出エジプト記

第一章

1さて、ヤコブと共(とも)に、おのおのその家族(かぞく)を伴(ともな)って、エジプトへ行(い)ったイスラエルの子(こ)らの名(な)は次(つぎ)のとおりである。 2すなわちルベン、シメオン、レビ、ユダ、 3イッサカル、ゼブルン、ベニヤミン、 4ダン、ナフタリ、ガド、アセルであった。 5ヤコブの腰(こし)から出(で)たものは、合(あ)わせて七十人(にん)。ヨセフはすでにエジプトにいた。 6そして、ヨセフは死(し)に、兄弟(きょうだい)たちも、その時代(じだい)の人々(ひとびと)もみな死(し)んだ。 7けれどもイスラエルの子孫(しそん)は多(おお)くの子(こ)を生(う)み、ますますふえ、はなはだ強(つよ)くなって、国(くに)に満(み)ちるようになった。

8ここに、ヨセフのことを知(し)らない新(あたら)しい王(おう)が、エジプトに起(た)った。 9彼(かれ)はその民(たみ)に言(い)った、「見(み)よ、イスラエルびとなるこの民(たみ)は、われわれにとって、あまりにも多(おお)く、また強(つよ)すぎる。 10さあ、われわれは、抜(ぬ)かりなく彼(かれ)らを取(と)り扱(あつか)おう。彼(かれ)らが多(おお)くなり、戦(たたか)いの起(おこ)るとき、敵(てき)に味方(みかた)して、われわれと戦(たたか)い、ついにこの国(くに)から逃(に)げ去(さ)ることのないようにしよう」。 11そこでエジプトびとは彼(かれ)らの上(うえ)に監督(かんとく)をおき、重(おも)い労役(ろうえき)をもって彼(かれ)らを苦(くる)しめた。彼(かれ)らはパロのために倉庫(そうこ)の町(まち)ピトムとラメセスを建(た)てた。 12しかしイスラエルの人々(ひとびと)が苦(くる)しめられるにしたがって、いよいよふえひろがるので、彼(かれ)らはイスラエルの人々(ひとびと)のゆえに恐(おそ)れをなした。 13エジプトびとはイスラエルの人々(ひとびと)をきびしく使(つか)い、 14つらい務(つとめ)をもってその生活(せいかつ)を苦(くる)しめた。すなわち、しっくいこね、れんが作(つく)り、および田畑(たはた)のあらゆる務(つとめ)に当(あた)らせたが、そのすべての労役(ろうえき)はきびしかった。

15またエジプトの王(おう)は、ヘブルの女(おんな)のために取上(とりあ)げをする助産婦(じょさんぷ)でひとりは名(な)をシフラといい、他(た)のひとりは名(な)をプアという者(もの)にさとして、 16言(い)った、「ヘブルの女(おんな)のために助産(じょさん)をするとき、産(う)み台(だい)の上(うえ)を見(み)て、もし男(おとこ)の子(こ)ならばそれを殺(ころ)し、女(おんな)の子(こ)ならば生(い)かしておきなさい」。 17しかし助産婦(じょさんぷ)たちは神(かみ)をおそれ、エジプトの王(おう)が彼(かれ)らに命(めい)じたようにはせず、男(おとこ)の子(こ)を生(い)かしておいた。 18エジプトの王(おう)は助産婦(じょさんぷ)たちを召(め)して言(い)った、「あなたがたはなぜこのようなことをして、男(おとこ)の子(こ)を生(い)かしておいたのか」。 19助産婦(じょさんぷ)たちはパロに言(い)った、「ヘブルの女(おんな)はエジプトの女(おんな)とは違(ちが)い、彼女(かのじょ)たちは健(すこ)やかで助産婦(じょさんぷ)が行(い)く前(まえ)に産(う)んでしまいます」。 20それで神(かみ)は助産婦(じょさんぷ)たちに恵(めぐ)みをほどこされた。そして民(たみ)はふえ、非常(ひじょう)に強(つよ)くなった。 21助産婦(じょさんぷ)たちは神(かみ)をおそれたので、神(かみ)は彼女(かのじょ)たちの家(いえ)を栄(さか)えさせられた。 22そこでパロはそのすべての民(たみ)に命(めい)じて言(い)った、「ヘブルびとに男(おとこ)の子(こ)が生(うま)れたならば、みなナイル川(かわ)に投(な)げこめ。しかし女(おんな)の子(こ)はみな生(い)かしておけ」。

第二章

1さて、レビの家(いえ)のひとりの人(ひと)が行(い)ってレビの娘(むすめ)をめとった。 2女(おんな)はみごもって、男(おとこ)の子(こ)を産(う)んだが、その麗(うるわ)しいのを見(み)て、三月(つき)のあいだ隠(かく)していた。 3しかし、もう隠(かく)しきれなくなったので、パピルスで編(あ)んだかごを取(と)り、それにアスファルトと樹脂(じゅし)とを塗(ぬ)って、子(こ)をその中(なか)に入(い)れ、これをナイル川(かわ)の岸(きし)の葦(あし)の中(なか)においた。 4その姉(あね)は、彼(かれ)がどうされるかを知(し)ろうと、遠(とお)く離(はな)れて立(た)っていた。 5ときにパロの娘(むすめ)が身(み)を洗(あら)おうと、川(かわ)に降(ふ)りてきた。侍女(じじょ)たちは川(かわ)べを歩(ある)いていたが、彼女(かのじょ)は、葦(あし)の中(なか)にかごのあるのを見(み)て、つかえめをやり、それを取(と)ってこさせ、 6あけて見(み)ると子供(こども)がいた。見(み)よ、幼(おさ)な子(ご)は泣(な)いていた。彼女(かのじょ)はかわいそうに思(おも)って言(い)った、「これはヘブルびとの子供(こども)です」。 7そのとき幼(おさ)な子(ご)の姉(あね)はパロの娘(むすめ)に言(い)った、「わたしが行(い)ってヘブルの女(おんな)のうちから、あなたのために、この子(こ)に乳(ちち)を飲(の)ませるうばを呼(よ)んでまいりましょうか」。 8パロの娘(むすめ)が「行(い)ってきてください」と言(い)うと、少女(しょうじょ)は行(い)ってその子(こ)の母(はは)を呼(よ)んできた。 9パロの娘(むすめ)は彼女(かのじょ)に言(い)った、「この子(こ)を連(つ)れて行(い)って、わたしに代(かわ)り、乳(ちち)を飲(の)ませてください。わたしはその報酬(ほうしゅう)をさしあげます」。女(おんな)はその子(こ)を引(ひ)き取(と)って、これに乳(ちち)を与(あた)えた。 10その子(こ)が成長(せいちょう)したので、彼女(かのじょ)はこれをパロの娘(むすめ)のところに連(つ)れて行(い)った。そして彼(かれ)はその子(こ)となった。彼女(かのじょ)はその名(な)をモーセと名(な)づけて言(い)った、「水(みず)の中(なか)からわたしが引(ひ)き出(だ)したからです」。

11モーセが成長(せいちょう)して後(のち)、ある日(ひ)のこと、同胞(どうほう)の所(ところ)に出(で)て行(い)って、そのはげしい労役(ろうえき)を見(み)た。彼(かれ)はひとりのエジプトびとが、同胞(どうほう)のひとりであるヘブルびとを打(う)つのを見(み)たので、 12左右(さゆう)を見(み)まわし、人(ひと)のいないのを見(み)て、そのエジプトびとを打(う)ち殺(ころ)し、これを砂(すな)の中(なか)に隠(かく)した。 13次(つぎ)の日(ひ)また出(で)て行(い)って、ふたりのヘブルびとが互(たがい)に争(あらそ)っているのを見(み)、悪(わる)い方(ほう)の男(おとこ)に言(い)った、「あなたはなぜ、あなたの友(とも)を打(う)つのですか」。 14彼(かれ)は言(い)った、「だれがあなたを立(た)てて、われわれのつかさ、また裁判人(さいばんにん)としたのですか。エジプトびとを殺(ころ)したように、あなたはわたしを殺(ころ)そうと思(おも)うのですか」。モーセは恐(おそ)れた。そしてあの事(こと)がきっと知(し)れたのだと思(おも)った。 15パロはこの事(こと)を聞(き)いて、モーセを殺(ころ)そうとした。

しかしモーセはパロの前(まえ)をのがれて、ミデヤンの地(ち)に行(い)き、井戸(いど)のかたわらに座(ざ)していた。 16さて、ミデヤンの祭司(さいし)に七人(にん)の娘(むすめ)があった。彼女(かのじょ)たちはきて水(みず)をくみ、水槽(すいそう)にみたして父(ちち)の羊(ひつじ)の群(む)れに飲(の)ませようとしたが、 17羊飼(ひつじかい)たちがきて彼女(かのじょ)らを追(お)い払(はら)ったので、モーセは立(た)ち上(あ)がって彼女(かのじょ)たちを助(たす)け、その羊(ひつじ)の群(む)れに水(みず)を飲(の)ませた。 18彼女(かのじょ)たちが父(ちち)リウエルのところに帰(かえ)った時(とき)、父(ちち)は言(い)った、「きょうは、どうして、こんなに早(はや)く帰(かえ)ってきたのか」。 19彼女(かのじょ)たちは言(い)った、「ひとりのエジプトびとが、わたしたちを羊飼(ひつじかい)たちの手(て)から助(たす)け出(だ)し、そのうえ、水(みず)をたくさんくんで、羊(ひつじ)の群(む)れに飲(の)ませてくれたのです」。 20彼(かれ)は娘(むすめ)たちに言(い)った、「そのかたはどこにおられるか。なぜ、そのかたをおいてきたのか。呼(よ)んできて、食事(しょくじ)をさしあげなさい」。 21モーセがこの人(ひと)と共(とも)におることを好(この)んだので、彼(かれ)は娘(むすめ)のチッポラを妻(つま)としてモーセに与(あた)えた。 22彼女(かのじょ)が男(おとこ)の子(こ)を産(う)んだので、モーセはその名(な)をゲルショムと名(な)づけた。「わたしは外国(がいこく)に寄留者(きりゅうしゃ)となっている」と言(い)ったからである。

23多(おお)くの日(ひ)を経(へ)て、エジプトの王(おう)は死(し)んだ。イスラエルの人々(ひとびと)は、その苦役(くえき)の務(つとめ)のゆえにうめき、また叫(さけ)んだが、その苦役(くえき)のゆえの叫(さけ)びは神(かみ)に届(とど)いた。 24神(かみ)は彼(かれ)らのうめきを聞(き)き、神(かみ)はアブラハム、イサク、ヤコブとの契約(けいやく)を覚(おぼ)え、 25神(かみ)はイスラエルの人々(ひとびと)を顧(かえり)み、神(かみ)は彼(かれ)らをしろしめされた。

第三章

1モーセは妻(つま)の父(ちち)、ミデヤンの祭司(さいし)エテロの羊(ひつじ)の群(む)れを飼(か)っていたが、その群(む)れを荒野(あらの)の奥(おく)に導(みちび)いて、神(かみ)の山(やま)ホレブにきた。 2ときに主(しゅ)の使(つかい)は、しばの中(なか)の炎(ほのお)のうちに彼(かれ)に現(あらわ)れた。彼(かれ)が見(み)ると、しばは火(ひ)に燃(も)えているのに、そのしばはなくならなかった。 3モーセは言(い)った、「行(い)ってこの大(おお)きな見(み)ものを見(み)、なぜしばが燃(も)えてしまわないかを知(し)ろう」。 4主(しゅ)は彼(かれ)がきて見定(みさだめ)ようとするのを見(み)、神(かみ)はしばの中(なか)から彼(かれ)を呼(よ)んで、「モーセよ、モーセよ」と言(い)われた。彼(かれ)は「ここにいます」と言(い)った。 5神(かみ)は言(い)われた、「ここに近(ちか)づいてはいけない。足(あし)からくつを脱(ぬ)ぎなさい。あなたが立(た)っているその場所(ばしょ)は聖(せい)なる地(ち)だからである」。 6また言(い)われた、「わたしは、あなたの先祖(せんぞ)の神(かみ)、アブラハムの神(かみ)、イサクの神(かみ)、ヤコブの神(かみ)である」。モーセは神(かみ)を見(み)ることを恐(おそ)れたので顔(かお)を隠(かく)した。

7主(しゅ)はまた言(い)われた、「わたしは、エジプトにいるわたしの民(たみ)の悩(なや)みを、つぶさに見(み)、また追(お)い使(つか)う者(もの)のゆえに彼(かれ)らの叫(さけ)ぶのを聞(き)いた。わたしは彼(かれ)らの苦(くる)しみを知(し)っている。 8わたしは下(くだ)って、彼(かれ)らをエジプトびとの手(て)から救(すく)い出(だ)し、これをかの地(ち)から導(みちび)き上(のぼ)って、良(よ)い広(ひろ)い地(ち)、乳(ちち)と蜜(みつ)の流(なが)れる地(ち)、すなわちカナンびと、ヘテびと、アモリびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとのおる所(ところ)に至(いた)らせようとしている。 9いまイスラエルの人々(ひとびと)の叫(さけ)びがわたしに届(とど)いた。わたしはまたエジプトびとが彼(かれ)らをしえたげる、そのしえたげを見(み)た。 10さあ、わたしは、あなたをパロにつかわして、わたしの民(たみ)、イスラエルの人々(ひとびと)をエジプトから導(みちび)き出(だ)させよう」。 11モーセは神(かみ)に言(い)った、「わたしは、いったい何者(なにもの)でしょう。わたしがパロのところへ行(い)って、イスラエルの人々(ひとびと)をエジプトから導(みちび)き出(だ)すのでしょうか」。 12神(かみ)は言(い)われた、「わたしは必(かなら)ずあなたと共(とも)にいる。これが、わたしのあなたをつかわしたしるしである。あなたが民(たみ)をエジプトから導(みちび)き出(だ)したとき、あなたがたはこの山(やま)で神(かみ)に仕(つか)えるであろう」。

13モーセは神(かみ)に言(い)った、「わたしがイスラエルの人々(ひとびと)のところへ行(い)って、彼(かれ)らに『あなたがたの先祖(せんぞ)の神(かみ)が、わたしをあなたがたのところへつかわされました』と言(い)うとき、彼(かれ)らが『その名(な)はなんというのですか』とわたしに聞(き)くならば、なんと答(こた)えましょうか」。 14神(かみ)はモーセに言(い)われた、「わたしは、有(あ)って有(あ)る者(もの)」。また言(い)われた、「イスラエルの人々(ひとびと)にこう言(い)いなさい、『「わたしは有(あ)る」というかたが、わたしをあなたがたのところへつかわされました』と」。 15神(かみ)はまたモーセに言(い)われた、「イスラエルの人々(ひとびと)にこう言(い)いなさい『あなたがたの先祖(せんぞ)の神(かみ)、アブラハムの神(かみ)、イサクの神(かみ)、ヤコブの神(かみ)である主(しゅ)が、わたしをあなたがたのところへつかわされました』と。これは永遠(えいえん)にわたしの名(な)、これは世々(よよ)のわたしの呼(よ)び名(な)である。 16あなたは行(い)って、イスラエルの長老(ちょうろう)たちを集(あつ)めて言(い)いなさい、『あなたがたの先祖(せんぞ)の神(かみ)、アブラハム、イサク、ヤコブの神(かみ)である主(しゅ)は、わたしに現(あらわ)れて言(い)われました、「わたしはあなたがたを顧(かえり)み、あなたがたがエジプトでされている事(こと)を確(たし)かに見(み)た。 17それでわたしはあなたがたを、エジプトの悩(なや)みから導(みちび)き出(だ)して、カナンびと、ヘテびと、アモリびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの地(ち)、乳(ちち)と蜜(みつ)の流(なが)れる地(ち)へ携(たずさ)え上(のぼ)ろうと決心(けっしん)した」と』。 18彼(かれ)らはあなたの声(こえ)に聞(き)き従(したが)うであろう。あなたはイスラエルの長老(ちょうろう)たちと一緒(いっしょ)にエジプトの王(おう)のところへ行(い)って言(い)いなさい、『ヘブルびとの神(かみ)、主(しゅ)がわたしたちに現(あらわ)れられました。それで、わたしたちを、三日(か)の道(みち)のりほど荒野(あらの)に行(い)かせて、わたしたちの神(かみ)、主(しゅ)に犠牲(ぎせい)をささげることを許(ゆる)してください』と。 19しかし、エジプトの王(おう)は強(つよ)い手(て)をもって迫(せま)らなければ、あなたがたを行(い)かせないのをわたしは知(し)っている。 20それで、わたしは手(て)を伸(の)べて、エジプトのうちに行(おこな)おうとする、さまざまの不思議(ふしぎ)をもってエジプトを打(う)とう。その後(のち)に彼(かれ)はあなたがたを去(さ)らせるであろう。 21わたしはこの民(たみ)にエジプトびとの好意(こうい)を得(え)させる。あなたがたは去(さ)るときに、むなし手(て)で去(さ)ってはならない。 22女(おんな)はみな、その隣(となり)の女(おんな)と、家(いえ)に宿(やど)っている女(おんな)に、銀(ぎん)の飾(かざ)り、金(きん)の飾(かざ)り、また衣服(いふく)を求(もと)めなさい。そしてこれらを、あなたがたのむすこ、娘(むすめ)に着(つ)けさせなさい。このようにエジプトびとのものを奪(うば)い取(と)りなさい」。

第四章

1モーセは言(い)った、「しかし、彼(かれ)らはわたしを信(しん)ぜず、またわたしの声(こえ)に聞(き)き従(したが)わないで言(い)うでしょう、『主(しゅ)はあなたに現(あらわ)れなかった』と」。 2主(しゅ)は彼(かれ)に言(い)われた、「あなたの手(て)にあるそれは何(なに)か」。彼(かれ)は言(い)った、「つえです」。 3また言(い)われた、「それを地(ち)に投(な)げなさい」。彼(かれ)がそれを地(ち)に投(な)げると、へびになったので、モーセはその前(まえ)から身(み)を避(さ)けた。 4主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「あなたの手(て)を伸(の)ばして、その尾(お)を取(と)りなさい。――そこで手(て)を伸(の)ばしてそれを取(と)ると、手(て)のなかでつえとなった。―― 5これは、彼(かれ)らの先祖(せんぞ)たちの神(かみ)、アブラハムの神(かみ)、イサクの神(かみ)、ヤコブの神(かみ)である主(しゅ)が、あなたに現(あらわ)れたのを、彼(かれ)らに信(しん)じさせるためである」。 6主(しゅ)はまた彼(かれ)に言(い)われた、「あなたの手(て)をふところに入(い)れなさい」。彼(かれ)が手(て)をふところに入(い)れ、それを出(だ)すと、手(て)は、らい病(びょう)にかかって、雪(ゆき)のように白(しろ)くなっていた。 7主(しゅ)は言(い)われた、「手(て)をふところにもどしなさい」。彼(かれ)は手(て)をふところにもどし、それをふところから出(だ)して見(み)ると、回復(かいふく)して、もとの肉(にく)のようになっていた。 8主(しゅ)は言(い)われた、「彼(かれ)らがもしあなたを信(しん)ぜず、また初(はじ)めのしるしを認(みと)めないならば、後(のち)のしるしは信(しん)じるであろう。 9彼(かれ)らがもしこの二つのしるしをも信(しん)ぜず、あなたの声(こえ)に聞(き)き従(したが)わないならば、あなたはナイル川(かわ)の水(みず)を取(と)って、かわいた地(ち)に注(そそ)ぎなさい。あなたがナイル川(かわ)から取(と)った水(みず)は、かわいた地(ち)で血(ち)となるであろう」。

10モーセは主(しゅ)に言(い)った、「ああ主(しゅ)よ、わたしは以前(いぜん)にも、またあなたが、しもべに語(かた)られてから後(のち)も、言葉(ことば)の人(ひと)ではありません。わたしは口(くち)も重(おも)く、舌(した)も重(おも)いのです」。 11主(しゅ)は彼(かれ)に言(い)われた、「だれが人(ひと)に口(くち)を授(さづ)けたのか。おし、耳(みみ)しい、目(め)あき、目(め)しいにだれがするのか。主(しゅ)なるわたしではないか。 12それゆえ行(い)きなさい。わたしはあなたの口(くち)と共(とも)にあって、あなたの言(い)うべきことを教(おし)えるであろう」。 13モーセは言(い)った、「ああ、主(しゅ)よ、どうか、ほかの適当(てきとう)な人(ひと)をおつかわしください」。 14そこで、主(しゅ)はモーセにむかって怒(いか)りを発(はっ)して言(い)われた、「あなたの兄弟(きょうだい)レビびとアロンがいるではないか。わたしは彼(かれ)が言葉(ことば)にすぐれているのを知(し)っている。見(み)よ、彼(かれ)はあなたに会(あ)おうとして出(で)てきている。彼(かれ)はあなたを見(み)て心(こころ)に喜(よろこ)ぶであろう。 15あなたは彼(かれ)に語(かた)って言葉(ことば)をその口(くち)に授(さづ)けなさい。わたしはあなたの口(くち)と共(とも)にあり、彼(かれ)の口(くち)と共(とも)にあって、あなたがたのなすべきことを教(おし)え、 16彼(かれ)はあなたに代(かわ)って民(たみ)に語(かた)るであろう。彼(かれ)はあなたの口(くち)となり、あなたは彼(かれ)のために、神(かみ)に代(かわ)るであろう。 17あなたはそのつえを手(て)に執(と)り、それをもって、しるしを行(おこな)いなさい」。

18モーセは妻(つま)の父(ちち)エテロのところに帰(かえ)って彼(かれ)に言(い)った、「どうかわたしを、エジプトにいる身(み)うちの者(もの)のところに帰(かえ)らせ、彼(かれ)らがまだ生(い)きながらえているか、どうかを見(み)させてください」。エテロはモーセに言(い)った、「安(やす)んじて行(い)きなさい」。 19主(しゅ)はミデヤンでモーセに言(い)われた、「エジプトに帰(かえ)って行(い)きなさい。あなたの命(いのち)を求(もと)めた人々(ひとびと)はみな死(し)んだ」。 20そこでモーセは妻(つま)と子供(こども)たちをとり、ろばに乗(の)せて、エジプトの地(ち)に帰(かえ)った。モーセは手(て)に神(かみ)のつえを執(と)った。

21主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「あなたがエジプトに帰(かえ)ったとき、わたしがあなたの手(て)に授(さづ)けた不思議(ふしぎ)を、みなパロの前(まえ)で行(おこな)いなさい。しかし、わたしが彼(かれ)の心(こころ)をかたくなにするので、彼(かれ)は民(たみ)を去(さ)らせないであろう。 22あなたはパロに言(い)いなさい、『主(しゅ)はこう仰(おお)せられる。イスラエルはわたしの子(こ)、わたしの長子(ちょうし)である。 23わたしはあなたに言(い)う。わたしの子(こ)を去(さ)らせて、わたしに仕(つか)えさせなさい。もし彼(かれ)を去(さ)らせるのを拒(こば)むならば、わたしはあなたの子(こ)、あなたの長子(ちょうし)を殺(ころ)すであろう』と」。

24さてモーセが途中(とちゅう)で宿(やど)っている時(とき)、主(しゅ)は彼(かれ)に会(あ)って彼(かれ)を殺(ころ)そうとされた。 25その時(とき)チッポラは火打(ひう)ち石(いし)の小刀(こがたな)を取(と)って、その男(おとこ)の子(こ)の前(まえ)の皮(かわ)を切(き)り、それをモーセの足(あし)につけて言(い)った、「あなたはまことに、わたしにとって血(ち)の花婿(はなむこ)です」。 26そこで、主(しゅ)はモーセをゆるされた。この時(とき)「血(ち)の花婿(はなむこ)です」とチッポラが言(い)ったのは割礼(かつれい)のゆえである。

27主(しゅ)はアロンに言(い)われた、「荒野(あらの)に行(い)ってモーセに会(あ)いなさい」。彼(かれ)は行(い)って神(かみ)の山(やま)でモーセに会(あ)い、これに口(くち)づけした。 28モーセは自分(じぶん)をつかわされた主(しゅ)のすべての言葉(ことば)と、命(めい)じられたすべてのしるしをアロンに告(つ)げた。 29そこでモーセとアロンは行(い)ってイスラエルの人々(ひとびと)の長老(ちょうろう)たちをみな集(あつ)めた。 30そしてアロンは主(しゅ)がモーセに語(かた)られた言葉(ことば)を、ことごとく告(つ)げた。また彼(かれ)は民(たみ)の前(まえ)でしるしを行(おこな)ったので、 31民(たみ)は信(しん)じた。彼(かれ)らは主(しゅ)がイスラエルの人々(ひとびと)を顧(かえり)み、その苦(くる)しみを見(み)られたのを聞(き)き、伏(ふ)して礼拝(れいはい)した。

第五章

1その後(のち)、モーセとアロンは行(い)ってパロに言(い)った、「イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)はこう言(い)われる、『わたしの民(たみ)を去(さ)らせ、荒野(あらの)で、わたしのために祭(まつり)をさせなさい』と」。 2パロは言(い)った、「主(しゅ)とはいったい何者(なにもの)か。わたしがその声(こえ)に聞(き)き従(したが)ってイスラエルを去(さ)らせなければならないのか。わたしは主(しゅ)を知(し)らない。またイスラエルを去(さ)らせはしない」。 3彼(かれ)らは言(い)った、「ヘブルびとの神(かみ)がわたしたちに現(あらわ)れました。どうか、わたしたちを三日(か)の道(みち)のりほど荒野(あらの)に行(い)かせ、わたしたちの神(かみ)、主(しゅ)に犠牲(ぎせい)をささげさせてください。そうしなければ主(しゅ)は疫病(えきびょう)か、つるぎをもって、わたしたちを悩(なや)まされるからです」。 4エジプトの王(おう)は彼(かれ)らに言(い)った、「モーセとアロンよ、あなたがたは、なぜ民(たみ)に働(はたら)きをやめさせようとするのか。自分(じぶん)の労役(ろうえき)につくがよい」。 5パロはまた言(い)った、「見(み)よ、今(いま)や土民(どみん)の数(かず)は多(おお)い。しかも、あなたがたは彼(かれ)らに労役(ろうえき)を休(やす)ませようとするのか」。 6その日(ひ)、パロは民(たみ)を追(お)い使(つか)う者(もの)と、民(たみ)のかしらたちに命(めい)じて言(い)った、 7「あなたがたは、れんがを作(つく)るためのわらを、もはや、今(いま)までのように、この民(たみ)に与(あた)えてはならない。彼(かれ)らに自分(じぶん)で行(い)って、わらを集(あつ)めさせなさい。 8また前(まえ)に作(つく)っていた、れんがの数(かず)どおりに彼(かれ)らに作(つく)らせ、それを減(へ)らしてはならない。彼(かれ)らはなまけ者(もの)だ。それだから、彼(かれ)らは叫(さけ)んで、『行(い)ってわたしたちの神(かみ)に犠牲(ぎせい)をささげさせよ』と言(い)うのだ。 9この人々(ひとびと)の労役(ろうえき)を重(おも)くして、働(はたら)かせ、偽(いつわ)りの言葉(ことば)に心(こころ)を寄(よ)せさせぬようにしなさい」。

10そこで民(たみ)を追(お)い使(つか)う者(もの)たちと、民(たみ)のかしらたちは出(で)て行(い)って、民(たみ)に言(い)った、「パロはこう仰(おお)せられる、『あなたがたに、わらは与(あた)えない。 11自分(じぶん)で行(い)って、見(み)つかる所(ところ)から、わらを取(と)って来(く)るがよい。しかし働(はたら)きは少(すこ)しも減(へ)らしてはならない』と」。 12そこで民(たみ)はエジプトの全(ぜん)地(ち)に散(ち)って、わらのかわりに、刈(か)り株(かぶ)を集(あつ)めた。 13追(お)い使(つか)う者(もの)たちは、彼(かれ)らをせき立(た)てて言(い)った、「わらがあった時(とき)と同(おな)じように、あなたがたの働(はたら)きの、日(ひ)ごとの分(ぶん)を仕上(しあ)げなければならない」。 14パロの追(お)い使(つか)う者(もの)たちがイスラエルの人々(ひとびと)の上(うえ)に立(た)てたかしらたちは、打(う)たれて、「なぜ、あなたがたは、れんが作(つく)りの仕事(しごと)を、きょうも、前(まえ)のように仕上(しあ)げないのか」と言(い)われた。

15そこで、イスラエルの人々(ひとびと)のかしらたちはパロのところに行(い)き、叫(さけ)んで言(い)った、「あなたはなぜ、しもべどもにこんなことをなさるのですか。 16しもべどもは、わらを与(あた)えられず、しかも彼(かれ)らはわたしたちに、『れんがは作(つく)れ』と言(い)うのです。その上(うえ)、しもべどもは打(う)たれています。罪(つみ)はあなたの民(たみ)にあるのです」。 17パロは言(い)った、「あなたがたは、なまけ者(もの)だ、なまけ者(もの)だ。それだから、『行(い)って、主(しゅ)に犠牲(ぎせい)をささげさせよ』と言(い)うのだ。 18さあ、行(い)って働(はたら)きなさい。わらは与(あた)えないが、なおあなたがたは定(さだ)めた数(かず)のれんがを納(おさ)めなければならない」。 19イスラエルの人々(ひとびと)のかしらたちは、「れんがの日(ひ)ごとの分(ぶん)を減(へ)らしてはならない」と言(い)われたので、悪(わる)い事態(じたい)になったことを知(し)った。 20彼(かれ)らがパロを離(はな)れて出(で)てきた時(とき)、彼(かれ)らに会(あ)おうとして立(た)っていたモーセとアロンに会(あ)ったので、 21彼(かれ)らに言(い)った、「主(しゅ)があなたがたをごらんになって、さばかれますように。あなたがたは、わたしたちをパロとその家来(けらい)たちにきらわせ、つるぎを彼(かれ)らの手(て)に渡(わた)して、殺(ころ)させようとしておられるのです」。

22モーセは主(しゅ)のもとに帰(かえ)って言(い)った、「主(しゅ)よ、あなたは、なぜこの民(たみ)をひどい目(め)にあわされるのですか。なんのためにわたしをつかわされたのですか。 23わたしがパロのもとに行(い)って、あなたの名(な)によって語(かた)ってからこのかた、彼(かれ)はこの民(たみ)をひどい目(め)にあわせるばかりです。また、あなたは、すこしもあなたの民(たみ)を救(すく)おうとなさいません」。

第六章

1主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「今(いま)、あなたは、わたしがパロに何(なに)をしようとしているかを見(み)るであろう。すなわちパロは強(つよ)い手(て)にしいられて、彼(かれ)らを去(さ)らせるであろう。否(いな)、彼(かれ)は強(つよ)い手(て)にしいられて、彼(かれ)らを国(くに)から追(お)い出(だ)すであろう」。

2神(かみ)はモーセに言(い)われた、「わたしは主(しゅ)である。 3わたしはアブラハム、イサク、ヤコブには全能(ぜんのう)の神(かみ)として現(あらわ)れたが、主(しゅ)という名(な)では、自分(じぶん)を彼(かれ)らに知(し)らせなかった。 4わたしはまたカナンの地(ち)、すなわち彼(かれ)らが寄留(きりゅう)したその寄留(きりゅう)の地(ち)を、彼(かれ)らに与(あた)えるという契約(けいやく)を彼(かれ)らと立(た)てた。 5わたしはまた、エジプトびとが奴隷(どれい)としているイスラエルの人々(ひとびと)のうめきを聞(き)いて、わたしの契約(けいやく)を思(おも)い出(だ)した。 6それゆえ、イスラエルの人々(ひとびと)に言(い)いなさい、『わたしは主(しゅ)である。わたしはあなたがたをエジプトびとの労役(ろうえき)の下(した)から導(みちび)き出(だ)し、奴隷(どれい)の務(つとめ)から救(すく)い、また伸(の)べた腕(うで)と大(おお)いなるさばきをもって、あなたがたをあがなうであろう。 7わたしはあなたがたを取(と)ってわたしの民(たみ)とし、わたしはあなたがたの神(かみ)となる。わたしがエジプトびとの労役(ろうえき)の下(した)からあなたがたを導(みちび)き出(だ)すあなたがたの神(かみ)、主(しゅ)であることを、あなたがたは知(し)るであろう。 8わたしはアブラハム、イサク、ヤコブに与(あた)えると手(て)を挙(あ)げて誓(ちか)ったその地(ち)にあなたがたをはいらせ、それを所有(しょゆう)として、与(あた)えるであろう。わたしは主(しゅ)である』と」。 9モーセはこのようにイスラエルの人々(ひとびと)に語(かた)ったが、彼(かれ)らは心(こころ)の痛(いた)みと、きびしい奴隷(どれい)の務(つとめ)のゆえに、モーセに聞(き)き従(したが)わなかった。

10さて主(しゅ)はモーセに言(い)われた、 11「エジプトの王(おう)パロのところに行(い)って、彼(かれ)がイスラエルの人々(ひとびと)をその国(くに)から去(さ)らせるように話(はな)しなさい」。 12モーセは主(しゅ)にむかって言(い)った、「イスラエルの人々(ひとびと)でさえ、わたしの言(い)うことを聞(き)かなかったのに、どうして、くちびるに割礼(かつれい)のないわたしの言(い)うことを、パロが聞(き)き入(い)れましょうか」。 13しかし、主(しゅ)はモーセとアロンに語(かた)って、イスラエルの人々(ひとびと)と、エジプトの王(おう)パロのもとに行(い)かせ、イスラエルの人々(ひとびと)をエジプトの地(ち)から導(みちび)き出(だ)せと命(めい)じられた。

14彼(かれ)らの先祖(せんぞ)の家(いえ)の首長(しゅちょう)たちは次(つぎ)のとおりである。すなわちイスラエルの長子(ちょうし)ルベンの子(こ)らはハノク、パル、ヘヅロン、カルミで、これらはルベンの一族(いちぞく)である。 15シメオンの子(こ)らはエムエル、ヤミン、オハデ、ヤキン、ゾハル、およびカナンの女(おんな)から生(うま)れたシャウルで、これらはシメオンの一族(いちぞく)である。 16レビの子(こ)らの名(な)は、その世代(せだい)に従(したが)えば、ゲルション、コハテ、メラリで、レビの一生(いっしょう)は百三十七年(ねん)であった。 17ゲルションの子(こ)らの一族(いちぞく)はリブニとシメイである。 18コハテの子(こ)らはアムラム、イヅハル、ヘブロン、ウジエルで、コハテの一生(いっしょう)は百三十三年(ねん)であった。 19メラリの子(こ)らはマヘリとムシである。これらはその世代(せだい)によるレビの一族(いちぞく)である。 20アムラムは父(ちち)の妹(いもうと)ヨケベデを妻(つま)としたが、彼女(かのじょ)はアロンとモーセを彼(かれ)に産(う)んだ。アムラムの一生(いっしょう)は百三十七年(ねん)であった。 21イヅハルの子(こ)らはコラ、ネペグ、ジクリである。 22ウジエルの子(こ)らはミサエル、エルザパン、シテリである。 23アロンはナションの姉妹(しまい)、アミナダブの娘(むすめ)エリセバを妻(つま)とした。エリセバは彼(かれ)にナダブ、アビウ、エレアザル、イタマルを産(う)んだ。 24コラの子(こ)らはアッシル、エルカナ、アビアサフで、これらはコラびとの一族(いちぞく)である。 25アロンの子(こ)エレアザルはプテエルの娘(むすめ)のひとりを妻(つま)とした。彼女(かのじょ)はピネハスを彼(かれ)に産(う)んだ。これらは、その一族(いちぞく)によるレビびとの先祖(せんぞ)の家(いえ)の首長(しゅちょう)たちである。

26主(しゅ)が、「イスラエルの人々(ひとびと)をその軍団(ぐんだん)に従(したが)って、エジプトの地(ち)から導(みちび)き出(だ)しなさい」と言(い)われたのは、このアロンとモーセである。 27彼(かれ)らはイスラエルの人々(ひとびと)をエジプトから導(みちび)き出(だ)すことについて、エジプトの王(おう)パロに語(かた)ったもので、すなわちこのモーセとアロンである。

