イザヤ書

第一章

1アモツの子(こ)イザヤがユダの王(おう)ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの世(よ)にユダとエルサレムについて見(み)た幻(まぼろし)。
2天(てん)よ、聞(き)け、地(ち)よ、耳(みみ)を傾(かたむ)けよ、
主(しゅ)が次(つぎ)のように語(かた)られたから、
「わたしは子(こ)を養(やしな)い育(そだ)てた、
しかし彼(かれ)らはわたしにそむいた。
3牛(うし)はその飼主(かいぬし)を知(し)り、
ろばはその主人(しゅじん)のまぐさおけを知(し)る。
しかしイスラエルは知(し)らず、
わが民(たみ)は悟(さと)らない」。
4ああ、罪深(つみぶか)い国(くに)びと、不義(ふぎ)を負(お)う民(たみ)、
悪(あく)をなす者(もの)のすえ、堕落(だらく)せる子(こ)らよ。
彼(かれ)らは主(しゅ)を捨(す)て、
イスラエルの聖者(せいじゃ)をあなどり、
これをうとんじ遠(とお)ざかった。
5あなたがたは、どうして重(かさ)ね重(がさ)ねそむいて、
なおも打(う)たれようとするのか。
その頭(あたま)はことごとく病(や)み、
その心(こころ)は全(まった)く弱(よわ)りはてている。
6足(あし)のうらから頭(あたま)まで、
完全(かんぜん)なところがなく、
傷(きず)と打(う)ち傷(きず)と生傷(なまきず)ばかりだ。
これを絞(しぼ)り出(だ)すものなく、包(つつ)むものなく、
油(あぶら)をもってやわらげるものもない。
7あなたがたの国(くに)は荒(あ)れすたれ、
町々(まちまち)は火(ひ)で焼(や)かれ、
田畑(たはた)のものはあなたがたの前(まえ)で外国(がいこく)人(じん)に食(く)われ、
滅(ほろ)ぼされたソドムのように荒(あ)れすたれた。
8シオンの娘(むすめ)はぶどう畑(はたけ)の仮(かり)小屋(こや)のように、
きゅうり畑(はたけ)の番小屋(ばんごや)のように、
包囲(ほうい)された町(まち)のように、ただひとり残(のこ)った。
9もし万軍(ばんぐん)の主(しゅ)が、
われわれに少(すこ)しの生存者(せいぞんしゃ)を残(のこ)されなかったなら、
われわれはソドムのようになり、
またゴモラと同(おな)じようになったであろう。


10あなたがたソドムのつかさたちよ、
主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)け。
あなたがたゴモラの民(たみ)よ、
われわれの神(かみ)の教(おしえ)に耳(みみ)を傾(かたむ)けよ。
11主(しゅ)は言(い)われる、
「あなたがたがささげる多(おお)くの犠牲(ぎせい)は、
わたしになんの益(えき)があるか。
わたしは雄羊(おひつじ)の燔祭(はんさい)と、
肥(こ)えた獣(けもの)の脂肪(しぼう)とに飽(あ)いている。
わたしは雄牛(おうし)あるいは小羊(こひつじ)、
あるいは雄(お)やぎの血(ち)を喜(よろこ)ばない。
12あなたがたは、わたしにまみえようとして来(く)るが、
だれが、わたしの庭(にわ)を踏(ふ)み荒(あら)すことを求(もと)めたか。
13あなたがたは、もはや、
むなしい供(そな)え物(もの)を携(たずさ)えてきてはならない。
薫香(くんこう)は、わたしの忌(い)みきらうものだ。
新月(しんげつ)、安息日(あんそくにち)、また会衆(かいしゅう)を呼(よ)び集(あつ)めること――
わたしは不義(ふぎ)と聖(せい)会(かい)とに耐(た)えられない。
14あなたがたの新月(しんげつ)と定(さだ)めの祭(まつり)とは、
わが魂(たましい)の憎(にく)むもの、
それはわたしの重荷(おもに)となり、
わたしは、それを負(お)うのに疲(つか)れた。
15あなたがたが手(て)を伸(の)べるとき、
わたしは目(め)をおおって、あなたがたを見(み)ない。
たとい多(おお)くの祈(いのり)をささげても、わたしは聞(き)かない。
あなたがたの手(て)は血(ち)まみれである。
16あなたがたは身(み)を洗(あら)って、清(きよ)くなり、
わたしの目(め)の前(まえ)からあなたがたの悪(わる)い行(おこな)いを除(のぞ)き、
悪(あく)を行(おこな)うことをやめ、
17善(ぜん)を行(おこな)うことをならい、公平(こうへい)を求(もと)め、
しえたげる者(もの)を戒(いまし)め、
みなしごを正(ただ)しく守(まも)り、寡婦(かふ)の訴(うった)えを弁護(べんご)せよ。


18主(しゅ)は言(い)われる、
さあ、われわれは互(たがい)に論(ろん)じよう。
たといあなたがたの罪(つみ)は緋(ひ)のようであっても、
雪(ゆき)のように白(しろ)くなるのだ。
紅(くれない)のように赤(あか)くても、羊(ひつじ)の毛(け)のようになるのだ。
19もし、あなたがたが快(こころよ)く従(したが)うなら、
地(ち)の良(よ)き物(もの)を食(た)べることができる。
20しかし、あなたがたが拒(こば)みそむくならば、
つるぎで滅(ほろ)ぼされる」。
これは主(しゅ)がその口(くち)で語(かた)られたことである。


21かつては忠信(ちゅうしん)であった町(まち)、
どうして遊女(ゆうじょ)となったのか。
昔(むかし)は公平(こうへい)で満(み)ち、
正義(せいぎ)がそのうちにやどっていたのに、
今(いま)は人(ひと)を殺(ころ)す者(もの)ばかりとなってしまった。
22あなたの銀(ぎん)はかすとなり、
あなたのぶどう酒(しゅ)は水(みず)をまじえ、
23あなたのつかさたちはそむいて、
盗(ぬす)びとの仲間(なかま)となり、
みな、まいないを好(この)み、贈(おく)り物(もの)を追(お)い求(もと)め、
みなしごを正(ただ)しく守(まも)らず、
寡婦(かふ)の訴(うった)えは彼(かれ)らに届(とど)かない。


24このゆえに、主(しゅ)、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、
イスラエルの全能者(ぜんのうしゃ)は言(い)われる、
「ああ、わたしはわが敵(てき)にむかって憤(いきどお)りをもらし、
わがあだにむかって恨(うら)みをはらす。
25わたしはまた、わが手(て)をあなたに向(む)け、
あなたのかすを灰汁(あく)で溶(と)かすように溶(と)かし去(さ)り、
あなたの混(ま)ざり物(もの)をすべて取(と)り除(のぞ)く。
26こうして、あなたのさばきびとをもとのとおりに、
あなたの議(ぎ)官(かん)を初(はじ)めのとおりに回復(かいふく)する。
その後(のち)あなたは正義(せいぎ)の都(みやこ)、
忠信(ちゅうしん)の町(まち)ととなえられる」。
27シオンは公平(こうへい)をもってあがなわれ、
そのうちの悔(く)い改(あらた)める者(もの)は、
正義(せいぎ)をもってあがなわれる。
28しかし、そむく者(もの)と罪(つみ)びととは共(とも)に滅(ほろ)ぼされ、
主(しゅ)を捨(す)てる者(もの)は滅(ほろ)びうせる。
29あなたがたは、みずから喜(よろこ)んだかしの木(き)によって、
はずかしめを受(う)け、
みずから選(えら)んだ園(その)によって、恥(は)じ赤(あか)らむ。
30あなたがたは葉(は)の枯(か)れるかしの木(き)のように、
水(みず)のない園(その)のようになり、
31強(つよ)い者(もの)も麻(あさ)くずのように、
そのわざは火花(ひばな)のようになり、
その二つのものは共(とも)に燃(も)えて、それを消(け)す者(もの)はない。

第二章

1アモツの子(こ)イザヤがユダとエルサレムについて示(しめ)された言葉(ことば)。
2終(おわ)りの日(ひ)に次(つぎ)のことが起(おこ)る。
主(しゅ)の家(いえ)の山(やま)は、
もろもろの山(やま)のかしらとして堅(かた)く立(た)ち、
もろもろの峰(みね)よりも高(たか)くそびえ、
すべて国(くに)はこれに流(なが)れてき、
3多(おお)くの民(たみ)は来(き)て言(い)う、
「さあ、われわれは主(しゅ)の山(やま)に登(のぼ)り、
ヤコブの神(かみ)の家(いえ)へ行(い)こう。
彼(かれ)はその道(みち)をわれわれに教(おし)えられる、
われわれはその道(みち)に歩(あゆ)もう」と。
律法(りっぽう)はシオンから出(で)、
主(しゅ)の言葉(ことば)はエルサレムから出(で)るからである。
4彼(かれ)はもろもろの国(くに)のあいだにさばきを行(おこな)い、
多(おお)くの民(たみ)のために仲裁(ちゅうさい)に立(た)たれる。
こうして彼(かれ)らはそのつるぎを打(う)ちかえて、すきとし、
そのやりを打(う)ちかえて、かまとし、
国(くに)は国(くに)にむかって、つるぎをあげず、
彼(かれ)らはもはや戦(たたか)いのことを学(まな)ばない。


5ヤコブの家(いえ)よ、
さあ、われわれは主(しゅ)の光(ひかり)に歩(あゆ)もう。


6あなたはあなたの民(たみ)ヤコブの家(いえ)を捨(す)てられた。
これは彼(かれ)らが東(ひがし)の国(くに)からの占(うらな)い師(し)をもって満(み)たし、
ペリシテびとのように占(うらな)い者(しゃ)となり、
外国(がいこく)人(じん)と同盟(どうめい)を結(むす)んだからである。
7彼(かれ)らの国(くに)には金銀(きんぎん)が満(み)ち、その財宝(ざいほう)は限(かぎ)りない。
また彼(かれ)らの国(くに)には馬(うま)が満(み)ち、その戦車(せんしゃ)も限(かぎ)りない。
8また彼(かれ)らの国(くに)には偶像(ぐうぞう)が満(み)ち、
彼(かれ)らはその手(て)のわざを拝(おが)み、
その指(ゆび)で作(つく)ったものを拝(おが)む。
9こうして人(ひと)はかがめられ、人々(ひとびと)は低(ひく)くされる。
どうか彼(かれ)らをおゆるしにならぬように。
10あなたは岩(いわ)の間(あいだ)にはいり、ちりの中(なか)にかくれて、
主(しゅ)の恐(おそ)るべきみ前(まえ)と、その威光(いこう)の輝(かがや)きとを避(さ)けよ。
11その日(ひ)には目(め)をあげて高(たか)ぶる者(もの)は低(ひく)くせられ、
おごる人(ひと)はかがめられ、
主(しゅ)のみ高(たか)くあげられる。


12これは、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)の一日(にち)があって、
すべて誇(ほこ)る者(もの)と高(たか)ぶる者(もの)、
すべておのれを高(たか)くする者(もの)と得意(とくい)な者(もの)とに
臨(のぞ)むからである。
13またレバノンの高(たか)くそびえるすべての香柏(こうはく)、
バシャンのすべてのかしの木(き)、
14またすべての高(たか)い山々(やまやま)、
すべてのそびえ立(た)つ峰々(みねみね)、
15すべての高(たか)きやぐら、
すべての堅固(けんご)な城壁(じょうへき)、
16タルシシのすべての船(ふね)、
すべての麗(うるわ)しい船舶(せんぱく)に臨(のぞ)む。
17その日(ひ)には高(たか)ぶる者(もの)はかがめられ、
おごる人(ひと)は低(ひく)くせられ、
主(しゅ)のみ高(たか)くあげられる。
18こうして偶像(ぐうぞう)はことごとく滅(ほろ)びうせる。
19主(しゅ)が立(た)って地(ち)を脅(おびや)かされるとき、
人々(ひとびと)は岩(いわ)のほら穴(あな)にはいり、また地(ち)の穴(あな)にはいって、
主(しゅ)の恐(おそ)るべきみ前(まえ)と、その威光(いこう)の輝(かがや)きとを避(さ)ける。
20その日(ひ)、人々(ひとびと)は拝(おが)むためにみずから造(つく)った
しろがねの偶像(ぐうぞう)と、こがねの偶像(ぐうぞう)とを、
もぐらもちと、こうもりに投(な)げ与(あた)え、
21岩(いわ)のほら穴(あな)や、がけの裂(さ)け目(め)にはいり、
主(しゅ)が立(た)って地(ち)を脅(おびや)かされるとき、
主(しゅ)の恐(おそ)るべきみ前(まえ)と、その威光(いこう)の輝(かがや)きとを避(さ)ける。
22あなたがたは鼻(はな)から息(いき)の出入(でい)りする人(ひと)に、
たよることをやめよ、
このような者(もの)はなんの価値(かち)があろうか。

第三章


1見(み)よ、主(しゅ)、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は
エルサレムとユダから
ささえとなり、頼(たの)みとなるもの――
すべてささえとなるパン、
すべてささえとなる水(みず)――を取(と)り去(さ)られる。
2すなわち勇士(ゆうし)と軍人(ぐんじん)、
裁判官(さいばんかん)と預言者(よげんしゃ)、
占(うらな)い師(し)と長老(ちょうろう)、
3五十人(にん)の長(ちょう)と身分(みぶん)の高(たか)い人(ひと)、
議(ぎ)官(かん)と巧(たく)みな魔術(まじゅつ)師(し)、
老練(ろうれん)なまじない師(し)を取(と)り去(さ)られる。
4わたしはわらべを立(た)てて彼(かれ)らの君(きみ)とし、
みどりごに彼(かれ)らを治(おさ)めさせる。
5民(たみ)は互(たがい)に相(あい)しえたげ、
人(ひと)はおのおのその隣(となり)をしえたげ、
若(わか)い者(もの)は老(お)いたる者(もの)にむかって高(たか)ぶり、
卑(いや)しい者(もの)は尊(たっと)い者(もの)にむかって高(たか)ぶる。
6その時(とき)、人(ひと)はその父(ちち)の家(いえ)で、兄弟(きょうだい)をつかまえて言(い)う、
「あなたは外套(がいとう)を持(も)っている、
わたしたちのつかさびとになって、
この荒(あ)れ跡(あと)をあなたの手(て)で治(おさ)めてください」と。
7その日(ひ)、彼(かれ)は声(こえ)をあげて言(い)う、
「わたしはいやす者(もの)となることはできません、
わたしの家(いえ)にはパンもなく、外套(がいとう)もありません、
わたしを立(た)てて、
民(たみ)のつかさびとにしないでください」。
8これは彼(かれ)らの言葉(ことば)と行(おこな)いとが主(しゅ)にそむき、
その栄光(えいこう)の目(め)をおかしたので、
エルサレムはつまずき、ユダは倒(たお)れたからである。
9彼(かれ)らの不公平(ふこうへい)は彼(かれ)らにむかって不利(ふり)なあかしをし、
ソドムのようにその罪(つみ)をあらわして隠(かく)さない。
わざわいなるかな、
彼(かれ)らはみずから悪(あく)の報(むく)いをうけた。
10正(ただ)しい人(ひと)に言(い)え、彼(かれ)らはさいわいであると。
彼(かれ)らはその行(おこな)いの実(み)を食(た)べるからである。
11悪(あ)しき者(もの)はわざわいだ、彼(かれ)は災(わざわい)をうける。
その手(て)のなした事(こと)が彼(かれ)に報(むく)いられるからである。
12わが民(たみ)は幼(おさ)な子(ご)にしえたげられ、
女(おんな)たちに治(おさ)められる。
ああ、わが民(たみ)よ、あなたを導(みちび)く者(もの)は
かえって、あなたを迷(まよ)わせ、
あなたの行(い)くべき道(みち)を混乱(こんらん)させる。


13主(しゅ)は言(い)い争(あらそ)うために立(た)ちあがり、
その民(たみ)をさばくために立(た)たれる。
14主(しゅ)はその民(たみ)の長老(ちょうろう)と君(きみ)たちとをさばいて、
「あなたがたは、ぶどう畑(はたけ)を食(く)い荒(あら)した。
貧(まず)しい者(もの)からかすめとった物(もの)は、
あなたがたの家(いえ)にある。
15なぜ、あなたがたはわが民(たみ)を踏(ふ)みにじり、
貧(まず)しい者(もの)の顔(かお)をすり砕(くだ)くのか」と
万軍(ばんぐん)の神(かみ)、主(しゅ)は言(い)われる。
16主(しゅ)は言(い)われた、
シオンの娘(むすめ)らは高(たか)ぶり、
首(くび)をのばしてあるき、目(め)でこびをおくり、
その行(ゆ)くとき気(き)どって歩(ある)き、
その足(あし)でりんりんと鳴(な)り響(ひび)かす。
17それゆえ、主(しゅ)はシオンの娘(むすめ)らの頭(あたま)を
撃(う)って、かさぶたでおおい、
彼(かれ)らの隠(かく)れた所(ところ)をあらわされる。

18その日(ひ)、主(しゅ)は彼(かれ)らの美(うつく)しい装身具(そうしんぐ)と服装(ふくそう)すなわち、くるぶし輪(わ)、髪(かみ)ひも、月形(つきがた)の飾(かざ)り、 19耳輪(みみわ)、腕輪(うでわ)、顔(かお)おおい、 20頭(あたま)飾(かざ)り、すね飾(かざ)り、飾(かざ)り帯(おび)、香箱(こうばこ)、守(まも)り袋(ふくろ)、 21指輪(ゆびわ)、鼻輪(はなわ)、 22礼服(れいふく)、外套(がいとう)、肩掛(かたかけ)、手(て)さげ袋(ふくろ)、 23薄(うす)織(おり)の上着(うわぎ)、亜麻(あま)布(ぬの)の着物(きもの)、帽子(ぼうし)、被衣(かずき)などを取(と)り除(のぞ)かれる。
24芳香(ほうこう)はかわって、悪臭(あくしゅう)となり、
帯(おび)はかわって、なわとなり、
よく編(あ)んだ髪(かみ)はかわって、かぶろとなり、
はなやかな衣(ころも)はかわって、荒布(あらぬの)の衣(ころも)となり、
美(うつく)しい顔(かお)はかわって、焼(や)き印(いん)された顔(かお)となる。
25あなたの男(おとこ)たちはつるぎに倒(たお)れ、
あなたの勇士(ゆうし)たちは戦(たたか)いに倒(たお)れる。
26シオンの門(もん)は嘆(なげ)き悲(かな)しみ、
シオンは荒(あ)れすたれて、地(ち)に座(ざ)する。

第四章

1その日(ひ)、七人(にん)の女(おんな)がひとりの男(おとこ)にすがって、「わたしたちは自分(じぶん)のパンをたべ、自分(じぶん)の着物(きもの)を着(き)ます。ただ、あなたの名(な)によって呼(よ)ばれることを許(ゆる)して、わたしたちの恥(はじ)を取(と)り除(のぞ)いてください」と言(い)う。

2その日(ひ)、主(しゅ)の枝(えだ)は麗(うるわ)しく栄(さか)え、地(ち)の産物(さんぶつ)はイスラエルの生(い)き残(のこ)った者(もの)の誇(ほこり)、また光栄(こうえい)となる。 4そして主(しゅ)が審判(しんぱん)の霊(れい)と滅亡(めつぼう)の霊(れい)とをもって、シオンの娘(むすめ)らの汚(けが)れを洗(あら)い、エルサレムの血(ち)をその中(なか)から除(のぞ)き去(さ)られるとき、シオンに残(のこ)る者(もの)、エルサレムにとどまる者(もの)、すべてエルサレムにあって、生命(せいめい)の書(しょ)にしるされた者(もの)は聖(せい)なる者(もの)ととなえられる。 5その時(とき)、主(しゅ)はシオンの山(やま)のすべての場所(ばしょ)と、そのもろもろの集会(しゅうかい)との上(うえ)に、昼(ひる)は雲(くも)をつくり、夜(よる)は煙(けむり)と燃(も)える火(ひ)の輝(かがや)きとをつくられる。これはすべての栄光(えいこう)の上(うえ)にある天蓋(てんがい)であり、あずまやであって、 6昼(ひる)は暑(あつ)さをふせぐ陰(かげ)となり、また暴風(ぼうふう)と雨(あめ)を避(さ)けて隠(かく)れる所(ところ)となる。

第五章


1わたしはわが愛(あい)する者(もの)のために、
そのぶどう畑(はたけ)についてのわが愛(あい)の歌(うた)をうたおう。
わが愛(あい)する者(もの)は土(つち)肥(こ)えた小(こ)山(やま)の上(うえ)に、
一つのぶどう畑(はたけ)をもっていた。
2彼(かれ)はそれを掘(ほ)りおこし、石(いし)を除(のぞ)き、
それに良(よ)いぶどうを植(う)え、
その中(なか)に物見(ものみ)やぐらを建(た)て、
またその中(なか)に酒(さか)ぶねを掘(ほ)り、
良(よ)いぶどうの結(むす)ぶのを待(ま)ち望(のぞ)んだ。
ところが結(むす)んだものは野(の)ぶどうであった。


3それで、エルサレムに住(す)む者(もの)とユダの人々(ひとびと)よ、
どうか、わたしとぶどう畑(はたけ)との間(あいだ)をさばけ。
4わたしが、ぶどう畑(はたけ)になした事(こと)のほかに、
何(なに)かなすべきことがあるか。
わたしは良(よ)いぶどうの結(むす)ぶのを待(ま)ち望(のぞ)んだのに、
どうして野(の)ぶどうを結(むす)んだのか。
5それで、わたしが、ぶどう畑(はたけ)になそうとすることを、
あなたがたに告(つ)げる。
わたしはそのまがきを取(と)り去(さ)って、
食(く)い荒(あら)されるにまかせ、そのかきをとりこわして、
踏(ふ)み荒(あら)されるにまかせる。
6わたしはこれを荒(あら)して、
刈(か)り込(こ)むことも、耕(たがや)すこともせず、
おどろと、いばらとを生(は)えさせ、
また雲(くも)に命(めい)じて、その上(うえ)に雨(あめ)を降(ふ)らさない。


7万軍(ばんぐん)の主(しゅ)のぶどう畑(はたけ)はイスラエルの家(いえ)であり、
主(しゅ)が喜(よろこ)んでそこに植(う)えられた物(もの)は、
ユダの人々(ひとびと)である。
主(しゅ)はこれに公平(こうへい)を望(のぞ)まれたのに、
見(み)よ、流血(りゅうけつ)。
正義(せいぎ)を望(のぞ)まれたのに、
見(み)よ、叫(さけ)び。


8わざわいなるかな、彼(かれ)らは家(いえ)に家(いえ)を建(た)て連(つら)ね、
田畑(たはた)に田畑(たはた)をまし加(くわ)えて、余地(よち)をあまさず、
自分(じぶん)ひとり、国(くに)のうちに住(す)まおうとする。
9万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はわたしの耳(みみ)に誓(ちか)って言(い)われた、
「必(かなら)ずや多(おお)くの家(いえ)は荒(あ)れすたれ、
大(おお)きな麗(うるわ)しい家(いえ)も住(す)む者(もの)がないようになる。
10十反(たん)のぶどう畑(はたけ)もわずかに一バテの実(み)を結(むす)び、
一ホメルの種(たね)もわずかに一エパの実(み)を結(むす)ぶ」。


11わざわいなるかな、彼(かれ)らは朝(あさ)早(はや)く起(お)きて、
濃(こ)き酒(さけ)をおい求(もと)め、
夜(よる)のふけるまで飲(の)みつづけて、
酒(さけ)にその身(み)を焼(や)かれている。
12彼(かれ)らの酒宴(しゅえん)には琴(こと)あり、立琴(たてごと)あり、
鼓(つづみ)あり笛(ふえ)あり、ぶどう酒(しゅ)がある。
しかし彼(かれ)らは主(しゅ)のみわざを顧(かえり)みず、
み手(て)のなされる事(こと)に目(め)をとめない。


13それゆえ、わが民(たみ)は無知(むち)のために、とりこにせられ、
その尊(たっと)き者(もの)は飢(う)えて死(し)に、
そのもろもろの民(たみ)は、かわきによって衰(おとろ)えはてる。
14また陰府(よみ)はその欲望(よくぼう)を大(おお)きくし、
その口(くち)を限(かぎ)りなく開(ひら)き、
エルサレムの貴族(きぞく)、そのもろもろの民(たみ)、
その群集(ぐんしゅう)およびそのうちの喜(よろこ)びたのしめる者(もの)はみな
その中(なか)に落(お)ちこむ。
15人(ひと)はかがめられ、人々(ひとびと)は低(ひく)くせられ、
高(たか)ぶる者(もの)の目(め)は低(ひく)くされる。
16しかし万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は公平(こうへい)によってあがめられ、
聖(せい)なる神(かみ)は正義(せいぎ)によって、
おのれを聖(せい)なる者(もの)として示(しめ)される。
17こうして小羊(こひつじ)は自分(じぶん)の牧場(まきば)におるように草(くさ)をはみ、
肥(こ)えた家畜(かちく)および子(こ)やぎは荒(あ)れ跡(あと)の中(なか)で食(しょく)を得(え)る。


18わざわいなるかな、
彼(かれ)らは偽(いつわ)りのなわをもって悪(あく)を引(ひ)きよせ、
車(くるま)の綱(つな)をもってするように罪(つみ)を引(ひ)きよせる。
19彼(かれ)らは言(い)う、「彼(かれ)を急(いそ)がせ、
そのわざをすみやかにさせよ、
それを見(み)せてもらおう。
イスラエルの聖者(せいじゃ)の定(さだ)める事(こと)を近(ちか)づききたらせよ、
それを見(み)せてもらおう」と。
20わざわいなるかな、彼(かれ)らは悪(あく)を呼(よ)んで善(ぜん)といい、
善(ぜん)を呼(よ)んで悪(あく)といい、
暗(くら)きを光(ひかり)とし、光(ひかり)を暗(くら)しとし、
苦(にが)きを甘(あま)しとし、甘(あま)きを苦(にが)しとする。
21わざわいなるかな、彼(かれ)らはおのれを見(み)て、賢(かしこ)しとし、
みずから顧(かえり)みて、さとしとする。
22わざわいなるかな、
彼(かれ)らはぶどう酒(しゅ)を飲(の)むことの英雄(えいゆう)であり、
濃(こ)き酒(さけ)をまぜ合(あ)わせることの勇士(ゆうし)である。
23彼(かれ)らはまいないによって悪(あ)しき者(もの)を義(ぎ)とし、
義人(ぎじん)からその義(ぎ)を奪(うば)う。
24それゆえ、火(ひ)の舌(した)が刈(か)り株(かぶ)を食(く)い尽(つく)すように、
枯(か)れ草(くさ)が炎(ほのお)の中(なか)に消(き)えうせるように、
彼(かれ)らの根(ね)は朽(く)ちたものとなり、
彼(かれ)らの花(はな)はちりのように飛(と)び去(さ)る。
彼(かれ)らは万軍(ばんぐん)の主(しゅ)の律法(りっぽう)を捨(す)て、
イスラエルの聖者(せいじゃ)の言葉(ことば)を侮(あなど)ったからである。
25それゆえ、主(しゅ)はその民(たみ)にむかって怒(いか)りを発(はっ)し、
み手(て)を伸(の)べて彼(かれ)らを撃(う)たれた。
山(やま)は震(ふる)い動(うご)き、
彼(かれ)らのしかばねは、ちまたの中(なか)で、
あくたのようになった。
それにもかかわらず、み怒(いか)りはやまず、
なお、み手(て)を伸(の)ばされる。


26主(しゅ)は旗(はた)をあげて遠(とお)くから一つの国民(くにたみ)を招(まね)き、
地(ち)の果(はて)から彼(かれ)らを呼(よ)ばれる。
見(み)よ、彼(かれ)らは走(はし)って、すみやかに来(く)る。
27その中(なか)には疲(つか)れる者(もの)も、つまずく者(もの)もなく、
まどろむ者(もの)も、眠(ねむ)る者(もの)もない。
その腰(こし)の帯(おび)はとけず、
そのくつのひもは切(き)れていない。
28その矢(や)は鋭(するど)く、その弓(ゆみ)はことごとく張(は)り、
その馬(うま)のひずめは火打石(ひうちいし)のように、
その車(くるま)の輪(わ)はつむじ風(かぜ)のように思(おも)われる。
29そのほえることは、ししのように、
若(わか)いししのようにほえ、
うなって獲物(えもの)を捕(とら)え、
かすめ去(さ)っても救(すく)う者(もの)がない。
30その日(ひ)、その鳴(な)りどよめくことは、
海(うみ)の鳴(な)りどよめくようだ。
もし地(ち)をのぞむならば、見(み)よ、暗(くら)きと悩(なや)みとがあり、
光(ひかり)は雲(くも)によって暗(くら)くなる。

第六章

1ウジヤ王(おう)の死(し)んだ年(とし)、わたしは主(しゅ)が高(たか)くあげられたみくらに座(ざ)し、その衣(ころも)のすそが神殿(しんでん)に満(み)ちているのを見(み)た。 2その上(うえ)にセラピムが立(た)ち、おのおの六つの翼(つばさ)をもっていた。その二つをもって顔(かお)をおおい、二つをもって足(あし)をおおい、二つをもって飛(と)びかけり、 3互(たがい)に呼(よ)びかわして言(い)った。
「聖(せい)なるかな、聖(せい)なるかな、聖(せい)なるかな、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、その栄光(えいこう)は全(ぜん)地(ち)に満(み)つ」。
4その呼(よ)ばわっている者(もの)の声(こえ)によって敷居(しきい)の基(もとい)が震(ふる)い動(うご)き、神殿(しんでん)の中(なか)に煙(けむり)が満(み)ちた。 5その時(とき)わたしは言(い)った、「わざわいなるかな、わたしは滅(ほろ)びるばかりだ。わたしは汚(けが)れたくちびるの者(もの)で、汚(けが)れたくちびるの民(たみ)の中(なか)に住(す)む者(もの)であるのに、わたしの目(め)が万軍(ばんぐん)の主(しゅ)なる王(おう)を見(み)たのだから」。

6この時(とき)セラピムのひとりが火(ひ)ばしをもって、祭壇(さいだん)の上(うえ)から取(と)った燃(も)えている炭(すみ)を手(て)に携(たずさ)え、わたしのところに飛(と)んできて、 7わたしの口(くち)に触(ふ)れて言(い)った、「見(み)よ、これがあなたのくちびるに触(ふ)れたので、あなたの悪(あく)は除(のぞ)かれ、あなたの罪(つみ)はゆるされた」。 8わたしはまた主(しゅ)の言(い)われる声(こえ)を聞(き)いた、「わたしはだれをつかわそうか。だれがわれわれのために行(い)くだろうか」。その時(とき)わたしは言(い)った、「ここにわたしがおります。わたしをおつかわしください」。 9主(しゅ)は言(い)われた、「あなたは行(い)って、この民(たみ)にこう言(い)いなさい、
『あなたがたはくりかえし聞(き)くがよい、
しかし悟(さと)ってはならない。
あなたがたはくりかえし見(み)るがよい、
しかしわかってはならない』と。
10あなたはこの民(たみ)の心(こころ)を鈍(にぶ)くし、
その耳(みみ)を聞(きこ)えにくくし、その目(め)を閉(と)ざしなさい。
これは彼(かれ)らがその目(め)で見(み)、その耳(みみ)で聞(き)き、
その心(こころ)で悟(さと)り、
悔(く)い改(あらた)めていやされることのないためである」。
11そこで、わたしは言(い)った、「主(しゅ)よ、いつまでですか」。
主(しゅ)は言(い)われた、
「町々(まちまち)は荒(あ)れすたれて、住(す)む者(もの)もなく、
家(いえ)には人(ひと)かげもなく、国(くに)は全(まった)く荒(あ)れ地(ち)となり、
12人々(ひとびと)は主(しゅ)によって遠(とお)くへ移(うつ)され、
荒(あ)れはてた所(ところ)が国(くに)の中(なか)に多(おお)くなる時(とき)まで、
こうなっている。
13その中(なか)に十分(ぶん)の一の残(のこ)る者(もの)があっても、
これもまた焼(や)き滅(ほろ)ぼされる。
テレビンの木(き)またはかしの木(き)が切(き)り倒(たお)されるとき、
その切(き)り株(かぶ)が残(のこ)るように」。
聖(せい)なる種族(しゅぞく)はその切(き)り株(かぶ)である。

第七章

1ユダの王(おう)、ウジヤの子(こ)ヨタム、その子(こ)アハズの時(とき)、スリヤの王(おう)レヂンとレマリヤの子(こ)であるイスラエルの王(おう)ペカとが上(のぼ)ってきて、エルサレムを攻(せ)めたが勝(か)つことができなかった。 2時(とき)に「スリヤがエフライムと同盟(どうめい)している」とダビデの家(いえ)に告(つ)げる者(もの)があったので、王(おう)の心(こころ)と民(たみ)の心(こころ)とは風(かぜ)に動(うご)かされる林(はやし)の木(き)のように動揺(どうよう)した。

3その時(とき)、主(しゅ)はイザヤに言(い)われた、「今(いま)、あなたとあなたの子(こ)シャル・ヤシュブと共(とも)に出(で)て行(い)って、布(ぬの)さらしの野(の)へ行(い)く大路(おおじ)に沿(そ)う上(うえ)の池(いけ)の水道(すいどう)の端(はし)でアハズに会(あ)い、 4彼(かれ)に言(い)いなさい、『気(き)をつけて、静(しず)かにし、恐(おそ)れてはならない。レヂンとスリヤおよびレマリヤの子(こ)が激(はげ)しく怒(いか)っても、これら二つの燃(も)え残(のこ)りのくすぶっている切(き)り株(かぶ)のゆえに心(こころ)を弱(よわ)くしてはならない。 5スリヤはエフライムおよびレマリヤの子(こ)と共(とも)にあなたにむかって悪(わる)い事(こと)を企(くわだ)てて言(い)う、 6「われわれはユダに攻(せ)め上(のぼ)って、これを脅(おびやか)し、われわれのためにこれを破(やぶ)り取(と)り、タビエルの子(こ)をそこの王(おう)にしよう」と。
7主(しゅ)なる神(かみ)はこう言(い)われる、
この事(こと)は決(けっ)して行(おこな)われない、また起(おこ)ることはない。
8スリヤのかしらはダマスコ、
ダマスコのかしらはレヂンである。
(六十五年(ねん)のうちにエフライムは敗(やぶ)れて、国(くに)をなさないようになる。)
9エフライムのかしらはサマリヤ、
サマリヤのかしらはレマリヤの子(こ)である。
もしあなたがたが信(しん)じないならば、立(た)つことはできない』」。

10主(しゅ)は再(ふたた)びアハズに告(つ)げて言(い)われた、 11「あなたの神(かみ)、主(しゅ)に一つのしるしを求(もと)めよ、陰府(よみ)のように深(ふか)い所(ところ)に、あるいは天(てん)のように高(たか)い所(ところ)に求(もと)めよ」。 12しかしアハズは言(い)った、「わたしはそれを求(もと)めて、主(しゅ)を試(こころ)みることをいたしません」。 13そこでイザヤは言(い)った、「ダビデの家(いえ)よ、聞(き)け。あなたがたは人(ひと)を煩(わずら)わすことを小(ちい)さい事(こと)とし、またわが神(かみ)をも煩(わずら)わそうとするのか。 14それゆえ、主(しゅ)はみずから一つのしるしをあなたがたに与(あた)えられる。見(み)よ、おとめがみごもって男(おとこ)の子(こ)を産(う)む。その名(な)はインマヌエルととなえられる。 15その子(こ)が悪(あく)を捨(す)て、善(ぜん)を選(えら)ぶことを知(し)るころになって、凝乳(ぎょうにゅう)と、蜂蜜(はちみつ)とを食(た)べる。 16それはこの子(こ)が悪(あく)を捨(す)て、善(ぜん)を選(えら)ぶことを知(し)る前(まえ)に、あなたが恐(おそ)れているふたりの王(おう)の地(ち)は捨(す)てられるからである。 17主(しゅ)はエフライムがユダから分(わか)れた時(とき)からこのかた、臨(のぞ)んだことのないような日(ひ)をあなたと、あなたの民(たみ)と、あなたの父(ちち)の家(いえ)とに臨(のぞ)ませられる。それはアッスリヤの王(おう)である」。

18その日(ひ)、主(しゅ)はエジプトの川々(かわがわ)の源(みなもと)にいる、はえを招(まね)き、アッスリヤの地(ち)にいる蜂(はち)を呼(よ)ばれる。 19彼(かれ)らはみな来(き)て、険(けわ)しい谷(たに)、岩(いわ)の裂(さ)け目(め)、すべてのいばら、すべての牧場(まきば)の上(うえ)にとどまる。

20その日(ひ)、主(しゅ)は大川(おおかわ)の向(む)こうから雇(やと)ったかみそり、すなわちアッスリヤの王(おう)をもって、頭(あたま)と足(あし)の毛(け)とをそり、また、ひげをも除(のぞ)き去(さ)られる。 21その日(ひ)、人(ひと)は若(わか)い雌牛(めうし)一頭(とう)と羊(ひつじ)二頭(とう)を飼(か)い、

22それから出(で)る乳(ちち)が多(おお)いので、凝乳(ぎょうにゅう)を食(た)べることができ、すべて国(くに)のうちに残(のこ)された者(もの)は凝乳(ぎょうにゅう)と、蜂蜜(はちみつ)とを食(た)べることができる。

23その日(ひ)、銀(ぎん)一千シケルの価(あたい)ある千株(かぶ)のぶどうの木(き)のあった所(ところ)も、ことごとくいばらと、おどろの生(は)える所(ところ)となり、 24いばらと、おどろとが地(ち)にはびこるために、人々(ひとびと)は弓(ゆみ)と矢(や)をもってそこへ行(い)く。 25くわをもって掘(ほ)り耕(たがや)したすべての山々(やまやま)にも、あなたは、いばらと、おどろとを恐(おそ)れて、そこへ行(い)くことができない。その地(ち)はただ牛(うし)を放(はな)ち、羊(ひつじ)の踏(ふ)むところとなる。

第八章

1主(しゅ)はわたしに言(い)われた、「一枚(まい)の大(おお)きな札(ふだ)を取(と)って、その上(うえ)に普通(ふつう)の文字(もじ)で、『マヘル・シャラル・ハシ・バズ』と書(か)きなさい」。 2そこで、わたしは確(たし)かな証人(しょうにん)として、祭司(さいし)ウリヤおよびエベレキヤの子(こ)ゼカリヤを立(た)てた。 3わたしが預言者(よげんしゃ)の妻(つま)に近(ちか)づくと、彼女(かのじょ)はみごもって男(おとこ)の子(こ)を産(う)んだ。その時(とき)、主(しゅ)はわたしに言(い)われた、「その名(な)をマヘル・シャラル・ハシ・バズと呼(よ)びなさい。 4それはこの子(こ)がまだ『おとうさん、おかあさん』と呼(よ)ぶことを知(し)らないうちに、ダマスコの富(とみ)と、サマリヤのぶんどり品(ひん)とが、アッスリヤ王(おう)の前(まえ)に奪(うば)い去(さ)られるからである」。

5主(しゅ)はまた重(かさ)ねてわたしに言(い)われた、 6「この民(たみ)はゆるやかに流(なが)れるシロアの水(みず)を捨(す)てて、レヂンとレマリヤの子(こ)の前(まえ)に恐(おそ)れくじける。 7それゆえ見(み)よ、主(しゅ)は勢(いきお)いたけく、みなぎりわたる大川(おおかわ)の水(みず)を彼(かれ)らにむかってせき入(い)れられる。これはアッスリヤの王(おう)と、そのもろもろの威勢(いせい)とであって、そのすべての支流(しりゅう)にはびこり、すべての岸(きし)を越(こ)え、 8ユダに流(なが)れ入(い)り、あふれみなぎって、首(くび)にまで及(およ)ぶ。インマヌエルよ、その広(ひろ)げた翼(つばさ)はあまねく、あなたの国(くに)に満(み)ちわたる」。
9もろもろの民(たみ)よ、打(う)ち破(やぶ)られて、驚(おどろ)きあわてよ。
遠(とお)き国々(くにぐに)のものよ、耳(みみ)を傾(かたむ)けよ。
腰(こし)に帯(おび)して、驚(おどろ)きあわてよ。
腰(こし)に帯(おび)して、驚(おどろ)きあわてよ。
10ともに計(はか)れ、しかし、成(な)らない。
言葉(ことば)を出(だ)せ、しかし、行(おこな)われない。
神(かみ)がわれわれと共(とも)におられるからである。

