エペソ人への手紙

第一章

1神(かみ)の御旨(みむね)によるキリスト・イエスの使徒(しと)パウロから、エペソにいる、キリスト・イエスにあって忠実(ちゅうじつ)な聖徒(せいと)たちへ。

2わたしたちの父(ちち)なる神(かみ)と主(しゅ)イエス・キリストから、恵(めぐ)みと平安(へいあん)とが、あなたがたにあるように。

3ほむべきかな、わたしたちの主(しゅ)イエス・キリストの父(ちち)なる神(かみ)。神(かみ)はキリストにあって、天上(てんじょう)で霊(れい)のもろもろの祝福(しゅくふく)をもって、わたしたちを祝福(しゅくふく)し、 4みまえにきよく傷(きず)のない者(もの)となるようにと、天地(てんち)の造(つく)られる前(まえ)から、キリストにあってわたしたちを選(えら)び、 5わたしたちに、イエス・キリストによって神(かみ)の子(こ)たる身分(みぶん)を授(さづ)けるようにと、御旨(みむね)のよしとするところに従(したが)い、愛(あい)のうちにあらかじめ定(さだ)めて下(くだ)さったのである。 6これは、その愛(あい)する御子(みこ)によって賜(たま)わった栄光(えいこう)ある恵(めぐ)みを、わたしたちがほめたたえるためである。 7わたしたちは、御子(みこ)にあって、神(かみ)の豊(ゆた)かな恵(めぐ)みのゆえに、その血(ち)によるあがない、すなわち、罪過(ざいか)のゆるしを受(う)けたのである。 8神(かみ)はその恵(めぐ)みをさらに増(ま)し加(くわ)えて、あらゆる知恵(ちえ)と悟(さと)りとをわたしたちに賜(たま)わり、 9御旨(みむね)の奥義(おくぎ)を、自(みずか)らあらかじめ定(さだ)められた計画(けいかく)に従(したが)って、わたしたちに示(しめ)して下(くだ)さったのである。 10それは、時(とき)の満(み)ちるに及(およ)んで実現(じつげん)されるご計画(けいかく)にほかならない。それによって、神(かみ)は天(てん)にあるもの地(ち)にあるものを、ことごとく、キリストにあって一つに帰(き)せしめようとされたのである。 11わたしたちは、御旨(みむね)の欲(ほっ)するままにすべての事(こと)をなさるかたの目的(もくてき)の下(もと)に、キリストにあってあらかじめ定(さだ)められ、神(かみ)の民(たみ)として選(えら)ばれたのである。 12それは、早(はや)くからキリストに望(のぞ)みをおいているわたしたちが、神(かみ)の栄光(えいこう)をほめたたえる者(もの)となるためである。 13あなたがたもまた、キリストにあって、真理(しんり)の言葉(ことば)、すなわち、あなたがたの救(すくい)の福音(ふくいん)を聞(き)き、また、彼(かれ)を信(しん)じた結果(けっか)、約束(やくそく)された聖霊(せいれい)の証印(しょういん)をおされたのである。 14この聖霊(せいれい)は、わたしたちが神(かみ)の国(くに)をつぐことの保証(ほしょう)であって、やがて神(かみ)につける者(もの)が全(まった)くあがなわれ、神(かみ)の栄光(えいこう)をほめたたえるに至(いた)るためである。

