ホセア書

第一章

1ユダヤの王(おう)ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの世(よ)、イスラエルの王(おう)ヨアシの子(こ)ヤラベアムの世(よ)に、ベエリの子(こ)ホセアに臨(のぞ)んだ主(しゅ)の言葉(ことば)。

2主(しゅ)が最初(さいしょ)ホセアによって語(かた)られた時(とき)、主(しゅ)はホセアに言(い)われた、「行(い)って、淫行(いんこう)の妻(つま)と、淫行(いんこう)によって生(うま)れた子(こ)らを受(う)けいれよ。この国(くに)は主(しゅ)にそむいて、はなはだしい淫行(いんこう)をなしているからである」。 3そこで彼(かれ)は行(い)ってデブライムの娘(むすめ)ゴメルをめとった。彼女(かのじょ)はみごもって男(おとこ)の子(こ)を産(う)んだ。

4主(しゅ)はまた彼(かれ)に言(い)われた、「あなたはその子(こ)の名(な)をエズレルと名(な)づけよ。しばらくしてわたしはエズレルの血(ち)のためにエヒウの家(いえ)を罰(ばっ)し、イスラエルの家(いえ)の国(くに)を滅(ほろ)ぼすからである。 5その日(ひ)、わたしはエズレルの谷(たに)でイスラエルの弓(ゆみ)を折(お)る」と。

6ゴメルはまたみごもって女(おんな)の子(こ)を産(う)んだ。主(しゅ)はホセアに言(い)われた、「あなたはその名(な)をロルハマと名(な)づけよ。わたしはもはやイスラエルの家(いえ)をあわれまず、決(けっ)してこれをゆるさないからである。 7しかし、わたしはユダの家(いえ)をあわれみ、その神(かみ)、主(しゅ)によってこれを救(すく)う。わたしは弓(ゆみ)、つるぎ、戦争(せんそう)、馬(うま)および騎兵(きへい)によって救(すく)うのではない」と。

8ゴメルはロルハマを乳離(ちばな)れさせたとき、またみごもって男(おとこ)の子(こ)を産(う)んだ。 9主(しゅ)は言(い)われた、「その子(こ)の名(な)をロアンミと名(な)づけよ。あなたがたは、わたしの民(たみ)ではなく、わたしは、あなたがたの神(かみ)ではないからである」。

10しかしイスラエルの人々(ひとびと)の数(かず)は海(うみ)の砂(すな)のように量(はか)ることも、数(かぞ)えることもできないほどになって、さきに彼(かれ)らが「あなたがたは、わたしの民(たみ)ではない」と言(い)われたその所(ところ)で、「あなたがたは生(い)ける神(かみ)の子(こ)である」と言(い)われるようになる。 11そしてユダの人々(ひとびと)とイスラエルの人々(ひとびと)は共(とも)に集(あつ)まり、ひとりの長(ちょう)を立(た)てて、その地(ち)からのぼって来(く)る。エズレルの日(ひ)は大(おお)いなるものとなる。

第二章

1あなたがたの兄弟(きょうだい)に向(む)かっては「アンミ(わが民(たみ))」と言(い)い、あなたがたの姉妹(しまい)に向(む)かっては「ルハマ(あわれまれる者(もの))」と言(い)え。
2「あなたがたの母(はは)とあげつらえ、あげつらえ――
彼女(かのじょ)はわたしの妻(つま)ではない、
わたしは彼女(かのじょ)の夫(おっと)ではない――
そして彼女(かのじょ)にその顔(かお)から淫行(いんこう)を除(のぞ)かせ、
その乳(ち)ぶさの間(あいだ)から姦淫(かんいん)を除(のぞ)かせよ。
3そうでなければ、
わたしは彼女(かのじょ)の着物(きもの)をはいで裸(はだか)にし、
その生(うま)れ出(で)た日(ひ)のようにし、
また荒野(あらの)のようにし、
かわききった地(ち)のようにし、
かわきによって彼女(かのじょ)を殺(ころ)す。
4わたしはその子(こ)らをあわれまない、
彼(かれ)らは淫行(いんこう)の子(こ)らだからである。
5彼(かれ)らの母(はは)は淫行(いんこう)をなし、
彼(かれ)らをはらんだ彼女(かのじょ)は恥(は)ずべきことを行(おこな)った。
彼女(かのじょ)は言(い)った、
『わたしはわが恋人(こいびと)たちについて行(い)こう。
彼(かれ)らはパンと水(みず)と羊(ひつじ)の毛(け)と麻(あさ)と油(あぶら)と飲(の)み物(もの)とを、
わたしに与(あた)える者(もの)である』と。
6それゆえ、わたしはいばらで彼女(かのじょ)の道(みち)をふさぎ、
かきをたてて、彼女(かのじょ)には
その道(みち)がわからないようにする。
7彼女(かのじょ)はその恋人(こいびと)たちのあとを慕(した)って行(い)く、
しかし彼(かれ)らに追(お)いつくことはない。
彼(かれ)らを尋(たず)ねる、しかし見(み)いだすことはない。
そこで彼女(かのじょ)は言(い)う、
『わたしは行(い)って、さきの夫(おっと)に帰(かえ)ろう。
あの時(とき)は今(いま)よりもわたしによかったから』と。
8彼女(かのじょ)に穀物(こくもつ)と酒(さけ)と油(あぶら)とを与(あた)えた者(もの)、
またバアルのために用(もち)いた銀(ぎん)と金(きん)とを
多(おお)く彼女(かのじょ)に与(あた)えた者(もの)は、
わたしであったことを彼女(かのじょ)は知(し)らなかった。
9それゆえ、わたしは穀物(こくもつ)をその時(とき)になって奪(うば)い、
ぶどう酒(しゅ)をその季節(きせつ)になって奪(うば)い、
また彼女(かのじょ)の裸(はだか)をおおうために用(もち)いる
羊(ひつじ)の毛(け)と麻(あさ)とを奪(うば)い取(と)る。
10わたしは今(いま)、彼女(かのじょ)のみだらなことを
その恋人(こいびと)たちの目(め)の前(まえ)にあらわす。
だれも彼女(かのじょ)をわたしの手(て)から救(すく)う者(もの)はない。
11わたしは彼女(かのじょ)のすべての楽(たの)しみ、
すなわち祝(いわい)、新月(しんげつ)、安息日(あんそくにち)、
すべての祭(まつり)をやめさせる。
12わたしはまた彼女(かのじょ)が先(さき)に『これはわたしの恋人(こいびと)らが、わたしに与(あた)えた報酬(ほうしゅう)だ』と言(い)った彼女(かのじょ)の
ぶどうの木(き)と、いちじくの木(き)とを荒(あら)し、
これを林(はやし)とし、
野(の)の獣(けもの)にこれを食(く)わせる。
13また彼女(かのじょ)が耳輪(みみわ)と宝石(ほうせき)で身(み)を飾(かざ)り、
その恋人(こいびと)たちを慕(した)って行(い)って、わたしを忘(わす)れ、
香(こう)をたいて仕(つか)えたバアルの祭(まつり)の日(ひ)のために、
わたしは彼女(かのじょ)を罰(ばっ)すると主(しゅ)は言(い)われる。