28主(しゅ)がエジプトの地(ち)でモーセに語(かた)られた日(ひ)に、 29主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「わたしは主(しゅ)である。わたしがあなたに語(かた)ることは、みなエジプトの王(おう)パロに語(かた)りなさい」。 30しかしモーセは主(しゅ)にむかって言(い)った、「ごらんのとおり、わたしは、くちびるに割礼(かつれい)のない者(もの)です。パロがどうしてわたしの言(い)うことを聞(き)きいれましょうか」。

第七章

1主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「見(み)よ、わたしはあなたをパロに対(たい)して神(かみ)のごときものとする。あなたの兄弟(きょうだい)アロンはあなたの預言者(よげんしゃ)となるであろう。 2あなたはわたしが命(めい)じることを、ことごとく彼(かれ)に告(つ)げなければならない。そしてあなたの兄弟(きょうだい)アロンはパロに告(つ)げて、イスラエルの人々(ひとびと)をその国(くに)から去(さ)らせるようにさせなければならない。 3しかし、わたしはパロの心(こころ)をかたくなにするので、わたしのしるしと不思議(ふしぎ)をエジプトの国(くに)に多(おお)く行(おこな)っても、 4パロはあなたがたの言(い)うことを聞(き)かないであろう。それでわたしは手(て)をエジプトの上(うえ)に加(くわ)え、大(おお)いなるさばきをくだして、わたしの軍団(ぐんだん)、わたしの民(たみ)イスラエルの人々(ひとびと)を、エジプトの国(くに)から導(みちび)き出(だ)すであろう。 5わたしが手(て)をエジプトの上(うえ)にさし伸(の)べて、イスラエルの人々(ひとびと)を彼(かれ)らのうちから導(みちび)き出(だ)す時(とき)、エジプトびとはわたしが主(しゅ)であることを知(し)るようになるであろう」。 6モーセとアロンはそのように行(おこな)った。すなわち主(しゅ)が彼(かれ)らに命(めい)じられたように行(おこな)った。 7彼(かれ)らがパロと語(かた)った時(とき)、モーセは八十歳(さい)、アロンは八十三歳(さい)であった。

8主(しゅ)はモーセとアロンに言(い)われた、 9「パロがあなたがたに、『不思議(ふしぎ)をおこなって証拠(しょうこ)を示(しめ)せ』と言(い)う時(とき)、あなたはアロンに言(い)いなさい、『あなたのつえを取(と)って、パロの前(まえ)に投(な)げなさい』と。するとそれはへびになるであろう」。 10それで、モーセとアロンはパロのところに行(い)き、主(しゅ)の命(めい)じられたとおりにおこなった。すなわちアロンはそのつえを、パロとその家来(けらい)たちの前(まえ)に投(な)げると、それはへびになった。 11そこでパロもまた知者(ちしゃ)と魔法使(まほうつかい)を召(め)し寄(よ)せた。これらのエジプトの魔術(まじゅつ)師(し)らもまた、その秘術(ひじゅつ)をもって同(おな)じように行(おこな)った。 12すなわち彼(かれ)らは、おのおのそのつえを投(な)げたが、それらはへびになった。しかし、アロンのつえは彼(かれ)らのつえを、のみつくした。 13けれども、パロの心(こころ)はかたくなになって、主(しゅ)の言(い)われたように、彼(かれ)らの言(い)うことを聞(き)かなかった。

14主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「パロの心(こころ)はかたくなで、彼(かれ)は民(たみ)を去(さ)らせることを拒(こば)んでいる。 15あなたは、あすの朝(あさ)、パロのところに行(い)きなさい。見(み)よ、彼(かれ)は水(みず)のところに出(で)ている。あなたは、へびに変(かわ)ったあのつえを手(て)に執(と)り、ナイル川(かわ)の岸(きし)に立(た)って彼(かれ)に会(あ)い、 16そして彼(かれ)に言(い)いなさい、『ヘブルびとの神(かみ)、主(しゅ)がわたしをあなたにつかわして言(い)われます、「わたしの民(たみ)を去(さ)らせ、荒野(あらの)で、わたしに仕(つか)えるようにさせよ」と。しかし今(いま)もなお、あなたが聞(き)きいれようとされないので、 17主(しゅ)はこう仰(おお)せられます、「これによってわたしが主(しゅ)であることを、あなたは知(し)るでしょう。見(み)よ、わたしが手(て)にあるつえでナイル川(かわ)の水(みず)を打(う)つと、それは血(ち)に変(かわ)るであろう。 18そして川(かわ)の魚(うお)は死(し)に、川(かわ)は臭(くさ)くなり、エジプトびとは川(かわ)の水(みず)を飲(の)むことをいとうであろう」』と」。 19主(しゅ)はまたモーセに言(い)われた、「あなたはアロンに言(い)いなさい、『あなたのつえを執(と)って、手(て)をエジプトの水(みず)の上(うえ)、川(かわ)の上(うえ)、流(なが)れの上(うえ)、池(いけ)の上(うえ)、またそのすべての水(みず)たまりの上(うえ)にさし伸(の)べて、それを血(ち)にならせなさい。エジプト全国(ぜんこく)にわたって、木(き)の器(うつわ)、石(いし)の器(うつわ)にも、血(ち)があるようになるでしょう』と」。

20モーセとアロンは主(しゅ)の命(めい)じられたようにおこなった。すなわち、彼(かれ)はパロとその家来(けらい)たちの目(め)の前(まえ)で、つえをあげてナイル川(かわ)の水(みず)を打(う)つと、川(かわ)の水(みず)は、ことごとく血(ち)に変(かわ)った。 21それで川(かわ)の魚(うお)は死(し)に、川(かわ)は臭(くさ)くなり、エジプトびとは川(かわ)の水(みず)を飲(の)むことができなくなった。そしてエジプト全国(ぜんこく)にわたって血(ち)があった。 22エジプトの魔術(まじゅつ)師(し)らも秘術(ひじゅつ)をもって同(おな)じようにおこなった。しかし、主(しゅ)の言(い)われたように、パロの心(こころ)はかたくなになり、彼(かれ)らの言(い)うことを聞(き)かなかった。 23パロは身(み)をめぐらして家(いえ)に入(い)り、またこのことをも心(こころ)に留(と)めなかった。 24すべてのエジプトびとはナイル川(かわ)の水(みず)が飲(の)めなかったので、飲(の)む水(みず)を得(え)ようと、川(かわ)のまわりを掘(ほ)った。 25主(しゅ)がナイル川(かわ)を打(う)たれてのち七日(なぬか)を経(へ)た。

第八章

1主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「あなたはパロのところに行(い)って言(い)いなさい、『主(しゅ)はこう仰(おお)せられます、「わたしの民(たみ)を去(さ)らせて、わたしに仕(つか)えさせなさい。 2しかし、去(さ)らせることを拒(こば)むならば、見(み)よ、わたしは、かえるをもって、あなたの領土(りょうど)を、ことごとく撃(う)つであろう。 3ナイル川(かわ)にかえるが群(むら)がり、のぼって、あなたの家(いえ)、あなたの寝室(しんしつ)にはいり、寝台(しんだい)にのぼり、あなたの家来(けらい)と民(たみ)の家(いえ)にはいり、またあなたのかまどや、こね鉢(はち)にはいり、 4あなたと、あなたの民(たみ)と、すべての家来(けらい)のからだに、はい上(あ)がるであろう」と』」。 5主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「あなたはアロンに言(い)いなさい、『つえを持(も)って、手(て)を川(かわ)の上(うえ)、流(なが)れの上(うえ)、、池(いけ)の上(うえ)にさし伸(の)べ、かえるをエジプトの地(ち)にのぼらせなさい』と」。 6アロンが手(て)をエジプトの水(みず)の上(うえ)にさし伸(の)べたので、かえるはのぼってエジプトの地(ち)をおおった。 7魔術(まじゅつ)師(し)らも秘術(ひじゅつ)をもって同(おな)じように行(おこな)い、かえるをエジプトの地(ち)にのぼらせた。

8パロはモーセとアロンを召(め)して言(い)った、「かえるをわたしと、わたしの民(たみ)から取(と)り去(さ)るように主(しゅ)に願(ねが)ってください。そのときわたしはこの民(たみ)を去(さ)らせて、主(しゅ)に犠牲(ぎせい)をささげさせるでしょう」。 9モーセはパロに言(い)った、「あなたと、あなたの家来(けらい)と、あなたの民(たみ)のために、わたしがいつ願(ねが)って、このかえるを、あなたとあなたの家(いえ)から断(た)って、ナイル川(かわ)だけにとどまらせるべきか、きめてください」。 10パロは言(い)った、「明日(みょうにち)」。モーセは言(い)った、「仰(おお)せのとおりになって、わたしたちの神(かみ)、主(しゅ)に並(なら)ぶもののないことを、あなたが知(し)られますように。 11そして、かえるはあなたと、あなたの家(いえ)と、あなたの家来(けらい)と、あなたの民(たみ)を離(はな)れてナイル川(かわ)にだけとどまるでしょう」。 12こうしてモーセとアロンはパロを離(はな)れて出(で)た。モーセは主(しゅ)がパロにつかわされたかえるの事(こと)について、主(しゅ)に呼(よ)び求(もと)めたので、 13主(しゅ)はモーセのことばのようにされ、かえるは家(いえ)から、庭(にわ)から、また畑(はたけ)から死(し)に絶(た)えた。 14これをひと山(やま)ひと山(やま)に積(つ)んだので、地(ち)は臭(くさ)くなった。 15ところがパロは息(いき)つくひまのできたのを見(み)て、主(しゅ)が言(い)われたように、その心(こころ)をかたくなにして彼(かれ)らの言(い)うことを聞(き)かなかった。

16主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「あなたはアロンに言(い)いなさい、『あなたのつえをさし伸(の)べて地(ち)のちりを打(う)ち、それをエジプトの全国(ぜんこく)にわたって、ぶよとならせなさい』と」。 17彼(かれ)らはそのように行(おこな)った。すなわちアロンはそのつえをとって手(て)をさし伸(の)べ、地(ち)のちりを打(う)ったので、ぶよは人(ひと)と家畜(かちく)についた。すなわち、地(ち)のちりはみなエジプトの全国(ぜんこく)にわたって、ぶよとなった。 18魔術(まじゅつ)師(し)らも秘術(ひじゅつ)をもって同(おな)じように行(おこな)い、ぶよを出(だ)そうとしたが、彼(かれ)らにはできなかった。ぶよが人(ひと)と家畜(かちく)についたので、 19魔術(まじゅつ)師(し)らはパロに言(い)った、「これは神(かみ)の指(ゆび)です」。しかし主(しゅ)の言(い)われたように、パロの心(こころ)はかたくなになって、彼(かれ)らのいうことを聞(き)かなかった。

20主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「あなたは朝(あさ)早(はや)く起(お)きてパロの前(まえ)に立(た)ちなさい。ちょうど彼(かれ)は水(みず)のところに出(で)ているから彼(かれ)に言(い)いなさい、『主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、「わたしの民(たみ)を去(さ)らせて、わたしに仕(つか)えさせなさい。 21あなたがわたしの民(たみ)を去(さ)らせないならば、わたしは、あなたとあなたの家来(けらい)と、あなたの民(たみ)とあなたの家(いえ)とに、あぶの群(む)れをつかわすであろう。エジプトびとの家々(いえいえ)は、あぶの群(む)れで満(み)ち、彼(かれ)らの踏(ふ)む地(ち)もまた、そうなるであろう。 22その日(ひ)わたしは、わたしの民(たみ)の住(す)むゴセンの地(ち)を区(く)別(べっ)して、そこにあぶの群(む)れを入(い)れないであろう。国(くに)の中(なか)でわたしが主(しゅ)であることをあなたが知(し)るためである。 23わたしはわたしの民(たみ)とあなたの民(たみ)の間(あいだ)に区別(くべつ)をおく。このしるしは、あす起(おこ)るであろう」と』」。 24主(しゅ)はそのようにされたので、おびただしいあぶが、パロの家(いえ)と、その家来(けらい)の家(いえ)と、エジプトの全国(ぜんこく)にはいってきて、地(ち)はあぶの群(む)れのために害(がい)をうけた。

25そこで、パロはモーセとアロンを召(め)して言(い)った、「あなたがたは行(い)ってこの国(くに)の内(うち)で、あなたがたの神(かみ)に犠牲(ぎせい)をささげなさい」。 26モーセは言(い)った、「そうすることはできません。わたしたちはエジプトびとの忌(い)むものを犠牲(ぎせい)として、わたしたちの神(かみ)、主(しゅ)にささげるからです。もし、エジプトびとの目(め)の前(まえ)で、彼(かれ)らの忌(い)むものを犠牲(ぎせい)にささげるならば、彼(かれ)らはわたしたちを石(いし)で打(う)たないでしょうか。 27わたしたちは三日(か)の道(みち)のりほど、荒野(あらの)にはいって、わたしたちの神(かみ)、主(しゅ)に犠牲(ぎせい)をささげ、主(しゅ)がわたしたちに命(めい)じられるようにしなければなりません」。 28パロは言(い)った、「わたしはあなたがたを去(さ)らせ、荒野(あらの)で、あなたがたの神(かみ)、主(しゅ)に犠牲(ぎせい)をささげさせよう。ただあまり遠(とお)くへ行(い)ってはならない。わたしのために祈願(きがん)しなさい」。 29モーセは言(い)った、「わたしはあなたのもとから出(で)て行(い)って主(しゅ)に祈願(きがん)しましょう。あすあぶの群(む)れがパロと、その家来(けらい)と、その民(たみ)から離(はな)れるでしょう。ただパロはまた欺(あざむ)いて、民(たみ)が主(しゅ)に犠牲(ぎせい)をささげに行(い)くのをとめないようにしてください」。 30こうしてモーセはパロのもとを出(で)て、主(しゅ)に祈願(きがん)したので、 31主(しゅ)はモーセの言葉(ことば)のようにされた。すなわち、あぶの群(む)れをパロと、その家来(けらい)と、その民(たみ)から取(と)り去(さ)られたので、一つも残(のこ)らなかった。 32しかしパロはこんどもまた、その心(こころ)をかたくなにして民(たみ)を去(さ)らせなかった。

第九章

1主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「パロのもとに行(い)って、彼(かれ)に言(い)いなさい、『ヘブルびとの神(かみ)、主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、「わたしの民(たみ)を去(さ)らせて、わたしに仕(つか)えさせなさい。 2あなたがもし彼(かれ)らを去(さ)らせることを拒(こば)んで、なお彼(かれ)らを留(と)めおくならば、 3主(しゅ)の手(て)は最(もっと)も激(はげ)しい疫病(えきびょう)をもって、野(の)にいるあなたの家畜(かちく)、すなわち馬(うま)、ろば、らくだ、牛(うし)、羊(ひつじ)の上(うえ)に臨(のぞ)むであろう。 4しかし、主(しゅ)はイスラエルの家畜(かちく)と、エジプトの家畜(かちく)を区別(くべつ)され、すべてイスラエルの人々(ひとびと)に属(ぞく)するものには一頭(とう)も死(し)ぬものがないであろう」と』」。 5主(しゅ)は、また、時(とき)を定(さだ)めて仰(おお)せられた、「あす、主(しゅ)はこのことを国(くに)に行(おこな)うであろう」。 6あくる日(ひ)、主(しゅ)はこのことを行(おこな)われたので、エジプトびとの家畜(かちく)はみな死(し)んだ。しかし、イスラエルの人々(ひとびと)の家畜(かちく)は一頭(とう)も死(し)ななかった。 7パロは人(ひと)をつかわして見(み)させたが、イスラエルの家畜(かちく)は一頭(とう)も死(し)んでいなかった。それでもパロの心(こころ)はかたくなで、民(たみ)を去(さ)らせなかった。

8主(しゅ)はモーセとアロンに言(い)われた、「あなたがたは、かまどのすすを両(りょう)手(て)いっぱい取(と)り、それをモーセはパロの目(め)の前(まえ)で天(てん)にむかって、まき散(ち)らしなさい。 9それはエジプトの全国(ぜんこく)にわたって、細(こま)かいちりとなり、エジプト全国(ぜんこく)で人(ひと)と獣(けもの)に付(つ)いて、うみの出(で)るはれものとなるであろう」。 10そこで彼(かれ)らは、かまどのすすを取(と)ってパロの前(まえ)に立(た)ち、モーセは天(てん)にむかってこれをまき散(ち)らしたので、人(ひと)と獣(けもの)に付(つ)いて、うみの出(で)るはれものとなった。 11魔術(まじゅつ)師(し)らは、はれもののためにモーセの前(まえ)に立(た)つことができなかった。はれものが魔術(まじゅつ)師(し)らと、すべてのエジプトびとに生(しょう)じたからである。 12しかし、主(しゅ)はパロの心(こころ)をかたくなにされたので、彼(かれ)は主(しゅ)がモーセに語(かた)られたように、彼(かれ)らの言(い)うことを聞(き)かなかった。

13主(しゅ)はまたモーセに言(い)われた、「朝(あさ)早(はや)く起(お)き、パロの前(まえ)に立(た)って、彼(かれ)に言(い)いなさい、『ヘブルびとの神(かみ)、主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、「わたしの民(たみ)を去(さ)らせて、わたしに仕(つか)えさせなさい。 14わたしは、こんどは、もろもろの災(わざわい)を、あなたと、あなたの家来(けらい)と、あなたの民(たみ)にくだし、わたしに並(なら)ぶものが全(ぜん)地(ち)にないことを知(し)らせるであろう。 15わたしがもし、手(て)をさし伸(の)べ、疫病(えきびょう)をもって、あなたと、あなたの民(たみ)を打(う)っていたならば、あなたは地(ち)から断(た)ち滅(ほろ)ぼされていたであろう。 16しかし、わたしがあなたをながらえさせたのは、あなたにわたしの力(ちから)を見(み)させるため、そして、わたしの名(な)が全(ぜん)地(ち)に宣(の)べ伝(つた)えられるためにほかならない。 17それに、あなたはなお、わたしの民(たみ)にむかって、おのれを高(たか)くし、彼(かれ)らを去(さ)らせようとしない。 18ゆえに、あすの今(いま)ごろ、わたしは恐(おそ)ろしく大(おお)きな雹(ひょう)を降(ふ)らせるであろう。それはエジプトの国(くに)が始(はじ)まった日(ひ)から今(いま)まで、かつてなかったほどのものである。 19それゆえ、いま、人(ひと)をやって、あなたの家畜(かちく)と、あなたが野(の)にもっているすべてのものを、のがれさせなさい。人(ひと)も獣(けもの)も、すべて野(の)にあって家(いえ)に帰(かえ)らないものは降(ふ)る雹(ひょう)に打(う)たれて死(し)ぬであろう」と』」。 20パロの家来(けらい)のうち、主(しゅ)の言葉(ことば)をおそれる者(もの)は、そのしもべと家畜(かちく)を家(いえ)にのがれさせたが、 21主(しゅ)の言葉(ことば)を意(い)にとめないものは、そのしもべと家畜(かちく)を野(の)に残(のこ)しておいた。

22主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「あなたの手(て)を天(てん)にむかってさし伸(の)べ、エジプトの全国(ぜんこく)にわたって、エジプトの地(ち)にいる人(ひと)と獣(けもの)と畑(はたけ)のすべての青物(あおもの)の上(うえ)に雹(ひょう)を降(ふ)らせなさい」。 23モーセが天(てん)にむかってつえをさし伸(の)べると、主(しゅ)は雷(かみなり)と雹(ひょう)をおくられ、火(ひ)は地(ち)にむかって、はせ下(くだ)った。こうして主(しゅ)は、雹(ひょう)をエジプトの地(ち)に降(ふ)らされた。 24そして雹(ひょう)が降(ふ)り、雹(ひょう)の間(あいだ)に火(ひ)がひらめき渡(わた)った。雹(ひょう)は恐(おそ)ろしく大(おお)きく、エジプト全国(ぜんこく)には、国(くに)をなしてこのかた、かつてないものであった。 25雹(ひょう)はエジプト全国(ぜんこく)にわたって、すべて畑(はたけ)にいる人(ひと)と獣(けもの)を打(う)った。雹(ひょう)はまた畑(はたけ)のすべての青物(あおもの)を打(う)ち、野(の)のもろもろの木(き)を折(お)り砕(くだ)いた。 26ただイスラエルの人々(ひとびと)のいたゴセンの地(ち)には、雹(ひょう)が降(ふ)らなかった。

27そこで、パロは人(ひと)をつかわし、モーセとアロンを召(め)して言(い)った、「わたしはこんどは罪(つみ)を犯(おか)した。主(しゅ)は正(ただ)しく、わたしと、わたしの民(たみ)は悪(わる)い。 28主(しゅ)に祈願(きがん)してください。この雷(かみなり)と雹(ひょう)はもうじゅうぶんです。わたしはあなたがたを去(さ)らせます。もはやとどまらなくてもよろしい」。 29モーセは彼(かれ)に言(い)った、「わたしは町(まち)を出(で)ると、すぐ、主(しゅ)にむかってわたしの手(て)を伸(の)べひろげます。すると雷(かみなり)はやみ、雹(ひょう)はもはや降(ふ)らなくなり、あなたは、地(ち)が主(しゅ)のものであることを知(し)られましょう。 30しかし、あなたとあなたの家来(けらい)たちは、なお、神(かみ)なる主(しゅ)を恐(おそ)れないことを、わたしは知(し)っています」。 31――亜麻(あま)と大麦(おおむぎ)は打(う)ち倒(たお)された。大麦(おおむぎ)は穂(ほ)を出(だ)し、亜麻(あま)は花(はな)が咲(さ)いていたからである。 32小麦(こむぎ)とスペルタ麦(むぎ)はおくてであるため打(う)ち倒(たお)されなかった。―― 33モーセはパロのもとを去(さ)り、町(まち)を出(で)て、主(しゅ)にむかって手(て)を伸(の)べひろげたので、雷(かみなり)と雹(ひょう)はやみ、雨(あめ)は地(ち)に降(ふ)らなくなった。 34ところがパロは雨(あめ)と雹(ひょう)と雷(かみなり)がやんだのを見(み)て、またも罪(つみ)を犯(おか)し、心(こころ)をかたくなにした。彼(かれ)も家来(けらい)も、そうであった。 35すなわちパロは心(こころ)をかたくなにし、主(しゅ)がモーセによって語(かた)られたように、イスラエルの人々(ひとびと)を去(さ)らせなかった。

第一〇章

1そこで、主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「パロのもとに行(い)きなさい。わたしは彼(かれ)の心(こころ)とその家来(けらい)たちの心(こころ)をかたくなにした。これは、わたしがこれらのしるしを、彼(かれ)らの中(なか)に行(おこな)うためである。 2また、わたしがエジプトびとをあしらったこと、また彼(かれ)らの中(なか)にわたしが行(おこな)ったしるしを、あなたがたが、子(こ)や孫(まご)の耳(みみ)に語(かた)り伝(つた)えるためである。そしてあなたがたは、わたしが主(しゅ)であることを知(し)るであろう」。

3モーセとアロンはパロのもとに行(い)って彼(かれ)に言(い)った、「ヘブルびとの神(かみ)、主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、『いつまで、あなたは、わたしに屈伏(くっぷく)することを拒(こば)むのですか。民(たみ)を去(さ)らせて、わたしに仕(つか)えさせなさい。 4もし、わたしの民(たみ)を去(さ)らせることを拒(こば)むならば、見(み)よ、あす、わたしはいなごを、あなたの領土(りょうど)にはいらせるであろう。 5それは地(ち)のおもてをおおい、人(ひと)が地(ち)を見(み)ることもできないほどになるであろう。そして雹(ひょう)を免(まぬか)れて、残(のこ)されているものを食(く)い尽(つく)し、野(の)にはえているあなたがたの木(き)をみな食(く)い尽(つく)すであろう。 6またそれはあなたの家(いえ)とあなたのすべての家来(けらい)の家(いえ)、および、すべてのエジプトびとの家(いえ)に満(み)ちるであろう。このようなことは、あなたの父(ちち)たちも、また、祖父(そふ)たちも、彼(かれ)らが地上(ちじょう)にあった日(ひ)から今日(こんにち)に至(いた)るまで、かつて見(み)たことのないものである』と」。そして彼(かれ)は身(み)をめぐらして、パロのもとを出(で)て行(い)った。

7パロの家来(けらい)たちは王(おう)に言(い)った、「いつまで、この人(ひと)はわれわれのわなとなるのでしょう。この人々(ひとびと)を去(さ)らせ、彼(かれ)らの神(かみ)なる主(しゅ)に仕(つか)えさせては、どうでしょう。エジプトが滅(ほろ)びてしまうことに、まだ気(き)づかれないのですか」。 8そこで、モーセとアロンは、また、パロのもとに召(め)し出(だ)された。パロは彼(かれ)らに言(い)った、「行(い)って、あなたがたの神(かみ)、主(しゅ)に仕(つか)えなさい。しかし、行(い)くものはだれだれか」。 9モーセは言(い)った、「わたしたちは幼(おさな)い者(もの)も、老(お)いた者(もの)も行(い)きます。むすこも娘(むすめ)も携(たずさ)え、羊(ひつじ)も牛(うし)も連(つ)れて行(い)きます。わたしたちは主(しゅ)の祭(まつり)を執(と)り行(おこな)わなければならないのですから」。 10パロは彼(かれ)らに言(い)った、「万一(まんいち)、わたしが、あなたがたに子供(こども)を連(つ)れてまで去(さ)らせるようなことがあれば、主(しゅ)があなたがたと共(とも)にいますがよい。あなたがたは悪(わる)いたくらみをしている。 11それはいけない。あなたがたは男(おとこ)だけ行(い)って主(しゅ)に仕(つか)えるがよい。それが、あなたがたの要求(ようきゅう)であった」。彼(かれ)らは、ついにパロの前(まえ)から追(お)い出(だ)された。

12主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「あなたの手(て)をエジプトの地(ち)の上(うえ)にさし伸(の)べて、エジプトの地(ち)にいなごをのぼらせ、地(ち)のすべての青物(あおもの)、すなわち、雹(ひょう)が打(う)ち残(のこ)したものを、ことごとく食(た)べさせなさい」。 13そこでモーセはエジプトの地(ち)の上(うえ)に、つえをさし伸(の)べたので、主(しゅ)は終日(しゅうじつ)、終夜(しゅうや)、東風(ひがしかぜ)を地(ち)に吹(ふ)かせられた。朝(あさ)となって、東風(ひがしかぜ)は、いなごを運(はこ)んできた。 14いなごはエジプト全国(ぜんこく)にのぞみ、エジプトの全(ぜん)領土(りょうど)にとどまり、その数(かず)がはなはだ多(おお)く、このようないなごは前(まえ)にもなく、また後(のち)にもないであろう。 15いなごは地(ち)の全面(ぜんめん)をおおったので、地(ち)は暗(くら)くなった。そして地(ち)のすべての青物(あおもの)と、雹(ひょう)の打(う)ち残(のこ)した木(き)の実(み)を、ことごとく食(た)べたので、エジプト全国(ぜんこく)にわたって、木(き)にも畑(はたけ)の青物(あおもの)にも、緑(みどり)の物(もの)とては何(なに)も残(のこ)らなかった。 16そこで、パロは、急(いそ)いでモーセとアロンを召(め)して言(い)った、「わたしは、あなたがたの神(かみ)、主(しゅ)に対(たい)し、また、あなたがたに対(たい)して罪(つみ)を犯(おか)しました。 17それで、どうか、もう一度(ど)だけ、わたしの罪(つみ)をゆるしてください。そしてあなたがたの神(かみ)、主(しゅ)に祈願(きがん)して、ただ、この死(し)をわたしから離(はな)れさせてください」。 18そこで彼(かれ)はパロのところから出(で)て、主(しゅ)に祈願(きがん)したので、 19主(しゅ)は、はなはだ強(つよ)い西風(にしかぜ)に変(かわ)らせ、いなごを吹(ふ)き上(あ)げて、これを紅海(こうかい)に追(お)いやられたので、エジプト全土(ぜんど)には一つのいなごも残(のこ)らなかった。 20しかし、主(しゅ)がパロの心(こころ)をかたくなにされたので、彼(かれ)はイスラエルの人々(ひとびと)を去(さ)らせなかった。

21主(しゅ)はまたモーセに言(い)われた、「天(てん)にむかってあなたの手(て)をさし伸(の)べ、エジプトの国(くに)に、くらやみをこさせなさい。そのくらやみは、さわれるほどである」。 22モーセが天(てん)にむかって手(て)をさし伸(の)べたので、濃(こ)いくらやみは、エジプト全国(ぜんこく)に臨(のぞ)み三日(か)に及(およ)んだ。 23三日(か)の間(あいだ)、人々(ひとびと)は互(たがい)に見(み)ることもできず、まただれもその所(ところ)から立(た)つ者(もの)もなかった。しかし、イスラエルの人々(ひとびと)には、みな、その住(す)む所(ところ)に光(ひかり)があった。 24そこでパロはモーセを召(め)して言(い)った、「あなたがたは行(い)って主(しゅ)に仕(つか)えなさい。あなたがたの子供(こども)も連(つ)れて行(い)ってもよろしい。ただ、あなたがたの羊(ひつじ)と牛(うし)は残(のこ)して置(お)きなさい」。 25しかし、モーセは言(い)った、「あなたは、また、わたしたちの神(かみ)、主(しゅ)にささげる犠牲(ぎせい)と燔祭(はんさい)の物(もの)をも、わたしたちにくださらなければなりません。 26わたしたちは家畜(かちく)も連(つ)れて行(い)きます。ひずめ一つも残(のこ)しません。わたしたちは、そのうちから取(と)って、わたしたちの神(かみ)、主(しゅ)に仕(つか)えねばなりません。またわたしたちは、その場所(ばしょ)に行(い)くまでは、何(なに)をもって、主(しゅ)に仕(つか)えるべきかを知(し)らないからです」。 27けれども、主(しゅ)がパロの心(こころ)をかたくなにされたので、パロは彼(かれ)らを去(さ)らせようとしなかった。 28それでパロはモーセに言(い)った、「わたしの所(ところ)から去(さ)りなさい。心(こころ)して、わたしの顔(かお)は二度(ど)と見(み)てはならない。わたしの顔(かお)を見(み)る日(ひ)には、あなたの命(いのち)はないであろう」。 29モーセは言(い)った、「よくぞ仰(おお)せられました。わたしは、二度(ど)と、あなたの顔(かお)を見(み)ないでしょう」。

第一一章

1主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「わたしは、なお一つの災(わざわい)を、パロとエジプトの上(うえ)にくだし、その後(のち)、彼(かれ)はあなたがたをここから去(さ)らせるであろう。彼(かれ)が去(さ)らせるとき、彼(かれ)はあなたがたを、ことごとくここから追(お)い出(だ)すであろう。 2あなたは民(たみ)の耳(みみ)に語(かた)って、男(おとこ)は隣(となり)の男(おとこ)から、女(おんな)は隣(となり)の女(おんな)から、それぞれ銀(ぎん)の飾(かざ)り、金(きん)の飾(かざ)りを請(こ)い求(もと)めさせなさい」。 3主(しゅ)は民(たみ)にエジプトびとの好意(こうい)を得(え)させられた。またモーセその人(ひと)は、エジプトの国(くに)で、パロの家来(けらい)たちの目(め)と民(たみ)の目(め)とに、はなはだ大(おお)いなるものと見(み)えた。

4モーセは言(い)った、「主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、『真夜中(まよなか)ごろ、わたしはエジプトの中(なか)へ出(で)て行(い)くであろう。 5エジプトの国(くに)のうちのういごは、位(くらい)に座(ざ)するパロのういごをはじめ、ひきうすの後(のち)にいる、はしためのういごに至(いた)るまで、みな死(し)に、また家畜(かちく)のういごもみな死(し)ぬであろう。 6そしてエジプト全国(ぜんこく)に大(おお)いなる叫(さけ)びが起(おこ)るであろう。このようなことはかつてなく、また、ふたたびないであろう』と。 7しかし、すべて、イスラエルの人々(ひとびと)にむかっては、人(ひと)にむかっても、獣(けもの)にむかっても、犬(いぬ)さえその舌(した)を鳴(な)らさないであろう。これによって主(しゅ)がエジプトびととイスラエルびととの間(あいだ)の区別(くべつ)をされるのを、あなたがたは知(し)るであろう。 8これらのあなたの家来(けらい)たちは、みな、わたしのもとに下(くだ)ってきて、ひれ伏(ふ)して言(い)うであろう、『あなたもあなたに従(したが)う民(たみ)もみな出(で)て行(い)ってください』と。その後(のち)、わたしは出(で)て行(い)きます」。彼(かれ)は激(はげ)しく怒(いか)ってパロのもとから出(で)て行(い)った。 9主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「パロはあなたがたの言(い)うことを聞(き)かないであろう。それゆえ、わたしはエジプトの国(くに)に不思議(ふしぎ)を増(ま)し加(くわ)えるであろう」。

10モーセとアロンは、すべてこれらの不思議(ふしぎ)をパロの前(まえ)に行(い)ったが、主(しゅ)がパロの心(こころ)をかたくなにされたので、彼(かれ)はイスラエルの人々(ひとびと)をその国(くに)から去(さ)らせなかった。

第一二章

1主(しゅ)はエジプトの国(くに)で、モーセとアロンに告(つ)げて言(い)われた、 2「この月(つき)をあなたがたの初(はじ)めの月(つき)とし、これを年(とし)の正月(しょうがつ)としなさい。 3あなたがたはイスラエルの全(ぜん)会衆(かいしゅう)に言(い)いなさい、『この月(つき)の十日(か)におのおの、その父(ちち)の家(いえ)ごとに小羊(こひつじ)を取(と)らなければならない。すなわち、一家族(かぞく)に小羊(こひつじ)一頭(とう)を取(と)らなければならない。 4もし家族(かぞく)が少(すく)なくて一頭(とう)の小羊(こひつじ)を食(た)べきれないときは、家(いえ)のすぐ隣(となり)の人(ひと)と共(とも)に、人数(にんずう)に従(したが)って一頭(とう)を取(と)り、おのおの食(た)べるところに応(おう)じて、小羊(こひつじ)を見計(みはか)らわなければならない。 5小羊(こひつじ)は傷(きず)のないもので、一歳(さい)の雄(おす)でなければならない。羊(ひつじ)またはやぎのうちから、これを取(と)らなければならない。 6そしてこの月(つき)の十四日(か)まで、これを守(まも)って置(お)き、イスラエルの会衆(かいしゅう)はみな、夕暮(ゆうぐれ)にこれをほふり、 7その血(ち)を取(と)り、小羊(こひつじ)を食(しょく)する家(いえ)の入口(いりぐち)の二つの柱(はしら)と、かもいにそれを塗(ぬ)らなければならない。 8そしてその夜(よる)、その肉(にく)を火(ひ)に焼(や)いて食(た)べ、種(たね)入(い)れぬパンと苦(にが)菜(な)を添(そ)えて食(た)べなければならない。 9生(なま)でも、水(みず)で煮(に)ても、食(た)べてはならない。火(ひ)に焼(や)いて、その頭(あたま)を足(あし)と内臓(ないぞう)と共(とも)に食(た)べなければならない。 10朝(あさ)までそれを残(のこ)しておいてはならない。朝(あさ)まで残(のこ)るものは火(ひ)で焼(や)きつくさなければならない。 11あなたがたは、こうして、それを食(た)べなければならない。すなわち腰(こし)を引(ひ)きからげ、足(あし)にくつをはき、手(て)につえを取(と)って、急(いそ)いでそれを食(た)べなければならない。これは主(しゅ)の過越(すぎこし)である。 12その夜(よる)わたしはエジプトの国(くに)を巡(めぐ)って、エジプトの国(くに)におる人(ひと)と獣(けもの)との、すべてのういごを打(う)ち、またエジプトのすべての神々(かみがみ)に審判(しんぱん)を行(おこな)うであろう。わたしは主(しゅ)である。 13その血(ち)はあなたがたのおる家々(いえいえ)で、あなたがたのために、しるしとなり、わたしはその血(ち)を見(み)て、あなたがたの所(ところ)を過(す)ぎ越(こ)すであろう。わたしがエジプトの国(くに)を撃(う)つ時(とき)、災(わざわい)が臨(のぞ)んで、あなたがたを滅(ほろ)ぼすことはないであろう。