15こういうわけで、わたしも、主(しゅ)イエスに対(たい)するあなたがたの信仰(しんこう)と、すべての聖徒(せいと)に対(たい)する愛(あい)とを耳(みみ)にし、 16わたしの祈(いのり)のたびごとにあなたがたを覚(おぼ)えて、絶(た)えずあなたがたのために感謝(かんしゃ)している。 17どうか、わたしたちの主(しゅ)イエス・キリストの神(かみ)、栄光(えいこう)の父(ちち)が、知恵(ちえ)と啓示(けいじ)との霊(れい)をあなたがたに賜(たま)わって神(かみ)を認(みと)めさせ、 18あなたがたの心(こころ)の目(め)を明(あき)らかにして下(くだ)さるように、そして、あなたがたが神(かみ)に召(め)されていだいている望(のぞ)みがどんなものであるか、聖徒(せいと)たちがつぐべき神(かみ)の国(くに)がいかに栄光(えいこう)に富(と)んだものであるか、 19また、神(かみ)の力強(ちからづよ)い活動(かつどう)によって働(はたら)く力(ちから)が、わたしたち信(しん)じる者(もの)にとっていかに絶大(ぜつだい)なものであるかを、あなたがたが知(し)るに至(いた)るように、と祈(いの)っている。 20神(かみ)はその力(ちから)をキリストのうちに働(はたら)かせて、彼(かれ)を死人(しにん)の中(なか)からよみがえらせ、天上(てんじょう)においてご自分(じぶん)の右(みぎ)に座(ざ)せしめ、 21彼(かれ)を、すべての支配(しはい)、権威(けんい)、権力(けんりょく)、権勢(けんせい)の上(うえ)におき、また、この世(よ)ばかりでなくきたるべき世(よ)においても唱(とな)えられる、あらゆる名(な)の上(うえ)におかれたのである。 22そして、万物(ばんぶつ)をキリストの足(あし)の下(した)に従(したが)わせ、彼(かれ)を万物(ばんぶつ)の上(うえ)にかしらとして教会(きょうかい)に与(あた)えられた。 23この教会(きょうかい)はキリストのからだであって、すべてのものを、すべてのもののうちに満(み)たしているかたが、満(み)ちみちているものに、ほかならない。

第二章

1さてあなたがたは、先(さき)には自分(じぶん)の罪過(ざいか)と罪(つみ)とによって死(し)んでいた者(もの)であって、 2かつてはそれらの中(なか)で、この世(よ)のならわしに従(したが)い、空中(くうちゅう)の権(けん)をもつ君(きみ)、すなわち、不(ふ)従順(じゅうじゅん)の子(こ)らの中(なか)に今(いま)も働(はたら)いている霊(れい)に従(したが)って、歩(ある)いていたのである。 3また、わたしたちもみな、かつては彼(かれ)らの中(なか)にいて、肉(にく)の欲(よく)に従(したが)って日(ひ)を過(す)ごし、肉(にく)とその思(おも)いとの欲(ほっ)するままを行(おこな)い、ほかの人々(ひとびと)と同(おな)じく、生(うま)れながらの怒(いか)りの子(こ)であった。 4しかるに、あわれみに富(と)む神(かみ)は、わたしたちを愛(あい)して下(くだ)さったその大(おお)きな愛(あい)をもって、 5罪過(ざいか)によって死(し)んでいたわたしたちを、キリストと共(とも)に生(い)かし――あなたがたの救(すく)われたのは、恵(めぐ)みによるのである―― 6キリスト・イエスにあって、共(とも)によみがえらせ、共(とも)に天上(てんじょう)で座(ざ)につかせて下(くだ)さったのである。 7それは、キリスト・イエスにあってわたしたちに賜(たま)わった慈愛(じあい)による神(かみ)の恵(めぐ)みの絶大(ぜつだい)な富(とみ)を、きたるべき世々(よよ)に示(しめ)すためであった。 8あなたがたの救(すく)われたのは、実(じつ)に、恵(めぐ)みにより、信仰(しんこう)によるのである。それは、あなたがた自身(じしん)から出(で)たものではなく、神(かみ)の賜物(たまもの)である。 9決(けっ)して行(おこな)いによるのではない。それは、だれも誇(ほこ)ることがないためなのである。 10わたしたちは神(かみ)の作品(さくひん)であって、良(よ)い行(おこな)いをするように、キリスト・イエスにあって造(つく)られたのである。神(かみ)は、わたしたちが、良(よ)い行(おこな)いをして日(ひ)を過(す)ごすようにと、あらかじめ備(そな)えて下(くだ)さったのである。