14それゆえ、見(み)よ、わたしは彼女(かのじょ)をいざなって、
荒野(あらの)に導(みちび)いて行(い)き、ねんごろに彼女(かのじょ)に語(かた)ろう。
15その所(ところ)でわたしは彼女(かのじょ)にそのぶどう畑(ばたけ)を与(あた)え、
アコルの谷(たに)を望(のぞ)みの門(もん)として与(あた)える。
その所(ところ)で彼女(かのじょ)は若(わか)かった日(ひ)のように、
エジプトの国(くに)からのぼって来(き)た時(とき)のように、
答(こた)えるであろう。

16主(しゅ)は言(い)われる、その日(ひ)には、あなたはわたしを『わが夫(おっと)』と呼(よ)び、もはや『わがバアル』とは呼(よ)ばない。 17わたしはもろもろのバアルの名(な)を彼女(かのじょ)の口(くち)から取(と)り除(のぞ)き、重(かさ)ねてその名(な)をとなえることのないようにする。 18その日(ひ)には、わたしはまたあなたのために野(の)の獣(けもの)、空(そら)の鳥(とり)および地(ち)の這(は)うものと契約(けいやく)を結(むす)び、また弓(ゆみ)と、つるぎと、戦争(せんそう)とを地(ち)から断(た)って、あなたを安(やす)らかに伏(ふ)させる。 19またわたしは永遠(えいえん)にあなたとちぎりを結(むす)ぶ。すなわち正義(せいぎ)と、公平(こうへい)と、いつくしみと、あわれみとをもってちぎりを結(むす)ぶ。 20わたしは真実(しんじつ)をもって、あなたとちぎりを結(むす)ぶ。そしてあなたは主(しゅ)を知(し)るであろう。
21主(しゅ)は言(い)われる、
その日(ひ)わたしは天(てん)に答(こた)え、
天(てん)は地(ち)に答(こた)える。
22地(ち)は穀物(こくもつ)と酒(さけ)と油(あぶら)とに答(こた)え、
またこれらのものはエズレルに答(こた)える。
23わたしはわたしのために彼(かれ)を地(ち)にまき、
あわれまれぬ者(もの)をあわれみ、
わたしの民(たみ)でない者(もの)に向(む)かって、
『あなたはわたしの民(たみ)である』と言(い)い、
彼(かれ)は『あなたはわたしの神(かみ)である』と言(い)う」。

第三章

1主(しゅ)はわたしに言(い)われた、「あなたは再(ふたた)び行(い)って、イスラエルの人々(ひとびと)が他(た)の神々(かみがみ)に転(てん)じて、干(ほし)ぶどうの菓子(かし)を愛(あい)するにもかかわらず、主(しゅ)がこれを愛(あい)せられるように、姦夫(かんぷ)に愛(あい)せられる女(おんな)、姦淫(かんいん)を行(おこな)う女(おんな)を愛(あい)せよ」と。 2そこでわたしは銀(ぎん)十五シケルと大麦(おおむぎ)一ホメル半(はん)とをもって彼女(かのじょ)を買(か)い取(と)った。 3わたしは彼女(かのじょ)に言(い)った、「あなたは長(なが)くわたしの所(ところ)にとどまって、淫行(いんこう)をなさず、また他(た)の人(ひと)のものとなってはならない。わたしもまた、あなたにそうしよう」と。 4イスラエルの子(こ)らは多(おお)くの日(ひ)の間(あいだ)、王(おう)なく、君(きみ)なく、犠牲(ぎせい)なく、柱(はしら)なく、エポデおよびテラピムもなく過(す)ごす。 5そしてその後(のち)イスラエルの子(こ)らは帰(かえ)って来(き)て、その神(かみ)、主(しゅ)と、その王(おう)ダビデとをたずね求(もと)め、終(おわ)りの日(ひ)におののいて、主(しゅ)とその恵(めぐ)みに向(む)かって来(く)る。

第四章


1イスラエルの人々(ひとびと)よ、
主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)け。
主(しゅ)はこの地(ち)に住(す)む者(もの)と争(あらそ)われる。
この地(ち)には真実(しんじつ)がなく、愛情(あいじょう)がなく、
また神(かみ)を知(し)ることもないからである。
2ただのろいと、偽(いつわ)りと、人殺(ひとごろ)しと、
盗(ぬす)みと、姦淫(かんいん)することのみで、
人々(ひとびと)は皆(みな)荒(あ)れ狂(くる)い、
殺害(さつがい)に殺害(さつがい)が続(つづ)いている。
3それゆえ、この地(ち)は嘆(なげ)き、これに住(す)む者(もの)はみな、
野(の)の獣(けもの)も空(そら)の鳥(とり)も共(とも)に衰(おとろ)え、
海(うみ)の魚(うお)さえも絶(た)えはてる。

4しかし、だれも争(あらそ)ってはならない、
責(せ)めてはならない。
祭司(さいし)よ。わたしの争(あらそ)うのは、あなたと争(あらそ)うのだ。
5あなたは昼(ひる)つまずき、
預言者(よげんしゃ)もまたあなたと共(とも)に夜(よる)つまずく。
わたしはあなたの母(はは)を滅(ほろ)ぼす。
6わたしの民(たみ)は知識(ちしき)がないために滅(ほろ)ぼされる。
あなたは知識(ちしき)を捨(す)てたゆえに、
わたしもあなたを捨(す)てて、わたしの祭司(さいし)としない。
あなたはあなたの神(かみ)の律法(りっぽう)を忘(わす)れたゆえに、
わたしもまたあなたの子(こ)らを忘(わす)れる。

7彼(かれ)らは大(おお)きくなるにしたがって、
ますますわたしに罪(つみ)を犯(おか)したゆえ、
わたしは彼(かれ)らの栄(さか)えを恥(はじ)に変(か)える。
8彼(かれ)らはわが民(たみ)の罪(つみ)を食(く)いものにし、
その罪(つみ)を犯(おか)すことをせつに願(ねが)っている。
9それゆえ祭司(さいし)も民(たみ)と同(おな)じようになる。
わたしはそのわざのために彼(かれ)らを罰(ばっ)し、
そのおこないのために彼(かれ)らに報(むく)いる。
10彼(かれ)らは食(た)べても飽(あ)くことなく、
淫行(いんこう)をなしてもその数(かず)を増(ま)すことがない。
彼(かれ)らは主(しゅ)を捨(す)てて、淫行(いんこう)を愛(あい)したからである。

