々(ひとびと)は勝(かち)を得(え)た。彼(かれ)らがその先祖(せんぞ)の神(かみ)、主(しゅ)を頼(たの)んだからである。 19アビヤはヤラベアムを追撃(ついげき)して数個(すうこ)の町(まち)を彼(かれ)から取(と)った。すなわちベテルとその村里(むらざと)、エシャナとその村里(むらざと)、エフロンとその村里(むらざと)である。 20ヤラベアムは、アビヤの世(よ)には再(ふたた)び力(ちから)を得(え)ることができず、主(しゅ)に撃(う)たれて死(し)んだ。 21しかしアビヤは強(つよ)くなり、妻(つま)十四人(にん)をめとり、むすこ二十二人(にん)、むすめ十六人(にん)をもうけた。 22アビヤのその他(た)の行為(こうい)すなわちその行動(こうどう)と言葉(ことば)は、預言者(よげんしゃ)イドの注釈(ちゅうしゃく)にしるされている。

第一四章

1アビヤはその先祖(せんぞ)たちと共(とも)に眠(ねむ)って、ダビデの町(まち)に葬(ほうむ)られ、その子(こ)アサが代(かわ)って王(おう)となった。アサの治世(ちせい)に国(くに)は十年(ねん)の間(あいだ)、穏(おだ)やかであった。 2アサはその神(かみ)、主(しゅ)の目(め)に良(よ)しと見(み)え、また正(ただ)しと見(み)えることを行(おこな)った。 3彼(かれ)は異(こと)なる祭壇(さいだん)と、もろもろの高(たか)き所(ところ)を取(と)り除(のぞ)き、石柱(せきちゅう)をこわし、アシラ像(ぞう)を切(き)り倒(たお)し、 4ユダに命(めい)じてその先祖(せんぞ)たちの神(かみ)、主(しゅ)を求(もと)めさせ、おきてと戒(いまし)めとを行(おこな)わせ、 5ユダのすべての町々(まちまち)から、高(たか)き所(ところ)と香(こう)の祭壇(さいだん)とを取(と)り除(のぞ)いた。そして国(くに)は彼(かれ)のもとに穏(おだ)やかであった。 6彼(かれ)は国(くに)が穏(おだ)やかであったので、要害(ようがい)の町(まち)数個(すうこ)をユダに建(た)てた。また主(しゅ)が彼(かれ)に平安(へいあん)を賜(たま)わったので、この年(とし)ごろ戦争(せんそう)がなかった。 7彼(かれ)はユダに言(い)った、「われわれはこれらの町(まち)を建(た)て、その周囲(しゅうい)に石(いし)がきを築(きず)き、やぐらを建(た)て、門(もん)と貫(かん)の木(き)を設(もう)けよう。われわれがわれわれの神(かみ)、主(しゅ)を求(もと)めたので、この国(くに)はなおわれわれのものであり、われわれが彼(かれ)を求(もと)めたので、四方(しほう)において、われわれに平安(へいあん)を賜(たま)わった」。こうして彼(かれ)らは滞(とどこお)りなく建(た)て終(おわ)った。 8アサの軍隊(ぐんたい)はユダから出(で)た者(もの)三十万人(にん)あって、盾(たて)とやりをとり、ベニヤミンから出(で)た者(もの)二十八万人(にん)あって、小盾(こだて)をとり、弓(ゆみ)を引(ひ)いた。これはみな大(だい)勇士(ゆうし)であった。

9エチオピヤびとゼラが、百万の軍隊(ぐんたい)と三百の戦車(せんしゃ)を率(ひき)いて、マレシャまで攻(せ)めてきた。 10アサは出(で)て、これを迎(むか)え、マレシャのゼパタの谷(たに)に戦(たたか)いの備(そな)えをした。 11時(とき)にアサはその神(かみ)、主(しゅ)に向(む)かって呼(よ)ばわって言(い)った、「主(しゅ)よ、力(ちから)のある者(もの)を助(たす)けることも、力(ちから)のない者(もの)を助(たす)けることも、あなたにおいては異(こと)なることはありません。われわれの神(かみ)、主(しゅ)よ、われわれをお助(たす)けください。われわれはあなたに寄(よ)り頼(たの)み、あなたの名(な)によってこの大軍(たいぐん)に当(あた)ります。主(しゅ)よ、あなたはわれわれの神(かみ)です。どうぞ人(ひと)をあなたに勝(か)たせないでください」。 12そこで主(しゅ)はアサの前(まえ)とユダの前(まえ)でエチオピヤびとを撃(う)ち敗(やぶ)られたので、エチオピヤびとは逃(に)げ去(さ)った。 13アサと彼(かれ)に従(したが)う民(たみ)は彼(かれ)らをゲラルまで追撃(ついげき)したので、エチオピヤびとは倒(たお)れて、生(い)き残(のこ)った者(もの)はひとりもなかった。主(しゅ)と主(しゅ)の軍勢(ぐんぜい)の前(まえ)に撃(う)ち破(やぶ)られたからである。ユダの人々(ひとびと)の得(え)たぶんどり物(もの)は非常(ひじょう)に多(おお)かった。 14彼(かれ)らはまた、ゲラルの周囲(しゅうい)の町々(まちまち)をことごとく撃(う)ち破(やぶ)った。主(しゅ)の恐(おそ)れが彼(かれ)らの上(うえ)に臨(のぞ)んだからである。そして彼(かれ)らはそのすべての町(まち)をかすめ奪(うば)った。その内(うち)に多(おお)くの物(もの)があったからである。 15また家畜(かちく)をもっている者(もの)の天幕(てんまく)を襲(おそ)い、多(おお)くの羊(ひつじ)とらくだを奪(うば)い取(と)って、エルサレムに帰(かえ)った。

第一五章

1時(とき)に神(かみ)の霊(れい)がオデデの子(こ)アザリヤに臨(のぞ)んだので、 2彼(かれ)は出(で)ていってアサを迎(むか)え、これに言(い)った、「アサおよびユダとベニヤミンの人々(ひとびと)よ、わたしに聞(き)きなさい。あなたがたが主(しゅ)と共(とも)におる間(あいだ)は、主(しゅ)もあなたがたと共(とも)におられます。あなたがたが、もし彼(かれ)を求(もと)めるならば、彼(かれ)に会(あ)うでしょう。しかし、彼(かれ)を捨(す)てるならば、彼(かれ)もあなたがたを捨(す)てられるでしょう。 3そもそも、イスラエルには長(なが)い間(あいだ)、まことの神(かみ)がなく、教(おしえ)をなす祭司(さいし)もなく、律法(りっぽう)もなかった。 4しかし、悩(なや)みの時(とき)、彼(かれ)らがイスラエルの神(かみ)、主(しゅ)に立(た)ち返(かえ)り、彼(かれ)を求(もと)めたので彼(かれ)に会(あ)った。 5そのころは、出(で)る者(もの)にも入(い)る者(もの)にも、平安(へいあん)がなく、大(おお)いなる騒乱(そうらん)が国々(くにぐに)のすべての住民(じゅうみん)を悩(なや)ました。 6国(くに)は国(くに)に、町(まち)は町(まち)に撃(う)ち砕(くだ)かれた。神(かみ)がもろもろの悩(なや)みをもって彼(かれ)らを苦(くる)しめられたからです。 7しかしあなたがたは勇気(ゆうき)を出(だ)しなさい。手(て)を弱(よわ)くしてはならない。あなたがたのわざには報(むく)いがあるからです」。

8アサはこれらの言葉(ことば)すなわちオデデの子(こ)アザリヤの預言(よげん)を聞(き)いて勇気(ゆうき)を得(え)、憎(にく)むべき偶像(ぐうぞう)をユダとベニヤミンの全(ぜん)地(ち)から除(のぞ)き、また彼(かれ)がエフライムの山地(さんち)で得(え)た町々(まちまち)から除(のぞ)き、主(しゅ)の宮(みや)の廊(ろう)の前(まえ)にあった主(しゅ)の祭壇(さいだん)を再興(さいこう)した。 9彼(かれ)はまたユダとベニヤミンの人々(ひとびと)およびエフライム、マナセ、シメオンから来(き)て、彼(かれ)らの間(あいだ)に寄留(きりゅう)していた者(もの)を集(あつ)めた。その神(かみ)、主(しゅ)がアサと共(とも)におられるのを見(み)て、イスラエルからアサのもとに下(くだ)った者(もの)が多(おお)くあったからである。 10彼(かれ)らはアサの治世(ちせい)の十五年(ねん)の三月(がつ)にエルサレムに集(あつ)まり、 11携(たずさ)えてきたぶんどり物(もの)のうちから牛(うし)七百頭(とう)、羊(ひつじ)七千頭(とう)をその日(ひ)主(しゅ)にささげた。 12そして彼(かれ)らは契約(けいやく)を結(むす)び、心(こころ)をつくし、精神(せいしん)をつくして先祖(せんぞ)の神(かみ)、主(しゅ)を求(もと)めることと、 13すべてイスラエルの神(かみ)、主(しゅ)を求(もと)めない者(もの)は老幼(ろうよう)男女(だんじょ)の別(べつ)なく殺(ころ)さるべきことを約(やく)した。 14そして彼(かれ)らは大声(おおごえ)をあげて叫(さけ)び、ラッパを吹(ふ)き、角笛(つのぶえ)を鳴(な)らして、主(しゅ)に誓(ちか)いを立(た)てた。 15ユダは皆(みな)その誓(ちか)いを喜(よろこ)んだ。彼(かれ)らは心(こころ)をつくして誓(ちか)いを立(た)て、精神(せいしん)をつくして主(しゅ)を求(もと)めたので、主(しゅ)は彼(かれ)らに会(あ)い、四方(しほう)で彼(かれ)らに安息(あんそく)を賜(たま)わった。

16アサ王(おう)の母(はは)マアカがアシラのために憎(にく)むべき像(ぞう)を造(つく)ったので、アサは彼女(かのじょ)をおとして太后(たいこう)とせず、その憎(にく)むべき像(ぞう)を切(き)り倒(たお)して粉々(こなごな)に砕(くだ)き、キデロン川(かわ)でそれを焼(や)いた。 17ただし高(たか)き所(ところ)はイスラエルから除(のぞ)かなかったが、アサの心(こころ)は一生(いっしょう)の間(あいだ)、正(ただ)しかった。 18彼(かれ)はまた、その父(ちち)のささげた物(もの)および自分(じぶん)のささげた物(もの)、すなわち銀(ぎん)、金(きん)並(なら)びに器物(うつわもの)などを主(しゅ)の宮(みや)に携(たずさ)え入(い)れた。 19そしてアサの治世(ちせい)の三十五年(ねん)までは再(ふたた)び戦争(せんそう)がなかった。

第一六章

1アサの治世(ちせい)の三十六年(ねん)にイスラエルの王(おう)バアシャはユダに攻(せ)め上(のぼ)り、ユダの王(おう)アサの所(ところ)にだれをも出入(でい)りさせないためにラマを築(きず)いた。 2そこでアサは主(しゅ)の宮(みや)と王(おう)の家(いえ)の宝蔵(ほうぞう)から金銀(きんぎん)を取(と)り出(だ)し、ダマスコに住(す)んでいるスリヤの王(おう)ベネハダデに贈(おく)って言(い)った、 3「わたしの父(ちち)とあなたの父(ちち)の間(あいだ)のように、わたしとあなたの間(あいだ)に同盟(どうめい)を結(むす)びましょう。わたしはあなたに金銀(きんぎん)を贈(おく)ります。行(い)って、あなたとイスラエルの王(おう)バアシャとの同盟(どうめい)を破(やぶ)り、彼(かれ)をわたしから撤退(てったい)させてください」。 4ベネハダデはアサ王(おう)の言(い)うことを聞(き)き、自分(じぶん)の軍勢(ぐんぜい)の長(ちょう)たちをつかわしてイスラエルの町々(まちまち)を攻(せ)め、イヨンとダンとアベル・マイムおよびナフタリのすべての倉(くら)の町(まち)を撃(う)った。 5バアシャはこれを聞(き)いて、ラマを築(きず)くことをやめ、その工事(こうじ)を廃(はい)した。 6そこでアサ王(おう)はユダの全国(ぜんこく)の人々(ひとびと)を引(ひ)き連(つ)れ、バアシャがラマを建(た)てるために用(もち)いた石(いし)と木材(もくざい)を運(はこ)んでこさせ、それをもってゲバとミヅパを建(た)てた。

7そのころ先見者(せんけんしゃ)ハナニがユダの王(おう)アサのもとに来(き)て言(い)った、「あなたがスリヤの王(おう)に寄(よ)り頼(たの)んで、あなたの神(かみ)、主(しゅ)に寄(よ)り頼(たの)まなかったので、スリヤ王(おう)の軍勢(ぐんぜい)はあなたの手(て)からのがれてしまった。 8かのエチオピヤびとと、リビアびとは大軍(たいぐん)で、その戦車(せんしゃ)と騎兵(きへい)は、はなはだ多(おお)かったではないか。しかしあなたが主(しゅ)に寄(よ)り頼(たの)んだので、主(しゅ)は彼(かれ)らをあなたの手(て)に渡(わた)された。 9主(しゅ)の目(め)はあまねく全(ぜん)地(ち)を行(い)きめぐり、自分(じぶん)に向(む)かって心(こころ)を全(まっと)うする者(もの)のために力(ちから)をあらわされる。今度(こんど)の事(こと)では、あなたは愚(おろ)かな事(こと)をした。ゆえにこの後(のち)、あなたに戦争(せんそう)が臨(のぞ)むであろう」。 10するとアサはその先見者(せんけんしゃ)を怒(いか)って、獄屋(ごくや)に入(い)れた。この事(こと)のために激(はげ)しく彼(かれ)を怒(いか)ったからである。アサはまたそのころ民(たみ)のある者(もの)をしえたげた。

11見(み)よ、アサの始終(しじゅう)の行為(こうい)は、ユダとイスラエルの列(れつ)王(おう)の書(しょ)にしるされている。 12アサはその治世(ちせい)の三十九年(ねん)に足(あし)を病(や)み、その病(やまい)は激(はげ)しくなったが、その病(やまい)の時(とき)にも、主(しゅ)を求(もと)めないで医者(いしゃ)を求(もと)めた。 13アサは先祖(せんぞ)たちと共(とも)に眠(ねむ)り、その治世(ちせい)の四十一年(ねん)に死(し)んだ。 14人々(ひとびと)は彼(かれ)が自分(じぶん)のためにダビデの町(まち)に掘(ほ)っておいた墓(はか)に葬(ほうむ)り、製(せい)香(こう)の術(じゅつ)をもって造(つく)った様々(さまざま)の香料(こうりょう)を満(み)たした床(とこ)に横(よこ)たえ、彼(かれ)のためにおびただしく香(こう)をたいた。

第一七章

1アサの子(こ)ヨシャパテがアサに代(かわ)って王(おう)となり、イスラエルに向(む)かって自分(じぶん)を強(つよ)くし、 2ユダのすべての堅固(けんご)な町々(まちまち)に軍隊(ぐんたい)を置(お)き、またユダの地(ち)およびその父(ちち)アサが取(と)ったエフライムの町々(まちまち)に守備(しゅび)隊(たい)を置(お)いた。 3主(しゅ)はヨシャパテと共(とも)におられた。彼(かれ)がその父(ちち)ダビデの最初(さいしょ)の道(みち)に歩(あゆ)んで、バアルに求(もと)めず、 4その父(ちち)の神(かみ)に求(もと)めて、その戒(いまし)めに歩(あゆ)み、イスラエルの行(おこな)いにならわなかったからである。 5それゆえ、主(しゅ)は国(くに)を彼(かれ)の手(て)に堅(かた)く立(た)てられ、またユダの人々(ひとびと)は皆(みな)ヨシャパテに贈(おく)り物(もの)を持(も)ってきた。彼(かれ)は大(おお)いなる富(とみ)と誉(ほまれ)とを得(え)た。 6そこで彼(かれ)は主(しゅ)の道(みち)に心(こころ)を励(はげ)まし、さらに高(たか)き所(ところ)とアシラ像(ぞう)とをユダから除(のぞ)いた。

7彼(かれ)はまたその治世(ちせい)の三年(ねん)に、つかさたちベネハイル、オバデヤ、ゼカリヤ、ネタンエルおよびミカヤをつかわしてユダの町々(まちまち)で教(おし)えさせ、 8また彼(かれ)らと共(とも)にレビびとのうちからシマヤ、ネタニヤ、ゼバデヤ、アサヘル、セミラモテ、ヨナタン、アドニヤ、トビヤ、トバドニヤをつかわし、またこれらのレビびとと共(とも)に祭司(さいし)エリシャマとヨラムをもつかわした。 9彼(かれ)らは主(しゅ)の律法(りっぽう)の書(しょ)を携(たずさ)えて、ユダで教(おしえ)をなし、またユダの町々(まちまち)をことごとく巡回(じゅんかい)して、民(たみ)の間(あいだ)に教(おしえ)をなした。

10そこでユダの周囲(しゅうい)の国々(くにぐに)は皆(みな)主(しゅ)を恐(おそ)れ、ヨシャパテと戦(たたか)うことをしなかった。 11また、ペリシテびとのうちで贈(おく)り物(もの)や、みつぎの銀(ぎん)をヨシャパテの所(ところ)に持(も)ってくる者(もの)があり、またアラビヤびとは雄羊(おひつじ)七千七百頭(とう)、雄(お)やぎ七千七百頭(とう)を彼(かれ)に持(も)ってきた。 12こうしてヨシャパテはますます大(おお)いになり、ユダに要害(ようがい)および倉(くら)の町(まち)を建(た)て、 13ユダの町々(まちまち)に多(おお)くの軍需(ぐんじゅ)品(ひん)を持(も)ち、またエルサレムに大(だい)勇士(ゆうし)である軍人(ぐんじん)たちを持(も)っていた。 14彼(かれ)らをその氏族(しぞく)によって数(かぞ)えれば次(つぎ)のとおりである。すなわちユダから出(で)た千人(にん)の長(ちょう)のうちでは、アデナという軍(ぐん)長(ちょう)と彼(かれ)に従(したが)う大(だい)勇士(ゆうし)三十万人(にん)、 15その次(つぎ)は軍(ぐん)長(ちょう)ヨハナンと彼(かれ)に従(したが)う者(もの)二十八万(まん)人(にん)、 16その次(つぎ)は喜(よろこ)んでその身(み)を主(しゅ)にささげた者(もの)ジクリの子(こ)アマジヤと彼(かれ)に従(したが)う大(だい)勇士(ゆうし)二十万人(にん)。 17ベニヤミンから出(で)た者(もの)のうちでは、エリアダという大(だい)勇士(ゆうし)と彼(かれ)に従(したが)う弓(ゆみ)および盾(たて)を持(も)つ者(もの)二十万人(にん)、 18その次(つぎ)はヨザバデと彼(かれ)に従(したが)う戦(たたか)いの備(そな)えある者(もの)十八万(まん)人(にん)である。 19これらは皆(みな)王(おう)に仕(つか)える者(もの)たちで、このほかにまたユダ全国(ぜんこく)の堅固(けんご)な町々(まちまち)に、王(おう)が駐在(ちゅうざい)させた者(もの)があった。

第一八章

1ヨシャパテは大(おお)いなる富(とみ)と誉(ほまれ)とをもち、アハブと縁(ふち)を結(むす)んだ。 2彼(かれ)は数年(すうねん)の後(のち)、サマリヤに下(くだ)って、アハブをおとずれた。アハブは彼(かれ)と彼(かれ)に従(したが)ってきた民(たみ)のために羊(ひつじ)と牛(うし)を多(おお)くほふり、ラモテ・ギレアデに一緒(いっしょ)に攻(せ)め上(のぼ)ることを彼(かれ)にすすめた。 3イスラエルの王(おう)アハブはユダの王(おう)ヨシャパテに言(い)った、「あなたはわたしと一緒(いっしょ)にラモテ・ギレアデに攻(せ)めて行(い)きますか」。ヨシャパテは答(こた)えた、「わたしはあなたと一つです、わたしの民(たみ)はあなたの民(たみ)と一つです。わたしはあなたと一緒(いっしょ)に戦(たたか)いに臨(のぞ)みましょう」。