11だから、記憶(きおく)しておきなさい。あなたがたは以前(いぜん)には、肉(にく)によれば異邦人(いほうじん)であって、手(て)で行(おこな)った肉(にく)の割礼(かつれい)ある者(もの)と称(しょう)せられる人々(ひとびと)からは、無(む)割礼(かつれい)の者(もの)と呼(よ)ばれており、 12またその当時(とうじ)は、キリストを知(し)らず、イスラエルの国籍(こくせき)がなく、約束(やくそく)されたいろいろの契約(けいやく)に縁(えん)がなく、この世(よ)の中(なか)で希望(きぼう)もなく神(かみ)もない者(もの)であった。 13ところが、あなたがたは、このように以前(いぜん)は遠(とお)く離(はな)れていたが、今(いま)ではキリスト・イエスにあって、キリストの血(ち)によって近(ちか)いものとなったのである。 14キリストはわたしたちの平和(へいわ)であって、二つのものを一つにし、敵意(てきい)という隔(へだ)ての中垣(なかがき)を取(と)り除(のぞ)き、ご自分(じぶん)の肉(にく)によって、 15数々(かずかず)の規定(きてい)から成(な)っている戒(いまし)めの律法(りっぽう)を廃棄(はいき)したのである。それは、彼(かれ)にあって、二つのものをひとりの新(あたら)しい人(ひと)に造(つく)りかえて平和(へいわ)をきたらせ、 16十字架(じゅうじか)によって、二つのものを一つのからだとして神(かみ)と和解(わかい)させ、敵意(てきい)を十字架(じゅうじか)にかけて滅(ほろ)ぼしてしまったのである。 17それから彼(かれ)は、こられた上(うえ)で、遠(とお)く離(はな)れているあなたがたに平和(へいわ)を宣(の)べ伝(つた)え、また近(ちか)くにいる者(もの)たちにも平和(へいわ)を宣(の)べ伝(つた)えられたのである。 18というのは、彼(かれ)によって、わたしたち両方(りょうほう)の者(もの)が一つの御霊(みたま)の中(なか)にあって、父(ちち)のみもとに近(ちか)づくことができるからである。 19そこであなたがたは、もはや異国人(いこくじん)でも宿(やど)り人(びと)でもなく、聖徒(せいと)たちと同(おな)じ国籍(こくせき)の者(もの)であり、神(かみ)の家族(かぞく)なのである。 20またあなたがたは、使徒(しと)たちや預言者(よげんしゃ)たちという土台(どだい)の上(うえ)に建(た)てられたものであって、キリスト・イエスご自身(じしん)が隅(すみ)のかしら石(いし)である。 21このキリストにあって、建物(たてもの)全体(ぜんたい)が組(く)み合(あ)わされ、主(しゅ)にある聖(せい)なる宮(みや)に成長(せいちょう)し、 22そしてあなたがたも、主(しゅ)にあって共(とも)に建(た)てられて、霊(れい)なる神(かみ)のすまいとなるのである。

第三章

1こういうわけで、あなたがた異邦人(いほうじん)のためにキリスト・イエスの囚人(しゅうじん)となっているこのパウロ―― 2わたしがあなたがたのために神(かみ)から賜(たま)わった恵(めぐ)みの務(つとめ)について、あなたがたはたしかに聞(き)いたであろう。 3すなわち、すでに簡単(かんたん)に書(か)きおくったように、わたしは啓示(けいじ)によって奥義(おくぎ)を知(し)らされたのである。 4あなたがたはそれを読(よ)めば、キリストの奥義(おくぎ)をわたしがどう理解(りかい)しているかがわかる。 5この奥義(おくぎ)は、いまは、御霊(みたま)によって彼(かれ)の聖(せい)なる使徒(しと)たちと預言者(よげんしゃ)たちとに啓示(けいじ)されているが、前(まえ)の時代(じだい)には、人(ひと)の子(こ)らに対(たい)して、そのように知(し)らされてはいなかったのである。 6それは、異邦人(いほうじん)が、福音(ふくいん)によりキリスト・イエスにあって、わたしたちと共(とも)に神(かみ)の国(くに)をつぐ者(もの)となり、共(とも)に一つのからだとなり、共(とも)に約束(やくそく)にあずかる者(もの)となることである。 7わたしは、神(かみ)の力(ちから)がわたしに働(はたら)いて、自分(じぶん)に与(あた)えられた神(かみ)の恵(めぐ)みの賜物(たまもの)により、福音(ふくいん)の僕(しもべ)とされたのである。 8すなわち、聖徒(せいと)たちのうちで最(もっと)も小(ちい)さい者(もの)であるわたしにこの恵(めぐ)みが与(あた)えられたが、それは、キリストの無尽蔵(むじんぞう)の富(とみ)を異邦人(いほうじん)に宣(の)べ伝(つた)え、 9更(さら)にまた、万物(ばんぶつ)の造(つく)り主(しゅ)である神(かみ)の中(なか)に世々(よよ)隠(かく)されていた奥義(おくぎ)にあずかる務(つとめ)がどんなものであるかを、明(あき)らかに示(しめ)すためである。 10それは今(いま)、天上(てんじょう)にあるもろもろの支配(しはい)や権威(けんい)が、教会(きょうかい)をとおして、神(かみ)の多種(たしゅ)多様(たよう)な知恵(ちえ)を知(し)るに至(いた)るためであって、 11わたしたちの主(しゅ)キリスト・イエスにあって実現(じつげん)された神(かみ)の永遠(えいえん)の目的(もくてき)にそうものである。 12この主(しゅ)キリストにあって、わたしたちは、彼(かれ)に対(たい)する信仰(しんこう)によって、確信(かくしん)をもって大胆(だいたん)に神(かみ)に近(ちか)づくことができるのである。 13だから、あなたがたのためにわたしが受(う)けている患難(かんなん)を見(み)て、落胆(らくたん)しないでいてもらいたい。わたしの患難(かんなん)は、あなたがたの光栄(こうえい)なのである。