11主(しゅ)は強(つよ)いみ手(て)をもって、わたしを捕(とら)え、わたしに語(かた)り、この民(たみ)の道(みち)に歩(あゆ)まないように、さとして言(い)われた、 12「この民(たみ)がすべて陰謀(いんぼう)ととなえるものを陰謀(いんぼう)ととなえてはならない。彼(かれ)らの恐(おそ)れるものを恐(おそ)れてはならない。またおののいてはならない。 13あなたがたは、ただ万軍(ばんぐん)の主(しゅ)を聖(せい)として、彼(かれ)をかしこみ、彼(かれ)を恐(おそ)れなければならない。 14主(しゅ)はイスラエルの二つの家(いえ)には聖所(せいじょ)となり、またさまたげの石(いし)、つまずきの岩(いわ)となり、エルサレムの住民(じゅうみん)には網(あみ)となり、わなとなる。 15多(おお)くの者(もの)はこれにつまずき、かつ倒(たお)れ、破(やぶ)られ、わなにかけられ、捕(とら)えられる」。

16わたしは、あかしを一つにまとめ、教(おしえ)をわが弟子(でし)たちのうちに封(ふう)じておこう。 17主(しゅ)はいま、ヤコブの家(いえ)に、み顔(かお)をかくしておられるとはいえ、わたしはその主(しゅ)を待(ま)ち、主(しゅ)を望(のぞ)みまつる。 18見(み)よ、わたしと、主(しゅ)のわたしに賜(たま)わった子(こ)たちとは、シオンの山(やま)にいます万軍(ばんぐん)の主(しゅ)から与(あた)えられたイスラエルのしるしであり、前(まえ)ぶれである。 19人々(ひとびと)があなたがたにむかって「さえずるように、ささやくように語(かた)る巫子(みこ)および魔術者(まじゅつしゃ)に求(もと)めよ」という時(とき)、民(たみ)は自分(じぶん)たちの神(かみ)に求(もと)むべきではないか。生(い)ける者(もの)のために死(し)んだ者(もの)に求(もと)めるであろうか。 20ただ教(おしえ)とあかしとに求(もと)めよ。まことに彼(かれ)らはこの言葉(ことば)によって語(かた)るが、そこには夜明(よあ)けがない。 21彼(かれ)らはしえたげられ、飢(う)えて国(くに)の中(なか)を経(へ)あるく。その飢(う)えるとき怒(いか)りを放(はな)ち、自分(じぶん)たちの王(おう)、自分(じぶん)たちの神(かみ)をのろい、かつその顔(かお)を天(てん)に向(む)ける。 22また地(ち)を見(み)ると、見(み)よ、悩(なや)みと暗(くら)きと、苦(くる)しみのやみとがあり、彼(かれ)らは暗黒(あんこく)に追(お)いやられる。

第九章

1しかし、苦(くる)しみにあった地(ち)にも、やみがなくなる。さきにはゼブルンの地(ち)、ナフタリの地(ち)にはずかしめを与(あた)えられたが、後(のち)には海(うみ)に至(いた)る道(みち)、ヨルダンの向(む)こうの地(ち)、異邦人(いほうじん)のガリラヤに光栄(こうえい)を与(あた)えられる。
2暗(くら)やみの中(なか)に歩(あゆ)んでいた民(たみ)は大(おお)いなる光(ひかり)を見(み)た。
暗黒(あんこく)の地(ち)に住(す)んでいた人々(ひとびと)の上(うえ)に光(ひかり)が照(て)った。
3あなたが国民(こくみん)を増(ま)し、その喜(よろこ)びを大(おお)きくされたので、
彼(かれ)らは刈入(かりい)れ時(とき)に喜(よろこ)ぶように、
獲物(えもの)を分(わ)かつ時(とき)に楽(たの)しむように、
あなたの前(まえ)に喜(よろこ)んだ。
4これはあなたが彼(かれ)らの負(お)っているくびきと、
その肩(かた)のつえと、しえたげる者(もの)のむちとを、
ミデアンの日(ひ)になされたように折(お)られたからだ。
5すべて戦場(せんじょう)で、歩兵(ほへい)のはいたくつと、
血(ち)にまみれた衣(ころも)とは、
火(ひ)の燃(も)えくさとなって焼(や)かれる。
6ひとりのみどりごがわれわれのために生(うま)れた、
ひとりの男(おとこ)の子(こ)がわれわれに与(あた)えられた。
まつりごとはその肩(かた)にあり、
その名(な)は、「霊妙(れいみょう)なる議(ぎ)士(し)、大能(たいのう)の神(かみ)、
とこしえの父(ちち)、平和(へいわ)の君(きみ)」ととなえられる。
7そのまつりごとと平和(へいわ)とは、増(ま)し加(くわ)わって限(かぎ)りなく、
ダビデの位(くらい)に座(ざ)して、その国(くに)を治(おさ)め、
今(いま)より後(のち)、とこしえに公平(こうへい)と正義(せいぎ)とをもって
これを立(た)て、これを保(たも)たれる。
万軍(ばんぐん)の主(しゅ)の熱心(ねっしん)がこれをなされるのである。


8主(しゅ)はひと言(こと)をヤコブにおくり、
これをイスラエルの上(うえ)にくだされる。
9すべてこの民(たみ)、
エフライムとサマリヤに住(す)む者(もの)とは知(し)るであろう。
彼(かれ)らは高(たか)ぶり、心(こころ)おごって言(い)う、
10「かわらがくずれても、
われわれは切(き)り石(いし)をもって建(た)てよう。
くわの木(き)が切(き)り倒(たお)されても、
われわれは香柏(こうはく)をもってこれにかえよう」と。
11それゆえ、主(しゅ)は敵(てき)を起(おこ)して彼(かれ)らを攻(せ)めさせ、
そのあだを奮(ふる)い立(た)たせられる。
12東(ひがし)にスリヤびとあり、西(にし)にペリシテびとあり、
彼(かれ)らは大口(おおぐち)をあけてイスラエルを食(く)い尽(つく)す。
それでも主(しゅ)の怒(いか)りはやまず、
なおも、そのみ手(て)を伸(の)ばされる。


13しかもなお、この民(たみ)は自分(じぶん)たちを撃(う)った者(もの)に帰(かえ)らず、
万軍(ばんぐん)の主(しゅ)を求(もと)めない。
14それゆえ、主(しゅ)はイスラエルから頭(あたま)と尾(お)と、
しゅろの枝(えだ)と葦(あし)とを一日(にち)のうちに断(た)ち切(き)られる。
15その頭(あたま)とは、長老(ちょうろう)と尊(たっと)き人(ひと)、
その尾(お)とは、偽(いつわ)りを教(おし)える預言者(よげんしゃ)である。
16この民(たみ)を導(みちび)く者(もの)は、これを迷(まよ)わせ、
彼(かれ)らに導(みちび)かれる者(もの)は、のみ尽(つく)される。
17それゆえ、主(しゅ)はその若(わか)き人々(ひとびと)を喜(よろこ)ばれず、
そのみなしごと寡婦(かふ)とをあわれまれない。
彼(かれ)らはみな、不信仰(ふしんこう)であって、悪(あく)を行(おこな)う者(もの)、
すべての口(くち)は愚(おろ)かな事(こと)を語(かた)るからである。
それでも主(しゅ)の怒(いか)りはやまず、
なおも、そのみ手(て)を伸(の)ばされる。


18悪(あく)は火(ひ)のように燃(も)え、
いばらと、おどろとを食(く)い尽(つく)し、
茂(しげ)りあう林(はやし)を焼(や)き、煙(けむり)の柱(はしら)となって巻(ま)きあがる。
19万軍(ばんぐん)の主(しゅ)の怒(いか)りによって地(ち)は焼(や)け、
その民(たみ)は火(ひ)の燃(も)えくさのようになり、
だれもその兄弟(きょうだい)をあわれむ者(もの)がない。
20彼(かれ)らは右手(みぎて)につかんでも、なお飢(う)え、
左手(ひだりて)で食(た)べても飽(あ)くことがない。
おのおのその隣(とな)り人(びと)の肉(にく)を食(く)う。
21マナセはエフライムを、
エフライムはマナセを食(く)い、
彼(かれ)らは共(とも)にユダを攻(せ)める。
それでも主(しゅ)の怒(いか)りはやまず、
なおも、そのみ手(て)を伸(の)ばされる。

第一〇章


1わざわいなるかな、
不義(ふぎ)の判決(はんけつ)を下(くだ)す者(もの)、暴虐(ぼうぎゃく)の宣告(せんこく)を書(か)きしるす者(もの)。
2彼(かれ)らは乏(とぼ)しい者(もの)の訴(うった)えを引(ひ)き受(う)けず、
わが民(たみ)のうちの貧(まず)しい者(もの)の権利(けんり)をはぎ、
寡婦(かふ)の資産(しさん)を奪(うば)い、みなしごのものをかすめる。
3あなたがたは刑罰(けいばつ)の日(ひ)がきたなら、
何(なに)をしようとするのか。
大風(おおかぜ)が遠(とお)くから来(く)るとき、
何(なに)をしようとするのか。
あなたがたはのがれていって、
だれに助(たす)けを求(もと)めようとするのか。
また、どこにあなたがたの富(とみ)を残(のこ)そうとするのか。
4ただ捕(とら)われた者(もの)の中(なか)にかがみ、
殺(ころ)された者(もの)の中(なか)に伏(ふ)し倒(たお)れるのみだ。
それでも主(しゅ)の怒(いか)りはやまず、
なおも、そのみ手(て)を伸(の)ばされる。


5ああ、アッスリヤはわが怒(いか)りのつえ、
わが憤(いきどお)りのむちだ。
6わたしは彼(かれ)をつかわして不信(ふしん)の国(くに)を攻(せ)め、
彼(かれ)に命(めい)じてわが怒(いか)りの民(たみ)を攻(せ)め、かすめ奪(うば)わせ、
彼(かれ)らをちまたの泥(どろ)のように踏(ふ)みにじらせる。
7しかし彼(かれ)はそのようには思(おも)わず、
その心(こころ)もそのようには考(かんが)えず、
かえってその心(こころ)は滅(ほろ)ぼすことを思(おも)い、
あまたの国々(くにぐに)を倒(たお)そうとする。
8彼(かれ)は言(い)う、「わが諸侯(しょこう)はみな王(おう)ではないか。
9カルノはカルケミシのようではないか。
ハマテはアルパデのようではないか。
サマリヤはダマスコのようではないか。
10わが手(て)は偶像(ぐうぞう)に仕(つか)える国々(くにぐに)に伸(の)びた。
その彫(ほ)った像(ぞう)はエルサレムおよび
サマリヤのものにまさっていた。
11わたしはサマリヤとその偶像(ぐうぞう)に行(おこな)ったように、
エルサレムとその偶像(ぐうぞう)に行(おこな)わぬであろうか」。

12主(しゅ)がシオンの山(やま)とエルサレムとになそうとすることを、ことごとくなし遂(と)げられた時(とき)、主(しゅ)はアッスリヤ王(おう)の無礼(ぶれい)な言葉(ことば)と、その高(たか)ぶりとを罰(ばっ)せられる。 13彼(かれ)は言(い)う、
「わが手(て)の力(ちから)により、またわが知恵(ちえ)によって、
わたしはこれをなした。わたしは賢(かしこ)いからである。
わたしはもろもろの民(たみ)の境(さかい)を除(のぞ)き、
その財宝(ざいほう)を奪(うば)った。
またわたしは雄牛(おうし)のように、
位(くらい)に座(ざ)する者(もの)を引(ひ)きおろした。
14わが手(て)は巣(す)を取(と)るように、
もろもろの民(たみ)の富(とみ)を得(え)た。
またわたしは人々(ひとびと)が捨(す)てられた卵(たまご)を集(あつ)めるように、
全(ぜん)地(ち)を取(と)り集(あつ)めた。
あるいは翼(つばさ)を動(うご)かし、あるいは口(くち)を開(ひら)き、
あるいはぺちゃくちゃ言(い)う者(もの)もなかった」。


15おのは、それを用(もち)いて切(き)る者(もの)にむかって、
自分(じぶん)を誇(ほこ)ることができようか。
のこぎりは、それを動(うご)かす者(もの)にむかって、
みずから高(たか)ぶることができようか。
これはあたかも、むちが自分(じぶん)をあげる者(もの)を動(うご)かし、
つえが木(き)でない者(もの)をあげようとするのに等(ひと)しい。
16それゆえ、主(しゅ)、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は、
その肥(こ)えた勇士(ゆうし)の中(なか)に病気(びょうき)を送(おく)って衰(おとろ)えさせ、
その栄光(えいこう)の下(した)に火(ひ)の燃(も)えるような炎(ほのお)を燃(も)やされる。
17イスラエルの光(ひかり)は火(ひ)となり、
その聖者(せいじゃ)は炎(ほのお)となり、
そのいばらと、おどろとを一日(にち)のうちに焼(や)き滅(ほろ)ぼす。
18また、その林(はやし)と土(つち)肥(こ)えた田畑(たはた)の栄(さか)えを、
魂(たましい)も、からだも二つながら滅(ほろ)ぼし、
病(や)める者(もの)のやせ衰(おとろ)える時(とき)のようにされる。
19その林(はやし)の木(き)の残(のこ)りのものはわずかであって、
わらべもそれを書(か)きとめることができる。

20その日(ひ)にはイスラエルの残(のこ)りの者(もの)と、ヤコブの家(いえ)の生(い)き残(のこ)った者(もの)とは、もはや自分(じぶん)たちを撃(う)った者(もの)にたよらず、真心(まごころ)をもってイスラエルの聖者(せいじゃ)、主(しゅ)にたより、 21残(のこ)りの者(もの)、すなわちヤコブの残(のこ)りの者(もの)は大能(たいのう)の神(かみ)に帰(かえ)る。 22あなたの民(たみ)イスラエルは海(うみ)の砂(すな)のようであっても、そのうちの残(のこ)りの者(もの)だけが帰(かえ)って来(く)る。滅(ほろ)びはすでに定(さだ)まり、義(ぎ)であふれている。 23主(しゅ)、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は定(さだ)められた滅(ほろ)びを全(ぜん)地(ち)に行(おこな)われる。

24それゆえ、主(しゅ)、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はこう言(い)われる、「シオンに住(す)むわが民(たみ)よ、アッスリヤびとが、エジプトびとがしたように、むちをもってあなたを打(う)ち、つえをあげてあなたをせめても、彼(かれ)らを恐(おそ)れてはならない。 25ただしばらくして、わが憤(いきどお)りはやみ、わが怒(いか)りは彼(かれ)らを滅(ほろ)ぼすからである。 26万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は、むかしミデアンびとをオレブの岩(いわ)で撃(う)たれた時(とき)のように、彼(かれ)らにむかって、むちをふるわれる。またそのつえを海(うみ)の上(うえ)にのばし、エジプトでなされたように、それをあげられる。 27その日(ひ)には、彼(かれ)の重荷(おもに)はあなたの肩(かた)からおり、彼(かれ)のくびきはあなたの首(くび)から離(はな)れる」。
彼(かれ)はリンモンから上(のぼ)り、
28アイアテにきたり、ミグロンを過(す)ぎ、
ミクマシでその行李(こうり)をとどめ、
29渡(わた)しを過(す)ぎて、ゲバに宿(やど)る。
ラマはおののき、サウルのギベアは逃(に)げ去(さ)った。
30ガリムの娘(むすめ)よ、声(こえ)をあげて叫(さけ)べ。
ライシよ、耳(みみ)を傾(かたむ)けよ。
アナトテよ、彼(かれ)に答(こた)えよ。
31マデメナは逃(に)げ去(さ)り、ゲビムの民(たみ)は隠(かく)れ場(ば)を求(もと)めた。
32この日(ひ)彼(かれ)はノブに立(た)ちとどまり、
シオンの娘(むすめ)の山(やま)、エルサレムの丘(おか)にむかって、
その手(て)を振(ふ)る。


33見(み)よ、主(しゅ)、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は、
恐(おそ)ろしい力(ちから)をもって枝(えだ)を切(き)りおろされる。
たけの高(たか)いものも切(き)り落(おと)され、
そびえ立(た)つものは低(ひく)くされる。
34主(しゅ)はおのをもって茂(しげ)りあう林(はやし)を切(き)られる。
みごとな木(き)の茂(しげ)るレバノンも倒(たお)される。

第一一章


1エッサイの株(かぶ)から一つの芽(め)が出(で)、
その根(ね)から一つの若(わか)枝(えだ)が生(は)えて実(み)を結(むす)び、
2その上(うえ)に主(しゅ)の霊(れい)がとどまる。
これは知恵(ちえ)と悟(さと)りの霊(れい)、深慮(しんりょ)と才能(さいのう)の霊(れい)、
主(しゅ)を知(し)る知識(ちしき)と主(しゅ)を恐(おそ)れる霊(れい)である。
3彼(かれ)は主(しゅ)を恐(おそ)れることを楽(たの)しみとし、
その目(め)の見(み)るところによって、さばきをなさず、
その耳(みみ)の聞(き)くところによって、定(さだ)めをなさず、
4正義(せいぎ)をもって貧(まず)しい者(もの)をさばき、
公平(こうへい)をもって国(くに)のうちの
柔和(にゅうわ)な者(もの)のために定(さだ)めをなし、
その口(くち)のむちをもって国(くに)を撃(う)ち、
そのくちびるの息(いき)をもって悪(あ)しき者(もの)を殺(ころ)す。
5正義(せいぎ)はその腰(こし)の帯(おび)となり、
忠信(ちゅうしん)はその身(み)の帯(おび)となる。


6おおかみは小羊(こひつじ)と共(とも)にやどり、
ひょうは子(こ)やぎと共(とも)に伏(ふ)し、
子(こ)牛(うし)、若(わか)じし、肥(こ)えたる家畜(かちく)は共(とも)にいて、
小(ちい)さいわらべに導(みちび)かれ、
7雌牛(めうし)と熊(くま)とは食(く)い物(もの)を共(とも)にし、
牛(うし)の子(こ)と熊(くま)の子(こ)と共(とも)に伏(ふ)し、
ししは牛(うし)のようにわらを食(く)い、
8乳(ち)のみ子(ご)は毒蛇(どくへび)のほらに戯(たわむ)れ、
乳離(ちばな)れの子(こ)は手(て)をまむしの穴(あな)に入(い)れる。
9彼(かれ)らはわが聖(せい)なる山(やま)のどこにおいても、
そこなうことなく、やぶることがない。
水(みず)が海(うみ)をおおっているように、
主(しゅ)を知(し)る知識(ちしき)が地(ち)に満(み)ちるからである。

10その日(ひ)、エッサイの根(ね)が立(た)って、もろもろの民(たみ)の旗(はた)となり、もろもろの国(くに)びとはこれに尋(たず)ね求(もと)め、その置(お)かれる所(ところ)に栄光(えいこう)がある。

11その日(ひ)、主(しゅ)は再(ふたた)び手(て)を伸(の)べて、その民(たみ)の残(のこ)れる者(もの)をアッスリヤ、エジプト、パテロス、エチオピヤ、エラム、シナル、ハマテおよび海沿(うみぞ)いの国々(くにぐに)からあがなわれる。
12主(しゅ)は国々(くにぐに)のために旗(はた)をあげて、
イスラエルの追(お)いやられた者(もの)を集(あつ)め、
ユダの散(ち)らされた者(もの)を地(ち)の四方(しほう)から集(あつ)められる。
13エフライムのねたみはうせ、
ユダを悩(なや)ます者(もの)は断(た)たれ、
エフライムはユダをねたまず、
ユダはエフライムを悩(なや)ますことはない。
14しかし彼(かれ)らは西(にし)の方(ほう)ペリシテびとの肩(かた)に
襲(おそ)いかかり、
相(あい)共(とも)に東(ひがし)の民(たみ)をかすめ、
その手(て)をエドムおよびモアブに伸(の)べ、
アンモンの人々(ひとびと)をおのれに従(したが)わせる。
15主(しゅ)はエジプトの海(うみ)の舌(した)をからし、
川(かわ)の上(うえ)に手(て)を振(ふ)って熱(あつ)い風(かぜ)を吹(ふ)かせ、
その川(かわ)を打(う)って七つの川(かわ)となし、
くつをぬらさないで渡(わた)らせられる。
16その民(たみ)の残(のこ)れる者(もの)のために
アッスリヤからの大路(おおじ)があり、
昔(むかし)イスラエルがエジプトの国(くに)から
上(のぼ)ってきた時(とき)にあったようになる。

第一二章

1その日(ひ)あなたは言(い)う、
「主(しゅ)よ、わたしはあなたに感謝(かんしゃ)します。
あなたは、さきにわたしにむかって怒(いか)られたが、
その怒(いか)りはやんで、わたしを慰(なぐさ)められたからです。
2見(み)よ、神(かみ)はわが救(すくい)である。
わたしは信頼(しんらい)して恐(おそ)れることはない。
主(しゅ)なる神(かみ)はわが力(ちから)、わが歌(うた)であり、
わが救(すくい)となられたからである」。

3あなたがたは喜(よろこ)びをもって、救(すくい)の井戸(いど)から水(みず)をくむ。 4その日(ひ)、あなたがたは言(い)う、
「主(しゅ)に感謝(かんしゃ)せよ。
そのみ名(な)を呼(よ)べ。
そのみわざをもろもろの民(たみ)の中(なか)につたえよ。
そのみ名(な)のあがむべきことを語(かた)りつげよ。
5主(しゅ)をほめうたえ。
主(しゅ)はそのみわざを、みごとになし遂(と)げられたから。
これを全(ぜん)地(ち)に宣(の)べ伝(つた)えよ。
6シオンに住(す)む者(もの)よ、声(こえ)をあげて、喜(よろこ)びうたえ。
イスラエルの聖者(せいじゃ)はあなたがたのうちで
大(おお)いなる者(もの)だから」。

第一三章

1アモツの子(こ)イザヤに示(しめ)されたバビロンについての託宣(たくせん)。
2あなたがたは木(き)のない山(やま)に旗(はた)を立(た)て、
声(こえ)をあげて彼(かれ)らを招(まね)き、
手(て)を振(ふ)って彼(かれ)らを貴族(きぞく)の門(もん)に、はいらせよ。
3わたしはわが怒(いか)りのさばきを行(おこな)うために
聖別(せいべつ)した者(もの)どもに命(めい)じ、
わが勇士(ゆうし)、わが勝(か)ち誇(ほこ)る者(もの)どもを招(まね)いた。


4聞(き)け、多(おお)くの民(たみ)のような騒(さわ)ぎ声(こえ)が山々(やまやま)に聞(きこ)える。
聞(き)け、もろもろの国々(くにぐに)、寄(よ)りつどえる
もろもろの国民(こくみん)のざわめく声(こえ)が聞(きこ)える。
これは万軍(ばんぐん)の主(しゅ)が
戦(たたか)いのために軍勢(ぐんぜい)を集(あつ)められるのだ。
5彼(かれ)らは遠(とお)い国(くに)から、天(てん)の果(はて)から来(く)る。
これは、主(しゅ)とその憤(いきどお)りの器(うつわ)で、
全(ぜん)地(ち)を滅(ほろ)ぼすために来(く)るのだ。


6あなたがたは泣(な)き叫(さけ)べ。主(しゅ)の日(ひ)が近(ちか)づき、
滅(ほろ)びが全能者(ぜんのうしゃ)から来(く)るからだ。
7それゆえ、すべての手(て)は弱(よわ)り、
すべての人(ひと)の心(こころ)は溶(と)け去(さ)る。
8彼(かれ)らは恐(おそ)れおののき、苦(くる)しみと悩(なや)みに捕(とら)えられ、
子(こ)を産(う)まんとする女(おんな)のようにもだえ苦(くる)しみ、
互(たがい)に驚(おどろ)き、顔(かお)を見(み)あわせ、
その顔(かお)は炎(ほのお)のようになる。


9見(み)よ、主(しゅ)の日(ひ)が来(く)る。
残忍(ざんにん)で、憤(いきどお)りと激(はげ)しい怒(いか)りとをもってこの地(ち)を荒(あら)し、
その中(なか)から罪(つみ)びとを断(た)ち滅(ほろ)ぼすために来(く)る。
10天(てん)の星(ほし)とその星座(せいざ)とはその光(ひかり)を放(はな)たず、
太陽(たいよう)は出(で)ても暗(くら)く、
月(つき)はその光(ひかり)を輝(かがや)かさない。
11わたしはその悪(あく)のために世(よ)を罰(ばっ)し、
その不義(ふぎ)のために悪(わる)い者(もの)を罰(ばっ)し、
高(たか)ぶる者(もの)の誇(ほこり)をとどめ、
あらぶる者(もの)の高慢(こうまん)を低(ひく)くする。
12わたしは人(ひと)を精(せい)金(きん)よりも、
オフルのこがねよりも少(すく)なくする。
13それゆえ、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)の憤(いきどお)りにより、
その激(はげ)しい怒(いか)りの日(ひ)に、
天(てん)は震(ふる)い、地(ち)は揺(ゆ)り動(うご)いて、その所(ところ)をはなれる。
14彼(かれ)らは追(お)われた、かもしかのように、
あるいは集(あつ)める者(もの)のない羊(ひつじ)のようになって、
おのおの自分(じぶん)の民(たみ)に帰(かえ)り、
自分(じぶん)の国(くに)に逃(に)げて行(い)く。
15すべて見(み)いだされる者(もの)は刺(さ)され、
すべて捕(とら)えられる者(もの)はつるぎによって倒(たお)され、
16彼(かれ)らのみどりごはその目(め)の前(まえ)で投(な)げ砕(くだ)かれ、
その家(いえ)はかすめ奪(うば)われ、その妻(つま)は汚(けが)される。


17見(み)よ、わたしは、しろがねをも顧(かえり)みず、
こがねをも喜(よろこ)ばないメデアびとを起(おこ)して、
彼(かれ)らにむかわせる。
18彼(かれ)らの弓(ゆみ)は若(わか)い者(もの)を射殺(いころ)し、
腹(はら)の実(み)をあわれむことなく、
幼(おさ)な子(ご)を見(み)て、惜(お)しむことがない。
19国々(くにぐに)の誉(ほまれ)であり、
カルデヤびとの誇(ほこり)である麗(うるわ)しいバビロンは、
神(かみ)に滅(ほろ)ぼされたソドム、ゴモラのようになる。
20ここにはながく住(す)む者(もの)が絶(た)え、
世々(よよ)にいたるまで住(す)みつく者(もの)がなく、
アラビヤびともそこに天幕(てんまく)を張(は)らず、
羊飼(ひつじかい)もそこに群(む)れを伏(ふ)させることがない。
21ただ、野(の)の獣(けもの)がそこに伏(ふ)し、
ほえる獣(けもの)がその家(いえ)に満(み)ち、
だちょうがそこに住(す)み、
鬼神(きしん)がそこに踊(おど)る。
22ハイエナはその城(しろ)の中(なか)で鳴(な)き、
山犬(やまいぬ)は楽(たの)しい宮殿(きゅうでん)でほえる。
その時(とき)の来(く)るのは近(ちか)い、
その日(ひ)は延(の)びることがない。

第一四章

1主(しゅ)はヤコブをあわれみ、イスラエルを再(ふたた)び選(えら)んで、これをおのれの地(ち)に置(お)かれる。異邦人(いほうじん)はこれに加(くわ)わって、ヤコブの家(いえ)に結(むす)びつらなり、 2もろもろの民(たみ)は彼(かれ)らを連(つ)れてその所(ところ)に導(みちび)いて来(く)る。そしてイスラエルの家(いえ)は、主(しゅ)の地(ち)で彼(かれ)らを男女(だんじょ)の奴隷(どれい)とし、さきに自分(じぶん)たちを捕虜(ほりょ)にした者(もの)を捕虜(ほりょ)にし、自分(じぶん)たちをしえたげた者(もの)を治(おさ)める。

3主(しゅ)があなたの苦労(くろう)と不安(ふあん)とを除(のぞ)き、またあなたが服(ふく)した苦役(くえき)を除(のぞ)いて、安息(あんそく)をお与(あた)えになるとき、 4あなたはこのあざけりの歌(うた)をとなえ、バビロンの王(おう)をののしって言(い)う、
「あの、しえたげる者(もの)は全(まった)く絶(た)えてしまった。
あの、おごる者(もの)は全(まった)く絶(た)えてしまった。
5主(しゅ)は悪(わる)い者(もの)のつえと、
つかさびとの笏(しゃく)を折(お)られた。
6彼(かれ)らは憤(いきどお)りをもってもろもろの民(たみ)を
絶(た)えず撃(う)っては打(う)ち、
怒(いか)りをもってもろもろの国(くに)を治(おさ)めても、
そのしえたげをとどめる者(もの)がなかった。
7全(ぜん)地(ち)はやすみを得(え)、穏(おだ)やかになり、
ことごとく声(こえ)をあげて歌(うた)う。
8いとすぎおよびレバノンの香柏(こうはく)でさえも
あなたのゆえに喜(よろこ)んで言(い)う、
『あなたはすでに倒(たお)れたので、
もはや、きこりが上(のぼ)ってきて、
われわれを攻(せ)めることはない』。
9下(した)の陰府(よみ)はあなたのために動(うご)いて、
あなたの来(く)るのを迎(むか)え、
地(ち)のもろもろの指導者(しどうしゃ)たちの亡霊(ぼうれい)を
あなたのために起(おこ)し、
国々(くにぐに)のもろもろの王(おう)を
その王座(おうざ)から立(た)ちあがらせる。
10彼(かれ)らは皆(みな)あなたに告(つ)げて言(い)う、
『あなたもまたわれわれのように弱(よわ)くなった、
あなたもわれわれと同(おな)じようになった』。
11あなたの栄華(えいが)とあなたの琴(こと)の音(ね)は
陰府(よみ)に落(お)ちてしまった。
うじはあなたの下(した)に敷(し)かれ、
みみずはあなたをおおっている。


12黎明(れいめい)の子(こ)、明(あ)けの明星(みょうじょう)よ、
あなたは天(てん)から落(お)ちてしまった。
もろもろの国(くに)を倒(たお)した者(もの)よ、
あなたは切(き)られて地(ち)に倒(たお)れてしまった。
13あなたはさきに心(こころ)のうちに言(い)った、
『わたしは天(てん)にのぼり、
わたしの王座(おうざ)を高(たか)く神(かみ)の星(ほし)の上(うえ)におき、
北(きた)の果(はて)なる集会(しゅうかい)の山(やま)に座(ざ)し、
14雲(くも)のいただきにのぼり、
いと高(たか)き者(もの)のようになろう』。
15しかしあなたは陰府(よみ)に落(おと)され、
穴(あな)の奥底(おくそこ)に入(い)れられる。
16あなたを見(み)る者(もの)はつくづくあなたを見(み)、
あなたに目(め)をとめて言(い)う、
『この人(ひと)は地(ち)を震(ふる)わせ、国々(くにぐに)を動(うご)かし、
17世界(せかい)を荒野(あらの)のようにし、その都市(とし)をこわし、
捕(とら)えた者(もの)をその家(いえ)に
解(と)き帰(かえ)さなかった者(もの)であるのか』。
18もろもろの国(くに)の王(おう)たちは皆(みな)
尊(たっと)いさまで、自分(じぶん)の墓(はか)に眠(ねむ)る。
19しかしあなたは忌(い)みきらわれる月(つき)足(た)らぬ子(こ)のように
墓(はか)のそとに捨(す)てられ、
つるぎで刺(さ)し殺(ころ)された者(もの)でおおわれ、
踏(ふ)みつけられる死体(したい)のように穴(あな)の石(いし)に下(くだ)る。
20あなたは自分(じぶん)の国(くに)を滅(ほろ)ぼし、
自分(じぶん)の民(たみ)を殺(ころ)したために、
彼(かれ)らと共(とも)に葬(ほうむ)られることはない。
どうか、悪(あく)を行(おこな)う者(もの)の子孫(しそん)は
とこしえに名(な)を呼(よ)ばれることのないように。
21先祖(せんぞ)のよこしまのゆえに、
その子孫(しそん)のためにほふり場(ば)を備(そな)えよ。
これは彼(かれ)らが起(た)って地(ち)を取(と)り、
世界(せかい)のおもてに町々(まちまち)を
満(み)たすことのないためである」。

22万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は言(い)われる、「わたしは立(た)って彼(かれ)らを攻(せ)め、バビロンからその名(な)と、残(のこ)れる者(もの)、その子(こ)と孫(まご)とを断(た)ち滅(ほろ)ぼす、と主(しゅ)は言(い)う。 23わたしはこれをはりねずみのすみかとし、水(みず)の池(いけ)とし、滅(ほろ)びのほうきをもって、これを払(はら)い除(のぞ)く、と万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は言(い)う」。


24万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は誓(ちか)って言(い)われる、
「わたしが思(おも)ったように必(かなら)ず成(な)り、
わたしが定(さだ)めたように必(かなら)ず立(た)つ。
25わたしはアッスリヤびとをわが地(ち)で打(う)ち破(やぶ)り、
わが山々(やまやま)で彼(かれ)を踏(ふ)みにじる。
こうして彼(かれ)が置(お)いたくびきは
イスラエルびとから離(はな)れ、
彼(かれ)が負(お)わせた重荷(おもに)は
イスラエルびとの肩(かた)から離(はな)れる」。
26これは全(ぜん)地(ち)について定(さだ)められた計画(けいかく)である。
これは国々(くにぐに)の上(うえ)に伸(の)ばされた手(て)である。
27万軍(ばんぐん)の主(しゅ)が定(さだ)められるとき、
だれがそれを取(と)り消(け)すことができるのか。
その手(て)を伸(の)ばされるとき、
だれがそれを引(ひ)きもどすことができるのか。


28アハズ王(おう)の死(し)んだ年(ねん)にこの託宣(たくせん)があった、
29「ペリシテの全(ぜん)地(ち)よ、あなたを打(う)ったむちが
折(お)られたことを喜(よろこ)んではならない。
へびの根(ね)からまむしが出(で)、
その実(み)は飛(と)びかけるへびとなるからだ。
30いと貧(まず)しい者(もの)は食(しょく)を得(え)、
乏(とぼ)しい者(もの)は安(やす)らかに伏(ふ)す。
しかし、わたしはききんをもって
あなたの子孫(しそん)を殺(ころ)し、
あなたの残(のこ)れる者(もの)を滅(ほろ)ぼす。
31門(もん)よ、泣(な)きわめけ。町(まち)よ、叫(さけ)べ。
ペリシテの全(ぜん)地(ち)よ、恐(おそ)れのあまり消(き)えうせよ、
北(きた)から煙(けむり)が来(く)るからだ。
その隊列(たいれつ)からは、ひとりも脱落(だつらく)する者(もの)はない」。


32その国(くに)の使者(ししゃ)たちになんと答(こた)えようか。
「主(しゅ)はシオンの基(もとい)をおかれた、
その民(たみ)の苦(くる)しむ者(もの)は
この中(なか)に避(さ)け所(どころ)を得(え)る」と答(こた)えよ。

第一五章

1モアブについての託宣(たくせん)。
アルは一夜(や)のうちに荒(あら)されて、モアブは滅(ほろ)びうせ、
キルは一夜(や)のうちに荒(あら)されて、モアブは滅(ほろ)びうせた。
2デボンの娘(むすめ)は高(たか)き所(ところ)にのぼって泣(な)き、
モアブはネボとメデバの上(うえ)で嘆(なげ)き叫(さけ)ぶ。
おのおのその頭(あたま)をかぶろにし、
そのひげをことごとくそった。
3彼(かれ)らはそのちまたで荒布(あらぬの)をまとい、
その屋根(やね)または広場(ひろば)で、みな泣(な)き叫(さけ)び、涙(なみだ)に浸(ひた)る。
4ヘシボンとエレアレとは叫(さけ)び、
その声(こえ)はヤハズまで聞(きこ)える。
それゆえ、モアブの兵士(へいし)は声(こえ)をあげ、
その魂(たましい)はおののく。
5わが心(こころ)はモアブのために叫(さけ)び呼(よ)ばわる。
その落人(おちうど)はゾアルおよび
エグラテ・シリシヤにのがれ、
泣(な)きながらルヒテの坂(さか)をのぼり、
ホロナイムの道(みち)で滅(ほろ)びの叫(さけ)びをあげる。
6ニムリムの水(みず)はかわき、
草(くさ)は枯(か)れ、苗(なえ)は消(き)えて、青(あお)い物(もの)はない。
7それゆえ、彼(かれ)らはその得(え)た富(とみ)と、
そのたくわえた物(もの)とを携(たずさ)えて、柳(やなぎ)の川(かわ)をわたる。
8その叫(さけ)びの声(こえ)はモアブの境(さかい)をめぐり、
その嘆(なげ)きの声(こえ)はエグライムにいたり、
またその嘆(なげ)きの声(こえ)はベエル・エリムにいたる。
9デボンの水(みず)は血(ち)で満(み)ちる。
わたしはデボンの上(うえ)にさらに災(わざわい)を加(くわ)え、
モアブののがれた者(もの)と
この地(ち)の残(のこ)った者(もの)とに、ししを送(おく)る。

第一六章


1彼(かれ)らはセラから荒野(あらの)の道(みち)によって
小羊(こひつじ)をシオンの娘(むすめ)の山(やま)に送(おく)り、
国(くに)のつかさに納(おさ)めた。
2モアブの娘(むすめ)らはアルノンの渡(わた)しで、
さまよう鳥(とり)のように、
巣(す)を追(お)われたひなのようである。
3「相(あい)はかって、事(こと)を定(さだ)めよ。
真昼(まひる)の中(なか)でも、あなたの陰(かげ)を夜(よる)のようにし、
さすらい人(ひと)を隠(かく)し、
のがれて来(き)た者(もの)をわたさず、
4モアブのさすらい人(ひと)を、あなたのうちにやどらせ、
彼(かれ)らの避(さ)け所(どころ)となって、滅(ほろ)ぼす者(もの)からのがれさせよ。
しえたげる者(もの)がなくなり、滅(ほろ)ぼす者(もの)が絶(た)え、
踏(ふ)みにじる者(もの)が地(ち)から断(た)たれたとき、
5一つの玉座(ぎょくざ)がいつくしみによって堅(かた)く立(た)てられ、
ダビデの幕屋(まくや)にあって、
さばきをなし、公平(こうへい)を求(もと)め、
正義(せいぎ)を行(おこな)うに、すみやかなる者(もの)が
真実(しんじつ)をもってその上(うえ)に座(ざ)する」。


6われわれはモアブの高(たか)ぶりのことを聞(き)いた、
その高(たか)ぶることは、はなはだしい。
われわれはその誇(ほこり)と、高(たか)ぶりと、
そのおごりとのことを聞(き)いた、
その自慢(じまん)は偽(いつわ)りである。
7それゆえ、モアブは泣(な)き叫(さけ)べ、
民(たみ)はみなモアブのために泣(な)き叫(さけ)べ。
全(まった)く撃(う)ちのめされて、
キルハレセテの干(ほし)ぶどうのために嘆(なげ)け。
8ヘシボンの畑(はたけ)と、
シブマのぶどうの木(き)とは、しぼみ衰(おとろ)えた。
国々(くにぐに)のもろもろの主(しゅ)が、
その枝(えだ)を打(う)ち落(おと)したからである。
その枝(えだ)はさきにはヤゼルまでいたり、
荒野(あらの)にまではびこり、
そのつるは広(ひろ)がって海(うみ)を越(こ)えた。
9それゆえ、わたしはヤゼルと共(とも)に、
シブマのぶどうの木(き)のために泣(な)く。
ヘシボンよ、エレアレよ、
わたしは涙(なみだ)をもってあなたを浸(ひた)す。
ときの声(こえ)が、あなたの果実(かじつ)と、
あなたの収穫(しゅうかく)の上(うえ)にふりかかってきたからである。
10喜(よろこ)びと楽(たの)しみとは土(つち)肥(こ)えた畑(はたけ)から取(と)り去(さ)られ、
ぶどう畑(はたけ)には歌(うた)うことなく、
喜(よろこ)び呼(よ)ばわることなく、
酒(さか)ぶねを踏(ふ)んで酒(さけ)を絞(しぼ)る者(もの)なく、
ぶどうの収穫(しゅうかく)を喜(よろこ)ぶ声(こえ)はやんだ。
11それゆえ、わが魂(たましい)はモアブのために、
わが心(こころ)はキルハレスのために、
琴(こと)のように鳴(な)りひびく。

12モアブが高(たか)き所(ところ)に出(で)て、おのれを疲(つか)れさせ、またその聖所(せいじょ)にきて祈(いの)っても、効果(こうか)はない。

13これは主(しゅ)がさきにモアブについて語(かた)られたみ言葉(ことば)である。 14しかし今(いま)、主(しゅ)は語(かた)って言(い)われる、「モアブの栄(さか)えはその大(おお)いなる群衆(ぐんしゅう)にもかかわらず、雇人(やといにん)の年期(ねんき)とひとしく三年(ねん)のうちに、はずかしめを受(う)け、残(のこ)れる者(もの)はまことに少(すく)なく、力(ちから)がない」。

