ホセア書

第一章

1ユダヤのおうウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの、イスラエルのおうヨアシのヤラベアムのに、ベエリのホセアにのぞんだしゅ言葉ことば

2しゅ最初さいしょホセアによってかたられたときしゅはホセアにわれた、「って、淫行いんこうつまと、淫行いんこうによってうまれたらをけいれよ。このくにしゅにそむいて、はなはだしい淫行いんこうをなしているからである」。 3そこでかれってデブライムのむすめゴメルをめとった。彼女かのじょはみごもっておとこんだ。

4しゅはまたかれわれた、「あなたはそのをエズレルとづけよ。しばらくしてわたしはエズレルののためにエヒウのいえばっし、イスラエルのいえくにほろぼすからである。 5その、わたしはエズレルのたにでイスラエルのゆみる」と。

6ゴメルはまたみごもっておんなんだ。しゅはホセアにわれた、「あなたはそのをロルハマとづけよ。わたしはもはやイスラエルのいえをあわれまず、けっしてこれをゆるさないからである。 7しかし、わたしはユダのいえをあわれみ、そのかみしゅによってこれをすくう。わたしはゆみ、つるぎ、戦争せんそううまおよび騎兵きへいによってすくうのではない」と。

8ゴメルはロルハマを乳離ちばなれさせたとき、またみごもっておとこんだ。 9しゅわれた、「そのをロアンミとづけよ。あなたがたは、わたしのたみではなく、わたしは、あなたがたのかみではないからである」。

10しかしイスラエルの人々ひとびとかずうみすなのようにはかることも、かぞえることもできないほどになって、さきにかれらが「あなたがたは、わたしのたみではない」とわれたそのところで、「あなたがたはけるかみである」とわれるようになる。 11そしてユダの人々ひとびととイスラエルの人々ひとびとともあつまり、ひとりのちょうてて、そのからのぼってる。エズレルのおおいなるものとなる。

第二章

1あなたがたの兄弟きょうだいかっては「アンミ(わがたみ)」とい、あなたがたの姉妹しまいかっては「ルハマ(あわれまれるもの)」とえ。
2「あなたがたのははとあげつらえ、あげつらえ――
彼女かのじょはわたしのつまではない、
わたしは彼女かのじょおっとではない――
そして彼女かのじょにそのかおから淫行いんこうのぞかせ、
そのぶさのあいだから姦淫かんいんのぞかせよ。
3そうでなければ、
わたしは彼女かのじょ着物きものをはいではだかにし、
そのうまのようにし、
また荒野あらののようにし、
かわききったのようにし、
かわきによって彼女かのじょころす。
4わたしはそのらをあわれまない、
かれらは淫行いんこうらだからである。
5かれらのはは淫行いんこうをなし、
かれらをはらんだ彼女かのじょずべきことをおこなった。
彼女かのじょった、
『わたしはわが恋人こいびとたちについてこう。
かれらはパンとみずひつじあさあぶらものとを、
わたしにあたえるものである』と。
6それゆえ、わたしはいばらで彼女かのじょみちをふさぎ、
かきをたてて、彼女かのじょには
そのみちがわからないようにする。
7彼女かのじょはその恋人こいびとたちのあとをしたってく、
しかしかれらにいつくことはない。
かれらをたずねる、しかしいだすことはない。
そこで彼女かのじょう、
『わたしはって、さきのおっとかえろう。
あのときいまよりもわたしによかったから』と。
8彼女かのじょ穀物こくもつさけあぶらとをあたえたもの
またバアルのためにもちいたぎんきんとを
おお彼女かのじょあたえたものは、
わたしであったことを彼女かのじょらなかった。
9それゆえ、わたしは穀物こくもつをそのときになってうばい、
ぶどうしゅをその季節きせつになってうばい、
また彼女かのじょはだかをおおうためにもちいる
ひつじあさとをうばる。
10わたしはいま彼女かのじょのみだらなことを
その恋人こいびとたちのまえにあらわす。
だれも彼女かのじょをわたしのからすくものはない。
11わたしは彼女かのじょのすべてのたのしみ、
すなわちいわい新月しんげつ安息日あんそくにち
すべてのまつりをやめさせる。
12わたしはまた彼女かのじょさきに『これはわたしの恋人こいびとらが、わたしにあたえた報酬ほうしゅうだ』とった彼女かのじょ
ぶどうのと、いちじくのとをあらし、
これをはやしとし、
けものにこれをわせる。
13また彼女かのじょ耳輪みみわ宝石ほうせきかざり、
その恋人こいびとたちをしたってって、わたしをわすれ、
こうをたいてつかえたバアルのまつりのために、
わたしは彼女かのじょばっするとしゅわれる。