4ヨシャパテはまたイスラエルの王(おう)に言(い)った、「まず主(しゅ)の言葉(ことば)を求(もと)めなさい」。 5そこでイスラエルの王(おう)は預言者(よげんしゃ)四百人(にん)を集(あつ)めて彼(かれ)らに言(い)った、「われわれはラモテ・ギレアデに、戦(たたか)いに行(い)くべきか、あるいは控(ひか)えるべきか」。彼(かれ)らは言(い)った、「上(のぼ)って行(い)きなさい。神(かみ)はそれを王(おう)の手(て)にわたされるでしょう」。 6ヨシャパテは言(い)った、「ほかにわれわれが問(と)うべき主(しゅ)の預言者(よげんしゃ)はここにいませんか」。 7イスラエルの王(おう)はヨシャパテに言(い)った、「ほかになおひとりいます。われわれはこの人(ひと)によって主(しゅ)に問(と)うことができますが、彼(かれ)はわたしについて良(よ)い事(こと)を預言(よげん)したことがなく、常(つね)に悪(わる)いことだけを預言(よげん)するので、わたしは彼(かれ)を憎(にく)みます。その者(もの)はイムラの子(こ)ミカヤです」。ヨシャパテは言(い)った、「王(おう)よ、そうは言(い)わないでください」。 8そこでイスラエルの王(おう)はひとりの役人(やくにん)を呼(よ)んで、「イムラの子(こ)ミカヤを急(いそ)いで連(つ)れてきなさい」と言(い)った。 9さてイスラエルの王(おう)およびユダの王(おう)ヨシャパテは王(おう)の衣(ころも)を着(き)て、サマリヤの門(もん)の入口(いりぐち)の広場(ひろば)におのおのその玉座(ぎょくざ)に座(ざ)し、預言者(よげんしゃ)たちは皆(みな)その前(まえ)で預言(よげん)していた。 10ケナアナの子(こ)ゼデキヤは鉄(てつ)の角(つの)を造(つく)って言(い)った、「主(しゅ)はこう仰(おお)せられます、『あなたはこれらの角(つの)をもってスリヤびとを突(つ)いて滅(ほろ)ぼし尽(つく)しなさい』」。 11預言者(よげんしゃ)たちは皆(みな)そのように預言(よげん)して言(い)った、「ラモテ・ギレアデに上(のぼ)っていって勝利(しょうり)を得(え)なさい。主(しゅ)はそれを王(おう)の手(て)にわたされるでしょう」。

12さてミカヤを呼(よ)びに行(い)った使者(ししゃ)は彼(かれ)に言(い)った、「預言者(よげんしゃ)たちは一致(いっち)して王(おう)に良(よ)い事(こと)を言(い)いました。どうぞ、あなたの言葉(ことば)も、彼(かれ)らのひとりの言葉(ことば)のようにし、良(よ)い事(こと)を言(い)ってください」。 13ミカヤは言(い)った、「主(しゅ)は生(い)きておられる。わが神(かみ)の言(い)われることをわたしは申(もう)します」。 14彼(かれ)が王(おう)の所(ところ)へ行(い)くと、王(おう)は彼(かれ)に言(い)った、「ミカヤよ、われわれはラモテ・ギレアデに戦(たたか)いに行(い)くべきか、あるいは控(ひか)えるべきか」。彼(かれ)は言(い)った、「上(のぼ)って行(い)って勝利(しょうり)を得(え)なさい。彼(かれ)らはあなたの手(て)にわたされるでしょう」。 15しかし王(おう)は彼(かれ)に言(い)った、「幾(いく)たびあなたを誓(ちか)わせたら、あなたは主(しゅ)の名(な)をもって、ただ真実(しんじつ)のみをわたしに告(つ)げるだろうか」。 16彼(かれ)は言(い)った、「わたしはイスラエルが皆(みな)牧者(ぼくしゃ)のない羊(ひつじ)のように山(やま)に散(ち)っているのを見(み)ました。すると主(しゅ)は『これらの者(もの)は主人(しゅじん)をもっていない。彼(かれ)らをそれぞれ安(やす)らかに、その家(いえ)に帰(かえ)らせよ』と言(い)われました」。 17イスラエルの王(おう)はヨシャパテに言(い)った、「わたしはあなたに、彼(かれ)はわたしについて良(よ)い事(こと)を預言(よげん)せず、ただ悪(わる)い事(こと)だけを預言(よげん)すると告(つ)げたではありませんか」。 18ミカヤは言(い)った、「それだから主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)きなさい。わたしは主(しゅ)がその玉座(ぎょくざ)に座(ざ)し、天(てん)の万軍(ばんぐん)がその右左(みぎひだり)に立(た)っているのを見(み)たが、 19主(しゅ)は、『だれがイスラエルの王(おう)アハブをいざなって、ラモテ・ギレアデに上(のぼ)らせ、彼(かれ)を倒(たお)れさせるであろうか』と言(い)われた。するとひとりは、こうしようと言(い)い、ひとりは、ああしようと言(い)った。 20その時(とき)一つの霊(れい)が進(すす)み出(で)て、主(しゅ)の前(まえ)に立(た)ち、『わたしが彼(かれ)をいざないましょう』と言(い)ったので、主(しゅ)は彼(かれ)に『何(なに)をもってするか』と言(い)われた。 21彼(かれ)は『わたしが出(で)て行(い)って、偽(いつわ)りを言(い)う霊(れい)となって、すべての預言者(よげんしゃ)の口(くち)に宿(やど)りましょう』と言(い)った。そこで主(しゅ)は『おまえは彼(かれ)をいざなって、それをなし遂(と)げるであろう。出(で)て行(い)って、そうしなさい』と言(い)われた。 22それゆえ、主(しゅ)は偽(いつわ)りを言(い)う霊(れい)をこの預言者(よげんしゃ)たちの口(くち)に入(い)れ、また主(しゅ)はあなたについて災(わざわい)を告(つ)げられたのです」。

23するとケナアナの子(こ)ゼデキヤが近寄(ちかよ)ってミカヤのほおを打(う)って言(い)った、「主(しゅ)の霊(れい)がどの道(みち)からわたしを離(はな)れて行(い)って、あなたに語(かた)りましたか」。 24ミカヤは言(い)った、「あなたが奥(おく)の間(あいだ)にはいって身(み)を隠(かく)す日(ひ)に見(み)るでしょう」。 25イスラエルの王(おう)は言(い)った、「ミカヤを捕(とら)え、町(まち)のつかさアモンと王(おう)の子(こ)ヨアシの所(ところ)へ引(ひ)いて行(い)って、 26言(い)いなさい、『王(おう)はこう言(い)う、この者(もの)を獄屋(ごくや)に入(い)れ、少(すこ)しばかりのパンと水(みず)をもって彼(かれ)を養(やしな)い、わたしが勝利(しょうり)を得(え)て帰(かえ)ってくるのを待(ま)て』と」。 27ミカヤは言(い)った、「あなたがもし勝利(しょうり)を得(え)て帰(かえ)るならば、主(しゅ)はわたしによって語(かた)られなかったのです」。また彼(かれ)は言(い)った、「あなたがたすべての民(たみ)よ、聞(き)きなさい」。

28こうしてイスラエルの王(おう)とユダの王(おう)ヨシャパテは、ラモテ・ギレアデに上(のぼ)った。 29イスラエルの王(おう)はヨシャパテに言(い)った、「わたしは姿(すがた)を変(か)えて戦(たたか)いに行(い)きましょう。しかしあなたは王(おう)の衣(ころも)を着(つ)けなさい」。イスラエルの王(おう)は姿(すがた)を変(か)えて戦(たたか)いに行(い)った。 30さて、スリヤの王(おう)は、その戦車(せんしゃ)隊長(たいちょう)たちに命(めい)じて言(い)った、「あなたがたは小(ちい)さい者(もの)とも、大(おお)きい者(もの)とも戦(たたか)ってはならない。ただイスラエルの王(おう)とのみ戦(たたか)いなさい」。 31戦車(せんしゃ)隊長(たいちょう)らはヨシャパテを見(み)たとき、これはきっとイスラエルの王(おう)だと思(おも)ったので、身(み)を巡(めぐ)らしてこれと戦(たたか)おうとした。しかしヨシャパテが呼(よ)ばわったので、主(しゅ)はこれを助(たす)けられた。すなわち神(かみ)は敵(てき)を彼(かれ)から離(はな)れさせられた。 32戦車(せんしゃ)隊長(たいちょう)らは彼(かれ)がイスラエルの王(おう)でないのを見(み)たので、彼(かれ)を追(お)うことをやめて引(ひ)き返(かえ)した。 33しかし、ひとりの人(ひと)が、なにごころなく弓(ゆみ)を引(ひ)いて、イスラエルの王(おう)の胸当(むねあて)と、くさずりの間(あいだ)を射(い)たので、彼(かれ)はその車(くるま)の御者(ぎょしゃ)に言(い)った、「わたしは傷(きず)を受(う)けたから、車(くるま)をめぐらして、わたしを軍中(ぐんちゅう)から運(はこ)び出(だ)せ」。 34その日(ひ)戦(たたか)いは激(はげ)しくなった。イスラエルの王(おう)は車(くるま)の中(なか)に自分(じぶん)をささえて立(た)ち、夕暮(ゆうぐれ)までスリヤびとに向(む)かっていたが、日(ひ)の入(い)るころになって死(し)んだ。

第一九章

1ユダの王(おう)ヨシャパテは、つつがなくエルサレムの自分(じぶん)の家(いえ)に帰(かえ)った。 2そのとき、先見者(せんけんしゃ)ハナニの子(こ)エヒウが出(で)てヨシャパテを迎(むか)えて言(い)った、「あなたは悪人(あくにん)を助(たす)け、主(しゅ)を憎(にく)む者(もの)を愛(あい)してよいのですか。それゆえ怒(いか)りが主(しゅ)の前(まえ)から出(で)て、あなたの上(うえ)に臨(のぞ)みます。 3しかしあなたには、なお良(よ)い事(こと)もあります。あなたはアシラ像(ぞう)を国(くに)の中(なか)から除(のぞ)き、心(こころ)を傾(かたむ)けて神(かみ)を求(もと)められました」。

4ヨシャパテはエルサレムに住(す)んでいたが、また出(で)て、ベエルシバからエフライムの山地(さんち)まで民(たみ)の中(なか)を巡(めぐ)り、先祖(せんぞ)たちの神(かみ)、主(しゅ)に彼(かれ)らを導(みちび)き返(かえ)した。 5彼(かれ)はまたユダの国中(くにぢゅう)、すべての堅固(けんご)な町(まち)ごとに裁判人(さいばんにん)を置(お)いた。 6そして裁判人(さいばんにん)たちに言(い)った、「あなたがたは自分(じぶん)のする事(こと)に気(き)をつけなさい。あなたがたは人(ひと)のために裁判(さいばん)するのではなく、主(しゅ)のためにするのです。あなたがたが裁判(さいばん)する時(とき)には、主(しゅ)はあなたがたと共(とも)におられます。 7だからあなたがたは主(しゅ)を恐(おそ)れ、慎(つつし)んで行(おこな)いなさい。われわれの神(かみ)、主(しゅ)には不義(ふぎ)がなく、人(ひと)をかたより見(み)ることなく、まいないを取(と)ることもないからです」。

8ヨシャパテはまたレビびと、祭司(さいし)、およびイスラエルの氏族(しぞく)の長(ちょう)たちを選(えら)んでエルサレムに置(お)き、主(しゅ)のために裁判(さいばん)を行(おこな)い、争議(そうぎ)の解決(かいけつ)に当(あた)らせた。彼(かれ)らはエルサレムに居住(きょじゅう)した。 9ヨシャパテは彼(かれ)らに命(めい)じて言(い)った、「あなたがたは主(しゅ)を恐(おそ)れ、真実(しんじつ)と真心(まごころ)とをもって行(おこな)わなければならない。 10すべてその町々(まちまち)に住(す)んでいるあなたがたの兄弟(きょうだい)たちから、血(ち)を流(なが)した事(こと)または律法(りっぽう)と戒(いまし)め、定(さだ)めとおきてなどの事(こと)について訴(うった)えてきたならば、彼(かれ)らをさとして、主(しゅ)の前(まえ)に罪(つみ)を犯(おか)させず、怒(いか)りがあなたがたと、あなたがたの兄弟(きょうだい)たちに臨(のぞ)まないようにしなさい。そのようにすれば、あなたがたは罪(つみ)を犯(おか)すことがないでしょう。 11見(み)よ、祭司(さいし)長(ちょう)アマリヤは、あなたがたの上(うえ)にいて、主(しゅ)の事(こと)をすべてつかさどり、イシマエルの子(こ)、ユダの家(いえ)のつかさゼバデヤは王(おう)の事(こと)をすべてつかさどり、またレビびとはあなたがたの前(まえ)にあって役人(やくにん)となります。雄々(おお)しく行動(こうどう)しなさい。主(しゅ)は正直(しょうじき)な人(ひと)と共(とも)におられます」。

第二〇章

1この後(のち)モアブびと、アンモンびとおよびメウニびとらがヨシャパテと戦(たたか)おうと攻(せ)めてきた。 2その時(とき)ある人(ひと)がきて、ヨシャパテに告(つ)げて言(い)った、「海(うみ)のかなたのエドムから大軍(たいぐん)があなたに攻(せ)めて来(き)ます。見(み)よ、彼(かれ)らはハザゾン・タマル(すなわちエンゲデ)にいます」。 3そこでヨシャパテは恐(おそ)れ、主(しゅ)に顔(かお)を向(む)けて助(たす)けを求(もと)め、ユダ全国(ぜんこく)に断食(だんじき)をふれさせた。 4それでユダはこぞって集(あつ)まり、主(しゅ)の助(たす)けを求(もと)めた。すなわちユダのすべての町(まち)から人々(ひとびと)が来(き)て主(しゅ)を求(もと)めた。

5そこでヨシャパテは主(しゅ)の宮(みや)の新(あたら)しい庭(にわ)の前(まえ)で、ユダとエルサレムの会衆(かいしゅう)の中(なか)に立(た)って、 6言(い)った、「われわれの先祖(せんぞ)の神(かみ)、主(しゅ)よ、あなたは天(てん)にいます神(かみ)ではありませんか。異邦人(いほうじん)のすべての国(くに)を治(おさ)められるではありませんか。あなたの手(て)には力(ちから)があり、勢(いきお)いがあって、あなたに逆(さか)らいうる者(もの)はありません。 7われわれの神(かみ)よ、あなたはこの国(くに)の民(たみ)をあなたの民(たみ)イスラエルの前(まえ)から追(お)い払(はら)って、あなたの友(とも)アブラハムの子孫(しそん)に、これを永遠(えいえん)に与(あた)えられたではありませんか。 8彼(かれ)らはここに住(す)み、あなたの名(な)のためにここに聖所(せいじょ)を建(た)てて言(い)いました、 9『つるぎ、審判(しんぱん)、疫病(えきびょう)、ききんなどの災(わざわい)がわれわれに臨(のぞ)む時(とき)、われわれはこの宮(みや)の前(まえ)に立(た)って、あなたの前(まえ)におり、その悩(なや)みの中(なか)であなたに呼(よ)ばわります。すると、あなたは聞(き)いて助(たす)けられます。あなたの名(な)はこの宮(みや)にあるからです』と。 10今(いま)アンモン、モアブ、およびセイル山(やま)の人々(ひとびと)をごらんなさい。昔(むかし)イスラエルがエジプトの国(くに)から出(で)てきた時(とき)、あなたはイスラエルに彼(かれ)らを侵(おか)すことをゆるされなかったので、イスラエルは彼(かれ)らを離(はな)れて、滅(ほろ)ぼしませんでした。 11彼(かれ)らがわれわれに報(むく)いるところをごらんください。彼(かれ)らは来(き)て、あなたがわれわれに賜(たま)わったあなたの領地(りょうち)からわれわれを追(お)い払(はら)おうとしています。 12われわれの神(かみ)よ、あなたは彼(かれ)らをさばかれないのですか。われわれはこのように攻(せ)めて来(く)る大軍(たいぐん)に当(あた)る力(ちから)がなく、またいかになすべきかを知(し)りません。ただ、あなたを仰(あお)ぎ望(のぞ)むのみです」。

13ユダの人々(ひとびと)はその幼(おさ)な子(こ)、その妻(つま)、および子供(こども)たちと共(とも)に皆(みな)主(しゅ)の前(まえ)に立(た)っていた。 14その時(とき)主(しゅ)の霊(れい)が会衆(かいしゅう)の中(なか)でアサフの子孫(しそん)であるレビびとヤハジエルに臨(のぞ)んだ。ヤハジエルはゼカリヤの子(こ)、ゼカリヤはベナヤの子(こ)、ベナヤはエイエルの子(こ)、エイエルはマッタニヤの子(こ)である。 15ヤハジエルは言(い)った、「ユダの人々(ひとびと)、エルサレムの住民(じゅうみん)、およびヨシャパテ王(おう)よ、聞(き)きなさい。主(しゅ)はあなたがたにこう仰(おお)せられる、『この大軍(たいぐん)のために恐(おそ)れてはならない。おののいてはならない。これはあなたがたの戦(たたか)いではなく、主(しゅ)の戦(たたか)いだからである。 16あす、彼(かれ)らの所(ところ)へ攻(せ)め下(くだ)りなさい。見(み)よ、彼(かれ)らはヂヅの坂(さか)から上(のぼ)って来(く)る。あなたがたはエルエルの野(の)の東(ひがし)、谷(たに)の端(たん)でこれに会(あ)うであろう。 17この戦(たたか)いには、あなたがたは戦(たたか)うに及(およ)ばない。ユダおよびエルサレムよ、あなたがたは進(すす)み出(で)て立(た)ち、あなたがたと共(とも)におられる主(しゅ)の勝利(しょうり)を見(み)なさい。恐(おそ)れてはならない。おののいてはならない。あす、彼(かれ)らの所(ところ)に攻(せ)めて行(い)きなさい。主(しゅ)はあなたがたと共(とも)におられるからである』」。

18ヨシャパテは地(ち)にひれ伏(ふ)した。ユダの人々(ひとびと)およびエルサレムの民(たみ)も主(しゅ)の前(まえ)に伏(ふ)して、主(しゅ)を拝(はい)した。 19その時(とき)コハテびとの子孫(しそん)、およびコラびとの子孫(しそん)であるレビびとが立(た)ち上(あ)がり、大声(おおごえ)をあげてイスラエルの神(かみ)、主(しゅ)をさんびした。

20彼(かれ)らは朝(あさ)早(はや)く起(お)きてテコアの野(の)に出(で)て行(い)った。その出(で)て行(い)くとき、ヨシャパテは立(た)って言(い)った、「ユダの人々(ひとびと)およびエルサレムの民(たみ)よ、わたしに聞(き)きなさい。あなたがたの神(かみ)、主(しゅ)を信(しん)じなさい。そうすればあなたがたは堅(かた)く立(た)つことができる。主(しゅ)の預言者(よげんしゃ)を信(しん)じなさい。そうすればあなたがたは成功(せいこう)するでしょう」。 21彼(かれ)はまた民(たみ)と相談(そうだん)して人々(ひとびと)を任命(にんめい)し、聖(せい)なる飾(かざ)りを着(つ)けて軍勢(ぐんぜい)の前(まえ)に進(すす)ませ、主(しゅ)に向(む)かって歌(うた)をうたい、かつさんびさせ、
「主(しゅ)に感謝(かんしゃ)せよ、
そのいつくしみはとこしえに絶(た)えることがない」
と言(い)わせた。 22そして彼(かれ)らが歌(うた)をうたい、さんびし始(はじ)めた時(とき)、主(しゅ)は伏兵(ふくへい)を設(もう)け、かのユダに攻(せ)めてきたアンモン、モアブ、セイル山(やま)の人々(ひとびと)に向(む)かわせられたので、彼(かれ)らは打(う)ち敗(やぶ)られた。 23すなわちアンモンとモアブの人々(ひとびと)は立(た)ち上(あ)がって、セイル山(やま)の民(たみ)に敵(てき)し、彼(かれ)らを殺(ころ)して全(まった)く滅(ほろ)ぼしたが、セイルの民(たみ)を殺(ころ)し尽(つく)すに及(およ)んで、彼(かれ)らもおのおの互(たがい)に助(たす)けて滅(ほろ)ぼしあった。

24ユダの人々(ひとびと)は野(の)の物見(ものみ)やぐらへ行(い)って、かの群衆(ぐんしゅう)を見(み)たが、地(ち)に倒(たお)れた死体(したい)だけであって、ひとりものがれた者(もの)はなかった。 25それでヨシャパテとその民(たみ)は彼(かれ)らの物(もの)を奪(うば)うために来(き)て見(み)ると、多数(たすう)の家畜(かちく)、財宝(ざいほう)、衣服(いふく)および宝石(ほうせき)などおびただしくあったので、おのおのそれをはぎ取(と)ったが、運(はこ)びきれないほどたくさんで、かすめ取(と)るに三日(か)もかかった。それほど物(もの)が多(おお)かったのである。 26四日(か)目(め)に彼(かれ)らはベラカの谷(たに)に集(あつ)まり、その所(ところ)で主(しゅ)を祝福(しゅくふく)した。それでその所(ところ)の名(な)を今日(こんにち)までベラカの谷(たに)と呼(よ)んでいる。 27そしてユダとエルサレムの人々(ひとびと)は皆(みな)ヨシャパテを先(さき)に立(た)て、喜(よろこ)んでエルサレムに帰(かえ)ってきた。主(しゅ)が彼(かれ)らにその敵(てき)のことによって喜(よろこ)びを与(あた)えられたからである。 28すなわち彼(かれ)らは立琴(たてごと)、琴(こと)およびラッパをもってエルサレムの主(しゅ)の宮(みや)に来(き)た。 29そしてもろもろの国(くに)の民(たみ)は主(しゅ)がイスラエルの敵(てき)と戦(たたか)われたことを聞(き)いて神(かみ)を恐(おそ)れた。 30こうして神(かみ)が四方(しほう)に安息(あんそく)を賜(たま)わったので、ヨシャパテの国(くに)は穏(おだ)やかであった。