第一七章

1ダマスコについての託宣(たくせん)。
見(み)よ、ダマスコは町(まち)の姿(すがた)を失(うしな)って、荒塚(あらつか)となる。
2その町々(まちまち)はとこしえに捨(す)てられ、
家畜(かちく)の群(む)れの住(す)む所(ところ)となって、伏(ふ)しやすむが、
これを脅(おびや)かす者(もの)はない。
3エフライムのとりではすたり、
ダマスコの主権(しゅけん)はやみ、
スリヤの残(のこ)れる者(もの)は、イスラエルの子(こ)らの
栄光(えいこう)のように消(き)えうせると
万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は言(い)われる。


4その日(ひ)、ヤコブの栄(さか)えは衰(おとろ)え、
その肥(こ)えたる肉(にく)はやせ、
5あたかも刈入(かりい)れ人(ひと)がまだ刈(か)らない麦(むぎ)を集(あつ)め、
かいなをもって穂(ほ)を刈(か)り取(と)ったあとのように、
レパイムの谷(たに)で穂(ほ)を拾(ひろ)い集(あつ)めたあとのようになる。
6オリブの木(き)を打(う)つとき、
二つ三つの実(み)をこずえに残(のこ)し、
あるいは四つ五つを
みのり多(おお)き木(き)の枝(えだ)に残(のこ)すように、
とり残(のこ)されるものがあると
イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)は言(い)われる。

7その日(ひ)、人々(ひとびと)はその造(つく)り主(ぬし)を仰(あお)ぎのぞみ、イスラエルの聖者(せいじゃ)に目(め)をとめ、 8おのれの手(て)のわざである祭壇(さいだん)を仰(あお)ぎのぞまず、おのれの指(ゆび)が造(つく)ったアシラ像(ぞう)と香(こう)の祭壇(さいだん)とに目(め)をとめない。

9その日(ひ)、彼(かれ)らの堅固(けんご)な町々(まちまち)は昔(むかし)イスラエルの子(こ)らのゆえに捨(す)て去(さ)られたヒビびとおよびアモリびとの荒(あ)れ跡(あと)のように荒(あ)れ地(ち)になる。


10これはあなたがたが自分(じぶん)の救(すくい)の神(かみ)を忘(わす)れ、
自分(じぶん)の避(さ)け所(どころ)なる岩(いわ)を心(こころ)にとめなかったからだ。
それゆえ、あなたがたは美(うつく)しい植物(しょくぶつ)を植(う)え、
異(こと)なる神(かみ)の切(き)り枝(えだ)をさし、
11その植(う)えた日(ひ)にこれを成長(せいちょう)させ、
そのまいた朝(あさ)にこれを花(はな)咲(さ)かせても、
その収穫(しゅうかく)は悲(かな)しみと、いやしがたい苦(くる)しみの日(ひ)にとび去(さ)る。


12ああ、多(おお)くの民(たみ)はなりどよめく、
海(うみ)のなりどよめくように、彼(かれ)らはなりどよめく。
ああ、もろもろの国(くに)はなりとどろく、
大水(おおみず)のなりとどろくように、彼(かれ)らはなりとどろく。
13もろもろの国(くに)は多(おお)くの水(みず)の
なりとどろくように、なりとどろく。
しかし、神(かみ)は彼(かれ)らを懲(こら)しめられる。
彼(かれ)らは遠(とお)くのがれて、
風(かぜ)に吹(ふ)き去(さ)られる山(やま)の上(うえ)のもみがらのように、
また暴風(ぼうふう)にうず巻(ま)くちりのように追(お)いやられる。
14夕暮(ゆうぐれ)には、見(み)よ、恐(おそ)れがある。
まだ夜(よ)の明(あ)けないうちに彼(かれ)らはうせた。
これはわれわれをかすめる者(もの)の受(う)くべき分(ぶん)、
われわれを奪(うば)う者(もの)の引(ひ)くべきくじである。

第一八章


1ああ、エチオピヤの川々(かわがわ)のかなたなる
ぶんぶんと羽音(はおと)のする国(くに)、
2この国(くに)は葦(あし)の船(ふね)を水(みず)にうかべ、
ナイル川(かわ)によって使者(ししゃ)をつかわす。
とく走(はし)る使者(ししゃ)よ、行(い)け。
川々(かわがわ)の分(わか)れる国(くに)の、たけ高(たか)く、膚(はだ)のなめらかな民(たみ)、
遠近(えんきん)に恐(おそ)れられる民(たみ)、
力強(ちからづよ)く、戦(たたか)いに勝(か)つ民(たみ)へ行(い)け。
3すべて世(よ)におるもの、地(ち)に住(す)むものよ、
山(やま)の上(うえ)に旗(はた)の立(た)つときは見(み)よ、
ラッパの鳴(な)りひびくときは聞(き)け。
4主(しゅ)はわたしにこう言(い)われた、
「晴(は)れわたった日光(にっこう)の熱(ねつ)のように、
刈入(かりい)れの熱(ねつ)むして露(つゆ)の多(おお)い雲(くも)のように、
わたしは静(しず)かにわたしのすまいから、ながめよう」。
5刈入(かりい)れの前(まえ)、花(はな)は過(す)ぎて
その花(はな)がぶどうとなって熟(じゅく)すとき、
彼(かれ)はかまをもって、つるを刈(か)り、枝(えだ)を切(き)り去(さ)る。
6彼(かれ)らはみな山(やま)の猛禽(もうきん)と、
地(ち)の獣(けもの)とに捨(す)て置(お)かれる。
猛禽(もうきん)はその上(うえ)で夏(なつ)を過(す)ごし、
地(ち)の獣(けもの)はみなその上(うえ)で冬(ふゆ)を過(す)ごす。
7その時(とき)、川々(かわがわ)の分(わか)れる国(くに)の
たけ高(たか)く、膚(はだ)のなめらかな民(たみ)、
遠(とお)くの者(もの)にも近(ちか)くの者(もの)にも恐(おそ)れられる民(たみ)、
力強(ちからづよ)く、戦(たたか)いに勝(か)つ民(たみ)から
万軍(ばんぐん)の主(しゅ)にささげる贈(おく)り物(もの)を携(たずさ)えて、
万軍(ばんぐん)の主(しゅ)のみ名(な)のある所(ところ)、シオンの山(やま)に来(く)る。

第一九章

1エジプトについての託宣(たくせん)。
見(み)よ、主(しゅ)は速(はや)い雲(くも)に乗(の)って、エジプトに来(こ)られる。
エジプトのもろもろの偶像(ぐうぞう)は、み前(まえ)に震(ふる)えおののき、
エジプトびとの心(こころ)は彼(かれ)らのうちに溶(と)け去(さ)る。
2わたしはエジプトびとを奮(ふる)いたたせて、
エジプトびとに逆(さか)らわせる。
彼(かれ)らはおのおのその兄弟(きょうだい)に敵(てき)して戦(たたか)い、
おのおのその隣(となり)に敵(てき)し、
町(まち)は町(まち)を攻(せ)め、国(くに)は国(くに)を攻(せ)める。
3エジプトびとの魂(たましい)は、
彼(かれ)らのうちにうせて、むなしくなる。
わたしはその計(はか)りごとを破(やぶ)る。
彼(かれ)らは偶像(ぐうぞう)および魔術(まじゅつ)師(し)、
巫子(みこ)および魔法使(まほうつかい)に尋(たず)ね求(もと)める。
4わたしはエジプトびとをきびしい主人(しゅじん)の手(て)に渡(わた)す、
荒々(あらあら)しい王(おう)が彼(かれ)らを治(おさ)めると、
主(しゅ)、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は言(い)われる。


5ナイルの水(みず)はつき、川(かわ)はかれてかわく。
6またその運河(うんが)は臭(くさ)いにおいを放(はな)ち、
エジプトのナイルの支流(しりゅう)はややに減(へ)ってかわき、
葦(あし)とよしとは枯(か)れはてる。
7ナイルのほとり、ナイルの岸(きし)には裸(はだか)の所(ところ)があり、
ナイルのほとりにまいた物(もの)はことごとく枯(か)れ、
散(ち)らされて、うせ去(さ)る。
8漁夫(ぎょふ)は嘆(なげ)き、
すべてナイルにつりをたれる者(もの)は悲(かな)しみ、
網(あみ)を水(みず)のおもてにうつ者(もの)は衰(おとろ)える。
9練(ね)った麻(あさ)で物(もの)を造(つく)る者(もの)と、
白布(しろぬの)を織(お)る者(もの)は恥(は)じる。
10国(くに)の柱(はしら)たる者(もの)は砕(くだ)かれ、
すべて雇(やと)われて働(はたら)く者(もの)は嘆(なげ)き悲(かな)しむ。
11ゾアンの君(きみ)たちは全(まった)く愚(おろ)かであり、
パロの賢(かしこ)い議(ぎ)官(かん)らは愚(おろ)かな計(はか)りごとをなす。
あなたがたはどうしてパロにむかって
「わたしは賢(かしこ)い者(もの)の子(こ)、いにしえの王(おう)の子(こ)です」と
言(い)うことができようか。
12あなたの賢(かしこ)い者(もの)はどこにおるか。
彼(かれ)らをして、
万軍(ばんぐん)の主(しゅ)がエジプトについて定(さだ)められたことを
あなたに告(つ)げ知(し)らしめよ。
13ゾアンの君(きみ)たちは愚(おろ)かとなり、
メンピスの君(きみ)たちは欺(あざむ)かれ、
エジプトのもろもろの部族(ぶぞく)の隅(すみ)の石(いし)たる彼(かれ)らは、
かえってエジプトを迷(まよ)わせた。
14主(しゅ)は曲(まが)った心(こころ)を彼(かれ)らのうちに混(ま)ぜられた。
彼(かれ)らはエジプトをして、
すべてその行(おこな)うことに迷(まよ)わせ、
あたかも酔(よ)った人(ひと)の物(もの)吐(は)くときに
よろめくようにさせた。
15エジプトに対(たい)しては、頭(あたま)あるいは尾(お)、
しゅろの枝(えだ)あるいは葦(あし)が
共(とも)になしうるわざはない。

16その日(ひ)、エジプトびとは女(おんな)のようになり、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)の彼(かれ)らの上(うえ)に振(ふ)り動(うご)かされるみ手(て)の前(まえ)に恐(おそ)れおののく。 17ユダの地(ち)は、エジプトびとに恐(おそ)れられ、ユダについて語(かた)り告(つ)げることを聞(き)くエジプトびとはみな、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)がエジプトびとにむかって定(さだ)められた計(はか)りごとのゆえに恐(おそ)れる。

18その日(ひ)、エジプトの地(ち)にカナンの国(くに)ことばを語(かた)り、また万軍(ばんぐん)の主(しゅ)に誓(ちか)いを立(た)てる五つの町(まち)があり、その中(なか)の一つは太陽(たいよう)の町(まち)ととなえられる。

19その日(ひ)、エジプトの国(くに)の中(なか)に主(しゅ)をまつる一つの祭壇(さいだん)があり、その境(さかい)に主(しゅ)をまつる一つの柱(はしら)がある。 20これはエジプトの国(くに)で万軍(ばんぐん)の主(しゅ)に、しるしとなり、あかしとなる。彼(かれ)らがしえたげる者(もの)のゆえに、主(しゅ)に叫(さけ)び求(もと)めるとき、主(しゅ)は救(すく)う者(もの)をつかわして、彼(かれ)らを守(まも)り助(たす)けられる。 21主(しゅ)はご自分(じぶん)をエジプトびとに知(し)らせられる。その日(ひ)、エジプトびとは主(しゅ)を知(し)り、犠牲(ぎせい)と供(そな)え物(もの)とをもって主(しゅ)に仕(つか)え、主(しゅ)に誓願(せいがん)をたててこれを果(はた)す。 22主(しゅ)はエジプトを撃(う)たれる。主(しゅ)はこれを撃(う)たれるが、またいやされる。それゆえ彼(かれ)らは主(しゅ)に帰(かえ)る。主(しゅ)は彼(かれ)らの願(ねが)いをいれて、彼(かれ)らをいやされる。

23その日(ひ)、エジプトからアッスリヤに通(かよ)う大路(おおじ)があって、アッスリヤびとはエジプトに、エジプトびとはアッスリヤに行(い)き、エジプトびとはアッスリヤびとと共(とも)に主(しゅ)に仕(つか)える。

24その日(ひ)、イスラエルはエジプトとアッスリヤと共(とも)に三つ相(あい)並(なら)び、全(ぜん)地(ち)のうちで祝福(しゅくふく)をうけるものとなる。 25万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は、これを祝福(しゅくふく)して言(い)われる、「さいわいなるかな、わが民(たみ)なるエジプト、わが手(て)のわざなるアッスリヤ、わが嗣(し)業(ぎょう)なるイスラエル」と。

第二〇章

1アッスリヤの王(おう)サルゴンからつかわされた最高(さいこう)司令(しれい)官(かん)がアシドドに来(き)て、これを攻(せ)め、これを取(と)った年(ねん)、―― 2その時(とき)に主(しゅ)はアモツの子(こ)イザヤによって語(かた)って言(い)われた、「さあ、あなたの腰(こし)から荒布(あらぬの)を解(と)き、足(あし)からくつを脱(ぬ)ぎなさい」。そこでイザヤはそのようにし、裸(はだか)、はだしで歩(ある)いた。―― 3主(しゅ)は言(い)われた、「わがしもべイザヤは三年(ねん)の間(あいだ)、裸(はだか)、はだしで歩(ある)き、エジプトとエチオピヤに対(たい)するしるしとなり、前(まえ)ぶれとなったが、 4このようにエジプトびとのとりことエチオピヤびとの捕(とら)われ人(びと)とは、アッスリヤの王(おう)に引(ひ)き行(い)かれて、その若(わか)い者(もの)も老(お)いた者(もの)もみな裸(はだか)、はだしで、しりをあらわし、エジプトの恥(はじ)を示(しめ)す。 5彼(かれ)らはその頼(たの)みとしたエチオピヤのゆえに、その誇(ほこり)としたエジプトのゆえに恐(おそ)れ、かつ恥(は)じる。 6その日(ひ)には、この海(うみ)べに住(す)む民(たみ)は言(い)う、『見(み)よ、われわれが頼(たの)みとした国(くに)、すなわちわれわれがのがれて行(い)って助(たす)けを求(もと)め、アッスリヤ王(おう)から救(すく)い出(だ)されようとした国(くに)はすでにこのとおりである。われわれはどうしてのがれることができようか』と。」

第二一章

1海(うみ)の荒野(あらの)についての託宣(たくせん)。
つむじ風(かぜ)がネゲブを吹(ふ)き過(す)ぎるように、
荒野(あらの)から、恐(おそ)るべき地(ち)から、来(く)るものがある。
2わたしは一つのきびしい幻(まぼろし)を示(しめ)された。
かすめ奪(うば)う者(もの)はかすめ奪(うば)い、
滅(ほろ)ぼす者(もの)は滅(ほろ)ぼす。
エラムよ、のぼれ、メデアよ、囲(かこ)め。
わたしはすべての嘆(なげ)きをやめさせる。
3それゆえ、わが腰(こし)は激(はげ)しい痛(いた)みに満(み)たされ、
出産(しゅっさん)に臨(のぞ)む女(おんな)の苦(くる)しみのような苦(くる)しみが
わたしを捕(とら)えた。
わたしは、かがんで聞(き)くことができず、
恐(おそ)れおののいて見(み)ることができない。
4わが心(こころ)はみだれ惑(まど)い、
わななき恐(おそ)れること、はなはだしく、
わたしのあこがれたたそがれは
変(かわ)っておののきとなった。
5彼(かれ)らは食卓(しょくたく)を設(もう)け、
じゅうたんを敷(し)いて食(く)い飲(の)みする。
もろもろの君(きみ)よ、立(た)って、盾(たて)に油(あぶら)をぬれ。
6主(しゅ)はわたしにこう言(い)われた、
「行(い)って、見張(みはり)びとをおき、
その見(み)るところを告(つ)げさせよ。
7馬(うま)に乗(の)って二列(れつ)に並(なら)んだ者(もの)と、ろばに乗(の)った者(もの)と、
らくだに乗(の)った者(もの)とを彼(かれ)が見(み)るならば、
耳(みみ)を傾(かたむ)けてつまびらかに聞(き)かせよ」。
8その時(とき)、見張(みはり)びとは呼(よ)ばわって言(い)った、
「主(しゅ)よ、わたしがひねもすやぐらに立(た)ち、
夜(よ)もすがらわが見張(みはり)所(じょ)に立(た)っていると、
9見(み)よ、馬(うま)に乗(の)って二列(れつ)に並(なら)んだ者(もの)がここに来(き)ます」。
彼(かれ)は答(こた)えて言(い)った、
「倒(たお)れた、バビロンは倒(たお)れた、
その神々(かみがみ)の像(ぞう)はことごとく打(う)ち砕(くだ)かれて
地(ち)に伏(ふ)した」。
10ああ、踏(ふ)みにじられたわが民(たみ)、わが打(う)ち場(ば)の子(こ)よ、
イスラエルの神(かみ)、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)から
わたしが聞(き)いたところのものを
あなたがたに告(つ)げる。

11ドマについての託宣(たくせん)。
セイルからわたしに呼(よ)ばわる者(もの)がある、
「夜回(よまわ)りよ、今(いま)は夜(よる)のなんどきですか、
夜回(よまわ)りよ、今(いま)は夜(よる)のなんどきですか」。
12夜回(よまわ)りは言(い)う、
「朝(あさ)がきます、夜(よる)もまたきます。
もしあなたがたが聞(き)こうと思(おも)うならば聞(き)きなさい、
また来(き)なさい」。

13アラビヤについての託宣(たくせん)。
デダンびとの隊商(たいしょう)よ、
あなたがたはアラビヤの林(はやし)にやどる。
14テマの地(ち)に住(す)む民(たみ)よ、
水(みず)を携(たずさ)えて、かわいた者(もの)を迎(むか)え、
パンをもって、逃(に)げのがれた者(もの)を迎(むか)えよ。
15彼(かれ)らはつるぎを避(さ)け、抜(ぬ)いたつるぎを避(さ)け、
張(は)った弓(ゆみ)を避(さ)け、また激(はげ)しい戦(たたか)いを避(さ)けて、
逃(に)げてきたからである。

16主(しゅ)はわたしにこう言(い)われた、「雇人(やといにん)の年期(ねんき)のように一年(ねん)以内(いない)にケダルのすべての栄華(えいが)はつきはてる。 17ケダルの子(こ)らの勇士(ゆうし)で、射手(しゃしゅ)の残(のこ)る者(もの)は少(すく)ない」。これはイスラエルの神(かみ)、主(しゅ)が語(かた)られたのである。

第二二章

1幻(まぼろし)の谷(たに)についての託宣(たくせん)。
あなたがたはなぜ、みな屋根(やね)にのぼったのか。
2叫(さけ)び声(ごえ)で満(み)ちている者(もの)、
騒(さわ)がしい都(みやこ)、喜(よろこ)びに酔(よ)っている町(まち)よ。
あなたのうちの殺(ころ)された者(もの)は
つるぎで殺(ころ)されたのではなく、
また戦(たたか)いに倒(たお)れたのでもない。
3あなたのつかさたちは皆(みな)共(とも)にのがれて行(い)ったが、
弓(ゆみ)を捨(す)てて捕(とら)えられた。
彼(かれ)らは遠(とお)く逃(に)げて行(い)ったが、
あなたのうちの見(み)つかった者(もの)はみな捕(とら)えられた。
4それゆえ、わたしは言(い)った、
「わたしを顧(かえり)みてくれるな、
わたしはいたく泣(な)き悲(かな)しむ。
わが民(たみ)の娘(むすめ)の滅(ほろ)びのために、
わたしを慰(なぐさ)めようと努(つと)めてはならない」。


5万軍(ばんぐん)の神(かみ)、主(しゅ)は幻(まぼろし)の谷(たに)に
騒(さわ)ぎと、踏(ふ)みにじりと、混乱(こんらん)の日(ひ)をこさせられる。
城壁(じょうへき)はくずれ落(お)ち、叫(さけ)び声(ごえ)は山(やま)に聞(きこ)える。
6エラムは箙(えびら)を負(お)い、
戦車(せんしゃ)と騎兵(きへい)とをもってきたり、
キルは盾(たて)をあらわした。
7あなたの最(もっと)も美(うつく)しい谷(たに)は戦車(せんしゃ)で満(み)ち、
騎兵(きへい)はもろもろの門(もん)にむかって立(た)った。
8ユダを守(まも)るおおいは取(と)り除(のぞ)かれた。

その日(ひ)あなたは林(はやし)の家(いえ)の武具(ぶぐ)を仰(あお)ぎ望(のぞ)んだ。 9またあなたがたはダビデの町(まち)の破(やぶ)れの多(おお)いのを見(み)、下(した)の池(いけ)の水(みず)を集(あつ)め、 10エルサレムの家(いえ)を数(かぞ)え、またその家(いえ)をこわして城壁(じょうへき)を築(きず)き、 11一つの貯水池(ちょすいち)を二つの城壁(じょうへき)の間(あいだ)に造(つく)って古池(ふるいけ)の水(みず)をひいた。しかしあなたがたはこの事(こと)をなされた者(もの)を仰(あお)ぎ望(のぞ)まず、この事(こと)を昔(むかし)から計画(けいかく)された者(もの)を顧(かえり)みなかった。


12その日(ひ)、万軍(ばんぐん)の神(かみ)、主(しゅ)は
泣(な)き悲(かな)しみ、頭(あたま)をかぶろにし、
荒布(あらぬの)をまとうことを命(めい)じられたが、
13見(み)よ、あなたがたは喜(よろこ)び楽(たの)しみ、
牛(うし)をほふり、羊(ひつじ)を殺(ころ)し、
肉(にく)を食(く)い、酒(さけ)を飲(の)んで言(い)う、
「われわれは食(く)い、かつ飲(の)もう、
明日(みょうにち)は死(し)ぬのだから」。
14万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はみずからわたしの耳(みみ)に示(しめ)された、
「まことに、この不義(ふぎ)はあなたがたが死(し)ぬまで、
ゆるされることはない」と
万軍(ばんぐん)の神(かみ)、主(しゅ)は言(い)われる。

15万軍(ばんぐん)の神(かみ)、主(しゅ)はこう言(い)われる、「さあ、王(おう)の家(いえ)をつかさどるこの執事(しつじ)セブナに行(い)って言(い)いなさい、 16『あなたはここになんの係(かか)わりがありますか。あなたはだれの縁故(えんこ)でここに自分(じぶん)のために墓(はか)を掘(ほ)ったのですか。あなたは高(たか)い所(ところ)に墓(はか)を掘(ほ)り、岩(いわ)をうがって自分(じぶん)のためにすみかを造(つく)った。 17強(つよ)い人(ひと)よ、見(み)よ、主(しゅ)はあなたを激(はげ)しくなげ倒(たお)される。主(しゅ)はあなたを堅(かた)くつかまえ、 18ぐるぐるまわして、まりのように広々(ひろびろ)した地(ち)に投(な)げられる。主人(しゅじん)の家(いえ)の恥(はじ)となる者(もの)よ、あなたはそこで死(し)に、あなたの華麗(かれい)な車(くるま)はそこに残(のこ)る。 19わたしは、あなたをその職(しょく)から追(お)い、その地位(ちい)から引(ひ)きおろす。 20その日(ひ)、わたしは、わがしもべヒルキヤの子(こ)エリアキムを呼(よ)んで、 21あなたの衣(ころも)を着(き)せ、あなたの帯(おび)をしめさせ、あなたの権力(けんりょく)を彼(かれ)の手(て)にゆだねる。彼(かれ)はエルサレムの民(たみ)とユダの家(いえ)との父(ちち)となる。 22わたしはまたダビデの家(いえ)のかぎを彼(かれ)の肩(かた)に置(お)く。彼(かれ)が開(ひら)けば閉(と)じる者(もの)なく、彼(かれ)が閉(と)じれば開(ひら)く者(もの)はない。 23わたしは彼(かれ)を堅(かた)い所(ところ)に打(う)ったくぎのようにする。そして彼(かれ)はその父(ちち)の家(いえ)の誉(ほまれ)の座(ざ)となり、 24その父(ちち)の家(いえ)のすべての重(おも)さは彼(かれ)の上(うえ)にかかる。すなわちその子(こ)、その孫(まご)およびすべての小(ちい)さい器(うつわ)、鉢(はち)からすべてのびんにいたるまでみな、彼(かれ)の上(うえ)にかかる』」。 25万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は言(い)われる、「その日(ひ)、堅(かた)い所(ところ)に打(う)ったくぎは抜(ぬ)け、切(き)られて落(お)ちる。その上(うえ)にかかっている荷(に)もまた取(と)り去(さ)られる」と主(しゅ)は語(かた)られた。

第二三章

1ツロについての託宣(たくせん)。
タルシシのもろもろの船(ふね)よ、泣(な)き叫(さけ)べ、
ツロは荒(あ)れすたれて、家(いえ)なく、
船(ふね)泊(と)まりする港(みなと)もないからだ。
この事(こと)はクプロの地(ち)から彼(かれ)らに告(つ)げ知(し)らせられる。
2海(うみ)べに住(す)む民(たみ)よ、
シドンの商人(しょうにん)よ、もだせ、
あなたがたの使者(ししゃ)は海(うみ)を渡(わた)り、
大(おお)いなる水(みず)の上(うえ)にあった。
3ツロの収入(しゅうにゅう)はシホルの穀物(こくもつ)、
ナイル川(かわ)の収穫(しゅうかく)であった。
ツロはもろもろの国(くに)びとの商人(しょうにん)であった。
4シドンよ、恥(は)じよ、
海(うみ)は言(い)った、海(うみ)の城(しろ)は言(い)う、
「わたしは苦(くる)しまず、また産(う)まなかった。
わたしは若(わか)い男子(だんし)を養(やしな)わず、
また処女(しょじょ)を育(そだ)てなかった」。
5この報道(ほうどう)がエジプトに達(たっ)するとき、
彼(かれ)らはツロについての報道(ほうどう)によって、いたく苦(くる)しむ。
6タルシシに渡(わた)れ、
海(うみ)べに住(す)む民(たみ)よ、泣(な)き叫(さけ)べ。
7これがその起源(きげん)も古(ふる)い町(まち)、
自分(じぶん)の足(あし)で移(うつ)り、遠(とお)くにまで移住(いじゅう)した町(まち)、
あなたがたの喜(よろこ)び誇(ほこ)る町(まち)なのか。
8ツロにむかってこれを定(さだ)めたのはだれか。
ツロは冠(かんむり)を授(さづ)けた町(まち)、
その商人(しょうにん)は君(きみ)たち、
その貿易(ぼうえき)業者(ぎょうしゃ)は地(ち)の尊(たっと)い人々(ひとびと)であった。
9万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はすべての栄光(えいこう)の誇(ほこり)を汚(けが)し、
地(ち)のすべての尊(たっと)い者(もの)をはずかしめるために
これを定(さだ)められたのだ。
10タルシシの娘(むすめ)よ、
ナイル川(かわ)のようにおのが地(ち)にあふれよ。
もはや束縛(そくばく)するものはない。
11主(しゅ)はその手(て)を海(うみ)の上(うえ)に伸(の)べて
国々(くにぐに)を震(ふる)い動(うご)かされた。
主(しゅ)はカナンについて詔(みことのり)を出(だ)し、
そのとりでをこわされた。
12主(しゅ)は言(い)われた、
「しえたげられた処女(しょじょ)シドンの娘(むすめ)よ、
あなたはもはや喜(よろこ)ぶことはない。
立(た)って、クプロに渡(わた)れ、
そこでもあなたは安息(あんそく)を得(え)ることはない」。

13カルデヤびとの国(くに)を見(み)よ、アッスリヤではなく、この民(たみ)がツロを野(の)の獣(けもの)のすみかに定(さだ)めた。彼(かれ)らはやぐらを建(た)て、もろもろの宮殿(きゅうでん)をこわして荒塚(あらつか)とした。
14タルシシのもろもろの船(ふね)よ、泣(な)き叫(さけ)べ、
あなたがたのとりでは荒(あ)れすたれたから。

15その日(ひ)、ツロはひとりの王(おう)のながらえる日(ひ)と同(おな)じく七十年(ねん)の間(あいだ)忘(わす)れられ、七十年(ねん)終(おわ)って後(のち)、ツロは遊女(ゆうじょ)の歌(うた)のようになる、
16「忘(わす)れられた遊女(ゆうじょ)よ、
琴(こと)を執(と)って町(まち)を経(へ)めぐり、
巧(たく)みに弾(だん)じ、多(おお)くの歌(うた)をうたって、
人(ひと)に思(おも)い出(だ)されよ」。

17七十年(ねん)終(おわ)って後(のち)、主(しゅ)はツロを顧(かえり)みられる。ツロは再(ふたた)び淫行(いんこう)の価(あたい)を得(え)て、地(ち)のおもてにある世(よ)のすべての国々(くにぐに)と姦淫(かんいん)を行(おこな)い、 18その商品(しょうひん)とその価(あたい)とは主(しゅ)にささげられる。これはたくわえられることなく、積(つ)まれることなく、その商品(しょうひん)は主(しゅ)の前(まえ)に住(す)む者(もの)のために豊(ゆた)かな食物(しょくもつ)となり、みごとな衣服(いふく)となる。

第二四章


1見(み)よ、主(しゅ)はこの地(ち)をむなしくし、
これを荒(あ)れすたれさせ、これをくつがえして、
その民(たみ)を散(ち)らされる。
2そして、その民(たみ)も祭司(さいし)もひとしく、
しもべも主人(しゅじん)もひとしく、
はしためも主婦(しゅふ)もひとしく、
買(か)う者(もの)も売(う)る者(もの)もひとしく、
貸(か)す者(もの)も借(か)りる者(もの)もひとしく、
債権者(さいけんしゃ)も債務者(さいむしゃ)もひとしく、
この事(こと)にあう。
3地(ち)は全(まった)くむなしくされ、全(まった)くかすめられる。
主(しゅ)がこの言葉(ことば)を告(つ)げられたからである。
4地(ち)は悲(かな)しみ、衰(おとろ)え、
世(よ)はしおれ、衰(おとろ)え、
天(てん)も地(ち)と共(とも)にしおれはてる。
5地(ち)はその住(す)む民(たみ)の下(した)に汚(けが)された。
これは彼(かれ)らが律法(りっぽう)にそむき、定(さだ)めを犯(おか)し、
とこしえの契約(けいやく)を破(やぶ)ったからだ。
6それゆえ、のろいは地(ち)をのみつくし、
そこに住(す)む者(もの)はその罪(つみ)に苦(くる)しみ、
また地(ち)の民(たみ)は焼(や)かれて、わずかの者(もの)が残(のこ)される。
7新(あたら)しいぶどう酒(しゅ)は悲(かな)しみ、ぶどうはしおれ、
心(こころ)の楽(たの)しい者(もの)もみな嘆(なげ)く。
8鼓(つづみ)の音(おと)は静(しず)まり、
喜(よろこ)ぶ者(もの)の騒(さわ)ぎはやみ、
琴(こと)の音(ね)もまた静(しず)まった。
9彼(かれ)らはもはや歌(うた)をうたって酒(さけ)を飲(の)まず、
濃(こ)き酒(さけ)はこれを飲(の)む者(もの)に苦(にが)くなる。
10混乱(こんらん)せる町(まち)は破(やぶ)られ、
すべての家(いえ)は閉(と)ざされて、はいることができない。
11ちまたには酒(さけ)の不足(ふそく)のために叫(さけ)ぶ声(こえ)があり、
すべての喜(よろこ)びは暗(くら)くなり、
地(ち)の楽(たの)しみは追(お)いやられた。
12町(まち)には荒(あ)れすたれた所(ところ)のみ残(のこ)り、
その門(もん)もこわされて破(やぶ)れた。
13地(ち)のうちで、もろもろの民(たみ)のなかで残(のこ)るものは、
オリブの木(き)の打(う)たれた後(のち)の実(み)のように、
ぶどうの収穫(しゅうかく)の終(おわ)った後(のち)にその採(と)り残(のこ)りを
集(あつ)めるときのようになる。


14彼(かれ)らは声(こえ)をあげて喜(よろこ)び歌(うた)う。
主(しゅ)の威光(いこう)のゆえに、西(にし)から喜(よろこ)び呼(よ)ばわる。
15それゆえ、東(ひがし)で主(しゅ)をあがめ、
海沿(うみぞ)いの国々(くにぐに)でイスラエルの神(かみ)、主(しゅ)の名(な)をあがめよ。
16われわれは地(ち)の果(はて)から、さんびの歌(うた)を聞(き)いた、
「栄光(えいこう)は正(ただ)しい者(もの)にある」と。
しかし、わたしは言(い)う、「わたしはやせ衰(おとろ)える、
わたしはやせ衰(おとろ)える、わたしはわざわいだ。
欺(あざむ)く者(もの)はあざむき、
欺(あざむ)く者(もの)は、はなはだしくあざむく」。


17地(ち)に住(す)む者(もの)よ、
恐(おそ)れと、落(おと)し穴(あな)と、わなとはあなたの上(うえ)にある。
18恐(おそ)れの声(こえ)をのがれる者(もの)は落(おと)し穴(あな)に陥(おちい)り、
落(おと)し穴(あな)から出(で)る者(もの)はわなに捕(とら)えられる。
天(てん)の窓(まど)は開(ひら)け、地(ち)の基(もとい)が震(ふる)い動(うご)くからである。
19地(ち)は全(まった)く砕(くだ)け、
地(ち)は裂(さ)け、
地(ち)は激(はげ)しく震(ふる)い、
20地(ち)は酔(よ)いどれのようによろめき、
仮(かり)小屋(こや)のようにゆり動(うご)く。
そのとがはその上(うえ)に重(おも)く、
ついに倒(たお)れて再(ふたた)び起(お)きあがることはない。


21その日(ひ)、主(しゅ)は天(てん)において、天(てん)の軍勢(ぐんぜい)を罰(ばっ)し、
地(ち)の上(うえ)で、地(ち)のもろもろの王(おう)を罰(ばっ)せられる。
22彼(かれ)らは囚人(しゅうじん)が土(つち)ろうの中(なか)に
集(あつ)められるように集(あつ)められて、
獄屋(ごくや)の中(なか)に閉(と)ざされ、
多(おお)くの日(ひ)を経(へ)て後(のち)、罰(ばっ)せられる。
23こうして万軍(ばんぐん)の主(しゅ)がシオンの山(やま)
およびエルサレムで統(す)べ治(おさ)め、
かつその長老(ちょうろう)たちの前(まえ)に
その栄光(えいこう)をあらわされるので、
月(つき)はあわて、日(ひ)は恥(は)じる。

第二五章


1主(しゅ)よ、あなたはわが神(かみ)、
わたしはあなたをあがめ、み名(な)をほめたたえる。
あなたはさきに驚(おどろ)くべきみわざを行(おこな)い、
いにしえから定(さだ)めた計画(けいかく)を
真実(しんじつ)をもって行(おこな)われたから。
2あなたは町(まち)を石塚(いしづか)とし、堅固(けんご)な町(まち)を荒塚(あらつか)とされた。
外国(がいこく)人(じん)のやかたは、もはや町(まち)ではなく、
とこしえに建(た)てられることはない。
3それゆえ、強(つよ)い民(たみ)はあなたを尊(たっと)び、
あらぶる国々(くにぐに)の町(まち)はあなたを恐(おそ)れる。
4あなたは貧(まず)しい者(もの)のとりでとなり、
乏(とぼ)しい者(もの)の悩(なや)みのときのとりでとなり、
あらしをさける避(さ)け所(どころ)となり、
熱(あつ)さをさける陰(かげ)となられた。
あらぶる者(もの)の及(およ)ぼす害(がい)は、
石(いし)がきを打(う)つあらしのごとく、
5かわいた地(ち)の熱(あつ)さのようだからである。
あなたは外国(がいこく)人(じん)の騒(さわ)ぎをおさえ、
雲(くも)が陰(かげ)をもって熱(ねつ)をとどめるように
あらぶる者(もの)の歌(うた)をとどめられる。

6万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はこの山(やま)で、すべての民(たみ)のために肥(こ)えたものをもって祝宴(しゅくえん)を設(もう)け、久(ひさ)しくたくわえたぶどう酒(しゅ)をもって祝宴(しゅくえん)を設(もう)けられる。すなわち髄(ずい)の多(おお)い肥(こ)えたものと、よく澄(す)んだ長(なが)くたくわえたぶどう酒(しゅ)をもって祝宴(しゅくえん)を設(もう)けられる。 7また主(しゅ)はこの山(やま)で、すべての民(たみ)のかぶっている顔(かお)おおいと、すべての国(くに)のおおっているおおい物(もの)とを破(やぶ)られる。 8主(しゅ)はとこしえに死(し)を滅(ほろ)ぼし、主(しゅ)なる神(かみ)はすべての顔(かお)から涙(なみだ)をぬぐい、その民(たみ)のはずかしめを全(ぜん)地(ち)の上(うえ)から除(のぞ)かれる。これは主(しゅ)の語(かた)られたことである。

9その日(ひ)、人(ひと)は言(い)う、「見(み)よ、これはわれわれの神(かみ)である。わたしたちは彼(かれ)を待(ま)ち望(のぞ)んだ。彼(かれ)はわたしたちを救(すく)われる。これは主(しゅ)である。わたしたちは彼(かれ)を待(ま)ち望(のぞ)んだ。わたしたちはその救(すくい)を喜(よろこ)び楽(たの)しもう」と。

10主(しゅ)の手(て)はこの山(やま)にとどまり、モアブは肥(こえ)だめの中(なか)に踏(ふ)まれるわらのように、おのれの所(ところ)で踏(ふ)みにじられる。 11彼(かれ)はその中(なか)で泳(およ)ぐ物(もの)が泳(およ)ごうとして手(て)を伸(の)ばすように、その手(て)を伸(の)ばす。しかし主(しゅ)はその高(たか)ぶりを、その手(て)の巧(たく)みなわざと共(とも)に低(ひく)くされる。 12その石(いし)がきの高(たか)い城郭(じょうかく)を主(しゅ)は傾(かたむ)け倒(たお)し、地(ち)に投(な)げうって、ちりにかえされる。

第二六章


1その日(ひ)ユダの国(くに)で、この歌(うた)をうたう、
「われわれは堅固(けんご)な町(まち)をもつ。
主(しゅ)は救(すくい)をその石(いし)がきとし、
またとりでとされる。
2門(もん)を開(ひら)いて、信仰(しんこう)を守(まも)る正(ただ)しい国民(こくみん)を入(い)れよ。
3あなたは全(まった)き平安(へいあん)をもって
こころざしの堅固(けんご)なものを守(まも)られる。
彼(かれ)はあなたに信頼(しんらい)しているからである。
4とこしえに主(しゅ)に信頼(しんらい)せよ、
主(しゅ)なる神(かみ)はとこしえの岩(いわ)だからである。
5主(しゅ)は高(たか)き所(ところ)、そびえたつ町(まち)に住(す)む者(もの)をひきおろし、
これを伏(ふ)させ、これを地(ち)に伏(ふ)させて、
ちりにかえされる。
6こうして足(あし)で踏(ふ)まれ、
貧(まず)しい者(もの)の足(あし)で踏(ふ)まれ、
乏(とぼ)しい者(もの)はその上(うえ)を歩(あゆ)む」。