14それゆえ、よ、わたしは彼女かのじょをいざなって、
荒野あらのみちびいてき、ねんごろに彼女かのじょかたろう。
15そのところでわたしは彼女かのじょにそのぶどうばたけあたえ、
アコルのたにのぞみのもんとしてあたえる。
そのところ彼女かのじょわかかったのように、
エジプトのくにからのぼってときのように、
こたえるであろう。

16しゅわれる、そのには、あなたはわたしを『わがおっと』とび、もはや『わがバアル』とはばない。 17わたしはもろもろのバアルの彼女かのじょくちからのぞき、かさねてそのをとなえることのないようにする。 18そのには、わたしはまたあなたのためにけものそらとりおよびうものと契約けいやくむすび、またゆみと、つるぎと、戦争せんそうとをからって、あなたをやすらかにさせる。 19またわたしは永遠えいえんにあなたとちぎりをむすぶ。すなわち正義せいぎと、公平こうへいと、いつくしみと、あわれみとをもってちぎりをむすぶ。 20わたしは真実しんじつをもって、あなたとちぎりをむすぶ。そしてあなたはしゅるであろう。
21しゅわれる、
そのわたしはてんこたえ、
てんこたえる。
22穀物こくもつさけあぶらとにこたえ、
またこれらのものはエズレルにこたえる。
23わたしはわたしのためにかれにまき、
あわれまれぬものをあわれみ、
わたしのたみでないものかって、
『あなたはわたしのたみである』とい、
かれは『あなたはわたしのかみである』とう」。

第三章

1しゅはわたしにわれた、「あなたはふたたって、イスラエルの人々ひとびと神々かみがみてんじて、ほしぶどうの菓子かしあいするにもかかわらず、しゅがこれをあいせられるように、姦夫かんぷあいせられるおんな姦淫かんいんおこなおんなあいせよ」と。 2そこでわたしはぎん十五シケルと大麦おおむぎ一ホメルはんとをもって彼女かのじょった。 3わたしは彼女かのじょった、「あなたはながくわたしのところにとどまって、淫行いんこうをなさず、またひとのものとなってはならない。わたしもまた、あなたにそうしよう」と。 4イスラエルのらはおおくのあいだおうなく、きみなく、犠牲ぎせいなく、はしらなく、エポデおよびテラピムもなくごす。 5そしてそののちイスラエルのらはかえってて、そのかみしゅと、そのおうダビデとをたずねもとめ、おわりのにおののいて、しゅとそのめぐみにかってる。

第四章


1イスラエルの人々ひとびとよ、
しゅ言葉ことばけ。
しゅはこのものあらそわれる。
このには真実しんじつがなく、愛情あいじょうがなく、
またかみることもないからである。
2ただのろいと、いつわりと、人殺ひとごろしと、
ぬすみと、姦淫かんいんすることのみで、
人々ひとびとみなくるい、
殺害さつがい殺害さつがいつづいている。
3それゆえ、このなげき、これにものはみな、
けものそらとりともおとろえ、
うみうおさえもえはてる。

4しかし、だれもあらそってはならない、
めてはならない。
祭司さいしよ。わたしのあらそうのは、あなたとあらそうのだ。
5あなたはひるつまずき、
預言者よげんしゃもまたあなたとともよるつまずく。
わたしはあなたのははほろぼす。
6わたしのたみ知識ちしきがないためにほろぼされる。
あなたは知識ちしきてたゆえに、
わたしもあなたをてて、わたしの祭司さいしとしない。
あなたはあなたのかみ律法りっぽうわすれたゆえに、
わたしもまたあなたのらをわすれる。