31このようにヨシャパテはユダを治(おさ)めた。彼(かれ)は三十五歳(さい)の時(とき)、王(おう)となり、二十五年(ねん)の間(あいだ)エルサレムで世(よ)を治(おさ)めた。彼(かれ)の母(はは)の名(な)はアズバといってシルヒの娘(むすめ)である。 32ヨシャパテは父(ちち)アサの道(みち)を歩(あゆ)んでそれを離(はな)れず、主(しゅ)の目(め)に正(ただ)しいと見(み)られることを行(おこな)った。 33しかし高(たか)き所(ところ)は除(のぞ)かず、また民(たみ)はその先祖(せんぞ)の神(かみ)に心(こころ)を傾(かたむ)けなかった。

34ヨシャパテのその他(た)の始終(しじゅう)の行為(こうい)は、ハナニの子(こ)エヒウの書(しょ)にしるされ、イスラエルの列(れつ)王(おう)の書(しょ)に載(の)せられてある。

35この後(のち)ユダの王(おう)ヨシャパテはイスラエルの王(おう)アハジヤと相(あい)結(むす)んだ。アハジヤは悪(あく)を行(おこな)った。 36ヨシャパテはタルシシへ行(い)く船(ふね)を造(つく)るためにアハジヤと相(あい)結(むす)び、エジオン・ゲベルで一緒(いっしょ)に船(ふね)数隻(すうせき)を造(つく)った。 37その時(とき)マレシャのドダワの子(こ)エリエゼルはヨシャパテに向(む)かって預言(よげん)し、「あなたはアハジヤと相(あい)結(むす)んだので、主(しゅ)はあなたの造(つく)った物(もの)をこわされます」と言(い)ったが、その船(ふね)は難破(なんぱ)して、タルシシへ行(い)くことができなかった。

第二一章

1ヨシャパテは先祖(せんぞ)たちと共(とも)に眠(ねむ)り、先祖(せんぞ)たちと共(とも)にダビデの町(まち)に葬(ほうむ)られ、その子(こ)ヨラムが代(かわ)って王(おう)となった。 2ヨシャパテの子(こ)であるその兄弟(きょうだい)たちはアザリヤ、エヒエル、ゼカリヤ、アザリヤ、ミカエルおよびシパテヤで、皆(みな)ユダの王(おう)ヨシャパテの子(こ)たちであった。 3その父(ちち)は彼(かれ)らに金(きん)、銀(ぎん)、宝物(ほうもつ)の賜物(たまもの)を多(おお)く与(あた)え、またユダの要害(ようがい)の町々(まちまち)を与(あた)えたが、ヨラムは長子(ちょうし)なので、国(くに)はヨラムに与(あた)えた。 4ヨラムはその父(ちち)の位(くらい)に登(のぼ)って強(つよ)くなった時(とき)、その兄弟(きょうだい)たちをことごとくつるぎにかけて殺(ころ)し、またユダのつかさたち数人(すうにん)を殺(ころ)した。 5ヨラムは位(くらい)についた時(とき)三十二歳(さい)で、エルサレムで八年(ねん)の間(あいだ)世(よ)を治(おさ)めた。 6彼(かれ)はアハブの家(いえ)がしたようにイスラエルの王(おう)たちの道(みち)に歩(あゆ)んだ。アハブの娘(むすめ)を妻(つま)としたからである。このように彼(かれ)は主(しゅ)の目(め)の前(まえ)に悪(あく)をおこなったが、 7主(しゅ)はさきにダビデと結(むす)ばれた契約(けいやく)のゆえに、また彼(かれ)とその子孫(しそん)とにながく、ともしびを与(あた)えると約束(やくそく)されたことによって、ダビデの家(いえ)を滅(ほろ)ぼすことを好(この)まれなかった。

8ヨラムの世(よ)にエドムがそむいて、ユダの支配(しはい)を脱(だっ)し、みずから王(おう)を立(た)てたので、 9ヨラムはその将校(しょうこう)たち、およびすべての戦車(せんしゃ)を従(したが)えて渡(わた)って行(い)き、夜(よる)のうちに立(た)ち上(あ)がって、自分(じぶん)を包囲(ほうい)しているエドムびととその戦車(せんしゃ)の隊長(たいちょう)たちを撃(う)った。 10エドムはこのようにそむいてユダの支配(しはい)を脱(だっ)し、今日(こんにち)に至(いた)っている。そのころリブナもまたそむいてユダの支配(しはい)を脱(だっ)した。ヨラムが先祖(せんぞ)たちの神(かみ)、主(しゅ)を捨(す)てたからである。

11彼(かれ)はまたユダの山地(さんち)に高(たか)き所(ところ)を造(つく)って、エルサレムの民(たみ)に姦淫(かんいん)を行(おこな)わせ、ユダを惑(まど)わした。 12その時(とき)預言者(よげんしゃ)エリヤから次(つぎ)のような一通(つう)の手紙(てがみ)がヨラムのもとに来(き)た、「あなたの先祖(せんぞ)ダビデの神(かみ)、主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、『あなたは父(ちち)ヨシャパテの道(みち)に歩(あゆ)まず、またユダの王(おう)アサの道(みち)に歩(あゆ)まないで、 13イスラエルの王(おう)たちの道(みち)に歩(あゆ)み、ユダとエルサレムの民(たみ)に、かのアハブの家(いえ)がイスラエルに姦淫(かんいん)を行(おこな)わせたように、姦淫(かんいん)を行(おこな)わせ、またあなたの父(ちち)の家(いえ)の者(もの)で、あなたにまさっているあなたの兄弟(きょうだい)たちを殺(ころ)したゆえ、 14主(しゅ)は大(おお)いなる災(わざわい)をもってあなたの民(たみ)と子供(こども)と妻(つま)たちと、すべての所有(しょゆう)を撃(う)たれる。 15あなたはまた内臓(ないぞう)の病気(びょうき)にかかって大病(たいびょう)になり、それが日(ひ)に日(ひ)に重(おも)くなって、ついに内臓(ないぞう)が出(で)るようになる』」。

16その時(とき)、主(しゅ)はヨラムに対(たい)してエチオピヤびとの近(ちか)くに住(す)んでいるペリシテびととアラビヤびとの霊(れい)を振(ふ)り起(おこ)されたので、 17彼(かれ)らはユダに攻(せ)め上(のぼ)って、これを侵(おか)し、王(おう)の家(いえ)にある貨(か)財(ざい)をことごとく奪(うば)い去(さ)り、またヨラムの子供(こども)と妻(つま)たちをも奪(うば)い去(さ)ったので、末(すえ)の子(こ)エホアハズのほかには、ひとりも残(のこ)った者(もの)がなかった。

18このもろもろの事(こと)の後(のち)、主(しゅ)は彼(かれ)を撃(う)って内臓(ないぞう)にいえがたい病気(びょうき)を起(おこ)させられた。 19時(とき)がたって、二年(ねん)の終(おわ)りになり、その内臓(ないぞう)が病気(びょうき)のために出(で)て、重(おも)い病苦(びょうく)によって死(し)んだ。民(たみ)は彼(かれ)の先祖(せんぞ)のために香(こう)をたいたように、彼(かれ)のために香(こう)をたかなかった。 20ヨラムはその位(くらい)についた時(とき)三十二歳(さい)で、八年(ねん)の間(あいだ)エルサレムで世(よ)を治(おさ)め、ついに死(し)んだ。ひとりも彼(かれ)を惜(お)しむ者(もの)がなかった。人々(ひとびと)は彼(かれ)をダビデの町(まち)に葬(ほうむ)ったが、王(おう)たちの墓(はか)にではなかった。

第二二章

1エルサレムの民(たみ)はヨラムの末(すえ)の子(こ)アハジヤを彼(かれ)の代(かわ)りに王(おう)とした。かつてアラビヤびとと一緒(いっしょ)に陣営(じんえい)に攻(せ)めてきた一隊(たい)の者(もの)が上(うえ)の子(こ)たちをことごとく殺(ころ)したので、ユダの王(おう)ヨラムの子(こ)アハジヤが王(おう)となったのである。 2アハジヤは王(おう)となった時(とき)四十二歳(さい)で、エルサレムで一年(ねん)の間(あいだ)世(よ)を治(おさ)めた。その母(はは)はオムリの娘(むすめ)で名(な)をアタリヤといった。 3アハジヤもまたアハブの家(いえ)の道(みち)に歩(あゆ)んだ。その母(はは)が彼(かれ)の相談(そうだん)相手(あいて)となって悪(あく)を行(おこな)わせたからである。 4彼(かれ)はまたアハブの家(いえ)がしたように主(しゅ)の目(め)の前(まえ)に悪(あく)を行(おこな)った。すなわちその父(ちち)が死(し)んだ後(のち)、アハブの家(いえ)の者(もの)がその相談役(そうだんやく)となったので、彼(かれ)はついに自分(じぶん)を滅(ほろ)ぼすに至(いた)った。 5アハジヤはまた彼(かれ)らの勧(すす)めに従(したが)って、イスラエルの王(おう)アハブの子(こ)ヨラムと共(とも)にラモテ・ギレアデへ行(い)き、スリヤの王(おう)ハザエルと戦(たたか)ったが、スリヤびとはヨラムに傷(きず)を負(お)わせた。 6そこでヨラムはスリヤの王(おう)ハザエルと戦(たたか)った時(とき)、ラマで負(お)ったその傷(きず)をいやすためにエズレルに帰(かえ)った。ユダの王(おう)ヨラムの子(こ)アハジヤはアハブの子(こ)ヨラムが病気(びょうき)なのでエズレルに下(くだ)ってこれを見舞(みま)った。

7アハジヤがヨラムを見舞(みまい)に行(い)ったことによって滅(ほろ)びに至(いた)ったのは神(かみ)によって定(さだ)められたことである。すなわち彼(かれ)がそこに着(つ)いた時(とき)、ヨラムと一緒(いっしょ)に出(で)て、ニムシの子(こ)エヒウを迎(むか)えた。エヒウは主(しゅ)がアハブの家(いえ)を断(た)ち滅(ほろ)ぼすために油(あぶら)を注(そそ)がれた者(もの)である。 8エヒウはアハブの家(いえ)を罰(ばっ)するにあたって、ユダのつかさたち、およびアハジヤの兄弟(きょうだい)たちの子(こ)らがアハジヤに仕(つか)えているのを見(み)たので、彼(かれ)らをも殺(ころ)した。 9アハジヤはサマリヤに隠(かく)れていたが、エヒウが彼(かれ)を捜(さが)し求(もと)めたので、人々(ひとびと)は彼(かれ)を捕(とら)え、エヒウのもとに引(ひ)いてきて、彼(かれ)を殺(ころ)した。ただし「彼(かれ)は心(こころ)をつくして主(しゅ)を求(もと)めたヨシャパテの子(こ)である」と人々(ひとびと)は言(い)ったのでこれを葬(ほうむ)った。こうしてアハジヤの家(いえ)には国(くに)を統(す)べ治(おさ)めうる者(もの)がなくなった。

10アハジヤの母(はは)アタリヤは自分(じぶん)の子(こ)の死(し)んだのを見(み)て、立(た)ってユダの家(いえ)の王子(おうじ)をことごとく滅(ほろ)ぼしたが、 11王(おう)の娘(むすめ)エホシバはアハジヤの子(こ)ヨアシを王(おう)の子(こ)たちの殺(ころ)される者(もの)のうちから盗(ぬす)み取(と)り、彼(かれ)とそのうばを寝室(しんしつ)においた。こうしてエホシバがヨアシをアタリヤから隠(かく)したので、アタリヤはヨアシを殺(ころ)さなかった。エホシバはヨラム王(おう)の娘(むすめ)、またアハジヤの妹(いもうと)で、祭司(さいし)エホヤダの妻(つま)である。 12こうしてヨアシは神(かみ)の宮(みや)に隠(かく)れて彼(かれ)らと共(とも)におること六年(ねん)、その間(かん)アタリヤが国(くに)を治(おさ)めた。

第二三章

1第(だい)七年(ねん)になって、エホヤダは勇気(ゆうき)をだしてエロハムの子(こ)アザリヤ、ヨハナンの子(こ)イシマエル、オベデの子(こ)アザリヤ、アダヤの子(こ)マアセヤ、ジクリの子(こ)エリシャパテなどの百人(にん)の長(ちょう)たちを招(まね)いて契約(けいやく)を結(むす)ばせた。 2そこで彼(かれ)らはユダを行(い)きめぐって、ユダのすべての町(まち)からレビびとを集(あつ)め、またイスラエルの氏族(しぞく)の長(ちょう)たちを集(あつ)めて、エルサレムに来(き)た。 3そしてその会衆(かいしゅう)は皆(みな)神(かみ)の宮(みや)で王(おう)と契約(けいやく)を結(むす)んだ。その時(とき)エホヤダは彼(かれ)らに言(い)った、「主(しゅ)がダビデの子孫(しそん)のことについて言(い)われたように、王(おう)の子(こ)が位(くらい)につくべきです。 4あなたがたのなすべき事(こと)はこれです。すなわちあなたがた祭司(さいし)およびレビびとの安息日(あんそくにち)にはいって来(く)る者(もの)の、三分(ぶん)の一は門(もん)を守(まも)る者(もの)となり、 5三分(ぶん)の一は王(おう)の家(いえ)におり、三分(ぶん)の一は礎(いしずえ)の門(もん)におり、民(たみ)は皆(みな)、主(しゅ)の宮(みや)の庭(にわ)にいなさい。 6祭司(さいし)と、勤(つと)めをするレビびとのほかは、だれも主(しゅ)の宮(みや)に、はいってはならない。彼(かれ)らは聖(せい)なる者(もの)であるから、はいることができる。民(たみ)は皆(みな)、主(しゅ)の命令(めいれい)を守(まも)らなければならない。 7レビびとはめいめい手(て)に武器(ぶき)をとって王(おう)のまわりに立(た)たなければならない。宮(みや)にはいる者(もの)をすべて殺(ころ)しなさい。あなたがたは王(おう)がはいる時(とき)にも出(で)る時(とき)にも、王(おう)と共(とも)にいなさい」。

8そこでレビびとおよびユダの人々(ひとびと)は、祭司(さいし)エホヤダがすべて命(めい)じたように行(おこな)い、めいめいその組(くみ)の者(もの)で、安息日(あんそくにち)にはいって来(く)るべき者(もの)と、安息日(あんそくにち)に出(で)て行(い)くべき者(もの)を率(ひき)いていた。祭司(さいし)エホヤダが組(くみ)の者(もの)を去(さ)らせなかったからである。 9また祭司(さいし)エホヤダは、神(かみ)の宮(みや)にあるダビデ王(おう)のやりおよび大盾(おおだて)、小盾(こだて)を百人(にん)の長(ちょう)たちに渡(わた)し、 10また王(おう)を守(まも)るために、すべての民(たみ)にめいめい手(て)に武器(ぶき)をとらせ、宮(みや)の南側(みなみがわ)から北側(きたがわ)にわたって、祭壇(さいだん)と宮(みや)に沿(そ)って立(た)たせた。 11こうして王(おう)の子(こ)を連(つ)れ出(だ)して、これに冠(かんむり)をいただかせ、あかしの書(しょ)を渡(わた)して王(おう)となし、エホヤダおよびその子(こ)たちが彼(かれ)に油(あぶら)を注(そそ)いだ。そして「王(おう)万歳(ばんざい)」と言(い)った。

12アタリヤは民(たみ)の走(はし)りながら王(おう)をほめる声(こえ)を聞(き)いたので、主(しゅ)の宮(みや)に入(い)り、民(たみ)の所(ところ)へ行(い)って、 13見(み)ると、王(おう)は入口(いりぐち)で柱(はしら)のかたわらに立(た)ち、王(おう)のかたわらには将軍(しょうぐん)たちとラッパ手(て)が立(た)っており、また国(くに)の民(たみ)は皆(みな)喜(よろこ)んでラッパを吹(ふ)き、歌(うた)をうたう者(もの)は楽器(がっき)をもってさんびしていたので、アタリヤは衣(ころも)を裂(さ)いて「反逆(はんぎゃく)だ、反逆(はんぎゃく)だ」と叫(さけ)んだ。 14その時(とき)エホヤダは軍勢(ぐんぜい)を統率(とうそつ)する百人(にん)の長(ちょう)たちを呼(よ)び出(だ)し、「列(れつ)の間(あいだ)から彼女(かのじょ)を連(つ)れ出(だ)せ、彼女(かのじょ)に従(したが)う者(もの)をつるぎで殺(ころ)せ」と言(い)った。祭司(さいし)が彼女(かのじょ)を主(しゅ)の宮(みや)で殺(ころ)してはならないと言(い)ったからである。 15そこで人々(ひとびと)は彼女(かのじょ)に手(て)をかけ、王(おう)の家(いえ)の馬(うま)の門(もん)の入口(いりぐち)まで連(つ)れて行(い)き、その所(ところ)で彼女(かのじょ)を殺(ころ)した。

16エホヤダは自分(じぶん)とすべての民(たみ)と王(おう)との間(あいだ)に、彼(かれ)らは皆(みな)、主(しゅ)の民(たみ)となるとの契約(けいやく)を結(むす)んだ。 17そこですべての民(たみ)はバアルの家(いえ)に行(い)って、それをこわし、その祭壇(さいだん)とその像(ぞう)とを打(う)ち砕(くだ)き、バアルの祭司(さいし)マッタンを祭壇(さいだん)の前(まえ)で殺(ころ)した。 18エホヤダはまた主(しゅ)の宮(みや)の守衛(しゅえい)を、祭司(さいし)とレビびとの指揮(しき)のもとに置(お)いた。このレビびとは昔(むかし)ダビデがモーセの律法(りっぽう)にしるされているように、喜(よろこ)びと歌(うた)とをもって主(しゅ)に燔祭(はんさい)をささげるために、主(しゅ)の宮(みや)に配置(はいち)したものであって、今(いま)そのダビデの例(れい)にならったものである。 19彼(かれ)はまた主(しゅ)の宮(みや)のもろもろの門(もん)に門衛(もんえい)を置(お)き、汚(けが)れた者(もの)は何(なに)によって汚(けが)れた者(もの)でも、はいらせないようにした。 20こうしてエホヤダは百人(にん)の長(ちょう)たち、貴族(きぞく)たち、民(たみ)のつかさたちおよび国(くに)のすべての民(たみ)を率(ひき)いて、主(しゅ)の宮(みや)から王(おう)を連(つ)れ下(くだ)り、上(うえ)の門(もん)から王(おう)の家(いえ)に進(すす)み、王(おう)を国(くに)の位(くらい)につかせた。 21国(くに)の民(たみ)は皆(みな)喜(よろこ)んだ。町(まち)はアタリヤがつるぎで殺(ころ)された後(のち)、穏(おだ)やかであった。

第二四章

1ヨアシは位(くらい)についた時(とき)七歳(さい)で、エルサレムで四十年(ねん)の間(あいだ)、世(よ)を治(おさ)めた。彼(かれ)の母(はは)はベエルシバから出(で)た者(もの)で名(な)をヂビアといった。 2ヨアシは祭司(さいし)エホヤダの世(よ)にある日(ひ)の間(あいだ)は常(つね)に主(しゅ)の良(よ)しと見(み)られることを行(おこな)った。 3エホヤダは彼(かれ)のためにふたりの妻(つま)をめとり、彼(かれ)に男子(だんし)と女子(じょし)が生(うま)れた。