7正(ただ)しい者(もの)の道(みち)は平(たい)らである。
あなたは正(ただ)しい者(もの)の道(みち)をなめらかにされる。
8主(しゅ)よ、あなたがさばきをなさる道(みち)で、
われわれはあなたを待(ま)ち望(のぞ)む。
われわれの魂(たましい)の慕(した)うものは、
あなたの記念(きねん)の名(な)である。
9わが魂(たましい)は夜(よる)あなたを慕(した)い、
わがうちなる霊(れい)は、せつにあなたを求(もと)める。
あなたのさばきが地(ち)に行(おこな)われるとき、
世(よ)に住(す)む者(もの)は正義(せいぎ)を学(まな)ぶからである。
10悪(あ)しき者(もの)は恵(めぐ)まれても、なお正義(せいぎ)を学(まな)ばず、
正(ただ)しい地(ち)にあっても不義(ふぎ)を行(おこな)い、
主(しゅ)の威光(いこう)を仰(あお)ぐことをしない。
11主(しゅ)よ、あなたのみ手(て)が高(たか)くあがるけれども、
彼(かれ)らはそれを顧(かえり)みない。
どうか、あなたの、おのが民(たみ)を救(すく)われる熱心(ねっしん)を
彼(かれ)らに見(み)させて、大(おお)いに恥(は)じさせ、
火(ひ)をもってあなたの敵(てき)を焼(や)き滅(ほろ)ぼしてください。
12主(しゅ)よ、あなたはわれわれのために
平和(へいわ)を設(もう)けられる。
あなたはわれわれのために
われわれのすべてのわざをなし遂(と)げられた。
13われわれの神(かみ)、主(しゅ)よ、
あなた以外(いがい)のもろもろの主(しゅ)がわれわれを治(おさ)めた。
しかし、われわれはただ、
あなたの名(な)のみをあがめる。
14死(し)んだ者(もの)はまた生(い)きない。
亡霊(ぼうれい)は生(い)き返(かえ)らない。
それで、あなたは彼(かれ)らを罰(ばっ)して滅(ほろ)ぼし、
彼(かれ)らの思(おも)い出(で)をことごとく消(け)し去(さ)られた。
15主(しゅ)よ、あなたはこの国民(こくみん)を増(ま)し加(くわ)えられた。
あなたはこの国民(こくみん)を増(ま)し加(くわ)えられた。
あなたは栄光(えいこう)をあらわされた。
あなたは地(ち)の境(さかい)を四方(しほう)に広(ひろ)げられた。


16主(しゅ)よ、彼(かれ)らは悩(なや)みのとき、あなたに求(もと)めた。
彼(かれ)らがあなたの懲(こら)しめにあったとき、
祈(いのり)をささげた。
17主(しゅ)よ、はらめる女(おんな)の産(う)むときが近(ちか)づいて苦(くる)しみ、
その痛(いた)みによって叫(さけ)ぶように、
われわれはあなたのゆえに、そのようであった。
18われわれは、はらみ、苦(くる)しんだ。
しかしわれわれの産(う)んだものは風(かぜ)にすぎなかった。
われわれは救(すくい)を地(ち)に施(ほどこ)すこともせず、
また世(よ)に住(す)む者(もの)を滅(ほろ)ぼすこともしなかった。
19あなたの死者(ししゃ)は生(い)き、彼(かれ)らのなきがらは起(お)きる。
ちりに伏(ふ)す者(もの)よ、さめて喜(よろこ)びうたえ。
あなたの露(つゆ)は光(ひかり)の露(つゆ)であって、
それを亡霊(ぼうれい)の国(くに)の上(うえ)に降(ふ)らされるからである。


20さあ、わが民(たみ)よ、あなたのへやにはいり、
あなたのうしろの戸(と)を閉(と)じて、
憤(いきどお)りの過(す)ぎ去(さ)るまで、しばらく隠(かく)れよ。
21見(み)よ、主(しゅ)はそのおられる所(ところ)を出(で)て、
地(ち)に住(す)む者(もの)の不義(ふぎ)を罰(ばっ)せられる。
地(ち)はその上(うえ)に流(なが)された血(ち)をあらわして、
殺(ころ)された者(もの)を、もはやおおうことがない。

第二七章

1その日(ひ)、主(しゅ)は堅(かた)く大(おお)いなる強(つよ)いつるぎで逃(に)げるへびレビヤタン、曲(まが)りくねるへびレビヤタンを罰(ばっ)し、また海(うみ)におる龍(りゅう)を殺(ころ)される。


2その日(ひ)
「麗(うるわ)しきぶどう畑(はたけ)よ、このことを歌(うた)え。
3主(しゅ)なるわたしはこれを守(まも)り、
常(つね)に水(みず)をそそぎ、
夜(よる)も昼(ひる)も守(まも)って、そこなう者(もの)のないようにする。
4わたしは憤(いきどお)らない。
いばら、おどろがわたしと戦(たたか)うなら、
わたしは進(すす)んでこれを攻(せ)め、
皆(みな)もろともに焼(や)きつくす。
5それを望(のぞ)まないなら、わたしの保護(ほご)にたよって、
わたしと和(やわ)らぎをなせ、
わたしと和(やわ)らぎをなせ」。
6後(のち)になれば、ヤコブは根(ね)をはり、
イスラエルは芽(め)を出(だ)して花(はな)咲(さ)き、
その実(み)を全(ぜん)世界(せかい)に満(み)たす。


7主(しゅ)は彼(かれ)らを撃(う)った者(もの)を撃(う)たれたように
彼(かれ)らを撃(う)たれたか。
あるいは彼(かれ)らを殺(ころ)した者(もの)が殺(ころ)されたように
彼(かれ)らは殺(ころ)されたか。
8あなたは彼(かれ)らと争(あらそ)って、彼(かれ)らを追放(ついほう)された。
主(しゅ)は東風(ひがしかぜ)の日(ひ)に、その激(はげ)しい風(かぜ)をもって
彼(かれ)らを移(うつ)しやられた。
9それゆえ、ヤコブの不義(ふぎ)は
これによって、あがなわれる。
これによって結(むす)ぶ実(み)は彼(かれ)の罪(つみ)を除(のぞ)く。
すなわち彼(かれ)が祭壇(さいだん)のすべての石(いし)を
砕(くだ)けた白堊(はくあ)のようにし、
アシラ像(ぞう)と香(こう)の祭壇(さいだん)とを再(ふたた)び建(た)てないことである。
10堅固(けんご)な町(まち)は荒(あ)れてさびしく、
捨(す)て去(さ)られたすまいは荒野(あらの)のようだ。
子(こ)牛(うし)はそこに草(くさ)を食(く)い、
そこに伏(ふ)して、その木(き)の枝(えだ)を裸(はだか)にする。
11その枝(えだ)が枯(か)れると、折(お)り取(と)られ、
女(おんな)が来(き)てそれを燃(も)やす。
これは無知(むち)の民(たみ)だからである。
それゆえ、彼(かれ)らを造(つく)られた主(しゅ)は
彼(かれ)らをあわれまれない。
彼(かれ)らを形(かたち)造(つく)られた主(しゅ)は、彼(かれ)らを恵(めぐ)まれない。

12イスラエルの人々(ひとびと)よ、その日(ひ)、主(しゅ)はユフラテ川(かわ)からエジプトの川(かわ)にいたるまで穀物(こくもつ)の穂(ほ)を打(う)ち落(おと)される。そしてあなたがたは、ひとりびとり集(あつ)められる。 13その日(ひ)大(おお)いなるラッパが鳴(な)りひびき、アッスリヤの地(ち)にある失(うしな)われた者(もの)と、エジプトの地(ち)に追(お)いやられた者(もの)とがきて、エルサレムの聖山(せいざん)で主(しゅ)を拝(おが)む。

第二八章


1エフライムの酔(よ)いどれの誇(ほこ)る冠(かんむり)と、
酒(さけ)におぼれた者(もの)の肥(こ)えた谷(たに)のかしらにある
しぼみゆく花(はな)の美(うつく)しい飾(かざ)りは、わざわいだ。
2見(み)よ、主(しゅ)はひとりの力(ちから)ある強(つよ)い者(もの)を持(も)っておられる。
これはひょうをまじえた暴風(ぼうふう)のように、
破(やぶ)り、そこなう暴風雨(ぼうふうう)のように、
大水(おおみず)のあふれみなぎる暴風(ぼうふう)のように、
それを激(はげ)しく地(ち)に投(な)げうつ。
3エフライムの酔(よ)いどれの誇(ほこ)る冠(かんむり)は
足(あし)で踏(ふ)みにじられる。
4肥(こ)えた谷(たに)のかしらにある
しぼみゆく花(はな)の美(うつく)しい飾(かざ)りは、
夏(なつ)前(まえ)に熟(じゅく)した初(はつ)なりのいちじくのようだ。
人(ひと)がこれを見(み)ると、取(と)るやいなや、食(た)べてしまう。
5その日(ひ)、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はその民(たみ)の残(のこ)った者(もの)のために、
栄(さか)えの冠(かんむり)となり、麗(うるわ)しい冠(かんむり)となられる。
6また、さばきの席(せき)に座(ざ)する者(もの)にはさばきの霊(れい)となり、
戦(たたか)いを門(もん)まで追(お)い返(かえ)す者(もの)には力(ちから)となられる。


7しかし、これらもまた酒(さけ)のゆえによろめき、
濃(こ)き酒(さけ)のゆえによろける。
祭司(さいし)と預言者(よげんしゃ)とは濃(こ)き酒(さけ)のゆえによろめき、
酒(さけ)のゆえに心(こころ)みだれ、
濃(こ)き酒(さけ)のゆえによろける。
彼(かれ)らは幻(まぼろし)を見(み)るときに誤(あやま)り、
さばきを行(おこな)うときにつまづく。
8すべての食卓(しょくたく)は吐(は)いた物(もの)で満(み)ち、清(きよ)い所(ところ)はない。


9「彼(かれ)はだれに知識(ちしき)を教(おし)えようとするのか。
だれにおとずれを説(と)きあかそうとするのか。
乳(ちち)をやめ、乳(ち)ぶさを離(はな)れた者(もの)にするのだろうか。
10それは教訓(きょうくん)に教訓(きょうくん)、教訓(きょうくん)に教訓(きょうくん)、
規則(きそく)に規則(きそく)、規則(きそく)に規則(きそく)。
ここにも少(すこ)し、そこにも少(すこ)し教(おし)えるのだ」。


11否(いな)、むしろ主(しゅ)は異国(いこく)のくちびると、
異国(いこく)の舌(した)とをもってこの民(たみ)に語(かた)られる。
12主(しゅ)はさきに彼(かれ)らに言(い)われた、
「これが安息(あんそく)だ、
疲(つか)れた者(もの)に安息(あんそく)を与(あた)えよ。
これが休息(きゅうそく)だ」と。
しかし彼(かれ)らは聞(き)こうとはしなかった。
13それゆえ、主(しゅ)の言葉(ことば)は彼(かれ)らに、
教訓(きょうくん)に教訓(きょうくん)、教訓(きょうくん)に教訓(きょうくん)、
規則(きそく)に規則(きそく)、規則(きそく)に規則(きそく)、
ここにも少(すこ)し、そこにも少(すこ)しとなる。
これは彼(かれ)らが行(い)って、うしろに倒(たお)れ、
破(やぶ)られ、わなにかけられ、捕(とら)えられるためである。


14それゆえ、エルサレムにあるこの民(たみ)を治(おさ)める
あざける人々(ひとびと)よ、主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)け。
15あなたがたは言(い)った、
「われわれは死(し)と契約(けいやく)をなし、
陰府(よみ)と協定(きょうてい)を結(むす)んだ。
みなぎりあふれる災(わざわい)の過(す)ぎる時(とき)にも、
それはわれわれに来(こ)ない。
われわれはうそを避(さ)け所(どころ)となし、
偽(いつわ)りをもって身(み)をかくしたからである」。
16それゆえ、主(しゅ)なる神(かみ)はこう言(い)われる、
「見(み)よ、わたしはシオンに
一つの石(いし)をすえて基(もとい)とした。
これは試(こころ)みを経(へ)た石(いし)、
堅(かた)くすえた尊(たっと)い隅(すみ)の石(いし)である。
『信(しん)ずる者(もの)はあわてることはない』。
17わたしは公平(こうへい)を、測(はか)りなわとし、
正義(せいぎ)を、下(さ)げ振(ふ)りとする。
ひょうは偽(いつわ)りの避(さ)け所(どころ)を滅(ほろ)ぼし、
水(みず)は隠(かく)れ場(ば)を押(お)し倒(たお)す」。
18その時(とき)あなたがたが死(し)とたてた契約(けいやく)は取(と)り消(け)され、
陰府(よみ)と結(むす)んだ協定(きょうてい)は行(おこな)われない。
みなぎりあふれる災(わざわい)の過(す)ぎるとき、
あなたがたはこれによって打(う)ち倒(たお)される。
19それが過(す)ぎるごとに、あなたがたを捕(とら)える。
それは朝(あさ)な朝(あさ)な過(す)ぎ、
昼(ひる)も夜(よる)も過(す)ぎるからだ。
このおとずれを聞(き)きわきまえることは、
全(まった)くの恐(おそ)れである。
20床(とこ)が短(みじか)くて身(み)を伸(の)べることができず、
かける夜具(やぐ)が狭(せま)くて
身(み)をおおうことができないからだ。
21主(しゅ)はペラジム山(やま)で立(た)たれたように立(た)ちあがり、
ギベオンの谷(たに)で憤(いきどお)られたように憤(いきどお)られて、
その行(おこな)いをなされる。
その行(おこな)いは類(るい)のないものである。
またそのわざをなされる。
そのわざは異(こと)なったものである。
22それゆえ、あなたがたはあざけってはならない。
さもないと、あなたがたのなわめは、きびしくなる。
わたしは主(しゅ)なる万軍(ばんぐん)の神(かみ)から
全(ぜん)地(ち)の上(うえ)に臨(のぞ)む滅(ほろ)びの宣言(せんげん)を聞(き)いたからである。


23あなたがたは耳(みみ)を傾(かたむ)けて、わが声(こえ)を聞(き)くがよい。
心(こころ)してわが言葉(ことば)を聞(き)くがよい。
24種(たね)をまくために耕(たがや)す者(もの)は絶(た)えず耕(たがや)すだろうか。
彼(かれ)は絶(た)えずその地(ち)をひらき、
まぐわをもって土(つち)をならすだろうか。
25地(ち)のおもてを平(たい)らにしたならば、
いのんどをまき、クミンをまき、
小麦(こむぎ)をうねに植(う)え、大麦(おおむぎ)を定(さだ)めた所(ところ)に植(う)え、
スペルト麦(むぎ)をその境(さかい)に植(う)えないだろうか。
26これは彼(かれ)の神(かみ)が正(ただ)しく、
彼(かれ)を導(みちび)き教(おし)えられるからである。
27いのんどは麦(むぎ)こき板(いた)でこかない、
クミンはその上(うえ)に車輪(しゃりん)をころがさない。
いのんどを打(う)つには棒(ぼう)を用(もち)い、
クミンを打(う)つにはさおを用(もち)いる。
28人(ひと)はパン用(よう)の麦(むぎ)を打(う)つとき砕(くだ)くだろうか、
否(いな)、それが砕(くだ)けるまでいつまでも打(う)つことをしない。
馬(うま)をもってその上(うえ)に車輪(しゃりん)を引(ひ)かせるとき、
それを砕(くだ)くことをしない。
29これもまた万軍(ばんぐん)の主(しゅ)から出(で)ることである。
その計(はか)りごとは驚(おどろ)くべく、
その知恵(ちえ)はすぐれている。

第二九章


1ああ、アリエルよ、アリエルよ、
ダビデが営(えい)をかまえた町(まち)よ、
年(とし)に年(とし)を加(くわ)え、祭(まつり)をめぐりこさせよ。
2その時(とき)わたしはアリエルを悩(なや)ます。
そこには悲(かな)しみと嘆(なげ)きとがあって、
アリエルのようなものとなる。
3わたしはあなたのまわりに営(えい)を構(かま)え、
やぐらをもってあなたを囲(かこ)み、
塁(るい)を築(きず)いてあなたを攻(せ)める。
4その時(とき)あなたは深(ふか)い地(ち)の中(なか)から物言(ものい)い、
低(ひく)いちりの中(なか)から言葉(ことば)を出(だ)す。
あなたの声(こえ)は亡霊(ぼうれい)の声(こえ)のように地(ち)から出(で)、
あなたの言葉(ことば)はちりの中(なか)から、さえずるようである。
5しかしあなたのあだの群(む)れは
細(こま)かなちりのようになり、
あらぶる者(もの)の群(む)れは
吹(ふ)き去(さ)られるもみがらのようになる。
また、にわかに、またたくまに、この事(こと)がある。
6すなわち万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は雷(かみなり)、地震(じしん)、大(おお)いなる叫(さけ)び、
つむじ風(かぜ)、暴風(ぼうふう)および焼(や)きつくす火(ひ)の炎(ほのお)をもって
臨(のぞ)まれる。
7そしてアリエルを攻(せ)めて戦(たたか)う国々(くにぐに)の群(む)れ、
すなわちアリエルとその城(しろ)を攻(せ)めて戦(たたか)い、
これを悩(なや)ます者(もの)はみな
夢(ゆめ)のように、夜(よる)の幻(まぼろし)のようになる。
8飢(う)えた者(もの)が食(た)べることを夢(ゆめ)みても、
さめると、その飢(う)えがいえないように、
あるいは、かわいた者(もの)が飲(の)むことを夢(ゆめ)みても、
さめると、疲(つか)れてそのかわきがとまらないように、
シオンの山(やま)を攻(せ)めて戦(たたか)う国々(くにぐに)の群(む)れも
そのようになる。


9あなたがたは知覚(ちかく)を失(うしな)って気(き)が遠(とお)くなれ、
目(め)がくらんで盲(めくら)となれ。
あなたがたは酔(よ)っていよ、しかし酒(さけ)のゆえではない、
よろめけ、しかし濃(こ)き酒(さけ)のゆえではない。
10主(しゅ)が深(ふか)い眠(ねむ)りの霊(れい)をあなたがたの上(うえ)にそそぎ、
あなたがたの目(め)である預言者(よげんしゃ)を閉(と)じこめ、
あなたがたの頭(あたま)である先見者(せんけんしゃ)を
おおわれたからである。

11それゆえ、このすべての幻(まぼろし)は、あなたがたには封(ふう)じた書物(しょもつ)の言葉(ことば)のようになり、人々(ひとびと)はこれを読(よ)むことのできる者(もの)にわたして、「これを読(よ)んでください」と言(い)えば、「これは封(ふう)じてあるから読(よ)むことができない」と彼(かれ)は言(い)う。 12またその書物(しょもつ)を読(よ)むことのできない者(もの)にわたして、「これを読(よ)んでください」と言(い)えば、「読(よ)むことはできない」と彼(かれ)は言(い)う。


13主(しゅ)は言(い)われた、
「この民(たみ)は口(くち)をもってわたしに近(ちか)づき、
くちびるをもってわたしを敬(うやま)うけれども、
その心(こころ)はわたしから遠(とお)く離(はな)れ、
彼(かれ)らのわたしをかしこみ恐(おそ)れるのは、
そらで覚(おぼ)えた人(ひと)の戒(いまし)めによるのである。
14それゆえ、見(み)よ、わたしはこの民(たみ)に、
再(ふたた)び驚(おどろ)くべきわざを行(おこな)う、
それは不思議(ふしぎ)な驚(おどろ)くべきわざである。
彼(かれ)らのうちの賢(かしこ)い人(ひと)の知恵(ちえ)は滅(ほろ)び、
さとい人(ひと)の知識(ちしき)は隠(かく)される」。


15わざわいなるかな、
おのが計(はか)りごとを主(しゅ)に深(ふか)く隠(かく)す者(もの)。
彼(かれ)らは暗(くら)い中(なか)でわざを行(おこな)い、
「だれがわれわれを見(み)るか、
だれがわれわれのことを知(し)るか」と言(い)う。
16あなたがたは転倒(てんとう)して考(かんが)えている。
陶器(とうき)師(し)は粘土(ねんど)と同(おな)じものに思(おも)われるだろうか。
造(つく)られた物(もの)はそれを造(つく)った者(もの)について、
「彼(かれ)はわたしを造(つく)らなかった」と言(い)い、
形(かたち)造(つく)られた物(もの)は形(かたち)造(つく)った者(もの)について、
「彼(かれ)は知恵(ちえ)がない」と言(い)うことができようか。


17しばらくしてレバノンは変(かわ)って肥(こ)えた畑(はたけ)となり、
肥(こ)えた畑(はたけ)は林(はやし)のように
思(おも)われる時(とき)が来(く)るではないか。
18その日(ひ)、耳(みみ)しいは書物(しょもつ)の言葉(ことば)を聞(き)き、
目(め)しいの目(め)はその暗(くら)やみから、見(み)ることができる。
19柔和(にゅうわ)な者(もの)は主(しゅ)によって新(あら)たなる喜(よろこ)びを得(え)、
人(ひと)のなかの貧(まず)しい者(もの)は
イスラエルの聖者(せいじゃ)によって楽(たの)しみを得(え)る。
20あらぶる者(もの)は絶(た)え、
あざける者(もの)はうせ、
悪(あく)を行(おこな)おうと、おりをうかがう者(もの)は、
ことごとく断(た)ち滅(ほろ)ぼされるからである。
21彼(かれ)らは言葉(ことば)によって人(ひと)を罪(つみ)に定(さだ)め、
町(まち)の門(もん)でいさめる者(もの)をわなにおとしいれ、
むなしい言葉(ことば)をかまえて正(ただ)しい者(もの)をしりぞける。

22それゆえ、昔(むかし)アブラハムをあがなわれた主(しゅ)は、ヤコブの家(いえ)についてこう言(い)われる、
「ヤコブは、もはやはずかしめを受(う)けず、
その顔(かお)は、もはや色(いろ)を失(うしな)うことはない。
23彼(かれ)の子孫(しそん)が、その中(なか)にわが手(て)のわざを見(み)るとき、
彼(かれ)らはわが名(な)を聖(せい)とし、
ヤコブの聖者(せいじゃ)を聖(せい)として、
イスラエルの神(かみ)を恐(おそ)れる。
24心(こころ)のあやまれる者(もの)も、悟(さと)りを得(え)、
つぶやく者(もの)も教(おしえ)をうける」。

第三〇章


1主(しゅ)は言(い)われる、
「そむける子(こ)らはわざわいだ、
彼(かれ)らは計(はか)りごとを行(おこな)うけれども、
わたしによってではない。
彼(かれ)らは同盟(どうめい)を結(むす)ぶけれども、
わが霊(れい)によってではない、
罪(つみ)に罪(つみ)を加(くわ)えるためだ。
2彼(かれ)らはわが言葉(ことば)を求(もと)めず、
エジプトへ下(くだ)っていって、パロの保護(ほご)にたより、
エジプトの陰(かげ)に隠(かく)れようとする。
3それゆえ、パロの保護(ほご)は
かえってあなたがたの恥(はじ)となり、
エジプトの陰(かげ)に隠(かく)れることは
あなたがたのはずかしめとなる。
4たとい、彼(かれ)の君(きみ)たちがゾアンにあり、
彼(かれ)の使者(ししゃ)たちがハネスに来(き)ても、
5彼(かれ)らは皆(みな)おのれを益(えき)することのできない民(たみ)により、
すなわち助(たす)けとならず、益(えき)とならず、
かえって恥(はじ)となり、はずかしめとなる民(たみ)によって、
恥(はじ)をかくからである」。


6ネゲブの獣(けもの)についての託宣(たくせん)。
彼(かれ)らはその富(とみ)を若(わか)いろばの背(せ)に負(お)わせ、
その宝(たから)をらくだの背(せ)に負(お)わせて、
雌(め)じし、雄(お)じし、まむしおよび飛(と)びかけるへびの出(で)る
悩(なや)みと苦(くる)しみの国(くに)を通(とお)って、
おのれを益(えき)することのできない民(たみ)に行(い)く。
7そのエジプトの助(たす)けは無益(むえき)であって、むなしい。
それゆえ、わたしはこれを
「休(やす)んでいるラハブ」と呼(よ)んだ。


8いま行(い)って、これを彼(かれ)らの前(まえ)で札(ふだ)にしるし、
書物(しょもつ)に載(の)せ、
後(のち)の世(よ)に伝(つた)えて、とこしえにあかしとせよ。
9彼(かれ)らはそむける民(たみ)、偽(いつわ)りを言(い)う子(こ)ら、
主(しゅ)の教(おしえ)を聞(き)こうとしない子(こ)らだ。
10彼(かれ)らは先見者(せんけんしゃ)にむかって「見(み)るな」と言(い)い、
預言者(よげんしゃ)にむかっては
「正(ただ)しい事(こと)をわれわれに預言(よげん)するな、
耳(みみ)に聞(き)きよいことを語(かた)れ、迷(まよ)わしごとを預言(よげん)せよ。
11大路(おおじ)を去(さ)り、小路(こうじ)をはなれ、
イスラエルの聖者(せいじゃ)について語(かた)り聞(き)かすな」と言(い)う。
12それゆえ、イスラエルの聖者(せいじゃ)はこう言(い)われる、
「あなたがたはこの言葉(ことば)を侮(あなど)り、
しえたげと、よこしまとを頼(たの)み、
これにたよるがゆえに、
13この不義(ふぎ)はあなたがたには
突(つ)き出(で)て、くずれ落(お)ちようとする高(たか)い石(いし)がきの
破(やぶ)れのようであって、
その倒壊(とうかい)はにわかに、またたくまに来(く)る。
14その破(やぶ)れることは陶器(とうき)師(し)の器(うつわ)を破(やぶ)るように
惜(お)しむことなく打(う)ち砕(くだ)き、
その砕(くだ)けのなかには、炉(ろ)から火(ひ)を取(と)り、
池(いけ)から水(みず)をくめるほどの、ひとかけらさえ
見(み)いだされない」。


15主(しゅ)なる神(かみ)、イスラエルの聖者(せいじゃ)はこう言(い)われた、
「あなたがたは立(た)ち返(かえ)って、
落(お)ち着(つ)いているならば救(すく)われ、
穏(おだ)やかにして信頼(しんらい)しているならば力(ちから)を得(え)る」。
しかし、あなたがたはこの事(こと)を好(この)まなかった。
16かえって、あなたがたは言(い)った、
「否(いな)、われわれは馬(うま)に乗(の)って、とんで行(い)こう」と。
それゆえ、あなたがたはとんで帰(かえ)る。また言(い)った、
「われらは速(はや)い馬(うま)に乗(の)ろう」と。
それゆえ、あなたがたを追(お)う者(もの)は速(はや)い。
17ひとりの威嚇(いかく)によって千人(にん)は逃(に)げ、
五人(にん)の威嚇(いかく)によってあなたがたは逃(に)げて、
その残(のこ)る者(もの)はわずかに
山(やま)の頂(いただき)にある旗(はた)ざおのように、
丘(おか)の上(うえ)にある旗(はた)のようになる。


18それゆえ、主(しゅ)は待(ま)っていて、
あなたがたに恵(めぐみ)を施(ほどこ)される。
それゆえ、主(しゅ)は立(た)ちあがって、
あなたがたをあわれまれる。
主(しゅ)は公平(こうへい)の神(かみ)でいらせられる。
すべて主(しゅ)を待(ま)ち望(のぞ)む者(もの)はさいわいである。

19シオンにおり、エルサレムに住(す)む民(たみ)よ、あなたはもはや泣(な)くことはない。主(しゅ)はあなたの呼(よ)ばわる声(こえ)に応(おう)じて、必(かなら)ずあなたに恵(めぐ)みを施(ほどこ)される。主(しゅ)がそれを聞(き)かれるとき、直(ただ)ちに答(こた)えられる。 20たとい主(しゅ)はあなたがたに悩(なや)みのパンと苦(くる)しみの水(みず)を与(あた)えられても、あなたの師(し)は再(ふたた)び隠(かく)れることはなく、あなたの目(め)はあなたの師(し)を見(み)る。 21また、あなたが右(みぎ)に行(い)き、あるいは左(ひだり)に行(い)く時(とき)、そのうしろで「これは道(みち)だ、これに歩(あゆ)め」と言(い)う言葉(ことば)を耳(みみ)に聞(き)く。 22その時(とき)、あなたがたはしろがねをおおった刻(きざ)んだ像(ぞう)と、こがねを張(は)った鋳(い)た像(ぞう)とを汚(けが)し、これをきたない物(もの)のようにまき散(ち)らして、これに「去(さ)れ」と言(い)う。

23主(しゅ)はあなたが地(ち)にまく種(たね)に雨(あめ)を与(あた)え、地(ち)の産物(さんぶつ)なる穀物(こくもつ)をくださる。それはおびただしく、かつ豊(ゆた)かである。その日(ひ)あなたの家畜(かちく)は広(ひろ)い牧場(まきば)で草(くさ)を食(た)べ、 24地(ち)を耕(たがや)す牛(うし)と、ろばは、シャベルと、くまででより分(わ)けて塩(しお)を加(くわ)えた飼料(しりょう)を食(た)べる。 25大(おお)いなる虐殺(ぎゃくさつ)の日(ひ)、やぐらの倒(たお)れる時(とき)、すべてのそびえたつ山(やま)と、すべての高(たか)い丘(おか)に水(みず)の流(なが)れる川(かわ)がある。 26さらに主(しゅ)がその民(たみ)の傷(きず)を包(つつ)み、その打(う)たれた傷(きず)をいやされる日(ひ)には、月(つき)の光(ひかり)は日(ひ)の光(ひかり)のようになり、日(ひ)の光(ひかり)は七倍(ばい)となり、七つの日(ひ)の光(ひかり)のようにになる。


27見(み)よ、主(しゅ)の名(な)は遠(とお)い所(ところ)から
燃(も)える怒(いか)りと、立(た)ちあがる濃(こ)い煙(けむり)をもって来(く)る。
そのくちびるは憤(いきどお)りで満(み)ち、
その舌(した)は焼(や)きつくす火(ひ)のごとく、
28その息(いき)はあふれて首(くび)にまで達(たっ)する
流(なが)れのようであって、
滅(ほろ)びのふるいをもってもろもろの国(くに)をふるい、
また惑(まど)わす手綱(たづな)を
もろもろの民(たみ)のあごにつけるために来(く)る。

29あなたがたは、聖(せい)なる祭(まつり)を守(まも)る夜(よる)のように歌(うた)をうたう。また笛(ふえ)をならして主(しゅ)の山(やま)にきたり、イスラエルの岩(いわ)なる主(しゅ)にまみえる時(とき)のように心(こころ)に喜(よろこ)ぶ。 30主(しゅ)はその威厳(いげん)ある声(こえ)を聞(き)かせ、激(はげ)しい怒(いか)りと、焼(や)きつくす火(ひ)の炎(ほのお)と、豪雨(ごうう)と、暴風(ぼうふう)と、ひょうとをもってその腕(うで)の下(くだ)ることを示(しめ)される。 31主(しゅ)がそのむちをもって打(う)たれる時(とき)、アッスリヤの人々(ひとびと)は主(しゅ)の声(こえ)によって恐(おそ)れおののく。 32主(しゅ)が懲(こら)しめのつえを彼(かれ)らの上(うえ)に加(くわ)えられるごとに鼓(つづみ)を鳴(な)らし、琴(こと)をひく。主(しゅ)は腕(うで)を振(ふ)りかざして、彼(かれ)らと戦(たたか)われる。 33焼(や)き場(ば)はすでに設(もう)けられた。しかも王(おう)のために深(ふか)く広(ひろ)く備(そな)えられ、火(ひ)と多(おお)くのたきぎが積(つ)まれてある。主(しゅ)の息(いき)はこれを硫黄(いおう)の流(なが)れのように燃(も)やす。

第三一章


1助(たす)けを得(え)るためにエジプトに下(くだ)り、
馬(うま)にたよる者(もの)はわざわいだ。
彼(かれ)らは戦車(せんしゃ)が多(おお)いので、これに信頼(しんらい)し、
騎兵(きへい)がはなはだ強(つよ)いので、これに信頼(しんらい)する。
しかしイスラエルの聖者(せいじゃ)を仰(あお)がず、
また主(しゅ)にはかることをしない。
2それにもかかわらず、主(しゅ)もまた賢(かしこ)くいらせられ、
必(かなら)ず災(わざわい)をくだし、その言葉(ことば)を取(と)り消(け)すことなく、
立(た)って悪(あく)をなす者(もの)の家(いえ)を攻(せ)め、
また不義(ふぎ)を行(おこな)う者(もの)を助(たす)ける者(もの)を攻(せ)められる。
3かのエジプトびとは人(ひと)であって、神(かみ)ではない。
その馬(うま)は肉(にく)であって、霊(れい)ではない。
主(しゅ)がみ手(て)を伸(の)ばされるとき、
助(たす)ける者(もの)はつまずき、
助(たす)けられる者(もの)も倒(たお)れて、皆(みな)ともに滅(ほろ)びる。


4主(しゅ)はわたしにこう言(い)われた、
「ししまたは若(わか)いししが獲物(えもの)をつかんで、
ほえたけるとき、
あまたの羊飼(ひつじかい)が呼(よ)び出(だ)されて、これにむかっても、
その声(こえ)によって驚(おどろ)かず、
その叫(さけ)びによって恐(おそ)れないように、
万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は下(くだ)ってきて、
シオンの山(やま)およびその丘(おか)で戦(たたか)われる。
5鳥(とり)がひなを守(まも)るように、
万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はエルサレムを守(まも)り、
これを守(まも)って救(すく)い、これを惜(お)しんで助(たす)けられる」。

6イスラエルの人々(ひとびと)よ、主(しゅ)に帰(かえ)れ。あなたがたは、はなはだしく主(しゅ)にそむいた。 7その日(ひ)、あなたがたは自分(じぶん)の手(て)で造(つく)って罪(つみ)を犯(おか)したしろがねの偶像(ぐうぞう)と、こがねの偶像(ぐうぞう)をめいめい投(な)げすてる。
8「アッスリヤびとはつるぎによって倒(たお)れる、
人(ひと)のつるぎではない。
つるぎが彼(かれ)らを滅(ほろ)ぼす、
人(ひと)のつるぎではない。
彼(かれ)らはつるぎの前(まえ)から逃(に)げ去(さ)り、
その若(わか)い者(もの)は奴隷(どれい)の働(はたら)きをしいられる。
9彼(かれ)らの岩(いわ)は恐(おそ)れによって過(す)ぎ去(さ)り、
その君(きみ)たちはあわて、旗(はた)をすてて逃(に)げ去(さ)る」。
これは主(しゅ)の言葉(ことば)である。
主(しゅ)の火(ひ)はシオンにあり、その炉(ろ)はエルサレムにある。

第三二章


1見(み)よ、ひとりの王(おう)が
正義(せいぎ)をもって統(す)べ治(おさ)め、
君(きみ)たちは公平(こうへい)をもってつかさどり、
2おのおの風(かぜ)をさける所(ところ)、
暴風雨(ぼうふうう)をのがれる所(ところ)のようになり、
かわいた所(ところ)にある水(みず)の流(なが)れのように、
疲(つか)れた地(ち)にある大(おお)きな岩(いわ)の陰(かげ)のようになる。
3こうして、見(み)る者(もの)の目(め)は開(ひら)かれ、
聞(き)く者(もの)の耳(みみ)はよく聞(き)き、
4気短(きみじか)な者(もの)の心(こころ)は悟(さと)る知識(ちしき)を得(え)、
どもりの舌(した)はたやすく、
あざやかに語(かた)ることができる。
5愚(おろ)かな者(もの)は、もはや尊(たっと)い人(ひと)と呼(よ)ばれることなく、
悪人(あくにん)はもはや、りっぱな人(ひと)と言(い)われることはない。
6それは愚(おろ)かな者(もの)は愚(おろ)かなことを語(かた)り、
その心(こころ)は不義(ふぎ)をたくらみ、よこしまを行(おこな)い、
主(しゅ)について誤(あやま)ったことを語(かた)り、
飢(う)えた者(もの)の望(のぞ)みを満(み)たさず、
かわいた者(もの)の飲(の)み物(もの)を奪(うば)い取(と)るからである。
7悪人(あくにん)の行(おこな)いは悪(わる)い。
彼(かれ)は悪(わる)い計(はか)りごとをめぐらし、
偽(いつわ)りの言葉(ことば)をもって貧(まず)しい者(もの)をおとしいれ、
乏(とぼ)しい者(もの)が正(ただ)しいことを語(かた)っても、
なお、これをおとしいれる。
8しかし尊(たっと)い人(ひと)は尊(たっと)いことを語(かた)り、
つねに尊(たっと)いことを行(おこな)う。


9安(やす)んじている女(おんな)たちよ、起(お)きて、わが声(こえ)を聞(き)け。
思(おも)い煩(わずら)いなき娘(むすめ)たちよ、わが言葉(ことば)に耳(みみ)を傾(かたむ)けよ。
10思(おも)い煩(わずら)いなき女(おんな)たちよ、
一年(ねん)あまりの日(ひ)をすぎて、
あなたがたは震(ふる)えおののく。
ぶどうの収穫(しゅうかく)がむなしく、
実(み)を取(と)り入(い)れる時(とき)が来(こ)ないからだ。
11安(やす)んじている女(おんな)たちよ、震(ふる)え恐(おそ)れよ。
思(おも)い煩(わずら)いなき女(おんな)たちよ、震(ふる)えおののけ。
衣(ころも)を脱(ぬ)ぎ、裸(はだか)になって腰(こし)に荒布(あらぬの)をまとえ。
12良(よ)き畑(はたけ)のため、
実(みの)り豊(ゆた)かなぶどうの木(き)のために胸(むね)を打(う)て。
13いばら、おどろの生(は)えているわが民(たみ)の地(ち)のため、
喜(よろこ)びに満(み)ちている町(まち)にある
すべての喜(よろこ)びの家(いえ)のために胸(むね)を打(う)て。
14宮殿(きゅうでん)は捨(す)てられ、にぎわった町(まち)は荒(あ)れすたれ、
丘(おか)と、やぐらとは、とこしえにほら穴(あな)となり、
野(の)のろばの楽(たの)しむ所(ところ)、
羊(ひつじ)の群(む)れの牧場(まきば)となるからである。
15しかし、ついには霊(れい)が上(うえ)から
われわれの上(うえ)にそそがれて、
荒野(あらの)は良(よ)き畑(はたけ)となり、
良(よ)き畑(はたけ)は林(はやし)のごとく見(み)られるようになる。
16その時(とき)、公平(こうへい)は荒野(あらの)に住(す)み、
正義(せいぎ)は良(よ)き畑(はたけ)にやどる。
17正義(せいぎ)は平和(へいわ)を生(しょう)じ、
正義(せいぎ)の結(むす)ぶ実(み)はとこしえの平安(へいあん)と信頼(しんらい)である。
18わが民(たみ)は平和(へいわ)の家(いえ)におり、
安(やす)らかなすみかにおり、
静(しず)かな休(やす)み所(どころ)におる。
19しかし林(はやし)はことごとく切(き)り倒(たお)され、
町(まち)もことごとく倒(たお)される。
20すべての水(みず)のほとりに種(たね)をまき、
牛(うし)およびろばを自由(じゆう)に放(はな)ちおくあなたがたは、
さいわいである。

第三三章


1わざわいなるかな、
おのれ自(みずか)ら滅(ほろ)ぼされないのに、人(ひと)を滅(ほろ)ぼし、
だれも欺(あざむ)かないのに人(ひと)を欺(あざむ)く者(もの)よ。
あなたが滅(ほろ)ぼすことをやめたとき、
あなたは滅(ほろ)ぼされ、
あなたが欺(あざむ)くことを終(お)えたとき、
あなたは欺(あざむ)かれる。


2主(しゅ)よ、われわれをお恵(めぐ)みください、
われわれはあなたを待(ま)ち望(のぞ)む。
朝(あさ)ごとに、われわれの腕(うで)となり、
悩(なや)みの時(とき)に、救(すくい)となってください。
3鳴(な)りとどろく声(こえ)によって、もろもろの民(たみ)は逃(に)げ去(さ)り、
あなたが立(た)ちあがられると、
もろもろの国(くに)は散(ち)らされる。
4青虫(あおむし)が物(もの)を集(あつ)めるようにぶんどり品(ひん)は集(あつ)められ、
いなごのとびつどうように、
人々(ひとびと)はその上(うえ)にとびつどう。
5主(しゅ)は高(たか)くいらせられ、高(たか)い所(ところ)に住(す)まわれる。
主(しゅ)はシオンに公平(こうへい)と正義(せいぎ)とを満(み)たされる。
6また主(しゅ)は救(すくい)と知恵(ちえ)と知識(ちしき)を豊(ゆた)かにして、
あなたの代(よ)を堅(かた)く立(た)てられる。
主(しゅ)を恐(おそ)れることはその宝(たから)である。


7見(み)よ、勇士(ゆうし)たちは外(そと)にあって叫(さけ)び、
平和(へいわ)の使者(ししゃ)はいたく嘆(なげ)く。
8大路(おおじ)は荒(あ)れすたれて、旅(たび)びとは絶(た)え、
契約(けいやく)は破(やぶ)られ、証人(しょうにん)は軽(かろ)んぜられ、
人(ひと)を顧(かえり)みることがない。
9地(ち)は嘆(なげ)き衰(おとろ)え、
レバノンは恥(は)じて枯(か)れ、
シャロンは荒野(あらの)のようになり、
バシャンとカルメルはその葉(は)を落(おと)す。


10主(しゅ)は言(い)われる、
「今(いま)わたしは起(お)きよう、いま立(た)ちあがろう、
いま自(みずか)らを高(たか)くしよう。
11あなたがたは、もみがらをはらみ、わらを産(う)む。
あなたがたの息(いき)は火(ひ)となって、
あなたがたを食(く)いつくす。
12もろもろの民(たみ)は焼(や)かれて石灰(いしばい)のようになり、いばらが切(き)られて火(ひ)に燃(も)やされたようになる」。