14こういうわけで、わたしはひざをかがめて、 15天上(てんじょう)にあり地上(ちじょう)にあって「父(ちち)」と呼(よ)ばれているあらゆるものの源(みなもと)なる父(ちち)に祈(いの)る。 16どうか父(ちち)が、その栄光(えいこう)の富(とみ)にしたがい、御霊(みたま)により、力(ちから)をもってあなたがたの内(うち)なる人(ひと)を強(つよ)くして下(くだ)さるように、 17また、信仰(しんこう)によって、キリストがあなたがたの心(こころ)のうちに住(す)み、あなたがたが愛(あい)に根(ね)ざし愛(あい)を基(もとい)として生活(せいかつ)することにより、 18すべての聖徒(せいと)と共(とも)に、その広(ひろ)さ、長(なが)さ、高(たか)さ、深(ふか)さを理解(りかい)することができ、 19また人知(じんち)をはるかに越(こ)えたキリストの愛(あい)を知(し)って、神(かみ)に満(み)ちているもののすべてをもって、あなたがたが満(み)たされるように、と祈(いの)る。

20どうか、わたしたちのうちに働(はたら)く力(ちから)によって、わたしたちが求(もと)めまた思(おも)うところのいっさいを、はるかに越(こ)えてかなえて下(くだ)さることができるかたに、 21教会(きょうかい)により、また、キリスト・イエスによって、栄光(えいこう)が世々(よよ)限(かぎ)りなくあるように、アァメン。