11酒(さけ)と新(あたら)しい酒(さけ)とは思慮(しりょ)を奪(うば)う。
12わが民(たみ)は木(き)に向(む)かって事(こと)を尋(たず)ねる。
またそのつえは彼(かれ)らに事(こと)を示(しめ)す。
これは淫行(いんこう)の霊(れい)が彼(かれ)らを迷(まよ)わしたからである。
彼(かれ)らはその神(かみ)を捨(す)てて淫行(いんこう)をなした。
13彼(かれ)らは山々(やまやま)の頂(いただき)で犠牲(ぎせい)をささげ、
丘(おか)の上(うえ)、かしの木(き)、柳(やなぎ)の木(き)、
テレビンの木(き)の下(した)で供(そな)え物(もの)をささげる。
これはその木陰(こかげ)がここちよいためである。
それゆえ、あなたがたの娘(むすめ)は淫行(いんこう)をなし、
あなたがたの嫁(よめ)は姦淫(かんいん)を行(おこな)う。
14わたしはあなたがたの娘(むすめ)が淫行(いんこう)をしても罰(ばっ)しない。
またあなたがたの嫁(よめ)が姦淫(かんいん)を行(おこな)っても罰(ばっ)しない。
男(おとこ)たちみずから遊女(ゆうじょ)と共(とも)に離(はな)れ去(さ)り、
宮(みや)の遊女(ゆうじょ)と共(とも)に犠牲(ぎせい)をささげているからである。
悟(さと)りのない民(たみ)は滅(ほろ)びる。

15イスラエルよ、あなたは淫行(いんこう)をなしても、
ユダに罪(つみ)を犯(おか)させてはならない。
ギルガルへ行(い)ってはならない。
ベテアベンにのぼってはならない。
また「主(しゅ)は生(い)きておられる」と言(い)って
誓(ちか)ってはならない。
16イスラエルは強情(ごうじょう)な雌牛(めうし)のように強情(ごうじょう)である。
今(いま)、主(しゅ)は小羊(こひつじ)を広(ひろ)い野(の)に放(はな)つようにして、
彼(かれ)らを養(やしな)うことができようか。

17エフライムは偶像(ぐうぞう)に結(むす)びつらなった。
そのなすにまかせよ。
18彼(かれ)らは酒宴(しゅえん)のとりことなり、
淫行(いんこう)にふけっている。
彼(かれ)らはその光栄(こうえい)よりも恥(はじ)を愛(あい)する。
19風(かぜ)はその翼(つばさ)に彼(かれ)らを包(つつ)んだ。
彼(かれ)らはその祭壇(さいだん)のゆえに恥(はじ)を受(う)ける。

第五章


1祭司(さいし)たちよ、これを聞(き)け、
イスラエルの家(いえ)よ、心(こころ)をとめよ、
王(おう)の家(いえ)よ、耳(みみ)を傾(かたむ)けよ、
さばきはあなたがたに臨(のぞ)む。
あなたがたはミヅパにわなを設(もう)け、
タボルの上(うえ)に網(あみ)を張(は)ったからだ。
2彼(かれ)らはシッテムの穴(あな)を深(ふか)くしたが、
わたしは彼(かれ)らをことごとく懲(こ)らしめる。

3わたしはエフライムを知(し)っている。
イスラエルはわたしに隠(かく)れることがない。
エフライムよ、あなたは今(いま)淫行(いんこう)をなし、
イスラエルは汚(けが)された。
4彼(かれ)らのおこないは彼(かれ)らを神(かみ)に帰(かえ)らせない。
それは淫行(いんこう)の霊(れい)が彼(かれ)らのうちにあって、
主(しゅ)を知(し)ることができないからだ。

5イスラエルの誇(ほこり)はその顔(かお)に向(む)かって証言(しょうげん)している。
エフライムはその不義(ふぎ)によってつまずき、
ユダもまた彼(かれ)らと共(とも)につまずく。
6彼(かれ)らは羊(ひつじ)の群(む)れ、牛(うし)の群(む)れを携(たずさ)えて行(い)って、
主(しゅ)を求(もと)めても、主(しゅ)に会(あ)うことはない。
主(しゅ)は彼(かれ)らから離(はな)れ去(さ)られた。
7彼(かれ)らは主(しゅ)にむかって貞操(ていそう)を守(まも)らず、
ほかの者(もの)の子(こ)を産(う)んだ。
新月(しんげつ)は彼(かれ)らをその田畑(たはた)と共(とも)に滅(ほろ)ぼす。

8ギベアで角笛(つのぶえ)を吹(ふ)き、
ラマでラッパを鳴(な)らし、
ベテアベンで呼(よ)ばわり叫(さけ)べ。
ベニヤミンよ、おののけ。
9エフライムは刑罰(けいばつ)の日(ひ)に荒(あ)れすたれる。
わたしはイスラエルの部族(ぶぞく)のうちに、
必(かなら)ず起(おこ)るべき事(こと)を知(し)らせる。
10ユダの君(きみ)たちは境(さかい)を移(うつ)す者(もの)のようになった。
わたしはわが怒(いか)りを水(みず)のように彼(かれ)らの上(うえ)に注(そそ)ぐ。
11エフライムは甘(あま)んじて、
むなしいものに従(したが)って歩(あゆ)んだゆえ、
さばきを受(う)けて、しえたげられ、打(う)ちひしがれる。
12それゆえ、わたしはエフライムには、しみのように、
ユダの家(いえ)には腐(くさ)れのようになる。

13エフライムはおのれの病(やまい)を見(み)、
ユダはおのれの傷(きず)を見(み)たとき、
エフライムはアッスリヤに行(い)き、
大王(だいおう)に人(ひと)をつかわした。
しかし彼(かれ)はあなたがたをいやすことができない。
また、あなたがたの傷(きず)をなおすことができない。
14わたしはエフライムに対(たい)しては、ししのようになり、
ユダの家(いえ)に対(たい)しては若(わか)きししのようになる。
わたしは、わたしこそ、かき裂(さ)いて去(さ)り、
かすめて行(い)くが、だれも救(すく)う者(もの)はない。

15わたしは彼(かれ)らがその罪(つみ)を認(みと)めて、
わが顔(かお)をたずね求(もと)めるまで、
わたしの所(ところ)に帰(かえ)っていよう。
彼(かれ)らは悩(なや)みによって、わたしを尋(たず)ね求(もと)めて言(い)う、