14この日(ひ)はあなたがたに記念(きねん)となり、あなたがたは主(しゅ)の祭(まつり)としてこれを守(まも)り、代々(よよ)、永久(えいきゅう)の定(さだ)めとしてこれを守(まも)らなければならない。 15七日(なぬか)の間(あいだ)あなたがたは種(たね)入(い)れぬパンを食(た)べなければならない。その初(はじ)めの日(ひ)に家(いえ)からパン種(だね)を取(す)り除(のぞ)かなければならない。第(だい)一日(にち)から第(だい)七日(にち)までに、種(たね)を入(い)れたパンを食(た)べる人(ひと)はみなイスラエルから断(た)たれるであろう。 16かつ、あなたがたは第(だい)一日(にち)に聖(せい)会(かい)を、また第(だい)七日(にち)に聖(せい)会(かい)を開(ひら)かなければならない。これらの日(ひ)には、なんの仕事(しごと)もしてはならない。ただ、おのおのの食(た)べものだけは作(つく)ることができる。 17あなたがたは、種(たね)入(い)れぬパンの祭(まつり)を守(まも)らなければならない。ちょうど、この日(ひ)、わたしがあなたがたの軍勢(ぐんぜい)をエジプトの国(くに)から導(みちび)き出(だ)したからである。それゆえ、あなたがたは代々(よよ)、永久(えいきゅう)の定(さだ)めとして、その日(ひ)を守(まも)らなければならない。 18正月(しょうがつ)に、その月(つき)の十四日(か)の夕方(ゆうがた)に、あなたがたは種(たね)入(い)れぬパンを食(た)べ、その月(つき)の二十一日(にち)の夕方(ゆうがた)まで続(つづ)けなければならない。 19七日(なぬか)の間(あいだ)、家(いえ)にパン種(だね)を置(お)いてはならない。種(たね)を入(い)れたものを食(た)べる者(もの)は、寄留(きりゅう)の他国(たこく)人(じん)であれ、国(くに)に生(うま)れた者(もの)であれ、すべて、イスラエルの会衆(かいしゅう)から断(た)たれるであろう。 20あなたがたは種(たね)を入(い)れたものは何(なに)も食(た)べてはならない。すべてあなたがたのすまいにおいて種(たね)入(い)れぬパンを食(た)べなければならない』」。

21そこでモーセはイスラエルの長老(ちょうろう)をみな呼(よ)び寄(よ)せて言(い)った、「あなたがたは急(いそ)いで家族(かぞく)ごとに一つの小羊(こひつじ)を取(と)り、その過越(すぎこし)の獣(けもの)をほふらなければならない。 22また一束(たば)のヒソプを取(と)って鉢(はち)の血(ち)に浸(ひた)し、鉢(はち)の血(ち)を、かもいと入口(いりぐち)の二つの柱(はしら)につけなければならない。朝(あさ)まであなたがたは、ひとりも家(いえ)の戸(と)の外(そと)に出(で)てはならない。 23主(しゅ)が行(い)き巡(めぐ)ってエジプトびとを撃(う)たれるとき、かもいと入口(いりぐち)の二つの柱(はしら)にある血(ち)を見(み)て、主(しゅ)はその入口(いりぐち)を過(す)ぎ越(こ)し、滅(ほろ)ぼす者(もの)が、あなたがたの家(いえ)にはいって、撃(う)つのを許(ゆる)されないであろう。 24あなたがたはこの事(こと)を、あなたと子孫(しそん)のための定(さだ)めとして、永久(えいきゅう)に守(まも)らなければならない。 25あなたがたは、主(しゅ)が約束(やくそく)されたように、あなたがたに賜(たまわ)る地(ち)に至(いた)るとき、この儀式(ぎしき)を守(まも)らなければならない。 26もし、あなたがたの子供(こども)たちが『この儀式(ぎしき)はどんな意味(いみ)ですか』と問(と)うならば、 27あなたがたは言(い)いなさい、『これは主(しゅ)の過越(すぎこし)の犠牲(ぎせい)である。エジプトびとを撃(う)たれたとき、エジプトにいたイスラエルの人々(ひとびと)の家(いえ)を過(す)ぎ越(こ)して、われわれの家(いえ)を救(すく)われたのである』」。民(たみ)はこのとき、伏(ふ)して礼拝(れいはい)した。

28イスラエルの人々(ひとびと)は行(い)ってそのようにした。すなわち主(しゅ)がモーセとアロンに命(めい)じられたようにした。

29夜中(よなか)になって主(しゅ)はエジプトの国(くに)の、すべてのういご、すなわち位(くらい)に座(ざ)するパロのういごから、地下(ちか)のひとやにおる捕虜(ほりょ)のういごにいたるまで、また、すべての家畜(かちく)のういごを撃(う)たれた。 30それでパロとその家来(けらい)およびエジプトびとはみな夜(よる)のうちに起(お)きあがり、エジプトに大(おお)いなる叫(さけ)びがあった。死人(しにん)のない家(いえ)がなかったからである。 31そこでパロは夜(よる)のうちにモーセとアロンを呼(よ)び寄(よ)せて言(い)った、「あなたがたとイスラエルの人々(ひとびと)は立(た)って、わたしの民(たみ)の中(なか)から出(で)て行(い)くがよい。そしてあなたがたの言(い)うように、行(い)って主(しゅ)に仕(つか)えなさい。 32あなたがたの言(い)うように羊(ひつじ)と牛(うし)とを取(と)って行(い)きなさい。また、わたしを祝福(しゅくふく)しなさい」。

33こうしてエジプトびとは民(たみ)をせき立(た)てて、すみやかに国(くに)を去(さ)らせようとした。彼(かれ)らは「われわれはみな死(し)ぬ」と思(おも)ったからである。 34民(たみ)はまだパン種(だね)を入(い)れない練(ね)り粉(こ)を、こばちのまま着物(きもの)に包(つつ)んで肩(かた)に負(お)った。 35そしてイスラエルの人々(ひとびと)はモーセの言葉(ことば)のようにして、エジプトびとから銀(ぎん)の飾(かざ)り、金(きん)の飾(かざ)り、また衣服(いふく)を請(こ)い求(もと)めた。 36主(しゅ)は民(たみ)にエジプトびとの情(じょう)を得(え)させ、彼(かれ)らの請(こ)い求(もと)めたものを与(あた)えさせられた。こうして彼(かれ)らはエジプトびとのものを奪(うば)い取(と)った。

37さて、イスラエルの人々(ひとびと)はラメセスを出立(しゅったつ)してスコテに向(む)かった。女(おんな)と子供(こども)を除(のぞ)いて徒歩(とほ)の男子(だんし)は約(やく)六十万人(にん)であった。 38また多(おお)くの入(い)り混(ま)じった群衆(ぐんしゅう)および羊(ひつじ)、牛(うし)など非常(ひじょう)に多(おお)くの家畜(かちく)も彼(かれ)らと共(とも)に上(のぼ)った。 39そして彼(かれ)らはエジプトから携(たずさ)えて出(で)た練(ね)り粉(こ)をもって、種(たね)入(い)れぬパンの菓子(かし)を焼(や)いた。まだパン種(だね)を入(い)れていなかったからである。それは彼(かれ)らがエジプトから追(お)い出(だ)されて滞(とどこお)ることができず、また、何(なに)の食料(しょくりょう)をも整(ととの)えていなかったからである。

40イスラエルの人々(ひとびと)がエジプトに住(す)んでいた間(あいだ)は、四百三十年(ねん)であった。 41四百三十年(ねん)の終(おわ)りとなって、ちょうどその日(ひ)に、主(しゅ)の全(ぜん)軍(ぐん)はエジプトの国(くに)を出(で)た。 42これは彼(かれ)らをエジプトの国(くに)から導(みちび)き出(だ)すために主(しゅ)が寝(ね)ずの番(ばん)をされた夜(よる)であった。ゆえにこの夜(よる)、すべてのイスラエルの人々(ひとびと)は代々(よよ)、主(しゅ)のために寝(ね)ずの番(ばん)をしなければならない。

43主(しゅ)はモーセとアロンとに言(い)われた、「過越(すぎこし)の祭(まつり)の定(さだ)めは次(つぎ)のとおりである。すなわち、異邦人(いほうじん)はだれもこれを食(た)べてはならない。 44しかし、おのおのが金(かね)で買(か)ったしもべは、これに割礼(かつれい)を行(い)ってのち、これを食(た)べさせることができる。 45仮(かり)ずまいの者(もの)と、雇人(やといにん)とは、これを食(た)べてはならない。 46ひとつの家(いえ)でこれを食(た)べなければならない。その肉(にく)を少(すこ)しも家(いえ)の外(そと)に持(も)ち出(だ)してはならない。また、その骨(ほね)を折(お)ってはならない。 47イスラエルの全(ぜん)会衆(かいしゅう)はこれを守(まも)らなければならない。 48寄留(きりゅう)の外国(がいこく)人(じん)があなたのもとにとどまっていて、主(しゅ)に過越(すぎこし)の祭(まつり)を守(まも)ろうとするときは、その男子(だんし)はみな割礼(かつれい)を受(う)けてのち、近(ちか)づいてこれを守(まも)ることができる。そうすれば彼(かれ)は国(くに)に生(うま)れた者(もの)のようになるであろう。しかし、無(む)割礼(かつれい)の者(もの)はだれもこれを食(た)べてはならない。 49この律法(りっぽう)は国(くに)に生(うま)れたものにも、あなたがたのうちに寄留(きりゅう)している外国(がいこく)人(じん)にも同一(どういつ)である」。

50イスラエルの人々(ひとびと)は、みなこのようにし、主(しゅ)がモーセとアロンに命(めい)じられたようにした。 51ちょうどその日(ひ)に、主(しゅ)はイスラエルの人々(ひとびと)を、その軍団(ぐんだん)に従(したが)ってエジプトの国(くに)から導(みちび)き出(だ)された。

第一三章

1主(しゅ)はモーセに言(い)われた、 2「イスラエルの人々(ひとびと)のうちで、すべてのういご、すなわちすべて初(はじ)めに胎(たい)を開(ひら)いたものを、人(ひと)であれ、獣(けもの)であれ、みな、わたしのために聖別(せいべつ)しなければならない。それはわたしのものである」。

3モーセは民(たみ)に言(い)った、「あなたがたは、エジプトから、奴隷(どれい)の家(いえ)から出(で)るこの日(ひ)を覚(おぼ)えなさい。主(しゅ)が強(つよ)い手(て)をもって、あなたがたをここから導(みちび)き出(だ)されるからである。種(たね)を入(い)れたパンを食(た)べてはならない。 4あなたがたはアビブの月(つき)のこの日(ひ)に出(で)るのである。 5主(しゅ)があなたに与(あた)えると、あなたの先祖(せんぞ)たちに誓(ちか)われたカナンびと、ヘテびと、アモリびと、ヒビびと、エブスびとの地(ち)、乳(ちち)と蜜(みつ)との流(なが)れる地(ち)に、導(みちび)き入(い)れられる時(とき)、あなたはこの月(つき)にこの儀式(ぎしき)を守(まも)らなければならない。 6七日(なぬか)のあいだ種(たね)入(い)れぬパンを食(た)べ、七日(なぬか)目(め)には主(しゅ)に祭(まつり)をしなければならない。 7種(たね)入(い)れぬパンを七日(なぬか)のあいだ食(た)べなければならない。種(たね)を入(い)れたパンをあなたの所(ところ)に置(お)いてはならない。また、あなたの地区(ちく)のどこでも、あなたの所(ところ)にパン種(だね)を置(お)いてはならない。 8その日(ひ)、あなたの子(こ)に告(つ)げて言(い)いなさい、『これはわたしがエジプトから出(で)るときに、主(しゅ)がわたしになされたことのためである』。 9そして、これを、手(て)につけて、しるしとし、目(め)の間(あいだ)に置(お)いて記念(きねん)とし、主(しゅ)の律法(りっぽう)をあなたの口(くち)に置(お)かなければならない。主(しゅ)が強(つよ)い手(て)をもって、あなたをエジプトから導(みちび)き出(だ)されるからである。 10それゆえ、あなたはこの定(さだ)めを年々(ねんねん)その期節(きせつ)に守(まも)らなければならない。

11主(しゅ)があなたとあなたの先祖(せんぞ)たちに誓(ちか)われたように、あなたをカナンびとの地(ち)に導(みちび)いて、それをあなたに賜(たま)わる時(とき)、 12あなたは、すべて初(はじ)めに胎(たい)を開(ひら)いた者(もの)、およびあなたの家畜(かちく)の産(う)むういごは、ことごとく主(しゅ)にささげなければならない。すなわち、それらの男性(だんせい)のものは主(しゅ)に帰(き)せしめなければならない。 13また、すべて、ろばの、初(はじ)めて胎(たい)を開(ひら)いたものは、小羊(こひつじ)をもって、あがなわなければならない。もし、あがなわないならば、その首(くび)を折(お)らなければならない。あなたの子(こ)らのうち、すべて、男(おとこ)のういごは、あがなわなければならない。 14後(のち)になって、あなたの子(こ)が『これはどんな意味(いみ)ですか』と問(と)うならば、これに言(い)わなければならない、『主(しゅ)が強(つよ)い手(て)をもって、われわれをエジプトから、奴隷(どれい)の家(いえ)から導(みちび)き出(だ)された。 15そのときパロが、かたくなで、われわれを去(さ)らせなかったため、主(しゅ)はエジプトの国(くに)のういごを、人(ひと)のういごも家畜(かちく)のういごも、ことごとく殺(ころ)された。それゆえ、初(はじ)めて胎(たい)を開(ひら)く男性(だんせい)のものはみな、主(しゅ)に犠牲(ぎせい)としてささげるが、わたしの子供(こども)のうちのういごは、すべてあがなうのである』。 16そして、これを手(て)につけて、しるしとし、目(め)の間(あいだ)に置(お)いて覚(おぼ)えとしなければならない。主(しゅ)が強(つよ)い手(て)をもって、われわれをエジプトから導(みちび)き出(だ)されたからである」。

17さて、パロが民(たみ)を去(さ)らせた時(とき)、ペリシテびとの国(くに)の道(みち)は近(ちか)かったが、神(かみ)は彼(かれ)らをそれに導(みちび)かれなかった。民(たみ)が戦(たたか)いを見(み)れば悔(く)いてエジプトに帰(かえ)るであろうと、神(かみ)は思(おも)われたからである。 18神(かみ)は紅海(こうかい)に沿(そ)う荒野(あらの)の道(みち)に、民(たみ)を回(まわ)らされた。イスラエルの人々(ひとびと)は武装(ぶそう)してエジプトの国(くに)を出(で)て、上(のぼ)った。 19そのときモーセはヨセフの遺骸(いがい)を携(たずさ)えていた。ヨセフが、「神(かみ)は必(かなら)ずあなたがたを顧(かえり)みられるであろう。そのとき、あなたがたは、わたしの遺骸(いがい)を携(たずさ)えて、ここから上(のぼ)って行(い)かなければならない」と言(い)って、イスラエルの人々(ひとびと)に固(かた)く誓(ちか)わせたからである。 20こうして彼(かれ)らは更(さら)にスコテから進(すす)んで、荒野(あらの)の端(はし)にあるエタムに宿営(しゅくえい)した。 21主(しゅ)は彼(かれ)らの前(まえ)に行(い)かれ、昼(ひる)は雲(くも)の柱(はしら)をもって彼(かれ)らを導(みちび)き、夜(よる)は火(ひ)の柱(はしら)をもって彼(かれ)らを照(てら)し、昼(ひる)も夜(よる)も彼(かれ)らを進(すす)み行(い)かせられた。 22昼(ひる)は雲(くも)の柱(はしら)、夜(よる)は火(ひ)の柱(はしら)が、民(たみ)の前(まえ)から離(はな)れなかった。

第一四章

1主(しゅ)はモーセに言(い)われた、 2「イスラエルの人々(ひとびと)に告(つ)げ、引(ひ)き返(かえ)して、ミグドルと海(うみ)との間(あいだ)にあるピハヒロテの前(まえ)、バアルゼポンの前(まえ)に宿営(しゅくえい)させなさい。あなたがたはそれにむかって、海(うみ)のかたわらに宿営(しゅくえい)しなければならない。 3パロはイスラエルの人々(ひとびと)について、『彼(かれ)らはその地(ち)で迷(まよ)っている。荒野(あらの)は彼(かれ)らを閉(と)じ込(こ)めてしまった』と言(い)うであろう。 4わたしがパロの心(こころ)をかたくなにするから、パロは彼(かれ)らのあとを追(お)うであろう。わたしはパロとそのすべての軍勢(ぐんぜい)を破(やぶ)って誉(ほまれ)を得(え)、エジプトびとにわたしが主(しゅ)であることを知(し)らせるであろう」。彼(かれ)らはそのようにした。

5民(たみ)の逃(に)げ去(さ)ったことが、エジプトの王(おう)に伝(つた)えられたので、パロとその家来(けらい)たちとは、民(たみ)に対(たい)する考(かんが)えを変(か)えて言(い)った、「われわれはなぜこのようにイスラエルを去(さ)らせて、われわれに仕(つか)えさせないようにしたのであろう」。 6それでパロは戦車(せんしゃ)を整(ととの)え、みずからその民(たみ)を率(ひき)い、 7また、えり抜(ぬ)きの戦車(せんしゃ)六百と、エジプトのすべての戦車(せんしゃ)およびすべての指揮者(しきしゃ)たちを率(ひき)いた。 8主(しゅ)がエジプトの王(おう)パロの心(こころ)をかたくなにされたので、彼(かれ)はイスラエルの人々(ひとびと)のあとを追(お)った。イスラエルの人々(ひとびと)は意気揚々(いきようよう)と出(で)たのである。 9エジプトびとは彼(かれ)らのあとを追(お)い、パロのすべての馬(うま)と戦車(せんしゃ)およびその騎兵(きへい)と軍勢(ぐんぜい)とは、バアルゼポンの前(まえ)にあるピハヒロテのあたりで、海(うみ)のかたわらに宿営(しゅくえい)している彼(かれ)らに追(お)いついた。

10パロが近寄(ちかよ)った時(とき)、イスラエルの人々(ひとびと)は目(め)を上(あ)げてエジプトびとが彼(かれ)らのあとに進(すす)んできているのを見(み)て、非常(ひじょう)に恐(おそ)れた。そしてイスラエルの人々(ひとびと)は主(しゅ)にむかって叫(さけ)び、 11かつモーセに言(い)った、「エジプトに墓(はか)がないので、荒野(あらの)で死(し)なせるために、わたしたちを携(たずさ)え出(だ)したのですか。なぜわたしたちをエジプトから導(みちび)き出(だ)して、こんなにするのですか。 12わたしたちがエジプトであなたに告(つ)げて、『わたしたちを捨(す)てておいて、エジプトびとに仕(つか)えさせてください』と言(い)ったのは、このことではありませんか。荒野(あらの)で死(し)ぬよりもエジプトびとに仕(つか)える方(ほう)が、わたしたちにはよかったのです」。 13モーセは民(たみ)に言(い)った、「あなたがたは恐(おそ)れてはならない。かたく立(た)って、主(しゅ)がきょう、あなたがたのためになされる救(すくい)を見(み)なさい。きょう、あなたがたはエジプトびとを見(み)るが、もはや永久(えいきゅう)に、二度(ど)と彼(かれ)らを見(み)ないであろう。 14主(しゅ)があなたがたのために戦(たたか)われるから、あなたがたは黙(もく)していなさい」。 15主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「あなたは、なぜわたしにむかって叫(さけ)ぶのか。イスラエルの人々(ひとびと)に語(かた)って彼(かれ)らを進(すす)み行(い)かせなさい。 16あなたはつえを上(あ)げ、手(て)を海(うみ)の上(うえ)にさし伸(の)べてそれを分(わ)け、イスラエルの人々(ひとびと)に海(うみ)の中(なか)のかわいた地(ち)を行(い)かせなさい。 17わたしがエジプトびとの心(こころ)をかたくなにするから、彼(かれ)らはそのあとを追(お)ってはいるであろう。こうしてわたしはパロとそのすべての軍勢(ぐんぜい)および戦車(せんしゃ)と騎兵(きへい)とを打(う)ち破(やぶ)って誉(ほまれ)を得(え)よう。 18わたしがパロとその戦車(せんしゃ)とその騎兵(きへい)とを打(う)ち破(やぶ)って誉(ほまれ)を得(え)るとき、エジプトびとはわたしが主(しゅ)であることを知(し)るであろう」。

19このとき、イスラエルの部隊(ぶたい)の前(まえ)に行(い)く神(かみ)の使(つかい)は移(うつ)って彼(かれ)らのうしろに行(い)った。雲(くも)の柱(はしら)も彼(かれ)らの前(まえ)から移(うつ)って彼(かれ)らのうしろに立(た)ち、 20エジプトびとの部隊(ぶたい)とイスラエルびとの部隊(ぶたい)との間(あいだ)にきたので、そこに雲(くも)とやみがあり夜(よ)もすがら、かれとこれと近(ちか)づくことなく、夜(よる)がすぎた。

21モーセが手(て)を海(うみ)の上(うえ)にさし伸(の)べたので、主(しゅ)は夜(よ)もすがら強(つよ)い東風(ひがしかぜ)をもって海(うみ)を退(しりぞ)かせ、海(うみ)を陸地(りくち)とされ、水(みず)は分(わ)かれた。 22イスラエルの人々(ひとびと)は海(うみ)の中(なか)のかわいた地(ち)を行(おこな)ったが、水(みず)は彼(かれ)らの右(みぎ)と左(ひだり)に、かきとなった。 23エジプトびとは追(お)ってきて、パロのすべての馬(うま)と戦車(せんしゃ)と騎兵(きへい)とは、彼(かれ)らのあとについて海(うみ)の中(なか)にはいった。 24暁(あかつき)の更(さら)に、主(しゅ)は火(ひ)と雲(くも)の柱(はしら)のうちからエジプトびとの軍勢(ぐんぜい)を見(み)おろして、エジプトびとの軍勢(ぐんぜい)を乱(みだ)し、 25その戦車(せんしゃ)の輪(わ)をきしらせて、進(すす)むのに重(おも)くされたので、エジプトびとは言(い)った、「われわれはイスラエルを離(はな)れて逃(に)げよう。主(しゅ)が彼(かれ)らのためにエジプトびとと戦(たたか)う」。

26そのとき主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「あなたの手(て)を海(うみ)の上(うえ)にさし伸(の)べて、水(みず)をエジプトびとと、その戦車(せんしゃ)と騎兵(きへい)との上(うえ)に流(なが)れ返(かえ)らせなさい」。 27モーセが手(て)を海(うみ)の上(うえ)にさし伸(の)べると、夜明(よあ)けになって海(うみ)はいつもの流(なが)れに返(かえ)り、エジプトびとはこれにむかって逃(に)げたが、主(しゅ)はエジプトびとを海(うみ)の中(なか)に投(な)げ込(こ)まれた。 28水(みず)は流(なが)れ返(かえ)り、イスラエルのあとを追(お)って海(うみ)にはいった戦車(せんしゃ)と騎兵(きへい)およびパロのすべての軍勢(ぐんぜい)をおおい、ひとりも残(のこ)らなかった。 29しかし、イスラエルの人々(ひとびと)は海(うみ)の中(なか)のかわいた地(ち)を行(おこな)ったが、水(みず)は彼(かれ)らの右(みぎ)と左(ひだり)に、かきとなった。

30このように、主(しゅ)はこの日(ひ)イスラエルをエジプトびとの手(て)から救(すく)われた。イスラエルはエジプトびとが海(うみ)べに死(し)んでいるのを見(み)た。 31イスラエルはまた、主(しゅ)がエジプトびとに行(おこな)われた大(おお)いなるみわざを見(み)た。それで民(たみ)は主(しゅ)を恐(おそ)れ、主(しゅ)とそのしもべモーセとを信(しん)じた。

第一五章

1そこでモーセとイスラエルの人々(ひとびと)は、この歌(うた)を主(しゅ)にむかって歌(うた)った。彼(かれ)らは歌(うた)って言(い)った、
「主(しゅ)にむかってわたしは歌(うた)おう、
彼(かれ)は輝(かがや)かしくも勝(か)ちを得(え)られた、
彼(かれ)は馬(うま)と乗(の)り手(て)を海(うみ)に投(な)げ込(こ)まれた。
2主(しゅ)はわたしの力(ちから)また歌(うた)、わたしの救(すくい)となられた、
彼(かれ)こそわたしの神(かみ)、わたしは彼(かれ)をたたえる、
彼(かれ)はわたしの父(ちち)の神(かみ)、わたしは彼(かれ)をあがめる。
3主(しゅ)はいくさびと、その名(な)は主(しゅ)。
4彼(かれ)はパロの戦車(せんしゃ)とその軍勢(ぐんぜい)とを海(うみ)に投(な)げ込(こ)まれた、
そのすぐれた指揮者(しきしゃ)たちは紅海(こうかい)に沈(しず)んだ。
5大水(おおみず)は彼(かれ)らをおおい、彼(かれ)らは石(いし)のように淵(ふち)に下(くだ)った。
6主(しゅ)よ、あなたの右(みぎ)の手(て)は力(ちから)をもって栄光(えいこう)にかがやく、
主(しゅ)よ、あなたの右(みぎ)の手(て)は敵(てき)を打(う)ち砕(くだ)く。
7あなたは大(おお)いなる威光(いこう)をもって、
あなたに立(た)ちむかう者(もの)を打(う)ち破(やぶ)られた。
あなたが怒(いか)りを発(はっ)せられると、
彼(かれ)らは、わらのように焼(や)きつくされた。
8あなたの鼻(はな)の息(いき)によって水(みず)は積(つ)みかさなり、
流(なが)れは堤(つつみ)となって立(た)ち、
大水(おおみず)は海(うみ)のもなかに凝(こ)り固(かた)まった。
9敵(てき)は言(い)った、『わたしは追(お)い行(い)き、追(お)い着(つ)いて、
分捕(ぶんどり)物(もの)を分(わ)かち取(と)ろう、
わたしの欲望(よくぼう)を彼(かれ)らによって満(み)たそう、
つるぎを抜(ぬ)こう、わたしの手(て)は彼(かれ)らを滅(ほろ)ぼそう』。
10あなたが息(いき)を吹(ふ)かれると、海(うみ)は彼(かれ)らをおおい、
彼(かれ)らは鉛(なまり)のように、大水(おおみず)の中(なか)に沈(しず)んだ。
11主(しゅ)よ、神々(かみがみ)のうち、だれがあなたに比(くら)べられようか、
だれがあなたのように、聖(せい)にして栄(さか)えあるもの、
ほむべくして恐(おそ)るべきもの、
くすしきわざを行(おこな)うものであろうか。
12あなたが右(みぎ)の手(て)を伸(の)べられると、
地(ち)は彼(かれ)らをのんだ。
13あなたは、あがなわれた民(たみ)を恵(めぐ)みをもって導(みちび)き、
み力(ちから)をもって、あなたの聖(せい)なるすまいに伴(ともな)われた。
14もろもろの民(たみ)は聞(き)いて震(ふる)え、
ペリシテの住民(じゅうみん)は苦(くる)しみに襲(おそ)われた。
15エドムの族長(ぞくちょう)らは、おどろき、
モアブの首長(しゅちょう)らは、わななき、
カナンの住民(じゅうみん)は、みな溶(と)け去(さ)った。
16恐(おそ)れと、おののきとは彼(かれ)らに臨(のぞ)み、
み腕(うで)の大(おお)いなるゆえに、彼(かれ)らは石(いし)のように黙(もく)した、
主(しゅ)よ、あなたの民(たみ)の通(とお)りすぎるまで、
あなたが買(か)いとられた民(たみ)の通(とお)りすぎるまで。
17あなたは彼(かれ)らを導(みちび)いて、
あなたの嗣(し)業(ぎょう)の山(やま)に植(う)えられる。
主(しゅ)よ、これこそあなたのすまいとして、
みずから造(つく)られた所(ところ)、
主(しゅ)よ、み手(て)によって建(た)てられた聖所(せいじょ)。
18主(しゅ)は永遠(えいえん)に統(す)べ治(おさ)められる」。
19パロの馬(うま)が、その戦車(せんしゃ)および騎兵(きへい)と共(とも)に海(うみ)にはいると、主(しゅ)は海(うみ)の水(みず)を彼(かれ)らの上(うえ)に流(なが)れ返(かえ)らされたが、イスラエルの人々(ひとびと)は海(うみ)の中(なか)のかわいた地(ち)を行(おこな)った。 20そのとき、アロンの姉(あね)、女(おんな)預言者(よげんしゃ)ミリアムはタンバリンを手(て)に取(と)り、女(おんな)たちも皆(みな)タンバリンを取(と)って、踊(おど)りながら、そのあとに従(したが)って出(で)てきた。 21そこでミリアムは彼(かれ)らに和(わ)して歌(うた)った、
「主(しゅ)にむかって歌(うた)え、
彼(かれ)は輝(かがや)かしくも勝(か)ちを得(え)られた、
彼(かれ)は馬(うま)と乗(の)り手(て)を海(うみ)に投(な)げ込(こ)まれた」。

22さて、モーセはイスラエルを紅海(こうかい)から旅立(たびだ)たせた。彼(かれ)らはシュルの荒野(あらの)に入(い)り、三日(か)のあいだ荒野(あらの)を歩(ある)いたが、水(みず)を得(え)なかった。 23彼(かれ)らはメラに着(つ)いたが、メラの水(みず)は苦(にが)くて飲(の)むことができなかった。それで、その所(ところ)の名(な)はメラと呼(よ)ばれた。 24ときに、民(たみ)はモーセにつぶやいて言(い)った、「わたしたちは何(なに)を飲(の)むのですか」。 25モーセは主(しゅ)に叫(さけ)んだ。主(しゅ)は彼(かれ)に一本(ぽん)の木(き)を示(しめ)されたので、それを水(みず)に投(な)げ入(い)れると、水(みず)は甘(あま)くなった。

その所(ところ)で主(しゅ)は民(たみ)のために定(さだ)めと、おきてを立(た)てられ、彼(かれ)らを試(こころ)みて、 26言(い)われた、「あなたが、もしあなたの神(かみ)、主(しゅ)の声(こえ)に良(よ)く聞(き)き従(したが)い、その目(め)に正(ただ)しいと見(み)られることを行(おこな)い、その戒(いまし)めに耳(みみ)を傾(かたむ)け、すべての定(さだ)めを守(まも)るならば、わたしは、かつてエジプトびとに下(くだ)した病(やまい)を一つもあなたに下(くだ)さないであろう。わたしは主(しゅ)であって、あなたをいやすものである」。

27こうして彼(かれ)らはエリムに着(つ)いた。そこには水(みず)の泉(いずみ)十二と、なつめやしの木(き)七十本(ぽん)があった。その所(ところ)で彼(かれ)らは水(みず)のほとりに宿営(しゅくえい)した。

第一六章

1イスラエルの人々(ひとびと)の全(ぜん)会衆(かいしゅう)はエリムを出発(しゅっぱつ)し、エジプトの地(ち)を出(で)て二か月(げつ)目(め)の十五日(にち)に、エリムとシナイとの間(あいだ)にあるシンの荒野(あらの)にきたが、 2その荒野(あらの)でイスラエルの人々(ひとびと)の全(ぜん)会衆(かいしゅう)は、モーセとアロンにつぶやいた。 3イスラエルの人々(ひとびと)は彼(かれ)らに言(い)った、「われわれはエジプトの地(ち)で、肉(にく)のなべのかたわらに座(ざ)し、飽(あ)きるほどパンを食(た)べていた時(とき)に、主(しゅ)の手(て)にかかって死(し)んでいたら良(よ)かった。あなたがたは、われわれをこの荒野(あらの)に導(みちび)き出(だ)して、全(ぜん)会衆(かいしゅう)を餓死(がし)させようとしている」。

4そのとき主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「見(み)よ、わたしはあなたがたのために、天(てん)からパンを降(ふ)らせよう。民(たみ)は出(で)て日々(ひび)の分(ぶん)を日(ひ)ごとに集(あつ)めなければならない。こうして彼(かれ)らがわたしの律法(りっぽう)に従(したが)うかどうかを試(こころ)みよう。 5六日(か)目(め)には、彼(かれ)らが取(と)り入(い)れたものを調理(ちょうり)すると、それは日(ひ)ごとに集(あつ)めるものの二倍(ばい)あるであろう」。 6モーセとアロンは、イスラエルのすべての人々(ひとびと)に言(い)った、「夕暮(ゆうぐれ)には、あなたがたは、エジプトの地(ち)からあなたがたを導(みちび)き出(だ)されたのが、主(しゅ)であることを知(し)るであろう。 7また、朝(あさ)には、あなたがたは主(しゅ)の栄光(えいこう)を見(み)るであろう。主(しゅ)はあなたがたが主(しゅ)にむかってつぶやくのを聞(き)かれたからである。あなたがたは、いったいわれわれを何者(なにもの)として、われわれにむかってつぶやくのか」。 8モーセはまた言(い)った、「主(しゅ)は夕暮(ゆうぐれ)にはあなたがたに肉(にく)を与(あた)えて食(た)べさせ、朝(あさ)にはパンを与(あた)えて飽(あ)き足(た)らせられるであろう。主(しゅ)はあなたがたが、主(しゅ)にむかってつぶやくつぶやきを聞(き)かれたからである。いったいわれわれは何者(なにもの)なのか。あなたがたのつぶやくのは、われわれにむかってでなく、主(しゅ)にむかってである」。

9モーセはアロンに言(い)った、「イスラエルの人々(ひとびと)の全(ぜん)会衆(かいしゅう)に言(い)いなさい、『あなたがたは主(しゅ)の前(まえ)に近(ちか)づきなさい。主(しゅ)があなたがたのつぶやきを聞(き)かれたからである』と」。 10それでアロンがイスラエルの人々(ひとびと)の全(ぜん)会衆(かいしゅう)に語(かた)ったとき、彼(かれ)らが荒野(あらの)の方(ほう)を望(のぞ)むと、見(み)よ、主(しゅ)の栄光(えいこう)が雲(くも)のうちに現(あらわ)れていた。 11主(しゅ)はモーセに言(い)われた、 12「わたしはイスラエルの人々(ひとびと)のつぶやきを聞(き)いた。彼(かれ)らに言(い)いなさい、『あなたがたは夕(ゆう)には肉(にく)を食(た)べ、朝(あさ)にはパンに飽(あ)き足(た)りるであろう。そうしてわたしがあなたがたの神(かみ)、主(しゅ)であることを知(し)るであろう』と」。

13夕(ゆう)べになると、うずらが飛(と)んできて宿営(しゅくえい)をおおった。また、朝(あさ)になると、宿営(しゅくえい)の周囲(しゅうい)に露(つゆ)が降(ふ)りた。 14その降(ふ)りた露(つゆ)がかわくと、荒野(あらの)の面(めん)には、薄(うす)いうろこのようなものがあり、ちょうど地(ち)に結(むす)ぶ薄(うす)い霜(しも)のようであった。 15イスラエルの人々(ひとびと)はそれを見(み)て互(たがい)に言(い)った、「これはなんであろう」。彼(かれ)らはそれがなんであるのか知(し)らなかったからである。モーセは彼(かれ)らに言(い)った、「これは主(しゅ)があなたがたの食物(しょくもつ)として賜(たま)わるパンである。 16主(しゅ)が命(めい)じられるのはこうである、『あなたがたは、おのおのその食(た)べるところに従(したが)ってそれを集(あつ)め、あなたがたの人数(にんずう)に従(したが)って、ひとり一オメルずつ、おのおのその天幕(てんまく)におるもののためにそれを取(と)りなさい』と」。 17イスラエルの人々(ひとびと)はそのようにして、ある者(もの)は多(おお)く、ある者(もの)は少(すく)なく集(あつ)めた。 18しかし、オメルでそれを計(はか)ってみると、多(おお)く集(あつ)めた者(もの)にも余(あま)らず、少(すく)なく集(あつ)めた者(もの)にも不足(ふそく)しなかった。おのおのその食(た)べるところに従(したが)って集(あつ)めていた。 19モーセは彼(かれ)らに言(い)った、「だれも朝(あさ)までそれを残(のこ)しておいてはならない」。 20しかし彼(かれ)らはモーセに聞(き)き従(したが)わないで、ある者(もの)は朝(あさ)までそれを残(のこ)しておいたが、虫(むし)がついて臭(くさ)くなった。モーセは彼(かれ)らにむかって怒(いか)った。 21彼(かれ)らは、おのおのその食(た)べるところに従(したが)って、朝(あさ)ごとにそれを集(あつ)めたが、日(ひ)が熱(あつ)くなるとそれは溶(と)けた。