第四章

1さて、主(しゅ)にある囚人(しゅうじん)であるわたしは、あなたがたに勧(すす)める。あなたがたが召(め)されたその召(め)しにふさわしく歩(ある)き、 2できる限(かぎ)り謙虚(けんきょ)で、かつ柔和(にゅうわ)であり、寛容(かんよう)を示(しめ)し、愛(あい)をもって互(たがい)に忍(しの)びあい、 3平和(へいわ)のきずなで結(むす)ばれて、聖霊(せいれい)による一致(いっち)を守(まも)り続(つづ)けるように努(つと)めなさい。 4からだは一つ、御霊(みたま)も一つである。あなたがたが召(め)されたのは、一つの望(のぞ)みを目(め)ざして召(め)されたのと同様(どうよう)である。 5主(しゅ)は一つ、信仰(しんこう)は一つ、バプテスマは一つ。 6すべてのものの上(うえ)にあり、すべてのものを貫(つらぬ)き、すべてのものの内(うち)にいます、すべてのものの父(ちち)なる神(かみ)は一つである。 7しかし、キリストから賜(たま)わる賜物(たまもの)のはかりに従(したが)って、わたしたちひとりびとりに、恵(めぐ)みが与(あた)えられている。 8そこで、こう言(い)われている、
「彼(かれ)は高(たか)いところに上(のぼ)った時(とき)、
とりこを捕(とら)えて引(ひ)き行(ゆ)き、
人々(ひとびと)に賜物(たまもの)を分(わ)け与(あた)えた」。
9さて「上(のぼ)った」と言(い)う以上(いじょう)、また地下(ちか)の低(ひく)い底(そこ)にも降(お)りてこられたわけではないか。 10降(お)りてこられた者(もの)自身(じしん)は、同時(どうじ)に、あらゆるものに満(み)ちるために、もろもろの天(てん)の上(うえ)にまで上(のぼ)られたかたなのである。 11そして彼(かれ)は、ある人(ひと)を使徒(しと)とし、ある人(ひと)を預言者(よげんしゃ)とし、ある人(ひと)を伝道者(でんどうしゃ)とし、ある人(ひと)を牧師(ぼくし)、教師(きょうし)として、お立(た)てになった。 12それは、聖徒(せいと)たちをととのえて奉仕(ほうし)のわざをさせ、キリストのからだを建(た)てさせ、 13わたしたちすべての者(もの)が、神(かみ)の子(こ)を信(しん)じる信仰(しんこう)の一致(いっち)と彼(かれ)を知(し)る知識(ちしき)の一致(いっち)とに到達(とうたつ)し、全(まった)き人(ひと)となり、ついに、キリストの満(み)ちみちた徳(とく)の高(たか)さにまで至(いた)るためである。 14こうして、わたしたちはもはや子供(こども)ではないので、だまし惑(まど)わす策略(さくりゃく)により、人々(ひとびと)の悪巧(わるだく)みによって起(おこ)る様々(さまざま)な教(おしえ)の風(かぜ)に吹(ふ)きまわされたり、もてあそばれたりすることがなく、 15愛(あい)にあって真理(しんり)を語(かた)り、あらゆる点(てん)において成長(せいちょう)し、かしらなるキリストに達(たっ)するのである。 16また、キリストを基(もとい)として、全身(ぜんしん)はすべての節々(ふしぶし)の助(たす)けにより、しっかりと組(く)み合(あ)わされ結(むす)び合(あ)わされ、それぞれの部分(ぶぶん)は分(ぶん)に応(おう)じて働(はたら)き、からだを成長(せいちょう)させ、愛(あい)のうちに育(そだ)てられていくのである。

17そこで、わたしは主(しゅ)にあっておごそかに勧(すす)める。あなたがたは今後(こんご)、異邦人(いほうじん)がむなしい心(こころ)で歩(ある)いているように歩(ある)いてはならない。 18彼(かれ)らの知力(ちりょく)は暗(くら)くなり、その内(うち)なる無知(むち)と心(こころ)の硬化(こうか)とにより、神(かみ)のいのちから遠(とお)く離(はな)れ、 19自(みずか)ら無感覚(むかんかく)になって、ほしいままにあらゆる不潔(ふけつ)な行(おこな)いをして、放縦(ほうじゅう)に身(み)をゆだねている。 20しかしあなたがたは、そのようにキリストに学(まな)んだのではなかった。 21あなたがたはたしかに彼(かれ)に聞(き)き、彼(かれ)にあって教(おし)えられて、イエスにある真理(しんり)をそのまま学(まな)んだはずである。 22すなわち、あなたがたは、以前(いぜん)の生活(せいかつ)に属(ぞく)する、情欲(じょうよく)に迷(まよ)って滅(ほろ)び行(い)く古(ふる)き人(ひと)を脱(ぬ)ぎ捨(す)て、 23心(こころ)の深(ふか)みまで新(あら)たにされて、 24真(しん)の義(ぎ)と聖(せい)とをそなえた神(かみ)にかたどって造(つく)られた新(あたら)しき人(ひと)を着(き)るべきである。