第六章


1「さあ、わたしたちは主(しゅ)に帰(かえ)ろう。
主(しゅ)はわたしたちをかき裂(さ)かれたが、またいやし、
わたしたちを打(う)たれたが、
また包(つつ)んでくださるからだ。
2主(しゅ)は、ふつかの後(のち)、わたしたちを生(い)かし、
三日(か)目(め)にわたしたちを立(た)たせられる。
わたしたちはみ前(まえ)で生(い)きる。
3わたしたちは主(しゅ)を知(し)ろう、
せつに主(しゅ)を知(し)ることを求(もと)めよう。
主(しゅ)はあしたの光(ひかり)のように必(かなら)ず現(あらわ)れいで、
冬(ふゆ)の雨(あめ)のように、わたしたちに臨(のぞ)み、
春(はる)の雨(あめ)のように地(ち)を潤(うるお)される」。

4エフライムよ、わたしはあなたに何(なに)をしようか。
ユダよ、わたしはあなたに何(なに)をしようか。
あなたがたの愛(あい)はあしたの雲(くも)のごとく、
また、たちまち消(き)える露(つゆ)のようなものである。
5それゆえ、わたしは預言者(よげんしゃ)たちによって
彼(かれ)らを切(き)り倒(たお)し、
わが口(くち)の言葉(ことば)をもって彼(かれ)らを殺(ころ)した。
わがさばきは現(あらわ)れ出(で)る光(ひかり)のようだ。
6わたしはいつくしみを喜(よろこ)び、犠牲(ぎせい)を喜(よろこ)ばない。
燔祭(はんさい)よりもむしろ神(かみ)を知(し)ることを喜(よろこ)ぶ。

7ところが彼(かれ)らはアダムで契約(けいやく)を破(やぶ)り、
かしこでわたしにそむいた。
8ギレアデは悪(あく)を行(おこな)う者(もの)の町(まち)で、
血(ち)の足跡(あしあと)で満(み)たされている。
9盗賊(とうぞく)が人(ひと)を待(ま)ち伏(ぶ)せするように、
祭司(さいし)たちは党(とう)を組(く)み、
シケムへ行(ゆ)く道(みち)で人(ひと)を殺(ころ)す。
このように彼(かれ)らは悪(あ)しき事(こと)を行(おこな)う。
10わたしはイスラエルの家(いえ)に恐(おそ)るべき事(こと)を見(み)た。
かしこでエフライムは淫行(いんこう)をなし、
イスラエルは汚(けが)された。

11ユダよ、あなたのためにも刈入(かりい)れが定(さだ)められている。

わたしがわが民(たみ)の繁栄(はんえい)を回復(かいふく)するとき、

第七章


1わたしがイスラエルをいやすとき、
エフライムの不義(ふぎ)と、
サマリヤの悪(あ)しきわざとは現(あらわ)れる。
彼(かれ)らは偽(いつわ)りをおこない、
内(うち)では盗(ぬす)びとが押(お)し入(い)り、
外(そと)では山賊(さんぞく)の群(む)れが襲(おそ)いきたる。
2しかし、彼(かれ)らはわたしが彼(かれ)らのすべての悪(あく)を
覚(おぼ)えていることを悟(さと)らない。
今(いま)、そのわざは彼(かれ)らを囲(かこ)んで、
わたしの顔(かお)の前(まえ)にある。
3彼(かれ)らはその悪(あく)をもって王(おう)を喜(よろこ)ばせ、
その偽(いつわ)りをもって君(きみ)たちを喜(よろこ)ばせる。
4彼(かれ)らはみな姦淫(かんいん)を行(おこな)う者(もの)で、
パンを焼(や)く者(もの)が熱(あつ)くする炉(ろ)のようだ。
パンを焼(や)く者(もの)は、ねり粉(こ)をこねてから、
それがふくれるまで、しばらく、火(ひ)をおこす事(こと)をしないだけだ。
5われわれの王(おう)の日(ひ)に、
つかさたちは酒(さけ)の熱(ねつ)によって病(や)みわずらい、
王(おう)はあざける者(もの)と共(とも)に手(て)を伸(の)べた。
6彼(かれ)らは陰謀(いんぼう)をもってその心(こころ)を炉(ろ)のように燃(も)やす。
その怒(いか)りは夜通(よどお)しくすぶり、
朝(あさ)になると炎(ほのお)のように燃(も)える。
7彼(かれ)らは皆(みな)、炉(ろ)のように熱(あつ)くなって、
そのさばきびとを焼(や)き滅(ほろ)ぼす。
そのもろもろの王(おう)は皆(みな)たおれる。
彼(かれ)らの中(なか)にはわたしを呼(よ)ぶ者(もの)がひとりもない。

8エフライムはもろもろの民(たみ)の中(なか)に入(はい)り混(ま)じる。
エフライムは火(ひ)にかけて、かえさない菓子(かし)である。
9他国(たこく)人(じん)らは彼(かれ)の力(ちから)を食(く)い尽(つく)すが、
彼(かれ)はそれを知(し)らない。
しらがが混(ま)じってはえても、それを悟(さと)らない。
10イスラエルの誇(ほこり)は自(みずか)らに向(む)かって証言(しょうげん)している、
彼(かれ)らはこのもろもろの事(こと)があっても、
なおその神(かみ)、主(しゅ)に帰(かえ)らず、
また主(しゅ)を求(もと)めない。

11エフライムは知恵(ちえ)のない愚(おろ)かな、はとのようだ。
彼(かれ)らはエジプトに向(む)かって呼(よ)び求(もと)め、
またアッスリヤへ行(い)く。
12彼(かれ)らが行(い)くとき、わたしは彼(かれ)らの上(うえ)に網(あみ)を張(は)って、
空(そら)の鳥(とり)のように引(ひ)き落(おと)し、
その悪(あ)しきおこないのゆえに、彼(かれ)らを懲(こ)らしめる。
13わざわいなるかな、彼(かれ)らはわたしを離(はな)れて迷(まよ)い出(で)た。
滅(ほろ)びは彼(かれ)らに臨(のぞ)む。
彼(かれ)らがわたしに向(む)かって罪(つみ)を犯(おか)したからだ。
わたしは彼(かれ)らをあがなおうと思(おも)うが、
彼(かれ)らはわたしに逆(さか)らって偽(いつわ)りを言(い)う。

14彼(かれ)らは真心(まごころ)をもってわたしを呼(よ)ばず、
ただ床(ゆか)の上(うえ)で悲(かな)しみ叫(さけ)ぶ。
彼(かれ)らは穀物(こくもつ)と酒(さけ)のためには集(あつ)まるが、
わたしに逆(さか)らう。
15わたしは彼(かれ)らを教(おし)え、その腕(うで)を強(つよ)くしたが、
彼(かれ)らはわたしに逆(さか)らって、悪(あ)しき事(こと)をはかる。
16彼(かれ)らはバアルに帰(かえ)る。
彼(かれ)らはあざむく弓(ゆみ)のようだ。
彼(かれ)らの君(きみ)たちはその舌(した)の高(たか)ぶりのために、
つるぎに倒(たお)れる。
これはエジプトの国(くに)で人々(ひとびと)のあざけりとなる。