22六日(か)目(め)には、彼(かれ)らは二倍(ばい)のパン、すなわちひとりに二オメルを集(あつ)めた。そこで、会衆(かいしゅう)の長(ちょう)たちは皆(みな)きて、モーセに告(つ)げたが、 23モーセは彼(かれ)らに言(い)った、「主(しゅ)の語(かた)られたのはこうである、『あすは主(しゅ)の聖(せい)安息日(あんそくにち)で休(やす)みである。きょう、焼(や)こうとするものを焼(や)き、煮(に)ようとするものを煮(に)なさい。残(のこ)ったものはみな朝(あさ)までたくわえて保存(ほぞん)しなさい』と」。 24彼(かれ)らはモーセの命(めい)じたように、それを朝(あさ)まで保存(ほぞん)したが、臭(くさ)くならず、また虫(むし)もつかなかった。 25モーセは言(い)った、「きょう、それを食(た)べなさい。きょうは主(しゅ)の安息日(あんそくにち)であるから、きょうは野(の)でそれを獲(え)られないであろう。 26六日(か)の間(あいだ)はそれを集(あつ)めなければならない。七日(なぬか)目(め)は安息日(あんそくにち)であるから、その日(ひ)には無(な)いであろう」。 27ところが民(たみ)のうちには、七日(なぬか)目(め)に出(で)て集(あつ)めようとした者(もの)があったが、獲(え)られなかった。 28そこで主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「あなたがたは、いつまでわたしの戒(いまし)めと、律法(りっぽう)とを守(まも)ることを拒(こば)むのか。 29見(み)よ、主(しゅ)はあなたがたに安息日(あんそくにち)を与(あた)えられた。ゆえに六日(か)目(め)には、ふつか分(ぶん)のパンをあなたがたに賜(たま)わるのである。おのおのその所(ところ)にとどまり、七日(なぬか)目(め)にはその所(ところ)から出(で)てはならない」。 30こうして民(たみ)は七日(なぬか)目(め)に休(やす)んだ。

31イスラエルの家(いえ)はその物(もの)の名(な)をマナと呼(よ)んだ。それはコエンドロの実(み)のようで白(しろ)く、その味(あじ)は蜜(みつ)を入(い)れたせんべいのようであった。 32モーセは言(い)った、「主(しゅ)の命(めい)じられることはこうである、『それを一オメルあなたがたの子孫(しそん)のためにたくわえておきなさい。それはわたしが、あなたがたをエジプトの地(ち)から導(みちび)き出(だ)した時(とき)、荒野(あらの)であなたがたに食(た)べさせたパンを彼(かれ)らに見(み)させるためである』と」。 33そしてモーセはアロンに言(い)った「一つのつぼを取(と)り、マナ一オメルをその中(なか)に入(い)れ、それを主(しゅ)の前(まえ)に置(お)いて、子孫(しそん)のためにたくわえなさい」。 34そこで主(しゅ)がモーセに命(めい)じられたように、アロンはそれをあかしの箱(はこ)の前(まえ)に置(お)いてたくわえた。 35イスラエルの人々(ひとびと)は人(ひと)の住(す)む地(ち)に着(つ)くまで四十年(ねん)の間(あいだ)マナを食(た)べた。すなわち、彼(かれ)らはカナンの地(ち)の境(さかい)に至(いた)るまでマナを食(た)べた。 36一オメルは一エパの十分(ぶん)の一である。

第一七章

1イスラエルの人々(ひとびと)の全(ぜん)会衆(かいしゅう)は、主(しゅ)の命(いのち)に従(したが)って、シンの荒野(あらの)を出発(しゅっぱつ)し、旅路(たびじ)を重(かさ)ねて、レピデムに宿営(しゅくえい)したが、そこには民(たみ)の飲(の)む水(みず)がなかった。 2それで、民(たみ)はモーセと争(あらそ)って言(い)った、「わたしたちに飲(の)む水(みず)をください」。モーセは彼(かれ)らに言(い)った、「あなたがたはなぜわたしと争(あらそ)うのか、なぜ主(しゅ)を試(こころ)みるのか」。 3民(たみ)はその所(ところ)で水(みず)にかわき、モーセにつぶやいて言(い)った、「あなたはなぜわたしたちをエジプトから導(みちび)き出(だ)して、わたしたちを、子供(こども)や家畜(かちく)と一緒(いっしょ)に、かわきによって死(し)なせようとするのですか」。 4このときモーセは主(しゅ)に叫(さけ)んで言(い)った、「わたしはこの民(たみ)をどうすればよいのでしょう。彼(かれ)らは、今(いま)にも、わたしを石(いし)で打(う)ち殺(ころ)そうとしています」。 5主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「あなたは民(たみ)の前(まえ)に進(すす)み行(い)き、イスラエルの長老(ちょうろう)たちを伴(ともな)い、あなたがナイル川(かわ)を打(う)った、つえを手(て)に取(と)って行(い)きなさい。 6見(み)よ、わたしはホレブの岩(いわ)の上(うえ)であなたの前(まえ)に立(た)つであろう。あなたは岩(いわ)を打(う)ちなさい。水(みず)がそれから出(で)て、民(たみ)はそれを飲(の)むことができる」。モーセはイスラエルの長老(ちょうろう)たちの目(め)の前(まえ)で、そのように行(おこな)った。 7そして彼(かれ)はその所(ところ)の名(な)をマッサ、またメリバと呼(よ)んだ。これはイスラエルの人々(ひとびと)が争(あらそ)ったゆえ、また彼(かれ)らが「主(しゅ)はわたしたちのうちにおられるかどうか」と言(い)って主(しゅ)を試(こころ)みたからである。

8ときにアマレクがきて、イスラエルとレピデムで戦(たたか)った。 9モーセはヨシュアに言(い)った、「われわれのために人(ひと)を選(えら)び、出(で)てアマレクと戦(たたか)いなさい。わたしはあす神(かみ)のつえを手(て)に取(と)って、丘(おか)の頂(いただき)に立(た)つであろう」。 10ヨシュアはモーセが彼(かれ)に言(い)ったようにし、アマレクと戦(たたか)った。モーセとアロンおよびホルは丘(おか)の頂(いただき)に登(のぼ)った。 11モーセが手(て)を上(あ)げているとイスラエルは勝(か)ち、手(て)を下(さ)げるとアマレクが勝(か)った。 12しかしモーセの手(て)が重(おも)くなったので、アロンとホルが石(いし)を取(と)って、モーセの足(あし)もとに置(お)くと、彼(かれ)はその上(うえ)に座(ざ)した。そしてひとりはこちらに、ひとりはあちらにいて、モーセの手(て)をささえたので、彼(かれ)の手(て)は日没(にちぼつ)までさがらなかった。 13ヨシュアは、つるぎにかけてアマレクとその民(たみ)を打(う)ち敗(やぶ)った。

14主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「これを書物(しょもつ)にしるして記念(きねん)とし、それをヨシュアの耳(みみ)に入(い)れなさい。わたしは天(あめ)が下(した)からアマレクの記憶(きおく)を完全(かんぜん)に消(け)し去(さ)るであろう」。 15モーセは一つの祭壇(さいだん)を築(きず)いてその名(な)を「主(しゅ)はわが旗(はた)」と呼(よ)んだ。 16そしてモーセは言(い)った、
「主(しゅ)の旗(はた)にむかって手(て)を上(あ)げる、
主(しゅ)は世々(よよ)アマレクと戦(たたか)われる」。

第一八章

1さて、モーセのしゅうと、ミデアンの祭司(さいし)エテロは、神(かみ)がモーセと、み民(たみ)イスラエルとにされたすべての事(こと)、主(しゅ)がイスラエルをエジプトから導(みちび)き出(だ)されたことを聞(き)いた。 2それでモーセのしゅうと、エテロは、さきに送(おく)り返(かえ)されていたモーセの妻(つま)チッポラと、 3そのふたりの子(こ)とを連(つ)れてきた。そのひとりの名(な)はゲルショムといった。モーセが、「わたしは外国(がいこく)で寄留者(きりゅうしゃ)となっている」と言(い)ったからである。 4ほかのひとりの名(な)はエリエゼルといった。「わたしの父(ちち)の神(かみ)はわたしの助(たす)けであって、パロのつるぎからわたしを救(すく)われた」と言(い)ったからである。 5こうしてモーセのしゅうと、エテロは、モーセの妻子(さいし)を伴(ともな)って、荒野(あらの)に行(い)き、神(かみ)の山(やま)に宿営(しゅくえい)しているモーセの所(ところ)にきた。 6その時(とき)、ある人(ひと)がモーセに言(い)った、「ごらんなさい。あなたのしゅうと、エテロは、あなたの妻(つま)とそのふたりの子(こ)を連(つ)れて、あなたの所(ところ)にこられます」。 7そこでモーセはしゅうとを出迎(でむか)えて、身(み)をかがめ、彼(かれ)に口(くち)づけして、互(たがい)に安否(あんぴ)を問(と)い、共(とも)に天幕(てんまく)にはいった。 8そしてモーセは、主(しゅ)がイスラエルのために、パロとエジプトびととにされたすべての事(こと)、道(みち)で出会(であ)ったすべての苦(くる)しみ、また主(しゅ)が彼(かれ)らを救(すく)われたことを、しゅうとに物語(ものがた)ったので、 9エテロは主(しゅ)がイスラエルをエジプトびとの手(て)から救(すく)い出(だ)して、もろもろの恵(めぐ)みを賜(たま)わったことを喜(よろこ)んだ。

10そしてエテロは言(い)った、「主(しゅ)はほむべきかな。主(しゅ)はあなたがたをエジプトびとの手(て)と、パロの手(て)から救(すく)い出(だ)し、民(たみ)をエジプトびとの手(て)の下(した)から救(すく)い出(だ)された。 11今(いま)こそわたしは知(し)った。実(じつ)に彼(かれ)らはイスラエルびとにむかって高慢(こうまん)にふるまったが、主(しゅ)はあらゆる神々(かみがみ)にまさって大(おお)いにいますことを」。 12そしてモーセのしゅうとエテロは燔祭(はんさい)と犠牲(ぎせい)を神(かみ)に供(そな)え、アロンとイスラエルの長老(ちょうろう)たちもみなきて、モーセのしゅうとと共(とも)に神(かみ)の前(まえ)で食事(しょくじ)をした。

13あくる日(ひ)モーセは座(ざ)して民(たみ)をさばいたが、民(たみ)は朝(あさ)から晩(ばん)まで、モーセのまわりに立(た)っていた。 14モーセのしゅうとは、彼(かれ)がすべて民(たみ)にしていることを見(み)て、言(い)った、「あなたが民(たみ)にしているこのことはなんですか。あなたひとりが座(ざ)し、民(たみ)はみな朝(あさ)から晩(ばん)まで、あなたのまわりに立(た)っているのはなぜですか」。 15モーセはしゅうとに言(い)った、「民(たみ)が神(かみ)に伺(うかが)おうとして、わたしの所(ところ)に来(く)るからです。 16彼(かれ)らは事(こと)があれば、わたしの所(ところ)にきます。わたしは相互(そうご)の間(あいだ)をさばいて、神(かみ)の定(さだ)めと判決(はんけつ)を知(し)らせるのです」。 17モーセのしゅうとは彼(かれ)に言(い)った、「あなたのしていることは良(よ)くない。 18あなたも、あなたと一緒(いっしょ)にいるこの民(たみ)も、必(かなら)ず疲(つか)れ果(は)てるであろう。このことはあなたに重(おも)過(す)ぎるから、ひとりですることができない。 19今(いま)わたしの言(い)うことを聞(き)きなさい。わたしはあなたに助言(じょげん)する。どうか神(かみ)があなたと共(とも)にいますように。あなたは民(たみ)のために神(かみ)の前(まえ)にいて、事件(じけん)を神(かみ)に述(の)べなさい。 20あなたは彼(かれ)らに定(さだ)めと判決(はんけつ)を教(おし)え、彼(かれ)らの歩(あゆ)むべき道(みち)と、なすべき事(こと)を彼(かれ)らに知(し)らせなさい。 21また、すべての民(たみ)のうちから、有能(ゆうのう)な人(ひと)で、神(かみ)を恐(おそ)れ、誠実(せいじつ)で不義(ふぎ)の利(り)を憎(にく)む人(ひと)を選(えら)び、それを民(たみ)の上(うえ)に立(た)てて、千人(にん)の長(ちょう)、百人(にん)の長(ちょう)、五十人(にん)の長(ちょう)、十人(にん)の長(ちょう)としなさい。 22平素(へいそ)は彼(かれ)らに民(たみ)をさばかせ、大事(だいじ)件はすべてあなたの所(ところ)に持(も)ってこさせ、小(しょう)事件(じけん)はすべて彼(かれ)らにさばかせなさい。こうしてあなたを身軽(みがる)にし、あなたと共(とも)に彼(かれ)らに、荷(に)を負(お)わせなさい。 23あなたが、もしこの事(こと)を行(おこな)い、神(かみ)もまたあなたに命(めい)じられるならば、あなたは耐(た)えることができ、この民(たみ)もまた、みな安(やす)んじてその所(ところ)に帰(かえ)ることができよう」。

24モーセはしゅうとの言葉(ことば)に従(したが)い、すべて言(い)われたようにした。 25すなわち、モーセはすべてのイスラエルのうちから有能(ゆうのう)な人(ひと)を選(えら)んで、民(たみ)の上(うえ)に長(ちょう)として立(た)て、千人(にん)の長(ちょう)、百人(にん)の長(ちょう)、五十人(にん)の長(ちょう)、十人(にん)の長(ちょう)とした。 26平素(へいそ)は彼(かれ)らが民(たみ)をさばき、むずかしい事件(じけん)はモーセに持(も)ってきたが、小(ちい)さい事件(じけん)はすべて彼(かれ)らみずからさばいた。 27こうしてモーセはしゅうとを送(おく)り返(かえ)したので、その国(くに)に帰(かえ)って行(い)った。

第一九章

1イスラエルの人々(ひとびと)は、エジプトの地(ち)を出(で)て後(のち)三月(つき)目(め)のその日(ひ)に、シナイの荒野(あらの)にはいった。 2すなわち彼(かれ)らはレピデムを出立(しゅったつ)してシナイの荒野(あらの)に入(い)り、荒野(あらの)に宿営(しゅくえい)した。イスラエルはその所(ところ)で山(やま)の前(まえ)に宿営(しゅくえい)した。 3さて、モーセが神(かみ)のもとに登(のぼ)ると、主(しゅ)は山(やま)から彼(かれ)を呼(よ)んで言(い)われた、「このように、ヤコブの家(いえ)に言(い)い、イスラエルの人々(ひとびと)に告(つ)げなさい、 4『あなたがたは、わたしがエジプトびとにした事(こと)と、あなたがたを鷲(わし)の翼(つばさ)に載(の)せてわたしの所(ところ)にこさせたことを見(み)た。 5それで、もしあなたがたが、まことにわたしの声(こえ)に聞(き)き従(したが)い、わたしの契約(けいやく)を守(まも)るならば、あなたがたはすべての民(たみ)にまさって、わたしの宝(たから)となるであろう。全(ぜん)地(ち)はわたしの所有(しょゆう)だからである。 6あなたがたはわたしに対(たい)して祭司(さいし)の国(くに)となり、また聖(せい)なる民(たみ)となるであろう』。これがあなたのイスラエルの人々(ひとびと)に語(かた)るべき言葉(ことば)である」。

7それでモーセは行(い)って民(たみ)の長老(ちょうろう)たちを呼(よ)び、主(しゅ)が命(めい)じられたこれらの言葉(ことば)を、すべてその前(まえ)に述(の)べたので、 8民(たみ)はみな共(とも)に答(こた)えて言(い)った、「われわれは主(しゅ)が言(い)われたことを、みな行(おこな)います」。モーセは民(たみ)の言葉(ことば)を主(しゅ)に告(つ)げた。 9主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「見(み)よ、わたしは濃(こ)い雲(くも)のうちにあって、あなたに臨(のぞ)むであろう。それはわたしがあなたと語(かた)るのを民(たみ)に聞(き)かせて、彼(かれ)らに長(なが)くあなたを信(しん)じさせるためである」。

モーセは民(たみ)の言葉(ことば)を主(しゅ)に告(つ)げた。 10主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「あなたは民(たみ)のところに行(い)って、きょうとあす、彼(かれ)らをきよめ、彼(かれ)らにその衣服(いふく)を洗(あら)わせ、 11三日(か)目(め)までに備(そな)えさせなさい。三日(か)目(め)に主(しゅ)が、すべての民(たみ)の目(め)の前(まえ)で、シナイ山(さん)に下(くだ)るからである。 12あなたは民(たみ)のために、周囲(しゅうい)に境(さかい)を設(もう)けて言(い)いなさい、『あなたがたは注意(ちゅうい)して、山(やま)に上(のぼ)らず、また、その境界(きょうかい)に触(ふ)れないようにしなさい。山(やま)に触(ふ)れる者(もの)は必(かなら)ず殺(ころ)されるであろう。 13手(て)をそれに触(ふ)れてはならない。触(ふ)れる者(もの)は必(かなら)ず石(いし)で打(う)ち殺(ころ)されるか、射殺(しゃさつ)されるであろう。獣(けもの)でも人(ひと)でも生(い)きることはできない』。ラッパが長(なが)く響(ひび)いた時(とき)、彼(かれ)らは山(やま)に登(のぼ)ることができる」と。 14そこでモーセは山(やま)から民(たみ)のところに下(くだ)り、民(たみ)をきよめた。彼(かれ)らはその衣服(いふく)を洗(あら)った。 15モーセは民(たみ)に言(い)った、「三日(か)目(め)までに備(そな)えをしなさい。女(おんな)に近(ちか)づいてはならない」。

16三日(か)目(め)の朝(あさ)となって、かみなりと、いなずまと厚(あつ)い雲(くも)とが、山(やま)の上(うえ)にあり、ラッパの音(おと)が、はなはだ高(たか)く響(ひび)いたので、宿営(しゅくえい)におる民(たみ)はみな震(ふる)えた。 17モーセが民(たみ)を神(かみ)に会(あ)わせるために、宿営(しゅくえい)から導(みちび)き出(だ)したので、彼(かれ)らは山(やま)のふもとに立(た)った。 18シナイ山(さん)は全(ぜん)山(ざん)煙(けむ)った。主(しゅ)が火(ひ)のなかにあって、その上(うえ)に下(くだ)られたからである。その煙(けむり)は、かまどの煙(けむり)のように立(た)ち上(のぼ)り、全(ぜん)山(ざん)はげしく震(ふる)えた。 19ラッパの音(おと)が、いよいよ高(たか)くなったとき、モーセは語(かた)り、神(かみ)は、かみなりをもって、彼(かれ)に答(こた)えられた。 20主(しゅ)はシナイ山(さん)の頂(いただき)に下(くだ)られた。そして主(しゅ)がモーセを山(やま)の頂(いただき)に召(め)されたので、モーセは登(のぼ)った。 21主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「下(くだ)って行(い)って民(たみ)を戒(いまし)めなさい。民(たみ)が押(お)し破(やぶ)って、主(しゅ)のところにきて、見(み)ようとし、多(おお)くのものが死(し)ぬことのないようにするためである。 22主(しゅ)に近(ちか)づく祭司(さいし)たちにもまた、その身(み)をきよめさせなさい。主(しゅ)が彼(かれ)らを打(う)つことのないようにするためである」。 23モーセは主(しゅ)に言(い)った、「民(たみ)はシナイ山(さん)に登(のぼ)ることはできないでしょう。あなたがわたしたちを戒(いまし)めて『山(やま)のまわりに境(さかい)を設(もう)け、それをきよめよ』と言(い)われたからです」。 24主(しゅ)は彼(かれ)に言(い)われた、「行(い)け、下(くだ)れ。そしてあなたはアロンと共(とも)に登(のぼ)ってきなさい。ただし、祭司(さいし)たちと民(たみ)とが、押(お)し破(やぶ)って主(しゅ)のところに登(のぼ)ることのないようにしなさい。主(しゅ)が彼(かれ)らを打(う)つことのないようにするためである」。 25モーセは民(たみ)の所(ところ)に下(くだ)って行(い)って彼(かれ)らに告(つ)げた。

第二〇章

1神(かみ)はこのすべての言葉(ことば)を語(かた)って言(い)われた。

2「わたしはあなたの神(かみ)、主(しゅ)であって、あなたをエジプトの地(ち)、奴隷(どれい)の家(いえ)から導(みちび)き出(だ)した者(もの)である。

3あなたはわたしのほかに、なにものをも神(かみ)としてはならない。

4あなたは自分(じぶん)のために、刻(きざ)んだ像(ぞう)を造(つく)ってはならない。上(うえ)は天(てん)にあるもの、下(した)は地(ち)にあるもの、また地(ち)の下(した)の水(みず)のなかにあるものの、どんな形(かたち)をも造(つく)ってはならない。 5それにひれ伏(ふ)してはならない。それに仕(つか)えてはならない。あなたの神(かみ)、主(しゅ)であるわたしは、ねたむ神(かみ)であるから、わたしを憎(にく)むものは、父(ちち)の罪(つみ)を子(こ)に報(むく)いて、三四代(だい)に及(およ)ぼし、 6わたしを愛(あい)し、わたしの戒(いまし)めを守(まも)るものには、恵(めぐ)みを施(ほどこ)して、千代(だい)に至(いた)るであろう。

7あなたは、あなたの神(かみ)、主(しゅ)の名(な)を、みだりに唱(とな)えてはならない。主(しゅ)は、み名(な)をみだりに唱(とな)えるものを、罰(ばっ)しないでは置(お)かないであろう。

8安息日(あんそくにち)を覚(おぼ)えて、これを聖(せい)とせよ。 9六日(か)のあいだ働(はたら)いてあなたのすべてのわざをせよ。 10七日(なぬか)目(め)はあなたの神(かみ)、主(しゅ)の安息(あんそく)であるから、なんのわざをもしてはならない。あなたもあなたのむすこ、娘(むすめ)、しもべ、はしため、家畜(かちく)、またあなたの門(もん)のうちにいる他国(たこく)の人(ひと)もそうである。 11主(しゅ)は六日(か)のうちに、天(てん)と地(ち)と海(うみ)と、その中(なか)のすべてのものを造(つく)って、七日(なぬか)目(め)に休(やす)まれたからである。それで主(しゅ)は安息日(あんそくにち)を祝福(しゅくふく)して聖(せい)とされた。

12あなたの父(ちち)と母(はは)を敬(うやま)え。これは、あなたの神(かみ)、主(しゅ)が賜(たま)わる地(ち)で、あなたが長(なが)く生(い)きるためである。

13あなたは殺(ころ)してはならない。

14あなたは姦淫(かんいん)してはならない。

15あなたは盗(ぬす)んではならない。

16あなたは隣人(りんじん)について、偽証(ぎしょう)してはならない。

17あなたは隣人(りんじん)の家(いえ)をむさぼってはならない。隣人(りんじん)の妻(つま)、しもべ、はしため、牛(うし)、ろば、またすべて隣人(りんじん)のものをむさぼってはならない」。

18民(たみ)は皆(みな)、かみなりと、いなずまと、ラッパの音(おと)と、山(やま)の煙(けむ)っているのとを見(み)た。民(たみ)は恐(おそ)れおののき、遠(とお)く離(はな)れて立(た)った。 19彼(かれ)らはモーセに言(い)った、「あなたがわたしたちに語(かた)ってください。わたしたちは聞(き)き従(したが)います。神(かみ)がわたしたちに語(かた)られぬようにしてください。それでなければ、わたしたちは死(し)ぬでしょう」。 20モーセは民(たみ)に言(い)った、「恐(おそ)れてはならない。神(かみ)はあなたがたを試(こころ)みるため、またその恐(おそ)れをあなたがたの目(め)の前(まえ)において、あなたがたが罪(つみ)を犯(おか)さないようにするために臨(のぞ)まれたのである」。

21そこで、民(たみ)は遠(とお)く離(はな)れて立(た)ったが、モーセは神(かみ)のおられる濃(こ)い雲(くも)に近(ちか)づいて行(い)った。 22主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「あなたはイスラエルの人々(ひとびと)にこう言(い)いなさい、『あなたがたは、わたしが天(てん)からあなたがたと語(かた)るのを見(み)た。 23あなたがたはわたしと並(なら)べて、何(なに)をも造(つく)ってはならない。銀(ぎん)の神々(かみがみ)も、金(きん)の神々(かみがみ)も、あなたがたのために、造(つく)ってはならない。 24あなたはわたしのために土(つち)の祭壇(さいだん)を築(きず)き、その上(うえ)にあなたの燔祭(はんさい)、酬恩祭(しゅうおんさい)、羊(ひつじ)、牛(うし)をささげなければならない。わたしの名(な)を覚(おぼ)えさせるすべての所(ところ)で、わたしはあなたに臨(のぞ)んで、あなたを祝福(しゅくふく)するであろう。 25あなたがもしわたしに石(いし)の祭壇(さいだん)を造(つく)るならば、切(き)り石(いし)で築(きず)いてはならない。あなたがもし、のみをそれに当(あ)てるならば、それをけがすからである。 26あなたは階段(かいだん)によって、わたしの祭壇(さいだん)に登(のぼ)ってはならない。あなたの隠(かく)し所(ところ)が、その上(うえ)にあらわれることのないようにするためである』。

第二一章

1これはあなたが彼(かれ)らの前(まえ)に示(しめ)すべきおきてである。 2あなたがヘブルびとである奴隷(どれい)を買(か)う時(とき)は、六年(ねん)のあいだ仕(つか)えさせ、七年(ねん)目(め)には無償(むしょう)で自由(じゆう)の身(み)として去(さ)らせなければならない。 3彼(かれ)がもし独身(どくしん)できたならば、独身(どくしん)で去(さ)らなければならない。もし妻(つま)を持(も)っていたならば、その妻(つま)は彼(かれ)と共(とも)に去(さ)らなければならない。 4もしその主人(しゅじん)が彼(かれ)に妻(つま)を与(あた)えて、彼(かれ)に男(おとこ)の子(こ)また女(おんな)の子(こ)を産(う)んだならば、妻(つま)とその子(こ)供(とも)は主人(しゅじん)のものとなり、彼(かれ)は独身(どくしん)で去(さ)らなければならない。 5奴隷(どれい)がもし『わたしは、わたしの主人(しゅじん)と、わたしの妻(つま)と子供(こども)を愛(あい)します。わたしは自由(じゆう)の身(み)となって去(さ)ることを好(この)みません』と明言(めいげん)するならば、 6その主人(しゅじん)は彼(かれ)を神(かみ)のもとに連(つ)れて行(い)き、戸(と)あるいは柱(はしら)のところに連(つ)れて行(い)って、主人(しゅじん)は、きりで彼(かれ)の耳(みみ)を刺(さ)し通(とお)さなければならない。そうすれば彼(かれ)はいつまでもこれに仕(つか)えるであろう。

7もし人(ひと)がその娘(むすめ)を女(おんな)奴隷(どれい)として売(う)るならば、その娘(むすめ)は男(おとこ)奴隷(どれい)が去(さ)るように去(さ)ってはならない。 8彼女(かのじょ)がもし彼女(かのじょ)を自分(じぶん)のものと定(さだ)めた主人(しゅじん)の気(き)にいらない時(とき)は、その主人(しゅじん)は彼女(かのじょ)が、あがなわれることを、これに許(ゆる)さなければならない。彼(かれ)はこれを欺(あざむ)いたのであるから、これを他国(たこく)の民(たみ)に売(う)る権利(けんり)はない。 9彼(かれ)がもし彼女(かのじょ)を自分(じぶん)の子(こ)のものと定(さだ)めるならば、これを娘(むすめ)のように扱(あつか)わなければならない。 10彼(かれ)が、たとい、ほかに女(おんな)をめとることがあっても、前(まえ)の女(おんな)に食物(しょくもつ)と衣服(いふく)を与(あた)えることと、その夫婦(ふうふ)の道(みち)とを絶(た)えさせてはならない。 11彼(かれ)がもしこの三つを行(おこな)わないならば、彼女(かのじょ)は金(かね)を償(つぐな)わずに去(さ)ることができる。

12人(ひと)を撃(う)って死(し)なせた者(もの)は、必(かなら)ず殺(ころ)されなければならない。 13しかし、人(ひと)がたくむことをしないのに、神(かみ)が彼(かれ)の手(て)に人(ひと)をわたされることのある時(とき)は、わたしはあなたのために一つの所(ところ)を定(さだ)めよう。彼(かれ)はその所(ところ)へのがれることができる。 14しかし人(ひと)がもし、ことさらにその隣人(りんじん)を欺(あざむ)いて殺(ころ)す時(とき)は、その者(もの)をわたしの祭壇(さいだん)からでも、捕(とら)えて行(い)って殺(ころ)さなければならない。

15自分(じぶん)の父(ちち)または母(はは)を撃(う)つ者(もの)は、必(かなら)ず殺(ころ)されなければならない。

16人(ひと)をかどわかした者(もの)は、これを売(う)っていても、なお彼(かれ)の手(て)にあっても、必(かなら)ず殺(ころ)されなければならない。

17自分(じぶん)の父(ちち)または母(はは)をのろう者(もの)は、必(かなら)ず殺(ころ)されなければならない。

18人(ひと)が互(たがい)に争(あらそ)い、そのひとりが石(いし)または、こぶしで相手(あいて)を撃(う)った時(とき)、これが死(し)なないで床(とこ)につき、 19再(ふたた)び起(お)きあがって、つえにすがり、外(そと)を歩(ある)くようになるならば、これを撃(う)った者(もの)は、ゆるされるであろう。ただその仕事(しごと)を休(やす)んだ損失(そんしつ)を償(つぐな)い、かつこれにじゅうぶん治療(ちりょう)させなければならない。

20もし人(ひと)がつえをもって、自分(じぶん)の男(おとこ)奴隷(どれい)または女(おんな)奴隷(どれい)を撃(う)ち、その手(て)の下(した)に死(し)ぬならば、必(かなら)ず罰(ばっ)せられなければならない。 21しかし、彼(かれ)がもし一日(にち)か、ふつか生(い)き延(の)びるならば、その人(ひと)は罰(ばっ)せられない。奴隷(どれい)は彼(かれ)の財産(ざいさん)だからである。

22もし人(ひと)が互(たがい)に争(あらそ)って、身(み)ごもった女(おんな)を撃(う)ち、これに流産(りゅうざん)させるならば、ほかの害(がい)がなくとも、彼(かれ)は必(かなら)ずその女(おんな)の夫(おっと)の求(もと)める罰金(ばっきん)を課(か)せられ、裁判人(さいばんにん)の定(さだ)めるとおりに支払(しはら)わなければならない。 23しかし、ほかの害(がい)がある時(とき)は、命(いのち)には命(いのち)、 24目(め)には目(め)、歯(は)には歯(は)、手(て)には手(て)、足(あし)には足(あし)、 25焼(や)き傷(きず)には焼(や)き傷(きず)、傷(きず)には傷(きず)、打(う)ち傷(きず)には打(う)ち傷(きず)をもって償(つぐな)わなければならない。

26もし人(ひと)が自分(じぶん)の男(おとこ)奴隷(どれい)の片目(かため)、または女(おんな)奴隷(どれい)の片目(かため)を撃(う)ち、これをつぶすならば、その目(め)のためにこれを自由(じゆう)の身(み)として去(さ)らせなければならない。 27また、もしその男(おとこ)奴隷(どれい)の一本(ぽん)の歯(は)、またはその女(おんな)奴隷(どれい)の一本(ぽん)の歯(は)を撃(う)ち落(おと)すならば、その歯(は)のためにこれを自由(じゆう)の身(み)として去(さ)らせなければならない。

28もし牛(うし)が男(おとこ)または女(おんな)を突(つ)いて殺(ころ)すならば、その牛(うし)は必(かなら)ず石(いし)で撃(う)ち殺(ころ)されなければならない。その肉(にく)は食(た)べてはならない。しかし、その牛(うし)の持(も)ち主(ぬし)は罪(つみ)がない。 29牛(うし)がもし以前(いぜん)から突(つ)く癖(くせ)があって、その持(も)ち主(ぬし)が注意(ちゅうい)されても、これを守(まも)りおかなかったために、男(おとこ)または女(おんな)を殺(ころ)したならば、その牛(うし)は石(いし)で撃(う)ち殺(ころ)され、その持(も)ち主(ぬし)もまた殺(ころ)されなければならない。 30彼(かれ)がもし、あがないの金(かね)を課(か)せられたならば、すべて課(か)せられたほどのものを、命(いのち)の償(つぐな)いに支払(しはら)わなければならない。 31男(おとこ)の子(こ)を突(つ)いても、女(おんな)の子(こ)を突(つ)いても、この定(さだ)めに従(したが)って処置(しょち)されなければならない。 32牛(うし)がもし男(おとこ)奴隷(どれい)または女(おんな)奴隷(どれい)を突(つ)くならば、その主人(しゅじん)に銀(ぎん)三十シケルを支払(しはら)わなければならない。またその牛(うし)は石(いし)で撃(う)ち殺(ころ)されなければならない。

33もし人(ひと)が穴(あな)をあけたままに置(お)き、あるいは穴(あな)を掘(ほ)ってこれにおおいをしないために、牛(うし)または、ろばがこれに落(お)ち込(こ)むことがあれば、 34穴(あな)の持(も)ち主(ぬし)はこれを償(つぐな)い、金(かね)をその持(も)ち主(ぬし)に支払(しはら)わなければならない。しかし、その死(し)んだ獣(けもの)は彼(かれ)のものとなるであろう。

35ある人(ひと)の牛(うし)が、もし他人(たにん)の牛(うし)を突(つ)いて殺(ころ)すならば、彼(かれ)らはその生(い)きている牛(うし)を売(う)って、その価(あたい)を分(わ)け、またその死(し)んだものをも分(わ)けなければならない。 36あるいはその牛(うし)が以前(いぜん)から突(つ)く癖(くせ)のあることが知(し)られているのに、その持(も)ち主(ぬし)がこれを守(まも)りおかなかったならば、その人(ひと)は必(かなら)ずその牛(うし)のために牛(うし)をもって償(つぐな)わなければならない。しかし、その死(し)んだ獣(けもの)は彼(かれ)のものとなるであろう。

第二二章

1もし人(ひと)が牛(うし)または羊(ひつじ)を盗(ぬす)んで、これを殺(ころ)し、あるいはこれを売(う)るならば、彼(かれ)は一頭(とう)の牛(うし)のために五頭(とう)の牛(うし)をもって、一頭(とう)の羊(ひつじ)のために四頭(とう)の羊(ひつじ)をもって償(つぐな)わなければならない。 3!b彼(かれ)は必(かなら)ず償(つぐな)わなければならない。もし彼(かれ)に何(なに)もない時(とき)は、彼(かれ)はその盗(ぬす)んだ物(もの)のために身(み)を売(う)られるであろう。 4もしその盗(ぬす)んだ物(もの)がなお生(い)きて、彼(かれ)の手(て)もとにあれば、それは牛(うし)、ろば、羊(ひつじ)のいずれにせよ、これを二倍(ばい)にして償(つぐな)わなければならない。

2もし盗(ぬす)びとが穴(あな)をあけてはいるのを見(み)て、これを撃(う)って殺(ころ)したときは、その人(ひと)には血(ち)を流(なが)した罪(つみ)はない。 3!aしかし日(ひ)がのぼって後(のち)ならば、その人(ひと)に血(ち)を流(なが)した罪(つみ)がある。

5もし人(ひと)が畑(はたけ)またはぶどう畑(はたけ)のものを食(く)わせ、その家畜(かちく)を放(はな)って他人(たにん)の畑(はたけ)のものを食(く)わせた時(とき)は、自分(じぶん)の畑(はたけ)の最(もっと)も良(よ)い物(もの)と、ぶどう畑(はたけ)の最(もっと)も良(よ)い物(もの)をもって、これを償(つぐな)わなければならない。

6もし火(ひ)が出(で)て、いばらに移(うつ)り、積(つ)みあげた麦(むぎ)束(たば)、または立(た)穂(ほ)、または畑(はたけ)を焼(や)いたならば、その火(ひ)を燃(も)やした者(もの)は、必(かなら)ずこれを償(つぐな)わなければならない。