25こういうわけだから、あなたがたは偽(いつわ)りを捨(す)てて、おのおの隣(とな)り人(ひと)に対(たい)して、真実(しんじつ)を語(かた)りなさい。わたしたちは、お互(たがい)に肢体(したい)なのであるから。 26怒(いか)ることがあっても、罪(つみ)を犯(おか)してはならない。憤(いきどお)ったままで、日(ひ)が暮(く)れるようであってはならない。 27また、悪魔(あくま)に機会(きかい)を与(あた)えてはいけない。 28盗(ぬす)んだ者(もの)は、今後(こんご)、盗(ぬす)んではならない。むしろ、貧(まず)しい人々(ひとびと)に分(わ)け与(あた)えるようになるために、自分(じぶん)の手(て)で正当(せいとう)な働(はたら)きをしなさい。 29悪(わる)い言葉(ことば)をいっさい、あなたがたの口(くち)から出(だ)してはいけない。必要(ひつよう)があれば、人(ひと)の徳(とく)を高(たか)めるのに役立(やくだ)つような言葉(ことば)を語(かた)って、聞(き)いている者(もの)の益(えき)になるようにしなさい。 30神(かみ)の聖霊(せいれい)を悲(かな)しませてはいけない。あなたがたは、あがないの日(ひ)のために、聖霊(せいれい)の証印(しょういん)を受(う)けたのである。 31すべての無慈悲(むじひ)、憤(いきどお)り、怒(いか)り、騒(さわ)ぎ、そしり、また、いっさいの悪意(あくい)を捨(す)て去(さ)りなさい。 32互(たがい)に情深(なさけぶか)く、あわれみ深(ぶか)い者(もの)となり、神(かみ)がキリストにあってあなたがたをゆるして下(くだ)さったように、あなたがたも互(たがい)にゆるし合(あ)いなさい。

第五章

1こうして、あなたがたは、神(かみ)に愛(あい)されている子供(こども)として、神(かみ)にならう者(もの)になりなさい。 2また愛(あい)のうちを歩(ある)きなさい。キリストもあなたがたを愛(あい)して下(くだ)さって、わたしたちのために、ご自身(じしん)を、神(かみ)へのかんばしいかおりのささげ物(もの)、また、いけにえとしてささげられたのである。 3また、不品行(ふひんこう)といろいろな汚(けが)れや貪欲(どんよく)などを、聖徒(せいと)にふさわしく、あなたがたの間(あいだ)では、口(くち)にすることさえしてはならない。 4また、卑(いや)しい言葉(ことば)と愚(おろ)かな話(はなし)やみだらな冗談(じょうだん)を避(さ)けなさい。これらは、よろしくない事(こと)である。それよりは、むしろ感謝(かんしゃ)をささげなさい。 5あなたがたは、よく知(し)っておかねばならない。すべて不品行(ふひんこう)な者(もの)、汚(けが)れたことをする者(もの)、貪欲(どんよく)な者(もの)、すなわち、偶像(ぐうぞう)を礼拝(れいはい)する者(もの)は、キリストと神(かみ)との国(くに)をつぐことができない。 6あなたがたは、だれにも不誠実(ふせいじつ)な言葉(ことば)でだまされてはいけない。これらのことから、神(かみ)の怒(いか)りは不(ふ)従順(じゅうじゅん)の子(こ)らに下(くだ)るのである。 7だから、彼(かれ)らの仲間(なかま)になってはいけない。 8あなたがたは、以前(いぜん)はやみであったが、今(いま)は主(しゅ)にあって光(ひかり)となっている。光(ひかり)の子(こ)らしく歩(ある)きなさい―― 9光(ひかり)はあらゆる善意(ぜんい)と正義(せいぎ)と真実(しんじつ)との実(み)を結(むす)ばせるものである―― 10主(しゅ)に喜(よろこ)ばれるものがなんであるかを、わきまえ知(し)りなさい。 11実(み)を結(むす)ばないやみのわざに加(くわ)わらないで、むしろ、それを指摘(してき)してやりなさい。 12彼(かれ)らが隠(かく)れて行(おこな)っていることは、口(くち)にするだけでも恥(は)ずかしい事(こと)である。 13しかし、光(ひかり)にさらされる時(とき)、すべてのものは、明(あき)らかになる。 14明(あき)らかにされたものは皆(みな)、光(ひかり)となるのである。だから、こう書(か)いてある、
「眠(ねむ)っている者(もの)よ、起(お)きなさい。
死人(しにん)のなかから、立(た)ち上(あ)がりなさい。
そうすれば、キリストがあなたを照(てら)すであろう」。