13あなたがた遠(とお)くにいる者(もの)よ、
わたしがおこなったことを聞(き)け。
あなたがた近(ちか)くにいる者(もの)よ、
わが大能(たいのう)を知(し)れ。
14シオンの罪(つみ)びとは恐(おそ)れに満(み)たされ、
おののきは神(かみ)を恐(おそ)れない者(もの)を捕(とら)えた。
「われわれのうち、だれが
焼(や)きつくす火(ひ)の中(なか)におることができよう。
われわれのうち、だれが
とこしえの燃(も)える火(ひ)の中(なか)におることができよう」。
15正(ただ)しく歩(あゆ)む者(もの)、正直(しょうじき)に語(かた)る者(もの)、
しえたげて得(え)た利(り)をいやしめる者(もの)、
手(て)を振(ふ)って、まいないを取(と)らない者(もの)、
耳(みみ)をふさいで血(ち)を流(なが)す謀略(ぼうりゃく)を聞(き)かない者(もの)、
目(め)を閉(と)じて悪(あく)を見(み)ない者(もの)、
16このような人(ひと)は高(たか)い所(ところ)に住(す)み、
堅(かた)い岩(いわ)はそのとりでとなり、
そのパンは与(あた)えられ、その水(みず)は絶(た)えることがない。


17あなたの目(め)は麗(うるわ)しく飾(かざ)った王(おう)を見(み)、
遠(とお)く広(ひろ)い国(くに)を見(み)る。
18あなたの心(こころ)はかの恐(おそ)ろしかった事(こと)を思(おも)い出(だ)す。
「数(かず)を調(しら)べた者(もの)はどこにいるか。
みつぎを量(はか)った者(もの)はどこにいるか。
やぐらを数(かぞ)えた者(もの)はどこにいるか」。
19あなたはもはや高慢(こうまん)な民(たみ)を見(み)ない。
かの民(たみ)の言葉(ことば)はあいまいで、聞(き)きとりがたく、
その舌(した)はどもって、悟(さと)りがたい。
20定(さだ)めの祭(まつり)の町(まち)シオンを見(み)よ。
あなたの目(め)は平和(へいわ)なすまい、
移(うつ)されることのない幕屋(まくや)エルサレムを見(み)る。
その杭(くい)はとこしえに抜(ぬ)かれず、
その綱(つな)は、ひとすじも断(た)たれることはない。
21主(しゅ)は威厳(いげん)をもってかしこにいまし、
われわれのために広(ひろ)い川(かわ)と流(なが)れのある所(ところ)となり、
その中(なか)には、こぐ舟(ふね)も入(い)らず、
大(おお)きな船(ふね)も過(す)ぎることはない。
22主(しゅ)はわれわれのさばき主(ぬし)、
主(しゅ)はわれわれのつかさ、
主(しゅ)はわれわれの王(おう)であって、われわれを救(すく)われる。


23あなたの船(ふな)綱(づな)は解(と)けて、
帆柱(ほばしら)のもとを結(むす)びかためることができず、
帆(ほ)を張(は)ることもできない。
その時(とき)多(おお)くの獲物(えもの)とぶんどり品(ひん)は分(わ)けられ、
足(あし)なえまでも獲物(えもの)を取(と)る。
24そこに住(す)む者(もの)のうちには、
「わたしは病気(びょうき)だ」と言(い)う者(もの)はなく、
そこに住(す)む民(たみ)はその罪(つみ)がゆるされる。

第三四章


1もろもろの国(くに)よ、近(ちか)づいて聞(き)け。
もろもろの民(たみ)よ、耳(みみ)を傾(かたむ)けよ。
地(ち)とそれに満(み)ちるもの、
世界(せかい)とそれから出(で)るすべてのものよ、聞(き)け。
2主(しゅ)はすべての国(くに)にむかって怒(いか)り、
そのすべての軍勢(ぐんぜい)にむかって憤(いきどお)り、
彼(かれ)らをことごとく滅(ほろ)ぼし、
彼(かれ)らをわたして、ほふらせられた。
3彼(かれ)らは殺(ころ)されて投(な)げすてられ、
その死体(したい)の悪臭(あくしゅう)は立(た)ちのぼり、
山々(やまやま)はその血(ち)で溶(と)けて流(なが)れる。
4天(てん)の万象(ばんしょう)は衰(おとろ)え、
もろもろの天(てん)は巻物(まきもの)のように巻(ま)かれ、
その万象(ばんしょう)はぶどうの木(き)から葉(は)の落(お)ちるように、
いちじくの木(き)から葉(は)の落(お)ちるように落(お)ちる。


5わたしのつるぎは天(てん)において憤(いきどお)りをもって酔(よ)った。
見(み)よ、これはエドムの上(うえ)にくだり、
わたしが滅(ほろ)びに定(さだ)めた民(たみ)の上(うえ)にくだって、
これをさばく。
6主(しゅ)のつるぎは血(ち)で満(み)ち、脂肪(しぼう)で肥(こ)え、
小羊(こひつじ)とやぎの血(ち)、
雄羊(おひつじ)の腎臓(じんぞう)の脂肪(しぼう)で肥(こ)えている。
主(しゅ)がボズラで犠牲(ぎせい)の獣(けもの)をほふり、
エドムの地(ち)で大(おお)いに殺(ころ)されたからである。
7野牛(やぎゅう)は彼(かれ)らと共(とも)にほふり場(ば)にくだり、
子(こ)牛(うし)は力(ちから)ある雄牛(おうし)と共(とも)にくだる。
その国(くに)は血(ち)で酔(よ)い、
その土(つち)は脂肪(しぼう)で肥(こ)やされる。
8主(しゅ)はあだをかえす日(ひ)をもち、
シオンの訴(うった)えのために報(むく)いられる年(とし)を
もたれるからである。
9エドムのもろもろの川(かわ)は変(かわ)って樹脂(じゅし)となり、
その土(つち)は変(かわ)って硫黄(いおう)となり、
その地(ち)は変(かわ)って燃(も)える樹脂(じゅし)となって、
10夜(よる)も昼(ひる)も消(き)えず、
その煙(けむり)は、とこしえに立(た)ちのぼる。
これは世々(よよ)荒(あ)れすたれて、
とこしえまでもそこを通(とお)る者(もの)はない。
11たかと、やまあらしとがそこをすみかとし、
ふくろうと、からすがそこに住(す)む。
主(しゅ)はその上(うえ)に荒廃(こうはい)をきたらせる測(はか)りなわを張(は)り、
尊(たっと)い人々(ひとびと)の上(うえ)に混乱(こんらん)を起(おこ)す下(さ)げ振(ふ)りをさげられる。
12人々(ひとびと)はこれを名(な)づけて「国(くに)なき所(ところ)」といい、
その君(きみ)たちは皆(みな)うせてなくなる。
13そのとりでの上(うえ)には、いばらが生(は)え、
その城(しろ)には、いらくさと、あざみとが生(は)え、
山犬(やまいぬ)のすみか、だちょうのおる所(ところ)となる。
14野(の)の獣(けもの)はハイエナと出会(であ)い、
鬼神(きしん)はその友(とも)を呼(よ)び、
夜(よる)の魔女(まじょ)もそこに降(お)りてきて、休(やす)み所(ところ)を得(え)る。
15ふくろうはそこに巣(す)をつくって卵(たまご)を産(う)み、
それをかえして、そのひなを翼(つばさ)の陰(かげ)に集(あつ)める。
とびもまた、おのおのその連(つ)れ合(あ)いと共(とも)に、
そこに集(あつ)まる。
16あなたがたは主(しゅ)の書(しょ)をつまびらかに
たずねて、これを読(よ)め。
これらのものは一つも欠(か)けることなく、
また一つもその連(つ)れ合(あ)いを欠(か)くものはない。
これは主(しゅ)の口(くち)がこれを命(めい)じ、
その霊(れい)が彼(かれ)らを集(あつ)められたからである。
17主(しゅ)は彼(かれ)らのためにくじを引(ひ)き、
手(て)ずから測(はか)りなわをもって、この地(ち)を分(わ)け与(あた)え、
長(なが)く彼(かれ)らに所有(しょゆう)させ、
世々(よよ)ここに住(す)まわせられる。

第三五章


1荒野(あらの)と、かわいた地(ち)とは楽(たの)しみ、
さばくは喜(よろこ)びて花(はな)咲(さ)き、さふらんのように、
2さかんに花(はな)咲(さ)き、
かつ喜(よろこ)び楽(たの)しみ、かつ歌(うた)う。
これにレバノンの栄(さか)えが与(あた)えられ、
カルメルおよびシャロンの麗(うるわ)しさが与(あた)えられる。
彼(かれ)らは主(しゅ)の栄光(えいこう)を見(み)、われわれの神(かみ)の麗(うるわ)しさを見(み)る。


3あなたがたは弱(よわ)った手(て)を強(つよ)くし、
よろめくひざを健(すこ)やかにせよ。
4心(こころ)おののく者(もの)に言(い)え、
「強(つよ)くあれ、恐(おそ)れてはならない。
見(み)よ、あなたがたの神(かみ)は報復(ほうふく)をもって臨(のぞ)み、
神(かみ)の報(むく)いをもってこられる。
神(かみ)は来(き)て、あなたがたを救(すく)われる」と。


5その時(とき)、目(め)しいの目(め)は開(ひら)かれ、
耳(みみ)しいの耳(みみ)はあけられる。
6その時(とき)、足(あし)なえは、しかのように飛(と)び走(はし)り、
おしの舌(した)は喜(よろこ)び歌(うた)う。
それは荒野(あらの)に水(みず)がわきいで、
さばくに川(かわ)が流(なが)れるからである。
7焼(や)けた砂(すな)は池(いけ)となり、
かわいた地(ち)は水(みず)の源(みなもと)となり、
山犬(やまいぬ)の伏(ふ)したすみかは、
葦(あし)、よしの茂(しげ)りあう所(ところ)となる。


8そこに大路(おおじ)があり、
その道(みち)は聖(せい)なる道(みち)ととなえられる。
汚(けが)れた者(もの)はこれを通(とお)り過(す)ぎることはできない、
愚(おろ)かなる者(もの)はそこに迷(まよ)い入(い)ることはない。
9そこには、ししはおらず、
飢(う)えた獣(けもの)も、その道(みち)にのぼることはなく、
その所(ところ)でこれに会(あ)うことはない。
ただ、あがなわれた者(もの)のみ、そこを歩(あゆ)む。
10主(しゅ)にあがなわれた者(もの)は帰(かえ)ってきて、
その頭(あたま)に、とこしえの喜(よろこ)びをいただき、
歌(うた)うたいつつ、シオンに来(く)る。
彼(かれ)らは楽(たの)しみと喜(よろこ)びとを得(え)、
悲(かな)しみと嘆(なげ)きとは逃(に)げ去(さ)る。

第三六章

1ヒゼキヤ王(おう)の第(だい)十四年(ねん)に、アッスリヤの王(おう)セナケリブが上(のぼ)ってきて、ユダのすべての堅固(けんご)な町々(まちまち)を攻(せ)め取(と)った。 2アッスリヤの王(おう)はラキシからラブシャケをエルサレムにつかわし、大軍(たいぐん)を率(ひき)いてヒゼキヤ王(おう)のもとへ行(い)かせた。ラブシャケは布(ぬの)さらしの野(の)へ行(い)く大路(おおじ)に沿(そ)う、上(うえ)の池(いけ)の水道(すいどう)のかたわらに立(た)った。 3この時(とき)ヒルキヤの子(こ)である宮内卿(くないきょう)エリアキム、書記官(しょきかん)セブナおよびアサフの子(こ)である史官(しかん)ヨアが彼(かれ)の所(ところ)に出(で)てきた。

4ラブシャケは彼(かれ)らに言(い)った、「ヒゼキヤに言(い)いなさい、『大王(だいおう)アッスリヤの王(おう)はこう仰(おお)せられる、あなたが頼(たの)みとする者(もの)は何(なに)か。 5口先(くちさき)だけの言葉(ことば)が戦争(せんそう)をする計略(けいりゃく)と力(ちから)だと考(かんが)えるのか。あなたは今(いま)だれを頼(たよ)んで、わたしにそむいたのか。 6見(み)よ、あなたはかの折(お)れかけている葦(あし)のつえエジプトを頼(たの)みとしているが、それは人(ひと)が寄(よ)りかかるとき、その人(ひと)の手(て)を刺(さ)し通(とお)す。エジプトの王(おう)パロはすべて寄(よ)り頼(たの)む者(もの)にそのようにするのだ。 7しかし、あなたがもし「われわれはわれわれの神(かみ)、主(しゅ)を頼(たの)む」とわたしに言(い)うならば、ヒゼキヤがユダとエルサレムに告(つ)げて、「あなたがたはこの祭壇(さいだん)の前(まえ)で礼拝(れいはい)しなければならない」と言(い)って除(のぞ)いたのは、その神(かみ)の高(たか)き所(ところ)と祭壇(さいだん)ではなかったのか。 8さあ、今(いま)わたしの主君(しゅくん)アッスリヤの王(おう)とかけをせよ。もしあなたの方(ほう)に乗(の)る人(ひと)があるならば、わたしは馬(うま)二千頭(とう)を与(あた)えよう。 9あなたはエジプトを頼(たの)み、戦車(せんしゃ)と騎兵(きへい)を請(こ)い求(もと)めているが、わたしの主君(しゅくん)の家来(けらい)のうちの最(もっと)も小(ちい)さい一隊長(たいちょう)でさえ、どうして撃退(げきたい)することができようか。 10わたしがこの国(くに)を滅(ほろ)ぼすために上(のぼ)ってきたのは、主(しゅ)の許(ゆる)しなしでしたことであろうか。主(しゅ)はわたしに、この国(くに)へ攻(せ)め上(のぼ)って、これを滅(ほろ)ぼせと言(い)われたのだ』」。

11その時(とき)、エリアキム、セブナおよびヨアはラブシャケに言(い)った、「どうぞ、アラム語(ご)でしもべたちに話(はな)してください。わたしたちはそれがわかるからです。城壁(じょうへき)の上(うえ)にいる民(たみ)の聞(き)いているところで、わたしたちにユダヤの言葉(ことば)で話(はな)さないでください」。 12しかしラブシャケは言(い)った、「わたしの主君(しゅくん)は、あなたの主君(しゅくん)とあなたにだけでなく、城壁(じょうへき)の上(うえ)に座(ざ)している人々(ひとびと)にも、この言葉(ことば)を告(つ)げるために、わたしをつかわされたのではないか。彼(かれ)らをも、あなたがたと共(とも)に自分(じぶん)の糞尿(ふんにょう)を食(く)い飲(の)みするに至(いた)らせるためではないか」。

13そしてラブシャケは立(た)ちあがり、ユダヤの言葉(ことば)で大声(おおごえ)に呼(よ)ばわって言(い)った、「大王(だいおう)、アッスリヤの王(おう)の言葉(ことば)を聞(き)け。 14王(おう)はこう仰(おお)せられる、『あなたがたはヒゼキヤに欺(あざむ)かれてはならない。彼(かれ)はあなたがたを救(すく)い出(だ)すことはできない。 15ヒゼキヤが、主(しゅ)は必(かなら)ずわれわれを救(すく)い出(だ)される。この町(まち)はアッスリヤの王(おう)の手(て)に陥(おちい)ることはない、と言(い)っても、あなたがたは主(しゅ)を頼(たの)みとしてはならない』。 16あなたがたはヒゼキヤの言葉(ことば)を聞(き)いてはならない。アッスリヤの王(おう)はこう仰(おお)せられる、『あなたがたは、わたしと和(わ)ぼくして、わたしに降服(こうふく)せよ。そうすれば、あなたがたはめいめい自分(じぶん)のぶどうの実(み)を食(た)べ、めいめい自分(じぶん)のいちじくの実(み)を食(た)べ、めいめい自分(じぶん)の井戸(いど)の水(みず)を飲(の)むことができる。 17やがて、わたしが来(き)て、あなたがたを一つの国(くに)へ連(つ)れて行(い)く。それは、あなたがたの国(くに)のように穀物(こくもつ)とぶどう酒(しゅ)の多(おお)い地(ち)、パンとぶどう畑(はたけ)の多(おお)い地(ち)だ。 18ヒゼキヤが、主(しゅ)はわれわれを救(すく)われる、と言(い)って、あなたがたを惑(まど)わすことのないように気(き)をつけよ。もろもろの国(くに)の神々(かみがみ)のうち、どの神(かみ)がその国(くに)をアッスリヤの王(おう)の手(て)から救(すく)ったか。 19ハマテやアルパデの神々(かみがみ)はどこにいるか。セパルワイムの神々(かみがみ)はどこにいるか。彼(かれ)らはサマリヤをわたしの手(て)から救(すく)い出(だ)したか。 20これらの国々(くにぐに)のすべての神々(かみがみ)のうちに、だれかその国(くに)をわたしの手(て)から救(すく)い出(だ)した者(もの)があるか。主(しゅ)がどうしてエルサレムをわたしの手(て)から救(すく)い出(だ)すことができよう』」。

21しかし民(たみ)は黙(だま)ってひと言(こと)も答(こた)えなかった。王(おう)が命(めい)じて、「彼(かれ)に答(こた)えてはならない」と言(い)っておいたからである。 22その時(とき)ヒルキヤの子(こ)である宮内卿(くないきょう)エリアキム、書記官(しょきかん)セブナおよびアサフの子(こ)である史官(しかん)ヨアは衣(ころも)を裂(さ)き、ヒゼキヤのもとに来(き)て、ラブシャケの言葉(ことば)を彼(かれ)に告(つ)げた。

第三七章

1ヒゼキヤ王(おう)はこれを聞(き)いて、衣(ころも)を裂(さ)き、荒布(あらぬの)を身(み)にまとって主(しゅ)の宮(みや)に入(い)り、 2宮内卿(くないきょう)エリアキムと書記官(しょきかん)セブナおよび祭司(さいし)のうちの年長者(ねんちょうしゃ)たちに荒布(あらぬの)をまとわせて、アモツの子(こ)預言者(よげんしゃ)イザヤのもとへつかわした。 3彼(かれ)らはイザヤに言(い)った、「ヒゼキヤはこう言(い)います、『きょうは悩(なや)みと責(せ)めと、はずかしめの日(ひ)です。胎児(たいじ)がまさに生(うま)れようとして、これを産(う)み出(だ)す力(ちから)がないのです。 4あなたの神(かみ)、主(しゅ)は、あるいはラブシャケのもろもろの言葉(ことば)を聞(き)かれたかもしれません。彼(かれ)はその主君(しゅくん)アッスリヤの王(おう)につかわされて、生(い)ける神(かみ)をそしりました。あなたの神(かみ)、主(しゅ)はその言葉(ことば)を聞(き)いて、あるいは責(せ)められるかもしれません。それゆえ、この残(のこ)っている者(もの)のために祈(いのり)をささげてください』」。

5ヒゼキヤ王(おう)の家来(けらい)たちがイザヤのもとに来(き)たとき、 6イザヤは彼(かれ)らに言(い)った、「あなたがたの主君(しゅくん)にこう言(い)いなさい、『主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、アッスリヤの王(おう)のしもべらが、わたしをそしった言葉(ことば)を聞(き)いて恐(おそ)れるには及(およ)ばない。 7見(み)よ、わたしは一つの霊(れい)を彼(かれ)のうちに送(おく)って、一つのうわさを聞(き)かせ、彼(かれ)を自分(じぶん)の国(くに)へ帰(かえ)らせて、その国(くに)でつるぎに倒(たお)れさせる』」。

8ラブシャケは引(ひ)き返(かえ)して、アッスリヤの王(おう)がリブナを攻(せ)めているところへ行(い)った。彼(かれ)は王(おう)がラキシを去(さ)ったことを聞(き)いたからである。 9この時(とき)、アッスリヤの王(おう)はエチオピヤの王(おう)テルハカについて、「彼(かれ)はあなたと戦(たたか)うために出(で)てきた」と人々(ひとびと)が言(い)うのを聞(き)いた。彼(かれ)はこのことを聞(き)いて、使者(ししゃ)をヒゼキヤにつかわそうとして言(い)った、 10「ユダの王(おう)ヒゼキヤにこう言(い)いなさい、『あなたは、エルサレムはアッスリヤの王(おう)の手(て)に陥(おちい)ることはない、と言(い)うあなたの信頼(しんらい)する神(かみ)に欺(あざむ)かれてはならない。 11あなたはアッスリヤの王(おう)たちが、国々(くにぐに)にしたこと、彼(かれ)らを全(まった)く滅(ほろ)ぼしたことを聞(き)いている。どうしてあなたは救(すく)われることができようか。 12わたしの先祖(せんぞ)たちはゴザン、ハラン、レゼフおよびテラサルにいたエデンの人々(ひとびと)を滅(ほろ)ぼしたが、その国々(くにぐに)の神々(かみがみ)は彼(かれ)らを救(すく)ったか。 13ハマテの王(おう)、アルパデの王(おう)、セパルワイムの町(まち)の王(おう)、ヘナの王(おう)およびイワの王(おう)はどこにいるか』」。

14ヒゼキヤは使者(ししゃ)の手(て)から手紙(てがみ)を受(う)け取(と)ってそれを読(よ)み、主(しゅ)の宮(みや)にのぼっていって、主(しゅ)の前(まえ)にそれをひろげ、 15主(しゅ)に祈(いの)って言(い)った、 16「ケルビムの上(うえ)に座(ざ)しておられるイスラエルの神(かみ)、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)よ、地(ち)のすべての国(くに)のうちで、ただあなただけが神(かみ)でいらせられます。あなたは天(てん)と地(ち)を造(つく)られました。 17主(しゅ)よ、耳(みみ)を傾(かたむ)けて聞(き)いてください。主(しゅ)よ、目(め)を開(ひら)いて見(み)てください。セナケリブが生(い)ける神(かみ)をそしるために書(か)き送(おく)った言葉(ことば)を聞(き)いてください。 18主(しゅ)よ、まことにアッスリヤの王(おう)たちは、もろもろの民(たみ)とその国々(くにぐに)を滅(ほろ)ぼし、 19またその神々(かみがみ)を火(ひ)に投(な)げ入(い)れました。それらは神(かみ)ではなく、人(ひと)の手(て)の造(つく)ったもので、木(き)や石(いし)だから滅(ほろ)ぼされたのです。 20今(いま)われわれの神(かみ)、主(しゅ)よ、どうぞ、われわれを彼(かれ)の手(て)から救(すく)い出(だ)してください。そうすれば地(ち)の国々(くにぐに)は皆(みな)あなただけが主(しゅ)でいらせられることを知(し)るようになるでしょう」。

21その時(とき)アモツの子(こ)イザヤは人(ひと)をつかわしてヒゼキヤに言(い)った、「イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)はこう言(い)われる、あなたはアッスリヤの王(おう)セナケリブについてわたしに祈(いの)ったゆえ、 22主(しゅ)が彼(かれ)について語(かた)られた言葉(ことば)はこうである、
『処女(しょじょ)であるシオンの娘(むすめ)は
あなたを侮(あなど)り、あなたをあざける。
エルサレムの娘(むすめ)は、あなたのうしろで頭(あたま)を振(ふ)る。
23あなたはだれをそしり、だれをののしったのか。
あなたはだれにむかって声(こえ)をあげ、
目(め)を高(たか)くあげたのか。
イスラエルの聖者(せいじゃ)にむかってだ。
24あなたは、そのしもべらによって
主(しゅ)をそしって言(い)った、
「わたしは多(おお)くの戦車(せんしゃ)を率(ひき)いて山々(やまやま)の頂(いただき)にのぼり、
レバノンの奥(おく)へ行(い)き、
たけの高(たか)い香柏(こうはく)と、最(もっと)も良(よ)いいとすぎを切(き)り倒(たお)し、
またその果(はて)の高地(こうち)へ行(い)き、その密林(みつりん)にはいった。
25わたしは井戸(いど)を掘(ほ)って水(みず)を飲(の)んだ。
わたしは足(あし)の裏(うら)で
エジプトのすべての川(かわ)を踏(ふ)みからした」。
26あなたは聞(き)かなかったか、
昔(むかし)わたしがそれを定(さだ)めたことを。
堅固(けんご)な町々(まちまち)を、
あなたがこわして荒塚(あらつか)とすることも、
いにしえの日(ひ)から、わたしが計画(けいかく)して
今(いま)それをきたらせたのだ。
27そのうちに住(す)む民(たみ)は力(ちから)弱(よわ)く、
おののき恥(はじ)をいだいて、
野(の)の草(くさ)のように、青菜(あおな)のようになり、
育(そだ)たずに枯(か)れる屋根(やね)の草(くさ)のようになった。
28わたしは、あなたの座(ざ)すること、出入(でい)りすること、
また、わたしにむかって
怒(いか)り叫(さけ)んだことをも知(し)っている。
29あなたが、わたしにむかって怒(いか)り叫(さけ)んだことと、
あなたの高慢(こうまん)な言葉(ことば)とがわたしの耳(みみ)にはいったゆえ、
わたしは、あなたの鼻(はな)に輪(わ)をつけ、
あなたの口(くち)にくつわをはめて、
あなたを、もと来(き)た道(みち)へ引(ひ)きもどす』。

30あなたに与(あた)えるしるしはこれである。すなわち、ことしは落(お)ち穂(ぼ)から生(は)えた物(もの)を食(た)べ、二年(ねん)目(め)には、またその落(お)ち穂(ぼ)から生(は)えた物(もの)を食(た)べ、三年(ねん)目(め)には種(たね)をまき、刈(か)り入(い)れ、ぶどう畑(はたけ)を作(つく)ってその実(み)を食(た)べる。 31ユダの家(いえ)の、のがれて残(のこ)る者(もの)は再(ふたた)び下(した)に根(ね)を張(は)り、上(うえ)に実(み)を結(むす)ぶ。 32すなわち残(のこ)る者(もの)はエルサレムから出(で)、のがれる物(もの)はシオンの山(やま)から出(で)る。万軍(ばんぐん)の主(しゅ)の熱心(ねっしん)がこれをなし遂(と)げられる。

33それゆえ、主(しゅ)はアッスリヤの王(おう)について、こう仰(おお)せられる、『彼(かれ)はこの町(まち)にこない。またここに矢(や)を放(はな)たない。また盾(たて)をもって、その前(まえ)にこない。また塁(るい)を築(きず)いて、これを攻(せ)めることはない。 34彼(かれ)は来(き)た道(みち)から帰(かえ)って、この町(まち)に、はいることはない、と主(しゅ)は言(い)う。 35わたしは自分(じぶん)のため、また、わたしのしもべダビデのために町(まち)を守(まも)って、これを救(すく)おう』」。

36主(しゅ)の使(つかい)が出(で)て、アッスリヤびとの陣営(じんえい)で十八万五千人(にん)を撃(う)ち殺(ころ)した。人々(ひとびと)が朝(あさ)早(はや)く起(お)きて見(み)ると、彼(かれ)らは皆(みな)死体(したい)となっていた。 37アッスリヤの王(おう)セナケリブは立(た)ち去(さ)り、帰(かえ)っていってニネベにいたが、 38その神(かみ)ニスロクの神殿(しんでん)で礼拝(れいはい)していた時(とき)、その子(こ)らのアデラン・メレクとシャレゼルがつるぎをもって彼(かれ)を殺(ころ)し、ともにアララテの地(ち)へ逃(に)げていった。それで、その子(こ)エサルハドンが代(かわ)って王(おう)となった。

第三八章

1そのころヒゼキヤは病気(びょうき)になって死(し)にかかっていた。アモツの子(こ)預言者(よげんしゃ)イザヤは彼(かれ)のところに来(き)て言(い)った、「主(しゅ)はこう仰(おお)せられます、あなたの家(いえ)を整(ととの)えておきなさい。あなたは死(し)にます、生(い)きながらえることはできません」。 2そこでヒゼキヤは顔(かお)を壁(かべ)に向(む)けて主(しゅ)に祈(いの)って言(い)った、 3「ああ主(しゅ)よ、願(ねが)わくは、わたしが真実(しんじつ)と真心(まごころ)とをもって、み前(まえ)に歩(あゆ)み、あなたの目(め)にかなう事(こと)を行(おこな)ったのを覚(おぼ)えてください」。そしてヒゼキヤはひどく泣(な)いた。 4その時(とき)主(しゅ)の言葉(ことば)がイザヤに臨(のぞ)んで言(い)った、 5「行(い)って、ヒゼキヤに言(い)いなさい、『あなたの父(ちち)ダビデの神(かみ)、主(しゅ)はこう仰(おお)せられます、「わたしはあなたの祈(いのり)を聞(き)いた。あなたの涙(なみだ)を見(み)た。見(み)よ、わたしはあなたのよわいを十五年(ねん)増(ま)そう。 6わたしはあなたと、この町(まち)とをアッスリヤの王(おう)の手(て)から救(すく)い、この町(まち)を守(まも)ろう」。

7主(しゅ)が約束(やくそく)されたことを行(おこな)われることについては、あなたは主(しゅ)からこのしるしを得(え)る。 8見(み)よ、わたしはアハズの日(ひ)時計(どけい)の上(うえ)に進(すす)んだ日影(ひかげ)を十度(ど)退(しりぞ)かせよう』」。すると日時計(ひどけい)の上(うえ)に進(すす)んだ日影(ひかげ)が十度(ど)退(しりぞ)いた。

9次(つぎ)の言葉(ことば)はユダの王(おう)ヒゼキヤが病気(びょうき)になって、その病気(びょうき)が直(なお)った後(のち)、書(か)きしるしたものである。
10わたしは言(い)った、わたしはわが一生(いっしょう)のまっ盛(さか)りに、
去(さ)らなければならない。
わたしは陰府(よみ)の門(もん)に閉(と)ざされて、
わが残(のこ)りの年(とし)を失(うしな)わなければならない。
11わたしは言(い)った、わたしは生(い)ける者(もの)の地(ち)で、
主(しゅ)を見(み)ることなく、
世(よ)におる人々(ひとびと)のうちに、再(ふたた)び人(ひと)を見(み)ることがない。
12わがすまいは抜(ぬ)き去(さ)られて
羊飼(ひつじかい)の天幕(てんまく)のようにわたしを離(はな)れる。
わたしは、わが命(いのち)を機(はた)織(お)りのように巻(ま)いた。
彼(かれ)はわたしを機(はた)から切(き)り離(はな)す。
あなたは朝(あさ)から夕(ゆう)までの間(あいだ)に、わたしを滅(ほろ)ぼされる。
13わたしは朝(あさ)まで叫(さけ)んだ。
主(しゅ)はししのようにわが骨(ほね)をことごとく砕(くだ)かれる。
あなたは朝(あさ)から夕(ゆう)までの間(あいだ)に、わたしを滅(ほろ)ぼされる。
14わたしは、つばめのように、つるのように鳴(な)き、
はとのようにうめき、
わが目(め)は上(うえ)を見(み)て衰(おとろ)える。
主(しゅ)よ、わたしは、しえたげられています。
どうか、わたしの保証人(ほしょうにん)となってください。
15しかし、わたしは何(なに)を言(い)うことができましょう。
主(しゅ)はわたしに言(い)われ、
かつ、自(みずか)らそれをなされたからである。
わが魂(たましい)の苦(くる)しみによって、
わが眠(ねむ)りはことごとく逃(に)げ去(さ)った。
16主(しゅ)よ、これらの事(こと)によって人(ひと)は生(い)きる。
わが霊(れい)の命(いのち)もすべてこれらの事(こと)による。
どうか、わたしをいやし、
わたしを生(い)かしてください。
17見(み)よ、わたしが大(おお)いなる苦(くる)しみにあったのは、
わが幸福(こうふく)のためであった。
あなたはわが命(いのち)を引(ひ)きとめて、
滅(ほろ)びの穴(あな)をまぬかれさせられた。
これは、あなたがわが罪(つみ)をことごとく、
あなたの後(のち)に捨(す)てられたからである。
18陰府(よみ)は、あなたに感謝(かんしゃ)することはできない。
死(し)はあなたをさんびすることはできない。
墓(はか)にくだる者(もの)は、
あなたのまことを望(のぞ)むことはできない。
19ただ生(い)ける者(もの)、生(い)ける者(もの)のみ、
きょう、わたしがするように、あなたに感謝(かんしゃ)する。
父(ちち)はあなたのまことを、その子(こ)らに知(し)らせる。
20主(しゅ)はわたしを救(すく)われる。
われわれは世(よ)にあるかぎり、
主(しゅ)の家(いえ)で琴(こと)にあわせて、歌(うた)をうたおう。

21イザヤは言(い)った、「干(ひ)いちじくのひとかたまりを持(も)ってこさせ、それを腫物(はれもの)につけなさい。そうすれば直(なお)るでしょう」。 22ヒゼキヤはまた言(い)った、「わたしが主(しゅ)の家(いえ)に上(のぼ)ることについて、どんなしるしがありましょうか」。

第三九章

1そのころ、バラダンの子(こ)であるバビロンの王(おう)メロダク・バラダンは手紙(てがみ)と贈(おく)り物(もの)を持(も)たせて使節(しせつ)をヒゼキヤにつかわした。これはヒゼキヤが病気(びょうき)であったが、直(なお)ったことを聞(き)いたからである。 2ヒゼキヤは彼(かれ)らを喜(よろこ)び迎(むか)えて、宝物(ほうもつ)の蔵(くら)、金銀(きんぎん)、香料(こうりょう)、貴重(きちょう)な油(あぶら)および武器(ぶき)倉(くら)、ならびにその倉庫(そうこ)にあるすべての物(もの)を彼(かれ)らに見(み)せた。家(いえ)にある物(もの)も、国(くに)にある物(もの)も、ヒゼキヤが彼(かれ)らに見(み)せない物(もの)は一つもなかった。 3時(とき)に預言者(よげんしゃ)イザヤはヒゼキヤ王(おう)のもとに来(き)て言(い)った、「あの人々(ひとびと)は何(なに)を言(い)いましたか。どこから来(き)たのですか」。ヒゼキヤは言(い)った、「彼(かれ)らは遠(とお)い国(くに)から、すなわちバビロンから来(き)たのです」。 4イザヤは言(い)った、「彼(かれ)らは、あなたの家(いえ)で何(なに)を見(み)ましたか」。ヒゼキヤは答(こた)えて言(い)った、「彼(かれ)らは、わたしの家(いえ)にある物(もの)を皆(みな)見(み)ました。倉庫(そうこ)のうちには、彼(かれ)らに見(み)せなかった物(もの)は一つもありません」。

5そこでイザヤはヒゼキヤに言(い)った、「万軍(ばんぐん)の主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)きなさい。 6見(み)よ、すべてあなたの家(いえ)にある物(もの)およびあなたの先祖(せんぞ)たちが今日(こんにち)までに積(つ)みたくわえた物(もの)がバビロンに運(はこ)び去(さ)られる日(ひ)が来(く)る。何(なに)も残(のこ)るものはない、と主(しゅ)が言(い)われます。 7また、あなたの身(み)から出(で)るあなたの子(こ)たちも連(つ)れ去(さ)られて、バビロンの王(おう)の宮殿(きゅうでん)において宦官(かんがん)となるでしょう」。 8ヒゼキヤはイザヤに言(い)った、「あなたが言(い)われた主(しゅ)の言葉(ことば)は結構(けっこう)です」。彼(かれ)は「少(すく)なくとも自分(じぶん)が世(よ)にある間(あいだ)は太平(たいへい)と安全(あんぜん)があるだろう」と思(おも)ったからである。

第四〇章


1あなたがたの神(かみ)は言(い)われる、
「慰(なぐさ)めよ、わが民(たみ)を慰(なぐさ)めよ、
2ねんごろにエルサレムに語(かた)り、これに呼(よ)ばわれ、
その服役(ふくえき)の期(き)は終(おわ)り、
そのとがはすでにゆるされ、
そのもろもろの罪(つみ)のために二倍(ばい)の刑罰(けいばつ)を
主(しゅ)の手(て)から受(う)けた」。
3呼(よ)ばわる者(もの)の声(こえ)がする、
「荒野(あらの)に主(しゅ)の道(みち)を備(そな)え、
さばくに、われわれの神(かみ)のために、
大路(おおじ)をまっすぐにせよ。
4もろもろの谷(たに)は高(たか)くせられ、
もろもろの山(やま)と丘(おか)とは低(ひく)くせられ、
高(たか)底(そこ)のある地(ち)は平(たい)らになり、
険(けわ)しい所(ところ)は平地(へいち)となる。
5こうして主(しゅ)の栄光(えいこう)があらわれ、
人(ひと)は皆(みな)ともにこれを見(み)る。
これは主(しゅ)の口(くち)が語(かた)られたのである」。
6声(こえ)が聞(きこ)える、「呼(よ)ばわれ」。
わたしは言(い)った、「なんと呼(よ)ばわりましょうか」。
「人(ひと)はみな草(くさ)だ。
その麗(うるわ)しさは、すべて野(の)の花(はな)のようだ。
7主(しゅ)の息(いき)がその上(うえ)に吹(ふ)けば、
草(くさ)は枯(か)れ、花(はな)はしぼむ。
たしかに人(ひと)は草(くさ)だ。
8草(くさ)は枯(か)れ、花(はな)はしぼむ。
しかし、われわれの神(かみ)の言葉(ことば)は
とこしえに変(かわ)ることはない」。
9よきおとずれをシオンに伝(つた)える者(もの)よ、
高(たか)い山(やま)にのぼれ。
よきおとずれをエルサレムに伝(つた)える者(もの)よ、
強(つよ)く声(こえ)をあげよ、
声(こえ)をあげて恐(おそ)れるな。
ユダのもろもろの町(まち)に言(い)え、
「あなたがたの神(かみ)を見(み)よ」と。
10見(み)よ、主(しゅ)なる神(かみ)は大能(たいのう)をもってこられ、
その腕(うで)は世(よ)を治(おさ)める。
見(み)よ、その報(むく)いは主(しゅ)と共(とも)にあり、
そのはたらきの報(むく)いは、そのみ前(まえ)にある。
11主(しゅ)は牧者(ぼくしゃ)のようにその群(む)れを養(やしな)い、
そのかいなに小羊(こひつじ)をいだき、
そのふところに入(い)れて携(たずさ)えゆき、
乳(ちち)を飲(の)ませているものをやさしく導(みちび)かれる。


12だれが、たなごころをもって海(うみ)をはかり、
指(ゆび)を伸(の)ばして天(てん)をはかり、
地(ち)のちりを枡(ます)に盛(も)り、
てんびんをもって、もろもろの山(やま)をはかり、
はかりをもって、もろもろの丘(おか)をはかったか。
13だれが、主(しゅ)の霊(れい)を導(みちび)き、
その相談役(そうだんやく)となって主(しゅ)を教(おし)えたか。
14主(しゅ)はだれと相談(そうだん)して悟(さと)りを得(え)たか。
だれが主(しゅ)に公義(こうぎ)の道(みち)を教(おし)え、
知識(ちしき)を教(おし)え、悟(さと)りの道(みち)を示(しめ)したか。
15見(み)よ、もろもろの国民(こくみん)は、おけの一(ひと)しずくのように、
はかりの上(うえ)のちりのように思(おも)われる。
見(み)よ、主(しゅ)は島々(しまじま)を、ほこりのようにあげられる。
16レバノンは、たきぎに足(た)りない、
またその獣(けもの)は、燔祭(はんさい)に足(た)りない。
17主(しゅ)のみ前(まえ)には、もろもろの国民(こくみん)は無(な)きにひとしい。
彼(かれ)らは主(しゅ)によって、無(な)きもののように、
むなしいもののように思(おも)われる。
18それで、あなたがたは神(かみ)をだれとくらべ、
どんな像(ぞう)と比較(ひかく)しようとするのか。
19偶像(ぐうぞう)は細工人(さいくにん)が鋳(い)て造(つく)り、
鍛冶(かじ)が、金(きん)をもって、それをおおい、
また、これがために銀(ぎん)の鎖(くさり)を造(つく)る。
20貧(まず)しい者(もの)は、ささげ物(もの)として
朽(く)ちることのない木(き)を選(えら)び、
巧(たく)みな細工人(さいくにん)を求(もと)めて、
動(うご)くことのない像(ぞう)を立(た)たせる。
21あなたがたは知(し)らなかったか。
あなたがたは聞(き)かなかったか。
初(はじ)めから、あなたがたに伝(つた)えられなかったか。
地(ち)の基(もとい)をおいた時(とき)から、
あなたがたは悟(さと)らなかったか。
22主(しゅ)は地球(ちきゅう)のはるか上(うえ)に座(ざ)して、
地(ち)に住(す)む者(もの)をいなごのように見(み)られる。
主(しゅ)は天(てん)を幕(まく)のようにひろげ、
これを住(す)むべき天幕(てんまく)のように張(は)り、
23また、もろもろの君(きみ)を無(な)きものとせられ、
地(ち)のつかさたちを、むなしくされる。
24彼(かれ)らは、かろうじて植(う)えられ、かろうじてまかれ、
その幹(みき)がかろうじて地(ち)に根(ね)をおろしたとき、
神(かみ)がその上(うえ)を吹(ふ)かれると、彼(かれ)らは枯(か)れて、
わらのように、つむじ風(かぜ)にまき去(さ)られる。
25聖者(せいじゃ)は言(い)われる、
「それで、あなたがたは、わたしをだれにくらべ、
わたしは、だれにひとしいというのか」。
26目(め)を高(たか)くあげて、
だれが、これらのものを創造(そうぞう)したかを見(み)よ。
主(しゅ)は数(かず)をしらべて万軍(ばんぐん)をひきいだし、
おのおのをその名(な)で呼(よ)ばれる。
その勢(いきお)いの大(おお)いなるにより、
またその力(ちから)の強(つよ)きがゆえに、
一つも欠(か)けることはない。