7もし人(ひと)が金銭(きんせん)または物品(ぶっぴん)の保管(ほかん)を隣人(りんじん)に託(たく)し、それが隣人(りんじん)の家(いえ)から盗(ぬす)まれた時(とき)、その盗(ぬす)びとが見(み)つけられたならば、これを二倍(ばい)にして償(つぐな)わせなければならない。 8もし盗(ぬす)びとが見(み)つけられなければ、家(いえ)の主人(しゅじん)を神(かみ)の前(まえ)に連(つ)れてきて、彼(かれ)が隣人(りんじん)の持(も)ち物(もの)に手(て)をかけたかどうかを、確(たし)かめなければならない。

9牛(うし)であれ、ろばであれ、羊(ひつじ)であれ、衣服(いふく)であれ、あるいはどんな失(うしな)った物(もの)であれ、それについて言(い)い争(あらそ)いが起(おこ)り『これがそれです』と言(い)う者(もの)があれば、その双方(そうほう)の言(い)い分(ぶん)を、神(かみ)の前(まえ)に持(も)ち出(だ)さなければならない。そして神(かみ)が有罪(ゆうざい)と定(さだ)められる者(もの)は、それを二倍(ばい)にしてその相手(あいて)に償(つぐな)わなければならない。

10もし人(ひと)が、ろば、または牛(うし)、または羊(ひつじ)、またはどんな家畜(かちく)でも、それを隣人(りんじん)に預(あづ)けて、それが死(し)ぬか、傷(きず)つくか、あるいは奪(うば)い去(さ)られても、それを見(み)た者(もの)がなければ、 11双方(そうほう)の間(あいだ)に、隣人(りんじん)の持(も)ち物(もの)に手(て)をかけなかったという誓(ちか)いが、主(しゅ)の前(まえ)になされなければならない。そうすれば、持(も)ち主(ぬし)はこれを受(う)け入(い)れ、隣人(りんじん)は償(つぐな)うに及(およ)ばない。 12けれども、それがまさしく自分(じぶん)の所(ところ)から盗(ぬす)まれた時(とき)は、その持(も)ち主(ぬし)に償(つぐな)わなければならない。 13もしそれが裂(さ)き殺(ころ)された時(とき)は、それを証拠(しょうこ)として持(も)って来(く)るならば、その裂(さ)き殺(ころ)されたものは償(つぐな)うに及(およ)ばない。

14もし人(ひと)が隣人(りんじん)から家畜(かちく)を借(か)りて、それが傷(きず)つき、または死(し)ぬ場合(ばあい)、その持(も)ち主(ぬし)がそれと共(とも)にいない時(とき)は、必(かなら)ずこれを償(つぐな)わなければならない。 15もしその持(も)ち主(ぬし)がそれと共(とも)におれば、それを償(つぐな)うに及(およ)ばない。もしそれが賃借(ちんが)りしたものならば、その借(か)賃(ちん)をそれに当(あ)てなければならない。

16もし人(ひと)がまだ婚約(こんやく)しない処女(しょじょ)を誘(さそ)って、これと寝(ね)たならば、彼(かれ)は必(かなら)ずこれに花嫁(はなよめ)料(りょう)を払(はら)って、妻(つま)としなければならない。 17もしその父(ちち)がこれをその人(ひと)に与(あた)えることをかたく拒(こば)むならば、彼(かれ)は処女(しょじょ)の花嫁(はなよめ)料(りょう)に当(あた)るほどの金(かね)を払(はら)わなければならない。

18魔法使(まほうつかい)の女(おんな)は、これを生(い)かしておいてはならない。

19すべて獣(けもの)を犯(おか)す者(もの)は、必(かなら)ず殺(ころ)されなければならない。

20主(しゅ)のほか、他(た)の神々(かみがみ)に犠牲(ぎせい)をささげる者(もの)は、断(た)ち滅(ほろ)ぼされなければならない。

21あなたは寄留(きりゅう)の他国(たこく)人(じん)を苦(くる)しめてはならない。また、これをしえたげてはならない。あなたがたも、かつてエジプトの国(くに)で、寄留(きりゅう)の他国(たこく)人(じん)であったからである。 22あなたがたはすべて寡婦(かふ)、または孤児(こじ)を悩(なや)ましてはならない。 23もしあなたが彼(かれ)らを悩(なや)まして、彼(かれ)らがわたしにむかって叫(さけ)ぶならば、わたしは必(かなら)ずその叫(さけ)びを聞(き)くであろう。 24そしてわたしの怒(いか)りは燃(も)えたち、つるぎをもってあなたがたを殺(ころ)すであろう。あなたがたの妻(つま)は寡婦(かふ)となり、あなたがたの子供(こども)たちは孤児(こじ)となるであろう。

25あなたが、共(とも)におるわたしの民(たみ)の貧(まず)しい者(もの)に金(かね)を貸(か)す時(とき)は、これに対(たい)して金貸(かねか)しのようになってはならない。これから利子(りし)を取(と)ってはならない。 26もし隣人(りんじん)の上着(うわぎ)を質(しつ)に取(と)るならば、日(ひ)の入(い)るまでにそれを返(かえ)さなければならない。 27これは彼(かれ)の身(み)をおおう、ただ一つの物(もの)、彼(かれ)の膚(はだ)のための着物(きもの)だからである。彼(かれ)は何(なに)を着(き)て寝(ね)ることができよう。彼(かれ)がわたしにむかって叫(さけ)ぶならば、わたしはこれに聞(き)くであろう。わたしはあわれみ深(ふか)いからである。

28あなたは神(かみ)をののしってはならない。また民(たみ)の司(つかさ)をのろってはならない。

29あなたの豊(ゆた)かな穀物(こくもつ)と、あふれる酒(さけ)とをささげるに、ためらってはならない。

あなたのういごを、わたしにささげなければならない。 30あなたはまた、あなたの牛(うし)と羊(ひつじ)をも同様(どうよう)にしなければならない。七日(なぬか)の間(あいだ)その母(はは)と共(とも)に置(お)いて、八日(か)目(め)にそれをわたしに、ささげなければならない。

31あなたがたは、わたしに対(たい)して聖(せい)なる民(たみ)とならなければならない。あなたがたは、野(の)で裂(さ)き殺(ころ)されたものの肉(にく)を食(た)べてはならない。それは犬(いぬ)に投(な)げ与(あた)えなければならない。

第二三章

1あなたは偽(いつわ)りのうわさを言(い)いふらしてはならない。あなたは悪人(あくにん)と手(て)を携(たずさ)えて、悪意(あくい)のある証人(しょうにん)になってはならない。 2あなたは多数(たすう)に従(したが)って悪(あく)をおこなってはならない。あなたは訴訟(そしょう)において、多数(たすう)に従(したが)って片寄(かたよ)り、正義(せいぎ)を曲(ま)げるような証言(しょうげん)をしてはならない。 3また貧(まず)しい人(ひと)をその訴訟(そしょう)において、曲(ま)げてかばってはならない。

4もし、あなたが敵(てき)の牛(うし)または、ろばの迷(まよ)っているのに会(あ)う時(とき)は、必(かなら)ずこれを彼(かれ)の所(ところ)に連(つ)れて行(い)って、帰(き)さなければならない。 5もしあなたを憎(にく)む者(もの)のろばが、その荷物(にもつ)の下(した)に倒(たお)れ伏(ふ)しているのを見(み)る時(とき)は、これを見捨(みす)てて置(お)かないように気(き)をつけ、必(かなら)ずその人(ひと)に手(て)を貸(か)して、これを起(おこ)さなければならない。

6あなたは貧(まず)しい者(もの)の訴訟(そしょう)において、裁判(さいばん)を曲(ま)げてはならない。 7あなたは偽(いつわ)り事(こと)に遠(とお)ざからなければならない。あなたは罪(つみ)のない者(もの)と正(ただ)しい者(もの)とを殺(ころ)してはならない。わたしは悪人(あくにん)を義(ぎ)とすることはないからである。 8あなたは賄賂(わいろ)を取(と)ってはならない。賄賂(わいろ)は人(ひと)の目(め)をくらまし、正(ただ)しい者(もの)の事件(じけん)をも曲(ま)げさせるからである。

9あなたは寄留(きりゅう)の他国(たこく)人(じん)をしえたげてはならない。あなたがたはエジプトの国(くに)で寄留(きりゅう)の他国(たこく)人(じん)であったので、寄留(きりゅう)の他国(たこく)人(じん)の心(こころ)を知(し)っているからである。

10あなたは六年(ねん)のあいだ、地(ち)に種(たね)をまき、その産物(さんぶつ)を取(と)り入(い)れることができる。 11しかし、七年(ねん)目(め)には、これを休(やす)ませて、耕(たがや)さずに置(お)かなければならない。そうすれば、あなたの民(たみ)の貧(まず)しい者(もの)がこれを食(た)べ、その残(のこ)りは野(の)の獣(けもの)が食(た)べることができる。あなたのぶどう畑(はたけ)も、オリブ畑(はたけ)も同様(どうよう)にしなければならない。

12あなたは六日(か)のあいだ、仕事(しごと)をし、七日(なぬか)目(め)には休(やす)まなければならない。これはあなたの牛(うし)および、ろばが休(やす)みを得(え)、またあなたのはしための子(こ)および寄留(きりゅう)の他国(たこく)人(じん)を休(やす)ませるためである。 13わたしが、あなたがたに言(い)ったすべての事(こと)に心(こころ)を留(と)めなさい。他(た)の神々(かみがみ)の名(な)を唱(とな)えてはならない。また、これをあなたのくちびるから聞(きこ)えさせてはならない。

14あなたは年(ねん)に三度(ど)、わたしのために祭(まつり)を行(おこな)わなければならない。 15あなたは種(たね)入(い)れぬパンの祭(まつり)を守(まも)らなければならない。わたしが、あなたに命(めい)じたように、アビブの月(つき)の定(さだ)めの時(とき)に七日(なぬか)のあいだ、種(たね)入(い)れぬパンを食(た)べなければならない。それはその月(つき)にあなたがエジプトから出(で)たからである。だれも、むなし手(て)でわたしの前(まえ)に出(で)てはならない。 16また、あなたが畑(はたけ)にまいて獲(え)た物(もの)の勤労(きんろう)の初穂(はつほ)をささげる刈入(かりい)れの祭(まつり)と、あなたの勤労(きんろう)の実(み)を畑(はたけ)から取(と)り入(い)れる年(ねん)の終(おわ)りに、取入(とりい)れの祭(まつり)を行(おこな)わなければならない。 17男子(だんし)はみな、年(ねん)に三度(ど)、主(しゅ)なる神(かみ)の前(まえ)に出(で)なければならない。

18あなたはわたしの犠牲(ぎせい)の血(ち)を、種(たね)を入(い)れたパンと共(とも)にささげてはならない。また、わたしの祭(まつり)の脂肪(しぼう)を翌朝(よくあさ)まで残(のこ)して置(お)いてはならない。

19あなたの土地(とち)の初穂(はつほ)の最(もっと)も良(よ)い物(もの)を、あなたの神(かみ)、主(しゅ)の家(いえ)に携(たずさ)えてこなければならない。あなたは子(こ)やぎを、その母(はは)の乳(ちち)で煮(に)てはならない。

20見(み)よ、わたしは使(つかい)をあなたの前(まえ)につかわし、あなたを道(みち)で守(まも)らせ、わたしが備(そな)えた所(ところ)に導(みちび)かせるであろう。 21あなたはその前(まえ)に慎(つつし)み、その言葉(ことば)に聞(き)き従(したが)い、彼(かれ)にそむいてはならない。わたしの名(な)が彼(かれ)のうちにあるゆえに、彼(かれ)はあなたがたのとがをゆるさないであろう。

22しかし、もしあなたが彼(かれ)の声(こえ)によく聞(き)き従(したが)い、すべてわたしが語(かた)ることを行(おこな)うならば、わたしはあなたの敵(てき)を敵(てき)とし、あなたのあだをあだとするであろう。

23わたしの使(つかい)はあなたの前(まえ)に行(い)って、あなたをアモリびと、ヘテびと、ペリジびと、カナンびと、ヒビびと、およびエブスびとの所(ところ)に導(みちび)き、わたしは彼(かれ)らを滅(ほろ)ぼすであろう。 24あなたは彼(かれ)らの神々(かみがみ)を拝(おが)んではならない。これに仕(つか)えてはならない。また彼(かれ)らのおこないにならってはならない。あなたは彼(かれ)らを全(まった)く打(う)ち倒(たお)し、その石(いし)の柱(はしら)を打(う)ち砕(くだ)かなければならない。 25あなたがたの神(かみ)、主(しゅ)に仕(つか)えなければならない。そうすれば、わたしはあなたがたのパンと水(みず)を祝(しゅく)し、あなたがたのうちから病(やまい)を除(のぞ)き去(さ)るであろう。 26あなたの国(くに)のうちには流産(りゅうざん)する女(おんな)もなく、不妊(ふにん)の女(おんな)もなく、わたしはあなたの日(ひ)の数(かず)を満(み)ち足(た)らせるであろう。 27わたしはあなたの先(さき)に、わたしの恐(おそ)れをつかわし、あなたが行(い)く所(ところ)の民(たみ)を、ことごとく打(う)ち敗(やぶ)り、すべての敵(てき)に、その背(せ)をあなたの方(ほう)へ向(む)けさせるであろう。 28わたしはまた、くまばちをあなたの先(さき)につかわすであろう。これはヒビびと、カナンびと、およびヘテびとをあなたの前(まえ)から追(お)い払(はら)うであろう。 29しかし、わたしは彼(かれ)らを一年(ねん)のうちには、あなたの前(まえ)から追(お)い払(はら)わないであろう。土地(とち)が荒(あ)れすたれ、野(の)の獣(けもの)が増(ま)して、あなたを害(がい)することのないためである。 30わたしは徐々(じょじょ)に彼(かれ)らをあなたの前(まえ)から追(お)い払(はら)うであろう。あなたは、ついにふえひろがって、この地(ち)を継(つ)ぐようになるであろう。   31わたしは紅海(こうかい)からペリシテびとの海(うみ)に至(いた)るまでと、荒野(あらの)からユフラテ川(かわ)に至(いた)るまでを、あなたの領域(りょういき)とし、この地(ち)に住(す)んでいる者(もの)をあなたの手(て)にわたすであろう。あなたは彼(かれ)らをあなたの前(まえ)から追(お)い払(はら)うであろう。 32あなたは彼(かれ)ら、および彼(かれ)らの神々(かみがみ)と契約(けいやく)を結(むす)んではならない。 33彼(かれ)らはあなたの国(くに)に住(す)んではならない。彼(かれ)らがあなたをいざなって、わたしに対(たい)して罪(つみ)を犯(おか)させることのないためである。もし、あなたが彼(かれ)らの神(かみ)に仕(つか)えるならば、それは必(かなら)ずあなたのわなとなるであろう」。

第二四章

1また、モーセに言(い)われた、「あなたはアロン、ナダブ、アビウおよびイスラエルの七十人(にん)の長老(ちょうろう)たちと共(とも)に、主(しゅ)のもとにのぼってきなさい。そしてあなたがたは遠(とお)く離(はな)れて礼拝(れいはい)しなさい。 2ただモーセひとりが主(しゅ)に近(ちか)づき、他(た)の者(もの)は近(ちか)づいてはならない。また、民(たみ)も彼(かれ)と共(とも)にのぼってはならない」。

3モーセはきて、主(しゅ)のすべての言葉(ことば)と、すべてのおきてとを民(たみ)に告(つ)げた。民(たみ)はみな同(どう)音(おん)に答(こた)えて言(い)った、「わたしたちは主(しゅ)の仰(おお)せられた言葉(ことば)を皆(みな)、行(おこな)います」。 4そしてモーセは主(しゅ)の言葉(ことば)を、ことごとく書(か)きしるし、朝(あさ)はやく起(お)きて山(やま)のふもとに祭壇(さいだん)を築(きず)き、イスラエルの十二部族(ぶぞく)に従(したが)って十二の柱(はしら)を建(た)て、 5イスラエルの人々(ひとびと)のうちの若者(わかもの)たちをつかわして、主(しゅ)に燔祭(はんさい)をささげさせ、また酬恩祭(しゅうおんさい)として雄牛(おうし)をささげさせた。 6その時(とき)モーセはその血(ち)の半(なか)ばを取(と)って、鉢(はち)に入(い)れ、また、その血(ち)の半(なか)ばを祭壇(さいだん)に注(そそ)ぎかけた。 7そして契約(けいやく)の書(しょ)を取(と)って、これを民(たみ)に読(よ)み聞(き)かせた。すると、彼(かれ)らは答(こた)えて言(い)った、「わたしたちは主(しゅ)が仰(おお)せられたことを皆(みな)、従順(じゅうじゅん)に行(おこな)います」。 8そこでモーセはその血(ち)を取(と)って、民(たみ)に注(そそ)ぎかけ、そして言(い)った、「見(み)よ、これは主(しゅ)がこれらのすべての言葉(ことば)に基(もとづ)いて、あなたがたと結(むす)ばれる契約(けいやく)の血(ち)である」。

9こうしてモーセはアロン、ナダブ、アビウおよびイスラエルの七十人(にん)の長老(ちょうろう)たちと共(とも)にのぼって行(い)った。 10そして、彼(かれ)らがイスラエルの神(かみ)を見(み)ると、その足(あし)の下(した)にはサファイアの敷石(しきいし)のごとき物(もの)があり、澄(す)み渡(わた)るおおぞらのようであった。 11神(かみ)はイスラエルの人々(ひとびと)の指導者(しどうしゃ)たちを手(て)にかけられなかったので、彼(かれ)らは神(かみ)を見(み)て、飲(の)み食(く)いした。

12ときに主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「山(やま)に登(のぼ)り、わたしの所(ところ)にきて、そこにいなさい。彼(かれ)らを教(おし)えるために、わたしが律法(りっぽう)と戒(いまし)めとを書(か)きしるした石(いし)の板(いた)をあなたに授(さづ)けるであろう」。 13そこでモーセは従者(じゅうしゃ)ヨシュアと共(とも)に立(た)ちあがり、モーセは神(かみ)の山(やま)に登(のぼ)った。 14彼(かれ)は長老(ちょうろう)たちに言(い)った、「わたしたちがあなたがたの所(ところ)に帰(かえ)って来(く)るまで、ここで待(ま)っていなさい。見(み)よ、アロンとホルとが、あなたがたと共(とも)にいるから、事(こと)ある者(もの)は、だれでも彼(かれ)らの所(ところ)へ行(い)きなさい」。

15こうしてモーセは山(やま)に登(のぼ)ったが、雲(くも)は山(やま)をおおっていた。 16主(しゅ)の栄光(えいこう)がシナイ山(さん)の上(うえ)にとどまり、雲(くも)は六日(か)のあいだ、山(やま)をおおっていたが、七日(なぬか)目(め)に主(しゅ)は雲(くも)の中(なか)からモーセを呼(よ)ばれた。 17主(しゅ)の栄光(えいこう)は山(やま)の頂(いただき)で、燃(も)える火(ひ)のようにイスラエルの人々(ひとびと)の目(め)に見(み)えたが、 18モーセは雲(くも)の中(なか)にはいって、山(やま)に登(のぼ)った。そしてモーセは四十日(にち)四十夜(や)、山(やま)にいた。

第二五章

1主(しゅ)はモーセに言(い)われた、 2「イスラエルの人々(ひとびと)に告(つ)げて、わたしのためにささげ物(もの)を携(たずさ)えてこさせなさい。すべて、心(こころ)から喜(よろこ)んでする者(もの)から、わたしにささげる物(もの)を受(う)け取(と)りなさい。 3あなたがたが彼(かれ)らから受(う)け取(と)るべきささげ物(もの)はこれである。すなわち金(きん)、銀(ぎん)、青銅(せいどう)、 4青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、亜麻(あま)の撚糸(ねんし)、やぎの毛糸(けいと)、 5あかね染(そめ)の雄羊(おひつじ)の皮(かわ)、じゅごんの皮(かわ)、アカシヤ材(ざい)、 6ともし油(あぶら)、注(そそ)ぎ油(あぶら)と香(こう)ばしい薫香(くんこう)のための香料(こうりょう)、 7縞(しま)めのう、エポデと胸当(むねあて)にはめる宝石(ほうせき)。 8また、彼(かれ)らにわたしのために聖所(せいじょ)を造(つく)らせなさい。わたしが彼(かれ)らのうちに住(す)むためである。 9すべてあなたに示(しめ)す幕屋(まくや)の型(かた)および、そのもろもろの器(うつわ)の型(かた)に従(したが)って、これを造(つく)らなければならない。

10彼(かれ)らはアカシヤ材(ざい)で箱(はこ)を造(つく)らなければならない。長(なが)さは二キュビト半(はん)、幅(はば)は一キュビト半(はん)、高(たか)さは一キュビト半(はん)。 11あなたは純金(じゅんきん)でこれをおおわなければならない。すなわち内外(ないがい)ともにこれをおおい、その上(うえ)の周囲(しゅうい)に金(きん)の飾(かざ)り縁(ふち)を造(つく)らなければならない。 12また金(きん)の環(かん)四つを鋳(い)て、その四すみに取(と)り付(つ)けなければならない。すなわち二つの環(かん)をこちら側(がわ)に、二つの環(かん)をあちら側(がわ)に付(つ)けなければならない。 13またアカシヤ材(ざい)のさおを造(つく)り、金(きん)でこれをおおわなければならない。 14そしてそのさおを箱(はこ)の側面(そくめん)の環(かん)に通(とお)し、それで箱(はこ)をかつがなければならない。 15さおは箱(はこ)の環(かん)に差(さ)して置(お)き、それを抜(ぬ)き放(はな)してはならない。 16そしてその箱(はこ)に、わたしがあなたに与(あた)えるあかしの板(いた)を納(おさ)めなければならない。 17また純金(じゅんきん)の贖罪所(しょくざいしょ)を造(つく)らなければならない。長(なが)さは二キュビト半(はん)、幅(はば)は一キュビト半(はん)。 18また二つの金(きん)のケルビムを造(つく)らなければならない。これを打物(うちもの)造(つく)りとし、贖罪所(しょくざいしょ)の両端(りょうはし)に置(お)かなければならない。 19一つのケルブをこの端(はし)に、一つのケルブをかの端(はし)に造(つく)り、ケルビムを贖罪所(しょくざいしょ)の一部(いちぶ)としてその両端(りょうはし)に造(つく)らなければならない。 20ケルビムは翼(つばさ)を高(たか)く伸(の)べ、その翼(つばさ)をもって贖罪所(しょくざいしょ)をおおい、顔(かお)は互(たがい)にむかい合(あ)い、ケルビムの顔(かお)は贖罪所(しょくざいしょ)にむかわなければならない。 21あなたは贖罪所(しょくざいしょ)を箱(はこ)の上(うえ)に置(お)き、箱(はこ)の中(なか)にはわたしが授(さづ)けるあかしの板(いた)を納(おさ)めなければならない。 22その所(ところ)でわたしはあなたに会(あ)い、贖罪所(しょくざいしょ)の上(うえ)から、あかしの箱(はこ)の上(うえ)にある二つのケルビムの間(あいだ)から、イスラエルの人々(ひとびと)のために、わたしが命(めい)じようとするもろもろの事(こと)を、あなたに語(かた)るであろう。

23あなたはまたアカシヤ材(ざい)の机(つくえ)を造(つく)らなければならない。長(なが)さは二キュビト、幅(はば)は一キュビト、高(たか)さは一キュビト半(はん)。 24純金(じゅんきん)でこれをおおい、周囲(しゅうい)に金(きん)の飾(かざ)り縁(ふち)を造(つく)り、 25またその周囲(しゅうい)に手(て)幅(はば)の棧(さん)を造(つく)り、その棧(さん)の周囲(しゅうい)に金(きん)の飾(かざ)り縁(ふち)を造(つく)らなければならない。 26また、そのために金(きん)の環(かん)四つを造(つく)り、その四つの足(あし)のすみ四か所(しょ)にその環(かん)を取(と)り付(つ)けなければならない。 27環(かん)は棧(さん)のわきに付(つ)けて、机(つくえ)をかつぐさおを入(い)れる所(ところ)としなければならない。 28またアカシヤ材(ざい)のさおを造(つく)り、金(きん)でこれをおおい、それをもって、机(つくえ)をかつがなければならない。 29また、その皿(さら)、乳香(にゅうこう)を盛(も)る杯(はい)および灌祭(かんさい)を注(そそ)ぐための瓶(びん)と鉢(はち)を造(つく)り、これらは純金(じゅんきん)で造(つく)らなければならない。 30そして机(つくえ)の上(うえ)には供(そな)えのパンを置(お)いて、常(つね)にわたしの前(まえ)にあるようにしなければならない。

31また純金(じゅんきん)の燭台(しょくだい)を造(つく)らなければならない。燭台(しょくだい)は打物(うちもの)造(つく)りとし、その台(だい)、幹(みき)、萼(がく)、節(ふし)、花(はな)を一つに連(つら)ならせなければならない。 32また六つの枝(えだ)をそのわきから出(だ)させ、燭台(しょくだい)の三つの枝(えだ)をこの側(がわ)から、燭台(しょくだい)の三つの枝(えだ)をかの側(がわ)から出(だ)させなければならない。 33あめんどうの花(はな)の形(かたち)をした三つの萼(がく)が、それぞれ節(ふし)と花(はな)をもって一つの枝(えだ)にあり、また、あめんどうの花(はな)の形(かたち)をした三つの萼(がく)が、それぞれ節(ふし)と花(はな)をもってほかの枝(えだ)にあるようにし、燭台(しょくだい)から出(で)る六つの枝(えだ)を、みなそのようにしなければならない。 34また、燭台(しょくだい)の幹(みき)には、あめんどうの花(はな)の形(かたち)をした四つの萼(がく)を付(つ)け、その萼(がく)にはそれぞれ節(ふし)と花(はな)をもたせなさい。 35すなわち二つの枝(えだ)の下(した)に一つの節(ふし)を取(と)り付(つ)け、次(つぎ)の二つの枝(えだ)の下(した)に一つの節(ふし)を取(と)り付(つ)け、更(さら)に次(つぎ)の二つの枝(えだ)の下(した)に一つの節(ふし)を取(と)り付(つ)け、燭台(しょくだい)の幹(みき)から出(で)る六つの枝(えだ)に、みなそのようにしなければならない。 36それらの節(ふし)と枝(えだ)を一つに連(つら)ね、ことごとく純金(じゅんきん)の打物(うちもの)造(つく)りにしなければならない。 37また、それのともしび皿(ざら)を七つ造(つく)り、そのともしび皿(ざら)に火(ひ)をともして、その前方(ぜんぽう)を照(てら)させなければならない。 38その芯(しん)切(き)りばさみと、芯(しん)取(と)り皿(ざら)は純金(じゅんきん)で造(つく)らなければならない。 39すなわち純金(じゅんきん)一タラントで燭台(しょくだい)と、これらのもろもろの器(うつわ)とが造(つく)られなければならない。 40そしてあなたが山(やま)で示(しめ)された型(かた)に従(したが)い、注意(ちゅうい)してこれを造(つく)らなければならない。

第二六章

1あなたはまた十枚(まい)の幕(まく)をもって幕屋(まくや)を造(つく)らなければならない。すなわち亜麻(あま)の撚糸(ねんし)、青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)で幕(まく)を作(つく)り、巧(たく)みなわざをもって、それにケルビムを織(お)り出(だ)さなければならない。 2幕(まく)の長(なが)さは、おのおの二十八キュビト、幕(まく)の幅(はば)は、おのおの四キュビトで、幕(まく)は皆(みな)同(おな)じ寸法(すんぽう)でなければならない。 3その幕(まく)五枚(まい)を互(たがい)に連(つら)ね合(あ)わせ、また他(た)の五枚(まい)の幕(まく)をも互(たがい)に連(つら)ね合(あ)わせなければならない。 4その一連(いちれん)の端(はし)にある幕(まく)の縁(ふち)に青色(あおいろ)の乳(ち)をつけ、また他(た)の一連(いちれん)の端(はし)にある幕(まく)の縁(ふち)にもそのようにしなければならない。 5あなたは、その一枚(まい)の幕(まく)に乳(ち)五十をつけ、また他(た)の一連(いちれん)の幕(まく)の端(はし)にも乳(ち)五十をつけ、その乳(ち)を互(たがい)に相(あい)向(む)かわせなければならない。 6あなたはまた金(きん)の輪(わ)五十を作(つく)り、その輪(わ)で幕(まく)を互(たがい)に連(つら)ね合(あ)わせて一つの幕屋(まくや)にしなければならない。

7また幕屋(まくや)をおおう天幕(てんまく)のためにやぎの毛糸(けいと)で幕(まく)を作(つく)らなければならない。すなわち幕(まく)十一枚(まい)を作(つく)り、 8その一枚(まい)の幕(まく)の長(なが)さは三十キュビト、その一枚(まい)の幕(まく)の幅(はば)は四キュビトで、その十一枚(まい)の幕(まく)は同(おな)じ寸法(すんぽう)でなければならない。 9そして、その幕(まく)五枚(まい)を一つに連(つら)ね合(あ)わせ、またその幕(まく)六枚(まい)を一つに連(つら)ね合(あ)わせて、その六枚(まい)目(め)の幕(まく)を天幕(てんまく)の前(まえ)で折(お)り重(かさ)ねなければならない。 10またその一連(いちれん)の端(はし)にある幕(まく)の縁(ふち)に乳(ち)五十をつけ、他(た)の一連(いちれん)の幕(まく)の縁(ふち)にも乳(ち)五十をつけなさい。

11そして青銅(せいどう)の輪(わ)五十を作(つく)り、その輪(わ)を乳(ち)に掛(か)け、その天幕(てんまく)を連(つら)ね合(あ)わせて一つにし、 12その天幕(てんまく)の幕(まく)の残(のこ)りの垂(た)れる部分(ぶぶん)、すなわちその残(のこ)りの半(はん)幕(まく)を幕屋(まくや)のうしろに垂(た)れさせなければならない。 13そして天幕(てんまく)の幕(まく)のたけで余(あま)るものの、こちらのキュビトと、あちらのキュビトとは、幕屋(まくや)をおおうように、その両側(りょうがわ)のこちらとあちらとに垂(た)れさせなければならない。 14また、あかね染(ぞ)めの雄羊(おひつじ)の皮(かわ)で天幕(てんまく)のおおいと、じゅごんの皮(かわ)でその上(うえ)にかけるおおいとを造(つく)らなければならない。

15あなたは幕屋(まくや)のために、アカシヤ材(ざい)で立(たて)枠(わく)を造(つく)らなければならない。 16枠(わく)の長(なが)さを十キュビト、枠(わく)の幅(はば)を一キュビト半(はん)とし、 17枠(わく)ごとに二つの柄(ほぞ)を造(つく)って、かれとこれとを食(く)い合(あ)わさせ、幕屋(まくや)のすべての枠(わく)にこのようにしなければならない。 18あなたは幕屋(まくや)のために枠(わく)を造(つく)り、南側(みなみがわ)のために枠(わく)二十とし、 19その二十の枠(わく)の下(した)に銀(ぎん)の座(ざ)四十を造(つく)って、この枠(わく)の下(した)に、その二つの柄(ほぞ)のために二つの座(ざ)を置(お)き、かの枠(わく)の下(した)にもその二つの柄(ほぞ)のために二つの座(ざ)を置(お)かなければならない。 20また幕屋(まくや)の他(た)の側(がわ)、すなわち北側(きたがわ)のためにも枠(わく)二十を造(つく)り、 21その銀(ぎん)の座(ざ)四十を造(つく)って、この枠(わく)の下(した)に、二つの座(ざ)を置(お)き、かの枠(わく)の下(した)にも二つの座(ざ)を置(お)かなければならない。 22また幕屋(まくや)のうしろ、すなわち西側(にしがわ)のために枠(わく)六つを造(つく)り、 23幕屋(まくや)のうしろの二つのすみのために枠(わく)二つを造(つく)らなければならない。 24これらは下(した)で重(かさ)なり合(あ)い、同(おな)じくその頂(いただき)でも第(だい)一の環(かん)まで重(かさ)なり合(あ)うようにし、その二つともそのようにしなければならない。それらは二つのすみのために設(もう)けるものである。 25こうしてその枠(わく)は八つ、その銀(ぎん)の座(ざ)は十六、この枠(わく)の下(した)に二つの座(ざ)、かの枠(わく)の下(した)にも二つの座(ざ)を置(お)かなければならない。 26またアカシヤ材(ざい)で横木(よこぎ)を造(つく)らなければならない。すなわち幕屋(まくや)のこの側(がわ)の枠(わく)のために五つ、 27また幕屋(まくや)のかの側(がわ)の枠(わく)のために横木(よこぎ)五つ、幕屋(まくや)のうしろの西側(にしがわ)の枠(わく)のために横木(よこぎ)五つを造(つく)り、 28枠(わく)のまん中(なか)にある中央(ちゅうおう)の横木(よこぎ)は端(はし)から端(はし)まで通(とお)るようにしなければならない。 29そしてその枠(わく)を金(きん)でおおい、また横木(よこぎ)を通(とお)すその環(かん)を金(きん)で造(つく)り、また、その横木(よこぎ)を金(きん)でおおわなければならない。 30こうしてあなたは山(やま)で示(しめ)された様式(ようしき)に従(したが)って幕屋(まくや)を建(た)てなければならない。

31また青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、亜麻(あま)の撚糸(ねんし)で垂幕(たれまく)を作(つく)り、巧(たく)みなわざをもって、それにケルビムを織(お)り出(だ)さなければならない。 32そして金(きん)でおおった四つのアカシヤ材(ざい)の柱(はしら)の金(きん)の鉤(こま)にこれを掛(か)け、その柱(はしら)は四つの銀(ぎん)の座(ざ)の上(うえ)にすえなければならない。 33 その垂幕(たれまく)の輪(わ)を鉤(こま)に掛(か)け、その垂幕(たれまく)の内(うち)にあかしの箱(はこ)を納(おさ)めなさい。その垂幕(たれまく)はあなたがたのために聖所(せいじょ)と至聖所(しせいじょ)とを隔(へだ)て分(わ)けるであろう。 34また至聖所(しせいじょ)にあるあかしの箱(はこ)の上(うえ)に贖罪所(しょくざいしょ)を置(お)かなければならない。 35そしてその垂幕(たれまく)の外(そと)に机(つくえ)を置(お)き、幕屋(まくや)の南側(みなみがわ)に、机(つくえ)に向(む)かい合(あ)わせて燭台(しょくだい)を置(お)かなければならない。ただし机(つくえ)は北側(きたがわ)に置(お)かなければならない。

36あなたはまた天幕(てんまく)の入口(いりぐち)のために青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、亜麻(あま)の撚糸(ねんし)で、色(いろ)とりどりに織(お)ったとばりを作(つく)らなければならない。 37あなたはそのとばりのためにアカシヤ材(ざい)の柱(はしら)五つを造(つく)り、これを金(きん)でおおい、その鉤(こま)を金(きん)で造(つく)り、またその柱(はしら)のために青銅(せいどう)の座(ざ)五つを鋳(い)て造(つく)らなければならない。

第二七章

1あなたはまたアカシヤ材(ざい)で祭壇(さいだん)を造(つく)らなければならない。長(なが)さ五キュビト、幅(はば)五キュビトの四角(かく)で、高(たか)さは三キュビトである。 2その四すみの上(うえ)にその一部(いちぶ)としてそれの角(つの)を造(つく)り、青銅(せいどう)で祭壇(さいだん)をおおわなければならない。 3また灰(はい)を取(と)るつぼ、十能(じゅうのう)、鉢(はち)、肉(にく)叉(また)、火皿(ひざら)を造(つく)り、その器(うつわ)はみな青銅(せいどう)で造(つく)らなければならない。 4また祭壇(さいだん)のために青銅(せいどう)の網(あみ)細工(ざいく)の格子(こうし)を造(つく)り、その四すみで、網(あみ)の上(うえ)に青銅(せいどう)の環(かん)を四つ取(と)り付(つ)けなければならない。 5その網(あみ)を祭壇(さいだん)の出張(でば)りの下(した)に取(と)り付(つ)け、これを祭壇(さいだん)の高(たか)さの半(なか)ばに達(たっ)するようにしなければならない。 6また祭壇(さいだん)のために、さおを造(つく)らなければならない。すなわちアカシヤ材(ざい)で、さおを造(つく)り、青銅(せいどう)で、これをおおわなければならない。 7そのさおを環(かん)に通(とお)し、さおを祭壇(さいだん)の両側(りょうがわ)にして、これをかつがなければならない。 8祭壇(さいだん)は板(いた)で空洞(くうどう)に造(つく)り、山(やま)で示(しめ)されたように、これを造(つく)らなければならない。