15そこで、あなたがたの歩(ある)きかたによく注意(ちゅうい)して、賢(かしこ)くない者(もの)のようにではなく、賢(かしこ)い者(もの)のように歩(ある)き、 16今(いま)の時(とき)を生(い)かして用(もち)いなさい。今(いま)は悪(わる)い時代(じだい)なのである。 17だから、愚(おろ)かな者(もの)にならないで、主(しゅ)の御旨(みむね)がなんであるかを悟(さと)りなさい。 18酒(さけ)に酔(よ)ってはいけない。それは乱行(らんぎょう)のもとである。むしろ御霊(みたま)に満(み)たされて、 19詩(し)とさんびと霊(れい)の歌(うた)とをもって語(かた)り合(あ)い、主(しゅ)にむかって心(こころ)からさんびの歌(うた)をうたいなさい。 20そしてすべてのことにつき、いつも、わたしたちの主(しゅ)イエス・キリストの御名(みな)によって、父(ちち)なる神(かみ)に感謝(かんしゃ)し、 21キリストに対(たい)する恐(おそ)れの心(こころ)をもって、互(たがい)に仕(つか)え合(あ)うべきである。

22妻(つま)たる者(もの)よ。主(しゅ)に仕(つか)えるように自分(じぶん)の夫(おっと)に仕(つか)えなさい。 23キリストが教会(きょうかい)のかしらであって、自(みずか)らは、からだなる教会(きょうかい)の救主(すくいぬし)であられるように、夫(おっと)は妻(つま)のかしらである。 24そして教会(きょうかい)がキリストに仕(つか)えるように、妻(つま)もすべてのことにおいて、夫(おっと)に仕(つか)えるべきである。 25夫(おっと)たる者(もの)よ。キリストが教会(きょうかい)を愛(あい)してそのためにご自身(じしん)をささげられたように、妻(つま)を愛(あい)しなさい。 26キリストがそうなさったのは、水(みず)で洗(あら)うことにより、言葉(ことば)によって、教会(きょうかい)をきよめて聖(せい)なるものとするためであり、 27また、しみも、しわも、そのたぐいのものがいっさいなく、清(きよ)くて傷(きず)のない栄光(えいこう)の姿(すがた)の教会(きょうかい)を、ご自分(じぶん)に迎(むか)えるためである。 28それと同(おな)じく、夫(おっと)も自分(じぶん)の妻(つま)を、自分(じぶん)のからだのように愛(あい)さねばならない。自分(じぶん)の妻(つま)を愛(あい)する者(もの)は、自分(じぶん)自身(じしん)を愛(あい)するのである。 29自分(じぶん)自身(じしん)を憎(にく)んだ者(もの)は、いまだかつて、ひとりもいない。かえって、キリストが教会(きょうかい)になさったようにして、おのれを育(そだ)て養(やしな)うのが常(つね)である。 30わたしたちは、キリストのからだの肢体(したい)なのである。 31「それゆえに、人(ひと)は父母(ふぼ)を離(はな)れてその妻(つま)と結(むす)ばれ、ふたりの者(もの)は一体(いったい)となるべきである」。 32この奥義(おくぎ)は大(おお)きい。それは、キリストと教会(きょうかい)とをさしている。 33いずれにしても、あなたがたは、それぞれ、自分(じぶん)の妻(つま)を自分(じぶん)自身(じしん)のように愛(あい)しなさい。妻(つま)もまた夫(おっと)を敬(うやま)いなさい。

第六章

1子(こ)たる者(もの)よ。主(しゅ)にあって両親(りょうしん)に従(したが)いなさい。これは正(ただ)しいことである。 2「あなたの父(ちち)と母(はは)とを敬(うやま)え」。これが第(だい)一の戒(いまし)めであって、次(つぎ)の約束(やくそく)がそれについている、 3「そうすれば、あなたは幸福(こうふく)になり、地上(ちじょう)でながく生(い)きながらえるであろう」。 4父(ちち)たる者(もの)よ。子供(こども)をおこらせないで、主(しゅ)の薫陶(くんとう)と訓戒(くんかい)とによって、彼(かれ)らを育(そだ)てなさい。