4この後(のち)ヨアシは主(しゅ)の宮(みや)を修繕(しゅうぜん)しようと志(こころざ)して、 5祭司(さいし)とレビびとを集(あつ)めて言(い)った、「ユダの町々(まちまち)へ行(い)って、あなたがたの神(かみ)の宮(みや)を年々(ねんねん)修繕(しゅうぜん)する資金(しきん)をすべてのイスラエルびとから集(あつ)めなさい。その事(こと)を急(いそ)いでしなさい」。ところがレビびとはこれを急(いそ)いでしなかった。 6それで王(おう)はかしらであるエホヤダを召(め)して言(い)った、「あなたはなぜレビびとに求(もと)めて、主(しゅ)のしもべモーセがあかしの幕屋(まくや)のためにイスラエルの会衆(かいしゅう)に課(か)した税金(ぜいきん)をユダとエルサレムから取(と)り立(た)てさせないのか」。 7かの悪(わる)い女(おんな)アタリヤの子(こ)らが神(かみ)の宮(みや)に侵入(しんにゅう)して主(しゅ)の宮(みや)のもろもろの奉納物(ほうのうぶつ)をとり、バアルのために用(もち)いたからである。

8そこで王(おう)は命(めい)じて一個(こ)の箱(はこ)を造(つく)らせ、これを主(しゅ)の宮(みや)の門(もん)の外(そと)に置(お)き、 9ユダとエルサレムにふれて、神(かみ)のしもべモーセが荒野(あらの)でイスラエルに課(か)した税金(ぜいきん)を主(しゅ)のために持(も)ってこさせた。 10すべてのつかさたちおよびすべての民(たみ)は皆(みな)喜(よろこ)んでその税金(ぜいきん)を持(も)って来(き)て、その箱(はこ)に投(な)げ入(い)れたので、ついに箱(はこ)はいっぱいになった。 11レビびとはその箱(はこ)に金(きん)が多(おお)くあるのを見(み)て、王(おう)の役人(やくにん)の所(ところ)へ持(も)って行(い)くと、王(おう)の書記(しょき)と祭司(さいし)長(ちょう)の下役(したやく)とが来(き)て、その箱(はこ)を傾(かたむ)け、これを取(と)ってもとの所(ところ)に返(かえ)した。彼(かれ)らは日々(ひび)このようにして金(きん)をおびただしく集(あつ)めた。 12王(おう)とエホヤダはこれを主(しゅ)の宮(みや)の工事(こうじ)をなす者(もの)に渡(わた)し、石工(いしく)および木工(もっこう)を雇(やと)って、主(しゅ)の宮(みや)を修繕(しゅうぜん)させ、また鉄工(てっこう)および青銅(せいどう)工(こう)を雇(やと)って、主(しゅ)の宮(みや)を修復(しゅうふく)させた。 13工人(こうじん)たちは働(はたら)いたので、修復(しゅうふく)の工事(こうじ)は彼(かれ)らの手(て)によってはかどり、神(かみ)の宮(みや)を、もとの状態(じょうたい)に復(ふく)し、これを堅固(けんご)にした。 14それをなし終(おわ)ったとき、余(あま)った金(きん)を王(おう)とエホヤダの前(まえ)に持(も)って来(き)たので、それをもって主(しゅ)の宮(みや)のために器物(うつわもの)を造(つく)った。すなわち勤(つと)めの器(うつわ)、燔祭(はんさい)の器(うつわ)、香(こう)の皿(さら)、および金銀(きんぎん)の器(うつわ)を造(つく)った。エホヤダの世(よ)にある日(ひ)の間(あいだ)は、絶(た)えず主(しゅ)の宮(みや)で燔祭(はんさい)をささげた。

15しかしエホヤダは年老(としお)い、日(ひ)が満(み)ちて死(し)んだ。その死(し)んだ時(とき)は百三十歳(さい)であった。 16人々(ひとびと)は彼(かれ)をダビデの町(まち)で王(おう)たちの中(なか)に葬(ほうむ)った。彼(かれ)はイスラエルにおいて神(かみ)とその宮(みや)とに良(よ)い事(こと)を行(おこな)ったからである。

17エホヤダの死(し)んだ後(のち)、ユダのつかさたちが来(き)て、うやうやしく王(おう)に敬意(けいい)を表(あらわ)した。王(おう)は彼(かれ)らに聞(き)き従(したが)った。 18彼(かれ)らはその先祖(せんぞ)の神(かみ)、主(しゅ)の宮(みや)を捨(す)てて、アシラ像(ぞう)および偶像(ぐうぞう)に仕(つか)えたので、そのとがのために、怒(いか)りがユダとエルサレムに臨(のぞ)んだ。 19主(しゅ)は彼(かれ)らをご自分(じぶん)に引(ひ)き返(かえ)そうとして、預言者(よげんしゃ)たちをつかわし、彼(かれ)らにむかってあかしをさせられたが、耳(みみ)を傾(かたむ)けなかった。

20そこで神(かみ)の霊(れい)が祭司(さいし)エホヤダの子(こ)ゼカリヤに臨(のぞ)んだので、彼(かれ)は民(たみ)の前(まえ)に立(た)ち上(あ)がって言(い)った、「神(かみ)はこう仰(おお)せられる、『あなたがたが主(しゅ)の戒(いまし)めを犯(おか)して、災(わざわい)を招(まね)くのはどういうわけであるか。あなたがたが主(しゅ)を捨(す)てたために、主(しゅ)もあなたがたを捨(す)てられたのである』」。 21しかし人々(ひとびと)は彼(かれ)を害(がい)しようと計(はか)り、王(おう)の命(いのち)によって、石(いし)をもって彼(かれ)を主(しゅ)の宮(みや)の庭(にわ)で撃(う)ち殺(ころ)した。 22このようにヨアシ王(おう)はゼカリヤの父(ちち)エホヤダが自分(じぶん)に施(ほどこ)した恵(めぐ)みを思(おも)わず、その子(こ)を殺(ころ)した。ゼカリヤは死(し)ぬ時(とき)、「どうぞ主(しゅ)がこれをみそなわして罰(ばっ)せられるように」と言(い)った。

23年(ねん)の終(おわ)りになって、スリヤの軍勢(ぐんぜい)はヨアシにむかって攻(せ)め上(のぼ)り、ユダとエルサレムに来(き)て、民(たみ)のつかさたちをことごとく民(たみ)のうちから滅(ほろ)ぼし、そのぶんどり物(もの)を皆(みな)ダマスコの王(おう)に送(おく)った。 24この時(とき)スリヤの軍勢(ぐんぜい)は少数(しょうすう)で来(き)たのであるが、主(しゅ)は大軍(たいぐん)を彼(かれ)らの手(て)に渡(わた)された。これは彼(かれ)らがその先祖(せんぞ)の神(かみ)、主(しゅ)を捨(す)てたためである。このように彼(かれ)らはヨアシを罰(ばっ)した。

25スリヤ軍(ぐん)はヨアシに大(だい)傷(きず)を負(お)わせて捨(す)て去(さ)ったが、ヨアシの家来(けらい)たちは祭司(さいし)エホヤダの子(こ)の血(ち)のために、党(とう)を結(むす)んで彼(かれ)にそむき、彼(かれ)を床(とこ)の上(うえ)に殺(ころ)して、死(し)なせた。人々(ひとびと)は彼(かれ)をダビデの町(まち)に葬(ほうむ)ったが、王(おう)の墓(はか)には葬(ほうむ)らなかった。 26党(とう)を結(むす)んで彼(かれ)にそむいた者(もの)は、アンモンの女(おんな)シメアテの子(こ)ザバデおよびモアブの女(おんな)シムリテの子(こ)ヨザバデであった。 27ヨアシの子(こ)らのこと、ヨアシに対(たい)する多(おお)くの預言(よげん)および神(かみ)の宮(みや)の修理(しゅうり)の事(こと)などは、列(れつ)王(おう)の書(しょ)の注釈(ちゅうしゃく)にしるされている。ヨアシの子(こ)アマジヤが彼(かれ)に代(かわ)って王(おう)となった。

第二五章

1アマジヤは王(おう)となった時(とき)二十五歳(さい)で、二十九年(ねん)の間(あいだ)エルサレムで世(よ)を治(おさ)めた。その母(はは)はエルサレムの者(もの)で、名(な)をエホアダンといった。 2アマジヤは主(しゅ)の良(よ)しと見(み)られることを行(おこな)ったが、全(まった)き心(こころ)をもってではなかった。 3彼(かれ)は、国(くに)が彼(かれ)の手(て)のうちに強(つよ)くなったとき、父(ちち)ヨアシ王(おう)を殺害(さつがい)した家来(けらい)たちを殺(ころ)した。 4しかしその子(こ)供(とも)たちは殺(ころ)さなかった。これはモーセの律法(りっぽう)の書(しょ)にしるされている所(ところ)に従(したが)ったのであって、そこに主(しゅ)は命(めい)じて、「父(ちち)は子(こ)のゆえに殺(ころ)されるべきではない。子(こ)は父(ちち)のゆえに殺(ころ)されるべきではない。おのおの自分(じぶん)の罪(つみ)のゆえに殺(ころ)されるべきである」と言(い)われている。

5アマジヤはユダの人々(ひとびと)を集(あつ)め、その氏族(しぞく)に従(したが)って、千人(にん)の長(ちょう)に付属(ふぞく)させ、または百人(にん)の長(ちょう)に付属(ふぞく)させた。ユダとベニヤミンのすべてに行(い)った。そして二十歳(さい)以上(いじょう)の者(もの)を数(かぞ)えたところ、やりと盾(たて)をとって戦(たたか)いに臨(のぞ)みうる精兵(せいへい)三十万人(にん)を得(え)た。 6彼(かれ)はまた銀(ぎん)百タラントをもってイスラエルから大(だい)勇士(ゆうし)十万人(にん)を雇(やと)った。 7その時(とき)、神(かみ)の人(ひと)が彼(かれ)の所(ところ)に来(き)て言(い)った、「王(おう)よ、イスラエルの軍勢(ぐんぜい)をあなたと共(とも)に行(い)かせてはいけません。主(しゅ)はイスラエルびと、すなわちエフライムのすべての人々(ひとびと)とは共(とも)におられないからです。 8もしあなたがこのような方法(ほうほう)で戦(たたか)いに強(つよ)くなろうと思(おも)うならば、神(かみ)はあなたを敵(てき)の前(まえ)に倒(たお)されるでしょう。神(かみ)には助(たす)ける力(ちから)があり、また倒(たお)す力(ちから)があるからです」。 9アマジヤは神(かみ)の人(ひと)に言(い)った、「それではわたしがイスラエルの軍隊(ぐんたい)に与(あた)えた百タラントをどうしましょうか」。神(かみ)の人(ひと)は答(こた)えた、「主(しゅ)はそれよりも多(おお)いものをあなたにお与(あた)えになることができます」。 10そこでアマジヤはエフライムから来(き)て自分(じぶん)に加(くわ)わった軍隊(ぐんたい)を分離(ぶんり)して帰(かえ)らせたので、彼(かれ)らはユダに対(たい)して激(はげ)しい怒(いか)りを発(はっ)し、火(ひ)のように怒(いか)って自分(じぶん)の所(ところ)に帰(かえ)った。 11しかしアマジヤは勇気(ゆうき)を出(だ)し、その民(たみ)を率(ひき)いて塩(しお)の谷(たに)へ行(い)き、セイルびと一万人(にん)を撃(う)ち殺(ころ)した。 12またユダの人々(ひとびと)はこのほかに一万人(にん)をいけどり、岩(いわ)の頂(いただき)に引(ひ)いて行(い)って岩(いわ)の頂(いただき)から彼(かれ)らを投(な)げ落(おと)したので、皆(みな)こなごなに砕(くだ)けた。 13ところがアマジヤが自分(じぶん)と共(とも)に戦(たたか)いに行(い)かせないで帰(き)してやった兵卒(へいそつ)らが、サマリヤからベテホロンまでの、ユダの町々(まちまち)を襲(おそ)って三千人(にん)を殺(ころ)し、多(おお)くの物(もの)を奪(うば)い取(と)った。

14アマジヤはエドムびとを殺(ころ)して帰(かえ)った時(とき)、セイルびとの神々(かみがみ)を携(たずさ)えてきて、これを安置(あんち)して自分(じぶん)の神(かみ)とし、これを礼拝(れいはい)し、これにささげ物(もの)をなした。 15それゆえ、主(しゅ)はアマジヤに向(む)かって怒(いか)りを発(はっ)し、預言者(よげんしゃ)を彼(かれ)につかわして言(い)わせられた、「かの民(たみ)の神々(かみがみ)は自分(じぶん)の民(たみ)をあなたの手(て)から救(すく)うことができなかったのに、あなたはどうしてそれを求(もと)めたのか」。 16彼(かれ)がこう王(おう)に語(かた)ると、王(おう)は彼(かれ)に、「われわれはあなたを王(おう)の顧問(こもん)にしたのですか。やめなさい。あなたはどうして殺(ころ)されようとするのですか」と言(い)ったので、預言者(よげんしゃ)はやめて言(い)った、「あなたはこの事(こと)を行(い)って、わたしのいさめを聞(き)きいれないゆえ、神(かみ)はあなたを滅(ほろ)ぼそうと定(さだ)められたことをわたしは知(し)っています」。

17そこでユダの王(おう)アマジヤは協議(きょうぎ)の結果(けっか)、人(ひと)をエヒウの子(こ)エホアハズの子(こ)であるイスラエルの王(おう)ヨアシにつかわし、「さあ、われわれは互(たがい)に顔(かお)をあわせよう」と言(い)わせたところ、 18イスラエルの王(おう)ヨアシはユダの王(おう)アマジヤに言(い)い送(おく)った、「レバノンのいばらが、かつてレバノンの香柏(こうはく)に、『あなたの娘(むすめ)をわたしのむすこの妻(つま)に与(あた)えよ』と言(い)い送(おく)ったところが、レバノンの野獣(やじゅう)が通(とお)りかかって、そのいばらを踏(ふ)み倒(たお)した。 19あなたは『見(み)よ、わたしはエドムを撃(う)ち破(やぶ)った』と言(い)って心(こころ)に誇(ほこ)り高(たか)ぶっている。しかしあなたは自分(じぶん)の家(いえ)にとどまっていなさい。どうしてあなたは災(わざわい)を引(ひ)き起(おこ)して、自分(じぶん)もユダも共(とも)に滅(ほろ)びようとするのか」。

20しかしアマジヤは聞(き)きいれなかった。これは神(かみ)から出(で)たのであって、彼(かれ)らがエドムの神々(かみがみ)を求(もと)めたので神(かみ)は彼(かれ)らを敵(てき)の手(て)に渡(わた)されるためである。 21そこでイスラエルの王(おう)ヨアシは上(のぼ)って来(き)て、ユダのベテシメシでユダの王(おう)アマジヤと顔(かお)を合(あ)わせたが、 22ユダはイスラエルに撃(う)ち破(やぶ)られ、おのおのその天幕(てんまく)に逃(に)げ帰(かえ)った。 23その時(とき)イスラエルの王(おう)ヨアシはエホアハズの子(こ)ヨアシの子(こ)であるユダの王(おう)アマジヤをベテシメシで捕(とら)えて、エルサレムに引(ひ)いて行(い)き、エルサレムの城壁(じょうへき)をエフライム門(もん)から、隅(すみ)の門(もん)まで四百キュビトほどをこわし、 24また神(かみ)の宮(みや)のうちで、オベデエドムが守(まも)っていたすべての金銀(きんぎん)およびもろもろの器物(うつわもの)ならびに王(おう)の家(いえ)の財宝(ざいほう)を奪(うば)い、また人質(ひとじち)をとって、サマリヤに帰(かえ)った。

25ユダの王(おう)ヨアシの子(こ)アマジヤはイスラエルの王(おう)エホアハズの子(こ)ヨアシが死(し)んで後(のち)なお十五年(ねん)生(い)きながらえた。 26アマジヤのその他(た)の始終(しじゅう)の行為(こうい)は、ユダとイスラエルの列(れつ)王(おう)の書(しょ)にしるされているではないか。 27アマジヤがそむいて、主(しゅ)に従(したが)わなくなった時(とき)から、人々(ひとびと)はエルサレムにおいて党(とう)を結(むす)び、彼(かれ)に敵(てき)したので、彼(かれ)はラキシに逃(に)げて行(い)ったが、その人々(ひとびと)はラキシに人(ひと)をやって、彼(かれ)をその所(ところ)で殺(ころ)させた。 28人々(ひとびと)はこれを馬(うま)に負(お)わせて持(も)ってきて、ユダの町(まち)でその先祖(せんぞ)たちと共(とも)にこれを葬(ほうむ)った。

第二六章

1そこでユダの民(たみ)は皆(みな)ウジヤをとって王(おう)となし、その父(ちち)アマジヤに代(かわ)らせた。時(とき)に十六歳(さい)であった。 2彼(かれ)はエラテを建(た)てて、これをふたたびユダのものにした。これはかの王(おう)がその先祖(せんぞ)たちと共(とも)に眠(ねむ)った後(のち)であった。 3ウジヤは王(おう)となった時(とき)十六歳(さい)で、エルサレムで五十二年(ねん)の間(あいだ)世(よ)を治(おさ)めた。その母(はは)はエルサレムの者(もの)で名(な)をエコリヤといった。 4ウジヤは父(ちち)アマジヤがしたように、すべて主(しゅ)の良(よ)しと見(み)られることを行(おこな)った。 5彼(かれ)は神(かみ)を恐(おそ)れることを自分(じぶん)に教(おし)えたゼカリヤの世(よ)にある日(ひ)の間(あいだ)、神(かみ)を求(もと)めることに努(つと)めた。彼(かれ)が主(しゅ)を求(もと)めた間(あいだ)、神(かみ)は彼(かれ)を栄(さか)えさせられた。

6彼(かれ)は出(で)てペリシテびとと戦(たたか)い、ガテの城壁(じょうへき)、ヤブネの城壁(じょうへき)およびアシドドの城壁(じょうへき)をくずし、アシドドの地(ち)とペリシテびとのなかに町(まち)を建(た)てた。 7神(かみ)は彼(かれ)を助(たす)けてペリシテびとと、グルバアルに住(す)むアラビヤびとおよびメウニびとを攻(せ)め撃(う)たせられた。 8アンモンびとはウジヤにみつぎを納(おさ)めた。ウジヤは非常(ひじょう)に強(つよ)くなったので、その名(な)はエジプトの入口(いりぐち)までも広(ひろ)まった。 9ウジヤはまたエルサレムの隅(すみ)の門(もん)、谷(たに)の門(もん)および城壁(じょうへき)の曲(まが)りかどにやぐらを建(た)てて、これを堅固(けんご)にした。 10彼(かれ)はまた荒野(あらの)にやぐらを建(た)て、また多(おお)くの水(みず)ためを掘(ほ)った。彼(かれ)は平野(へいや)にも平地(へいち)にもたくさんの家畜(かちく)をもっていたからである。彼(かれ)はまた農事(のうじ)を好(この)んだので、山々(やまやま)および肥(こ)えた畑(はたけ)には農夫(のうふ)とぶどうをつくる者(もの)をもっていた。 11ウジヤはまたよく戦(たたか)う一軍団(ぐんだん)を持(も)っていた。彼(かれ)らは書記(しょき)エイエルと、つかさマアセヤによって調(しら)べた数(かず)に従(したが)って組々(くみぐみ)に分(わか)れ、皆(みな)王(おう)の軍(ぐん)長(ちょう)のひとりハナニヤの指揮(しき)下(した)にあった。 12その氏族(しぞく)の長(ちょう)である大(だい)勇士(ゆうし)の数(かず)は合(あ)わせて二千六百人(にん)であった。 13その指揮(しき)下(した)にある軍勢(ぐんぜい)は三十万七千五百人(にん)で、皆(みな)大(おお)いなる力(ちから)をもって戦(たたか)い、王(おう)を助(たす)けて敵(てき)に当(あた)った。 14ウジヤはその全(ぜん)軍(ぐん)のために盾(たて)、やり、かぶと、よろい、弓(ゆみ)および石(いし)投(な)げの石(いし)を備(そな)えた。 15彼(かれ)はまたエルサレムで技術(ぎじゅつ)者(もの)の考案(こうあん)した機械(きかい)を造(つく)って、これをやぐらおよび城壁(じょうへき)のすみずみにすえ、これをもって矢(や)および大石(おおいし)を射出(しゃしゅつ)した。こうして彼(かれ)の名声(めいせい)は遠(とお)くまで広(ひろ)まった。彼(かれ)が驚(おどろ)くほど神(かみ)の助(たす)けを得(え)て強(つよ)くなったからである。