9あなたはまた幕屋(まくや)の庭(にわ)を造(つく)り、両側(りょうがわ)では庭(にわ)のために長(なが)さ百キュビトの亜麻(あま)の撚糸(ねんし)のあげばりを設(もう)け、その一方(いっぽう)に当(あ)てなければならない。 10その柱(はしら)は二十、その柱(はしら)の二十の座(ざ)は青銅(せいどう)にし、その柱(はしら)の鉤(こま)と桁(けた)とは銀(ぎん)にしなければならない。 11また同(おな)じく北側(きたがわ)のために、長(なが)さ百キュビトのあげばりを設(もう)けなければならない。その柱(はしら)は二十、その柱(はしら)の二十の座(ざ)は青銅(せいどう)にし、その柱(はしら)の鉤(こま)と桁(けた)とは銀(ぎん)にしなければならない。 12また庭(にわ)の西側(にしがわ)の幅(はば)のために五十キュビトのあげばりを設(もう)けなければならない。その柱(はしら)は十、その座(ざ)も十。 13また東側(ひがしがわ)でも庭(にわ)の幅(はば)を五十キュビトにしなければならない。 14そしてその一方(いっぽう)に十五キュビトのあげばりを設(もう)けなければならない。その柱(はしら)は三つ、その座(ざ)も三つ。 15また他(た)の一方(いっぽう)にも十五キュビトのあげばりを設(もう)けなければならない。その柱(はしら)は三つ、その座(ざ)も三つ。 16庭(にわ)の門(もん)のために青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、亜麻(あま)の撚糸(ねんし)で、色(いろ)とりどりに織(お)った長(なが)さ二十キュビトのとばりを設(もう)けなければならない。その柱(はしら)は四つ、その座(ざ)も四つ。 17庭(にわ)の周囲(しゅうい)の柱(はしら)はみな銀(ぎん)の桁(けた)でつなぎ、その鉤(こま)は銀(ぎん)、その座(ざ)は青銅(せいどう)にしなければならない。 18庭(にわ)の長(なが)さは百キュビト、その幅(はば)は五十キュビト、その高(たか)さは五キュビトで、亜麻(あま)の撚糸(ねんし)の布(ぬの)を掛(か)けめぐらし、その座(ざ)を青銅(せいどう)にしなければならない。 19すべて幕屋(まくや)に用(もち)いるもろもろの器(うつわ)、およびそのすべての釘(くぎ)、また庭(にわ)のすべての釘(くぎ)は青銅(せいどう)で造(つく)らなければならない。

20あなたはまたイスラエルの人々(ひとびと)に命(めい)じて、オリブをつぶして採(と)った純粋(じゅんすい)の油(あぶら)を、ともし火(ひ)のために持(も)ってこさせ、絶(た)えずともし火(ひ)をともさなければならない。 21アロンとその子(こ)たちとは、会見(かいけん)の幕屋(まくや)の中(なか)のあかしの箱(はこ)の前(まえ)にある垂幕(たれまく)の外(そと)で、夕(ゆう)から朝(あさ)まで主(しゅ)の前(まえ)に、そのともし火(ひ)を整(ととの)えなければならない。これはイスラエルの人々(ひとびと)の守(まも)るべき世々(よよ)変(かわ)らざる定(さだ)めでなければならない。

第二八章

1またイスラエルの人々(ひとびと)のうちから、あなたの兄弟(きょうだい)アロンとその子(こ)たち、すなわちアロンとアロンの子(こ)ナダブ、アビウ、エレアザル、イタマルとをあなたのもとにこさせ、祭司(さいし)としてわたしに仕(つか)えさせ、 2またあなたの兄弟(きょうだい)アロンのために聖(せい)なる衣服(いふく)を作(つく)って、彼(かれ)に栄(さか)えと麗(うるわ)しきをもたせなければならない。 3あなたはすべて心(こころ)に知恵(ちえ)ある者(もの)、すなわち、わたしが知恵(ちえ)の霊(れい)を満(み)たした者(もの)たちに語(かた)って、アロンの衣服(いふく)を作(つく)らせ、アロンを聖別(せいべつ)し、祭司(さいし)としてわたしに仕(つか)えさせなければならない。 4彼(かれ)らの作(つく)るべき衣服(いふく)は次(つぎ)のとおりである。すなわち胸当(むねあて)、エポデ、衣(ころも)、市松(いちまつ)模様(もよう)の服(ふく)、帽子(ぼうし)、帯(おび)である。彼(かれ)らはあなたの兄弟(きょうだい)アロンとその子(こ)たちとのために聖(せい)なる衣服(いふく)を作(つく)り、祭司(さいし)としてわたしに仕(つか)えさせなければならない。

5彼(かれ)らは金糸(きんし)、青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、亜麻(あま)の撚糸(ねんし)を受(う)け取(と)らなければならない。 6そして彼(かれ)らは金糸(きんし)、青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、亜麻(あま)の撚糸(ねんし)を用(もち)い、巧(たく)みなわざをもってエポデを作(つく)らなければならない。 7これに二つの肩(かた)ひもを付(つ)け、その両端(りょうはし)を、これに付(つ)けなければならない。 8エポデの上(うえ)で、これをつかねる帯(おび)は、同(おな)じきれでエポデの作(つく)りのように、金糸(きんし)、青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、亜麻(あま)の撚糸(ねんし)で作(つく)らなければならない。 9あなたは二つの縞(しま)めのうを取(と)って、その上(うえ)にイスラエルの子(こ)たちの名(な)を刻(きざ)まなければならない。 10すなわち、その名(な)六つを一つの石(いし)に、残(のこ)りの名(な)六つを他(た)の石(いし)に、彼(かれ)らの生(うま)れた順(じゅん)に刻(きざ)まなければならない。 11宝石(ほうせき)に彫刻(ちょうこく)する人(ひと)が印(いん)を彫刻(ちょうこく)するように、イスラエルの子(こ)たちの名(な)をその二つの石(いし)に刻(きざ)み、それを金(きん)の編(あみ)細工(ざいく)にはめ、 12この二つの石(いし)をエポデの肩(かた)ひもにつけて、イスラエルの子(こ)たちの記念(きねん)の石(いし)としなければならない。こうしてアロンは主(しゅ)の前(まえ)でその両(りょう)肩(かた)に彼(かれ)らの名(な)を負(お)うて記念(きねん)としなければならない。 13あなたはまた金(きん)の編(あみ)細工(ざいく)を作(つく)らなければならない。 14そして二つの純金(じゅんきん)の鎖(くさり)を、ひも細工(ざいく)にねじて作(つく)り、そのひもの鎖(くさり)をかの編(あみ)細工(ざいく)につけなければならない。

15あなたはまたさばきの胸当(むねあて)を巧(たく)みなわざをもって作(つく)り、これをエポデの作(つく)りのように作(つく)らなければならない。すなわち金糸(きんし)、青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、亜麻(あま)の撚糸(ねんし)で、これを作(つく)らなければならない。 16これは二つに折(お)って四角(かく)にし、長(なが)さは一指(ゆび)当(あた)り、幅(はば)も一指(ゆび)当(あた)りとしなければならない。 17またその中(なか)に宝石(ほうせき)を四列(れつ)にはめ込(こ)まなければならない。すなわち紅(こう)玉髄(ぎょくずい)、貴(き)かんらん石(いし)、水晶(すいしょう)の列(れつ)を第(だい)一列(れつ)とし、 18第(だい)二(に)列(れつ)は、ざくろ石(いし)、るり、赤(あか)縞(しま)めのう。 19第(だい)三列(れつ)は黄(き)水晶(すいしょう)、めのう、紫(むらさき)水晶(すいしょう)。 20第(だい)四列(れつ)は黄(き)碧玉(へきぎょく)、縞(しま)めのう、碧玉(へきぎょく)であって、これらを金(きん)の編(あみ)細工(ざいく)の中(なか)にはめ込(こ)まなければならない。 21その宝石(ほうせき)はイスラエルの子(こ)らの名(な)に従(したが)い、その名(な)とひとしく十二とし、おのおの印(いん)の彫刻(ちょうこく)のように十二の部族(ぶぞく)のためにその名(な)を刻(きざ)まなければならない。 22またひも細工(ざいく)にねじた純金(じゅんきん)の鎖(くさり)を胸当(むねあて)につけなければならない。 23また、胸当(むねあて)のために金(きん)の環(かん)二つを作(つく)り、胸当(むねあて)の両端(りょうはし)にその二つの環(かん)をつけ、 24かの二(に)筋(すじ)の金(きん)のひもを胸当(むねあて)の端(はし)の二つの環(かん)につけなければならない。 25ただし、その二(に)筋(すじ)のひもの他(た)の両端(りょうはし)をかの二つの編(あみ)細工(ざいく)につけ、エポデの肩(かた)ひもにつけて、前(まえ)にくるようにしなければならない。 26あなたはまた二つの金(きん)の環(かん)を作(つく)って、これを胸当(むねあて)の両端(りょうはし)につけなければならない。すなわちエポデに接(せっ)する内側(うちがわ)の縁(ふち)にこれをつけなければならない。 27また二つの金(きん)の環(かん)を作(つく)って、これをエポデの二つの肩(かた)ひもの下(した)の部分(ぶぶん)につけ、前(まえ)の方(ほう)で、そのつなぎ目(め)に近(ちか)く、エポデの帯(おび)の上(うえ)の方(ほう)にあるようにしなければならない。 28胸当(むねあて)は青(あお)ひもをもって、その環(かん)をエポデの環(かん)に結(むす)びつけ、エポデの帯(おび)の上(うえ)の方(ほう)にあるようにしなければならない。こうして胸当(むねあて)がエポデから離(はな)れないようにしなければならない。 29アロンが聖所(せいじょ)にはいる時(とき)は、さばきの胸当(むねあて)にあるイスラエルの子(こ)たちの名(な)をその胸(むね)に置(お)き、主(しゅ)の前(まえ)に常(つね)に覚(おぼ)えとしなければならない。 30あなたはさばきの胸当(むねあて)にウリムとトンミムを入(い)れて、アロンが主(しゅ)の前(まえ)にいたる時(とき)、その胸(むね)の上(うえ)にあるようにしなければならない。こうしてアロンは主(しゅ)の前(まえ)に常(つね)にイスラエルの子(こ)たちのさばきを、その胸(むね)に置(お)かなければならない。

31あなたはまた、エポデに属(ぞく)する上服(うわふく)をすべて青地(あおじ)で作(つく)らなければならない。 32頭(あたま)を通(とお)す口(くち)を、そのまん中(なか)に設(もう)け、その口(くち)の周囲(しゅうい)には、よろいのえりのように織物(おりもの)の縁(ふち)をつけて、ほころびないようにし、 33そのすそには青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)で、ざくろを作(つく)り、そのすその周囲(しゅうい)につけ、また周囲(しゅうい)に金(きん)の鈴(すず)をざくろの間々(あいだあいだ)につけなければならない。 34すなわち金(きん)の鈴(すず)にざくろ、また金(きん)の鈴(すず)にざくろと、上服(うわふく)のすその周囲(しゅうい)につけなければならない。 35アロンは務(つとめ)の時(とき)、これを着(き)なければならない。彼(かれ)が聖所(せいじょ)にはいって主(しゅ)の前(まえ)にいたる時(とき)、また出(で)る時(とき)、その音(おと)が聞(きこ)えて、彼(かれ)は死(し)を免(まぬか)れるであろう。

36あなたはまた純金(じゅんきん)の板(いた)を造(つく)り、印(いん)の彫刻(ちょうこく)のように、その上(うえ)に『主(しゅ)に聖(せい)なる者(もの)』と刻(きざ)み、 37これを青(あお)ひもで帽子(ぼうし)に付(つ)け、それが帽子(ぼうし)の前(まえ)の方(ほう)に来(く)るようにしなければならない。 38これはアロンの額(ひたい)にあり、そしてアロンはイスラエルの人々(ひとびと)がささげる聖(せい)なる物(もの)、すなわち彼(かれ)らのもろもろの聖(せい)なる供(そな)え物(もの)についての罪(つみ)の責(せ)めを負(お)うであろう。これは主(しゅ)の前(まえ)にそれらの受(う)けいれられるため、常(つね)にアロンの額(ひたい)になければならない。

39あなたは亜麻(あま)糸(いと)で市松(いちまつ)模様(もよう)に下(した)服(ふく)を織(お)り、亜麻(あま)布(ぬの)で、ずきんを作(つく)り、また、帯(おび)を色(いろ)とりどりに織(お)って作(つく)らなければならない。

40あなたはまたアロンの子(こ)たちのために下(した)服(ふく)を作(つく)り、彼(かれ)らのために帯(おび)を作(つく)り、彼(かれ)らのために、ずきんを作(つく)って、彼(かれ)らに栄(さか)えと麗(うるわ)しきをもたせなければならない。 41そしてあなたはこれをあなたの兄弟(きょうだい)アロンおよび彼(かれ)と共(とも)にいるその子(こ)たちに着(き)せ、彼(かれ)らに油(あぶら)を注(そそ)ぎ、彼(かれ)らを職(しょく)に任(にん)じ、彼(かれ)らを聖別(せいべつ)し、祭司(さいし)として、わたしに仕(つか)えさせなければならない。 42また、彼(かれ)らのために、その隠(かく)し所(ところ)をおおう亜麻(あま)布(ぬの)のしたばきを作(つく)り、腰(こし)からももに届(とど)くようにしなければならない。 43アロンとその子(こ)たちは会見(かいけん)の幕屋(まくや)にはいる時(とき)、あるいは聖所(せいじょ)で務(つとめ)をするために祭壇(さいだん)に近(ちか)づく時(とき)に、これを着(き)なければならない。そうすれば、彼(かれ)らは罪(つみ)を得(え)て死(し)ぬことはないであろう。これは彼(かれ)と彼(かれ)の後(のち)の子孫(しそん)とのための永久(えいきゅう)の定(さだ)めでなければならない。

第二九章

1あなたは彼(かれ)らを聖別(せいべつ)し、祭司(さいし)としてわたしに仕(つか)えさせるために、次(つぎ)の事(こと)を彼(かれ)らにしなければならない。すなわち若(わか)い雄牛(おうし)一頭(とう)と、きずのない雄羊(おひつじ)二頭(とう)とを取(と)り、 2また種(たね)入(い)れぬパンと、油(あぶら)を混(ま)ぜた種(たね)入(い)れぬ菓子(かし)と、油(あぶら)を塗(ぬ)った種(たね)入(い)れぬせんべいとを取(と)りなさい。これらは小麦粉(こむぎこ)で作(つく)らなければならない。 3そしてこれを一つのかごに入(い)れ、そのかごに入(い)れたまま、かの一頭(とう)の雄牛(おうし)および二頭(とう)の雄羊(おひつじ)と共(とも)に携(たずさ)えてこなければならない。 4あなたはまたアロンとその子(こ)たちを会見(かいけん)の幕屋(まくや)の入口(いりぐち)に連(つ)れてきて、水(みず)で彼(かれ)らを洗(あら)い清(きよ)め、 5また衣服(いふく)を取(と)り、下(した)服(ふく)とエポデに属(ぞく)する上服(うわふく)と、エポデと胸当(むねあて)とをアロンに着(き)せ、エポデの帯(おび)を締(し)めさせなければならない。 6そして彼(かれ)の頭(あたま)に帽子(ぼうし)をかぶらせ、その帽子(ぼうし)の上(うえ)にかの聖(せい)なる冠(かんむり)をいただかせ、 7注(そそ)ぎ油(あぶら)を取(と)って彼(かれ)の頭(あたま)にかけ、彼(かれ)に油(あぶら)注(そそ)ぎをしなければならない。 8あなたはまた彼(かれ)の子(こ)たちを連(つ)れてきて下(した)服(ふく)を着(き)せ、 9彼(かれ)ら、すなわちアロンとその子(こ)たちに帯(おび)を締(し)めさせ、ずきんをかぶらせなければならない。祭司(さいし)の職(しょく)は永久(えいきゅう)の定(さだ)めによって彼(かれ)らに帰(き)するであろう。あなたはこうして、アロンとその子(こ)たちを職(しょく)に任(にん)じなければならない。

10あなたは会見(かいけん)の幕屋(まくや)の前(まえ)に雄牛(おうし)を引(ひ)いてきて、アロンとその子(こ)たちは、その雄羊(おひつじ)の頭(あたま)に手(て)を置(お)かなければならない。 11そして会見(かいけん)の幕屋(まくや)の入口(いりぐち)で、主(しゅ)の前(まえ)にその雄牛(おうし)をほふり、 12その雄牛(おうし)の血(ち)を取(と)り、指(ゆび)をもって、これを祭壇(さいだん)の角(つの)につけ、その残(のこ)りの血(ち)を祭壇(さいだん)の基(もとい)に注(そそ)ぎかけなさい。 13また、その内臓(ないぞう)をおおうすべての脂肪(しぼう)と肝臓(かんぞう)の小葉(しょうよう)と、二つの腎臓(じんぞう)と、その上(うえ)の脂肪(しぼう)とを取(と)って、これを祭壇(さいだん)の上(うえ)で焼(や)かなければならない。 14ただし、その雄牛(おうし)の肉(にく)と皮(かわ)と汚物(おぶつ)とは、宿営(しゅくえい)の外(そと)で火(ひ)で焼(や)き捨(す)てなければならない。これは罪祭(ざいさい)である。

15あなたはまた、かの雄羊(おひつじ)の一頭(とう)を取(と)り、そしてアロンとその子(こ)たちは、その雄羊(おひつじ)の頭(あたま)に手(て)を置(お)かなければならない。 16あなたはその雄羊(おひつじ)をほふり、その血(ち)を取(と)って、祭壇(さいだん)の四つの側面(そくめん)に注(そそ)ぎかけなければならない。 17またその雄羊(おひつじ)を切(き)り裂(さ)き、その内臓(ないぞう)と、その足(あし)とを洗(あら)って、これをその肉(にく)の切(き)れ、および頭(とう)と共(とも)に置(お)き、 18その雄羊(おひつじ)をみな祭壇(さいだん)の上(うえ)で焼(や)かなければならない。これは主(しゅ)にささげる燔祭(はんさい)である。すなわち、これは香(こう)ばしいかおりであって、主(しゅ)にささげる火祭(かさい)である。

19あなたはまた雄羊(おひつじ)の他(た)の一頭(とう)を取(と)り、アロンとその子(こ)たちは、その雄羊(おひつじ)の頭(あたま)に手(て)を置(お)かなければならない。 20そしてあなたはその雄羊(おひつじ)をほふり、その血(ち)を取(と)って、アロンの右(みぎ)の耳(みみ)たぶと、その子(こ)たちの右(みぎ)の耳(みみ)たぶとにつけ、また彼(かれ)らの右(みぎ)の手(て)の親指(おやゆび)と、右(みぎ)の足(あし)の親指(おやゆび)とにつけ、その残(のこ)りの血(ち)を祭壇(さいだん)の四つの側面(そくめん)に注(そそ)ぎかけなければならない。 21また祭壇(さいだん)の上(うえ)の血(ち)および注(そそ)ぎ油(あぶら)を取(と)って、アロンとその衣服(いふく)、およびその子(こ)たちと、その子(こ)たちの衣服(いふく)とに注(そそ)がなければならない。彼(かれ)とその衣服(いふく)、およびその子(こ)らと、その衣服(いふく)とは聖別(せいべつ)されるであろう。

22あなたはまた、その雄羊(おひつじ)の脂肪(しぼう)、脂(あぶら)尾(お)、内臓(ないぞう)をおおう脂肪(しぼう)、肝臓(かんぞう)の小葉(しょうよう)、二つの腎臓(じんぞう)、その上(うえ)の脂肪(しぼう)、および右(みぎ)のももを取(と)らなければならない。これは任(にん)職(しょく)の雄羊(おひつじ)である。 23また主(しゅ)の前(まえ)にある種(たね)入(い)れぬパンのかごの中(なか)からパン一個(こ)と、油(あぶら)菓子(かし)一個(こ)と、せんべい一個(こ)とを取(と)り、 24これをみなアロンの手(て)と、その子(こ)たちの手(て)に置(お)き、これを主(しゅ)の前(まえ)に揺(ゆ)り動(うご)かして、揺祭(ようさい)としなければならない。 25そしてあなたはこれを彼(かれ)らの手(て)から受(う)け取(と)り、燔祭(はんさい)に加(くわ)えて祭壇(さいだん)の上(うえ)で焼(や)き、主(しゅ)の前(まえ)に香(こう)ばしいかおりとしなければならない。これは主(しゅ)にささげる火祭(かさい)である。

26あなたはまた、アロンの任(にん)職(しょく)の雄羊(おひつじ)の胸(むね)を取(と)り、これを主(しゅ)の前(まえ)に揺(ゆ)り動(うご)かして、揺祭(ようさい)としなければならない。これはあなたの受(う)ける分(ぶん)となるであろう。 27あなたはアロンとその子(こ)たちの任(にん)職(しょく)の雄羊(おひつじ)の胸(むね)ともも、すなわち揺(ゆ)り動(うご)かした揺祭(ようさい)の胸(むね)と、ささげたももとを聖別(せいべつ)しなければならない。 28これはイスラエルの人々(ひとびと)から永久(えいきゅう)に、アロンとその子(こ)たちの受(う)くべきささげ物(もの)であって、イスラエルの人々(ひとびと)の酬恩祭(しゅうおんさい)の犠牲(ぎせい)の中(なか)から受(う)くべきもの、すなわち主(しゅ)にささげるささげ物(もの)である。

29アロンの聖(せい)なる衣服(いふく)は彼(かれ)の後(のち)の子孫(しそん)に帰(き)すべきである。彼(かれ)らはこれを着(き)て、油(あぶら)注(そそ)がれ、職(しょく)に任(にん)ぜられなければならない。 30その子(こ)たちのうち、彼(かれ)に代(かわ)って祭司(さいし)となり、聖所(せいじょ)で仕(つか)えるために会見(かいけん)の幕屋(まくや)にはいる者(もの)は、七日(なぬか)の間(あいだ)これを着(き)なければならない。

31あなたは任(にん)職(しょく)の雄羊(おひつじ)を取(と)り、聖(せい)なる場所(ばしょ)でその肉(にく)を煮(に)なければならない。 32アロンとその子(こ)たちは会見(かいけん)の幕屋(まくや)の入口(いりぐち)で、その雄羊(おひつじ)の肉(にく)と、かごの中(なか)のパンとを食(た)べなければならない。 33彼(かれ)らを職(しょく)に任(にん)じ、聖別(せいべつ)するため、あがないに用(もち)いたこれらのものを、彼(かれ)らは食(た)べなければならない。他(た)の人(ひと)はこれを食(た)べてはならない。これは聖(せい)なる物(もの)だからである。 34もし任(にん)職(しょく)の肉(にく)、あるいはパンのうち、朝(あさ)まで残(のこ)るものがあれば、その残(のこ)りは火(ひ)で焼(や)かなければならない。これは聖(せい)なる物(もの)だから食(た)べてはならない。

35あなたはわたしがすべて命(めい)じるように、アロンとその子(こ)たちにしなければならない。すなわち彼(かれ)らのために七日(なぬか)のあいだ、任(にん)職(しょく)の式(しき)を行(おこな)わなければならない。 36あなたは毎日(まいにち)、あがないのために、罪祭(ざいさい)の雄牛(おうし)一頭(とう)をささげなければならない。また祭壇(さいだん)のために、あがないをなす時(とき)、そのために罪祭(ざいさい)をささげ、また、これに油(あぶら)を注(そそ)いで聖別(せいべつ)しなさい。 37あなたは七日(なぬか)の間(あいだ)、祭壇(さいだん)のために、あがないをして、これを聖別(せいべつ)しなければならない。こうして祭壇(さいだん)は、いと聖(せい)なる物(もの)となり、すべて祭壇(さいだん)に触(ふ)れる者(もの)は聖(せい)となるであろう。

38あなたが祭壇(さいだん)の上(うえ)にささぐべき物(もの)は次(つぎ)のとおりである。すなわち当歳(とうさい)の小羊(こひつじ)二頭(とう)を毎日(まいにち)絶(た)やすことなくささげなければならない。 39その一頭(とう)の小羊(こひつじ)は朝(あさ)にこれをささげ、他(た)の一頭(とう)の小羊(こひつじ)は夕(ゆう)にこれをささげなければならない。 40一頭(とう)の小羊(こひつじ)には、つぶして取(と)った油(あぶら)一ヒンの四分(ぶん)の一をまぜた麦粉(むぎこ)十分(ぶん)の一エパを添(そ)え、また灌祭(かんさい)として、ぶどう酒(しゅ)一ヒンの四分(ぶん)の一を添(そ)えなければならない。 41他(た)の一頭(とう)の小羊(こひつじ)は夕(ゆう)にこれをささげ、朝(あさ)の素祭(そさい)および灌祭(かんさい)と同(おな)じものをこれに添(そ)えてささげ、香(こう)ばしいかおりのために主(しゅ)にささげる火祭(かさい)としなければならない。 42これはあなたがたが代々(よよ)会見(かいけん)の幕屋(まくや)の入口(いりぐち)で、主(しゅ)の前(まえ)に絶(た)やすことなく、ささぐべき燔祭(はんさい)である。わたしはその所(ところ)であなたに会(あ)い、あなたと語(かた)るであろう。 43また、その所(ところ)でわたしはイスラエルの人々(ひとびと)に会(あ)うであろう。幕屋(まくや)はわたしの栄光(えいこう)によって聖別(せいべつ)されるであろう。 44わたしは会見(かいけん)の幕屋(まくや)と祭壇(さいだん)とを聖別(せいべつ)するであろう。またアロンとその子(こ)たちを聖別(せいべつ)し、祭司(さいし)としてわたしに仕(つか)えさせるであろう。 45わたしはイスラエルの人々(ひとびと)のうちに住(す)んで、彼(かれ)らの神(かみ)となるであろう。 46わたしが彼(かれ)らのうちに住(す)むために、彼(かれ)らをエジプトの国(くに)から導(みちび)き出(だ)した彼(かれ)らの神(かみ)、主(しゅ)であることを彼(かれ)らは知(し)るであろう。わたしは彼(かれ)らの神(かみ)、主(しゅ)である。

第三〇章

1あなたはまた香(こう)をたく祭壇(さいだん)を造(つく)らなければならない。アカシヤ材(ざい)でこれを造(つく)り、 2長(なが)さ一キュビト、幅(はば)一キュビトの四角(かく)にし、高(たか)さ二キュビトで、これにその一部(いちぶ)として角(つの)をつけなければならない。 3その頂(いただき)、その四つの側面(そくめん)、およびその角(つの)を純金(じゅんきん)でおおい、その周囲(しゅうい)に金(きん)の飾(かざ)り縁(ふち)を造(つく)り、 4また、その両側(りょうがわ)に、飾(かざ)り縁(ふち)の下(した)に金(きん)の環(かん)二つをこれのために造(つく)らなければならない。すなわち、その二つの側(がわ)にこれを造(つく)らなければならない。これはそれをかつぐさおを通(とお)すところである。 5そのさおはアカシヤ材(ざい)で造(つく)り、金(きん)でおおわなければならない。 6あなたはそれを、あかしの箱(はこ)の前(まえ)にある垂幕(たれまく)の前(まえ)に置(お)いて、わたしがあなたと会(あ)うあかしの箱(はこ)の上(うえ)にある贖罪所(しょくざいしょ)に向(む)かわせなければならない。 7アロンはその上(うえ)で香(こう)ばしい薫香(くんこう)をたかなければならない。朝(あさ)ごとに、ともしびを整(ととの)える時(とき)、これをたかなければならない。 8アロンはまた夕(ゆう)べにともしびをともす時(とき)にも、これをたかなければならない。これは主(しゅ)の前(まえ)にあなたがたが代々(よよ)に絶(た)やすことなく、ささぐべき薫香(くんこう)である。 9あなたがたはその上(うえ)で異(こと)なる香(こう)をささげてはならない。燔祭(はんさい)をも素祭(そさい)をもその上(うえ)でささげてはならない。また、その上(うえ)に灌祭(かんさい)を注(そそ)いではならない。 10アロンは年(ねん)に一度(ど)その角(つの)に血(ち)をつけてあがないをしなければならない。すなわち、あがないの罪祭(ざいさい)の血(ち)をもって代々(よよ)にわたり、年(ねん)に一度(ど)これがために、あがないをしなければならない。これは主(しゅ)に最(もっと)も聖(せい)なるものである」。

11主(しゅ)はモーセに言(い)われた、 12「あなたがイスラエルの人々(ひとびと)の数(かず)の総計(そうけい)をとるに当(あた)り、おのおのその数(かぞ)えられる時(とき)、その命(いのち)のあがないを主(しゅ)にささげなければならない。これは数(かぞ)えられる時(とき)、彼(かれ)らのうちに災(わざわい)の起(おこ)らないためである。 13すべて数(かず)に入(い)る者(もの)は聖所(せいじょ)のシケルで、半(はん)シケルを払(はら)わなければならない。一シケルは二十ゲラであって、おのおの半(はん)シケルを主(しゅ)にささげ物(もの)としなければならない。 14すべて数(かず)に入(い)る二十歳(さい)以上(いじょう)の者(もの)は、主(しゅ)にささげ物(もの)をしなければならない。 15あなたがたの命(いのち)をあがなうために、主(しゅ)にささげ物(もの)をする時(とき)、富(と)める者(もの)も半(はん)シケルより多(おお)く出(だ)してはならず、貧(まず)しい者(もの)もそれより少(すく)なく出(だ)してはならない。 16あなたはイスラエルの人々(ひとびと)から、あがないの銀(ぎん)を取(と)って、これを会見(かいけん)の幕屋(まくや)の用(よう)に当(あ)てなければならない。これは主(しゅ)の前(まえ)にイスラエルの人々(ひとびと)のため記念(きねん)となって、あなたがたの命(いのち)をあがなうであろう」。

17主(しゅ)はモーセに言(い)われた、 18「あなたはまた洗(あら)うために洗盤(せんばん)と、その台(だい)を青銅(せいどう)で造(つく)り、それを会見(かいけん)の幕屋(まくや)と祭壇(さいだん)との間(あいだ)に置(お)いて、その中(なか)に水(みず)を入(い)れ、 19アロンとその子(こ)たちは、それで手(て)と足(あし)とを洗(あら)わなければならない。 20彼(かれ)らは会見(かいけん)の幕屋(まくや)にはいる時(とき)、水(みず)で洗(あら)って、死(し)なないようにしなければならない。また祭壇(さいだん)に近(ちか)づいて、その務(つとめ)をなし、火祭(かさい)を主(しゅ)にささげる時(とき)にも、そうしなければならない。 21すなわち、その手(て)、その足(あし)を洗(あら)って、死(し)なないようにしなければならない。これは彼(かれ)とその子孫(しそん)の代々(よよ)にわたる永久(えいきゅう)の定(さだ)めでなければならない」。

22主(しゅ)はまたモーセに言(い)われた、 23「あなたはまた最(もっと)も良(よ)い香料(こうりょう)を取(と)りなさい。すなわち液体(えきたい)の没薬(もつやく)五百シケル、香(こう)ばしい肉桂(にっけい)をその半(なか)ば、すなわち二百五十シケル、におい菖蒲(しょうぶ)二百五十シケル、 24桂(けい)枝(し)五百シケルを聖所(せいじょ)のシケルで取(と)り、また、オリブの油(あぶら)一ヒンを取(と)りなさい。 25あなたはこれを聖(せい)なる注(そそ)ぎ油(あぶら)、すなわち香油(こうゆ)を造(つく)るわざにしたがい、まぜ合(あ)わせて、におい油(あぶら)に造(つく)らなければならない。これは聖(せい)なる注(そそ)ぎ油(あぶら)である。 26あなたはこの油(あぶら)を会見(かいけん)の幕屋(まくや)と、あかしの箱(はこ)とに注(そそ)ぎ、 27机(つくえ)と、そのもろもろの器(うつわ)、燭台(しょくだい)と、そのもろもろの器(うつわ)、香(こう)の祭壇(さいだん)、 28燔祭(はんさい)の祭壇(さいだん)と、そのもろもろの器(うつわ)、洗盤(せんばん)と、その台(だい)とに油(あぶら)を注(そそ)ぎ、 29これらをきよめて最(もっと)も聖(せい)なる物(もの)としなければならない。すべてこれに触(ふ)れる者(もの)は聖(せい)となるであろう。 30あなたはアロンとその子(こ)たちに油(あぶら)を注(そそ)いで、彼(かれ)らを聖別(せいべつ)し、祭司(さいし)としてわたしに仕(つか)えさせなければならない。 31そしてあなたはイスラエルの人々(ひとびと)に言(い)わなければならない、『これはあなたがたの代々(よよ)にわたる、わたしの聖(せい)なる注(そそ)ぎ油(あぶら)であって、 32常(つね)の人(ひと)の身(み)にこれを注(そそ)いではならない。またこの割合(わりあい)をもって、これと等(ひと)しいものを造(つく)ってはならない。これは聖(せい)なるものであるから、あなたがたにとっても聖(せい)なる物(もの)でなければならない。 33すべてこれと等(ひと)しい物(もの)を造(つく)る者(もの)、あるいはこれを祭司(さいし)以外(いがい)の人(ひと)につける者(もの)は、民(たみ)のうちから断(た)たれるであろう』」。

34主(しゅ)はまた、モーセに言(い)われた、「あなたは香料(こうりょう)、すなわち蘇(そ)合(ごう)香(こう)、シケレテ香(こう)、楓(ふう)子(し)香(こう)、純粋(じゅんすい)の乳香(にゅうこう)の香料(こうりょう)を取(と)りなさい。おのおの同(おな)じ量(りょう)でなければならない。 35あなたはこれをもって香(こう)、すなわち香料(こうりょう)をつくるわざにしたがって薫香(くんこう)を造(つく)り、塩(しお)を加(くわ)え、純(じゅん)にして聖(せい)なる物(もの)としなさい。 36また、その幾(いく)ぶんを細(こま)かに砕(くだ)き、わたしがあなたと会(あ)う会見(かいけん)の幕屋(まくや)にある、あかしの箱(はこ)の前(まえ)にこれを供(そな)えなければならない。これはあなたがたに最(もっと)も聖(せい)なるものである。 37あなたが造(つく)る香(こう)の同(おな)じ割合(わりあい)をもって、それを自分(じぶん)のために造(つく)ってはならない。これはあなたにとって主(しゅ)に聖(せい)なるものでなければならない。 38すべてこれと等(ひと)しいものを造(つく)って、これをかぐ者(もの)は民(たみ)のうちから断(た)たれるであろう」。

第三一章

1主(しゅ)はモーセに言(い)われた、 2「見(み)よ、わたしはユダの部族(ぶぞく)に属(ぞく)するホルの子(こ)なるウリの子(こ)ベザレルを名(な)ざして召(め)し、 3これに神(かみ)の霊(れい)を満(み)たして、知恵(ちえ)と悟(さと)りと知識(ちしき)と諸種(しょしゅ)の工作(こうさく)に長(ちょう)ぜしめ、 4工夫(くふう)を凝(こ)らして金(きん)、銀(ぎん)、青銅(せいどう)の細工(さいく)をさせ、 5また宝石(ほうせき)を切(き)りはめ、木(き)を彫刻(ちょうこく)するなど、諸種(しょしゅ)の工作(こうさく)をさせるであろう。 6見(み)よ、わたしはまたダンの部族(ぶぞく)に属(ぞく)するアヒサマクの子(こ)アホリアブを彼(かれ)と共(とも)ならせ、そしてすべて賢(かしこ)い者(もの)の心(こころ)に知恵(ちえ)を授(さづ)け、わたしがあなたに命(めい)じたものを、ことごとく彼(かれ)らに造(つく)らせるであろう。 7すなわち会見(かいけん)の幕屋(まくや)、あかしの箱(はこ)、その上(うえ)にある贖罪所(しょくざいしょ)、幕屋(まくや)のもろもろの器(うつわ)、 8机(つくえ)とその器(うつわ)、純金(じゅんきん)の燭台(しょくだい)と、そのもろもろの器(うつわ)、香(こう)の祭壇(さいだん)、 9燔祭(はんさい)の祭壇(さいだん)とそのもろもろの器(うつわ)、洗盤(せんばん)とその台(だい)、 10編物(あみもの)の服(ふく)、すなわち祭司(さいし)の務(つとめ)をするための祭司(さいし)アロンの聖(せい)なる服(ふく)、およびその子(こ)たちの服(ふく)、 11注(そそ)ぎ油(あぶら)、聖所(せいじょ)のための香(こう)ばしい香(こう)などを、すべてわたしがあなたに命(めい)じたように造(つく)らせるであろう」。