27ヤコブよ、何(なに)ゆえあなたは、
「わが道(みち)は主(しゅ)に隠(かく)れている」と言(い)うか。
イスラエルよ、何(なに)ゆえあなたは、
「わが訴(うった)えはわが神(かみ)に顧(かえり)みられない」と言(い)うか。
28あなたは知(し)らなかったか、
あなたは聞(き)かなかったか。
主(しゅ)はとこしえの神(かみ)、地(ち)の果(はて)の創造者(そうぞうしゃ)であって、
弱(よわ)ることなく、また疲(つか)れることなく、
その知恵(ちえ)ははかりがたい。
29弱(よわ)った者(もの)には力(ちから)を与(あた)え、
勢(いきお)いのない者(もの)には強(つよ)さを増(ま)し加(くわ)えられる。
30年(ねん)若(わか)い者(もの)も弱(よわ)り、かつ疲(つか)れ、
壮年(そうねん)の者(もの)も疲(つか)れはてて倒(たお)れる。
31しかし主(しゅ)を待(ま)ち望(のぞ)む者(もの)は新(あら)たなる力(ちから)を得(え)、
わしのように翼(つばさ)をはって、のぼることができる。
走(はし)っても疲(つか)れることなく、
歩(ある)いても弱(よわ)ることはない。

第四一章


1海沿(うみぞ)いの国々(くにぐに)よ、
静(しず)かにして、わたしに聞(き)け。
もろもろの民(たみ)よ、力(ちから)を新(あら)たにし、近(ちか)づいて語(かた)れ。
われわれは共(とも)にさばきの座(ざ)に近(ちか)づこう。
2だれが東(ひがし)から人(ひと)を起(おこ)したか。
彼(かれ)はその行(ゆ)く所(ところ)で勝利(しょうり)をもって迎(むか)えられ、
もろもろの国(くに)を征服(せいふく)し、
もろもろの王(おう)を足(あし)の下(した)に踏(ふ)みつけ、
そのつるぎをもって彼(かれ)らをちりのようにし、
その弓(ゆみ)をもって吹(ふ)き去(さ)られる、わらのようにする。
3彼(かれ)はこれらの者(もの)を追(お)って
その足(あし)のまだ踏(ふ)んだことのない道(みち)を、
安(やす)らかに過(す)ぎて行(い)く。
4だれがこの事(こと)を行(おこな)ったか、なしたか。
だれが初(はじ)めから世々(よよ)の人々(ひとびと)を呼(よ)び出(だ)したか。
主(しゅ)なるわたしは初(はじ)めであって、
また終(おわ)りと共(とも)にあり、わたしがそれだ。


5海沿(うみぞ)いの国々(くにぐに)は見(み)て恐(おそ)れ、
地(ち)の果(はて)は、おののき、近(ちか)づいて来(き)た。
6彼(かれ)らはおのおのその隣(となり)を助(たす)け、
その兄弟(きょうだい)たちに言(い)う、「勇気(ゆうき)を出(だ)せよ」と。
7細工人(さいくにん)は鍛冶(かじ)を励(はげ)まし、
鎚(つち)をもって平(たい)らかにする者(もの)は金(かな)敷(し)きを打(う)つ者(もの)に、
はんだづけについて言(い)う、「それは良(よ)い」と。
また、くぎをもってそれを堅(かた)くし、
動(うご)くことのないようにする。


8しかし、わがしもべイスラエルよ、
わたしの選(えら)んだヤコブ、
わが友(とも)アブラハムの子孫(しそん)よ、
9わたしは地(ち)の果(はて)から、あなたを連(つ)れてき、
地(ち)のすみずみから、あなたを召(め)して、
あなたに言(い)った、「あなたは、わたしのしもべ、
わたしは、あなたを選(えら)んで捨(す)てなかった」と。
10恐(おそ)れてはならない、わたしはあなたと共(とも)にいる。
驚(おどろ)いてはならない、わたしはあなたの神(かみ)である。
わたしはあなたを強(つよ)くし、あなたを助(たす)け、
わが勝利(しょうり)の右(みぎ)の手(て)をもって、あなたをささえる。
11見(み)よ、あなたにむかって怒(いか)る者(もの)はみな、
はじて、あわてふためき、
あなたと争(あらそ)う者(もの)は滅(ほろ)びて無(む)に帰(き)する。
12あなたは、あなたと争(あらそ)う者(もの)を尋(たず)ねても見(み)いださず、
あなたと戦(たたか)う者(もの)は全(まった)く消(き)えうせる。
13あなたの神(かみ)、主(しゅ)なるわたしは
あなたの右(みぎ)の手(て)をとってあなたに言(い)う、
「恐(おそ)れてはならない、わたしはあなたを助(たす)ける」。
14主(しゅ)は言(い)われる、「虫(むし)にひとしいヤコブよ、
イスラエルの人々(ひとびと)よ、恐(おそ)れてはならない。
わたしはあなたを助(たす)ける。
あなたをあがなう者(もの)はイスラエルの聖者(せいじゃ)である。
15見(み)よ、わたしはあなたを鋭(するど)い歯(は)のある
新(あたら)しい打(だ)穀(こっ)機(き)とする。
あなたは山(やま)を打(う)って、これを粉々(こなごな)にし、
丘(おか)をもみがらのようにする。
16あなたがあおげば風(かぜ)はこれを巻(ま)き去(さ)り、
つむじ風(かぜ)がこれを吹(ふ)き散(ち)らす。
あなたは主(しゅ)によって喜(よろこ)び
イスラエルの聖者(せいじゃ)によって誇(ほこ)る。


17貧(まず)しい者(もの)と乏(とぼ)しい者(もの)とは水(みず)を求(もと)めても、水(みず)がなく、
その舌(した)がかわいて焼(や)けているとき、
主(しゅ)なるわたしは彼(かれ)らに答(こた)える、
イスラエルの神(かみ)なるわたしは
彼(かれ)らを捨(す)てることがない。
18わたしは裸(はだか)の山(やま)に川(かわ)を開(ひら)き、
谷(たに)の中(なか)に泉(いずみ)をいだし、
荒野(あらの)を池(いけ)となし、かわいた地(ち)を水(みず)の源(みなもと)とする。
19わたしは荒野(あらの)に香柏(こうはく)、アカシヤ、
ミルトスおよびオリブの木(き)を植(う)え、
さばくに、いとすぎ、すずかけ、
からまつをともに置(お)く。
20人々(ひとびと)はこれを見(み)て、主(しゅ)のみ手(て)がこれをなし、
イスラエルの聖者(せいじゃ)がこれを創造(そうぞう)されたことを知(し)り、
かつ、よく考(かんが)えて共(とも)に悟(さと)る」。


21主(しゅ)は言(い)われる、
「あなたがたの訴(うった)えを出(だ)せ」と。
ヤコブの王(おう)は言(い)われる、
「あなたがたの証拠(しょうこ)を持(も)ってこい。
22それを持(も)ってきて、起(おこ)るべき事(こと)をわれわれに告(つ)げよ。
さきの事(こと)どもの何(なに)であるかを告(つ)げよ。
われわれはよく考(かんが)えて、その結末(けつまつ)を知(し)ろう。
あるいはきたるべき事(こと)をわれわれに聞(き)かせよ。
23この後(のち)きたるべき事(こと)をわれわれに告(つ)げよ。
われわれはあなたがたが神(かみ)であることを
知(し)るであろう。
幸(さいわい)をくだし、あるいは災(わざわい)をくだせ。
われわれは驚(おどろ)いて肝(きも)をつぶすであろう。
24見(み)よ、あなたがたは無(な)きものである。
あなたがたのわざはむなしい。
あなたがたを選(えら)ぶ者(もの)は憎(にく)むべき者(もの)である」。


25わたしはひとりを起(おこ)して北(きた)からこさせ、
わが名(な)を呼(よ)ぶ者(もの)を東(ひがし)からこさせる。
彼(かれ)はもろもろのつかさを踏(ふ)みつけて
しっくいのようにし、
陶器(とうき)師(し)が粘土(ねんど)を踏(ふ)むようにする。
26だれか、初(はじ)めからこの事(こと)を
われわれに告(つ)げ知(し)らせたか。
だれか、あらかじめわれわれに告(つ)げて、
「彼(かれ)は正(ただ)しい」と言(い)わせたか。
ひとりもこの事(こと)を告(つ)げた者(もの)はない。
ひとりも聞(き)かせた者(もの)はない。
ひとりもあなたがたの言葉(ことば)を聞(き)いた者(もの)はない。
27わたしははじめてこれをシオンに告(つ)げた。
わたしは、よきおとずれを伝(つた)える者(もの)を
エルサレムに与(あた)える。
28しかし、わたしが見(み)ると、ひとりもない。
彼(かれ)らのなかには、わたしが尋(たず)ねても
答(こた)えうる助言者(じょげんしゃ)はひとりもない。
29見(み)よ、彼(かれ)らはみな人(ひと)を惑(まど)わす者(もの)であって、
そのわざは無(な)きもの、
その鋳(い)た像(ぞう)はむなしき風(かぜ)である。

第四二章


1わたしの支持(しじ)するわがしもべ、
わたしの喜(よろこ)ぶわが選(えら)び人(ひと)を見(み)よ。
わたしはわが霊(れい)を彼(かれ)に与(あた)えた。
彼(かれ)はもろもろの国(くに)びとに道(みち)をしめす。
2彼(かれ)は叫(さけ)ぶことなく、声(こえ)をあげることなく、
その声(こえ)をちまたに聞(きこ)えさせず、
3また傷(きず)ついた葦(あし)を折(お)ることなく、
ほのぐらい灯心(とうしん)を消(け)すことなく、
真実(しんじつ)をもって道(みち)をしめす。
4彼(かれ)は衰(おとろ)えず、落胆(らくたん)せず、
ついに道(みち)を地(ち)に確立(かくりつ)する。
海沿(うみぞ)いの国々(くにぐに)はその教(おしえ)を待(ま)ち望(のぞ)む。


5天(てん)を創造(そうぞう)してこれをのべ、
地(ち)とそれに生(しょう)ずるものをひらき、
その上(うえ)の民(たみ)に息(いき)を与(あた)え、
その中(なか)を歩(あゆ)む者(もの)に霊(れい)を与(あた)えられる
主(しゅ)なる神(かみ)はこう言(い)われる、
6「主(しゅ)なるわたしは正義(せいぎ)をもってあなたを召(め)した。
わたしはあなたの手(て)をとり、あなたを守(まも)った。
わたしはあなたを民(たみ)の契約(けいやく)とし、
もろもろの国(くに)びとの光(ひかり)として与(あた)え、
7盲人(もうじん)の目(め)を開(ひら)き、
囚人(しゅうじん)を地下(ちか)の獄屋(ごくや)から出(だ)し、
暗(くら)きに座(ざ)する者(もの)を獄屋(ごくや)から出(だ)させる。
8わたしは主(しゅ)である、これがわたしの名(な)である。
わたしはわが栄光(えいこう)をほかの者(もの)に与(あた)えない。
また、わが誉(ほまれ)を刻(きざ)んだ像(ぞう)に与(あた)えない。
9見(み)よ、さきに預言(よげん)した事(こと)は起(おこ)った。
わたしは新(あたら)しい事(こと)を告(つ)げよう。
その事(こと)がまだ起(おこ)らない前(まえ)に、
わたしはまず、あなたがたに知(し)らせよう」。


10主(しゅ)にむかって新(あたら)しき歌(うた)をうたえ。
地(ち)の果(はて)から主(しゅ)をほめたたえよ。
海(うみ)とその中(なか)に満(み)ちるもの、
海沿(うみぞ)いの国々(くにぐに)とそれに住(す)む者(もの)とは鳴(な)りどよめ。
11荒野(あらの)とその中(なか)のもろもろの町(まち)と、
ケダルびとの住(す)むもろもろの村里(むらざと)は声(こえ)をあげよ。
セラの民(たみ)は喜(よろこ)びうたえ。
山(やま)の頂(いただき)から呼(よ)ばわり叫(さけ)べ。
12栄光(えいこう)を主(しゅ)に帰(き)し、
その誉(ほまれ)を海沿(うみぞ)いの国々(くにぐに)で語(かた)り告(つ)げよ。
13主(しゅ)は勇士(ゆうし)のように出(で)て行(い)き、
いくさ人(ひと)のように熱心(ねっしん)を起(おこ)し、
ときの声(こえ)をあげて呼(よ)ばわり、
その敵(てき)にむかって大能(たいのう)をあらわされる。


14わたしは久(ひさ)しく声(こえ)を出(だ)さず、
黙(もく)して、おのれをおさえていた。
今(いま)わたしは子(こ)を産(う)もうとする女(おんな)のように叫(さけ)ぶ。
わたしの息(いき)は切(き)れ、かつあえぐ。
15わたしは山(やま)と丘(おか)とを荒(あら)し、
すべての草(くさ)を枯(か)らし、
もろもろの川(かわ)を島(しま)とし、
もろもろの池(いけ)をからす。
16わたしは目(め)しいを
彼(かれ)らのまだ知(し)らない大路(おおじ)に行(い)かせ、
まだ知(し)らない道(みち)に導(みちび)き、
暗(くら)きをその前(まえ)に光(ひかり)とし、
高低(こうてい)のある所(ところ)を平(たい)らにする。
わたしはこれらの事(こと)をおこなって彼(かれ)らを捨(す)てない。
17刻(きざ)んだ偶像(ぐうぞう)に頼(たの)み、鋳(い)た偶像(ぐうぞう)にむかって
「あなたがたは、われわれの神(かみ)である」と言(い)う者(もの)は
退(しりぞ)けられて、大(おお)いに恥(はじ)をかく。


18耳(みみ)しいよ、聞(き)け。
目(め)しいよ、目(め)を注(そそ)いで見(み)よ。
19だれか、わがしもべのほかに目(め)しいがあるか。
だれか、わがつかわす使者(ししゃ)のような耳(みみ)しいがあるか。
だれか、わが献身(けんしん)者(もの)のような目(め)しいがあるか。
だれか、主(しゅ)のしもべのような目(め)しいがあるか。
20彼(かれ)は多(おお)くの事(こと)を見(み)ても認(みと)めず、
耳(みみ)を開(ひら)いても聞(き)かない。
21主(しゅ)はおのれの義(ぎ)のために、
その教(おしえ)を大(おお)いなるものとし、
かつ光栄(こうえい)あるものとすることを喜(よろこ)ばれた。
22ところが、この民(たみ)はかすめられ、奪(うば)われて、
みな穴(あな)の中(なか)に捕(とら)われ、獄屋(ごくや)の中(なか)に閉(と)じこめられた。
彼(かれ)らはかすめられても助(たす)ける者(もの)がなく、
物(もの)を奪(うば)われても「もどせ」と言(い)う者(もの)もない。
23あなたがたのうち、
だれがこの事(こと)に耳(みみ)を傾(かたむ)けるだろうか、
だれが心(こころ)をもちいて
後(のち)のためにこれを聞(き)くだろうか。
24ヤコブを奪(うば)わせた者(もの)はだれか。
かすめる者(もの)にイスラエルをわたした者(もの)はだれか。
これは主(しゅ)ではないか。
われわれは主(しゅ)にむかって罪(つみ)を犯(おか)し、
その道(みち)に歩(あゆ)むことを好(この)まず、
またその教(おしえ)に従(したが)うことを好(この)まなかった。
25それゆえ、主(しゅ)は激(はげ)しい怒(いか)りと、
猛烈(もうれつ)な戦(たたか)いを彼(かれ)らに臨(のぞ)ませられた。
それが火(ひ)のように周囲(しゅうい)に燃(も)えても、彼(かれ)らは悟(さと)らず、
彼(かれ)らを焼(や)いても、心(こころ)にとめなかった。

第四三章

1ヤコブよ、あなたを創造(そうぞう)された主(しゅ)はこう言(い)われる。イスラエルよ、あなたを造(つく)られた主(しゅ)はいまこう言(い)われる、
「恐(おそ)れるな、わたしはあなたをあがなった。
わたしはあなたの名(な)を呼(よ)んだ、
あなたはわたしのものだ。
2あなたが水(みず)の中(なか)を過(す)ぎるとき、
わたしはあなたと共(とも)におる。
川(かわ)の中(なか)を過(す)ぎるとき、
水(みず)はあなたの上(うえ)にあふれることがない。
あなたが火(ひ)の中(なか)を行(い)くとき、焼(や)かれることもなく、
炎(ほのお)もあなたに燃(も)えつくことがない。
3わたしはあなたの神(かみ)、主(しゅ)である、
イスラエルの聖者(せいじゃ)、あなたの救主(すくいぬし)である。
わたしはエジプトを与(あた)えて
あなたのあがないしろとし、
エチオピヤとセバとをあなたの代(かわ)りとする。
4あなたはわが目(め)に尊(たっと)く、重(おも)んぜられるもの、
わたしはあなたを愛(あい)するがゆえに、
あなたの代(かわ)りに人(ひと)を与(あた)え、
あなたの命(いのち)の代(かわ)りに民(たみ)を与(あた)える。
5恐(おそ)れるな、わたしはあなたと共(とも)におる。
わたしは、あなたの子孫(しそん)を東(ひがし)からこさせ、
西(にし)からあなたを集(あつ)める。
6わたしは北(きた)にむかって『ゆるせ』と言(い)い、
南(みなみ)にむかって『留(と)めるな』と言(い)う。
わが子(こ)らを遠(とお)くからこさせ、
わが娘(むすめ)らを地(ち)の果(はて)からこさせよ。
7すべてわが名(な)をもってとなえられる者(もの)をこさせよ。
わたしは彼(かれ)らをわが栄光(えいこう)のために創造(そうぞう)し、
これを造(つく)り、これを仕立(した)てた」。


8目(め)があっても目(め)しいのような民(たみ)、
耳(みみ)があっても耳(みみ)しいのような民(たみ)を連(つ)れ出(だ)せ。
9国々(くにぐに)はみな相(あい)つどい、
もろもろの民(たみ)は集(あつ)まれ。
彼(かれ)らのうち、だれがこの事(こと)を告(つ)げ、
さきの事(こと)どもを、
われわれに聞(き)かせることができるか。
その証人(しょうにん)を出(だ)して、おのれの正(ただ)しい事(こと)を証明(しょうめい)させ、
それを聞(き)いて「これは真実(しんじつ)だ」と言(い)わせよ。
10主(しゅ)は言(い)われる、「あなたがたはわが証人(しょうにん)、
わたしが選(えら)んだわがしもべである。
それゆえ、あなたがたは知(し)って、わたしを信(しん)じ、
わたしが主(しゅ)であることを悟(さと)ることができる。
わたしより前(まえ)に造(つく)られた神(かみ)はなく、
わたしより後(のち)にもない。
11ただわたしのみ主(しゅ)である。
わたしのほかに救(すく)う者(もの)はいない。
12わたしはさきに告(つ)げ、かつ救(すく)い、かつ聞(き)かせた。
あなたがたのうちには、ほかの神(かみ)はなかった。
あなたがたはわが証人(しょうにん)である」と主(しゅ)は言(い)われる。
13「わたしは神(かみ)である、今(いま)より後(のち)もわたしは主(しゅ)である。
わが手(て)から救(すく)い出(だ)しうる者(もの)はない。
わたしがおこなえば、
だれが、これをとどめることができよう」。


14あなたがたをあがなう者(もの)、イスラエルの聖者(せいじゃ)、
主(しゅ)はこう言(い)われる、
「あなたがたのために、
わたしは人(ひと)をバビロンにつかわし、
すべての貫(かん)の木(き)をこわし、
カルデヤびとの喜(よろこ)びの声(こえ)を嘆(なげ)きに変(かわ)らせる。
15わたしは主(しゅ)、あなたがたの聖者(せいじゃ)、
イスラエルの創造者(そうぞうしゃ)、あなたがたの王(おう)である」。
16海(うみ)のなかに大路(おおじ)を設(もう)け、
大(おお)いなる水(みず)の中(なか)に道(みち)をつくり、
17戦車(せんしゃ)および馬(うま)、軍勢(ぐんぜい)および兵士(へいし)を出(で)てこさせ、
これを倒(たお)して起(お)きることができないようにし、
絶(た)え滅(ほろ)ぼして、灯心(とうしん)の消(き)えうせるようにされる
主(しゅ)はこう言(い)われる、
18「あなたがたは、さきの事(こと)を思(おも)い出(だ)してはならない、
また、いにしえのことを考(かんが)えてはならない。
19見(み)よ、わたしは新(あたら)しい事(こと)をなす。
やがてそれは起(おこ)る、
あなたがたはそれを知(し)らないのか。
わたしは荒野(あらの)に道(みち)を設(もう)け、
さばくに川(かわ)を流(なが)れさせる。
20野(の)の獣(けもの)はわたしをあがめ、
山犬(やまいぬ)および、だちょうもわたしをあがめる。
わたしが荒野(あらの)に水(みず)をいだし、
さばくに川(かわ)を流(なが)れさせて、
わたしの選(えら)んだ民(たみ)に飲(の)ませるからだ。
21この民(たみ)は、わが誉(ほまれ)を述(の)べさせるために
わたしが自分(じぶん)のために造(つく)ったものである。


22ところがヤコブよ、あなたはわたしを呼(よ)ばなかった。
イスラエルよ、あなたはわたしをうとんじた。
23あなたは燔祭(はんさい)の羊(ひつじ)をわたしに持(も)ってこなかった。
また犠牲(ぎせい)をもってわたしをあがめなかった。
わたしは供(そな)え物(もの)の重荷(おもに)をあなたに負(お)わせなかった。
また乳香(にゅうこう)をもってあなたを煩(わずら)わさなかった。
24あなたは金(かね)を出(だ)して、
わたしのために菖蒲(しょうぶ)を買(か)わず、
犠牲(ぎせい)の脂肪(しぼう)を供(そな)えて、わたしを飽(あ)かせず、
かえって、あなたの罪(つみ)の重荷(おもに)をわたしに負(お)わせ、
あなたの不義(ふぎ)をもって、わたしを煩(わずら)わせた。


25わたしこそ、わたし自身(じしん)のために
あなたのとがを消(け)す者(もの)である。
わたしは、あなたの罪(つみ)を心(こころ)にとめない。
26あなたは、自分(じぶん)の正(ただ)しいことを証明(しょうめい)するために
自分(じぶん)のことを述(の)べて、わたしに思(おも)い出(だ)させよ。
われわれは共(とも)に論(ろん)じよう。
27あなたの遠(とお)い先祖(せんぞ)は罪(つみ)を犯(おか)し、
あなたの仲保者(ちゅうほしゃ)らはわたしにそむいた。
28それゆえ、わたしは聖所(せいじょ)の君(きみ)たちを汚(けが)し、
ヤコブを全(まった)き滅(ほろ)びにわたし、
イスラエルをののしらしめた。

第四四章


1しかし、わがしもべヤコブよ、
わたしが選(えら)んだイスラエルよ、いま聞(き)け。
2あなたを造(つく)り、あなたを胎内(たいない)に形(かたち)造(つく)り、
あなたを助(たす)ける主(しゅ)はこう言(い)われる、
『わがしもべヤコブよ、
わたしが選(えら)んだエシュルンよ、恐(おそ)れるな。
3わたしは、かわいた地(ち)に水(みず)を注(そそ)ぎ、
干(ひ)からびた地(ち)に流(なが)れをそそぎ、
わが霊(れい)をあなたの子(こ)らにそそぎ、
わが恵(めぐ)みをあなたの子孫(しそん)に与(あた)えるからである。
4こうして、彼(かれ)らは水(みず)の中(なか)の草(くさ)のように、
流(なが)れのほとりの柳(やなぎ)のように、生(は)え育(そだ)つ。
5ある人(ひと)は「わたしは主(しゅ)のものである」と言(い)い、
ある人(ひと)はヤコブの名(な)をもって自分(じぶん)を呼(よ)び、
またある人(ひと)は「主(しゅ)のものである」と手(て)にしるして、
イスラエルの名(な)をもって自分(じぶん)を呼(よ)ぶ』」。


6主(しゅ)、イスラエルの王(おう)、イスラエルをあがなう者(もの)、
万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はこう言(い)われる、
「わたしは初(はじ)めであり、わたしは終(おわ)りである。
わたしのほかに神(かみ)はない。
7だれかわたしに等(ひと)しい者(もの)があるか。
その者(もの)はそれを示(しめ)し、またそれを告(つ)げ、
わが前(まえ)に言(い)いつらねよ。
だれが、昔(むかし)から、きたるべき事(こと)を聞(き)かせたか。
その者(もの)はやがて成(な)るべき事(こと)をわれわれに告(つ)げよ。
8恐(おそ)れてはならない、またおののいてはならない。
わたしはこの事(こと)を昔(むかし)から、
あなたがたに聞(き)かせなかったか、
また告(つ)げなかったか。
あなたがたはわが証人(しょうにん)である。
わたしのほかに神(かみ)があるか。
わたしのほかに岩(いわ)はない。
わたしはそのあることを知(し)らない」。

9偶像(ぐうぞう)を造(つく)る者(もの)は皆(みな)むなしく、彼(かれ)らの喜(よろこ)ぶところのものは、なんの役(やく)にも立(た)たない。その信者(しんじゃ)は見(み)ることもなく、また知(し)ることもない。ゆえに彼(かれ)らは恥(はじ)を受(う)ける。 10だれが神(かみ)を造(つく)り、またなんの役(やく)にも立(た)たない偶像(ぐうぞう)を鋳(い)たか。 11見(み)よ、その仲間(なかま)は皆(みな)恥(はじ)を受(う)ける。その細工人(さいくにん)らは人間(にんげん)にすぎない。彼(かれ)らが皆(みな)集(あつ)まって立(た)つとき、恐(おそ)れて共(とも)に恥(は)じる。

12鉄(てつ)の細工人(さいくにん)はこれを造(つく)るのに炭(すみ)の火(ひ)をもって細工(さいく)し、鎚(つち)をもってこれを造(つく)り、強(つよ)い腕(うで)をもってこれを鍛(きた)える。彼(かれ)が飢(う)えれば力(ちから)は衰(おとろ)え、水(みず)を飲(の)まなければ疲(つか)れはてる。 13木(き)の細工人(さいくにん)は線(せん)を引(ひ)き、鉛筆(えんぴつ)でえがき、かんなで削(けず)り、コンパスでえがき、それを人(ひと)の美(うつく)しい姿(すがた)にしたがって人(ひと)の形(かたち)に造(つく)り、家(いえ)の中(なか)に安置(あんち)する。 14彼(かれ)は香柏(こうはく)を切(き)り倒(たお)し、あるいはかしの木(き)、あるいはかしわの木(き)を選(えら)んで、それを林(はやし)の木(き)の中(なか)で強(つよ)く育(そだ)てる。あるいは香柏(こうはく)を植(う)え、雨(あめ)にそれを育(そだ)てさせる。 15こうして人(ひと)はその一部(いちぶ)をとって、たきぎとし、これをもって身(み)を暖(あたた)め、またこれを燃(も)やしてパンを焼(や)き、また他(た)の一部(いちぶ)を神(かみ)に造(つく)って拝(おが)み、刻(きざ)んだ像(ぞう)に造(つく)ってその前(まえ)にひれ伏(ふ)す。 16その半(なか)ばは火(ひ)に燃(も)やし、その半(なか)ばで肉(にく)を煮(に)て食(た)べ、あるいは肉(にく)をあぶって食(た)べ飽(あ)き、また身(み)を暖(あたた)めて言(い)う、「ああ、暖(あたた)まった、熱(あつ)くなった」と。 17そしてその余(あま)りをもって神(かみ)を造(つく)って偶像(ぐうぞう)とし、その前(まえ)にひれ伏(ふ)して拝(おが)み、これに祈(いの)って、「あなたはわが神(かみ)だ、わたしを救(すく)え」と言(い)う。

18これらの人(ひと)は知(し)ることがなく、また悟(さと)ることがない。その目(め)はふさがれて見(み)ることができず、その心(こころ)は鈍(にぶ)くなって悟(さと)ることができない。 19その心(こころ)のうちに思(おも)うことをせず、また知識(ちしき)がなく、悟(さと)りがないために、「わたしはその半(なか)ばを火(ひ)に燃(も)やし、またその炭火(すみび)の上(うえ)でパンを焼(や)き、肉(にく)をあぶって食(た)べ、その残(のこ)りの木(き)をもって憎(にく)むべきものを造(つく)るのか。木(き)のはしくれの前(まえ)にひれ伏(ふ)すのか」と言(い)う者(もの)もない。 20彼(かれ)は灰(はい)を食(く)い、迷(まよ)った心(こころ)に惑(まど)わされて、おのれを救(すく)うことができず、また「わが右(みぎ)の手(て)に偽(いつわ)りがあるではないか」と言(い)わない。


21ヤコブよ、イスラエルよ、これらの事(こと)を心(こころ)にとめよ。
あなたはわがしもべだから。
わたしはあなたを造(つく)った、
あなたはわがしもべだ。
イスラエルよ、わたしはあなたを忘(わす)れない。
22わたしはあなたのとがを雲(くも)のように吹(ふ)き払(はら)い、
あなたの罪(つみ)を霧(きり)のように消(け)した。
わたしに立(た)ち返(かえ)れ、
わたしはあなたをあがなったから。


23天(てん)よ、歌(うた)え、主(しゅ)がこの事(こと)をなされたから。
地(ち)の深(ふか)き所(ところ)よ、呼(よ)ばわれ。
もろもろの山(やま)よ、林(はやし)およびその中(なか)のもろもろの木(き)よ、
声(こえ)を放(はな)って歌(うた)え。
主(しゅ)はヤコブをあがない、
イスラエルのうちに栄光(えいこう)をあらわされたから。


24あなたをあがない、
あなたを胎内(たいない)に造(つく)られた主(しゅ)はこう言(い)われる、
「わたしは主(しゅ)である。わたしはよろずの物(もの)を造(つく)り、
ただわたしだけが天(てん)をのべ、地(ち)をひらき、
――だれがわたしと共(とも)にいたか――
25偽(いつわ)る物(もの)のしるしをむなしくし、
占(うらな)う者(もの)を狂(くる)わせ、
賢(かしこ)い者(もの)をうしろに退(しりぞ)けて、その知識(ちしき)を愚(おろ)かにする。
26わたしは、わがしもべの言葉(ことば)を遂(と)げさせ、
わが使(つかい)の計(はか)りごとを成(な)らせ、
エルサレムについては、
『これは民(たみ)の住(す)む所(ところ)となる』と言(い)い、
ユダのもろもろの町(まち)については、
『ふたたび建(た)てられる、
わたしはその荒(あ)れ跡(あと)を興(おこ)そう』と言(い)い、
27また淵(ふち)については、『かわけ、わたしは
あなたのもろもろの川(かわ)を干(ほ)す』と言(い)い、
28またクロスについては、『彼(かれ)はわが牧者(ぼくしゃ)、
わが目的(もくてき)をことごとくなし遂(と)げる』と言(い)い、
エルサレムについては、
『ふたたび建(た)てられる』と言(い)い、
神殿(しんでん)については、
『あなたの基(もとい)がすえられる』と言(い)う」。

第四五章


1わたしはわが受膏者(じゅこうしゃ)クロスの
右(みぎ)の手(て)をとって、
もろもろの国(くに)をその前(まえ)に従(したが)わせ、
もろもろの王(おう)の腰(こし)を解(と)き、
とびらをその前(まえ)に開(ひら)かせて、
門(もん)を閉(と)じさせない、と言(い)われる主(しゅ)は
その受膏者(じゅこうしゃ)クロスにこう言(い)われる、
2「わたしはあなたの前(まえ)に行(い)って、
もろもろの山(やま)を平(たい)らにし、
青銅(せいどう)のとびらをこわし、鉄(てつ)の貫(かん)の木(き)を断(た)ち切(き)り、
3あなたに、暗(くら)い所(ところ)にある財宝(ざいほう)と、
ひそかな所(ところ)に隠(かく)した宝物(ほうもつ)とを与(あた)えて、
わたしは主(しゅ)、あなたの名(な)を呼(よ)んだ
イスラエルの神(かみ)であることをあなたに知(し)らせよう。
4わがしもべヤコブのために、
わたしの選(えら)んだイスラエルのために、
わたしはあなたの名(な)を呼(よ)んだ。
あなたがわたしを知(し)らなくても、
わたしはあなたに名(な)を与(あた)えた。
5わたしは主(しゅ)である。
わたしのほかに神(かみ)はない、ひとりもない。
あなたがわたしを知(し)らなくても、
わたしはあなたを強(つよ)くする。
6これは日(ひ)の出(で)る方(ほう)から、また西(にし)の方(ほう)から、
人々(ひとびと)がわたしのほかに神(かみ)のないことを
知(し)るようになるためである。
わたしは主(しゅ)である、わたしのほかに神(かみ)はない。
7わたしは光(ひかり)をつくり、また暗(くら)きを創造(そうぞう)し、
繁栄(はんえい)をつくり、またわざわいを創造(そうぞう)する。
わたしは主(しゅ)である、
すべてこれらの事(こと)をなす者(もの)である。


8天(てん)よ、上(うえ)より水(みず)を注(そそ)げ、
雲(くも)は義(ぎ)を降(ふ)らせよ。
地(ち)は開(ひら)けて救(すくい)を生(しょう)じ、また義(ぎ)をも、生(は)えさせよ。
主(しゅ)なるわたしはこれを創造(そうぞう)した。


9陶器(とうき)が陶器(とうき)師(し)と争(あらそ)うように、
おのれを造(つく)った者(もの)と争(あらそ)う者(もの)はわざわいだ。
粘土(ねんど)は陶器(とうき)師(し)にむかって
『あなたは何(なに)を造(つく)るか』と言(い)い、
あるいは『あなたの造(つく)った物(もの)には手(て)がない』と
言(い)うだろうか。
10父(ちち)にむかって
『あなたは、なぜ子(こ)をもうけるのか』と言(い)い、
あるいは女(おんな)にむかって
『あなたは、なぜ産(う)みの苦(くる)しみをするのか』と
言(い)う者(もの)はわざわいだ」。
11イスラエルの聖者(せいじゃ)、
イスラエルを造(つく)られた主(しゅ)はこう言(い)われる、
「あなたがたは、わが子(こ)らについてわたしに問(と)い、
またわが手(て)のわざについてわたしに命(めい)ずるのか。
12わたしは地(ち)を造(つく)って、その上(うえ)に人(ひと)を創造(そうぞう)した。
わたしは手(て)をもって天(てん)をのべ、
その万軍(ばんぐん)を指揮(しき)した。
13わたしは義(ぎ)をもってクロスを起(おこ)した。
わたしは彼(かれ)のすべての道(みち)をまっすぐにしよう。
彼(かれ)はわが町(まち)を建(た)て、
わが捕囚(ほしゅう)を価(あたい)のためでなく、
また報(むく)いのためでもなく解(と)き放(はな)つ」と
万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は言(い)われる。


14主(しゅ)はこう言(い)われる、
「エジプトの富(とみ)と、エチオピヤの商品(しょうひん)と、
たけの高(たか)いセバびととは
あなたに来(き)て、あなたのものとなり、あなたに従(したが)い、
彼(かれ)らは鎖(くさり)につながれて来(き)て、あなたの前(まえ)にひれ伏(ふ)し、
あなたに願(ねが)って言(い)う、
『神(かみ)はただあなたと共(とも)にいまし、
このほかに神(かみ)はなく、ひとりもない』」。
15イスラエルの神(かみ)、救主(すくいぬし)よ、
まことに、あなたは
ご自分(じぶん)を隠(かく)しておられる神(かみ)である。
16偶像(ぐうぞう)を造(つく)る者(もの)は皆(みな)恥(はじ)を負(お)い、はずかしめを受(う)け、
ともに、あわてふためいて退(しりぞ)く。
17しかし、イスラエルは主(しゅ)に救(すく)われて、
とこしえの救(すくい)を得(え)る。
あなたがたは世々(よよ)かぎりなく、
恥(はじ)を負(お)わず、はずかしめを受(う)けない。


18天(てん)を創造(そうぞう)された主(しゅ)、すなわち神(かみ)であって
また地(ち)をも造(つく)り成(な)し、これを堅(かた)くし、
いたずらにこれを創造(そうぞう)されず、
これを人(ひと)のすみかに造(つく)られた主(しゅ)はこう言(い)われる、
「わたしは主(しゅ)である、わたしのほかに神(かみ)はない。
19わたしは隠(かく)れたところ、地(ち)の暗(くら)い所(ところ)で語(かた)らず、
ヤコブの子孫(しそん)に
『わたしを尋(たず)ねるのはむだだ』と言(い)わなかった。
主(しゅ)なるわたしは正(ただ)しい事(こと)を語(かた)り、
まっすぐな事(こと)を告(つ)げる。


20もろもろの国(くに)からのがれてきた者(もの)よ、
集(あつ)まってきて、共(とも)に近寄(ちかよ)れ。
木像(もくぞう)をにない、
救(すく)うことのできない神(かみ)に祈(いの)る者(もの)は無知(むち)である。
21あなたがたの言(い)い分(ぶん)を持(も)ってきて述(の)べよ。
また共(とも)に相談(そうだん)せよ。
この事(こと)をだれがいにしえから示(しめ)したか。
だれが昔(むかし)から告(つ)げたか。
わたし、すなわち主(しゅ)ではなかったか。
わたしのほかに神(かみ)はない。
わたしは義(ぎ)なる神(かみ)、救主(すくいぬし)であって、
わたしのほかに神(かみ)はない。


22地(ち)の果(はて)なるもろもろの人(ひと)よ、
わたしを仰(あお)ぎのぞめ、そうすれば救(すく)われる。
わたしは神(かみ)であって、ほかに神(かみ)はないからだ。
23わたしは自分(じぶん)をさして誓(ちか)った、
わたしの口(くち)から出(で)た正(ただ)しい言葉(ことば)は帰(かえ)ることがない、
『すべてのひざはわが前(まえ)にかがみ、
すべての舌(した)は誓(ちか)いをたてる』。


24人(ひと)はわたしについて言(い)う、
『正義(せいぎ)と力(ちから)とは主(しゅ)にのみある』と。
人々(ひとびと)は主(しゅ)にきたり、
主(しゅ)にむかって怒(いか)る者(もの)は皆(みな)恥(はじ)を受(う)ける。
25しかしイスラエルの子孫(しそん)は皆(みな)
主(しゅ)によって勝(か)ち誇(ほこ)ることができる」。

第四六章


1ベルは伏(ふ)し、ネボはかがみ、
彼(かれ)らの像(ぞう)は獣(けもの)と家畜(かちく)との上(うえ)にある。
あなたがたが持(も)ち歩(ある)いたものは荷(に)となり、
疲(つか)れた獣(けもの)の重荷(おもに)となった。
2彼(かれ)らはかがみ、彼(かれ)らは共(とも)に伏(ふ)し、
重荷(おもに)となった者(もの)を救(すく)うことができず
かえって、自分(じぶん)は捕(とら)われて行(い)く。


3「ヤコブの家(いえ)よ、
イスラエルの家(いえ)の残(のこ)ったすべての者(もの)よ、
生(うま)れ出(で)た時(とき)から、わたしに負(お)われ、
胎(たい)を出(で)た時(とき)から、わたしに持(も)ち運(はこ)ばれた者(もの)よ、
わたしに聞(き)け。
4わたしはあなたがたの年老(としお)いるまで変(かわ)らず、
白髪(はくはつ)となるまで、あなたがたを持(も)ち運(はこ)ぶ。
わたしは造(つく)ったゆえ、必(かなら)ず負(お)い、
持(も)ち運(はこ)び、かつ救(すく)う。