16ところが彼(かれ)は強(つよ)くなるに及(およ)んで、その心(こころ)に高(たか)ぶり、ついに自分(じぶん)を滅(ほろ)ぼすに至(いた)った。すなわち彼(かれ)はその神(かみ)、主(しゅ)にむかって罪(つみ)を犯(おか)し、主(しゅ)の宮(みや)にはいって香(こう)の祭壇(さいだん)の上(うえ)に香(こう)をたこうとした。 17その時(とき)、祭司(さいし)アザリヤは主(しゅ)の祭司(さいし)である勇士(ゆうし)八十人(にん)を率(ひき)いて、彼(かれ)のあとに従(したが)ってはいり、 18ウジヤ王(おう)を引(ひ)き止(と)めて言(い)った、「ウジヤよ、主(しゅ)に香(こう)をたくことはあなたのなすべきことではなく、ただアロンの子孫(しそん)で、香(こう)をたくために清(きよ)められた祭司(さいし)たちのすることです。すぐ聖所(せいじょ)から出(で)なさい。あなたは罪(つみ)を犯(おか)しました。あなたは主(しゅ)なる神(かみ)から栄(さか)えを得(え)ることはできません」。 19するとウジヤは怒(いか)りを発(はっ)し、香炉(こうろ)を手(て)にとって香(こう)をたこうとしたが、彼(かれ)が祭司(さいし)に向(む)かって怒(いか)りを発(はっ)している間(あいだ)に、らい病(びょう)がその額(ひたい)に起(た)った。時(とき)に彼(かれ)は主(しゅ)の宮(みや)で祭司(さいし)たちの前(まえ)、香(こう)の祭壇(さいだん)のかたわらにいた。 20祭司(さいし)の長(ちょう)アザリヤおよびすべての祭司(さいし)たちが彼(かれ)を見(み)ると、彼(かれ)の額(ひたい)にらい病(びょう)が生(しょう)じていたので、急(いそ)いで彼(かれ)をそこから追(お)い出(だ)した。彼(かれ)自身(じしん)もまた主(しゅ)に撃(う)たれたことを知(し)って、急(いそ)いで出(で)て行(い)った。 21ウジヤ王(おう)は、死(し)ぬ日(ひ)までらい病人(びょうにん)であった。彼(かれ)はらい病人(びょうにん)であったので、離(はな)れ殿(どの)に住(す)んだ。主(しゅ)の宮(みや)から断(た)たれたからである。その子(こ)ヨタムが王(おう)の家(いえ)をつかさどり、国(くに)の民(たみ)を治(おさ)めた。 22ウジヤのその他(た)の始終(しじゅう)の行為(こうい)は、アモツの子(こ)預言者(よげんしゃ)イザヤがこれを書(か)きしるした。 23ウジヤは先祖(せんぞ)たちと共(とも)に眠(ねむ)ったので、人々(ひとびと)は「彼(かれ)はらい病人(びょうにん)である」と言(い)って、王(おう)たちの墓(はか)に連(つら)なる墓地(ぼち)に、その先祖(せんぞ)たちと共(とも)に葬(ほうむ)った。その子(こ)ヨタムが彼(かれ)に代(かわ)って王(おう)となった。

第二七章

1ヨタムは王(おう)となった時(とき)二十五歳(さい)で、十六年(ねん)の間(あいだ)エルサレムで世(よ)を治(おさ)めた。その母(はは)はザドクの娘(むすめ)で名(な)をエルシャといった。 2ヨタムはその父(ちち)ウジヤがしたように主(しゅ)の良(よ)しと見(み)られることをした。しかし主(しゅ)の宮(みや)には、はいらなかった。民(たみ)はなお悪(あく)を行(おこな)った。 3彼(かれ)は主(しゅ)の宮(みや)の上(うえ)の門(もん)を建(た)て、オペルの石(いし)がきを多(おお)く築(きず)き増(ま)し、 4またユダの山地(さんち)に数個(すうこ)の町(まち)を建(た)て、林(はやし)の間(あいだ)に城(しろ)とやぐらを築(きず)いた。 5彼(かれ)はアンモンびとの王(おう)と戦(たたか)ってこれに勝(か)った。その年(ねん)アンモンの人々(ひとびと)は銀(ぎん)百タラント、小麦(こむぎ)一万コル、大麦(おおむぎ)一万コルを彼(かれ)に贈(おく)った。アンモンの人々(ひとびと)は第(だい)二年(ねん)にも第(だい)三年(ねん)にも同(おな)じように彼(かれ)に納(おさ)めた。 6ヨタムはその神(かみ)、主(しゅ)の前(まえ)にその行(おこな)いを堅(かた)くしたので力(ちから)ある者(もの)となった。 7ヨタムのその他(た)の行為(こうい)、そのすべての戦(たたか)いおよびその行(おこな)いなどは、イスラエルとユダの列(れつ)王(おう)の書(しょ)にしるされている。 8彼(かれ)は王(おう)となった時(とき)、二十五歳(さい)で、十六年(ねん)の間(あいだ)エルサレムで世(よ)を治(おさ)めた。 9ヨタムはその先祖(せんぞ)と共(とも)に眠(ねむ)ったので、ダビデの町(まち)に葬(ほうむ)られ、その子(こ)アハズが彼(かれ)に代(かわ)って王(おう)となった。

第二八章

1アハズは王(おう)となった時(とき)二十歳(さい)で、十六年(ねん)の間(あいだ)エルサレムで世(よ)を治(おさ)めたが、その父(ちち)ダビデとは違(ちが)って、主(しゅ)の良(よ)しと見(み)られることを行(おこな)わず、 2イスラエルの王(おう)たちの道(みち)に歩(あゆ)み、またもろもろのバアルのために鋳(い)た像(ぞう)を造(つく)り、 3ベンヒンノムの谷(たに)で香(こう)をたき、その子(こ)らを火(ひ)に焼(や)いて供(そな)え物(もの)とするなど、主(しゅ)がイスラエルの人々(ひとびと)の前(まえ)から追(お)い払(はら)われた異邦人(いほうじん)の憎(にく)むべき行(おこな)いにならい、 4また高(たか)き所(ところ)の上(うえ)、丘(おか)の上(うえ)、すべての青(あお)木(き)の下(した)で犠牲(ぎせい)をささげ、香(こう)をたいた。

5それゆえ、その神(かみ)、主(しゅ)は彼(かれ)をスリヤの王(おう)の手(て)に渡(わた)されたので、スリヤびとは彼(かれ)を撃(う)ち破(やぶ)り、その民(たみ)を多(おお)く捕虜(ほりょ)として、ダマスコに引(ひ)いて行(い)った。彼(かれ)はまたイスラエルの王(おう)の手(て)にも渡(わた)されたので、イスラエルの王(おう)も彼(かれ)を撃(う)ち破(やぶ)って大(おお)いに殺(ころ)した。 6すなわちレマリヤの子(こ)ペカはユダで一日(にち)のうちに十二万人(にん)を殺(ころ)した。皆(みな)勇士(ゆうし)であった。これは彼(かれ)らがその先祖(せんぞ)の神(かみ)、主(しゅ)を捨(す)てたためである。 7その時(とき)、エフライムの勇士(ゆうし)ジクリという者(もの)が王(おう)の子(こ)マアセヤ、宮内(くない)大臣(だいじん)アズリカムおよび王(おう)に次(つ)ぐ人(ひと)エルカナを殺(ころ)した。

8イスラエルの人々(ひとびと)はついにその兄弟(きょうだい)のうちから婦人(ふじん)ならびに男子(だんし)、女子(じょし)など二十万人(にん)を捕虜(ほりょ)にし、また多(おお)くのぶんどり物(もの)をとり、そのぶんどり物(もの)をサマリヤに持(も)って行(い)った。 9その時(とき)そこに名(な)をオデデという主(しゅ)の預言者(よげんしゃ)があって、サマリヤに帰(かえ)って来(き)た軍勢(ぐんぜい)の前(まえ)に進(すす)み出(で)て言(い)った、「見(み)よ、あなたがたの先祖(せんぞ)の神(かみ)、主(しゅ)はユダを怒(いか)って、これをあなたがたの手(て)に渡(わた)されたが、あなたがたは天(てん)に達(たっ)するほどの怒(いか)りをもってこれを殺(ころ)した。 10そればかりでなく、あなたがたは今(いま)、ユダとエルサレムの人々(ひとびと)を従(したが)わせて、自分(じぶん)の男女(だんじょ)の奴隷(どれい)にしようと思(おも)っている。しかしあなたがた自身(じしん)もまた、あなたがたの神(かみ)、主(しゅ)に罪(つみ)を犯(おか)しているではないか。 11いまわたしに聞(き)き、あなたがたがその兄弟(きょうだい)のうちから捕(とら)えて来(き)た捕虜(ほりょ)を放(はな)ち帰(かえ)らせなさい。主(しゅ)の激(はげ)しい怒(いか)りがあなたがたの上(うえ)に臨(のぞ)んでいるからです」。 12そこでエフライムびとのおもなる人々(ひとびと)、すなわちヨハナンの子(こ)アザリヤ、メシレモテの子(こ)ベレキヤ、シャルムの子(こ)ヒゼキヤ、ハデライの子(こ)アマサらもまた、戦争(せんそう)から帰(かえ)った者(もの)どもに向(む)かって立(た)ちあがり、 13彼(かれ)らに言(い)った、「捕虜(ほりょ)をここに引(ひ)き入(い)れてはならない。あなたがたはわたしどもに主(しゅ)に対(たい)するとがを得(え)させて、さらにわれわれの罪(つみ)とがを増(ま)し加(くわ)えようとしている。われわれのとがは大(おお)きく、激(はげ)しい怒(いか)りがイスラエルの上(うえ)に臨(のぞ)んでいるからです」。 14そこで兵卒(へいそつ)どもがその捕虜(ほりょ)とぶんどり物(もの)をつかさたちと全(ぜん)会衆(かいしゅう)の前(まえ)に捨(す)てておいたので、 15前(まえ)に名(な)をあげた人々(ひとびと)が立(た)って捕虜(ほりょ)を受(う)け取(と)り、ぶんどり物(もの)のうちから衣服(いふく)をとって、裸(はだか)の者(もの)に着(き)せ、また、くつをはかせ、食(く)い飲(の)みさせ、油(あぶら)を注(そそ)ぎなどし、その弱(よわ)い者(もの)を皆(みな)ろばに乗(の)せ、こうして彼(かれ)らをしゅろの町(まち)エリコに連(つ)れて行(い)って、その兄弟(きょうだい)たちに渡(わた)し、そしてサマリヤに帰(かえ)って来(き)た。

16その時(とき)アハズ王(おう)は人(ひと)をアッスリヤの王(おう)につかわして助(たす)けを求(もと)めさせた。 17エドムびとが再(ふたた)び侵入(しんにゅう)してユダを撃(う)ち、民(たみ)を捕(とら)え去(さ)ったからである。 18ペリシテびともまた平野(へいや)の町々(まちまち)およびユダのネゲブの町々(まちまち)を侵(おか)して、ベテシメシ、アヤロン、ゲデロテおよびソコとその村里(むらざと)、テムナとその村里(むらざと)、ギムゾとその村里(むらざと)を取(と)って、そこに住(す)んだ。 19これはイスラエルの王(おう)アハズのゆえに、主(しゅ)がユダを低(ひく)くされたのであって、彼(かれ)がユダのうちにみだらなことを行(おこな)い、主(しゅ)に向(む)かって大(おお)いに罪(つみ)を犯(おか)したからである。 20アッスリヤの王(おう)テルガデ・ピルネセルは彼(かれ)の所(ところ)に来(き)たが、彼(かれ)に力(ちから)を添(そ)えないで、かえって彼(かれ)を悩(なや)ました。 21アハズは主(しゅ)の宮(みや)と王(おう)の家(いえ)、およびつかさたちの家(いえ)の物(もの)を取(と)ってアッスリヤの王(おう)に与(あた)えたが、それはアハズの助(たす)けにはならなかった。

22このアハズ王(おう)はその悩(なや)みの時(とき)にあたって、ますます主(しゅ)に罪(つみ)を犯(おか)した。 23すなわち、彼(かれ)は自分(じぶん)を撃(う)ったダマスコの神々(かみがみ)に、犠牲(ぎせい)をささげて言(い)った、「スリヤの王(おう)たちの神々(かみがみ)はその王(おう)たちを助(たす)けるから、わたしもそれに犠牲(ぎせい)をささげよう。そうすれば彼(かれ)らはわたしを助(たす)けるであろう」と。しかし、彼(かれ)らはかえってアハズとイスラエル全国(ぜんこく)とを倒(たお)す者(もの)となった。 24アハズは神(かみ)の宮(みや)の器物(うつわもの)を集(あつ)めて、神(かみ)の宮(みや)の器物(うつわもの)を切(き)り破(やぶ)り、主(しゅ)の宮(みや)の戸(と)を閉(と)じ、エルサレムのすべてのすみずみに祭壇(さいだん)を造(つく)り、 25ユダのすべての町々(まちまち)に高(たか)き所(ところ)を造(つく)って、他(た)の神々(かみがみ)に香(こう)をたきなどして、先祖(せんぞ)の神(かみ)、主(しゅ)の怒(いか)りを引(ひ)き起(おこ)した。 26アハズのその他(た)の始終(しじゅう)の行為(こうい)およびそのすべての行動(こうどう)は、ユダとイスラエルの列(れつ)王(おう)の書(しょ)にしるされている。 27アハズはその先祖(せんぞ)たちと共(とも)に眠(ねむ)ったので、エルサレムの町(まち)にこれを葬(ほうむ)った。しかし、イスラエルの王(おう)たちの墓(はか)には持(も)って行(い)かなかった。その子(こ)ヒゼキヤが彼(かれ)に代(かわ)って王(おう)となった。

第二九章

1ヒゼキヤは王(おう)となった時(とき)二十五歳(さい)で、二十九年(ねん)の間(あいだ)エルサレムで世(よ)を治(おさ)めた。その母(はは)はアビヤと言(い)って、ゼカリヤの娘(むすめ)である。 2ヒゼキヤは父(ちち)ダビデがすべてなしたように主(しゅ)の良(よ)しと見(み)られることをした。

3彼(かれ)はその治世(ちせい)の第(だい)一年(ねん)の一月(がつ)に主(しゅ)の宮(みや)の戸(と)を開(ひら)き、かつこれを繕(つくろ)った。 4彼(かれ)は祭司(さいし)とレビびとを連(つ)れていって、東(ひがし)の広場(ひろば)に集(あつ)め、 5彼(かれ)らに言(い)った、「レビびとよ、聞(き)きなさい。あなたがたは今(いま)、身(み)を清(きよ)めて、あなたがたの先祖(せんぞ)の神(かみ)、主(しゅ)の宮(みや)を清(きよ)め、聖所(せいじょ)から汚(けが)れを除(のぞ)き去(さ)りなさい。 6われわれの先祖(せんぞ)は罪(つみ)を犯(おか)し、われわれの神(かみ)、主(しゅ)の悪(あく)と見(み)られることを行(い)って、主(しゅ)を捨(す)て、主(しゅ)のすまいに顔(かお)をそむけ、うしろを向(む)けた。 7また廊(ろう)の戸(と)を閉(と)じ、ともしびを消(け)し、聖所(せいじょ)でイスラエルの神(かみ)に香(こう)をたかず、燔祭(はんさい)をささげなかった。 8それゆえ、主(しゅ)の怒(いか)りはユダとエルサレムに臨(のぞ)み、あなたがたが目(め)に見(み)るように、主(しゅ)は彼(かれ)らを恐(おそ)れと驚(おどろ)きと物笑(ものわら)いにされた。 9見(み)よ、われわれの父(ちち)たちはつるぎにたおれ、われわれのむすこたち、むすめたち、妻(つま)たちはこれがために捕虜(ほりょ)となった。 10今(いま)わたしは、イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)と契約(けいやく)を結(むす)ぶ志(こころざし)をもっている。そうすればその激(はげ)しい怒(いか)りは、われわれを離(はな)れるであろう。 11わが子(こ)らよ、今(いま)は怠(おこた)ってはならない。主(しゅ)はあなたがたを選(えら)んで、主(しゅ)の前(まえ)に立(た)って仕(つか)えさせ、ご自分(じぶん)に仕(つか)える者(もの)となし、また香(こう)をたく者(もの)とされたからである」。 12そこでレビびとは立(た)ち上(あ)がった。すなわちコハテびとの子孫(しそん)のうちでは、アマサイの子(こ)マハテおよびアザリヤの子(こ)ヨエル。メラリの子孫(しそん)では、アブデの子(こ)キシおよびエハレレルの子(こ)アザリヤ。ゲルションびとのうちでは、ジンマの子(こ)ヨアおよびヨアの子(こ)エデン。 13エリザパンの子孫(しそん)のうちでは、シムリとエイエル。アサフの子孫(しそん)のうちでは、ゼカリヤとマッタニヤ。 14ヘマンの子孫(しそん)のうちでは、エヒエルとシメイ。エドトンの子孫(しそん)のうちでは、シマヤとウジエルである。 15彼(かれ)らはその兄弟(きょうだい)たちを集(あつ)めて身(み)を清(きよ)め、主(しゅ)の言葉(ことば)による王(おう)の命令(めいれい)に従(したが)って、主(しゅ)の宮(みや)を清(きよ)めるためにはいって来(き)た。 16祭司(さいし)たちが主(しゅ)の宮(みや)の奥(おく)にはいってこれを清(きよ)め、主(しゅ)の宮(みや)にあった汚(けが)れた物(もの)をことごとく主(しゅ)の宮(みや)の庭(にわ)に運(はこ)び出(だ)すと、レビびとはそれを受(う)けて外(そと)に出(だ)し、キデロン川(かわ)に持(も)って行(い)った。 17彼(かれ)らは正月(しょうがつ)の元日(がんじつ)に清(きよ)めることを始(はじ)めて、その月(つき)の八日(か)に主(しゅ)の宮(みや)の廊(ろう)に達(たっ)した。それから主(しゅ)の宮(みや)を清(きよ)めるのに八日(か)を費(ついや)し、正月(しょうがつ)の十六日(にち)にこれを終(おわ)った。 18そこで彼(かれ)らはヒゼキヤ王(おう)の所(ところ)へ行(い)って言(い)った、「われわれは主(しゅ)の宮(みや)をことごとく清(きよ)め、また燔祭(はんさい)の壇(だん)とそのすべての器物(うつわもの)、および供(そな)えのパンの机(つくえ)とそのすべての器物(うつわもの)とを清(きよ)めました。 19またアハズ王(おう)がその治世(ちせい)に罪(つみ)を犯(おか)して捨(す)てたすべての器物(うつわもの)をも整(ととの)えて清(きよ)めました。それらは主(しゅ)の祭壇(さいだん)の前(まえ)にあります」。

20そこでヒゼキヤ王(おう)は朝(あさ)早(はや)く起(お)きいで、町(まち)のつかさたちを集(あつ)めて、主(しゅ)の宮(みや)に上(のぼ)って行(い)き、 21雄牛(おうし)七頭(とう)、雄羊(おひつじ)七頭(とう)、小羊(こひつじ)七頭(とう)、雄(お)やぎ七頭(とう)を引(ひ)いてこさせ、国(くに)と聖所(せいじょ)とユダのためにこれを罪祭(ざいさい)とし、アロンの子孫(しそん)である祭司(さいし)たちに命(めい)じてこれを主(しゅ)の祭壇(さいだん)の上(うえ)にささげさせた。 22すなわち、雄牛(おうし)をほふると、祭司(さいし)たちはその血(ち)を受(う)けて祭壇(さいだん)にふりかけ、また雄羊(おひつじ)をほふると、その血(ち)を祭壇(さいだん)にふりかけ、また小羊(こひつじ)をほふると、その血(ち)を祭壇(さいだん)にふりかけた。 23そして罪祭(ざいさい)の雄(お)やぎを王(おう)と会衆(かいしゅう)の前(まえ)に引(ひ)いて来(き)たので、彼(かれ)らはその上(うえ)に手(て)を置(お)いた。 24そして祭司(さいし)たちはこれをほふり、その血(ち)を罪祭(ざいさい)として祭壇(さいだん)の上(うえ)にささげてイスラエル全国(ぜんこく)のためにあがないをした。これは王(おう)がイスラエル全国(ぜんこく)のために燔祭(はんさい)および罪祭(ざいさい)をささげることを命(めい)じたためである。

25王(おう)はまたレビびとを主(しゅ)の宮(みや)に置(お)き、ダビデおよび王(おう)の先見者(せんけんしゃ)ガドと預言者(よげんしゃ)ナタンの命令(めいれい)に従(したが)って、これにシンバル、立琴(たてごと)および琴(こと)をとらせた。これは主(しゅ)がその預言者(よげんしゃ)によって命(めい)じられたところである。 26こうしてレビびとはダビデの楽器(がっき)をとり、祭司(さいし)はラッパをとって立(た)った。 27そこでヒゼキヤは燔祭(はんさい)を祭壇(さいだん)の上(うえ)にささげることを命(めい)じた。燔祭(はんさい)をささげ始(はじ)めた時(とき)、主(しゅ)の歌(うた)をうたい、ラッパを吹(ふ)き、イスラエルの王(おう)ダビデの楽器(がっき)をならし始(はじ)めた。 28そして会衆(かいしゅう)は皆(みな)礼拝(れいはい)し、歌(うた)うたう者(もの)は歌(うた)をうたい、ラッパ手(て)はラッパを吹(ふ)き鳴(な)らし、燔祭(はんさい)が終(おわ)るまですべてこのようであったが、 29ささげる事(こと)が終(おわ)ると、王(おう)および彼(かれ)と共(とも)にいた者(もの)はみな身(み)をかがめて礼拝(れいはい)した。 30またヒゼキヤ王(おう)およびつかさたちはレビびとに命(めい)じて、ダビデと先見者(せんけんしゃ)アサフの言葉(ことば)をもって主(しゅ)をさんびさせた。彼(かれ)らは喜(よろこ)んでさんびし、頭(とう)をさげて礼拝(れいはい)した。