12主(しゅ)はまたモーセに言(い)われた、 13「あなたはイスラエルの人々(ひとびと)に言(い)いなさい、『あなたがたは必(かなら)ずわたしの安息日(あんそくにち)を守(まも)らなければならない。これはわたしとあなたがたとの間(あいだ)の、代々(よよ)にわたるしるしであって、わたしがあなたがたを聖別(せいべつ)する主(しゅ)であることを、知(し)らせるためのものである。 14それゆえ、あなたがたは安息日(あんそくにち)を守(まも)らなければならない。これはあなたがたに聖(せい)なる日(ひ)である。すべてこれを汚(けが)す者(もの)は必(かなら)ず殺(ころ)され、すべてこの日(ひ)に仕事(しごと)をする者(もの)は、民(たみ)のうちから断(た)たれるであろう。 15六日(か)のあいだは仕事(しごと)をしなさい。七日(なぬか)目(め)は全(まった)き休(やす)みの安息日(あんそくにち)で、主(しゅ)のために聖(せい)である。すべて安息日(あんそくにち)に仕事(しごと)をする者(もの)は必(かなら)ず殺(ころ)されるであろう。 16ゆえに、イスラエルの人々(ひとびと)は安息日(あんそくにち)を覚(おぼ)え、永遠(えいえん)の契約(けいやく)として、代々(よよ)安息日(あんそくにち)を守(まも)らなければならない。 17これは永遠(えいえん)にわたしとイスラエルの人々(ひとびと)との間(あいだ)のしるしである。それは主(しゅ)が六日(か)のあいだに天地(てんち)を造(つく)り、七日(なぬか)目(め)に休(やす)み、かつ、いこわれたからである』」。

18主(しゅ)はシナイ山(さん)でモーセに語(かた)り終(お)えられたとき、あかしの板(いた)二枚(まい)、すなわち神(かみ)が指(ゆび)をもって書(か)かれた石(いし)の板(いた)をモーセに授(さづ)けられた。

第三二章

1民(たみ)はモーセが山(やま)を下(くだ)ることのおそいのを見(み)て、アロンのもとに集(あつ)まって彼(かれ)に言(い)った、「さあ、わたしたちに先立(さきだ)って行(ゆ)く神(かみ)を、わたしたちのために造(つく)ってください。わたしたちをエジプトの国(くに)から導(みちび)きのぼった人(ひと)、あのモーセはどうなったのかわからないからです」。 2アロンは彼(かれ)らに言(い)った、「あなたがたの妻(つま)、むすこ、娘(むすめ)らの金(きん)の耳輪(みみわ)をはずしてわたしに持(も)ってきなさい」。 3そこで民(たみ)は皆(みな)その金(きん)の耳輪(みみわ)をはずしてアロンのもとに持(も)ってきた。 4アロンがこれを彼(かれ)らの手(て)から受(う)け取(と)り、工具(こうぐ)で型(かた)を造(つく)り、鋳(い)て子(こ)牛(うし)としたので、彼(かれ)らは言(い)った、「イスラエルよ、これはあなたをエジプトの国(くに)から導(みちび)きのぼったあなたの神(かみ)である」。 5アロンはこれを見(み)て、その前(まえ)に祭壇(さいだん)を築(きず)いた。そしてアロンは布告(ふこく)して言(い)った、「あすは主(しゅ)の祭(まつり)である」。 6そこで人々(ひとびと)はあくる朝(あさ)早(はや)く起(お)きて燔祭(はんさい)をささげ、酬恩祭(しゅうおんさい)を供(そな)えた。民(たみ)は座(ざ)して食(く)い飲(の)みし、立(た)って戯(ざ)れた。

7主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「急(いそ)いで下(くだ)りなさい。あなたがエジプトの国(くに)から導(みちび)きのぼったあなたの民(たみ)は悪(わる)いことをした。 8彼(かれ)らは早(はや)くもわたしが命(めい)じた道(みち)を離(はな)れ、自分(じぶん)のために鋳物(いもの)の子(こ)牛(うし)を造(つく)り、これを拝(おが)み、これに犠牲(ぎせい)をささげて、『イスラエルよ、これはあなたをエジプトの国(くに)から導(みちび)きのぼったあなたの神(かみ)である』と言(い)っている」。 9主(しゅ)はまたモーセに言(い)われた、「わたしはこの民(たみ)を見(み)た。これはかたくなな民(たみ)である。 10それで、わたしをとめるな。わたしの怒(いか)りは彼(かれ)らにむかって燃(も)え、彼(かれ)らを滅(ほろ)ぼしつくすであろう。しかし、わたしはあなたを大(おお)いなる国民(こくみん)とするであろう」。

11モーセはその神(かみ)、主(しゅ)をなだめて言(い)った、「主(しゅ)よ、大(おお)いなる力(ちから)と強(つよ)き手(て)をもって、エジプトの国(くに)から導(みちび)き出(だ)されたあなたの民(たみ)にむかって、なぜあなたの怒(いか)りが燃(も)えるのでしょうか。 12どうしてエジプトびとに『彼(かれ)は悪意(あくい)をもって彼(かれ)らを導(みちび)き出(だ)し、彼(かれ)らを山地(さんち)で殺(ころ)し、地(ち)の面(めん)から断(た)ち滅(ほろ)ぼすのだ』と言(い)わせてよいでしょうか。どうかあなたの激(はげ)しい怒(いか)りをやめ、あなたの民(たみ)に下(くだ)そうとされるこの災(わざわい)を思(おも)い直(なお)し、 13あなたのしもべアブラハム、イサク、イスラエルに、あなたが御(ご)自身(じしん)をさして誓(ちか)い、『わたしは天(てん)の星(ほし)のように、あなたがたの子孫(しそん)を増(ま)し、わたしが約束(やくそく)したこの地(ち)を皆(みな)あなたがたの子孫(しそん)に与(あた)えて、長(なが)くこれを所有(しょゆう)させるであろう』と彼(かれ)らに仰(おお)せられたことを覚(おぼ)えてください」。 14それで、主(しゅ)はその民(たみ)に下(くだ)すと言(い)われた災(わざわい)について思(おも)い直(なお)された。

15モーセは身(み)を転(てん)じて山(やま)を下(くだ)った。彼(かれ)の手(て)には、かの二枚(まい)のあかしの板(いた)があった。板(いた)はその両面(りょうめん)に文字(もじ)があった。すなわち、この面(めん)にも、かの面(めん)にも文字(もじ)があった。 16その板(いた)は神(かみ)の作(さく)、その文字(もじ)は神(かみ)の文字(もじ)であって、板(いた)に彫(ほ)ったものである。 17ヨシュアは民(たみ)の呼(よ)ばわる声(こえ)を聞(き)いて、モーセに言(い)った、「宿営(しゅくえい)の中(なか)に戦(たたか)いの声(こえ)がします」。 18しかし、モーセは言(い)った、「勝(かち)どきの声(こえ)でなく、敗北(はいぼく)の叫(さけ)び声(ごえ)でもない。わたしの聞(き)くのは歌(うた)の声(こえ)である」。 19モーセが宿営(しゅくえい)に近(ちか)づくと、子(こ)牛(うし)と踊(おど)りとを見(み)たので、彼(かれ)は怒(いか)りに燃(も)え、手(て)からかの板(いた)を投(な)げうち、これを山(やま)のふもとで砕(くだ)いた。 20また彼(かれ)らが造(つく)った子(こ)牛(うし)を取(と)って火(ひ)に焼(や)き、こなごなに砕(くだ)き、これを水(みず)の上(うえ)にまいて、イスラエルの人々(ひとびと)に飲(の)ませた。

21モーセはアロンに言(い)った、「この民(たみ)があなたに何(なに)をしたので、あなたは彼(かれ)らに大(おお)いなる罪(つみ)を犯(おか)させたのですか」。 22アロンは言(い)った、「わが主(しゅ)よ、激(はげ)しく怒(いか)らないでください。この民(たみ)の悪(わる)いのは、あなたがごぞんじです。 23彼(かれ)らはわたしに言(い)いました、『わたしたちに先立(さきだ)って行(い)く神(かみ)を、わたしたちのために造(つく)ってください。わたしたちをエジプトの国(くに)から導(みちび)きのぼった人(ひと)、あのモーセは、どうなったのかわからないからです』。 24そこでわたしは『だれでも、金(きん)を持(も)っている者(もの)は、それを取(と)りはずしなさい』と彼(かれ)らに言(い)いました。彼(かれ)らがそれをわたしに渡(わた)したので、わたしがこれを火(ひ)に投(な)げ入(い)れると、この子(こ)牛(うし)が出(で)てきたのです」。

25モーセは民(たみ)がほしいままにふるまったのを見(み)た。アロンは彼(かれ)らがほしいままにふるまうに任(まか)せ、敵(てき)の中(なか)に物笑(ものわら)いとなったからである。 26モーセは宿営(しゅくえい)の門(もん)に立(た)って言(い)った、「すべて主(しゅ)につく者(もの)はわたしのもとにきなさい」。レビの子(こ)たちはみな彼(かれ)のもとに集(あつ)まった。 27そこでモーセは彼(かれ)らに言(い)った、「イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)はこう言(い)われる、『あなたがたは、おのおの腰(こし)につるぎを帯(お)び、宿営(しゅくえい)の中(なか)を門(もん)から門(もん)へ行(い)き巡(めぐ)って、おのおのその兄弟(きょうだい)、その友(とも)、その隣人(りんじん)を殺(ころ)せ』」。 28レビの子(こ)たちはモーセの言葉(ことば)どおりにしたので、その日(ひ)、民(たみ)のうち、おおよそ三千人(にん)が倒(たお)れた。 29そこで、モーセは言(い)った、「あなたがたは、おのおのその子(こ)、その兄弟(きょうだい)に逆(さか)らって、きょう、主(しゅ)に身(み)をささげた。それで主(しゅ)は、きょう、あなたがたに祝福(しゅくふく)を与(あた)えられるであろう」。

30あくる日(ひ)、モーセは民(たみ)に言(い)った、「あなたがたは大(おお)いなる罪(つみ)を犯(おか)した。それで今(いま)、わたしは主(しゅ)のもとに上(のぼ)って行(い)く。あなたがたの罪(つみ)を償(つぐな)うことが、できるかも知(し)れない」。 31モーセは主(しゅ)のもとに帰(かえ)って、そして言(い)った、「ああ、この民(たみ)は大(おお)いなる罪(つみ)を犯(おか)し、自分(じぶん)のために金(きん)の神(かみ)を造(つく)りました。 32今(いま)もしあなたが、彼(かれ)らの罪(つみ)をゆるされますならば――。しかし、もしかなわなければ、どうぞあなたが書(か)きしるされたふみから、わたしの名(な)を消(け)し去(さ)ってください」。 33主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「すべてわたしに罪(つみ)を犯(おか)した者(もの)は、これをわたしのふみから消(け)し去(さ)るであろう。 34しかし、今(いま)あなたは行(い)って、わたしがあなたに告(つ)げたところに民(たみ)を導(みちび)きなさい。見(み)よ、わたしの使(つかい)はあなたに先立(さきだ)って行(い)くであろう。ただし刑罰(けいばつ)の日(ひ)に、わたしは彼(かれ)らの罪(つみ)を罰(ばっ)するであろう」。

35そして主(しゅ)は民(たみ)を撃(う)たれた。彼(かれ)らが子(こ)牛(うし)を造(つく)ったからである。それはアロンが造(つく)ったのである。

第三三章

1さて、主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「あなたと、あなたがエジプトの国(くに)から導(みちび)きのぼった民(たみ)とは、ここを立(た)ってわたしがアブラハム、イサク、ヤコブに誓(ちか)って、『これをあなたの子孫(しそん)に与(あた)える』と言(い)った地(ち)にのぼりなさい。 2わたしはひとりの使(つかい)をつかわしてあなたに先立(さきだ)たせ、カナンびと、アモリびと、ヘテびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとを追(お)い払(はら)うであろう。 3あなたがたは乳(ちち)と蜜(みつ)の流(なが)れる地(ち)にのぼりなさい。しかし、あなたがたは、かたくなな民(たみ)であるから、わたしが道(みち)であなたがたを滅(ほろ)ぼすことのないように、あなたがたのうちにあって一緒(いっしょ)にはのぼらないであろう」。

4民(たみ)はこの悪(わる)い知(し)らせを聞(き)いて憂(うれ)い、ひとりもその飾(かざ)りを身(み)に着(つ)ける者(もの)はなかった。 5主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「イスラエルの人々(ひとびと)に言(い)いなさい、『あなたがたは、かたくなな民(たみ)である。もしわたしが一刻(いっこく)でも、あなたがたのうちにあって、一緒(いっしょ)にのぼって行(い)くならば、あなたがたを滅(ほろ)ぼすであろう。ゆえに、今(いま)、あなたがたの飾(かざ)りを身(み)から取(と)り去(さ)りなさい。そうすればわたしはあなたがたになすべきことを知(し)るであろう』」。 6それで、イスラエルの人々(ひとびと)はホレブ山(やま)以来(いらい)その飾(かざ)りを取(と)り除(のぞ)いていた。

7モーセは幕屋(まくや)を取(と)って、これを宿営(しゅくえい)の外(そと)に、宿営(しゅくえい)を離(はな)れて張(は)り、これを会見(かいけん)の幕屋(まくや)と名(な)づけた。すべて主(しゅ)に伺(うかが)い事(こと)のある者(もの)は出(で)て、宿営(しゅくえい)の外(そと)にある会見(かいけん)の幕屋(まくや)に行(い)った。 8モーセが出(で)て、幕屋(まくや)に行(い)く時(とき)には、民(たみ)はみな立(た)ちあがり、モーセが幕屋(まくや)にはいるまで、おのおのその天幕(てんまく)の入口(いりぐち)に立(た)って彼(かれ)を見送(みおく)った。 9モーセが幕屋(まくや)にはいると、雲(くも)の柱(はしら)が下(くだ)って幕屋(まくや)の入口(いりぐち)に立(た)った。そして主(しゅ)はモーセと語(かた)られた。 10民(たみ)はみな幕屋(まくや)の入口(いりぐち)に雲(くも)の柱(はしら)が立(た)つのを見(み)ると、立(た)っておのおの自分(じぶん)の天幕(てんまく)の入口(いりぐち)で礼拝(れいはい)した。 11人(ひと)がその友(とも)と語(かた)るように、主(しゅ)はモーセと顔(かお)を合(あ)わせて語(かた)られた。こうしてモーセは宿営(しゅくえい)に帰(かえ)ったが、その従者(じゅうしゃ)なる若者(わかもの)、ヌンの子(こ)ヨシュアは幕屋(まくや)を離(はな)れなかった。

12モーセは主(しゅ)に言(い)った、「ごらんください。あなたは『この民(たみ)を導(みちび)きのぼれ』とわたしに言(い)いながら、わたしと一緒(いっしょ)につかわされる者(もの)を知(し)らせてくださいません。しかも、あなたはかつて『わたしはお前(まえ)を選(えら)んだ。お前(まえ)はまたわたしの前(まえ)に恵(めぐ)みを得(え)た』と仰(おお)せになりました。 13それで今(いま)、わたしがもし、あなたの前(まえ)に恵(めぐ)みを得(え)ますならば、どうか、あなたの道(みち)を示(しめ)し、あなたをわたしに知(し)らせ、あなたの前(まえ)に恵(めぐ)みを得(え)させてください。また、この国民(こくみん)があなたの民(たみ)であることを覚(おぼ)えてください」。 14主(しゅ)は言(い)われた「わたし自身(じしん)が一緒(いっしょ)に行(い)くであろう。そしてあなたに安息(あんそく)を与(あた)えるであろう」。 15モーセは主(しゅ)に言(い)った「もしあなた自身(じしん)が一緒(いっしょ)に行(い)かれないならば、わたしたちをここからのぼらせないでください。 16わたしとあなたの民(たみ)とが、あなたの前(まえ)に恵(めぐ)みを得(え)ることは、何(なに)によって知(し)られましょうか。それはあなたがわたしたちと一緒(いっしょ)に行(い)かれて、わたしとあなたの民(たみ)とが、地(ち)の面(めん)にある諸民(しょみん)と異(こと)なるものになるからではありませんか」。

17主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「あなたはわたしの前(まえ)に恵(めぐ)みを得(え)、またわたしは名(な)をもってあなたを知(し)るから、あなたの言(い)ったこの事(こと)をもするであろう」。 18モーセは言(い)った、「どうぞ、あなたの栄光(えいこう)をわたしにお示(しめ)しください」。 19主(しゅ)は言(い)われた、「わたしはわたしのもろもろの善(ぜん)をあなたの前(まえ)に通(とお)らせ、主(しゅ)の名(な)をあなたの前(まえ)にのべるであろう。わたしは恵(めぐ)もうとする者(もの)を恵(めぐ)み、あわれもうとする者(もの)をあわれむ」。 20また言(い)われた、「しかし、あなたはわたしの顔(かお)を見(み)ることはできない。わたしを見(み)て、なお生(い)きている人(ひと)はないからである」。 21そして主(しゅ)は言(い)われた、「見(み)よ、わたしのかたわらに一つの所(ところ)がある。あなたは岩(いわ)の上(うえ)に立(た)ちなさい。 22わたしの栄光(えいこう)がそこを通(とお)り過(す)ぎるとき、わたしはあなたを岩(いわ)の裂(さ)け目(め)に入(い)れて、わたしが通(とお)り過(す)ぎるまで、手(て)であなたをおおうであろう。 23そしてわたしが手(て)をのけるとき、あなたはわたしのうしろを見(み)るが、わたしの顔(かお)は見(み)ないであろう」。

第三四章

1主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「あなたは前(まえ)のような石(いし)の板(いた)二枚(まい)を、切(き)って造(つく)りなさい。わたしはあなたが砕(くだ)いた初(はじ)めの板(いた)にあった言葉(ことば)を、その板(いた)に書(か)くであろう。 2あなたは朝(あさ)までに備(そな)えをし、朝(あさ)のうちにシナイ山(さん)に登(のぼ)って、山(やま)の頂(いただき)でわたしの前(まえ)に立(た)ちなさい。 3だれもあなたと共(とも)に登(のぼ)ってはならない。また、だれも山(やま)の中(なか)にいてはならない。また山(やま)の前(まえ)で羊(ひつじ)や牛(うし)を飼(か)っていてはならない」。 4そこでモーセは前(まえ)のような石(いし)の板(いた)二枚(まい)を、切(き)って造(つく)り、朝(あさ)早(はや)く起(お)きて、主(しゅ)が彼(かれ)に命(めい)じられたようにシナイ山(さん)に登(のぼ)った。彼(かれ)はその手(て)に石(いし)の板(いた)二枚(まい)をとった。 5ときに主(しゅ)は雲(くも)の中(なか)にあって下(くだ)り、彼(かれ)と共(とも)にそこに立(た)って主(しゅ)の名(な)を宣(の)べられた。 6主(しゅ)は彼(かれ)の前(まえ)を過(す)ぎて宣(の)べられた。「主(しゅ)、主(しゅ)、あわれみあり、恵(めぐ)みあり、怒(いか)ることおそく、いつくしみと、まこととの豊(ゆた)かなる神(かみ)、 7いつくしみを千代(だい)までも施(ほどこ)し、悪(あく)と、とがと、罪(つみ)とをゆるす者(もの)、しかし、罰(ばつ)すべき者(もの)をば決(けっ)してゆるさず、父(ちち)の罪(つみ)を子(こ)に報(むく)い、子(こ)の子(こ)に報(むく)いて、三、四代(だい)におよぼす者(もの)」。 8モーセは急(いそ)ぎ地(ち)に伏(ふ)して拝(はい)し、 9そして言(い)った、「ああ主(しゅ)よ、わたしがもし、あなたの前(まえ)に恵(めぐ)みを得(え)ますならば、かたくなな民(たみ)ですけれども、どうか主(しゅ)がわたしたちのうちにあって一緒(いっしょ)に行(い)ってください。そしてわたしたちの悪(あく)と罪(つみ)とをゆるし、わたしたちをあなたのものとしてください」。

10主(しゅ)は言(い)われた、「見(み)よ、わたしは契約(けいやく)を結(むす)ぶ。わたしは地(ち)のいずこにも、いかなる民(たみ)のうちにも、いまだ行(おこな)われたことのない不思議(ふしぎ)を、あなたのすべての民(たみ)の前(まえ)に行(おこな)うであろう。あなたが共(とも)に住(す)む民(たみ)はみな、主(しゅ)のわざを見(み)るであろう。わたしがあなたのためになそうとすることは、恐(おそ)るべきものだからである。

11わたしが、きょう、あなたに命(めい)じることを守(まも)りなさい。見(み)よ、わたしはアモリびと、カナンびと、ヘテびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとを、あなたの前(まえ)から追(お)い払(はら)うであろう。 12あなたが行(ゆ)く国(くに)に住(す)んでいる者(もの)と、契約(けいやく)を結(むす)ばないように、気(き)をつけなければならない。おそらく彼(かれ)らはあなたのうちにあって、わなとなるであろう。 13むしろあなたがたは、彼(かれ)らの祭壇(さいだん)を倒(たお)し、石(いし)の柱(はしら)を砕(くだ)き、アシラ像(ぞう)を切(き)り倒(たお)さなければならない。 14あなたは他(た)の神(かみ)を拝(おが)んではならない。主(しゅ)はその名(な)を『ねたみ』と言(い)って、ねたむ神(かみ)だからである。 15おそらくあなたはその国(くに)に住(す)む者(もの)と契約(けいやく)を結(むす)び、彼(かれ)らの神々(かみがみ)を慕(した)って姦淫(かんいん)を行(おこな)い、その神々(かみがみ)に犠牲(ぎせい)をささげ、招(まね)かれて彼(かれ)らの犠牲(ぎせい)を食(た)べ、 16またその娘(むすめ)たちを、あなたのむすこたちにめとり、その娘(むすめ)たちが自分(じぶん)たちの神々(かみがみ)を慕(した)って姦淫(かんいん)を行(おこな)い、また、あなたのむすこたちをして、彼(かれ)らの神々(かみがみ)を慕(した)わせ、姦淫(かんいん)を行(おこな)わせるに至(いた)るであろう。

17あなたは自分(じぶん)のために鋳物(いもの)の神々(かみがみ)を造(つく)ってはならない。

18あなたは種(たね)入(い)れぬパンの祭(まつり)を守(まも)らなければならない。すなわち、わたしがあなたに命(めい)じたように、アビブの月(つき)の定(さだ)めの時(とき)に、七日(なぬか)のあいだ、種(たね)入(い)れぬパンを食(た)べなければならない。あなたがアビブの月(つき)にエジプトを出(で)たからである。 19すべて初(はじ)めに生(うま)れる者(もの)は、わたしのものである。すべてあなたの家畜(かちく)のういごの雄(おす)は、牛(うし)も羊(ひつじ)もそうである。 20ただし、ろばのういごは小羊(こひつじ)であがなわなければならない。もしあがなわないならば、その首(くび)を折(お)らなければならない。あなたのむすこのうちのういごは、みなあがなわなければならない。むなし手(て)でわたしの前(まえ)に出(で)てはならない。

21あなたは六日(か)のあいだ働(はたら)き、七日(なぬか)目(め)には休(やす)まなければならない。耕(たがや)し時(どき)にも、刈入(かりい)れ時(どき)にも休(やす)まなければならない。 22あなたは七週(しゅう)の祭(まつり)、すなわち小麦(こむぎ)刈(か)りの初穂(はつほ)の祭(まつり)を行(おこな)わなければならない。また年(ねん)の終(おわ)りに取(と)り入(い)れの祭(まつり)を行(おこな)わなければならない。 23年(ねん)に三度(ど)、男子(だんし)はみな主(しゅ)なる神(かみ)、イスラエルの神(かみ)の前(まえ)に出(で)なければならない。 24わたしは国々(くにぐに)の民(たみ)をあなたの前(まえ)から追(お)い払(はら)って、あなたの境(さかい)を広(ひろ)くするであろう。あなたが年(ねん)に三度(ど)のぼって、あなたの神(かみ)、主(しゅ)の前(まえ)に出(で)る時(とき)には、だれもあなたの国(くに)を侵(おか)すことはないであろう。

25あなたは犠牲(ぎせい)の血(ち)を、種(たね)を入(い)れたパンと共(とも)に供(そな)えてはならない。また過越(すぎこし)の祭(まつり)の犠牲(ぎせい)を、翌朝(よくあさ)まで残(のこ)して置(お)いてはならない。 26あなたの土地(とち)の初穂(はつほ)の最(もっと)も良(よ)いものを、あなたの神(かみ)、主(しゅ)の家(いえ)に携(たずさ)えてこなければならない。あなたは子(こ)やぎをその母(はは)の乳(ちち)で煮(に)てはならない」。 27また主(しゅ)はモーセに言(い)われた、「これらの言葉(ことば)を書(か)きしるしなさい。わたしはこれらの言葉(ことば)に基(もとづ)いて、あなたおよびイスラエルと契約(けいやく)を結(むす)んだからである」。 28モーセは主(しゅ)と共(とも)に、四十日(にち)四十夜(や)、そこにいたが、パンも食(た)べず、水(みず)も飲(の)まなかった。そして彼(かれ)は契約(けいやく)の言葉(ことば)、十誡(じっかい)を板(いた)の上(うえ)に書(か)いた。

29モーセはそのあかしの板(いた)二枚(まい)を手(て)にして、シナイ山(さん)から下(くだ)ったが、その山(やま)を下(くだ)ったとき、モーセは、さきに主(しゅ)と語(かた)ったゆえに、顔(かお)の皮(かわ)が光(ひかり)を放(はな)っているのを知(し)らなかった。 30アロンとイスラエルの人々(ひとびと)とがみな、モーセを見(み)ると、彼(かれ)の顔(かお)の皮(かわ)が光(ひかり)を放(はな)っていたので、彼(かれ)らは恐(おそ)れてこれに近(ちか)づかなかった。 31モーセは彼(かれ)らを呼(よ)んだ。アロンと会衆(かいしゅう)のかしらたちとがみな、モーセのもとに帰(かえ)ってきたので、モーセは彼(かれ)らと語(かた)った。 32その後(のち)、イスラエルの人々(ひとびと)がみな近(ちか)よったので、モーセは主(しゅ)がシナイ山(さん)で彼(かれ)に語(かた)られたことを、ことごとく彼(かれ)らにさとした。 33モーセは彼(かれ)らと語(かた)り終(お)えた時(とき)、顔(かお)おおいを顔(かお)に当(あ)てた。 34しかしモーセは主(しゅ)の前(まえ)に行(い)って主(しゅ)と語(かた)る時(とき)は、出(で)るまで顔(かお)おおいを取(と)り除(のぞ)いていた。そして出(で)て来(く)ると、その命(めい)じられた事(こと)をイスラエルの人(ひと)人(ひと)に告(つ)げた。 35イスラエルの人々(ひとびと)はモーセの顔(かお)を見(み)ると、モーセの顔(かお)の皮(かわ)が光(ひかり)を放(はな)っていた。モーセは行(い)って主(しゅ)と語(かた)るまで、また顔(かお)おおいを顔(かお)に当(あ)てた。

第三五章

1モーセはイスラエルの人々(ひとびと)の全(ぜん)会衆(かいしゅう)を集(あつ)めて言(い)った、「これは主(しゅ)が行(おこな)えと命(めい)じられた言葉(ことば)である。 2六日(か)の間(あいだ)は仕事(しごと)をしなさい。七日(なぬか)目(め)はあなたがたの聖日(せいじつ)で、主(しゅ)の全(まった)き休(やす)みの安息日(あんそくにち)であるから、この日(ひ)に仕事(しごと)をする者(もの)はだれでも殺(ころ)されなければならない。 3安息日(あんそくにち)にはあなたがたのすまいのどこでも火(ひ)をたいてはならない」。

4モーセはイスラエルの人々(ひとびと)の全(ぜん)会衆(かいしゅう)に言(い)った、「これは主(しゅ)が命(めい)じられたことである。 5あなたがたの持(も)ち物(もの)のうちから、主(しゅ)にささげる物(もの)を取(と)りなさい。すべて、心(こころ)から喜(よろこ)んでする者(もの)は、主(しゅ)にささげる物(もの)を持(も)ってきなさい。すなわち金(きん)、銀(ぎん)、青銅(せいどう)。 6青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、亜麻(あま)糸(いと)、やぎの毛糸(けいと)。 7あかね染(ぞ)めの雄羊(おひつじ)の皮(かわ)、じゅごんの皮(かわ)、アカシヤ材(ざい)、 8ともし油(あぶら)、注(そそ)ぎ油(あぶら)と香(こう)ばしい薫香(くんこう)とのための香料(こうりょう)、 9縞(しま)めのう、エポデと胸当(むねあて)とにはめる宝石(ほうせき)。

10すべてあなたがたのうち、心(こころ)に知恵(ちえ)ある者(もの)はきて、主(しゅ)の命(めい)じられたものをみな造(つく)りなさい。 11すなわち幕屋(まくや)、その天幕(てんまく)と、そのおおい、その鉤(こま)と、その枠(わく)、その横木(よこぎ)、その柱(はしら)と、その座(ざ)、 12箱(はこ)と、そのさお、贖罪所(しょくざいしょ)、隔(へだ)ての垂幕(たれまく)、 13机(つくえ)と、そのさお、およびそのもろもろの器(うつわ)、供(そな)えのパン、 14また、ともしびのための燭台(しょくだい)と、その器(うつわ)、ともしび皿(ざら)と、ともし油(あぶら)、 15香(こう)の祭壇(さいだん)と、そのさお、注(そそ)ぎ油(あぶら)、香(こう)ばしい薫香(くんこう)、幕屋(まくや)の入口(いりぐち)のとばり、 16燔祭(はんさい)の祭壇(さいだん)およびその青銅(せいどう)の網(あみ)、そのさおと、そのもろもろの器(うつわ)、洗盤(せんばん)と、その台(だい)、 17庭(にわ)のあげばり、その柱(はしら)とその座(ざ)、庭(にわ)の門(もん)のとばり、 18幕屋(まくや)の釘(くぎ)、庭(にわ)の釘(くぎ)およびそのひも、 19聖所(せいじょ)における務(つとめ)のための編物(あみもの)の服(ふく)、すなわち祭司(さいし)の務(つとめ)をなすための祭司(さいし)アロンの聖(せい)なる服(ふく)およびその子(こ)たちの服(ふく)」。

20イスラエルの人々(ひとびと)の全(ぜん)会衆(かいしゅう)はモーセの前(まえ)を去(さ)り、 21すべて心(こころ)に感(かん)じた者(もの)、すべて心(こころ)から喜(よろこ)んでする者(もの)は、会見(かいけん)の幕屋(まくや)の作業(さぎょう)と、そのもろもろの奉仕(ほうし)と、聖(せい)なる服(ふく)とのために、主(しゅ)にささげる物(もの)を携(たずさ)えてきた。 22すなわち、すべて心(こころ)から喜(よろこ)んでする男女(だんじょ)は、鼻輪(はなわ)、耳輪(みみわ)、指輪(ゆびわ)、首飾(くびかざ)り、およびすべての金(きん)の飾(かざ)りを携(たずさ)えてきた。すべて金(きん)のささげ物(もの)を主(しゅ)にささげる者(もの)はそのようにした。 23すべて青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、亜麻(あま)糸(いと)、やぎの毛糸(けいと)、あかね染(ぞ)めの雄羊(おひつじ)の皮(かわ)、じゅごんの皮(かわ)を持(も)っている者(もの)は、それを携(たずさ)えてきた。 24すべて銀(ぎん)、青銅(せいどう)のささげ物(もの)をささげることのできる者(もの)は、それを主(しゅ)にささげる物(もの)として携(たずさ)えてきた。また、すべて組立(くみた)ての工事(こうじ)に用(もち)いるアカシヤ材(ざい)を持(も)っている者(もの)は、それを携(たずさ)えてきた。 25また、すべて心(こころ)に知恵(ちえ)ある女(おんな)たちは、その手(て)をもって紡(つむ)ぎ、その紡(つむ)いだ青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、亜麻(あま)糸(いと)を携(たずさ)えてきた。 26すべて知恵(ちえ)があって、心(こころ)に感(かん)じた女(おんな)たちは、やぎの毛(け)を紡(つむ)いだ。 27また、かしらたちは縞(しま)めのう、およびエポデと胸当(むねあて)にはめる宝石(ほうせき)を携(たずさ)えてきた。 28また、ともしびと、注(そそ)ぎ油(あぶら)と、香(こう)ばしい薫香(くんこう)のための香料(こうりょう)と、油(あぶら)とを携(たずさ)えてきた。 29このようにイスラエルの人々(ひとびと)は自発(じはつ)のささげ物(もの)を主(しゅ)に携(たずさ)えてきた。すなわち主(しゅ)がモーセによって、なせと命(めい)じられたすべての工作(こうさく)のために、物(もの)を携(たずさ)えてこようと、心(こころ)から喜(よろこ)んでする男女(だんじょ)はみな、そのようにした。

30モーセはイスラエルの人々(ひとびと)に言(い)った、「見(み)よ、主(しゅ)はユダの部族(ぶぞく)に属(ぞく)するホルの子(こ)なるウリの子(こ)ベザレルを名(な)ざして召(め)し、 31彼(かれ)に神(かみ)の霊(れい)を満(み)たして、知恵(ちえ)と悟(さと)りと知識(ちしき)と諸種(しょしゅ)の工作(こうさく)に長(ちょう)ぜしめ、 32工夫(くふう)を凝(こ)らして金(きん)、銀(ぎん)、青銅(せいどう)の細工(さいく)をさせ、 33また宝石(ほうせき)を切(き)りはめ、木(き)を彫刻(ちょうこく)するなど、諸種(しょしゅ)の工作(こうさく)をさせ、 34また人(ひと)を教(おし)えうる力(ちから)を、彼(かれ)の心(こころ)に授(さづ)けられた。彼(かれ)とダンの部族(ぶぞく)に属(ぞく)するアヒサマクの子(こ)アホリアブとが、それである。 35主(しゅ)は彼(かれ)らに知恵(ちえ)の心(こころ)を満(み)たして、諸種(しょしゅ)の工作(こうさく)をさせられた。すなわち彫刻(ちょうこく)、浮(う)き織(おり)および青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、亜麻(あま)糸(いと)の縫取(ぬいと)り、また機(はた)織(おり)など諸種(しょしゅ)の工作(こうさく)をさせ、工夫(くふう)を凝(こ)らして巧(たく)みなわざをさせられた。

第三六章

1ベザレルとアホリアブおよびすべて心(こころ)に知恵(ちえ)ある者(もの)、すなわち主(しゅ)が知恵(ちえ)と悟(さと)りとを授(さづ)けて、聖所(せいじょ)の組立(くみた)ての諸種(しょしゅ)の工事(こうじ)を、いかになすかを知(し)らせられた者(もの)は、すべて主(しゅ)が命(めい)じられたようにしなければならない」。