5あなたがたは、わたしをだれにたぐい、
だれと等(ひと)しくし、だれにくらべ、
かつなぞらえようとするのか。
6彼(かれ)らは袋(ふくろ)からこがねを注(そそ)ぎ出(だ)し、
はかりをもって、しろがねをはかり、
金(きん)細工人(ざいくにん)を雇(やと)って、それを神(かみ)に造(つく)らせ、
これにひれ伏(ふ)して拝(おが)む。
7彼(かれ)らはこれをもたげて肩(かた)に載(の)せ、
持(も)って行(い)って、その所(ところ)に置(お)き、そこに立(た)たせる。
これはその所(ところ)から動(うご)くことができない。
人(ひと)がこれに呼(よ)ばわっても答(こた)えることができない。
また彼(かれ)をその悩(なや)みから救(すく)うことができない。


8あなたがたはこの事(こと)をおぼえ、よく考(かんが)えよ。
そむける者(もの)よ、この事(こと)を心(こころ)にとめよ、
9いにしえよりこのかたの事(こと)をおぼえよ。
わたしは神(かみ)である、わたしのほかに神(かみ)はない。
わたしは神(かみ)である、わたしと等(ひと)しい者(もの)はない。
10わたしは終(おわ)りの事(こと)を初(はじ)めから告(つ)げ、
まだなされない事(こと)を昔(むかし)から告(つ)げて言(い)う、
『わたしの計(はか)りごとは必(かなら)ず成(な)り、
わが目的(もくてき)をことごとくなし遂(と)げる』と。
11わたしは東(ひがし)から猛禽(もうきん)を招(まね)き、
遠(とお)い国(くに)からわが計(はか)りごとを行(おこな)う人(ひと)を招(まね)く。
わたしはこの事(こと)を語(かた)ったゆえ、必(かなら)ずこさせる。
わたしはこの事(こと)をはかったゆえ、必(かなら)ず行(おこな)う。


12心(こころ)をかたくなにして、救(すくい)に遠(とお)い者(もの)よ、
わたしに聞(き)け。
13わたしはわが救(すくい)を近(ちか)づかせるゆえ、
その来(く)ることは遠(とお)くない。
わが救(すくい)はおそくない。
わたしは救(すくい)をシオンに与(あた)え、
わが栄光(えいこう)をイスラエルに与(あた)える」。

第四七章


1処女(しょじょ)なるバビロンの娘(むすめ)よ、
下(くだ)って、ちりの中(なか)にすわれ。
カルデヤびとの娘(むすめ)よ、
王座(おうざ)のない地(ち)にすわれ。
あなたはもはや、やさしく、たおやかな女(おんな)と
となえられることはない。
2石(いし)うすをとって粉(こな)をひけ、
顔(かお)おおいを取(と)り去(さ)り、うちぎを脱(ぬ)ぎ、
すねをあらわして川(かわ)を渡(わた)れ。
3あなたの裸(はだか)はあらわれ、
あなたの恥(はじ)は見(み)られる。
わたしはあだを報(むく)いて、何人(なにび)とをも助(たす)けない。
4われわれをあがなう者(もの)は
その名(な)を万軍(ばんぐん)の主(しゅ)といい、
イスラエルの聖者(せいじゃ)である。
5カルデヤびとの娘(むすめ)よ、
黙(もく)してすわれ、また暗(くら)い所(ところ)にはいれ。
あなたはもはや、もろもろの国(くに)の女王(じょおう)と
となえられることはない。
6わたしはわが民(たみ)を憤(いきどお)り、
わが嗣(し)業(ぎょう)を汚(けが)して、これをあなたの手(て)に渡(わた)した。
あなたはこれに、あわれみを施(ほどこ)さず、
年老(としお)いた者(もの)の上(うえ)に、はなはだ重(おも)いくびきを負(お)わせた。
7あなたは言(い)った、
「わたしは、とこしえに女王(じょおう)となる」と。
そして、あなたはこれらの事(こと)を心(こころ)にとめず、
またその終(おわ)りを思(おも)わなかった。


8楽(たの)しみにふけり、安(やす)らかにおり、
心(こころ)のうちに「ただわたしだけで、
わたしのほかにだれもなく、
わたしは寡婦(かふ)となることはない、
また子(こ)を失(うしな)うことはない」と言(い)う者(もの)よ、
今(いま)この事(こと)を聞(き)け。
9これらの二つの事(こと)は一日(にち)のうちに、
またたくまにあなたに臨(のぞ)む。
すなわち子(こ)を失(うしな)い、寡婦(かふ)となる事(こと)は
たといあなたが多(おお)くの魔術(まじゅつ)を行(おこな)い、
魔法(まほう)の大(おお)いなる力(ちから)をもってしても
ことごとくあなたに臨(のぞ)む。
10あなたは自分(じぶん)の悪(あく)に寄(よ)り頼(たよ)んで言(い)う、
「わたしを見(み)る者(もの)はない」と。
あなたの知恵(ちえ)と、あなたの知識(ちしき)とは
あなたを惑(まど)わした。
あなたは心(こころ)のうちに言(い)った、
「ただわたしだけで、わたしのほかにだれもない」と。
11しかし、わざわいが、あなたに臨(のぞ)む、
あなたは、それをあがなうことができない。
なやみが、あなたを襲(おそ)う、
あなたは、それをつぐなうことができない。
滅(ほろ)びが、にわかにあなたに臨(のぞ)む、
あなたは、それについて何(なに)も知(し)らない。
12あなたが若(わか)い時(とき)から勤(つと)め行(い)ったあなたの魔法(まほう)と、
多(おお)くの魔術(まじゅつ)とをもって立(た)ちむかってみよ、
あるいは成功(せいこう)するかもしれない、
あるいは敵(てき)を恐(おそ)れさせるかもしれない。
13あなたは多(おお)くの計(はか)りごとによってうみ疲(つか)れた。
かの天(てん)を分(わ)かつ者(もの)、星(ほし)を見(み)る者(もの)、
新月(しんげつ)によって、あなたに臨(のぞ)む事(こと)を告(つ)げる者(もの)を
立(た)ちあがらせて、あなたを救(すく)わせてみよ。
14見(み)よ、彼(かれ)らはわらのようになって、
火(ひ)に焼(や)き滅(ほろ)ぼされ、
自分(じぶん)の身(み)を炎(ほのお)の勢(いきお)いから、救(すく)い出(だ)すことができない。
その火(ひ)は身(み)を暖(あたた)める炭火(すみび)ではない、
またその前(まえ)にすわるべき火(ひ)でもない。
15あなたが勤(つと)めて行(おこな)ったものと、
あなたの若(わか)い時(とき)からあなたと売(う)り買(か)いした者(もの)とは、
ついにこのようになる。
彼(かれ)らはめいめい自分(じぶん)の方向(ほうこう)にさすらいゆき、
ひとりもあなたを救(すく)う者(もの)はない。

第四八章


1ヤコブの家(いえ)よ、これを聞(き)け。
あなたがたはイスラエルの名(な)をもってとなえられ、
ユダの腰(こし)から出(で)、
主(しゅ)の名(な)によって誓(ちか)い、
イスラエルの神(かみ)をとなえるけれども、
真実(しんじつ)をもってせず、正義(せいぎ)をもってしない。
2彼(かれ)らはみずから聖(せい)なる都(みやこ)のものととなえ、
イスラエルの神(かみ)に寄(よ)り頼(たの)む。
その名(な)は万軍(ばんぐん)の主(しゅ)という。
3「わたしはさきに成(な)った事(こと)を、いにしえから告(つ)げた。
わたしは口(くち)から出(だ)して彼(かれ)らに知(し)らせた。
わたしは、にわかにこの事(こと)を行(おこな)い、そして成(な)った。
4わたしはあなたが、かたくなで、その首(くび)は鉄(てつ)の筋(すじ)、
その額(ひたい)は青銅(せいどう)であることを知(し)るゆえに、
5いにしえから、かの事(こと)をあなたに告(つ)げ、
その成(な)らないさきに、これをあなたに聞(き)かせた。
そうでなければ、あなたは言(い)うだろう、
『わが偶像(ぐうぞう)がこれをしたのだ、
わが刻(きざ)んだ像(ぞう)と、鋳(い)た像(ぞう)がこれを命(めい)じたのだ』と。
6あなたはすでに聞(き)いた、
すべてこれが成(な)ったことを見(み)よ。
あなたがたはこれを宣(の)べ伝(つた)えないのか。
わたしは今(いま)から新(あたら)しい事(こと)、
あなたがまだ知(し)らない隠(かく)れた事(こと)を
あなたに聞(き)かせよう。
7これらの事(こと)はいま創造(そうぞう)されたので、
いにしえからあったのではない。
この日(ひ)以前(いぜん)には、あなたはこれを聞(き)かなかった。
そうでなければ、あなたは言(い)うだろう、
『見(み)よ、わたしはこれを知(し)っていた』と。
8あなたはこれを聞(き)くこともなく、知(し)ることもなく、
あなたの耳(みみ)は、いにしえから開(ひら)かれなかった。
わたしはあなたが全(まった)く不信実(ふしんじつ)で、
生(うま)れながら反逆者(はんぎゃくしゃ)ととなえられたことを
知(し)っていたからである。
9わが名(な)のために、わたしは怒(いか)りをおそくする。
わが誉(ほまれ)のために、わたしはこれをおさえて、
あなたを断(た)ち滅(ほろ)ぼすことをしない。
10見(み)よ、わたしはあなたを練(ね)った。
しかし銀(ぎん)のようにではなくて、
苦(くる)しみの炉(ろ)をもってあなたを試(こころ)みた。
11わたしは自分(じぶん)のために、自分(じぶん)のためにこれを行(おこな)う。
どうしてわが名(な)を汚(けが)させることができよう。
わたしはわが栄光(えいこう)を
ほかの者(もの)に与(あた)えることをしない。


12ヤコブよ、わたしの召(め)したイスラエルよ、
わたしに聞(き)け。
わたしはそれだ、わたしは初(はじ)めであり、
わたしはまた終(おわ)りである。
13わが手(て)は地(ち)の基(もとい)をすえ、
わが右(みぎ)の手(て)は天(てん)をのべた。
わたしが呼(よ)ぶと、彼(かれ)らはもろともに立(た)つ。
14あなたがたは皆(みな)集(あつ)まって聞(き)け。
彼(かれ)らのうち、だれがこれらの事(こと)を告(つ)げたか。
主(しゅ)の愛(あい)せられる彼(かれ)は
主(しゅ)のみこころをバビロンに行(おこな)い、
その腕(うで)はカルデヤびとの上(うえ)に臨(のぞ)む。
15語(かた)ったのは、ただわたしであって、
わたしは彼(かれ)を召(め)した。
わたしは彼(かれ)をこさせた。
彼(かれ)はその道(みち)に栄(さか)える。
16あなたがたはわたしに近寄(ちかよ)って、これを聞(き)け。
わたしは初(はじ)めから、ひそかに語(かた)らなかった。
それが成(な)った時(とき)から、わたしはそこにいたのだ」。
いま主(しゅ)なる神(かみ)は、わたしとその霊(れい)とをつかわされた。


17あなたのあがない主(ぬし)、イスラエルの聖者(せいじゃ)、
主(しゅ)はこう言(い)われる、
「わたしはあなたの神(かみ)、主(しゅ)である。
わたしは、あなたの利益(りえき)のために、あなたを教(おし)え、
あなたを導(みちび)いて、その行(い)くべき道(みち)に行(い)かせる。
18どうか、あなたはわたしの戒(いまし)めに聞(き)き従(したが)うように。
そうすれば、あなたの平安(へいあん)は川(かわ)のように、
あなたの義(ぎ)は海(うみ)の波(なみ)のようになり、
19あなたのすえは砂(すな)のように、
あなたの子孫(しそん)は砂粒(すなつぶ)のようになって、
その名(な)はわが前(まえ)から断(た)たれることなく、滅(ほろ)ぼされることはない」。


20あなたがたはバビロンから出(で)、
カルデヤからのがれよ。
喜(よろこ)びの声(こえ)をもってこれをのべ聞(き)かせ、
地(ち)の果(はて)にまで語(かた)り伝(つた)え、
「主(しゅ)はそのしもべヤコブをあがなわれた」と言(い)え。
21主(しゅ)が彼(かれ)らを導(みちび)いて、さばくを通(とお)らせられたとき、
彼(かれ)らは、かわいたことがなかった。
主(しゅ)は彼(かれ)らのために岩(いわ)から水(みず)を流(なが)れさせ、
また岩(いわ)を裂(さ)かれると、水(みず)がほとばしり出(で)た。
22主(しゅ)は言(い)われた、
「悪(わる)い者(もの)には平安(へいあん)がない」と。

第四九章


1海沿(うみぞ)いの国々(くにぐに)よ、わたしに聞(き)け。
遠(とお)いところのもろもろの民(たみ)よ、耳(みみ)を傾(かたむ)けよ。
主(しゅ)はわたしを生(うま)れ出(で)た時(とき)から召(め)し、
母(はは)の胎(たい)を出(で)た時(とき)からわが名(な)を語(かた)り告(つ)げられた。
2主(しゅ)はわが口(くち)を鋭利(えいり)なつるぎとなし、
わたしをみ手(て)の陰(かげ)にかくし、
とぎすました矢(や)となして、
箙(えびら)にわたしを隠(かく)された。
3また、わたしに言(い)われた、
「あなたはわがしもべ、
わが栄光(えいこう)をあらわすべきイスラエルである」と。
4しかし、わたしは言(い)った、
「わたしはいたずらに働(はたら)き、
益(えき)なく、むなしく力(ちから)を費(ついや)した。
しかもなお、まことにわが正(ただ)しきは主(しゅ)と共(とも)にあり、
わが報(むく)いはわが神(かみ)と共(とも)にある」と。


5ヤコブをおのれに帰(かえ)らせ、
イスラエルをおのれのもとに集(あつ)めるために、
わたしを腹(はら)の中(うち)からつくって
そのしもべとされた主(しゅ)は言(い)われる。
(わたしは主(しゅ)の前(まえ)に尊(たっと)ばれ、
わが神(かみ)はわが力(ちから)となられた)
6主(しゅ)は言(い)われる、
「あなたがわがしもべとなって、
ヤコブのもろもろの部族(ぶぞく)をおこし、
イスラエルのうちの残(のこ)った者(もの)を帰(かえ)らせることは、
いとも軽(かる)い事(こと)である。
わたしはあなたを、もろもろの国(くに)びとの光(ひかり)となして、
わが救(すくい)を地(ち)の果(はて)にまでいたらせよう」と。


7イスラエルのあがない主(ぬし)、
イスラエルの聖者(せいじゃ)なる主(しゅ)は、
人(ひと)に侮(あなど)られる者(もの)、民(たみ)に忌(い)みきらわれる者(もの)、
つかさたちのしもべにむかってこう言(い)われる、
「もろもろの王(おう)は見(み)て、立(た)ちあがり、
もろもろの君(きみ)は立(た)って、拝(はい)する。
これは真実(しんじつ)なる主(しゅ)、イスラエルの聖者(せいじゃ)が、
あなたを選(えら)ばれたゆえである」。


8主(しゅ)はこう言(い)われる、
「わたしは恵(めぐ)みの時(とき)に、あなたに答(こた)え、
救(すくい)の日(ひ)にあなたを助(たす)けた。
わたしはあなたを守(まも)り、
あなたを与(あた)えて民(たみ)の契約(けいやく)とし、
国(くに)を興(おこ)し、荒(あ)れすたれた地(ち)を嗣(し)業(ぎょう)として継(つ)がせる。
9わたしは捕(とら)えられた人(ひと)に『出(で)よ』と言(い)い、
暗(くら)きにおる者(もの)に『あらわれよ』と言(い)う。
彼(かれ)らは道(みち)すがら食(た)べることができ、
すべての裸(はだか)の山(やま)にも牧草(ぼくそう)を得(え)る。
10彼(かれ)らは飢(う)えることがなく、かわくこともない。
また熱(あつ)い風(かぜ)も、太陽(たいよう)も彼(かれ)らを撃(う)つことはない。
彼(かれ)らをあわれむ者(もの)が彼(かれ)らを導(みちび)き、
泉(いずみ)のほとりに彼(かれ)らを導(みちび)かれるからだ。
11わたしは、わがもろもろの山(やま)を道(みち)とし、
わが大路(おおじ)を高(たか)くする。
12見(み)よ、人々(ひとびと)は遠(とお)くから来(く)る。
見(み)よ、人々(ひとびと)は北(きた)から西(にし)から、
またスエネの地(ち)から来(く)る」。
13天(てん)よ、歌(うた)え、地(ち)よ、喜(よろこ)べ。
もろもろの山(やま)よ、声(こえ)を放(はな)って歌(うた)え。
主(しゅ)はその民(たみ)を慰(なぐさ)め、
その苦(くる)しむ者(もの)をあわれまれるからだ。


14しかしシオンは言(い)った、
「主(しゅ)はわたしを捨(す)て、主(しゅ)はわたしを忘(わす)れられた」と。
15「女(おんな)がその乳(ち)のみ子(ご)を忘(わす)れて、
その腹(はら)の子(こ)を、あわれまないようなことがあろうか。
たとい彼(かれ)らが忘(わす)れるようなことがあっても、
わたしは、あなたを忘(わす)れることはない。
16見(み)よ、わたしは、たなごころにあなたを彫(ほ)り刻(きざ)んだ。
あなたの石(いし)がきは常(つね)にわが前(まえ)にある。
17あなたを建(た)てる者(もの)は、あなたをこわす者(もの)を追(お)い越(こ)し、
あなたを荒(あら)した者(もの)は、あなたから出(で)て行(い)く。
18あなたの目(め)をあげて見(み)まわせ。
彼(かれ)らは皆(みな)集(あつ)まって、あなたのもとに来(く)る。
主(しゅ)は言(い)われる、わたしは生(い)きている、
あなたは彼(かれ)らを皆(みな)、飾(かざ)りとして身(み)につけ、
花嫁(はなよめ)の帯(おび)のようにこれを結(むす)ぶ。
19あなたの荒(あ)れ、かつすたれた所(ところ)、こわされた地(ち)は、
住(す)む人(ひと)の多(おお)いために狭(せま)くなり、
あなたを、のみつくした者(もの)は、はるかに離(はな)れ去(さ)る。
20あなたが子(こ)を失(うしな)った後(のち)に生(うま)れた子(こ)らは、
なおあなたの耳(みみ)に言(い)う、
『この所(ところ)はわたしには狭(せま)すぎる、
わたしのために住(す)むべき所(ところ)を得(え)させよ』と。
21その時(とき)あなたは心(こころ)のうちに言(い)う、
『だれがわたしのためにこれらの者(もの)を産(う)んだのか。
わたしは子(こ)を失(うしな)って、子(こ)をもたない。
わたしは捕(とら)われ、かつ追(お)いやられた。
だれがこれらの者(もの)を育(そだ)てたのか。
見(み)よ、わたしはひとり残(のこ)された。
これらの者(もの)はどこから来(き)たのか』と」。


22主(しゅ)なる神(かみ)はこう言(い)われる、
「見(み)よ、わたしは手(て)をもろもろの国(くに)にむかってあげ、
旗(はた)をもろもろの民(たみ)にむかって立(た)てる。
彼(かれ)らはそのふところにあなたの子(こ)らを携(たずさ)え、
その肩(かた)にあなたの娘(むすめ)たちを載(の)せて来(く)る。
23もろもろの王(おう)は、あなたの養父(ようふ)となり、
その王妃(おうひ)たちは、あなたの乳母(うば)となり、
彼(かれ)らはその顔(かお)を地(ち)につけて、あなたにひれ伏(ふ)し、
あなたの足(あし)のちりをなめる。
こうして、あなたはわたしが主(しゅ)であることを知(し)る。
わたしを待(ま)ち望(のぞ)む者(もの)は恥(はじ)をこうむることがない」。


24勇士(ゆうし)が奪(うば)った獲物(えもの)を
どうして取(と)り返(かえ)すことができようか。
暴君(ぼうくん)がかすめた捕虜(ほりょ)を
どうして救(すく)い出(だ)すことができようか。
25しかし主(しゅ)はこう言(い)われる、
「勇士(ゆうし)がかすめた捕虜(ほりょ)も取(と)り返(かえ)され、
暴君(ぼうくん)が奪(うば)った獲物(えもの)も救(すく)い出(だ)される。
わたしはあなたと争(あらそ)う者(もの)と争(あらそ)い、
あなたの子(こ)らを救(すく)うからである。
26わたしはあなたをしえたげる者(もの)にその肉(にく)を食(く)わせ、
その血(ち)を新(あたら)しい酒(さけ)のように飲(の)ませて酔(よ)わせる。
こうして、すべての人(ひと)はわたしが主(しゅ)であって、
あなたの救主(すくいぬし)、またあなたのあがない主(ぬし)、
ヤコブの全能者(ぜんのうしゃ)であることを知(し)るようになる」。

第五〇章


1主(しゅ)はこう言(い)われる、
「わたしがあなたがたの母(はは)を去(さ)らせたその離縁(りえん)状(じょう)は、
どこにあるか。
わたしはどの債(さい)主(しゅ)にあなたがたを売(う)りわたしたか。
見(み)よ、あなたがたは、その不義(ふぎ)のために売(う)られ、
あなたがたの母(はは)は、
あなたがたのとがのために出(だ)されたのだ。
2わたしが来(き)たとき、
なぜひとりもいなかったか。
わたしが呼(よ)んだとき、
なぜひとりも答(こた)える者(もの)がなかったか。
わたしの手(て)が短(みじか)くて、
あがなうことができないのか。
わたしは救(すく)う力(ちから)を持(も)たないのか。
見(み)よ、わたしが、しかると海(うみ)はかれ、
川(かわ)は荒野(あらの)となり、
その中(なか)の魚(うお)は水(みず)がないために、
かわき死(し)んで悪臭(あくしゅう)を放(はな)つ。
3わたしは黒(くろ)い衣(ころも)を天(てん)に着(き)せ、
荒布(あらぬの)をもってそのおおいとする」。


4主(しゅ)なる神(かみ)は教(おしえ)をうけた者(もの)の舌(した)をわたしに与(あた)えて、
疲(つか)れた者(もの)を言葉(ことば)をもって助(たす)けることを知(し)らせ、
また朝(あさ)ごとにさまし、わたしの耳(みみ)をさまして、
教(おしえ)をうけた者(もの)のように聞(き)かせられる。
5主(しゅ)なる神(かみ)はわたしの耳(みみ)を開(ひら)かれた。
わたしは、そむくことをせず、
退(しりぞ)くことをしなかった。
6わたしを打(う)つ者(もの)に、わたしの背(せ)をまかせ、
わたしのひげを抜(ぬ)く者(もの)に、わたしのほおをまかせ、
恥(はじ)とつばきとを避(さ)けるために、
顔(かお)をかくさなかった。
7しかし主(しゅ)なる神(かみ)はわたしを助(たす)けられる。
それゆえ、わたしは恥(は)じることがなかった。
それゆえ、わたしは顔(かお)を火打石(ひうちいし)のようにした。
わたしは決(けっ)してはずかしめられないことを知(し)る。
8わたしを義(ぎ)とする者(もの)が近(ちか)くおられる。
だれがわたしと争(あらそ)うだろうか、
われわれは共(とも)に立(た)とう。
わたしのあだはだれか、
わたしの所(ところ)へ近(ちか)くこさせよ。
9見(み)よ、主(しゅ)なる神(かみ)はわたしを助(たす)けられる。
だれがわたしを罪(つみ)に定(さだ)めるだろうか。
見(み)よ、彼(かれ)らは皆(みな)衣(ころも)のようにふるび、
しみのために食(く)いつくされる。


10あなたがたのうち主(しゅ)を恐(おそ)れ、
そのしもべの声(こえ)に聞(き)き従(したが)い、
暗(くら)い中(なか)を歩(ある)いて光(ひかり)を得(え)なくても、なお主(しゅ)の名(な)を頼(たの)み、
おのれの神(かみ)にたよる者(もの)はだれか。
11見(み)よ、火(ひ)を燃(も)やし、たいまつをともす者(もの)よ、
皆(みな)その火(ひ)の炎(ほのお)の中(なか)を歩(あゆ)め、
またその燃(も)やした、たいまつの中(なか)を歩(あゆ)め。
あなたがたは、これをわたしの手(て)から受(う)けて、
苦(くる)しみのうちに伏(ふ)し倒(たお)れる。

第五一章


1「義(ぎ)を追(お)い求(もと)め、
主(しゅ)を尋(たず)ね求(もと)める者(もの)よ、わたしに聞(き)け。
あなたがたの切(き)り出(だ)された岩(いわ)と、
あなたがたの掘(ほ)り出(だ)された穴(あな)とを思(おも)いみよ。
2あなたがたの父(ちち)アブラハムと、
あなたがたを産(う)んだサラとを思(おも)いみよ。
わたしは彼(かれ)をただひとりであったときに召(め)し、
彼(かれ)を祝福(しゅくふく)して、その子孫(しそん)を増(ま)し加(くわ)えた。
3主(しゅ)はシオンを慰(なぐさ)め、
またそのすべて荒(あ)れた所(ところ)を慰(なぐさ)めて、
その荒野(あらの)をエデンのように、
そのさばくを主(しゅ)の園(その)のようにされる。
こうして、その中(なか)に喜(よろこ)びと楽(たの)しみとがあり、
感謝(かんしゃ)と歌(うた)の声(こえ)とがある。


4わが民(たみ)よ、わたしに聞(き)け、
わが国(くに)びとよ、わたしに耳(みみ)を傾(かたむ)けよ。
律法(りっぽう)はわたしから出(で)、
わが道(みち)はもろもろの民(たみ)の光(ひかり)となる。
5わが義(ぎ)はすみやかに近(ちか)づき、
わが救(すくい)は出(で)て行(い)った。
わが腕(うで)はもろもろの民(たみ)を治(おさ)める。
海沿(うみぞ)いの国々(くにぐに)はわたしを待(ま)ち望(のぞ)み、
わが腕(うで)に寄(よ)り頼(たの)む。
6目(め)をあげて天(てん)を見(み)、また(また)下(した)なる地(ち)を見(み)よ。
天(てん)は煙(けむり)のように消(き)え、地(ち)は衣(ころも)のようにふるび、
その中(なか)に住(す)む者(もの)は、ぶよのように死(し)ぬ。
しかし、わが救(すくい)はとこしえにながらえ、
わが義(ぎ)はくじけることがない。


7義(ぎ)を知(し)る者(もの)よ、
心(こころ)のうちにわが律法(りっぽう)をたもつ者(もの)よ、わたしに聞(き)け。
人(ひと)のそしりを恐(おそ)れてはならない、
彼(かれ)らのののしりに驚(おどろ)いてはならない。
8彼(かれ)らは衣(ころも)のように、しみに食(く)われ、
羊(ひつじ)の毛(け)のように虫(むし)に食(く)われるからだ。
しかし、わが義(ぎ)はとこしえにながらえ、
わが救(すくい)はよろず代(よ)に及(およ)ぶ」。


9主(しゅ)のかいなよ、
さめよ、さめよ、力(ちから)を着(き)よ。
さめて、いにしえの日(ひ)、昔(むかし)の代(よ)にあったようになれ。
ラハブを切(き)り殺(ころ)し、
龍(りゅう)を刺(さ)し貫(つらぬ)いたのは、あなたではなかったか。
10海(うみ)をかわかし、大(おお)いなる淵(ふち)の水(みず)をかわかし、
また海(うみ)の深(ふか)き所(ところ)を、
あがなわれた者(もの)の過(す)ぎる道(みち)とされたのは、
あなたではなかったか。
11主(しゅ)にあがなわれた者(もの)は、
歌(うた)うたいつつ、シオンに帰(かえ)ってきて、
そのこうべに、とこしえの喜(よろこ)びをいただき、
彼(かれ)らは喜(よろこ)びと楽(たの)しみとを得(え)、
悲(かな)しみと嘆(なげ)きとは逃(に)げ去(さ)る。
12「わたしこそあなたを慰(なぐさ)める者(もの)だ。
あなたは何者(なにもの)なれば、死(し)ぬべき人(ひと)を恐(おそ)れ、
草(くさ)のようになるべき人(ひと)の子(こ)を恐(おそ)れるのか。
13天(てん)をのべ、地(ち)の基(もとい)をすえられた
あなたの造(つく)り主(ぬし)、主(しゅ)を忘(わす)れて、
なぜ、しえたげる者(もの)が滅(ほろ)ぼそうと備(そな)えをするとき、
その憤(いきどお)りのゆえに常(つね)にひねもす恐(おそ)れるのか。
しえたげる者(もの)の憤(いきどお)りはどこにあるか。
14身(み)をかがめている捕(とら)われ人(びと)は、すみやかに解(と)かれて、
死(し)ぬことなく、穴(あな)にくだることなく、
その食物(しょくもつ)はつきることがない。
15わたしは海(うみ)をふるわせ、
その波(なみ)をなりどよめかすあなたの神(かみ)、主(しゅ)である。
その名(な)を万軍(ばんぐん)の主(しゅ)という。
16わたしはわが言葉(ことば)をあなたの口(くち)におき、
わが手(て)の陰(かげ)にあなたを隠(かく)した。
こうして、わたしは天(てん)をのべ、地(ち)の基(もとい)をすえ、
シオンにむかって、あなたはわが民(たみ)であると言(い)う」。


17エルサレムよ、起(お)きよ、起(お)きよ、立(た)て。
あなたはさきに主(しゅ)の手(て)から憤(いきどお)りの杯(さかずき)をうけて飲(の)み、
よろめかす大杯(おおさかずき)を、滓(おり)までも飲(の)みほした。
18その産(う)んだもろもろの子(こ)のなかに、
自分(じぶん)を導(みちび)く者(もの)なく、
その育(そだ)てたもろもろの子(こ)のなかに、
自分(じぶん)の手(て)をとる者(もの)がない。
19これら二つの事(こと)があなたに臨(のぞ)んだ――
だれがあなたと共(とも)に嘆(なげ)くだろうか――
荒廃(こうはい)と滅亡(めつぼう)、ききんとつるぎ。
だれがあなたを慰(なぐさ)めるだろうか。
20あなたの子(こ)らは息(いき)絶(た)えだえになり、
網(あみ)にかかった、かもしかのように、
すべてのちまたのすみに横(よこ)たわり、
主(しゅ)の憤(いきどお)りと、あなたの神(かみ)の責(せ)めとは、
彼(かれ)らに満(み)ちている。


21それゆえ、苦(くる)しめる者(もの)、
酒(さけ)にではなく酔(よ)っている者(もの)よ、これを聞(き)け。
22あなたの主(しゅ)、おのが民(たみ)の訴(うった)えを弁護(べんご)される
あなたの神(かみ)、主(しゅ)はこう言(い)われる、
「見(み)よ、わたしはよろめかす杯(さかずき)を
あなたの手(て)から取(と)り除(のぞ)き、
わが憤(いきどお)りの大杯(おおさかずき)を取(と)り除(のぞ)いた。
あなたは再(ふたた)びこれを飲(の)むことはない。
23わたしはこれをあなたを悩(なや)ます者(もの)の手(て)におく。
彼(かれ)らはさきにあなたにむかって言(い)った、
『身(み)をかがめよ、われわれは越(こ)えていこう』と。
そしてあなたはその背(せ)を地(ち)のようにし、
ちまたのようにして、
彼(かれ)らの越(こ)えていくにまかせた」。

第五二章


1シオンよ、さめよ、さめよ、
力(ちから)を着(き)よ。
聖(せい)なる都(みやこ)エルサレムよ、美(うつく)しい衣(ころも)を着(き)よ。
割礼(かつれい)を受(う)けない者(もの)および汚(けが)れた者(もの)は、
もはやあなたのところに、はいることがないからだ。
2捕(とら)われたエルサレムよ、
あなたの身(み)からちりを振(ふ)り落(おと)せ、起(お)きよ。
捕(とら)われたシオンの娘(むすめ)よ、
あなたの首(くび)のなわを解(と)きすてよ。
3主(しゅ)はこう言(い)われる、「あなたがたは、ただで売(う)られた。金(かね)を出(だ)さずにあがなわれる」。 4主(しゅ)なる神(かみ)はこう言(い)われる、「わが民(たみ)はさきにエジプトへ下(くだ)って行(い)って、かしこに寄留(きりゅう)した。またアッスリヤびとはゆえなく彼(かれ)らをしえたげた。 5それゆえ、今(いま)わたしはここに何(なに)をしようか。わが民(たみ)はゆえなく捕(とら)われた」と主(しゅ)は言(い)われる。主(しゅ)は言(い)われる、「彼(かれ)らをつかさどる者(もの)はわめき、わが名(な)は常(つね)にひねもす侮(あなど)られる。 6それゆえ、わが民(たみ)はわが名(な)を知(し)るにいたる。その日(ひ)には彼(かれ)らはこの言葉(ことば)を語(かた)る者(もの)がわたしであることを知(し)る。わたしはここにおる」。
7よきおとずれを伝(つた)え、平和(へいわ)を告(つ)げ、
よきおとずれを伝(つた)え、救(すくい)を告(つ)げ、
シオンにむかって「あなたの神(かみ)は王(おう)となられた」と
言(い)う者(もの)の足(あし)は山(やま)の上(うえ)にあって、
なんと麗(うるわ)しいことだろう。
8聞(き)けよ、あなたの見張(みはり)びとは声(こえ)をあげて、
共(とも)に喜(よろこ)び歌(うた)っている。
彼(かれ)らは目(め)と目(め)と相(あい)合(あ)わせて、
主(しゅ)がシオンに帰(かえ)られるのを見(み)るからだ。
9エルサレムの荒(あ)れすたれた所(ところ)よ、
声(こえ)を放(はな)って共(とも)に歌(うた)え。
主(しゅ)はその民(たみ)を慰(なぐさ)め、
エルサレムをあがなわれたからだ。
10主(しゅ)はその聖(せい)なるかいなを、
もろもろの国(くに)びとの前(まえ)にあらわされた。
地(ち)のすべての果(はて)は、われわれの神(かみ)の救(すくい)を見(み)る。


11去(さ)れよ、去(さ)れよ、そこを出(で)て、
汚(けが)れた物(もの)にさわるな。
その中(なか)を出(で)よ、主(しゅ)の器(うつわ)をになう者(もの)よ、
おのれを清(きよ)く保(たも)て。
12あなたがたは急(いそ)いで出(で)るに及(およ)ばない、
また、とんで行(い)くにも及(およ)ばない。
主(しゅ)はあなたがたの前(まえ)に行(い)き、
イスラエルの神(かみ)はあなたがたの
しんがりとなられるからだ。


13見(み)よ、わがしもべは栄(さか)える。
彼(かれ)は高(たか)められ、あげられ、ひじょうに高(たか)くなる。
14多(おお)くの人(ひと)が彼(かれ)に驚(おどろ)いたように――
彼(かれ)の顔(かお)だちは、そこなわれて人(ひと)と異(こと)なり、
その姿(すがた)は人(ひと)の子(こ)と異(こと)なっていたからである――
15彼(かれ)は多(おお)くの国民(こくみん)を驚(おどろ)かす。
王(おう)たちは彼(かれ)のゆえに口(くち)をつむぐ。
それは彼(かれ)らがまだ伝(つた)えられなかったことを見(み)、
まだ聞(き)かなかったことを悟(さと)るからだ。

第五三章


1だれがわれわれの聞(き)いたことを
信(しん)じ得(え)たか。
主(しゅ)の腕(うで)は、だれにあらわれたか。
2彼(かれ)は主(しゅ)の前(まえ)に若木(わかぎ)のように、
かわいた土(つち)から出(で)る根(ね)のように育(そだ)った。
彼(かれ)にはわれわれの見(み)るべき姿(すがた)がなく、威厳(いげん)もなく、
われわれの慕(した)うべき美(うつく)しさもない。
3彼(かれ)は侮(あなど)られて人(ひと)に捨(す)てられ、
悲(かな)しみの人(ひと)で、病(やまい)を知(し)っていた。
また顔(かお)をおおって忌(い)みきらわれる者(もの)のように、
彼(かれ)は侮(あなど)られた。われわれも彼(かれ)を尊(たっと)ばなかった。
4まことに彼(かれ)はわれわれの病(やまい)を負(お)い、
われわれの悲(かな)しみをになった。
しかるに、われわれは思(おも)った、
彼(かれ)は打(う)たれ、神(かみ)にたたかれ、苦(くる)しめられたのだと。
5しかし彼(かれ)はわれわれのとがのために傷(きず)つけられ、
われわれの不義(ふぎ)のために砕(くだ)かれたのだ。
彼(かれ)はみずから懲(こら)しめをうけて、
われわれに平安(へいあん)を与(あた)え、
その打(う)たれた傷(きず)によって、
われわれはいやされたのだ。
6われわれはみな羊(ひつじ)のように迷(まよ)って、
おのおの自分(じぶん)の道(みち)に向(む)かって行(い)った。
主(しゅ)はわれわれすべての者(もの)の不義(ふぎ)を、
彼(かれ)の上(うえ)におかれた。
7彼(かれ)はしえたげられ、苦(くる)しめられたけれども、
口(くち)を開(ひら)かなかった。
ほふり場(ば)にひかれて行(い)く小羊(こひつじ)のように、
また毛(け)を切(き)る者(もの)の前(まえ)に黙(だま)っている羊(ひつじ)のように、
口(くち)を開(ひら)かなかった。
8彼(かれ)は暴虐(ぼうぎゃく)なさばきによって取(と)り去(さ)られた。
その代(よ)の人(ひと)のうち、だれが思(おも)ったであろうか、
彼(かれ)はわが民(たみ)のとがのために打(う)たれて、
生(い)けるものの地(ち)から断(た)たれたのだと。
9彼(かれ)は暴虐(ぼうぎゃく)を行(おこな)わず、
その口(くち)には偽(いつわ)りがなかったけれども、
その墓(はか)は悪(あ)しき者(もの)と共(とも)に設(もう)けられ、
その塚(つか)は悪(あく)をなす者(もの)と共(とも)にあった。
10しかも彼(かれ)を砕(くだ)くことは主(しゅ)のみ旨(むね)であり、
主(しゅ)は彼(かれ)を悩(なや)まされた。
彼(かれ)が自分(じぶん)を、とがの供(そな)え物(もの)となすとき、
その子孫(しそん)を見(み)ることができ、
その命(いのち)をながくすることができる。
かつ主(しゅ)のみ旨(むね)が彼(かれ)の手(て)によって栄(さか)える。
11彼(かれ)は自分(じぶん)の魂(たましい)の苦(くる)しみにより光(ひかり)を見(み)て満足(まんぞく)する。
義(ぎ)なるわがしもべはその知識(ちしき)によって、
多(おお)くの人(ひと)を義(ぎ)とし、また彼(かれ)らの不義(ふぎ)を負(お)う。
12それゆえ、わたしは彼(かれ)に大(おお)いなる者(もの)と共(とも)に
物(もの)を分(わ)かち取(と)らせる。
彼(かれ)は強(つよ)い者(もの)と共(とも)に獲物(えもの)を分(わ)かち取(と)る。
これは彼(かれ)が死(し)にいたるまで、自分(じぶん)の魂(たましい)をそそぎだし、
とがある者(もの)と共(とも)に数(かぞ)えられたからである。
しかも彼(かれ)は多(おお)くの人(ひと)の罪(つみ)を負(お)い、
とがある者(もの)のためにとりなしをした。