第八章


1ラッパをあなたの口(くち)にあてよ、
はげたかは主(しゅ)の家(いえ)に臨(のぞ)む。
彼(かれ)らがわたしの契約(けいやく)を破(やぶ)り、
わたしの律法(りっぽう)を犯(おか)したからだ。
2彼(かれ)らはわたしに向(む)かって叫(さけ)ぶ、
「わが神(かみ)よ、われわれイスラエルはあなたを知(し)る」と。
3イスラエルは善(ぜん)はしりぞけた。
敵(てき)はこれを追(お)うであろう。

4彼(かれ)らは王(おう)を立(た)てた、
しかし、わたしによって立(た)てたのではない。
彼(かれ)らは君(きみ)を立(た)てた、
しかし、わたしはこれを知(し)らない。
彼(かれ)らは銀(ぎん)と金(きん)をもって、
自分(じぶん)たちの滅(ほろ)びのために偶像(ぐうぞう)を造(つく)った。
5サマリヤよ、わたしはあなたの子(こ)牛(うし)を忌(い)みきらう。
わたしの怒(いか)りは彼(かれ)らに向(む)かって燃(も)える。
彼(かれ)らはいつになればイスラエルで
罪(つみ)なき者(もの)となるであろうか。
6これは工人(こうじん)の作(つく)ったもので、神(かみ)ではない。
サマリヤの子(こ)牛(うし)は砕(くだ)けて粉(こな)となる。

7彼(かれ)らは風(かぜ)をまいて、つむじ風(かぜ)を刈(か)り取(と)る。
立(た)っている穀物(こくもつ)は穂(ほ)を持(も)たず、また実(みの)らない。
たとい実(みの)っても、他国(たこく)人(じん)がこれを食(く)い尽(つく)す。
8イスラエルはのまれた。
彼(かれ)らは諸(しょ)国民(こくみん)の間(あいだ)にあって、
すでに無用(むよう)な器(うつわ)のようになった。
9彼(かれ)らはひとりさまよう野(の)のろばのように、
アッスリヤにのぼって行(い)った。
エフライムは物(もの)を贈(おく)って恋人(こいびと)を得(え)た。
10たとい彼(かれ)らが国々(くにぐに)に物(もの)を贈(おく)って同盟者(どうめいしゃ)を得(え)ても、
わたしはまもなく彼(かれ)らを集(あつ)める。
彼(かれ)らはしばらくにして、
王(おう)や君(きみ)たちに油(あぶら)をそそぐことをやめる。

11エフライムは多(おお)くの祭壇(さいだん)を造(つく)って罪(つみ)を犯(おか)したゆえ、
これは彼(かれ)には罪(つみ)を犯(おか)すための祭壇(さいだん)となった。
12わたしは彼(かれ)のために、
あまたの律法(りっぽう)を書(か)きしるしたが、
これはかえって怪(あや)しい物(もの)のように思(おも)われた。
13彼(かれ)らは犠牲(ぎせい)を好(この)み、肉(にく)をささげてこれを食(た)べる。
しかし主(しゅ)はこれを喜(よろこ)ばれない。
今(いま)、彼(かれ)らの不義(ふぎ)を覚(おぼ)え、彼(かれ)らの罪(つみ)を罰(ばっ)せられる。
彼(かれ)らはエジプトに帰(かえ)る。
14イスラエルは自分(じぶん)の造(つく)り主(ぬし)を忘(わす)れて、
もろもろの宮殿(きゅうでん)を建(た)てた。
ユダは堅固(けんご)な町々(まちまち)を多(おお)く増(ま)し加(くわ)えた。
しかしわたしは火(ひ)をその町々(まちまち)に送(おく)って、
もろもろの城(しろ)を焼(や)き滅(ほろ)ぼす。

第九章


1イスラエルよ、
もろもろの民(たみ)のように喜(よろこ)びおどるな。
あなたは淫行(いんこう)をなして、あなたの神(かみ)を離(はな)れ、
すべての穀物(こくもつ)の打(う)ち場(ば)で受(う)ける淫行(いんこう)の価(あたい)を愛(あい)した。
2打(う)ち場(ば)と酒(さか)ぶねとは彼(かれ)らを養(やしな)わない。
また新(あたら)しい酒(さけ)もむなしくなる。
3彼(かれ)らは主(しゅ)の地(ち)に住(す)むことなく、
エフライムはエジプトに帰(かえ)り、
アッスリヤで汚(けが)れた物(もの)を食(た)べる。

4彼(かれ)らは主(しゅ)に向(む)かって酒(さけ)を注(そそ)がず、
また犠牲(ぎせい)をもって主(しゅ)を喜(よろこ)ばせず、
彼(かれ)らのパンは喪(も)におる者(もの)のパンのようで、
すべてこれを食(た)べる者(もの)は汚(けが)される。
彼(かれ)らのパンはただ自分(じぶん)の飢(う)えを満(み)たすためで、
主(しゅ)の家(いえ)に、はいることはできない。

5あなたがたは祝(いわい)の日(ひ)と、主(しゅ)の祭(まつり)の日(ひ)に、
何(なに)をしようとするのか。
6見(み)よ、彼(かれ)らはアッスリヤへ行(い)く。
エジプトは彼(かれ)らを集(あつ)め、
メンピスは彼(かれ)らを葬(ほうむ)る。
あざみは彼(かれ)らの銀(ぎん)の宝物(たからもの)を所有(しょゆう)し、
いばらは彼(かれ)らの天幕(てんまく)にはびこる。

7刑罰(けいばつ)の日(ひ)は来(き)た。
報(むく)いの日(ひ)は来(き)た。
イスラエルはこれを知(し)る。
預言者(よげんしゃ)は愚(おろ)かな者(もの)、
霊(れい)に感(かん)じた人(ひと)は狂(くる)った者(もの)だ。
これはあなたがたの不義(ふぎ)が多(おお)く、
恨(うら)みが大(おお)きいためである。
8預言者(よげんしゃ)はわが神(かみ)の民(たみ)エフライムの見張(みはり)人(にん)である。
しかし預言者(よげんしゃ)のすべての道(みち)には
鳥(とり)をとる者(もの)のわながあり、
恨(うら)みはその神(かみ)の家(いえ)にある。
9彼(かれ)らはギベアの日(ひ)のように、
深(ふか)くおのれを腐(くさ)らせた。
主(しゅ)はその不義(ふぎ)を覚(おぼ)え、その罪(つみ)を罰(ばっ)せられる。