7かれらはおおきくなるにしたがって、
ますますわたしにつみおかしたゆえ、
わたしはかれらのさかえをはじえる。
8かれらはわがたみつみいものにし、
そのつみおかすことをせつにねがっている。
9それゆえ祭司さいしたみおなじようになる。
わたしはそのわざのためにかれらをばっし、
そのおこないのためにかれらにむくいる。
10かれらはべてもくことなく、
淫行いんこうをなしてもそのかずすことがない。
かれらはしゅてて、淫行いんこうあいしたからである。

11さけあたらしいさけとは思慮しりょうばう。
12わがたみかってことたずねる。
またそのつえはかれらにことしめす。
これは淫行いんこうれいかれらをまよわしたからである。
かれらはそのかみてて淫行いんこうをなした。
13かれらは山々やまやまいただき犠牲ぎせいをささげ、
おかうえ、かしのやなぎ
テレビンのしたそなものをささげる。
これはその木陰こかげがここちよいためである。
それゆえ、あなたがたのむすめ淫行いんこうをなし、
あなたがたのよめ姦淫かんいんおこなう。
14わたしはあなたがたのむすめ淫行いんこうをしてもばっしない。
またあなたがたのよめ姦淫かんいんおこなってもばっしない。
おとこたちみずから遊女ゆうじょともはなり、
みや遊女ゆうじょとも犠牲ぎせいをささげているからである。
さとりのないたみほろびる。

15イスラエルよ、あなたは淫行いんこうをなしても、
ユダにつみおかさせてはならない。
ギルガルへってはならない。
ベテアベンにのぼってはならない。
また「しゅきておられる」とって
ちかってはならない。
16イスラエルは強情ごうじょう雌牛めうしのように強情ごうじょうである。
いましゅ小羊こひつじひろはなつようにして、
かれらをやしなうことができようか。

17エフライムは偶像ぐうぞうむすびつらなった。
そのなすにまかせよ。
18かれらは酒宴しゅえんのとりことなり、
淫行いんこうにふけっている。
かれらはその光栄こうえいよりもはじあいする。
19かぜはそのつばさかれらをつつんだ。
かれらはその祭壇さいだんのゆえにはじける。

第五章


1祭司さいしたちよ、これをけ、
イスラエルのいえよ、こころをとめよ、
おういえよ、みみかたむけよ、
さばきはあなたがたにのぞむ。
あなたがたはミヅパにわなをもうけ、
タボルのうえあみったからだ。
2かれらはシッテムのあなふかくしたが、
わたしはかれらをことごとくらしめる。

3わたしはエフライムをっている。
イスラエルはわたしにかくれることがない。
エフライムよ、あなたはいま淫行いんこうをなし、
イスラエルはけがされた。
4かれらのおこないはかれらをかみかえらせない。
それは淫行いんこうれいかれらのうちにあって、
しゅることができないからだ。

5イスラエルのほこりはそのかおかって証言しょうげんしている。
エフライムはその不義ふぎによってつまずき、
ユダもまたかれらとともにつまずく。
6かれらはひつじれ、うしれをたずさえてって、
しゅもとめても、しゅうことはない。
しゅかれらからはなられた。
7かれらはしゅにむかって貞操ていそうまもらず、
ほかのものんだ。
新月しんげつかれらをその田畑たはたともほろぼす。

8ギベアで角笛つのぶえき、
ラマでラッパをらし、
ベテアベンでばわりさけべ。
ベニヤミンよ、おののけ。
9エフライムは刑罰けいばつれすたれる。
わたしはイスラエルの部族ぶぞくのうちに、
かならおこるべきことらせる。
10ユダのきみたちはさかいうつもののようになった。
わたしはわがいかりをみずのようにかれらのうえそそぐ。
11エフライムはあまんじて、
むなしいものにしたがってあゆんだゆえ、
さばきをけて、しえたげられ、ちひしがれる。
12それゆえ、わたしはエフライムには、しみのように、
ユダのいえにはくされのようになる。

13エフライムはおのれのやまい
ユダはおのれのきずたとき、
エフライムはアッスリヤにき、
大王だいおうひとをつかわした。
しかしかれはあなたがたをいやすことができない。
また、あなたがたのきずをなおすことができない。
14わたしはエフライムにたいしては、ししのようになり、
ユダのいえたいしてはわかきししのようになる。
わたしは、わたしこそ、かきいてり、
かすめてくが、だれもすくものはない。