5僕(しもべ)たる者(もの)よ。キリストに従(したが)うように、恐(おそ)れおののきつつ、真心(まごころ)をこめて、肉(にく)による主人(しゅじん)に従(したが)いなさい。 6人(ひと)にへつらおうとして目先(めさき)だけの勤(つと)めをするのでなく、キリストの僕(しもべ)として心(こころ)から神(かみ)の御旨(みむね)を行(おこな)い、 7人(ひと)にではなく主(しゅ)に仕(つか)えるように、快(こころよ)く仕(つか)えなさい。 8あなたがたが知(し)っているとおり、だれでも良(よ)いことを行(おこな)えば、僕(しもべ)であれ、自由人(じゆうじん)であれ、それに相当(そうとう)する報(むく)いを、それぞれ主(しゅ)から受(う)けるであろう。 9主人(しゅじん)たる者(もの)よ。僕(しもべ)たちに対(たい)して、同様(どうよう)にしなさい。おどすことを、してはならない。あなたがたが知(し)っているとおり、彼(かれ)らとあなたがたとの主(しゅ)は天(てん)にいますのであり、かつ人(ひと)をかたより見(み)ることをなさらないのである。

10最後(さいご)に言(い)う。主(しゅ)にあって、その偉大(いだい)な力(ちから)によって、強(つよ)くなりなさい。 11悪魔(あくま)の策略(さくりゃく)に対抗(たいこう)して立(た)ちうるために、神(かみ)の武具(ぶぐ)で身(み)を固(かた)めなさい。 12わたしたちの戦(たたか)いは、血肉(けつにく)に対(たい)するものではなく、もろもろの支配(しはい)と、権威(けんい)と、やみの世(よ)の主権者(しゅけんしゃ)、また天上(てんじょう)にいる悪(あく)の霊(れい)に対(たい)する戦(たたか)いである。 13それだから、悪(あ)しき日(ひ)にあたって、よく抵抗(ていこう)し、完全(かんぜん)に勝(か)ち抜(ぬ)いて、堅(かた)く立(た)ちうるために、神(かみ)の武具(ぶぐ)を身(み)につけなさい。 14すなわち、立(た)って真理(しんり)の帯(おび)を腰(こし)にしめ、正義(せいぎ)の胸当(むねあて)を胸(むね)につけ、 15平和(へいわ)の福音(ふくいん)の備(そな)えを足(あし)にはき、 16その上(うえ)に、信仰(しんこう)のたてを手(て)に取(と)りなさい。それをもって、悪(あ)しき者(もの)の放(はな)つ火(ひ)の矢(や)を消(け)すことができるであろう。 17また、救(すくい)のかぶとをかぶり、御霊(みたま)の剣(つるぎ)、すなわち、神(かみ)の言(ことば)を取(と)りなさい。 18絶(た)えず祈(いのり)と願(ねが)いをし、どんな時(とき)でも御霊(みたま)によって祈(いの)り、そのために目(め)をさましてうむことがなく、すべての聖徒(せいと)のために祈(いの)りつづけなさい。 19また、わたしが口(くち)を開(ひら)くときに語(かた)るべき言葉(ことば)を賜(たま)わり、大胆(だいたん)に福音(ふくいん)の奥義(おくぎ)を明(あき)らかに示(しめ)しうるように、わたしのためにも祈(いの)ってほしい。 20わたしはこの福音(ふくいん)のための使節(しせつ)であり、そして鎖(くさり)につながれているのであるが、つながれていても、語(かた)るべき時(とき)には大胆(だいたん)に語(かた)れるように祈(いの)ってほしい。

21わたしがどういう様子(ようす)か、何(なに)をしているかを、あなたがたに知(し)ってもらうために、主(しゅ)にあって忠実(ちゅうじつ)に仕(つか)えている愛(あい)する兄弟(きょうだい)テキコが、いっさいの事(こと)を報告(ほうこく)するであろう。 22彼(かれ)をあなたがたのもとに送(おく)るのは、あなたがたがわたしたちの様子(ようす)を知(し)り、また彼(かれ)によって心(こころ)に励(はげ)ましを受(う)けるようになるためなのである。

23父(ちち)なる神(かみ)とわたしたちの主(しゅ)イエス・キリストから平安(へいあん)ならびに信仰(しんこう)に伴(ともな)う愛(あい)が、兄弟(きょうだい)たちにあるように。 24変(かわ)らない真実(しんじつ)をもって、わたしたちの主(しゅ)イエス・キリストを愛(あい)するすべての人々(ひとびと)に、恵(めぐ)みがあるように。