10わたしはイスラエルを荒野(あらの)のぶどうのように見(み)、
あなたがたの先祖(せんぞ)たちを、
いちじくの木(き)の初(はじ)めに結(むす)んだ初(はつ)なりのように見(み)た。
ところが彼(かれ)らはバアル・ペオルへ行(い)き、
身(み)をバアルにゆだね、
彼(かれ)らが愛(あい)した物(もの)と同(おな)じように憎(にく)むべき者(もの)となった。
11エフライムの栄光(えいこう)は、鳥(とり)のようにとび去(さ)る。
すなわち産(う)むことも、はらむことも、
みごもることもなくなる。
12たとい彼(かれ)らが子(こ)を育(そだ)てても、
わたしはその子(こ)を奪(うば)って、残(のこ)る者(もの)のないようにする。
わたしが彼(かれ)らを離(はな)れるとき、彼(かれ)らはわざわいだ。
13わたしが見(み)たように、
エフライムの子(こ)らはえじきに定(さだ)められた。
エフライムはその子(こ)らを、
人(ひと)を殺(ころ)す者(もの)に渡(わた)さなければならない。
14主(しゅ)よ、彼(かれ)らに与(あた)えてください。
あなたは何(なに)を与(あた)えられますか。
流産(りゅうざん)の胎(たい)と、かわいた乳(ち)ぶさを
彼(かれ)らに与(あた)えてください。

15彼(かれ)らのすべての悪(あく)はギルガルにある。
わたしはかしこで彼(かれ)らを憎(にく)んだ。
彼(かれ)らのおこないの悪(あ)しきがゆえに、
彼(かれ)らをわが家(や)から追(お)いだし、
重(かさ)ねて愛(あい)することをしない。
その君(きみ)たちはみな、反逆者(はんぎゃくしゃ)である。

16エフライムは撃(う)たれ、
その根(ね)は枯(か)れて、実(み)を結(むす)ばない。
たとい彼(かれ)らが子(こ)を産(う)んでも、
わたしはそのいつくしむ子(こ)らを殺(ころ)す。
17彼(かれ)らは聞(き)き従(したが)わないので、
わが神(かみ)はこれを捨(す)てられる。
彼(かれ)らはもろもろの国民(くにたみ)のうちに、
さすらい人(ひと)となる。

第一〇章


1イスラエルは実(み)を結(むす)ぶ茂(しげ)った
ぶどうの木(き)である。
その実(み)を多(おお)く結(むす)ぶにしたがって、
祭壇(さいだん)を増(ま)し、
その地(ち)の豊(ゆた)かなるにしたがって、
柱(はしら)の像(ぞう)を麗(うるわ)しくした。
2彼(かれ)らの心(こころ)は偽(いつわ)りである。
今(いま)、彼(かれ)らはその罪(つみ)を負(お)わなければならない。
主(しゅ)はその祭壇(さいだん)をこわし、
その柱(はしら)の像(ぞう)を砕(くだ)かれる。

3今(いま)、彼(かれ)らは言(い)う、
「われわれは主(しゅ)を恐(おそ)れないので、
われわれには王(おう)がない。
王(おう)はわれわれのために何(なに)をなしえようか」と。
4彼(かれ)らはむなしき言葉(ことば)をいだし、
偽(いつわ)りの誓(ちか)いをもって契約(けいやく)を結(むす)ぶ。
それゆえ、さばきは畑(はたけ)のうねの毒草(どくそう)のように現(あらわ)れる。
5サマリヤの住民(じゅうみん)は、
ベテアベンの子(こ)牛(うし)のためにおののき、
その民(たみ)はこれがために嘆(なげ)き、
その偶像(ぐうぞう)に仕(つか)える祭司(さいし)たちは、
その栄光(えいこう)のうせたるがために泣(な)き悲(かな)しむ。
6その子(こ)牛(うし)はアッスリヤに携(たずさ)えられ、
礼物(れいもつ)として大王(だいおう)にささげられ、
エフライムは恥(はじ)をうけ、
イスラエルはおのれの偶像(ぐうぞう)を恥(は)じる。

7サマリヤの王(おう)は、
水(みず)のおもての木(き)切(ぎ)れのように滅(ほろ)ぼされる。
8イスラエルの罪(つみ)であるアベンの高(たか)き所(ところ)も滅(ほろ)び、
いばらとあざみがその祭壇(さいだん)の上(うえ)にはえ茂(しげ)る。
その時(とき)彼(かれ)らは山(やま)に向(む)かって、
「われわれをおおえ」と言(い)い、
丘(おか)に向(む)かって「われわれの上(うえ)に倒(たお)れよ」と言(い)う。

9イスラエルよ、
あなたはギベアの日(ひ)からこのかた罪(つみ)を犯(おか)した。
彼(かれ)らはその所(ところ)に立(た)っていた。
戦(たたか)いはギベアにおる彼(かれ)らに及(およ)ばないであろうか。
10わたしは来(き)てよこしまな民(たみ)を攻(せ)め、
これを懲(こ)らしめる。
彼(かれ)らがその二つの罪(つみ)のために懲(こら)しめられるとき、
もろもろの民(たみ)は集(あつ)まって彼(かれ)らを攻(せ)める。

11エフライムはならされた若(わか)い雌牛(めうし)であって、
穀物(こくもつ)を踏(ふ)むことを好(この)む。
わたしはその麗(うるわ)しい首(くび)を惜(お)しんだ。
しかし、わたしはエフライムにくびきをかける。
ユダは耕(たがや)し、
ヤコブは自分(じぶん)のために、まぐわをひかねばならない。
12あなたがたは自分(じぶん)のために正義(せいぎ)をまき、
いつくしみの実(み)を刈(か)り取(と)り、
あなたがたの新田(しんでん)を耕(たがや)せ。
今(いま)は主(しゅ)を求(もと)むべき時(とき)である。
主(しゅ)は来(き)て救(すく)いを雨(あめ)のように、
あなたがたに降(ふ)りそそがれる。

13あなたがたは悪(あく)を耕(たがや)し、
不義(ふぎ)を刈(か)りおさめ、
偽(いつわ)りの実(み)を食(た)べた。
これはあなたがたが自分(じぶん)の戦車(せんしゃ)を頼(たの)み、
勇士(ゆうし)の多(おお)いことを頼(たの)んだためである。
14それゆえ、あなたがたの民(たみ)の中(なか)に
いくさの騒(さわ)ぎが起(おこ)り、
シャルマンが戦(たたか)いの日(ひ)に
ベテ・アルベルを打(う)ち破(やぶ)ったように、
あなたがたの城(しろ)はことごとく打(う)ち破(やぶ)られる。
母(はは)らはその子(こ)らと共(とも)に打(う)ち砕(くだ)かれた。
15イスラエルの家(いえ)よ、
あなたがたの大(おお)いなる悪(あく)のゆえに、
このように、あなたがたにも行(おこな)われ、
イスラエルの王(おう)は、あらしの中(なか)に全(まった)く滅(ほろ)ぼされる。