31その時(とき)、ヒゼキヤは言(い)った、「あなたがたはすでに主(しゅ)に仕(つか)えるために身(み)を清(きよ)めたのであるから、進(すす)みよって、主(しゅ)の宮(みや)に犠牲(ぎせい)と感謝(かんしゃ)の供(そな)え物(もの)を携(たずさ)えて来(き)なさい」と。そこで会衆(かいしゅう)は犠牲(ぎせい)と感謝(かんしゃ)の供(そな)え物(もの)を携(たずさ)えて来(き)た。また志(こころざし)ある者(もの)は皆(みな)燔祭(はんさい)を携(たずさ)えて来(き)た。 32会衆(かいしゅう)の携(たずさ)えて来(き)た燔祭(はんさい)の数(かず)は雄牛(おうし)七十頭(とう)、雄羊(おひつじ)百頭(とう)、小羊(こひつじ)二百頭(とう)、これらは皆(みな)主(しゅ)に燔祭(はんさい)としてささげるものであった。 33また奉納物(ほうのうぶつ)は牛(うし)六百頭(とう)、小羊(こひつじ)三千頭(とう)であった。 34ところが祭司(さいし)が少(すく)なくてその燔祭(はんさい)の物(もの)の皮(かわ)を、はぎつくすことができなかったので、その兄弟(きょうだい)であるレビびとがこれを助(たす)けて、そのわざをなし終(お)え、その間(かん)に他(た)の祭司(さいし)たちは身(み)を清(きよ)めた。これはレビびとが祭司(さいし)たちよりも、身(み)を清(きよ)めることに、きちょうめんであったからである。 35このほかおびただしい燔祭(はんさい)があり、また、酬恩祭(しゅうおんさい)の脂肪(しぼう)および燔祭(はんさい)の灌祭(かんさい)もあった。こうして、主(しゅ)の宮(みや)の勤(つと)めは回復(かいふく)された。 36この事(こと)は、にわかになされたけれども、神(かみ)がこのように民(たみ)のために備(そな)えをされたので、ヒゼキヤおよびすべての民(たみ)は喜(よろこ)んだ。

第三〇章

1ヒゼキヤはイスラエルとユダにあまねく人(ひと)をつかわし、また手紙(てがみ)をエフライムとマナセに書(か)き送(おく)り、エルサレムにある主(しゅ)の宮(みや)に来(き)て、イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)に過越(すぎこし)の祭(まつり)を行(おこな)うように勧(すす)めた。 2王(おう)はすでにつかさたちおよびエルサレムにおる全(ぜん)会衆(かいしゅう)に計(はか)って、二月(がつ)に過越(すぎこし)の祭(まつり)を行(おこな)うことを定(さだ)めた。 3――これは身(み)を清(きよ)めた祭司(さいし)の数(かず)が足(た)らず、民(たみ)もまた、エルサレムに集(あつ)まらなかったので、正月(しょうがつ)にこれを行(おこな)うことができなかったからである―― 4この事(こと)が、王(おう)にも全(ぜん)会衆(かいしゅう)にも良(よ)かったので、 5この事(こと)を定(さだ)めて、ベエルシバからダンまでイスラエルにあまねくふれ示(しめ)し、エルサレムに来(き)て、イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)に過越(すぎこし)の祭(まつり)を行(おこな)うことを勧(すす)めた。これはしるされているように、これを行(おこな)う者(もの)が多(おお)くなかったゆえである。 6そこで飛脚(ひきゃく)たちは、王(おう)とそのつかさたちから受(う)けた手紙(てがみ)をもって、イスラエルとユダをあまねく行(い)き巡(めぐ)り、王(おう)の命(いのち)を伝(つた)えて言(い)った、「イスラエルの人々(ひとびと)よ、あなたがたはアブラハム、イサク、イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)に立(た)ち返(かえ)りなさい。そうすれば主(しゅ)は、アッスリヤの王(おう)たちの手(て)からのがれた残(のこ)りのあなたがたに、帰(かえ)られるでしょう。 7あなたがたの父(ちち)たちおよび兄弟(きょうだい)たちのようになってはならない。彼(かれ)らはその先祖(せんぞ)たちの神(かみ)、主(しゅ)にむかって罪(つみ)を犯(おか)したので、あなたがたの見(み)るように主(しゅ)は彼(かれ)らを滅(ほろ)びに渡(わた)されたのです。 8あなたがたの父(ちち)たちのように強情(ごうじょう)にならないで、主(しゅ)に帰服(きふく)し、主(しゅ)がとこしえに聖別(せいべつ)された聖所(せいじょ)に入(い)り、あなたがたの神(かみ)、主(しゅ)に仕(つか)えなさい。そうすれば、その激(はげ)しい怒(いか)りがあなたがたを離(はな)れるでしょう。 9もしあなたがたが主(しゅ)に立(た)ち返(かえ)るならば、あなたがたの兄弟(きょうだい)および子供(こども)は、これを捕(とら)えていった者(もの)の前(まえ)にあわれみを得(え)て、この国(くに)に帰(かえ)ることができるでしょう。あなたがたの神(かみ)、主(しゅ)は恵(めぐ)みあり、あわれみある方(かた)であられるゆえ、あなたがたが彼(かれ)に立(た)ち返(かえ)るならば、顔(かお)をあなたがたにそむけられることはありません」。

10このように飛脚(ひきゃく)たちは、エフライムとマナセの国(くに)にはいって、町(まち)から町(まち)に行(い)き巡(めぐ)り、ついに、ゼブルンまで行(い)ったが、人々(ひとびと)はこれをあざけり笑(わら)った。 11ただしアセル、マナセ、ゼブルンのうちには身(み)を低(ひく)くして、エルサレムにきた人々(ひとびと)もあった。 12またユダにおいては神(かみ)の手(て)が人々(ひとびと)に一つ心(こころ)を与(あた)えて、王(おう)とつかさたちが主(しゅ)の言葉(ことば)によって命(めい)じたことを行(おこな)わせた。

13こうして二月(がつ)になって、多(おお)くの民(たみ)は、種(たね)入(い)れぬパンの祭(まつり)を行(おこな)うためエルサレムに集(あつ)まったが、非常(ひじょう)に大(おお)きな会衆(かいしゅう)であった。 14彼(かれ)らは立(た)ってエルサレムにあるもろもろの祭壇(さいだん)を取(と)り除(のぞ)き、またすべての香(こう)をたく祭壇(さいだん)を取(と)り除(のぞ)いてキデロン川(かわ)に投(な)げすて、 15二月(がつ)の十四日(か)に過越(すぎこし)の小羊(こひつじ)をほふった。そこで祭司(さいし)たちおよびレビびとはみずから恥(は)じ、身(み)を清(きよ)めて主(しゅ)の宮(みや)に燔祭(はんさい)を携(たずさ)えて来(き)た。 16彼(かれ)らは神(かみ)の人(ひと)モーセの律法(りっぽう)に従(したが)い、いつものようにその所(ところ)に立(た)ち、祭司(さいし)たちは、レビびとの手(て)から血(ち)を受(う)けて注(そそ)いだ。 17時(とき)に、会衆(かいしゅう)のうちにまだ身(み)を清(きよ)めていない者(もの)が多(おお)かったので、レビびとはその清(きよ)くないすべての人々(ひとびと)に代(かわ)って過越(すぎこし)の小羊(こひつじ)をほふり、主(しゅ)に清(きよ)めてささげた。 18多(おお)くの民(たみ)すなわちエフライム、マナセ、イッサカル、ゼブルンからきた多(おお)くの者(もの)はまだ身(み)を清(きよ)めていないのに、書(か)きしるされたとおりにしないで過越(すぎこし)の物(もの)を食(た)べた。それでヒゼキヤは、彼(かれ)らのために祈(いの)って言(い)った、「恵(めぐ)みふかき主(しゅ)よ、彼(かれ)らをゆるしてください。 19彼(かれ)らは聖所(せいじょ)の清(きよ)めの規定(きてい)どおりにしなかったけれども、その心(こころ)を傾(かたむ)けて神(かみ)を求(もと)め、その先祖(せんぞ)の神(かみ)、主(しゅ)を求(もと)めたのです」。 20主(しゅ)はヒゼキヤに聞(き)いて、民(たみ)をいやされた。 21そこでエルサレムに来(き)ていたイスラエルの人々(ひとびと)は大(おお)いなる喜(よろこ)びをいだいて、七日(なぬか)のあいだ種(たね)入(い)れぬパンの祭(まつり)を行(おこな)った。またレビびとと祭司(さいし)たちは日々(ひび)に主(しゅ)をさんびし、力(ちから)をつくして主(しゅ)をたたえた。 22そしてヒゼキヤは主(しゅ)の勤(つと)めによく通(つう)じているすべてのレビびとを深(ふか)くねぎらった。こうして人々(ひとびと)は酬恩祭(しゅうおんさい)の犠牲(ぎせい)をささげ、その先祖(せんぞ)の神(かみ)、主(しゅ)に感謝(かんしゃ)して、七日(なぬか)のあいだ祭(まつり)の供(そな)え物(もの)を食(た)べた。

23なお全(ぜん)会衆(かいしゅう)は相(あい)はかって、さらに七日(なぬか)のあいだ祭(まつり)を守(まも)ることを定(さだ)め、喜(よろこ)びをもってまた七日(なぬか)のあいだ守(まも)った。 24時(とき)にユダの王(おう)ヒゼキヤは雄牛(おうし)一千頭(とう)、羊(ひつじ)七千頭(とう)を会衆(かいしゅう)に贈(おく)り、また、つかさたちは雄牛(おうし)一千頭(とう)、羊(ひつじ)一(いち)万(まん)頭(とう)を会衆(かいしゅう)に贈(おく)った。祭司(さいし)もまた多(おお)く身(み)を清(きよ)めた。 25ユダの全(ぜん)会衆(かいしゅう)および祭司(さいし)、レビびと、ならびにイスラエルからきた全(ぜん)会衆(かいしゅう)、およびイスラエルの地(ち)からきた他国(たこく)人(じん)と、ユダに住(す)む他国(たこく)人(じん)は皆(みな)喜(よろこ)んだ。 26このようにエルサレムに大(おお)いなる喜(よろこ)びがあった。イスラエルの王(おう)ダビデの子(こ)ソロモンの時(とき)からこのかた、このような事(こと)はエルサレムになかった。 27このとき祭司(さいし)たちとレビびとは立(た)って、民(たみ)を祝福(しゅくふく)したが、その声(こえ)は聞(き)かれ、その祈(いのり)は主(しゅ)の聖(せい)なるすみかである天(てん)に達(たっ)した。

第三一章

1この事(こと)がすべて終(おわ)った時(とき)、そこにいたイスラエルびとは皆(みな)、ユダの町々(まちまち)に出(で)て行(い)って、石柱(せきちゅう)を砕(くだ)き、アシラ像(ぞう)を切(き)り倒(たお)し、ユダとベニヤミンの全(ぜん)地(ち)、およびエフライムとマナセにある高(たか)き所(ところ)と祭壇(さいだん)とを取(と)りこわし、ついにこれをことごとく破壊(はかい)した。そしてイスラエルの人々(ひとびと)はおのおのその町々(まちまち)、その所領(しょりょう)に帰(かえ)った。

2ヒゼキヤは祭司(さいし)およびレビびとの班(はん)を定(さだ)め、班(はん)ごとにおのおのその勤(つと)めに従(したが)って、祭司(さいし)とレビびとに燔祭(はんさい)と酬恩祭(しゅうおんさい)をささげさせ、主(しゅ)の営の門(もん)で勤(つと)めをし、感謝(かんしゃ)をし、さんびをさせた。 3また燔祭(はんさい)のために自分(じぶん)の財産(ざいさん)のうちから王(おう)の分(ぶん)を出(だ)した。すなわち朝夕(あさゆう)の燔祭(はんさい)および安息日(あんそくにち)、新月(しんげつ)、定(さだ)めの祭(まつり)などの燔祭(はんさい)のために出(だ)して、主(しゅ)の律法(りっぽう)にしるされているとおりにした。 4またエルサレムに住(す)む民(たみ)に、祭司(さいし)とレビびとにその分(ぶん)を与(あた)えることを命(めい)じた。これは彼(かれ)らをして主(しゅ)の律法(りっぽう)に身(み)をゆだねさせるためである。 5その命令(めいれい)が伝(つた)わるやいなや、イスラエルの人々(ひとびと)は穀物(こくもつ)、酒(さけ)、油(あぶら)、蜜(みつ)ならびに畑(はたけ)のもろもろの産物(さんぶつ)の初物(はつもの)を多(おお)くささげ、またすべての物(もの)の十分(ぶん)の一をおびただしく携(たずさ)えて来(き)た。 6ユダの町々(まちまち)に住(す)んでいたイスラエルとユダの人々(ひとびと)もまた牛(うし)、羊(ひつじ)の十分(ぶん)の一ならびにその神(かみ)、主(しゅ)にささげられた奉納物(ほうのうぶつ)を携(たずさ)えて来(き)て、これを積(つ)み重(かさ)ねた。 7三月(がつ)にこれを積(つ)み重(かさ)ねることを始(はじ)め、七月(がつ)にこれを終(おわ)った。 8ヒゼキヤおよびつかさたちは来(き)て、その積(つ)み重(かさ)ねた物(もの)を見(み)、主(しゅ)とその民(たみ)イスラエルを祝福(しゅくふく)した。 9そしてヒゼキヤがその積(つ)み重(かさ)ねた物(もの)について祭司(さいし)およびレビびとに問(と)い尋(たず)ねた時(とき)、 10ザドクの家(いえ)から出(で)た祭司(さいし)の長(ちょう)アザリヤは彼(かれ)に答(こた)えて言(い)った、「民(たみ)が主(しゅ)の宮(みや)に供(そな)え物(もの)を携(たずさ)えて来(く)ることを始(はじ)めてからこのかた、われわれは飽(あ)きるほど食(た)べたが、たくさん残(のこ)りました。主(しゅ)がその民(たみ)を恵(めぐ)まれたからです。それでわれわれは、このように多(おお)くの残(のこ)った物(もの)をもっているのです」。

11そこでヒゼキヤは主(しゅ)の宮(みや)のうちに室(しつ)を設(もう)けることを命(めい)じたので、彼(かれ)らはこれを設(もう)け、 12その供(そな)え物(もの)の十分(ぶん)の一および奉納物(ほうのうぶつ)を忠実(ちゅうじつ)に携(たずさ)え入(い)れた。これをつかさどる者(もの)のかしらはレビびとコナニヤで、その兄弟(きょうだい)シメイは彼(かれ)に次(つ)ぐ者(もの)となり、 13エヒエル、アザジヤ、ナハテ、アサヘル、エレモテ、ヨザバデ、エリエル、イスマキヤ、マハテ、ベナヤらは、ヒゼキヤ王(おう)および神(かみ)の宮(みや)のつかさアザリヤの任命(にんめい)によって、コナニヤおよびその兄弟(きょうだい)シメイを助(たす)けて、その監督(かんとく)者(しゃ)となった。 14東(ひがし)の門(もん)を守(まも)る者(もの)レビびとイムナの子(こ)コレは、神(かみ)にささげる自発(じはつ)のささげ物(もの)をつかさどり、主(しゅ)の供(そな)え物(もの)および最(もっと)も聖(せい)なる物(もの)を分配(ぶんぱい)した。 15彼(かれ)を助(たす)ける者(もの)はエデン、ミニヤミン、エシュア、シマヤ、アマリヤおよびシカニヤで、皆(みな)祭司(さいし)の町々(まちまち)でその兄弟(きょうだい)たちに、班(はん)によって、老若(ろうにゃく)ひとしく忠実(ちゅうじつ)に分配(ぶんぱい)した。 16ただしすべて登録(とうろく)された三歳(さい)以上(いじょう)の男子(だんし)で主(しゅ)の宮(みや)に入(い)り、その班(はん)に従(したが)って日々(ひび)の職分(しょくぶん)をつくし、その受持(うけもち)の勤(つと)めをなす者(もの)は除(のぞ)かれた。 17祭司(さいし)の登録(とうろく)はその氏族(しぞく)によってなされ、二十歳(さい)以上(いじょう)のレビびとの登録(とうろく)はその班(はん)により、その受持(うけもち)にしたがってなされた。 18また祭司(さいし)はその幼(おさ)な子(こ)、その妻(つま)、そのむすこ、その娘(むすめ)、全(ぜん)会衆(かいしゅう)と共(とも)に登録(とうろく)した。彼(かれ)らは忠実(ちゅうじつ)に身(み)を聖(せい)なる事(こと)にささげたからである。 19また町々(まちまち)の放牧(ほうぼく)地(ち)におるアロンの子孫(しそん)である祭司(さいし)たちのためには、町(まち)ごとに人(ひと)を名(な)ざし選(えら)んで、祭司(さいし)のうちのすべての男(おとこ)およびレビびとのうちの登録(とうろく)されたすべての者(もの)に、その分(ぶん)を与(あた)えさせた。

20ヒゼキヤはユダ全国(ぜんこく)にこのようにし、良(よ)い事(こと)、正(ただ)しい事(こと)、忠実(ちゅうじつ)な事(こと)をその神(かみ)、主(しゅ)の前(まえ)に行(い)った。 21彼(かれ)がその神(かみ)を求(もと)めるために神(かみ)の宮(みや)の務(つとめ)につき、律法(りっぽう)につき、戒(いまし)めについて始(はじ)めたわざは、ことごとく心(こころ)をつくして行(おこな)い、これをなし遂(と)げた。

第三二章

1ヒゼキヤがこれらの事(こと)を忠実(ちゅうじつ)に行(い)った後(のち)、アッスリヤの王(おう)セナケリブが来(き)てユダに侵入(しんにゅう)し、堅固(けんご)な町々(まちまち)に向(む)かって陣(じん)を張(は)り、これを攻(せ)め取(と)ろうとした。 2ヒゼキヤはセナケリブが来(き)て、エルサレムを攻(せ)めようとするのを見(み)たので、 3そのつかさたちおよび勇士(ゆうし)たちと相談(そうだん)して、町(まち)の外(そと)にある泉(いずみ)の水(みず)を、ふさごうとした。彼(かれ)らはこれを助(たす)けた。 4多(おお)くの民(たみ)は集(あつ)まって、すべての泉(いずみ)および国(くに)の中(なか)を流(なが)れる谷川(たにがわ)をふさいで言(い)った、「アッスリヤの王(おう)たちがきて、多(おお)くの水(みず)を得(え)られるようなことをしておいていいだろうか」。 5ヒゼキヤはまた勇気(ゆうき)を出(だ)して、破(やぶ)れた城壁(じょうへき)をことごとく築(きず)き直(なお)して、その上(うえ)にやぐらを建(た)て、その外(そと)にまた城壁(じょうへき)を巡(めぐ)らし、ダビデの町(まち)のミロを堅固(けんご)にし、武器(ぶき)および盾(たて)を多(おお)く造(つく)り、 6軍(ぐん)長(ちょう)を民(たみ)の上(うえ)に置(お)き、町(まち)の門(もん)の広場(ひろば)に民(たみ)を集(あつ)めて、これを励(はげ)まして言(い)った、 7「心(こころ)を強(つよ)くし、勇(いさ)みたちなさい。アッスリヤの王(おう)をも、彼(かれ)と共(とも)にいるすべての群衆(ぐんしゅう)をも恐(おそ)れてはならない。おののいてはならない。われわれと共(とも)におる者(もの)は彼(かれ)らと共(とも)におる者(もの)よりも大(おお)いなる者(もの)だからである。 8彼(かれ)と共(とも)におる者(もの)は肉(にく)の腕(うで)である。しかしわれわれと共(とも)におる者(もの)はわれわれの神(かみ)、主(しゅ)であって、われわれを助(たす)け、われわれに代(かわ)って戦(たたか)われる」。民(たみ)はユダの王(おう)ヒゼキヤの言葉(ことば)に安心(あんしん)した。