15わたしはかれらがそのつみみとめて、
わがかおをたずねもとめるまで、
わたしのところかえっていよう。
かれらはなやみによって、わたしをたずもとめてう、

第六章


1「さあ、わたしたちはしゅかえろう。
しゅはわたしたちをかきかれたが、またいやし、
わたしたちをたれたが、
またつつんでくださるからだ。
2しゅは、ふつかののち、わたしたちをかし、
にわたしたちをたせられる。
わたしたちはみまえきる。
3わたしたちはしゅろう、
せつにしゅることをもとめよう。
しゅはあしたのひかりのようにかならあらわれいで、
ふゆあめのように、わたしたちにのぞみ、
はるあめのようにうるおされる」。

4エフライムよ、わたしはあなたになにをしようか。
ユダよ、わたしはあなたになにをしようか。
あなたがたのあいはあしたのくものごとく、
また、たちまちえるつゆのようなものである。
5それゆえ、わたしは預言者よげんしゃたちによって
かれらをたおし、
わがくち言葉ことばをもってかれらをころした。
わがさばきはあらわひかりのようだ。
6わたしはいつくしみをよろこび、犠牲ぎせいよろこばない。
燔祭はんさいよりもむしろかみることをよろこぶ。

7ところがかれらはアダムで契約けいやくやぶり、
かしこでわたしにそむいた。
8ギレアデはあくおこなものまちで、
足跡あしあとたされている。
9盗賊とうぞくひとせするように、
祭司さいしたちはとうみ、
シケムへみちひところす。
このようにかれらはしきことおこなう。
10わたしはイスラエルのいえおそるべきことた。
かしこでエフライムは淫行いんこうをなし、
イスラエルはけがされた。

11ユダよ、あなたのためにも刈入かりいれがさだめられている。

わたしがわがたみ繁栄はんえい回復かいふくするとき、

第七章


1わたしがイスラエルをいやすとき、
エフライムの不義ふぎと、
サマリヤのしきわざとはあらわれる。
かれらはいつわりをおこない、
うちではぬすびとがり、
そとでは山賊さんぞくれがおそいきたる。
2しかし、かれらはわたしがかれらのすべてのあく
おぼえていることをさとらない。
いま、そのわざはかれらをかこんで、
わたしのかおまえにある。
3かれらはそのあくをもっておうよろこばせ、
そのいつわりをもってきみたちをよろこばせる。
4かれらはみな姦淫かんいんおこなもので、
パンをものあつくするのようだ。
パンをものは、ねりをこねてから、
それがふくれるまで、しばらく、をおこすことをしないだけだ。
5われわれのおうに、
つかさたちはさけねつによってみわずらい、
おうはあざけるものともべた。
6かれらは陰謀いんぼうをもってそのこころのようにやす。
そのいかりは夜通よどおしくすぶり、
あさになるとほのおのようにえる。
7かれらはみなのようにあつくなって、
そのさばきびとをほろぼす。
そのもろもろのおうみなたおれる。
かれらのなかにはわたしをものがひとりもない。

8エフライムはもろもろのたみなかはいじる。
エフライムはにかけて、かえさない菓子かしである。
9他国たこくじんらはかれちからつくすが、
かれはそれをらない。
しらががじってはえても、それをさとらない。
10イスラエルのほこりみずからにかって証言しょうげんしている、
かれらはこのもろもろのことがあっても、
なおそのかみしゅかえらず、
またしゅもとめない。

11エフライムは知恵ちえのないおろかな、はとのようだ。
かれらはエジプトにかってもとめ、
またアッスリヤへく。
12かれらがくとき、わたしはかれらのうえあみって、
そらとりのようにおとし、
そのしきおこないのゆえに、かれらをらしめる。
13わざわいなるかな、かれらはわたしをはなれてまよた。
ほろびはかれらにのぞむ。
かれらがわたしにかってつみおかしたからだ。
わたしはかれらをあがなおうとおもうが、
かれらはわたしにさからっていつわりをう。

14かれらは真心まごころをもってわたしをばず、
ただゆかうえかなしみさけぶ。
かれらは穀物こくもつさけのためにはあつまるが、
わたしにさからう。
15わたしはかれらをおしえ、そのうでつよくしたが、
かれらはわたしにさからって、しきことをはかる。
16かれらはバアルにかえる。
かれらはあざむくゆみのようだ。
かれらのきみたちはそのしたたかぶりのために、
つるぎにたおれる。
これはエジプトのくに人々ひとびとのあざけりとなる。