第一一章


1わたしはイスラエルの幼(おさな)い時(とき)、
これを愛(あい)した。
わたしはわが子(こ)をエジプトから呼(よ)び出(だ)した。
2わたしが呼(よ)ばわるにしたがって、
彼(かれ)らはいよいよわたしから遠(とお)ざかり、
もろもろのバアルに犠牲(ぎせい)をささげ、
刻(きざ)んだ像(ぞう)に香(こう)をたいた。

3わたしはエフライムに歩(あゆ)むことを教(おし)え、
彼(かれ)らをわたしの腕(うで)にいだいた。
しかし彼(かれ)らはわたしにいやされた事(こと)を
知(し)らなかった。
4わたしはあわれみの綱(つな)、
すなわち愛(あい)のひもで彼(かれ)らを導(みちび)いた。
わたしは彼(かれ)らに対(たい)しては、
あごから、くびきをはずす者(もの)のようになり、
かがんで彼(かれ)らに食物(しょくもつ)を与(あた)えた。

5彼(かれ)らはエジプトの地(ち)に帰(かえ)り、
アッスリヤびとが彼(かれ)らの王(おう)となる。
彼(かれ)らがわたしに帰(かえ)ることを拒(こば)んだからである。
6つるぎは、そのもろもろの町(まち)にあれ狂(くる)い、
その門(もん)の貫(かん)の木(き)を砕(くだ)き、その城(しろ)の中(なか)に彼(かれ)らを滅(ほろ)ぼす。
7わが民(たみ)はわたしからそむき去(さ)ろうとしている。
それゆえ、彼(かれ)らはくびきをかけられ、
これを除(のぞ)きうる者(もの)はひとりもいない。

8エフライムよ、
どうして、あなたを捨(す)てることができようか。
イスラエルよ、
どうしてあなたを渡(わた)すことができようか。
どうしてあなたをアデマのように
することができようか。
どうしてあなたをゼボイムのように
扱(あつか)うことができようか。
わたしの心(こころ)は、わたしのうちに変(かわ)り、
わたしのあわれみは、ことごとくもえ起(た)っている。
9わたしはわたしの激(はげ)しい怒(いか)りをあらわさない。
わたしは再(ふたた)びエフライムを滅(ほろ)ぼさない。
わたしは神(かみ)であって、人(ひと)ではなく、
あなたのうちにいる聖(せい)なる者(もの)だからである。
わたしは滅(ほろ)ぼすために臨(のぞ)むことをしない。

10彼(かれ)らは主(しゅ)に従(したが)って歩(あゆ)む。
主(しゅ)はししのほえるように声(こえ)を出(だ)される。
主(しゅ)が声(こえ)を出(だ)されると、
子(こ)らはおののきつつ西(にし)から来(く)る。
11彼(かれ)らはエジプトから鳥(とり)のように、
アッスリヤの地(ち)から、はとのように急(いそ)いで来(く)る。
わたしは彼(かれ)らをその家(いえ)に帰(かえ)らせると
主(しゅ)は言(い)われる。
12エフライムは偽(いつわ)りをもって、わたしを囲(かこ)み、
イスラエルの家(いえ)は欺(あざむ)きをもって、わたしを囲(かこ)んだ。
しかしユダはなお神(かみ)に知(し)られ、
聖(せい)なる者(もの)に向(む)かって真実(しんじつ)である。

第一二章


1エフライムはひねもす風(かぜ)を牧(ぼく)し、
東風(ひがしかぜ)を追(お)い、
偽(いつわ)りと暴虐(ぼうぎゃく)とを増(ま)し加(くわ)え、
アッスリヤと取引(とりひき)をなし、
油(あぶら)をエジプトに送(おく)った。

2主(しゅ)はユダと争(あらそ)い、
ヤコブをそのしわざにしたがって罰(ばっ)し、
そのおこないにしたがって報(むく)いられる。
3ヤコブは胎(たい)にいたとき、その兄弟(きょうだい)のかかとを捕(とら)え、
成人(せいじん)したとき神(かみ)と争(あらそ)った。
4彼(かれ)は天(てん)の使(つかい)と争(あらそ)って勝(か)ち、
泣(な)いてこれにあわれみを求(もと)めた。
彼(かれ)はベテルで神(かみ)に出会(であ)い、
その所(ところ)で神(かみ)は彼(かれ)と語(かた)られた。
5主(しゅ)は万軍(ばんぐん)の神(かみ)、その名(な)は主(しゅ)である。
6それゆえ、あなたはあなたの神(かみ)に帰(かえ)り、
いつくしみと正(ただ)しきとを守(まも)り、
つねにあなたの神(かみ)を待(ま)ち望(のぞ)め。

7商人(しょうにん)はその手(て)に偽(いつわ)りのはかりを持(も)ち、
しえたげることを好(この)む。
8エフライムは言(い)った、
「まことにわたしは富(と)める者(もの)となった。
わたしは自分(じぶん)ために財宝(ざいほう)を得(え)た」と。
しかし彼(かれ)のすべての富(とみ)も
その犯(おか)した罪(つみ)をつぐなうことはできない。
9わたしはエジプトの国(くに)を出(で)たときから、
あなたの神(かみ)、主(しゅ)である。
わたしは祭(まつり)の日(ひ)のように、
再(ふたた)びあなたを天幕(てんまく)に住(す)まわせよう。

10わたしは預言者(よげんしゃ)たちに語(かた)った。
幻(まぼろし)を多(おお)く示(しめ)したのはわたしである。
わたしは預言者(よげんしゃ)たちによってたとえを語(かた)った。
11もしギレアデに不義(ふぎ)があるなら、
彼(かれ)らは必(かなら)ずむなしき者(もの)となる。
もし彼(かれ)らがギルガルで雄牛(おうし)を犠牲(ぎせい)にささげるなら、
彼(かれ)らの祭壇(さいだん)は畑(はたけ)のうねに積(つ)んだ石塚(いしづか)のようになる。
12(ヤコブはアラムの地(ち)に逃(に)げっていった。
イスラエルは妻(つま)をめとるために人(ひと)に仕(つか)えた。
彼(かれ)は妻(つま)をめとるために羊(ひつじ)を飼(か)った。)
13主(しゅ)はひとりの預言者(よげんしゃ)によって、
イスラエルをエジプトから導(みちび)き出(だ)し、
ひとりの預言者(よげんしゃ)によってこれを守(まも)られた。
14エフライムはいたく主(しゅ)を怒(いか)らせた。
それゆえ主(しゅ)はその血(ち)のとがを彼(かれ)の上(うえ)にのこし、
そのはずかしめを彼(かれ)に返(かえ)される。