9この後(のち)アッスリヤの王(おう)セナケリブはその全(ぜん)軍(ぐん)をもってラキシを囲(かこ)んでいたが、その家来(けらい)をエルサレムにつかわして、ユダの王(おう)ヒゼキヤおよびエルサレムにいるすべてのユダの人(ひと)に告(つ)げさせて言(い)った、 10「アッスリヤの王(おう)セナケリブはこう言(い)います、『あなたがたは何(なに)を頼(たの)んでエルサレムにこもっているのか。 11ヒゼキヤは「われわれの神(かみ)、主(しゅ)がアッスリヤの王(おう)の手(て)から、われわれを救(すく)ってくださる」と言(い)って、あなたがたをそそのかし、飢(う)えと、かわきをもって、あなたがたを死(し)なせようとしているのではないか。 12このヒゼキヤは主(しゅ)のもろもろの高(たか)き所(ところ)と祭壇(さいだん)を取(と)り除(のぞ)き、ユダとエルサレムに命(めい)じて、「あなたがたはただ一つの祭壇(さいだん)の前(まえ)で礼拝(れいはい)し、その上(うえ)に犠牲(ぎせい)をささげなければならない」と言(い)った者(もの)ではないか。 13あなたがたは、わたしおよびわたしの先祖(せんぞ)たちが、他(た)の国々(くにぐに)のすべての民(たみ)にしたことを知(し)らないのか。それらの国々(くにぐに)の民(たみ)の神々(かみがみ)は、少(すこ)しでもその国(くに)を、わたしの手(て)から救(すく)い出(だ)すことができたか。 14わたしの先祖(せんぞ)たちが滅(ほろ)ぼし尽(つく)したそれらの国民(こくみん)のもろもろの神(かみ)のうち、だれか自分(じぶん)の民(たみ)をわたしの手(て)から救(すく)い出(だ)すことのできたものがあるか。それで、どうしてあなたがたの神(かみ)が、あなたがたをわたしの手(て)から救(すく)い出(だ)すことができよう。 15それゆえ、あなたがたはヒゼキヤに欺(あざむ)かれてはならない。そそのかされてはならない。また彼(かれ)を信(しん)じてはならない。いずれの民(たみ)、いずれの国(くに)の神(かみ)もその民(たみ)をわたしの手(て)、または、わたしの先祖(せんぞ)の手(て)から救(すく)いだすことができなかったのだから、ましてあなたがたの神(かみ)が、どうしてわたしの手(て)からあなたがたを救(すく)いだすことができようか』」。

16セナケリブの家来(けらい)は、このほかにも多(おお)く主(しゅ)なる神(かみ)、およびそのしもべヒゼキヤをそしった。 17セナケリブはまた手紙(てがみ)を書(か)き送(おく)って、イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)をあざけり、かつそしって言(い)った、「諸国(しょこく)の民(たみ)の神々(かみがみ)が、その民(たみ)をわたしの手(て)から救(すく)い出(だ)さなかったように、ヒゼキヤの神(かみ)も、その民(たみ)をわたしの手(て)から救(すく)い出(だ)さないであろう」と。 18そして彼(かれ)らは大声(おおごえ)をあげ、ユダヤの言葉(ことば)をもって、城壁(じょうへき)の上(うえ)にいるエルサレムの民(たみ)に向(む)かって叫(さけ)び、これをおどし、かつおびやかした。彼(かれ)らは町(まち)を取(と)るためである。 19このように彼(かれ)らがエルサレムの神(かみ)について語(かた)ること、人(ひと)の手(て)のわざである地上(ちじょう)の民(たみ)の神々(かみがみ)について語(かた)るようであった。

20そこでヒゼキヤ王(おう)およびアモツの子(こ)預言者(よげんしゃ)イザヤは共(とも)に祈(いの)って、天(てん)に呼(よ)ばわったので、 21主(しゅ)はひとりのみ使(つかい)をつかわして、アッスリヤ王(おう)の陣営(じんえい)にいるすべての大(だい)勇士(ゆうし)と将官(しょうかん)、軍(ぐん)長(ちょう)らを滅(ほろ)ぼされた。それで王(おう)は赤面(せきめん)して自分(じぶん)の国(くに)に帰(かえ)ったが、その神(かみ)の家(いえ)にはいった時(とき)、その子(こ)のひとりが、つるぎをもって彼(かれ)をその所(ところ)で殺(ころ)した。 22このように主(しゅ)は、ヒゼキヤとエルサレムの住民(じゅうみん)をアッスリヤの王(おう)セナケリブの手(て)およびすべての敵(てき)の手(て)から救(すく)い出(だ)し、いたる所(ところ)で彼(かれ)らを守(まも)られた。 23そこで多(おお)くの人々(ひとびと)はささげ物(もの)をエルサレムに携(たずさ)えてきて主(しゅ)にささげ、また宝物(ほうもつ)をユダの王(おう)ヒゼキヤに贈(おく)った。この後(のち)ヒゼキヤは万国(ばんこく)の民(たみ)に尊(たっと)ばれた。

24そのころ、ヒゼキヤは病(や)んで死(し)ぬばかりであったが、主(しゅ)に祈(いの)ったので、主(しゅ)はこれに答(こた)えて、しるしを賜(たま)わった。 25しかしヒゼキヤはその受(う)けた恵(めぐ)みに報(むく)いることをせず、その心(こころ)が高(たか)ぶったので、怒(いか)りが彼(かれ)とユダおよびエルサレムに臨(のぞ)もうとしたが、 26ヒゼキヤはその心(こころ)の高(たか)ぶりを悔(く)いてへりくだり、またエルサレムの住民(じゅうみん)も同様(どうよう)にしたので、主(しゅ)の怒(いか)りは、ヒゼキヤの世(よ)には彼(かれ)らに臨(のぞ)まなかった。

27ヒゼキヤは富(とみ)と栄誉(えいよ)をきわめ、宝蔵(ほうぞう)を造(つく)って、金(きん)、銀(ぎん)、宝石(ほうせき)、香料(こうりょう)、盾(たて)および各種(かくしゅ)の尊(たっと)い器物(うつわもの)をおさめ、 28また倉庫(そうこ)を造(つく)って穀物(こくもつ)、酒(さけ)、油(あぶら)などの産物(さんぶつ)をおさめ、小屋(こや)を造(つく)って種々(しゅじゅ)の家畜(かちく)を置(お)き、おりを造(つく)って羊(ひつじ)の群(む)れを置(お)き、 29また多数(たすう)の町(まち)を設(もう)け、かつ羊(ひつじ)と牛(うし)をおびただしく所有(しょゆう)した。神(かみ)が非常(ひじょう)に多(おお)くの貨(か)財(ざい)を彼(かれ)に賜(たま)わったからである。 30このヒゼキヤはまたギホンの水(みず)の上(うえ)の源(みなもと)をふさいで、これをダビデの町(まち)の西(にし)の方(ほう)にまっすぐに引(ひ)き下(くだ)した。このようにヒゼキヤはそのすべてのわざをなし遂(と)げた。 31しかしバビロンの君(きみ)たちが使者(ししゃ)をつかわして、この国(くに)にあった、しるしについて尋(たず)ねさせた時(とき)には、神(かみ)は彼(かれ)を試(こころ)みて、彼(かれ)の心(こころ)にあることを、ことごとく知(し)るために彼(かれ)を捨(す)て置(お)かれた。

32ヒゼキヤのその他(た)の行為(こうい)およびその徳行(とっこう)は、アモツの子(こ)預言者(よげんしゃ)イザヤの黙示(もくし)とユダとイスラエルの列(れつ)王(おう)の書(しょ)にしるされている。 33ヒゼキヤはその先祖(せんぞ)たちと共(とも)に眠(ねむ)ったので、ダビデの子孫(しそん)の墓(はか)のうちの高(たか)い所(ところ)に葬(ほうむ)られた。ユダの人々(ひとびと)およびエルサレムの住民(じゅうみん)は皆(みな)その死(し)に当(あた)って彼(かれ)に敬意(けいい)を表(あらわ)した。その子(こ)マナセが彼(かれ)に代(かわ)って王(おう)となった。

第三三章

1マナセは十二歳(さい)で王(おう)となり、五十五年(ねん)の間(あいだ)エルサレムで世(よ)を治(おさ)めた。 2彼(かれ)は主(しゅ)がイスラエルの人々(ひとびと)の前(まえ)から追(お)い払(はら)われた国々(くにぐに)の民(たみ)の憎(にく)むべき行(おこな)いに見(み)ならって、主(しゅ)の目(め)の前(まえ)に悪(あく)を行(おこな)った。 3すなわち、その父(ちち)ヒゼキヤがこわした高(たか)き所(ところ)を再(ふたた)び築(きず)き、またもろもろのバアルのために祭壇(さいだん)を設(もう)け、アシラ像(ぞう)を造(つく)り、天(てん)の万象(ばんしょう)を拝(おが)んで、これに仕(つか)え、 4また主(しゅ)が「わが名(な)は永遠(えいえん)にエルサレムにある」と言(い)われた主(しゅ)の宮(みや)のうちに数個(すうこ)の祭壇(さいだん)を築(きず)き、 5主(しゅ)の宮(みや)の二つの庭(にわ)に天(てん)の万象(ばんしょう)のために祭壇(さいだん)を築(きず)いた。 6彼(かれ)はまたベンヒンノムの谷(たに)でその子(こ)供(とも)を火(ひ)に焼(や)いて供(そな)え物(もの)とし、占(うらな)いをし、魔法(まほう)をつかい、まじないを行(おこな)い、口寄(くちよ)せと、占(うらな)い師(し)を任用(にんよう)するなど、主(しゅ)の前(まえ)に多(おお)くの悪(あく)を行(い)って、その怒(いか)りをひき起(おこ)した。 7彼(かれ)はまた刻(きざ)んだ偶像(ぐうぞう)を造(つく)って神(かみ)の宮(みや)に安置(あんち)した。神(かみ)はこの宮(みや)についてダビデとその子(こ)ソロモンに言(い)われたことがある、「わたしはこの宮(みや)と、わたしがイスラエルのすべての部族(ぶぞく)のうちから選(えら)んだエルサレムとに、わたしの名(な)を永遠(えいえん)に置(お)く。 8彼(かれ)らがもし、わたしがすべて命(めい)じた事(こと)、すなわち、モーセが伝(つた)えたすべての律法(りっぽう)と定(さだ)めとおきてとを慎(つつし)んで行(おこな)うならば、わたしがあなたがたの先祖(せんぞ)のために定(さだ)めた地(ち)から、重(かさ)ねてイスラエルの足(あし)を移(うつ)すことをしない」と。 9マナセはこのようにユダとエルサレムの住民(じゅうみん)を迷(まよ)わせ、主(しゅ)がイスラエルの人々(ひとびと)の前(まえ)に滅(ほろ)ぼされた国々(くにぐに)の民(たみ)にもまさって悪(あく)を行(おこな)わせた。

10主(しゅ)はマナセおよびその民(たみ)に告(つ)げられたが、彼(かれ)らは心(こころ)に留(と)めなかった。 11それゆえ、主(しゅ)はアッスリヤの王(おう)の軍勢(ぐんぜい)の諸(しょ)将(しょう)をこれに攻(せ)めこさせられたので、彼(かれ)らはマナセをかぎで捕(とら)え、青銅(せいどう)のかせにつないで、バビロンに引(ひ)いて行(い)った。 12彼(かれ)は悩(なや)みにあうに及(およ)んで、その神(かみ)、主(しゅ)に願(ねが)い求(もと)め、その先祖(せんぞ)の神(かみ)の前(まえ)に大(おお)いに身(み)を低(ひく)くして、 13神(かみ)に祈(いの)ったので、神(かみ)はその祈(いのり)を受(う)けいれ、その願(ねが)いを聞(き)き、彼(かれ)をエルサレムに連(つ)れ帰(かえ)って、再(ふたた)び国(くに)に臨(のぞ)ませられた。これによってマナセは主(しゅ)こそ、まことに神(かみ)にいますことを知(し)った。

14この後(のち)、彼(かれ)はダビデの町(まち)の外(そと)の石(いし)がきをギホンの西(にし)の方(ほう)の谷(たに)のうちに築(きず)き、魚(うお)の門(もん)の入口(いりぐち)にまで及(およ)ぼし、またオペルに石(いし)がきをめぐらして、非常(ひじょう)に高(たか)くこれを築(きず)き上(あ)げ、ユダのすべての堅固(けんご)な町(まち)に軍(ぐん)長(ちょう)を置(お)き、 15また主(しゅ)の宮(みや)から、異邦(いほう)の神々(かみがみ)および偶像(ぐうぞう)を取(と)り除(のぞ)き、主(しゅ)の宮(みや)の山(やま)とエルサレムに自分(じぶん)で築(きず)いたすべての祭壇(さいだん)を取(と)り除(のぞ)いて、町(まち)の外(そと)に投(な)げ捨(す)て、 16主(しゅ)の祭壇(さいだん)を築(きず)き直(なお)して、酬恩祭(しゅうおんさい)および感謝(かんしゃ)の犠牲(ぎせい)を、その上(うえ)にささげ、ユダに命(めい)じてイスラエルの神(かみ)、主(しゅ)に仕(つか)えさせた。 17しかし民(たみ)は、なお高(たか)き所(ところ)で犠牲(ぎせい)をささげた。ただしその神(かみ)、主(しゅ)にのみささげた。

18マナセのそのほかの行為(こうい)、その神(かみ)にささげた祈(いのり)、およびイスラエルの神(かみ)、主(しゅ)の名(な)をもって彼(かれ)に告(つ)げた先見者(せんけんしゃ)たちの言葉(ことば)は、イスラエルの列(れつ)王(おう)の記録(きろく)のうちにしるされている。 19またその祈(いのり)と、祈(いのり)の聞(き)かれた事(こと)、そのもろもろの罪(つみ)と、とが、その身(み)を低(ひく)くする前(まえ)に高(たか)き所(ところ)を築(きず)いて、アシラ像(ぞう)および刻(きざ)んだ像(ぞう)を立(た)てた場所(ばしょ)などは、先見者(せんけんしゃ)の記録(きろく)のうちにしるされている。 20マナセはその先祖(せんぞ)たちと共(とも)に眠(ねむ)ったので、その家(いえ)に葬(ほうむ)られた。その子(こ)アモンが彼(かれ)に代(かわ)って王(おう)となった。

21アモンは王(おう)となった時(とき)二十二歳(さい)で、二年(ねん)の間(あいだ)エルサレムで世(よ)を治(おさ)めた。 22彼(かれ)はその父(ちち)マナセのしたように主(しゅ)の前(まえ)に悪(あく)を行(おこな)った。すなわちアモンはその父(ちち)マナセが造(つく)ったもろもろの刻(きざ)んだ像(ぞう)に犠牲(ぎせい)をささげて、これに仕(つか)え、 23その父(ちち)マナセが身(み)を低(ひく)くしたように主(しゅ)の前(まえ)に身(み)を低(ひく)くしなかった。かえってこのアモンは、いよいよそのとがを増(ま)した。 24その家来(けらい)たちは党(とう)を結(むす)んで彼(かれ)にそむき、彼(かれ)をその家(いえ)で殺(ころ)した。 25しかし国(くに)の民(たみ)は、党(とう)を結(むす)んでアモン王(おう)にそむいた者(もの)どもをことごとく撃(う)ち殺(ころ)した。そして国(くに)の民(たみ)はその子(こ)ヨシヤを王(おう)となして、そのあとを継(つ)がせた。

第三四章

1ヨシヤは八歳(さい)のとき王(おう)となり、エルサレムで三十一年(ねん)の間(あいだ)世(よ)を治(おさ)めた。 2彼(かれ)は主(しゅ)の良(よ)しと見(み)られることをなし、その父(ちち)ダビデの道(みち)を歩(あゆ)んで、右(みぎ)にも左(ひだり)にも曲(まが)らなかった。 3彼(かれ)はまだ若(わか)かったが、その治世(ちせい)の第(だい)八年(ねん)に父(ちち)ダビデの神(かみ)を求(もと)めることを始(はじ)め、その十二年(ねん)には高(たか)き所(ところ)、アシラ像(ぞう)、刻(きざ)んだ像(ぞう)、鋳(い)た像(ぞう)などを除(のぞ)いて、ユダとエルサレムを清(きよ)めることを始(はじ)め、 4もろもろのバアルの祭壇(さいだん)を、自分(じぶん)の前(まえ)で打(う)ちこわさせ、その上(うえ)に立(た)っていた香(こう)の祭壇(さいだん)を切(き)り倒(たお)し、アシラ像(ぞう)、刻(きざ)んだ像(ぞう)、鋳(い)た像(ぞう)を打(う)ち砕(くだ)いて粉々(こなごな)にし、これらの像(ぞう)に犠牲(ぎせい)をささげた者(もの)どもの墓(はか)の上(うえ)にそれをまき散(ち)らし、 5祭司(さいし)らの骨(ほね)をそのもろもろの祭壇(さいだん)の上(うえ)で焼(や)き、こうしてユダとエルサレムを清(きよ)めた。 6またマナセ、エフライム、シメオンおよびナフタリの荒(あ)れた町々(まちまち)にもこのようにし、 7もろもろの祭壇(さいだん)をこわし、アシラ像(ぞう)およびもろもろの刻(きざ)んだ像(ぞう)を粉々(こなごな)に打(う)ち砕(くだ)き、イスラエル全国(ぜんこく)の香(こう)の祭壇(さいだん)をことごとく切(き)り倒(たお)して、エルサレムに帰(かえ)った。

8ヨシヤはその治世(ちせい)の十八年(ねん)に、国(くに)と宮(みや)とを清(きよ)めた時(とき)、その神(かみ)、主(しゅ)の宮(みや)を繕(つくろ)わせようと、アザリヤの子(こ)シャパン、町(まち)のつかさマアセヤおよびヨアハズの子(こ)史官(しかん)ヨアをつかわした。 9彼(かれ)らは大(だい)祭司(さいし)ヒルキヤのもとへ行(い)って、神(かみ)の宮(みや)にはいった金(かね)を渡(わた)した。これは門(もん)を守(まも)るレビびとがマナセ、エフライムおよびその他(た)のすべてのイスラエル、ならびにユダとベニヤミンのすべての人(ひと)、およびエルサレムの住民(じゅうみん)の手(て)から集(あつ)めたものである。 10彼(かれ)らはこれを主(しゅ)の宮(みや)を監督(かんとく)する職工(しょっこう)らの手(て)に渡(わた)したので、主(しゅ)の宮(みや)で働(はたら)く職工(しょっこう)らは、これを宮(みや)を繕(つくろ)い直(なお)すために支払(しはら)った。 11すなわち、大工(だいく)および建築者(けんちくしゃ)にこれを渡(わた)して、ユダの王(おう)たちが破(やぶ)った建物(たてもの)のために、切(き)り石(いし)および骨組(ほねぐみ)の材木(ざいもく)を買(か)わせ、梁(はり)材(ざい)を整(ととの)えさせた。 12その人々(ひとびと)は忠実(ちゅうじつ)に仕事(しごと)をした。その監督(かんとく)者(しゃ)はメラリの子孫(しそん)であるレビびとヤハテとオバデヤ、およびコハテびとの子孫(しそん)であるゼカリヤとメシュラムであって、工事(こうじ)をつかさどった。また楽器(がっき)に巧(たく)みなレビびとがこれに伴(ともな)った。 13彼(かれ)らはまた荷(に)を負(お)う者(もの)を監督(かんとく)し、様々(さまざま)の仕事(しごと)に働(はたら)くすべての者(もの)をつかさどった。また他(た)のレビびとは書記(しょき)となり、役人(やくにん)となり、また門衛(もんえい)となった。

14さて彼(かれ)らが主(しゅ)の宮(みや)にはいった金(かね)を取(と)りだした時(とき)、祭司(さいし)ヒルキヤはモーセの伝(つた)えた主(しゅ)の律法(りっぽう)の書(しょ)を発見(はっけん)した。 15そこでヒルキヤは書記官(しょきかん)シャパンに言(い)った、「わたしは主(しゅ)の宮(みや)で律法(りっぽう)の書(しょ)を発見(はっけん)しました」と。そしてヒルキヤはその書(しょ)をシャパンに渡(わた)した。 16シャパンはその書(しょ)を王(おう)のもとに持(も)って行(い)き、さらに王(おう)に復命(ふくめい)して言(い)った、「しもべらはゆだねられた事(こと)をことごとくなし、 17主(しゅ)の宮(みや)にあった金(かね)をあけて、監督(かんとく)者(しゃ)の手(て)および職工(しょっこう)の手(て)に渡(わた)しました」。 18書記官(しょきかん)シャパンはまた王(おう)に告(つ)げて、「祭司(さいし)ヒルキヤはわたしに一つの書物(しょもつ)を渡(わた)しました」と言(い)い、シャパンはそれを王(おう)の前(まえ)で読(よ)んだ。 19王(おう)はその律法(りっぽう)の言葉(ことば)を聞(き)いて衣(ころも)を裂(さ)いた。 20そして王(おう)はヒルキヤおよびシャパンの子(こ)アヒカムとミカの子(こ)アブドンと書記官(しょきかん)シャパンと王(おう)の家来(けらい)アサヤとに命(めい)じて言(い)った、 21「あなたがたは行(い)って、この発見(はっけん)された書物(しょもつ)の言葉(ことば)についてわたしのために、またイスラエルとユダの残(のこ)りの者(もの)のために主(しゅ)に問(と)いなさい。われわれの先祖(せんぞ)たちが主(しゅ)の言葉(ことば)を守(まも)らず、すべてこの書物(しょもつ)にしるされていることを行(おこな)わなかったので、主(しゅ)はわれわれに大(おお)いなる怒(いか)りを注(そそ)がれるからです」。