第八章


1ラッパをあなたのくちにあてよ、
はげたかはしゅいえのぞむ。
かれらがわたしの契約けいやくやぶり、
わたしの律法りっぽうおかしたからだ。
2かれらはわたしにかってさけぶ、
「わがかみよ、われわれイスラエルはあなたをる」と。
3イスラエルはぜんはしりぞけた。
てきはこれをうであろう。

4かれらはおうてた、
しかし、わたしによっててたのではない。
かれらはきみてた、
しかし、わたしはこれをらない。
かれらはぎんきんをもって、
自分じぶんたちのほろびのために偶像ぐうぞうつくった。
5サマリヤよ、わたしはあなたのうしみきらう。
わたしのいかりはかれらにかってえる。
かれらはいつになればイスラエルで
つみなきものとなるであろうか。
6これは工人こうじんつくったもので、かみではない。
サマリヤのうしくだけてこなとなる。

7かれらはかぜをまいて、つむじかぜる。
っている穀物こくもつたず、またみのらない。
たといみのっても、他国たこくじんがこれをつくす。
8イスラエルはのまれた。
かれらはしょ国民こくみんあいだにあって、
すでに無用むよううつわのようになった。
9かれらはひとりさまようのろばのように、
アッスリヤにのぼってった。
エフライムはものおくって恋人こいびとた。
10たといかれらが国々くにぐにものおくって同盟者どうめいしゃても、
わたしはまもなくかれらをあつめる。
かれらはしばらくにして、
おうきみたちにあぶらをそそぐことをやめる。

11エフライムはおおくの祭壇さいだんつくってつみおかしたゆえ、
これはかれにはつみおかすための祭壇さいだんとなった。
12わたしはかれのために、
あまたの律法りっぽうきしるしたが、
これはかえってあやしいもののようにおもわれた。
13かれらは犠牲ぎせいこのみ、にくをささげてこれをべる。
しかししゅはこれをよろこばれない。
いまかれらの不義ふぎおぼえ、かれらのつみばっせられる。
かれらはエジプトにかえる。
14イスラエルは自分じぶんつくぬしわすれて、
もろもろの宮殿きゅうでんてた。
ユダは堅固けんご町々まちまちおおくわえた。
しかしわたしはをその町々まちまちおくって、
もろもろのしろほろぼす。

第九章


1イスラエルよ、
もろもろのたみのようによろこびおどるな。
あなたは淫行いんこうをなして、あなたのかみはなれ、
すべての穀物こくもつける淫行いんこうあたいあいした。
2さかぶねとはかれらをやしなわない。
またあたらしいさけもむなしくなる。
3かれらはしゅむことなく、
エフライムはエジプトにかえり、
アッスリヤでけがれたものべる。

4かれらはしゅかってさけそそがず、
また犠牲ぎせいをもってしゅよろこばせず、
かれらのパンはにおるもののパンのようで、
すべてこれをべるものけがされる。
かれらのパンはただ自分じぶんえをたすためで、
しゅいえに、はいることはできない。

5あなたがたはいわいと、しゅまつりに、
なにをしようとするのか。
6よ、かれらはアッスリヤへく。
エジプトはかれらをあつめ、
メンピスはかれらをほうむる。
あざみはかれらのぎん宝物たからもの所有しょゆうし、
いばらはかれらの天幕てんまくにはびこる。

7刑罰けいばつた。
むくいのた。
イスラエルはこれをる。
預言者よげんしゃおろかなもの
れいかんじたひとくるったものだ。
これはあなたがたの不義ふぎおおく、
うらみがおおきいためである。
8預言者よげんしゃはわがかみたみエフライムの見張みはりにんである。
しかし預言者よげんしゃのすべてのみちには
とりをとるもののわながあり、
うらみはそのかみいえにある。
9かれらはギベアののように、
ふかくおのれをくさらせた。
しゅはその不義ふぎおぼえ、そのつみばっせられる。