第一三章


1エフライムが物言(ものい)えば、
人々(ひとびと)はおののいた。
彼(かれ)はイスラエルの中(なか)に自分(じぶん)を高(たか)くした。
しかし彼(かれ)はバアルによって罪(つみ)を犯(おか)して死(し)んだ。
2そして彼(かれ)らは今(いま)もなおますます罪(つみ)を犯(おか)し、
その銀(ぎん)をもって自分(じぶん)のために像(ぞう)を鋳(い)、
巧(たく)みに偶像(ぐうぞう)を造(つく)る。
これは皆(みな)工人(こうじん)のわざである。
彼(かれ)らは言(い)う、
これに犠牲(ぎせい)をささげよ、人々(ひとびと)は子(こ)牛(うし)に口(くち)づけせよと。
3それゆえ彼(かれ)らは朝(あさ)の霧(きり)のように、
すみやかに消(き)えうせる露(つゆ)のように、
打(う)ち場(ば)から風(かぜ)に吹(ふ)き去(さ)られるもみがらのように、
また窓(まど)から出(で)て行(い)く煙(けむり)のようになる。

4わたしはエジプトの国(くに)を出(で)てからこのかた、
あなたの神(かみ)、主(しゅ)である。
あなたはわたしのほかに神(かみ)を知(し)らない。
わたしのほかに救(すく)う者(もの)はない。
5わたしは荒野(あらの)で、またかわいた地(ち)で、
あなたを知(し)った。
6しかし彼(かれ)らは食(た)べて飽(あ)き、
飽(あ)きて、その心(こころ)が高(たか)ぶり、わたしを忘(わす)れた。
7それゆえ、わたしは彼(かれ)らに向(む)かって、
ししのようになり、
ひょうのように道(みち)のかたわらに潜(ひそ)んでうかがう。
8わたしは子(こ)を取(と)られた熊(くま)のように彼(かれ)らに出会(であ)って、
その胸(むね)をかきさき、
その所(ところ)で、ししのようにこれを食(く)い尽(つく)し、
野(の)の獣(けもの)のようにこれをかき破(やぶ)る。

9イスラエルよ、わたしはあなたを滅(ほろ)ぼす。
だれがあなたを助(たす)けることができよう。
10あなたを助(たす)けるあなたの王(おう)は今(いま)、どこにいるのか。
あなたがかつて「わたしに王(おう)と君(きみ)たちとを与(あた)えよ」と言(い)ったあなたを保護(ほご)すべき、すべてのつかさたちは
今(いま)、どこにいるのか。
11わたしは怒(いか)りをもってあなたに王(おう)を与(あた)えた、
また憤(いきどお)りをもってこれを奪(うば)い取(と)った。
12エフライムの不義(ふぎ)は包(つつ)みおかれ、
その罪(つみ)は積(つ)みたくわえられてある。
13子(こ)を産(う)む女(おんな)の苦(くる)しみが彼(かれ)に臨(のぞ)む。
彼(かれ)は知恵(ちえ)のない子(こ)である。
生(うま)れる時(とき)が来(き)ても彼(かれ)は産(さん)門(もん)にあらわれない。

14わたしは彼(かれ)らを陰府(よみ)の力(ちから)から、
あがなうことがあろうか。
彼(かれ)らを死(し)から、あがなうことがあろうか。
死(し)よ、おまえの災(わざわい)はどこにあるのか。
陰府(よみ)よ、おまえの滅(ほろ)びはどこにあるのか。
あわれみは、わたしの目(め)から隠(かく)されている。

15たとい彼(かれ)は葦(あし)のように栄(さか)えても、
東風(ひがしかぜ)が吹(ふ)いて来(く)る。
主(しゅ)の風(かぜ)が荒野(あらの)から吹(ふ)き起(おこ)る。
これがためにその源(みなもと)はかれ、その泉(いずみ)はかわく。
それはすべての尊(たっと)い物(もの)の宝庫(ほうこ)をかすめ奪(うば)う。
16サマリヤはその神(かみ)にそむいたので、
その罪(つみ)を負(お)い、つるぎに倒(たお)れ、
その幼(おさ)な子(ご)は投(な)げ砕(くだ)かれ、
そのはらめる女(おんな)は引(ひ)き裂(さ)かれる。

第一四章


1イスラエルよ、
あなたの神(かみ)、主(しゅ)に帰(かえ)れ。
あなたは自分(じぶん)の不義(ふぎ)によって、つまずいたからだ。
2あなたがたは言葉(ことば)を携(たずさ)えて、主(しゅ)に帰(かえ)って言(い)え、
「不義(ふぎ)はことごとくゆるして、
よきものを受(う)けいれてください。
わたしたちは自分(じぶん)のくちびるの実(み)をささげます。
3アッスリヤはわたしたちを助(たす)けず、
わたしたちは馬(うま)に乗(の)りません。
わたしたちはもはや自分(じぶん)たちの手(て)のわざに向(む)かって
『われわれの神(かみ)』とは言(い)いません。
みなしごはあなたによって、
あわれみを得(え)るでしょう」。

4わたしは彼(かれ)らのそむきをいやし、
喜(よろこ)んでこれを愛(あい)する。
わたしの怒(いか)りは彼(かれ)らを離(はな)れ去(さ)ったからである。
5わたしはイスラエルに対(たい)しては露(つゆ)のようになる。
彼(かれ)はゆりのように花(はな)咲(さ)き、
ポプラのように根(ね)を張(は)り、
6その枝(えだ)は茂(しげ)りひろがり、
その麗(うるわ)しさはオリブの木(き)のように、
そのかんばしさはレバノンのようになる。
7彼(かれ)らは帰(かえ)って来(き)て、わが陰(かげ)に住(す)み、
園(その)のように栄(さか)え、
ぶどうの木(き)のように花(はな)咲(さ)き、
そのかんばしさはレバノンの酒(さけ)のようになる。

8エフライムよ、
わたしは偶像(ぐうぞう)となんの係(かか)わりがあろうか。
あなたに答(こた)え、あなたを顧(かえり)みる者(もの)はわたしである。
わたしは緑(みどり)のいとすぎのようだ。
あなたはわたしから実(み)を得(え)る。

9知恵(ちえ)のある者(もの)はだれか。
その人(ひと)にこれらのことを悟(さと)らせよ。
悟(さと)りある者(もの)はだれか。
その人(ひと)にこれらのことを知(し)らせよ。
主(しゅ)の道(みち)は直(なお)く、
正(ただ)しき者(もの)はこれを歩(あゆ)む。
しかし罪(つみ)びとはこれにつまずく。