22そこでヒルキヤおよび王(おう)のつかわした人々(ひとびと)は、シャルムの妻(つま)である女(おんな)預言者(よげんしゃ)ホルダのもとへ行(い)った。シャルムはハスラの子(こ)であるトクハテの子(こ)で、衣装(いしょう)を守(まも)る者(もの)である。時(とき)にホルダは、エルサレムの第(だい)二区(く)に住(す)んでいた。彼(かれ)らはホルダにその趣意(しゅい)を語(かた)ったので、 23ホルダは彼(かれ)らに言(い)った、「イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)はこう仰(おお)せられます、『あなたがたをわたしにつかわした人(ひと)に告(つ)げなさい。 24主(しゅ)はこう仰(おお)せられます。見(み)よ、わたしはユダの王(おう)の前(まえ)で読(よ)んだ書物(しょもつ)にしるされているもろもろののろい、すなわち災(わざわい)をこの所(ところ)と、ここに住(す)む者(もの)に下(くだ)す。 25彼(かれ)らはわたしを捨(す)てて、他(た)の神々(かみがみ)に香(こう)をたき、自分(じぶん)の手(て)で造(つく)ったもろもろの物(もの)をもって、わたしの怒(いか)りを引(ひ)き起(おこ)そうとしたからである。それゆえ、わたしの怒(いか)りは、この所(ところ)に注(そそ)がれて消(き)えない。 26しかしあなたがたをつかわして、主(しゅ)に問(と)わせるユダの王(おう)にはこう言(い)いなさい。イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)はこう仰(おお)せられる。あなたが聞(き)いた言葉(ことば)については、 27この所(ところ)と、ここに住(す)む者(もの)を責(せ)める神(かみ)の言葉(ことば)を、あなたが聞(き)いた時(とき)、心(こころ)に悔(く)い、神(かみ)の前(まえ)に身(み)をひくくし、わたしの前(まえ)にへりくだり、衣(ころも)を裂(さ)いて、わたしの前(まえ)に泣(な)いたので、わたしもまた、あなたに聞(き)いた、と主(しゅ)は言(い)われる。 28見(み)よ、わたしはあなたを先祖(せんぞ)たちのもとに集(あつ)める。あなたは安(やす)らかにあなたの墓(はか)に集(あつ)められる。あなたはわたしがこの所(ところ)と、ここに住(す)む者(もの)に下(くだ)すもろもろの災(わざわい)を目(め)に見(み)ることがない』と」。彼(かれ)らは王(おう)に復命(ふくめい)した。

29そこで王(おう)は人(ひと)をつかわしてユダとエルサレムの長老(ちょうろう)をことごとく集(あつ)め、 30そして王(おう)は主(しゅ)の宮(みや)に上(のぼ)って行(い)った。ユダのすべての人々(ひとびと)、エルサレムの住民(じゅうみん)、祭司(さいし)、レビびと、およびすべての民(たみ)は、老(お)いた者(もの)も若(わか)い者(もの)もことごとく彼(かれ)に従(したが)った。そこで王(おう)は主(しゅ)の宮(みや)で発見(はっけん)した契約(けいやく)の書(しょ)の言葉(ことば)を、ことごとく彼(かれ)らの耳(みみ)に読(よ)み聞(き)かせ、 31そして王(おう)は自分(じぶん)の所(ところ)に立(た)って、主(しゅ)の前(まえ)に契約(けいやく)を立(た)て、主(しゅ)に従(したが)って歩(あゆ)み、心(こころ)をつくし、精神(せいしん)をつくして、その戒(いまし)めと、あかしと定(さだ)めとをまもり、この書(しょ)にしるされた契約(けいやく)の言葉(ことば)を行(おこな)おうと言(い)い、 32エルサレムおよびベニヤミンの人々(ひとびと)を皆(みな)これに加(くわ)わらせた。エルサレムの住民(じゅうみん)は先祖(せんぞ)の神(かみ)であるその神(かみ)の契約(けいやく)にしたがって行(い)った。 33ヨシヤはイスラエルの人々(ひとびと)に属(ぞく)するすべての地(ち)から、憎(にく)むべきものをことごとく取(と)り除(のぞ)き、イスラエルにいるすべての人(ひと)をその神(かみ)、主(しゅ)に仕(つか)えさせた。ヨシヤが世(よ)にある日(ひ)の間(あいだ)は、彼(かれ)らは先祖(せんぞ)の神(かみ)、主(しゅ)に従(したが)って離(はな)れなかった。

第三五章

1ヨシヤはエルサレムで主(しゅ)に過越(すぎこし)の祭(まつり)を行(おこな)った。すなわち正月(しょうがつ)の十四日(か)に過越(すぎこし)の小羊(こひつじ)をほふらせ、 2祭司(さいし)にその職務(しょくむ)をとり行(おこな)わせ、彼(かれ)らを励(はげ)まして主(しゅ)の宮(みや)の務(つとめ)をさせ、 3また主(しゅ)の聖(せい)なる者(もの)となってすべてのイスラエルびとを教(おし)えるレビびとに言(い)った、「あなたがたはイスラエルの王(おう)ダビデの子(こ)ソロモンの建(た)てた宮(みや)に、聖(せい)なる箱(はこ)を置(お)きなさい。再(ふたた)びこれを肩(かた)にになうに及(およ)ばない。あなたがたの神(かみ)、主(しゅ)およびその民(たみ)イスラエルに仕(つか)えなさい。 4あなたがたはイスラエルの王(おう)ダビデの書(しょ)、およびその子(こ)ソロモンの書(しょ)に基(もとづ)いて氏族(しぞく)にしたがい、その班(はん)によって、みずから備(そな)えをなし、 5あなたがたの兄弟(きょうだい)である民(たみ)の人々(ひとびと)の氏族(しぞく)の区分(くぶん)にしたがって聖所(せいじょ)に立(た)ち、このためにレビびとの氏族(しぞく)の分(ぶん)が欠(か)けることのないようにしなさい。 6あなたがたは過越(すぎこし)の小羊(こひつじ)をほふり、身(み)を清(きよ)め、あなたがたの兄弟(きょうだい)のために備(そな)えをし、モーセが伝(つた)えた主(しゅ)の言葉(ことば)にしたがって行(おこな)いなさい」。

7ヨシヤは、小羊(こひつじ)および子(こ)やぎを民(たみ)の人々(ひとびと)に贈(おく)った。これは皆(みな)その所(ところ)にいるすべての人(ひと)のための過越(すぎこし)の供(そな)え物(もの)であって、その数(かず)三万、また雄牛(おうし)三千を贈(おく)った。それらは王(おう)の所有(しょゆう)から出(だ)したのである。 8そのつかさたちも民(たみ)と祭司(さいし)とレビびとに真心(こころ)から贈(おく)った。また神(かみ)の宮(みや)のつかさたちヒルキヤ、ゼカリヤ、エヒエルも小羊(こひつじ)と子(こ)やぎ二千六百頭(とう)、牛(うし)三百頭(とう)を祭司(さいし)に与(あた)えて過越(すぎこし)の供(そな)え物(もの)とした。 9またレビびとの長(ちょう)である人々(ひとびと)すなわちコナニヤおよびその兄弟(きょうだい)シマヤ、ネタンエルならびにハシャビヤ、エイエル、ヨザバデなども小羊(こひつじ)と子(こ)やぎ五千頭(とう)、牛(うし)五百頭(とう)をレビびとに贈(おく)って過越(すぎこし)の供(そな)え物(もの)とした。

10このように勤(つと)めのことが備(そな)わったので、王(おう)の命(いのち)に従(したが)って祭司(さいし)たちはその持(も)ち場(ば)に立(た)ち、レビびとはその班(はん)に従(したが)って仕(つか)え、 11やがて過越(すぎこし)の小羊(こひつじ)がほふられたので、祭司(さいし)はその血(ち)を受(う)け取(と)って注(そそ)いだ。レビびとはその皮(かわ)をはいだ。 12それから燔祭(はんさい)の物(もの)をとり分(わ)け、それを民(たみ)の人々(ひとびと)の氏族(しぞく)の区分(くぶん)に従(したが)って渡(わた)し、主(しゅ)にささげさせた。これはモーセの書(しょ)にしるされたとおりである。また牛(うし)をもこのようにした。 13そして定(さだ)めに従(したが)って過越(すぎこし)の小羊(こひつじ)を火(ひ)であぶり、その他(た)の聖(せい)なる供(そな)え物(もの)を深(ふか)なべ、かま、浅(あさ)なべなどに煮(に)て、急(いそ)いですべての民(たみ)の人々(ひとびと)にくばった。 14その後(のち)、彼(かれ)らは自分(じぶん)のためと、祭司(さいし)たちのために備(そな)えをした。アロンの子孫(しそん)である祭司(さいし)たちは、燔祭(はんさい)と脂肪(しぼう)をささげるのに忙(いそが)しくて、夜(よる)になったからである。それでレビびとは自分(じぶん)たちのためと、アロンの子孫(しそん)である祭司(さいし)たちのために備(そな)えたのである。 15アサフの子孫(しそん)である歌(うた)うたう者(もの)たちは、ダビデ、アサフ、ヘマンおよび王(おう)の先見者(せんけんしゃ)エドトンの命(いのち)に従(したが)ってその持(も)ち場(ば)におり、門衛(もんえい)たちはおのおの門(もん)にいて、その職務(しょくむ)を離(はな)れるに及(およ)ばなかった。兄弟(きょうだい)であるレビびとが彼(かれ)らのために備(そな)えたからである。

16このようにその日(ひ)、主(しゅ)の勤(つと)めの事(こと)がことごとく備(そな)わったので、ヨシヤ王(おう)の命(いのち)に従(したが)って過越(すぎこし)の祭(まつり)を行(おこな)い、主(しゅ)の祭壇(さいだん)に燔祭(はんさい)をささげた。 17ここに来(き)ていたイスラエルの人々(ひとびと)は、そのとき過越(すぎこし)の祭(まつり)を行(おこな)い、また七日(なぬか)の間(あいだ)、種(たね)入(い)れぬパンの祭(まつり)を行(おこな)った。 18預言者(よげんしゃ)サムエルの日(ひ)からこのかた、イスラエルでこのような過越(すぎこし)の祭(まつり)を行(おこな)ったことはなかった。またイスラエルの諸王(しょおう)のうちには、ヨシヤが、祭司(さいし)、レビびと、ならびにそこに来(き)たユダとイスラエルのすべての人々(ひとびと)、およびエルサレムの住民(じゅうみん)と共(とも)に行(い)ったような過越(すぎこし)の祭(まつり)を行(おこな)った者(もの)はひとりもなかった。 19この過越(すぎこし)の祭(まつり)はヨシヤの治世(ちせい)の第(だい)十八年(ねん)に行(おこな)われた。

20このようにヨシヤが宮(みや)を整(ととの)えた後(のち)、エジプトの王(おう)ネコはユフラテ川(かわ)のほとりにあるカルケミシで戦(たたか)うために上(のぼ)ってきたので、ヨシヤはこれを防(ふせ)ごうと出(で)て行(い)った。 21しかしネコは彼(かれ)に使者(ししゃ)をつかわして言(い)った、「ユダの王(おう)よ、われわれはお互(たがい)に何(なに)のあずかるところがありますか。わたしはきょう、あなたを攻(せ)めようとして来(き)たのではありません。わたしの敵(てき)の家(いえ)を攻(せ)めようとして来(き)たのです。神(かみ)がわたしに命(めい)じて急(いそ)がせています。わたしと共(とも)におられる神(かみ)に逆(さか)らうことをやめなさい。そうしないと、神(かみ)はあなたを滅(ほろ)ぼされるでしょう」。 22しかしヨシヤは引(ひ)き返(かえ)すことを好(この)まず、かえって彼(かれ)と戦(たたか)うために、姿(すがた)を変(か)え、神(かみ)の口(くち)から出(で)たネコの言葉(ことば)を聞(き)きいれず、行(い)ってメギドの谷(たに)で戦(たたか)ったが、 23射手(しゃしゅ)の者(もの)どもがヨシヤを射(い)あてたので、王(おう)はその家来(けらい)たちに、「わたしを助(たす)け出(だ)せ。わたしはひどく傷(きず)ついた」と言(い)った。 24そこで家来(けらい)たちは彼(かれ)を車(くるま)から助(たす)け出(だ)し、王(おう)のもっていた第(だい)二の車(くるま)に乗(の)せてエルサレムにつれて行(い)ったが、ついに死(し)んだので、その先祖(せんぞ)の墓(はか)にこれを葬(ほうむ)った。そしてユダとエルサレムは皆(みな)ヨシヤのために悲(かな)しんだ。 25時(とき)にエレミヤはヨシヤのために哀歌(あいか)を作(つく)った。歌(うた)うたう男(おとこ)、歌(うた)うたう女(おんな)は今日(こんにち)に至(いた)るまで、その哀歌(あいか)のうちにヨシヤのことを述(の)べ、イスラエルのうちにこれを例(れい)とした。これは哀歌(あいか)のうちにしるされている。 26ヨシヤのその他(た)の行為(こうい)、主(しゅ)の律法(りっぽう)にしるされた所(ところ)に従(したが)って行(い)った徳行(とっこう)、 27およびその始終(しじゅう)の行(おこな)いなどは、イスラエルとユダの列(れつ)王(おう)の書(しょ)にしるされている。

第三六章

1国(くに)の民(たみ)はヨシヤの子(こ)エホアハズを立(た)て、エルサレムでその父(ちち)に代(かわ)って王(おう)とならせた。 2エホアハズは王(おう)となった時(とき)二十三歳(さい)で、エルサレムで三月(つき)の間(あいだ)、世(よ)を治(おさ)めたが、 3エジプトの王(おう)はエルサレムで彼(かれ)を廃(はい)し、かつ銀(ぎん)百タラント、金(きん)一タラントの罰金(ばっきん)を国(くに)に課(か)した。 4そしてエジプト王(おう)は彼(かれ)の兄弟(きょうだい)エリアキムをユダとエルサレムの王(おう)とし、その名(な)をエホヤキムと改(あらた)め、その兄弟(きょうだい)エホアハズを捕(とら)えてエジプトへ引(ひ)いて行(い)った。

5エホヤキムは王(おう)となった時(とき)二十五歳(さい)で、十一年(ねん)の間(あいだ)エルサレムで世(よ)を治(おさ)めた。彼(かれ)はその神(かみ)、主(しゅ)の前(まえ)に悪(あく)を行(おこな)った。 6時(とき)に、バビロンの王(おう)ネブカデネザルが彼(かれ)の所(ところ)に攻(せ)め上(のぼ)り、彼(かれ)をバビロンに引(ひ)いて行(い)こうとして、かせにつないだ。 7ネブカデネザルはまた主(しゅ)の宮(みや)の器物(うつわもの)をバビロンに運(はこ)んで行(い)って、バビロンにあるその宮殿(きゅうでん)にそれをおさめた。 8エホヤキムのその他(た)の行為(こうい)、その行(い)った憎(にく)むべき事(こと)および彼(かれ)がひそかに行(い)った事(こと)などは、イスラエルとユダの列(れつ)王(おう)の書(しょ)にしるされている。その子(こ)エホヤキンが彼(かれ)に代(かわ)って王(おう)となった。

9エホヤキンは王(おう)となった時(とき)八歳(さい)で、エルサレムで三月(つき)と十日(か)の間(あいだ)、世(よ)を治(おさ)め、主(しゅ)の前(まえ)に悪(あく)を行(おこな)った。 10年(とし)が改(あらた)まり春(はる)になって、ネブカデネザル王(おう)は人(ひと)をつかわして、彼(かれ)を主(しゅ)の宮(みや)の尊(たっと)い器物(うつわもの)と共(とも)にバビロンに連(つ)れて行(い)かせ、その兄弟(きょうだい)ゼデキヤをユダとエルサレムの王(おう)とした。

11ゼデキヤは王(おう)となった時(とき)二十一歳(さい)で、十一年(ねん)の間(あいだ)エルサレムで世(よ)を治(おさ)めた。 12彼(かれ)はその神(かみ)、主(しゅ)の前(まえ)に悪(あく)を行(おこな)い、主(しゅ)の言葉(ことば)を伝(つた)える預言者(よげんしゃ)エレミヤの前(まえ)に、身(み)をひくくしなかった。 13彼(かれ)はまた、彼(かれ)に神(かみ)をさして誓(ちか)わせたネブカデネザル王(おう)にもそむいた。彼(かれ)は強情(ごうじょう)で、その心(こころ)をかたくなにして、イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)に立(た)ち返(かえ)らなかった。 14祭司(さいし)のかしらたちおよび民(たみ)らもまた、すべて異邦人(いほうじん)のもろもろの憎(にく)むべき行為(こうい)にならって、はなはだしく罪(つみ)を犯(おか)し、主(しゅ)がエルサレムに聖別(せいべつ)しておかれた主(しゅ)の宮(みや)を汚(けが)した。

15その先祖(せんぞ)の神(かみ)、主(しゅ)はその民(たみ)と、すみかをあわれむがゆえに、しきりに、その使者(ししゃ)を彼(かれ)らにつかわされたが、 16彼(かれ)らが神(かみ)の使者(ししゃ)たちをあざけり、その言葉(ことば)を軽(かろ)んじ、その預言者(よげんしゃ)たちをののしったので、主(しゅ)の怒(いか)りがその民(たみ)に向(む)かって起(おこ)り、ついに救(すく)うことができないようになった。

17そこで主(しゅ)はカルデヤびとの王(おう)を彼(かれ)らに攻(せ)めこさせられたので、彼(かれ)はその聖所(せいじょ)の家(いえ)でつるぎをもって若者(わかもの)たちを殺(ころ)し、若者(わかもの)をも、処女(しょじょ)をも、老人(ろうじん)をも、しらがの者(もの)をもあわれまなかった。主(しゅ)は彼(かれ)らをことごとく彼(かれ)の手(て)に渡(わた)された。 18彼(かれ)は神(かみ)の宮(みや)のもろもろの大小(だいしょう)の器物(うつわもの)、主(しゅ)の宮(みや)の貨(か)財(ざい)、王(おう)とそのつかさたちの貨(か)財(ざい)など、すべてこれをバビロンに携(たずさ)えて行(い)き、 19神(かみ)の宮(みや)を焼(や)き、エルサレムの城壁(じょうへき)をくずし、そのうちの宮殿(きゅうでん)をことごとく火(ひ)で焼(や)き、そのうちの尊(たっと)い器物(うつわもの)をことごとくこわした。 20彼(かれ)はまたつるぎをのがれた者(もの)どもを、バビロンに捕(とら)えて行(い)って、彼(かれ)とその子(こ)らの家来(けらい)となし、ペルシャの国(くに)の興(おこ)るまで、そうして置(お)いた。 21これはエレミヤの口(くち)によって伝(つた)えられた主(しゅ)の言葉(ことば)の成就(じょうじゅ)するためであった。こうして国(くに)はついにその安息(あんそく)をうけた。すなわちこれはその荒(あ)れている間(あいだ)、安息(あんそく)して、ついに七十年(ねん)が満(み)ちた。

22ペルシャ王(おう)クロスの元年(がんねん)に当(あた)り、主(しゅ)はエレミヤの口(くち)によって伝(つた)えた主(しゅ)の言葉(ことば)を成就(じょうじゅ)するため、ペルシャ王(おう)クロスの霊(れい)を感動(かんどう)されたので、王(おう)はあまねく国中(くにぢゅう)にふれ示(しめ)し、またそれを書(か)き示(しめ)して言(い)った、 23「ペルシャの王(おう)クロスはこう言(い)う、『天(てん)の神(かみ)、主(しゅ)は地上(ちじょう)の国々(くにぐに)をことごとくわたしに賜(たま)わって、主(しゅ)の宮(みや)をユダにあるエルサレムに建(た)てることをわたしに命(めい)じられた。あなたがたのうち、その民(たみ)である者(もの)は皆(みな)、その神(かみ)、主(しゅ)の助(たす)けを得(え)て上(のぼ)って行(い)きなさい』」。