10わたしはイスラエルを荒野あらののぶどうのように
あなたがたの先祖せんぞたちを、
いちじくのはじめにむすんだはつなりのようにた。
ところがかれらはバアル・ペオルへき、
をバアルにゆだね、
かれらがあいしたものおなじようににくむべきものとなった。
11エフライムの栄光えいこうは、とりのようにとびる。
すなわちむことも、はらむことも、
みごもることもなくなる。
12たといかれらがそだてても、
わたしはそのうばって、のこもののないようにする。
わたしがかれらをはなれるとき、かれらはわざわいだ。
13わたしがたように、
エフライムのらはえじきにさだめられた。
エフライムはそのらを、
ひところものわたさなければならない。
14しゅよ、かれらにあたえてください。
あなたはなにあたえられますか。
流産りゅうざんたいと、かわいたぶさを
かれらにあたえてください。

15かれらのすべてのあくはギルガルにある。
わたしはかしこでかれらをにくんだ。
かれらのおこないのしきがゆえに、
かれらをわがからいだし、
かさねてあいすることをしない。
そのきみたちはみな、反逆者はんぎゃくしゃである。

16エフライムはたれ、
そのれて、むすばない。
たといかれらがんでも、
わたしはそのいつくしむらをころす。
17かれらはしたがわないので、
わがかみはこれをてられる。
かれらはもろもろの国民くにたみのうちに、
さすらいひととなる。

第一〇章


1イスラエルはむすしげった
ぶどうのである。
そのおおむすぶにしたがって、
祭壇さいだんし、
そのゆたかなるにしたがって、
はしらぞううるわしくした。
2かれらのこころいつわりである。
いまかれらはそのつみわなければならない。
しゅはその祭壇さいだんをこわし、
そのはしらぞうくだかれる。

3いまかれらはう、
「われわれはしゅおそれないので、
われわれにはおうがない。
おうはわれわれのためになにをなしえようか」と。
4かれらはむなしき言葉ことばをいだし、
いつわりのちかいをもって契約けいやくむすぶ。
それゆえ、さばきははたけのうねの毒草どくそうのようにあらわれる。
5サマリヤの住民じゅうみんは、
ベテアベンのうしのためにおののき、
そのたみはこれがためになげき、
その偶像ぐうぞうつかえる祭司さいしたちは、
その栄光えいこうのうせたるがためにかなしむ。
6そのうしはアッスリヤにたずさえられ、
礼物れいもつとして大王だいおうにささげられ、
エフライムははじをうけ、
イスラエルはおのれの偶像ぐうぞうじる。

7サマリヤのおうは、
みずのおもてのれのようにほろぼされる。
8イスラエルのつみであるアベンのたかところほろび、
いばらとあざみがその祭壇さいだんうえにはえしげる。
そのときかれらはやまかって、
「われわれをおおえ」とい、
おかかって「われわれのうえたおれよ」とう。

9イスラエルよ、
あなたはギベアのからこのかたつみおかした。
かれらはそのところっていた。
たたかいはギベアにおるかれらにおよばないであろうか。
10わたしはてよこしまなたみめ、
これをらしめる。
かれらがその二つのつみのためにこらしめられるとき、
もろもろのたみあつまってかれらをめる。

11エフライムはならされたわか雌牛めうしであって、
穀物こくもつむことをこのむ。
わたしはそのうるわしいくびしんだ。
しかし、わたしはエフライムにくびきをかける。
ユダはたがやし、
ヤコブは自分じぶんのために、まぐわをひかねばならない。
12あなたがたは自分じぶんのために正義せいぎをまき、
いつくしみのり、
あなたがたの新田しんでんたがやせ。
いましゅもとむべきときである。
しゅすくいをあめのように、
あなたがたにりそそがれる。

13あなたがたはあくたがやし、
不義ふぎりおさめ、
いつわりのべた。
これはあなたがたが自分じぶん戦車せんしゃたのみ、
勇士ゆうしおおいことをたのんだためである。
14それゆえ、あなたがたのたみなか
いくさのさわぎがおこり、
シャルマンがたたかいの
ベテ・アルベルをやぶったように、
あなたがたのしろはことごとくやぶられる。
ははらはそのらとともくだかれた。
15イスラエルのいえよ、
あなたがたのおおいなるあくのゆえに、
このように、あなたがたにもおこなわれ、
イスラエルのおうは、あらしのなかまったほろぼされる。