2そこで、モーセはベザレルとアホリアブおよびすべて心(こころ)に知恵(ちえ)ある者(もの)、すなわち、その心(こころ)に主(しゅ)が知恵(ちえ)を授(さづ)けられた者(もの)、またきて、その工事(こうじ)をなそうと心(こころ)に望(のぞ)むすべての者(もの)を召(め)し寄(よ)せた。 3彼(かれ)らは聖所(せいじょ)の組立(くみた)ての工事(こうじ)をするために、イスラエルの人々(ひとびと)が携(たずさ)えてきたもろもろのささげ物(もの)を、モーセから受(う)け取(と)ったが、民(たみ)はなおも朝(あさ)ごとに、自発(じはつ)のささげ物(もの)を彼(かれ)のもとに携(たずさ)えてきた。 4そこで聖所(せいじょ)のもろもろの工事(こうじ)をする賢(かしこ)い人々(ひとびと)はみな、おのおのしていた工事(こうじ)をやめて、 5モーセに言(い)った「民(たみ)があまりに多(おお)く携(たずさ)えて来(く)るので、主(しゅ)がせよと命(めい)じられた組立(くみた)ての工事(こうじ)には余(あま)ります」。 6モーセは命令(めいれい)を発(はっ)し、宿営(しゅくえい)中(ちゅう)にふれさせて言(い)った、「男(おとこ)も女(おんな)も、もはや聖所(せいじょ)のために、ささげ物(もの)をするに及(およ)ばない」。それで民(たみ)は携(たずさ)えて来(く)ることをやめた。 7材料(ざいりょう)はすべての工事(こうじ)をするのにじゅうぶんで、かつ余(あま)るからである。

8すべて工作(こうさく)をする者(もの)のうちの心(こころ)に知恵(ちえ)ある者(もの)は、十枚(まい)の幕(まく)で幕屋(まくや)を造(つく)った。すなわち亜麻(あま)の撚糸(ねんし)、青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)で造(つく)り、巧(たく)みなわざをもって、それにケルビムを織(お)り出(だ)した。 9幕(まく)の長(なが)さは、おのおの二十八キュビト、幕(まく)の幅(はば)は、おのおの四キュビトで、幕(まく)はみな同(おな)じ寸法(すんぽう)である。

10その幕(まく)五枚(まい)を互(たがい)に連(つら)ね合(あ)わせ、また他(た)の五枚(まい)の幕(まく)をも互(たがい)に連(つら)ね合(あ)わせ、 11その一連(いちれん)の端(はし)にある幕(まく)の縁(ふち)に青色(あおいろ)の乳(ち)をつけ、他(た)の一連(いちれん)の端(はし)にある幕(まく)の縁(ふち)にも、そのようにした。 12その一枚(まい)の幕(まく)に乳(ち)五十をつけ、他(た)の一連(いちれん)の幕(まく)の端(はし)にも、乳(ち)五十をつけた。その乳(ち)を互(たがい)に相(あい)向(む)かわせた。 13そして金(きん)の輪(わ)五十を作(つく)り、その輪(わ)で、幕(まく)を互(たがい)に連(つら)ね合(あ)わせたので、一つの幕屋(まくや)になった。

14また、やぎの毛糸(けいと)で幕(まく)を作(つく)り、幕屋(まくや)をおおう天幕(てんまく)にした。すなわち幕(まく)十一枚(まい)を作(つく)った。 15おのおのの幕(まく)の長(なが)さは三十キュビト、おのおのの幕(まく)の幅(はば)は四キュビトで、その十一枚(まい)の幕(まく)は同(おな)じ寸法(すんぽう)である。 16そして、その幕(まく)五枚(まい)を一つに連(つら)ね合(あ)わせ、また、その幕(まく)六枚(まい)を一つに連(つら)ね合(あ)わせ、 17その一連(いちれん)の端(はし)にある幕(まく)の縁(ふち)に、乳(ち)五十をつけ、他(た)の一連(いちれん)の幕(まく)の縁(ふち)にも、乳(ち)五十をつけた。 18そして、青銅(せいどう)の輪(わ)五十を作(つく)り、その天幕(てんまく)を連(つら)ね合(あ)わせて一つにした。 19また、あかね染(ぞ)めの雄羊(おひつじ)の皮(かわ)で、天幕(てんまく)のおおいと、じゅごんの皮(かわ)で、その上(うえ)にかけるおおいとを作(つく)った。

20また幕屋(まくや)のためにアカシヤ材(ざい)をもって、立(たて)枠(わく)を造(つく)った。 21枠(わく)の長(なが)さは十キュビト、枠(わく)の幅(はば)は、おのおの一キュビト半(はん)とし、 22枠(わく)ごとに二つの柄(ほぞ)を造(つく)って、かれとこれとをくい合(あ)わせ、幕屋(まくや)のすべての枠(わく)にこのようにした。 23幕屋(まくや)のために枠(わく)を造(つく)った。すなわち南側(みなみがわ)のために枠(わく)二十を造(つく)った。 24その二十の枠(わく)の下(した)に銀(ぎん)の座(ざ)四十を造(つく)って、この枠(わく)の下(した)に、その二つの柄(ほぞ)のために二つの座(ざ)を置(お)き、かの枠(わく)の下(した)にも、その二つの柄(ほぞ)のために二つの座(ざ)を置(お)いた。 25また幕屋(まくや)の他(た)の側(がわ)、すなわち北側(きたがわ)のためにも枠(わく)二十を造(つく)った。 26その銀(ぎん)の座(ざ)四十を造(つく)って、この枠(わく)の下(した)にも二つの座(ざ)を置(お)き、かの枠(わく)の下(した)にも二つの座(ざ)を置(お)いた。 27また幕屋(まくや)のうしろ、西側(にしがわ)のために枠(わく)六つを造(つく)り、 28幕屋(まくや)のうしろの二つのすみのために枠(わく)二つを造(つく)った。 29これらは、下(した)で重(かさ)なり合(あ)い、同(おな)じくその頂(いただき)でも第(だい)一の環(かん)まで重(かさ)なり合(あ)うようにし、その二つとも二つのすみのために、そのように造(つく)った。 30こうして、その枠(わく)は八つ、その銀(ぎん)の座(ざ)は十六、おのおのの枠(わく)の下(した)に、二つずつ座(ざ)があった。

31またアカシヤ材(ざい)の横木(よこぎ)を造(つく)った。すなわち幕屋(まくや)のこの側(がわ)の枠(わく)のために五つ、 32また幕屋(まくや)のかの側(がわ)の枠(わく)のために横木(よこぎ)五つ、幕屋(まくや)のうしろの西側(にしがわ)の枠(わく)のために横木(よこぎ)五つを造(つく)った。 33枠(わく)のまん中(なか)にある中央(ちゅうおう)の横木(よこぎ)は、端(はし)から端(はし)まで通(とお)るようにした。 34そして、その枠(わく)を金(きん)でおおい、また横木(よこぎ)を通(とお)すその環(かん)を金(きん)で造(つく)り、またその横木(よこぎ)を金(きん)でおおった。

35また青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、亜麻(あま)の撚糸(ねんし)で、垂幕(たれまく)を作(つく)り、巧(たく)みなわざをもって、それにケルビムを織(お)り出(だ)した。 36また、これがためにアカシヤ材(ざい)の柱(はしら)四本(ほん)を作(つく)り、金(きん)でこれをおおい、その鉤(こま)を金(きん)にし、その柱(はしら)のために銀(ぎん)の座(ざ)四つを鋳(い)た。 37また幕屋(まくや)の入口(いりぐち)のために青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、亜麻(あま)の撚糸(ねんし)で、色(いろ)とりどりに織(お)ったとばりを作(つく)った。 38その柱(はしら)五本(ほん)と、その鉤(こま)とを造(つく)り、その柱(はしら)の頭(あたま)と桁(けた)とを金(きん)でおおった。ただし、その五つの座(ざ)は青銅(せいどう)であった。

第三七章

1ベザレルはアカシヤ材(ざい)の箱(はこ)を造(つく)った。長(なが)さは二キュビト半(はん)、幅(はば)は一キュビト半(はん)、高(たか)さは一キュビト半(はん)である。 2純金(じゅんきん)で、内(うち)そとをおおい、その周囲(しゅうい)に金(きん)の飾(かざ)り縁(ふち)を造(つく)った。 3また金(きん)の環(かん)四つを鋳(い)て、その四すみに取(と)りつけた。すなわち二つの環(かん)をこちら側(がわ)に、二つの環(かん)をあちら側(がわ)に取(と)りつけた。 4またアカシヤ材(ざい)のさおを造(つく)り、金(きん)でこれをおおい、 5そのさおを箱(はこ)の側面(そくめん)の環(かん)に通(とお)して、箱(はこ)をかつぐようにした。 6また純金(じゅんきん)で贖罪所(しょくざいしょ)を造(つく)った。長(なが)さは二キュビト半(はん)、幅(はば)は一キュビト半(はん)である。 7また金(きん)で、二つのケルビムを造(つく)った。すなわち、これを打物(うちもの)造(つく)りとし、贖罪所(しょくざいしょ)の両端(りょうはし)に置(お)いた。 8一つのケルブをこの端(はし)に、一つのケルブをかの端(はし)に置(お)いた。すなわちケルビムを贖罪所(しょくざいしょ)の一部(いちぶ)として、その両端(りょうはし)に造(つく)った。 9ケルビムは翼(つばさ)を高(たか)く伸(の)べ、その翼(つばさ)で贖罪所(しょくざいしょ)をおおい、顔(かお)は互(たがい)に向(む)かい合(あ)った。すなわちケルビムの顔(かお)は贖罪所(しょくざいしょ)に向(む)かっていた。

10またアカシヤ材(ざい)で、机(つくえ)を造(つく)った。長(なが)さは二キュビト、幅(はば)は一キュビト、高(たか)さは一キュビト半(はん)である。 11純金(じゅんきん)でこれをおおい、その周囲(しゅうい)に金(きん)の飾(かざ)り縁(ふち)を造(つく)った。 12またその周囲(しゅうい)に手(て)幅(はば)の棧(さん)を造(つく)り、その周囲(しゅうい)の棧(さん)に金(きん)の飾(かざ)り縁(ふち)を造(つく)った。 13またこれがために金(きん)の環(かん)四つを鋳(い)て、その四つの足(あし)のすみ四か所(しょ)にその環(かん)を取(と)りつけた。 14その環(かん)は棧(さん)のわきにあって、机(つくえ)をかつぐさおを入(い)れる所(ところ)とした。 15またアカシヤ材(ざい)で、机(つくえ)をかつぐさおを造(つく)り、金(きん)でこれをおおった。 16また机(つくえ)の上(うえ)の器(うつわ)、すなわちその皿(さら)、乳香(にゅうこう)を盛(も)る杯(はい)および灌祭(かんさい)を注(そそ)ぐための鉢(はち)と瓶(びん)とを純金(じゅんきん)で造(つく)った。

17また純金(じゅんきん)の燭台(しょくだい)を造(つく)った。すなわち打物(うちもの)造(つく)りで燭台(しょくだい)を造(つく)り、その台(だい)、幹(みき)、萼(がく)、節(ふし)、花(はな)を一つに連(つら)ねた。 18また六つの枝(えだ)をそのわきから出(だ)させた。すなわち燭台(しょくだい)の三つの枝(えだ)をこの側(がわ)から、燭台(しょくだい)の三つの枝(えだ)をかの側(がわ)から出(だ)させた。 19あめんどうの花(はな)の形(かたち)をした三つの萼(がく)が、節(ふし)と花(はな)とをもって、この枝(えだ)にあり、また、あめんどうの花(はな)の形(かたち)をした三つの萼(がく)が、節(ふし)と花(はな)とをもって、かの枝(えだ)にあり、燭台(しょくだい)から出(で)る六つの枝(えだ)をみなそのようにした。 20また燭台(しょくだい)の幹(みき)には、あめんどうの花(はな)の形(かたち)をした四つの萼(がく)を、その節(ふし)と花(はな)とをもたせて取(と)りつけた。 21また二つの枝(えだ)の下(した)に一つの節(ふし)を取(と)りつけ、次(つぎ)の二つの枝(えだ)の下(した)に一つの節(ふし)を取(と)りつけ、さらに次(つぎ)の二つの枝(えだ)の下(した)に一つの節(ふし)を取(と)りつけ、燭台(しょくだい)の幹(みき)から出(で)る六つの枝(えだ)に、みなそのようにした。 22それらの節(ふし)と枝(えだ)を一つに連(つら)ね、ことごとく純金(じゅんきん)の打物(うちもの)造(つく)りとした。 23また、それのともしび皿(ざら)七つと、その芯(しん)切(き)りばさみと、芯(しん)取(と)り皿(ざら)とを純金(じゅんきん)で造(つく)った。 24すなわち純金(じゅんきん)一タラントをもって、燭台(しょくだい)とそのすべての器(うつわ)とを造(つく)った。

25またアカシヤ材(ざい)で香(こう)の祭壇(さいだん)を造(つく)った。長(なが)さ一キュビト、幅(はば)一キュビトの四角(かく)にし、高(たか)さ二キュビトで、これにその一部(いちぶ)として角(つの)をつけた。   26そして、その頂(いただき)、その周囲(しゅうい)の側面(そくめん)、その角(つの)を純金(じゅんきん)でおおい、その周囲(しゅうい)に金(きん)の飾(かざ)り縁(ふち)を造(つく)った。 27また、その両側(りょうがわ)に、飾(かざ)り縁(ふち)の下(した)に金(きん)の環(かん)二つを、そのために造(つく)った。すなわちその二つの側(がわ)にこれを造(つく)った。これはそれをかつぐさおを通(とお)す所(ところ)である。 28そのさおはアカシヤ材(ざい)で造(つく)り、金(きん)でこれをおおった。

29また香料(こうりょう)を造(つく)るわざにしたがって、聖(せい)なる注(そそ)ぎ油(あぶら)と純粋(じゅんすい)の香料(こうりょう)の薫香(くんこう)とを造(つく)った。

第三八章

1またアカシヤ材(ざい)で燔祭(はんさい)の祭壇(さいだん)を造(つく)った。長(なが)さ五キュビト、幅(はば)五キュビトの四角(かく)で、高(たか)さは三キュビトである。 2その四すみの上(うえ)に、その一部(いちぶ)とし、それの角(つの)を造(つく)り、青銅(せいどう)で祭壇(さいだん)をおおった。 3また祭壇(さいだん)のもろもろの器(うつわ)、すなわち、つぼ、十能(じゅうのう)、鉢(はち)、肉(にく)叉(また)、火皿(ひざら)を造(つく)った。そのすべての器(うつわ)を青銅(せいどう)で造(つく)った。 4また祭壇(さいだん)のために、青銅(せいどう)の網(あみ)細工(ざいく)の格子(こうし)を造(つく)り、これを祭壇(さいだん)の出張(でば)りの下(した)に取(と)りつけて、祭壇(さいだん)の高(たか)さの半(なか)ばに達(たっ)するようにした。 5また青銅(せいどう)の格子(こうし)の四すみのために、環(かん)四つを鋳(い)て、さおを通(とお)す所(ところ)とした。 6アカシヤ材(ざい)で、そのさおを造(つく)り、青銅(せいどう)でこれをおおい、 7そのさおを祭壇(さいだん)の両側(りょうがわ)にある環(かん)に通(とお)して、それをかつぐようにした。祭壇(さいだん)は板(いた)をもって、空洞(くうどう)に造(つく)った。

8また洗盤(せんばん)と、その台(だい)を青銅(せいどう)で造(つく)った。すなわち会見(かいけん)の幕屋(まくや)の入口(いりぐち)で務(つとめ)をなす女(おんな)たちの鏡(かがみ)をもって造(つく)った。

9また庭(にわ)を造(つく)った。その南側(みなみがわ)のために百キュビトの亜麻(あま)の撚糸(ねんし)の庭(にわ)のあげばりを設(もう)けた。 10その柱(はしら)は二十、その柱(はしら)の二十の座(ざ)は青銅(せいどう)で、その柱(はしら)の鉤(こま)と桁(けた)は銀(ぎん)とした。 11また北側(きたがわ)のためにも百キュビトのあげばりを設(もう)けた。その柱(はしら)二十、その柱(はしら)の二十の座(ざ)は青銅(せいどう)で、その柱(はしら)の鉤(こま)と桁(けた)は銀(ぎん)とした。 12また西側(にしがわ)のために、五十キュビトのあげばりを設(もう)けた。その柱(はしら)は十、その座(ざ)も十で、その柱(はしら)の鉤(こま)と桁(けた)は銀(ぎん)とした。 13また東側(ひがしがわ)のためにも、五十キュビトのあげばりを設(もう)けた。 14その一方(いっぽう)に十五キュビトのあげばりを設(もう)けた。その柱(はしら)は三つ、その座(ざ)も三つ。 15また他(た)の一方(いっぽう)にも、同(おな)じようにした。すなわち庭(にわ)の門(もん)のこなたかなたともに、十五キュビトのあげばりを設(もう)けた。その柱(はしら)は三つ、その座(ざ)も三つ。 16庭(にわ)の周囲(しゅうい)のあげばりはみな亜麻(あま)の撚糸(ねんし)である。 17柱(はしら)の座(ざ)は青銅(せいどう)、柱(はしら)の鉤(こま)と桁(けた)とは銀(ぎん)、柱(はしら)の頭(あたま)のおおいも銀(ぎん)である。庭(にわ)の柱(はしら)はみな銀(ぎん)の桁(けた)で連(つら)ねた。 18庭(にわ)の門(もん)のとばりは青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、亜麻(あま)の撚糸(ねんし)で、色(いろ)とりどりに織(お)ったものであった。長(なが)さは二十キュビト、幅(はば)なる高(たか)さは五キュビトで、庭(にわ)のあげばりと等(ひと)しかった。 19その柱(はしら)は四つ、その座(ざ)も四つで、ともに青銅(せいどう)。その鉤(こま)は銀(ぎん)、柱(はしら)の頭(あたま)のおおいと桁(けた)は銀(ぎん)である。 20ただし、幕屋(まくや)および、その周囲(しゅうい)の庭(にわ)の釘(くぎ)はみな青銅(せいどう)であった。

21幕屋(まくや)、すなわちあかしの幕屋(まくや)に用(もち)いた物(もの)の総計(そうけい)は次(つぎ)のとおりである。すなわちモーセの命(いのち)に従(したが)い、祭司(さいし)アロンの子(こ)イタマルがレビびとを用(もち)いて量(はか)ったものである。 22ユダの部族(ぶぞく)に属(ぞく)するホルの子(こ)なるウリの子(こ)ベザレルは、主(しゅ)がモーセに命(めい)じられた事(こと)をことごとくした。 23ダンの部族(ぶぞく)に属(ぞく)するアヒサマクの子(こ)アホリアブは彼(かれ)と共(とも)にあって彫刻(ちょうこく)、浮(う)き織(おり)をなし、また青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、亜麻(あま)糸(いと)で、縫取(ぬいと)りをする者(もの)であった。

24聖所(せいじょ)のもろもろの工作(こうさく)に用(もち)いたすべての金(きん)、すなわち、ささげ物(もの)なる金(きん)は聖所(せいじょ)のシケルで、二十九タラント七百三十シケルであった。 25会衆(かいしゅう)のうちの数(かぞ)えられた者(もの)のささげた銀(ぎん)は聖所(せいじょ)のシケルで、百タラント千七百七十五シケルであった。 26これはひとり当(あた)り一ベカ、すなわち聖所(せいじょ)のシケルの半(はん)シケルであって、すべて二十歳(さい)以上(いじょう)で数(かぞ)えられた者(もの)が六十万三千五百五十人(にん)であったからである。 27聖所(せいじょ)の座(ざ)と垂幕(たれまく)の座(ざ)とを鋳(い)るために用(もち)いた銀(ぎん)は百タラントであった。すなわち百座(ざ)につき百タラント、一座(ざ)につき一タラントである。 28また千七百七十五シケルで柱(はしら)の鉤(こま)を造(つく)り、また柱(はしら)の頭(あたま)をおおい、柱(はしら)のために桁(けた)を造(つく)った。 29ささげ物(もの)なる青銅(せいどう)は七十タラント二千四百シケルであった。 30これを用(もち)いて会見(かいけん)の幕屋(まくや)の入口(いりぐち)の座(ざ)、青銅(せいどう)の祭壇(さいだん)と、それにつく青銅(せいどう)の格子(こうし)、および祭壇(さいだん)のもろもろの器(うつわ)を造(つく)った。 31また庭(にわ)の周囲(しゅうい)の座(ざ)、庭(にわ)の門(もん)の座(ざ)、および幕屋(まくや)のもろもろの釘(くぎ)と、庭(にわ)の周囲(しゅうい)のもろもろの釘(くぎ)を造(つく)った。

第三九章

1彼(かれ)らは青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)で、聖所(せいじょ)の務(つとめ)のための編物(あみもの)の服(ふく)を作(つく)った。またアロンのために聖(せい)なる服(ふく)を作(つく)った。主(しゅ)がモーセに命(めい)じられたとおりである。

2また金糸(きんし)、青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、亜麻(あま)の撚糸(ねんし)でエポデを作(つく)った。 3また金(きん)を打(う)ち延(の)べて板(いた)とし、これを切(き)って糸(いと)とし、青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、亜麻(あま)の撚糸(ねんし)に交(まじ)えて、巧(たく)みな細工(さいく)とした。 4また、これがために肩(かた)ひもを作(つく)ってこれにつけ、その両端(りょうはし)でこれにつけた。 5エポデの上(うえ)で、これをつかねる帯(おび)は、同(おな)じきれで、同(おな)じように、金糸(きんし)、青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、亜麻(あま)の撚糸(ねんし)で作(つく)った。主(しゅ)がモーセに命(めい)じられたとおりである。

6また、縞(しま)めのうを細工(さいく)して、金糸(きんし)の編(あみ)細工(ざいく)にはめ、これに印(いん)を彫刻(ちょうこく)するように、イスラエルの子(こ)たちの名(な)を刻(きざ)み、 7これをエポデの肩(かた)ひもにつけて、イスラエルの子(こ)たちの記念(きねん)の石(いし)とした。主(しゅ)がモーセに命(めい)じられたとおりである。

8また胸当(むねあて)を巧(たく)みなわざをもって、エポデの作(つく)りのように作(つく)った。すなわち金糸(きんし)、青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、亜麻(あま)の撚糸(ねんし)で作(つく)った。 9胸当(むねあて)は二つに折(お)って四角(かく)にした。すなわち二つに折(お)って、長(なが)さを一指(ゆび)当(あた)りとし、幅(はば)も一指(ゆび)当(あた)りとした。 10その中(なか)に宝石(ほうせき)四列(れつ)をはめた。すなわち、紅(こう)玉髄(ぎょくずい)、貴(き)かんらん石(いし)、水晶(すいしょう)の列(れつ)を第(だい)一列(れつ)とし、 11第(だい)二列(れつ)は、ざくろ石(いし)、るり、赤(あか)縞(しま)めのう、 12第(だい)三列(れつ)は黄(き)水晶(すいしょう)、めのう、紫(むらさき)水晶(すいしょう)、 13第(だい)四列(れつ)は黄(き)碧玉(へきぎょく)、縞(しま)めのう、碧玉(へきぎょく)であって、これらを金(きん)の編(あみ)細工(ざいく)の中(なか)にはめ込(こ)んだ。 14その宝石(ほうせき)はイスラエルの子(こ)たちの名(な)にしたがい、その名(な)と等(ひと)しく十二とし、おのおの印(いん)の彫刻(ちょうこく)のように、十二部族(ぶぞく)のためにその名(な)を刻(きざ)んだ。 15またひも細工(ざいく)にねじた純金(じゅんきん)のくさりを胸当(むねあて)につけた。 16また金(きん)の二つの編(あみ)細工(ざいく)と、二つの金(きん)の環(かん)とを作(つく)り、その二つの環(かん)を胸当(むねあて)の両端(りょうはし)につけた。 17かの二筋(すじ)の金(きん)のひもを胸当(むねあて)の端(はし)の二つの環(かん)につけた。 18ただし、その二筋(すじ)のひもの他(た)の両端(りょうはし)を、かの二つの編(あみ)細工(ざいく)につけ、エポデの肩(かた)ひもにつけて前(まえ)にくるようにした。 19また二つの金(きん)の環(かん)を作(つく)って、これを胸当(むねあて)の両端(りょうはし)につけた。すなわちエポデに接(せっ)する内側(うちがわ)の縁(ふち)にこれをつけた。 20また金(きん)の環(かん)二つを作(つく)って、これをエポデの二つの肩(かた)ひもの下(した)の部分(ぶぶん)につけ、前(まえ)の方(ほう)で、そのつなぎ目(め)に近(ちか)く、エポデの帯(おび)の上(うえ)の方(ほう)にくるようにした。 21胸当(むねあて)は青(あお)ひもをもって、その環(かん)をエポデの環(かん)に結(むす)びつけ、エポデの帯(おび)の上(うえ)の方(ほう)にくるようにした。こうして、胸当(むねあて)がエポデから離(はな)れないようにした。主(しゅ)がモーセに命(めい)じられたとおりである。

22またエポデに属(ぞく)する上服(うわふく)は、すべて青地(あおじ)の織物(おりもの)で作(つく)った。 23上服(うわふく)の口(くち)はそのまん中(なか)にあって、その口(くち)の周囲(しゅうい)には、よろいのえりのように縁(ふち)をつけて、ほころびないようにした。 24上服(うわふく)のすそには青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)、亜麻(あま)の撚糸(ねんし)で、ざくろを作(つく)りつけ、 25また純金(じゅんきん)で鈴(すず)を作(つく)り、その鈴(すず)を上服(うわふく)のすその周囲(しゅうい)の、ざくろとざくろとの間(あいだ)につけた。 26すなわち鈴(すず)にざくろ、鈴(すず)にざくろと、務(つとめ)の上服(うわふく)のすその周囲(しゅうい)につけた。主(しゅ)がモーセに命(めい)じられたとおりである。

27またアロンとその子(こ)たちのために、亜麻(あま)糸(いと)で織(お)った下(した)服(ふく)を作(つく)り、 28亜麻(あま)布(ぬの)で帽子(ぼうし)を作(つく)り、亜麻(あま)布(ぬの)で麗(うるわ)しい頭(とう)布(ぬの)を作(つく)り、亜麻(あま)の撚糸(ねんし)の布(ぬの)で、下(した)ばきを作(つく)り、 29亜麻(あま)の撚糸(ねんし)および青(あお)糸(いと)、紫(むらさき)糸(いと)、緋(ひ)糸(いと)で、色(いろ)とりどりに織(お)った帯(おび)を作(つく)った。主(しゅ)がモーセに命(めい)じられたとおりである。

30また純金(じゅんきん)をもって、聖(せい)なる冠(かんむり)の前(まえ)板(いた)を作(つく)り、印(いん)の彫刻(ちょうこく)のように、その上(うえ)に「主(しゅ)に聖(せい)なる者(もの)」という文字(もじ)を書(か)き、 31これに青(あお)ひもをつけて、それを帽子(ぼうし)の上(うえ)に結(むす)びつけた。主(しゅ)がモーセに命(めい)じられたとおりである。

32こうして会見(かいけん)の天幕(てんまく)なる幕屋(まくや)の、もろもろの工事(こうじ)が終(おわ)った。イスラエルの人々(ひとびと)はすべて主(しゅ)がモーセに命(めい)じられたようにおこなった。 33彼(かれ)らは幕屋(まくや)と天幕(てんまく)およびそのもろもろの器(うつわ)をモーセのもとに携(たずさ)えてきた。すなわち、その鉤(こま)、その枠(わく)、その横木(よこぎ)、その柱(はしら)、その座(ざ)、 34あかね染(ぞ)めの雄羊(おひつじ)の皮(かわ)のおおい、じゅごんの皮(かわ)のおおい、隔(へだ)ての垂幕(たれまく)、 35あかしの箱(はこ)と、そのさお、贖罪所(しょくざいしょ)、 36机(つくえ)と、そのもろもろの器(うつわ)、供(そな)えのパン、 37純金(じゅんきん)の燭台(しょくだい)と、そのともしび皿(ざら)、すなわち列(れつ)に並(なら)べるともしび皿(ざら)と、そのもろもろの器(うつわ)、およびそのともし油(あぶら)、 38金(きん)の祭壇(さいだん)、注(そそ)ぎ油(あぶら)、香(こう)ばしい薫香(くんこう)、幕屋(まくや)の入口(いりぐち)のとばり、 39青銅(せいどう)の祭壇(さいだん)、その青銅(せいどう)の格子(こうし)と、そのさお、およびそのもろもろの器(うつわ)、洗盤(せんばん)とその台(だい)、 40庭(にわ)のあげばり、その柱(はしら)とその座(ざ)、庭(にわ)の門(もん)のとばり、そのひもとその釘(くぎ)、また会見(かいけん)の天幕(てんまく)の幕屋(まくや)に用(もち)いるもろもろの器(うつわ)、 41聖所(せいじょ)で務(つとめ)をなす編物(あみもの)の服(ふく)、すなわち祭司(さいし)の務(つとめ)をなすための祭司(さいし)アロンの聖(せい)なる服(ふく)およびその子(こ)たちの服(ふく)。 42イスラエルの人々(ひとびと)は、すべて主(しゅ)がモーセに命(めい)じられたように、そのすべての工事(こうじ)をした。 43モーセがそのすべての工事(こうじ)を見(み)ると、彼(かれ)らは主(しゅ)が命(めい)じられたとおりに、それをなしとげていたので、モーセは彼(かれ)らを祝福(しゅくふく)した。

第四〇章

1主(しゅ)はモーセに言(い)われた。 2「正月(しょうがつ)の元日(がんじつ)にあなたは会見(かいけん)の天幕(てんまく)なる幕屋(まくや)を建(た)てなければならない。 3そして、その中(なか)にあかしの箱(はこ)を置(お)き、垂幕(たれまく)で、箱(はこ)を隔(へだ)て隠(かく)し、 4また、机(つくえ)を携(たずさ)え入(い)れ、それに並(なら)べるものを並(なら)べ、燭台(しょくだい)を携(たずさ)え入(い)れて、そのともしびをともさなければならない。 5あなたはまた金(きん)の香(こう)の祭壇(さいだん)を、あかしの箱(はこ)の前(まえ)にすえ、とばりを幕屋(まくや)の入口(いりぐち)にかけなければならない。 6また燔祭(はんさい)の祭壇(さいだん)を会見(かいけん)の天幕(てんまく)なる幕屋(まくや)の入口(いりぐち)の前(まえ)にすえ、 7洗盤(せんばん)を会見(かいけん)の天幕(てんまく)と祭壇(さいだん)との間(あいだ)にすえて、これに水(みず)を入(い)れなければならない。 8また周囲(しゅうい)に庭(にわ)を設(もう)け、庭(にわ)の門(もん)にとばりをかけなければならない。 9そして注(そそ)ぎ油(あぶら)をとって、幕屋(まくや)とその中(なか)のすべてのものに注(そそ)ぎ、それとそのもろもろの器(うつわ)とを聖別(せいべつ)しなければならない、こうして、それは聖(せい)となるであろう。 10あなたはまた燔祭(はんさい)の祭壇(さいだん)と、そのすべての器(うつわ)に油(あぶら)を注(そそ)いで、その祭壇(さいだん)を聖別(せいべつ)しなければならない。こうして祭壇(さいだん)は、いと聖(せい)なるものとなるであろう。 11また洗盤(せんばん)と、その台(だい)とに油(あぶら)を注(そそ)いで、これを聖別(せいべつ)し、 12アロンとその子(こ)たちを会見(かいけん)の幕屋(まくや)の入口(いりぐち)に連(つ)れてきて、水(みず)で彼(かれ)らを洗(あら)い、 13アロンに聖(せい)なる服(ふく)を着(き)せ、これに油(あぶら)を注(そそ)いで聖別(せいべつ)し、祭司(さいし)の務(つとめ)をさせなければならない。 14また彼(かれ)の子(こ)たちを連(つ)れてきて、これに服(ふく)を着(き)せ、 15その父(ちち)に油(あぶら)を注(そそ)いだように、彼(かれ)らにも油(あぶら)を注(そそ)いで、祭司(さいし)の務(つとめ)をさせなければならない。彼(かれ)らが油(あぶら)そそがれることは、代々(よよ)ながく祭司(さいし)職(しょく)のためになすべきことである」。

16モーセはそのように行(おこな)った。すなわち主(しゅ)が彼(かれ)に命(めい)じられたように行(おこな)った。 17第(だい)二年(ねん)の正月(しょうがつ)になって、その月(つき)の元日(がんじつ)に幕屋(まくや)は建(た)った。 18すなわちモーセは幕屋(まくや)を建(た)て、その座(ざ)をすえ、その枠(わく)を立(た)て、その横木(よこぎ)をさし込(こ)み、その柱(はしら)を立(た)て、 19幕屋(まくや)の上(うえ)に天幕(てんまく)をひろげ、その上(うえ)に天幕(てんまく)のおおいをかけた。主(しゅ)がモーセに命(めい)じられたとおりである。 20彼(かれ)はまたあかしの板(いた)をとって箱(はこ)に納(おさ)め、さおを箱(はこ)につけ、贖罪所(しょくざいしょ)を箱(はこ)の上(うえ)に置(お)き、 21箱(はこ)を幕屋(まくや)に携(たずさ)え入(い)れ、隔(へだ)ての垂幕(たれまく)をかけて、あかしの箱(はこ)を隠(かく)した。主(しゅ)がモーセに命(めい)じられたとおりである。 22彼(かれ)はまた会見(かいけん)の天幕(てんまく)なる幕屋(まくや)の内部(ないぶ)の北側(きたがわ)、垂幕(たれまく)の外(そと)に机(つくえ)をすえ、 23その上(うえ)にパンを列(れつ)に並(なら)べて、主(しゅ)の前(まえ)に供(そな)えた。主(しゅ)がモーセに命(めい)じられたとおりである。 24彼(かれ)はまた会見(かいけん)の天幕(てんまく)なる幕屋(まくや)の内部(ないぶ)の南側(みなみがわ)に、机(つくえ)にむかい合(あ)わせて燭台(しょくだい)をすえ、 25主(しゅ)の前(まえ)にともしびをともした。主(しゅ)がモーセに命(めい)じられたとおりである。 26彼(かれ)は会見(かいけん)の幕屋(まくや)の中(なか)、垂幕(たれまく)の前(まえ)に金(きん)の祭壇(さいだん)をすえ、 27その上(うえ)に香(こう)ばしい薫香(くんこう)をたいた。主(しゅ)がモーセに命(めい)じられたとおりである。 28彼(かれ)はまた幕屋(まくや)の入口(いりぐち)にとばりをかけ、 29燔祭(はんさい)の祭壇(さいだん)を会見(かいけん)の天幕(てんまく)なる幕屋(まくや)の入口(いりぐち)にすえ、その上(うえ)に燔祭(はんさい)と素祭(そさい)をささげた。主(しゅ)がモーセに命(めい)じられたとおりである。 30彼(かれ)はまた会見(かいけん)の天幕(てんまく)と祭壇(さいだん)との間(あいだ)に洗盤(せんばん)を置(お)き、洗(あら)うためにそれに水(みず)を入(い)れた。 31モーセとアロンおよびその子(こ)たちは、それで手(て)と足(あし)を洗(あら)った。 32すなわち会見(かいけん)の天幕(てんまく)にはいるとき、また祭壇(さいだん)に近(ちか)づくとき、そこで洗(あら)った。主(しゅ)がモーセに命(めい)じられたとおりである。 33また幕屋(まくや)と祭壇(さいだん)の周囲(しゅうい)に庭(にわ)を設(もう)け、庭(にわ)の門(もん)にとばりをかけた。このようにしてモーセはその工事(こうじ)を終(お)えた。

34そのとき、雲(くも)は会見(かいけん)の天幕(てんまく)をおおい、主(しゅ)の栄光(えいこう)が幕屋(まくや)に満(み)ちた。 35モーセは会見(かいけん)の幕屋(まくや)に、はいることができなかった。雲(くも)がその上(うえ)にとどまり、主(しゅ)の栄光(えいこう)が幕屋(まくや)に満(み)ちていたからである。 36雲(くも)が幕屋(まくや)の上(うえ)からのぼる時(とき)、イスラエルの人々(ひとびと)は道(みち)に進(すす)んだ。彼(かれ)らはその旅路(たびじ)において常(つね)にそうした。 37しかし、雲(くも)がのぼらない時(とき)は、そののぼる日(ひ)まで道(みち)に進(すす)まなかった。 38すなわちイスラエルの家(いえ)のすべての者(もの)の前(まえ)に、昼(ひる)は幕屋(まくや)の上(うえ)に主(しゅ)の雲(くも)があり、夜(よる)は雲(くも)の中(なか)に火(ひ)があった。彼(かれ)らの旅路(たびじ)において常(つね)にそうであった。