第一一章


1わたしはイスラエルのおさなとき
これをあいした。
わたしはわがをエジプトからした。
2わたしがばわるにしたがって、
かれらはいよいよわたしからとおざかり、
もろもろのバアルに犠牲ぎせいをささげ、
きざんだぞうこうをたいた。

3わたしはエフライムにあゆむことをおしえ、
かれらをわたしのうでにいだいた。
しかしかれらはわたしにいやされたこと
らなかった。
4わたしはあわれみのつな
すなわちあいのひもでかれらをみちびいた。
わたしはかれらにたいしては、
あごから、くびきをはずすもののようになり、
かがんでかれらに食物しょくもつあたえた。

5かれらはエジプトのかえり、
アッスリヤびとがかれらのおうとなる。
かれらがわたしにかえることをこばんだからである。
6つるぎは、そのもろもろのまちにあれくるい、
そのもんかんくだき、そのしろなかかれらをほろぼす。
7わがたみはわたしからそむきろうとしている。
それゆえ、かれらはくびきをかけられ、
これをのぞきうるものはひとりもいない。

8エフライムよ、
どうして、あなたをてることができようか。
イスラエルよ、
どうしてあなたをわたすことができようか。
どうしてあなたをアデマのように
することができようか。
どうしてあなたをゼボイムのように
あつかうことができようか。
わたしのこころは、わたしのうちにかわり、
わたしのあわれみは、ことごとくもえっている。
9わたしはわたしのはげしいいかりをあらわさない。
わたしはふたたびエフライムをほろぼさない。
わたしはかみであって、ひとではなく、
あなたのうちにいるせいなるものだからである。
わたしはほろぼすためにのぞむことをしない。

10かれらはしゅしたがってあゆむ。
しゅはししのほえるようにこえされる。
しゅこえされると、
らはおののきつつ西にしからる。
11かれらはエジプトからとりのように、
アッスリヤのから、はとのようにいそいでる。
わたしはかれらをそのいえかえらせると
しゅわれる。
12エフライムはいつわりをもって、わたしをかこみ、
イスラエルのいえあざむきをもって、わたしをかこんだ。
しかしユダはなおかみられ、
せいなるものかって真実しんじつである。

第一二章


1エフライムはひねもすかぜぼくし、
東風ひがしかぜい、
いつわりと暴虐ぼうぎゃくとをくわえ、
アッスリヤと取引とりひきをなし、
あぶらをエジプトにおくった。

2しゅはユダとあらそい、
ヤコブをそのしわざにしたがってばっし、
そのおこないにしたがってむくいられる。
3ヤコブはたいにいたとき、その兄弟きょうだいのかかとをとらえ、
成人せいじんしたときかみあらそった。
4かれてん使つかいあらそってち、
いてこれにあわれみをもとめた。
かれはベテルでかみ出会であい、
そのところかみかれかたられた。
5しゅ万軍ばんぐんかみ、そのしゅである。
6それゆえ、あなたはあなたのかみかえり、
いつくしみとただしきとをまもり、
つねにあなたのかみのぞめ。

7商人しょうにんはそのいつわりのはかりをち、
しえたげることをこのむ。
8エフライムはった、
「まことにわたしはめるものとなった。
わたしは自分じぶんために財宝ざいほうた」と。
しかしかれのすべてのとみ
そのおかしたつみをつぐなうことはできない。
9わたしはエジプトのくにたときから、
あなたのかみしゅである。
わたしはまつりのように、
ふたたびあなたを天幕てんまくまわせよう。

10わたしは預言者よげんしゃたちにかたった。
まぼろしおおしめしたのはわたしである。
わたしは預言者よげんしゃたちによってたとえをかたった。
11もしギレアデに不義ふぎがあるなら、
かれらはかならずむなしきものとなる。
もしかれらがギルガルで雄牛おうし犠牲ぎせいにささげるなら、
かれらの祭壇さいだんはたけのうねにんだ石塚いしづかのようになる。
12(ヤコブはアラムのげっていった。
イスラエルはつまをめとるためにひとつかえた。
かれつまをめとるためにひつじった。)
13しゅはひとりの預言者よげんしゃによって、
イスラエルをエジプトからみちびし、
ひとりの預言者よげんしゃによってこれをまもられた。
14エフライムはいたくしゅいからせた。
それゆえしゅはそののとがをかれうえにのこし、
そのはずかしめをかれかえされる。

第一三章


1エフライムが物言ものいえば、
人々ひとびとはおののいた。
かれはイスラエルのなか自分じぶんたかくした。
しかしかれはバアルによってつみおかしてんだ。
2そしてかれらはいまもなおますますつみおかし、
そのぎんをもって自分じぶんのためにぞう
たくみに偶像ぐうぞうつくる。
これはみな工人こうじんのわざである。
かれらはう、
これに犠牲ぎせいをささげよ、人々ひとびとうしくちづけせよと。
3それゆえかれらはあさきりのように、
すみやかにえうせるつゆのように、
からかぜられるもみがらのように、
またまどからけむりのようになる。

4わたしはエジプトのくにてからこのかた、
あなたのかみしゅである。
あなたはわたしのほかにかみらない。
わたしのほかにすくものはない。
5わたしは荒野あらので、またかわいたで、
あなたをった。
6しかしかれらはべてき、
きて、そのこころたかぶり、わたしをわすれた。
7それゆえ、わたしはかれらにかって、
ししのようになり、
ひょうのようにみちのかたわらにひそんでうかがう。
8わたしはられたくまのようにかれらに出会であって、
そのむねをかきさき、
そのところで、ししのようにこれをつくし、
けもののようにこれをかきやぶる。

9イスラエルよ、わたしはあなたをほろぼす。
だれがあなたをたすけることができよう。
10あなたをたすけるあなたのおういま、どこにいるのか。
あなたがかつて「わたしにおうきみたちとをあたえよ」とったあなたを保護ほごすべき、すべてのつかさたちは
いま、どこにいるのか。
11わたしはいかりをもってあなたにおうあたえた、
またいきどおりをもってこれをうばった。
12エフライムの不義ふぎつつみおかれ、
そのつみみたくわえられてある。
13おんなくるしみがかれのぞむ。
かれ知恵ちえのないである。
うまれるときてもかれさんもんにあらわれない。

14わたしはかれらを陰府よみちからから、
あがなうことがあろうか。
かれらをから、あがなうことがあろうか。
よ、おまえのわざわいはどこにあるのか。
陰府よみよ、おまえのほろびはどこにあるのか。
あわれみは、わたしのからかくされている。

15たといかれあしのようにさかえても、
東風ひがしかぜいてる。
しゅかぜ荒野あらのからおこる。
これがためにそのみなもとはかれ、そのいずみはかわく。
それはすべてのたっともの宝庫ほうこをかすめうばう。
16サマリヤはそのかみにそむいたので、
そのつみい、つるぎにたおれ、
そのおさくだかれ、
そのはらめるおんなかれる。

第一四章


1イスラエルよ、
あなたのかみしゅかえれ。
あなたは自分じぶん不義ふぎによって、つまずいたからだ。
2あなたがたは言葉ことばたずさえて、しゅかえってえ、
不義ふぎはことごとくゆるして、
よきものをけいれてください。
わたしたちは自分じぶんのくちびるのをささげます。
3アッスリヤはわたしたちをたすけず、
わたしたちはうまりません。
わたしたちはもはや自分じぶんたちののわざにかって
『われわれのかみ』とはいません。
みなしごはあなたによって、
あわれみをるでしょう」。

4わたしはかれらのそむきをいやし、
よろこんでこれをあいする。
わたしのいかりはかれらをはなったからである。
5わたしはイスラエルにたいしてはつゆのようになる。
かれはゆりのようにはなき、
ポプラのようにり、
6そのえだしげりひろがり、
そのうるわしさはオリブののように、
そのかんばしさはレバノンのようになる。
7かれらはかえってて、わがかげみ、
そののようにさかえ、
ぶどうののようにはなき、
そのかんばしさはレバノンのさけのようになる。

8エフライムよ、
わたしは偶像ぐうぞうとなんのかかわりがあろうか。
あなたにこたえ、あなたをかえりみるものはわたしである。
わたしはみどりのいとすぎのようだ。
あなたはわたしからる。

9知恵ちえのあるものはだれか。
そのひとにこれらのことをさとらせよ。
さとりあるものはだれか。
そのひとにこれらのことをらせよ。
しゅみちなおく、
ただしきものはこれをあゆむ。
しかしつみびとはこれにつまずく。