第五四章


1「子(こ)を産(う)まなかったうまずめよ、歌(うた)え。
産(う)みの苦(くる)しみをしなかった者(もの)よ、
声(こえ)を放(はな)って歌(うた)いよばわれ。
夫(おっと)のない者(もの)の子(こ)は、
とついだ者(もの)の子(こ)よりも多(おお)い」と主(しゅ)は言(い)われる。
2「あなたの天幕(てんまく)の場所(ばしょ)を広(ひろ)くし、
あなたのすまいの幕(まく)を張(は)りひろげ、
惜(お)しむことなく、あなたの綱(つな)を長(なが)くし、
あなたの杭(くい)を強固(きょうこ)にせよ。
3あなたは右(みぎ)に左(ひだり)にひろがり、
あなたの子孫(しそん)はもろもろの国(くに)を獲(え)、
荒(あ)れすたれた町々(まちまち)をも住民(じゅうみん)で満(み)たすからだ。
4恐(おそ)れてはならない。
あなたは恥(は)じることがない。
あわてふためいてはならない。
あなたは、はずかしめられることがない。
あなたは若(わか)い時(とき)の恥(はじ)を忘(わす)れ、
寡婦(かふ)であった時(とき)のはずかしめを、
再(ふたた)び思(おも)い出(だ)すことがない。
5あなたを造(つく)られた者(もの)はあなたの夫(おっと)であって、
その名(な)は万軍(ばんぐん)の主(しゅ)。
あなたをあがなわれる者(もの)は、
イスラエルの聖者(せいじゃ)であって、
全(ぜん)地(ち)の神(かみ)ととなえられる。
6捨(す)てられて心(こころ)悲(かな)しむ妻(つま)、
また若(わか)い時(とき)にとついで出(だ)された妻(つま)を招(まね)くように
主(しゅ)はあなたを招(まね)かれた」と
あなたの神(かみ)は言(い)われる。
7「わたしはしばしばあなたを捨(す)てたけれども、
大(おお)いなるあわれみをもってあなたを集(あつ)める。
8あふれる憤(いきどお)りをもって、
しばしわが顔(かお)を隠(かく)したけれども、
とこしえのいつくしみをもって、
あなたをあわれむ」と
あなたをあがなわれる主(しゅ)は言(い)われる。
9「このことはわたしにはノアの時(とき)のようだ。
わたしはノアの洪水(こうずい)を、
再(ふたた)び地(ち)にあふれさせないと誓(ちか)ったが、
そのように、わたしは再(ふたた)びあなたを怒(いか)らない、
再(ふたた)びあなたを責(せ)めないと誓(ちか)った。
10山(やま)は移(うつ)り、丘(おか)は動(うご)いても、
わがいつくしみはあなたから移(うつ)ることなく、
平安(へいあん)を与(あた)えるわが契約(けいやく)は動(うご)くことがない」と
あなたをあわれまれる主(しゅ)は言(い)われる。


11「苦(くる)しみをうけ、あらしにもてあそばれ、
慰(なぐさ)めを得(え)ない者(もの)よ、
見(み)よ、わたしはアンチモニーであなたの石(いし)をすえ、
サファイヤであなたの基(もとい)をおき、
12めのうであなたの尖塔(せんとう)を造(つく)り、
紅玉(こうぎょく)であなたの門(もん)を造(つく)り、
あなたの城壁(じょうへき)をことごとく宝石(ほうせき)で造(つく)る。
13あなたの子(こ)らはみな主(しゅ)に教(おしえ)をうけ、
あなたの子(こ)らは大(おお)いに栄(さか)える。
14あなたは義(ぎ)をもって堅(かた)く立(た)ち、
しえたげから遠(とお)ざかって恐(おそ)れることはない。
また恐怖(きょうふ)から遠(とお)ざかる、
それはあなたに近(ちか)づくことがないからである。
15たとい争(あらそ)いを起(おこ)す者(もの)があっても
わたしによるのではない。
すべてあなたと争(あらそ)う者(もの)は、あなたのゆえに倒(たお)れる。
16見(み)よ、炭火(すみび)を吹(ふ)きおこして、
その目的(もくてき)にかなう武器(ぶき)を造(つく)り出(だ)す鍛冶(かじ)は、
わたしが創造(そうぞう)した者(もの)、
また荒(あら)し滅(ほろ)ぼす者(もの)も、わたしが創造(そうぞう)した者(もの)である。
17すべてあなたを攻(せ)めるために造(つく)られる武器(ぶき)は、
その目的(もくてき)を達(たっ)しない。
すべてあなたに逆(さか)らい立(た)って、争(あらそ)い訴(うった)える舌(した)は、
あなたに説(と)き破(やぶ)られる。
これが主(しゅ)のしもべらの受(う)ける嗣(し)業(ぎょう)であり、
また彼(かれ)らがわたしから受(う)ける義(ぎ)である」と
主(しゅ)は言(い)われる。

第五五章


1「さあ、かわいている者(もの)は
みな水(みず)にきたれ。
金(かね)のない者(もの)もきたれ。
来(き)て買(か)い求(もと)めて食(た)べよ。
あなたがたは来(き)て、金(かね)を出(だ)さずに、
ただでぶどう酒(しゅ)と乳(ちち)とを買(か)い求(もと)めよ。
2なぜ、あなたがたは、
かてにもならぬもののために金(かね)を費(ついや)し、
飽(あ)きることもできぬもののために労(ろう)するのか。
わたしによく聞(き)き従(したが)え。
そうすれば、良(よ)い物(もの)を食(た)べることができ、
最(もっと)も豊(ゆた)かな食物(しょくもつ)で、自分(じぶん)を楽(たの)しませることができる。
3耳(みみ)を傾(かたむ)け、わたしにきて聞(き)け。
そうすれば、あなたがたは生(い)きることができる。
わたしは、あなたがたと、とこしえの契約(けいやく)を立(た)てて、
ダビデに約束(やくそく)した変(かわ)らない確(たし)かな恵(めぐ)みを与(あた)える。
4見(み)よ、わたしは彼(かれ)を立(た)てて、
もろもろの民(たみ)への証人(しょうにん)とし、
また、もろもろの民(たみ)の君(きみ)とし、命令(めいれい)する者(もの)とした。
5見(み)よ、あなたは知(し)らない国民(くにたみ)を招(まね)く、
あなたを知(し)らない国民(くにたみ)は
あなたのもとに走(はし)ってくる。
これはあなたの神(かみ)、主(しゅ)、
イスラエルの聖者(せいじゃ)のゆえであり、
主(しゅ)があなたに光栄(こうえい)を与(あた)えられたからである。


6あなたがたは主(しゅ)にお会(あ)いすることのできるうちに、
主(しゅ)を尋(たず)ねよ。
近(ちか)くおられるうちに呼(よ)び求(もと)めよ。
7悪(あ)しき者(もの)はその道(みち)を捨(す)て、
正(ただしか)らぬ人(ひと)はその思(おも)いを捨(す)てて、主(しゅ)に帰(かえ)れ。
そうすれば、主(しゅ)は彼(かれ)にあわれみを施(ほどこ)される。
われわれの神(かみ)に帰(かえ)れ、
主(しゅ)は豊(ゆた)かにゆるしを与(あた)えられる。
8わが思(おも)いは、あなたがたの思(おも)いとは異(こと)なり、
わが道(みち)は、あなたがたの道(みち)とは異(こと)なっていると
主(しゅ)は言(い)われる。
9天(てん)が地(ち)よりも高(たか)いように、
わが道(みち)は、あなたがたの道(みち)よりも高(たか)く、
わが思(おも)いは、あなたがたの思(おも)いよりも高(たか)い。
10天(てん)から雨(あめ)が降(ふ)り、雪(ゆき)が落(お)ちてまた帰(かえ)らず、
地(ち)を潤(うるお)して物(もの)を生(は)えさせ、芽(め)を出(だ)させて、
種(たね)まく者(もの)に種(たね)を与(あた)え、
食(た)べる者(もの)にかてを与(あた)える。
11このように、わが口(くち)から出(で)る言葉(ことば)も、
むなしくわたしに帰(かえ)らない。
わたしの喜(よろこ)ぶところのことをなし、
わたしが命(めい)じ送(おく)った事(こと)を果(はた)す。
12あなたがたは喜(よろこ)びをもって出(で)てきて、
安(やす)らかに導(みちび)かれて行(い)く。
山(やま)と丘(おか)とはあなたの前(まえ)に声(こえ)を放(はな)って喜(よろこ)び歌(うた)い、
野(の)にある木(き)はみな手(て)を打(う)つ。
13いとすぎは、いばらに代(かわ)って生(は)え、
ミルトスの木(き)は、おどろに代(かわ)って生(は)える。
これは主(しゅ)の記念(きねん)となり、
また、とこしえのしるしとなって、
絶(た)えることはない」。

第五六章


1主(しゅ)はこう言(い)われる、
「あなたがたは公平(こうへい)を守(まも)って正義(せいぎ)を行(おこな)え。
わが救(すくい)の来(く)るのは近(ちか)く、
わが助(たす)けのあらわれるのが近(ちか)いからだ。
2安息日(あんそくにち)を守(まも)って、これを汚(けが)さず、
その手(て)をおさえて、悪(あ)しき事(こと)をせず、
このように行(おこな)う人(ひと)、
これを堅(かた)く守(まも)る人(ひと)の子(こ)はさいわいである」。
3主(しゅ)に連(つら)なっている異邦人(いほうじん)は言(い)ってはならない、
「主(しゅ)は必(かなら)ずわたしをその民(たみ)から分(わ)かたれる」と。
宦官(かんがん)もまた言(い)ってはならない、
「見(み)よ、わたしは枯(か)れ木(き)だ」と。
4主(しゅ)はこう言(い)われる、
「わが安息日(あんそくにち)を守(まも)り、わが喜(よろこ)ぶことを選(えら)んで、
わが契約(けいやく)を堅(かた)く守(まも)る宦官(かんがん)には、
5わが家(いえ)のうちで、わが垣(かき)のうちで、
むすこにも娘(むすめ)にもまさる記念(きねん)のしるしと名(な)を与(あた)え、
絶(た)えることのない、とこしえの名(な)を与(あた)える。
6また主(しゅ)に連(つら)なり、主(しゅ)に仕(つか)え、
主(しゅ)の名(な)を愛(あい)し、そのしもべとなり、
すべて安息日(あんそくにち)を守(まも)って、これを汚(けが)さず、
わが契約(けいやく)を堅(かた)く守(まも)る異邦人(いほうじん)は――
7わたしはこれをわが聖(せい)なる山(やま)にこさせ、
わが祈(いのり)の家(いえ)のうちで楽(たの)しませる、
彼(かれ)らの燔祭(はんさい)と犠牲(ぎせい)とは、
わが祭壇(さいだん)の上(うえ)に受(う)けいれられる。
わが家(いえ)はすべての民(たみ)の
祈(いのり)の家(いえ)ととなえられるからである」。
8イスラエルの追(お)いやられた者(もの)を集(あつ)められる
主(しゅ)なる神(かみ)はこう言(い)われる、
「わたしはさらに人(ひと)を集(あつ)めて、
すでに集(あつ)められた者(もの)に加(くわ)えよう」と。


9野(の)のすべての獣(けもの)よ、
林(はやし)におるすべての獣(けもの)よ、来(き)て食(く)らえ。
10見張(みはり)人(にん)らはみな目(め)しいで、知(し)ることがなく、
みな、おしの犬(いぬ)で、ほえることができない。
みな夢(ゆめ)みる者(もの)、伏(ふ)している者(もの)、
まどろむことを好(この)む者(もの)だ。
11この犬(いぬ)どもは強欲(ごうよく)で、飽(あ)くことを知(し)らない。
彼(かれ)らはまた悟(さと)ることのできない牧者(ぼくしゃ)で、
皆(みな)おのが道(みち)にむかいゆき、
おのおのみな、おのれの利(り)を求(もと)める。
12彼(かれ)らは互(たがい)に言(い)う、
「さあ、われわれは酒(さけ)を手(て)に入(い)れ、
濃(こ)い酒(さけ)をあびるほど飲(の)もう。
あすも、きょうのようであるだろう、
すばらしい日(ひ)だ」と。

第五七章


1正(ただ)しい者(もの)が滅(ほろ)びても、
心(こころ)にとめる人(ひと)がなく、
神(かみ)を敬(うやま)う人々(ひとびと)が取(と)り去(さ)られても、悟(さと)る者(もの)はない。
正(ただ)しい者(もの)は災(わざわい)の前(まえ)に取(と)り去(さ)られて、
2平安(へいあん)に入(い)るからである。
すべて正直(しょうじき)に歩(あゆ)む者(もの)は、その床(とこ)に休(やす)むことができる。
3しかし、あなたがた女(おんな)魔法使(まほうつかい)の子(こ)よ、
姦夫(かんぷ)と遊女(ゆうじょ)のすえよ、こちらへ近寄(ちかよ)れ。
4あなたがたは、だれにむかって戯(たわむ)れをなすのか。
だれにむかって口(くち)を開(ひら)き、舌(した)を出(だ)すのか。
あなたがたは背信(はいしん)の子(こ)ら、
偽(いつわ)りのすえではないか。
5あなたがたは、かしの木(き)の間(あいだ)、
すべての青(あお)木(き)の下(した)で心(こころ)をこがし、
谷(たに)の中(なか)、岩(いわ)のはざまで子(こ)どもを殺(ころ)した。
6あなたは谷(たに)のなめらかな石(いし)を自分(じぶん)の嗣(し)業(ぎょう)とし、
これを自分(じぶん)の分(わ)け前(まえ)とし、
これに灌祭(かんさい)をそそぎ、供(そな)え物(もの)をささげた。
わたしはこれらの物(もの)によってなだめられようか。
7あなたは高(たか)くそびえた山(やま)の上(うえ)に自分(じぶん)の床(とこ)を設(もう)け、
またそこに登(のぼ)って行(い)って犠牲(ぎせい)をささげた。
8また戸(と)および柱(はしら)のうしろに、
あなたのしるしを置(お)いた。
あなたはわたしを離(はな)れて自分(じぶん)の床(とこ)をあらわし、
それにのぼって、その床(とこ)をひろくした。
また彼(かれ)らと契約(けいやく)をなし、彼(かれ)らの床(とこ)を愛(あい)し、
その裸(はだか)を見(み)た。
9あなたは、におい油(あぶら)を携(たずさ)えてモレクに行(い)き、
多(おお)くのかおり物(もの)をささげた。
またあなたの使者(ししゃ)を遠(とお)くにつかわし、
陰府(よみ)の深(ふか)い所(ところ)にまでつかわした。
10あなたは道(みち)の長(なが)いのに疲(つか)れても、
なお「望(のぞ)みがない」とは言(い)わなかった。
あなたはおのが力(ちから)の回復(かいふく)を得(え)たので、
衰(おとろ)えることがなかった。
11あなたはだれをおじ恐(おそ)れて、偽(いつわ)りを言(い)い、
わたしを覚(おぼ)えず、また心(こころ)におかなかったのか。
わたしが久(ひさ)しく黙(だま)っていたために、
あなたはわたしを恐(おそ)れなかったのではなかったか。
12わたしはあなたの義(ぎ)と、あなたのわざを告(つ)げ示(しめ)そう、
しかしこれらはあなたを益(えき)しない。
13あなたが呼(よ)ばわる時(とき)、
あなたが集(あつ)めておいた偶像(ぐうぞう)にあなたを救(すく)わせよ。
風(かぜ)は彼(かれ)らを運(はこ)び去(さ)り、
息(いき)は彼(かれ)らを取(と)り去(さ)る。
しかしわたしに寄(よ)り頼(たの)む者(もの)は地(ち)を継(つ)ぎ、
わが聖(せい)なる山(やま)をまもる。


14主(しゅ)は言(い)われる、
「土(つち)を盛(も)り、土(つち)を盛(も)って道(みち)を備(そな)えよ、
わが民(たみ)の道(みち)から、つまずく物(もの)を取(と)り去(さ)れ」と。
15いと高(たか)く、いと上(うえ)なる者(もの)、とこしえに住(す)む者(もの)、
その名(な)を聖(せい)ととなえられる者(もの)がこう言(い)われる、
「わたしは高(たか)く、聖(せい)なる所(ところ)に住(す)み、
また心(こころ)砕(くだ)けて、へりくだる者(もの)と共(とも)に住(す)み、
へりくだる者(もの)の霊(れい)をいかし、
砕(くだ)ける者(もの)の心(こころ)をいかす。
16わたしはかぎりなく争(あらそ)わない、
また絶(た)えず怒(いか)らない。
霊(れい)はわたしから出(で)、
いのちの息(いき)はわたしがつくったからだ。
17彼(かれ)のむさぼりの罪(つみ)のゆえに、
わたしは怒(いか)って彼(かれ)を打(う)ち、
わが顔(かお)をかくして怒(いか)った。
しかし彼(かれ)はなおそむいて、おのが心(こころ)の道(みち)へ行(い)った。
18わたしは彼(かれ)の道(みち)を見(み)た。
わたしは彼(かれ)をいやし、
また彼(かれ)を導(みちび)き、慰(なぐさ)めをもって彼(かれ)に報(むく)い、
悲(かな)しめる者(もの)のために、くちびるの実(み)を造(つく)ろう。
19遠(とお)い者(もの)にも近(ちか)い者(もの)にも平安(へいあん)あれ、平安(へいあん)あれ、
わたしは彼(かれ)をいやそう」と主(しゅ)は言(い)われる。
20しかし悪(あ)しき者(もの)は波(なみ)の荒(あら)い海(うみ)のようだ。
静(しず)まることができないで、
その水(みず)はついに泥(どろ)と汚物(おぶつ)とを出(だ)す。
21わが神(かみ)は言(い)われる、
「よこしまな者(もの)には平安(へいあん)がない」と。

第五八章


1「大(おお)いに呼(よ)ばわって声(こえ)を惜(お)しむな。
あなたの声(こえ)をラッパのようにあげ、
わが民(たみ)にそのとがを告(つ)げ、
ヤコブの家(いえ)にその罪(つみ)を告(つ)げ示(しめ)せ。
2彼(かれ)らは日々(ひび)わたしを尋(たず)ね求(もと)め、
義(ぎ)を行(おこな)い、神(かみ)のおきてを捨(す)てない国民(くにたみ)のように、
わが道(みち)を知(し)ることを喜(よろこ)ぶ。
彼(かれ)らは正(ただ)しいさばきをわたしに求(もと)め、
神(かみ)に近(ちか)づくことを喜(よろこ)ぶ。
3彼(かれ)らは言(い)う、
『われわれが断食(だんじき)したのに、
なぜ、ごらんにならないのか。
われわれがおのれを苦(くる)しめたのに、
なぜ、ごぞんじないのか』と。
見(み)よ、あなたがたの断食(だんじき)の日(ひ)には、
おのが楽(たの)しみを求(もと)め、
その働(はたら)き人(ひと)をことごとくしえたげる。
4見(み)よ、あなたがたの断食(しょく)するのは、
ただ争(あらそ)いと、いさかいのため、
また悪(あく)のこぶしをもって人(ひと)を打(う)つためだ。
きょう、あなたがたのなす断食(だんじき)は、
その声(こえ)を上(うえ)に聞(きこ)えさせるものではない。
5このようなものは、わたしの選(えら)ぶ断食(だんじき)であろうか。
人(ひと)がおのれを苦(くる)しめる日(ひ)であろうか。
そのこうべを葦(あし)のように伏(ふ)せ、
荒布(あらぬの)と灰(はい)とをその下(した)に敷(し)くことであろうか。
あなたは、これを断食(だんじき)ととなえ、
主(しゅ)に受(う)けいれられる日(ひ)と、となえるであろうか。


6わたしが選(えら)ぶところの断食(だんじき)は、
悪(あく)のなわをほどき、くびきのひもを解(と)き、
しえたげられる者(もの)を放(はな)ち去(さ)らせ、
すべてのくびきを折(お)るなどの事(こと)ではないか。
7また飢(う)えた者(もの)に、あなたのパンを分(わ)け与(あた)え、
さすらえる貧(まず)しい者(もの)を、あなたの家(いえ)に入(い)れ、
裸(はだか)の者(もの)を見(み)て、これを着(き)せ、
自分(じぶん)の骨肉(こつにく)に身(み)を隠(かく)さないなどの事(こと)ではないか。
8そうすれば、あなたの光(ひかり)が暁(あかつき)のようにあらわれ出(で)て、
あなたは、すみやかにいやされ、
あなたの義(ぎ)はあなたの前(まえ)に行(い)き、
主(しゅ)の栄光(えいこう)はあなたのしんがりとなる。
9また、あなたが呼(よ)ぶとき、主(しゅ)は答(こた)えられ、
あなたが叫(さけ)ぶとき、
『わたしはここにおる』と言(い)われる。
もし、あなたの中(なか)からくびきを除(のぞ)き、
指(ゆび)をさすこと、悪(わる)い事(こと)を語(かた)ることを除(のぞ)き、
10飢(う)えた者(もの)にあなたのパンを施(ほどこ)し、
苦(くる)しむ者(もの)の願(ねが)いを満(み)ち足(た)らせるならば、
あなたの光(ひかり)は暗(くら)きに輝(かがや)き、
あなたのやみは真昼(まひる)のようになる。
11主(しゅ)は常(つね)にあなたを導(みちび)き、
良(よ)き物(もの)をもってあなたの願(ねが)いを満(み)ち足(た)らせ、
あなたの骨(ほね)を強(つよ)くされる。
あなたは潤(うるお)った園(その)のように、
水(みず)の絶(た)えない泉(いずみ)のようになる。
12あなたの子(こ)らは久(ひさ)しく荒(あ)れすたれたる所(ところ)を興(おこ)し、
あなたは代々(よよ)やぶれた基(もとい)を立(た)て、
人(ひと)はあなたを『破(やぶ)れを繕(つくろ)う者(もの)』と呼(よ)び、
『市街(しがい)を繕(つくろ)って住(す)むべき所(ところ)となす者(もの)』と
呼(よ)ぶようになる。


13もし安息日(あんそくにち)にあなたの足(あし)をとどめ、
わが聖日(せいじつ)にあなたの楽(たの)しみをなさず、
安息日(あんそくにち)を喜(よろこ)びの日(ひ)と呼(よ)び、
主(しゅ)の聖日(せいじつ)を尊(たっと)ぶべき日(ひ)ととなえ、
これを尊(たっと)んで、おのが道(みち)を行(おこな)わず、
おのが楽(たの)しみを求(もと)めず、
むなしい言葉(ことば)を語(かた)らないならば、
14その時(とき)あなたは主(しゅ)によって喜(よろこ)びを得(え)、
わたしは、あなたに地(ち)の高(たか)い所(ところ)を乗(の)り通(とお)らせ、
あなたの先祖(せんぞ)ヤコブの嗣(し)業(ぎょう)をもって、
あなたを養(やしな)う」。
これは主(しゅ)の口(くち)から語(かた)られたものである。

第五九章


1見(み)よ、主(しゅ)の手(て)が短(みじか)くて、
救(すく)い得(え)ないのではない。
その耳(みみ)が鈍(にぶ)くて聞(き)き得(え)ないのでもない。
2ただ、あなたがたの不義(ふぎ)が
あなたがたと、あなたがたの神(かみ)との間(あいだ)を隔(へだ)てたのだ。
またあなたがたの罪(つみ)が
主(しゅ)の顔(かお)をおおったために、お聞(き)きにならないのだ。
3あなたがたの手(て)は血(ち)で汚(けが)れ、
あなたがたの指(ゆび)は不義(ふぎ)で汚(けが)れ、
あなたがたのくちびるは偽(いつわ)りを語(かた)り、
あなたがたの舌(した)は悪(あく)をささやき、
4ひとりも正義(せいぎ)をもって訴(うった)え、
真実(しんじつ)をもって論争(ろんそう)する者(もの)がない。
彼(かれ)らはむなしきことを頼(たの)み、偽(いつわ)りを語(かた)り、
害悪(がいあく)をはらみ、不義(ふぎ)を産(う)む。
5彼(かれ)らはまむしの卵(たまご)をかえし、くもの巣(す)を織(お)る。
その卵(たまご)を食(た)べる者(もの)は死(し)ぬ。
卵(たまご)が踏(ふ)まれると破(やぶ)れて毒蛇(どくへび)を出(だ)す。
6その織(お)る物(もの)は着物(きもの)とならない。
その造(つく)る物(もの)をもって身(み)をおおうことができない。
彼(かれ)のわざは不義(ふぎ)のわざであり、
彼(かれ)らの手(て)には暴虐(ぼうぎゃく)の行(おこな)いがある。
7彼(かれ)らの足(あし)は悪(あく)に走(はし)り、
罪(つみ)のない血(ち)を流(なが)すことに速(はや)い。
彼(かれ)らの思(おも)いは不義(ふぎ)の思(おも)いであり、
荒廃(こうはい)と滅亡(めつぼう)とがその道(みち)にある。
8彼(かれ)らは平和(へいわ)の道(みち)を知(し)らず、
その行(ゆ)く道(みち)には公平(こうへい)がない。
彼(かれ)らはその道(みち)を曲(ま)げた。
すべてこれを歩(あゆ)む者(もの)は平和(へいわ)を知(し)らない。


9それゆえ、公平(こうへい)は遠(とお)くわれわれを離(はな)れ、
正義(せいぎ)はわれわれに追(お)いつかない。
われわれは光(ひかり)を望(のぞ)んでも、暗(くら)きを見(み)、
輝(かがや)きを望(のぞ)んでも、やみを行(い)く。
10われわれは盲人(もうじん)のように、かきを手(て)さぐりゆき、
目(め)のない者(もの)のように手(て)さぐりゆき、
真昼(まひる)でも、たそがれのようにつまずき、
強壮(きょうそう)な者(もの)の中(なか)にあっても死人(しにん)のようだ。
11われわれは皆(みな)くまのようにほえ、
はとのようにいたくうめき、
公平(こうへい)を望(のぞ)んでも、きたらず、
救(すくい)を望(のぞ)んでも、遠(とお)くわれわれを離(はな)れ去(さ)る。


12われわれのとがは、あなたの前(まえ)に多(おお)く、
罪(つみ)は、われわれを訴(うった)えて、あかしをなし、
とがは、われわれと共(とも)にあり、
不義(ふぎ)は、われわれがこれを知(し)る。
13われわれは、そむいて主(しゅ)をいなみ、
退(しりぞ)いて、われわれの神(かみ)に従(したが)わず、
しえたげと、そむきとを語(かた)り、
偽(いつわ)りの言葉(ことば)を心(こころ)にはらんで、それを言(い)いあらわす。
14公平(こうへい)はうしろに退(しりぞ)けられ、
正義(せいぎ)ははるかに立(た)つ。
それは、真実(しんじつ)は広場(ひろば)に倒(たお)れ、
正直(しょうじき)は、はいることができないからである。
15真実(しんじつ)は欠(か)けてなく、
悪(あく)を離(はな)れる者(もの)はかすめ奪(うば)われる。


主(しゅ)はこれを見(み)て、
公平(こうへい)がなかったことを喜(よろこ)ばれなかった。
16主(しゅ)は人(ひと)のないのを見(み)られ、
仲(なか)に立(た)つ者(もの)のないのをあやしまれた。
それゆえ、ご自分(じぶん)のかいなをもって、勝利(しょうり)を得(え)、
その義(ぎ)をもって、おのれをささえられた。
17主(しゅ)は義(ぎ)を胸当(むねあて)としてまとい、
救(すくい)のかぶとをその頭(あたま)にいただき、
報復(ほうふく)の衣(ころも)をまとって着物(きもの)とし、
熱心(ねっしん)を外套(がいとう)として身(み)を包(つつ)まれた。
18主(しゅ)は彼(かれ)らの行(おこな)いにしたがって報(むく)いをなし、
あだにむかって怒(いか)り、
敵(てき)にむかって報(むく)いをなし、
海沿(うみぞ)いの国々(くにぐに)にむかって報(むく)いをされる。
19こうして、人々(ひとびと)は西(にし)の方(ほう)から主(しゅ)の名(な)を恐(おそ)れ、
日(ひ)の出(で)る方(ほう)からその栄光(えいこう)を恐(おそ)れる。
主(しゅ)は、せき止(と)めた川(かわ)を、
そのいぶきで押(お)し流(なが)すように、こられるからである。
20主(しゅ)は言(い)われる、
「主(しゅ)は、あがなう者(もの)としてシオンにきたり、
ヤコブのうちの、とがを離(はな)れる者(もの)に至(いた)る」と。
21主(しゅ)は言(い)われる、「わたしが彼(かれ)らと立(た)てる契約(けいやく)はこれである。あなたの上(うえ)にあるわが霊(れい)、あなたの口(くち)においたわが言葉(ことば)は、今(いま)から後(のち)とこしえに、あなたの口(くち)から、あなたの子(こ)らの口(くち)から、あなたの子(こ)らの子(こ)の口(くち)から離(はな)れることはない」と。

第六〇章


1起(お)きよ、光(ひかり)を放(はな)て。
あなたの光(ひかり)が臨(のぞ)み、
主(しゅ)の栄光(えいこう)があなたの上(うえ)にのぼったから。
2見(み)よ、暗(くら)きは地(ち)をおおい、
やみはもろもろの民(たみ)をおおう。
しかし、あなたの上(うえ)には主(しゅ)が朝日(あさひ)のごとくのぼられ、
主(しゅ)の栄光(えいこう)があなたの上(うえ)にあらわれる。
3もろもろの国(くに)は、あなたの光(ひかり)に来(き)、
もろもろの王(おう)は、のぼるあなたの輝(かがや)きに来(く)る。


4あなたの目(め)をあげて見(み)まわせ、
彼(かれ)らはみな集(あつ)まってあなたに来(く)る。
あなたの子(こ)らは遠(とお)くから来(き)、
あなたの娘(むすめ)らは、かいなにいだかれて来(く)る。
5その時(とき)あなたは見(み)て、喜(よろこ)びに輝(かがや)き、
あなたの心(こころ)はどよめき、かつ喜(よろこ)ぶ。
海(うみ)の富(とみ)が移(うつ)ってあなたに来(き)、
もろもろの国(くに)の宝(たから)が、あなたに来(く)るからである。
6多(おお)くのらくだ、ミデアンおよびエパの若(わか)きらくだは
あなたをおおい、
シバの人々(ひとびと)はみな黄金(おうごん)、乳香(にゅうこう)を携(たずさ)えてきて、
主(しゅ)の誉(ほまれ)を宣(の)べ伝(つた)える。
7ケダルの羊(ひつじ)の群(む)れはみなあなたに集(あつ)まって来(き)、
ネバヨテの雄羊(おひつじ)はあなたに仕(つか)え、
わが祭壇(さいだん)の上(うえ)にのぼって受(う)けいれられる。
こうして、わたしはわが栄光(えいこう)の家(いえ)を輝(かがや)かす。


8雲(くも)のように飛(と)び、
はとがその小屋(こや)に
飛(と)び帰(かえ)るようにして来(く)る者(もの)はだれか。
9海沿(うみぞ)いの国々(くにぐに)はわたしを待(ま)ち望(のぞ)み、
タルシシの船(ふね)はいや先(さき)に
あなたの子(こ)らを遠(とお)くから載(の)せて来(き)、
また彼(かれ)らの金銀(きんぎん)を共(とも)に載(の)せて来(き)て、
あなたの神(かみ)、主(しゅ)の名(な)にささげ、
イスラエルの聖者(せいじゃ)にささげる。
主(しゅ)があなたを輝(かがや)かされたからである。


10異邦人(いほうじん)はあなたの城壁(じょうへき)を築(きず)き、
彼(かれ)らの王(おう)たちはあなたに仕(つか)える。
わたしは怒(いか)りをもってあなたを打(う)ったけれども、
また恵(めぐ)みをもってあなたをあわれんだからである。
11あなたの門(もん)は常(つね)に開(ひら)いて、
昼(ひる)も夜(よる)も閉(と)ざすことはない。
これは人々(ひとびと)が国々(くにぐに)の宝(たから)をあなたに携(たずさ)えて来(き)、
その王(おう)たちを率(ひき)いて来(く)るためである。
12あなたに仕(つか)えない国(くに)と民(たみ)とは滅(ほろ)び、
その国々(くにぐに)は全(まった)く荒(あ)れすたれる。
13レバノンの栄(さか)えはあなたに来(き)、
いとすぎ、すずかけ、まつは皆(みな)共(とも)に来(き)て、
わが聖所(せいじょ)をかざる。
またわたしはわが足(あし)をおく所(ところ)を尊(たっと)くする。
14あなたを苦(くる)しめた者(もの)の子(こ)らは、
かがんで、あなたのもとに来(き)、
あなたをさげすんだ者(もの)は、
ことごとくあなたの足(あし)もとに伏(ふ)し、
あなたを主(しゅ)の都(みやこ)、
イスラエルの聖者(せいじゃ)のシオンととなえる。


15あなたは捨(す)てられ、憎(にく)まれて、
その中(なか)を過(す)ぎる者(もの)もなかったが、
わたしはあなたを、とこしえの誇(ほこり)、
世々(よよ)の喜(よろこ)びとする。
16あなたはまた、もろもろの国(くに)の乳(ちち)を吸(す)い、
王(おう)たちの乳(ち)ぶさを吸(す)い、
そして主(しゅ)なるわたしが、あなたの救主(すくいぬし)、
また、あなたのあがない主(ぬし)、
ヤコブの全能者(ぜんのうしゃ)であることを知(し)るにいたる。


17わたしは青銅(せいどう)の代(かわ)りに黄金(おうごん)を携(たずさ)え、
くろがねの代(かわ)りにしろがねを携(たずさ)え、
木(き)の代(かわ)りに青銅(せいどう)を、石(いし)の代(かわ)りに鉄(てつ)を携(たずさ)えてきて、
あなたのまつりごとを平和(へいわ)にし、
あなたのつかさびとを正(ただ)しくする。
18暴虐(ぼうぎゃく)は、もはやあなたの地(ち)に聞(き)かれず、
荒廃(こうはい)と滅亡(めつぼう)は、もはやあなたの境(さかい)のうちに聞(き)かれず、
あなたはその城壁(じょうへき)を「救(すくい)」ととなえ、
その門(もん)を「誉(ほまれ)」ととなえる。


19昼(ひる)は、もはや太陽(たいよう)があなたの光(ひかり)とならず、
夜(よる)も月(つき)が輝(かがや)いてあなたを照(てら)さず、
主(しゅ)はとこしえにあなたの光(ひかり)となり、
あなたの神(かみ)はあなたの栄(さか)えとなられる。
20あなたの太陽(たいよう)は再(ふたた)び没(ぼっ)せず、
あなたの月(つき)はかけることがない。
主(しゅ)がとこしえにあなたの光(ひかり)となり、
あなたの悲(かな)しみの日(ひ)が終(おわ)るからである。
21あなたの民(たみ)はことごとく正(ただ)しい者(もの)となって、
とこしえに地(ち)を所有(しょゆう)する。
彼(かれ)らはわたしの植(う)えた若(わか)枝(えだ)、わが手(て)のわざ、
わが栄光(えいこう)をあらわすものとなる。
22その最(もっと)も小(ちい)さい者(もの)は氏族(しぞく)となり、
その最(もっと)も弱(よわ)い者(もの)は強(つよ)い国(くに)となる。
わたしは主(しゅ)である。
その時(とき)がくるならば、すみやかにこの事(こと)をなす。

第六一章


1主(しゅ)なる神(かみ)の霊(れい)がわたしに臨(のぞ)んだ。
これは主(しゅ)がわたしに油(あぶら)を注(そそ)いで、
貧(まず)しい者(もの)に福音(ふくいん)を宣(の)べ伝(つた)えることをゆだね、
わたしをつかわして心(こころ)のいためる者(もの)をいやし、
捕(とら)われ人(びと)に放免(ほうめん)を告(つ)げ、
縛(しば)られている者(もの)に解放(かいほう)を告(つ)げ、
2主(しゅ)の恵(めぐ)みの年(とし)と
われわれの神(かみ)の報復(ほうふく)の日(ひ)とを告(つ)げさせ、
また、すべての悲(かな)しむ者(もの)を慰(なぐさ)め、
3シオンの中(なか)の悲(かな)しむ者(もの)に喜(よろこ)びを与(あた)え、
灰(はい)にかえて冠(かんむり)を与(あた)え、
悲(かな)しみにかえて喜(よろこ)びの油(あぶら)を与(あた)え、
憂(うれ)いの心(こころ)にかえて、
さんびの衣(ころも)を与(あた)えさせるためである。
こうして、彼(かれ)らは義(ぎ)のかしの木(き)ととなえられ、
主(しゅ)がその栄光(えいこう)をあらわすために
植(う)えられた者(もの)ととなえられる。


4彼(かれ)らはいにしえの荒(あ)れた所(ところ)を建(た)てなおし、
さきに荒(あ)れすたれた所(ところ)を興(おこ)し、
荒(あ)れた町々(まちまち)を新(あら)たにし、
世々(よよ)すたれた所(ところ)を再(ふたた)び建(た)てる。
5外国(がいこく)人(じん)は立(た)ってあなたがたの群(む)れを飼(か)い、
異邦人(いほうじん)はあなたがたの畑(はたけ)を耕(たがや)す者(もの)となり、
ぶどうを作(つく)る者(もの)となる。
6しかし、あなたがたは主(しゅ)の祭司(さいし)ととなえられ、
われわれの神(かみ)の役者(やくしゃ)と呼(よ)ばれ、
もろもろの国(くに)の富(とみ)を食(た)べ、
彼(かれ)らの宝(たから)を得(え)て喜(よろこ)ぶ。
7あなたがたは、さきに受(う)けた恥(はじ)にかえて、
二倍(ばい)の賜物(たまもの)を受(う)け、
はずかしめにかえて、その嗣(し)業(ぎょう)を得(え)て楽(たの)しむ。
それゆえ、あなたがたはその地(ち)にあって、
二倍(ばい)の賜物(たまもの)を獲(え)、
とこしえの喜(よろこ)びを得(え)る。
8主(しゅ)なるわたしは公平(こうへい)を愛(あい)し、
強奪(ごうだつ)と邪悪(じゃあく)を憎(にく)み、
真実(しんじつ)をもって彼(かれ)らに報(むく)いを与(あた)え、
彼(かれ)らと、とこしえの契約(けいやく)を結(むす)ぶからである。
9彼(かれ)らの子孫(しそん)は、もろもろの国(くに)の中(なか)で知(し)られ、
彼(かれ)らの子(こ)らは、もろもろの民(たみ)の中(なか)に知(し)られる。
すべてこれを見(み)る者(もの)は
これが主(しゅ)の祝福(しゅくふく)された民(たみ)であることを認(みと)める。


10わたしは主(しゅ)を大(おお)いに喜(よろこ)び、
わが魂(たましい)はわが神(かみ)を楽(たの)しむ。
主(しゅ)がわたしに救(すくい)の衣(ころも)を着(き)せ、
義(ぎ)の上衣(うわぎ)をまとわせて、
花婿(はなむこ)が冠(かんむり)をいただき、
花嫁(はなよめ)が宝玉(ほうぎょく)をもって飾(かざ)るようにされたからである。
11地(ち)が芽(め)をいだし、園(その)がまいたものを生(は)やすように、
主(しゅ)なる神(かみ)は義(ぎ)と誉(ほまれ)とを、
もろもろの国(くに)の前(まえ)に、生(は)やされる。

第六二章


1シオンの義(ぎ)が
朝日(あさひ)の輝(かがや)きのようにあらわれいで、
エルサレムの救(すくい)が燃(も)えるたいまつの様(よう)になるまで、
わたしはシオンのために黙(もく)せず、
エルサレムのために休(やす)まない。
2もろもろの国(くに)はあなたの義(ぎ)を見(み)、
もろもろの王(おう)は皆(みな)あなたの栄(さか)えを見(み)る。
そして、あなたは主(しゅ)の口(くち)が定(さだ)められる
新(あたら)しい名(な)をもってとなえられる。
3また、あなたは主(しゅ)の手(て)にある麗(うるわ)しい冠(かんむり)となり、
あなたの神(かみ)の手(て)にある王(おう)の冠(かんむり)となる。
4あなたはもはや「捨(す)てられた者(もの)」と言(い)われず、
あなたの地(ち)はもはや「荒(あ)れた者(もの)」と言(い)われず、
あなたは「わが喜(よろこ)びは彼女(かのじょ)にある」ととなえられ、
あなたの地(ち)は「配偶(はいぐう)ある者(もの)」ととなえられる。
主(しゅ)はあなたを喜(よろこ)ばれ、
あなたの地(ち)は配偶(はいぐう)を得(え)るからである。
5若(わか)い者(もの)が処女(しょじょ)をめとるように
あなたの子(こ)らはあなたをめとり、
花婿(はなむこ)が花嫁(はなよめ)を喜(よろこ)ぶように
あなたの神(かみ)はあなたを喜(よろこ)ばれる。


6エルサレムよ、
わたしはあなたの城壁(じょうへき)の上(うえ)に見張(みはり)人(にん)をおいて、
昼(ひる)も夜(よる)もたえず、もだすことのないようにしよう。
主(しゅ)に思(おも)い出(だ)されることを求(もと)める者(もの)よ、
みずから休(やす)んではならない。
7主(しゅ)がエルサレムを堅(かた)く立(た)てて、
全(ぜん)地(ち)に誉(ほまれ)を得(え)させられるまで、
お休(やす)みにならぬようにせよ。
8主(しゅ)はその右(みぎ)の手(て)をさし、
大能(たいのう)のかいなをさして誓(ちか)われた、
「わたしは再(ふたた)びあなたの穀物(こくもつ)を
あなたの敵(てき)に与(あた)えて食(た)べさせない。
また、あなたが労(ろう)して得(え)たぶどう酒(しゅ)を
異邦人(いほうじん)に与(あた)えて飲(の)ませない。
9しかし、穀物(こくもつ)を刈(か)り入(い)れた者(もの)は
これを食(た)べて主(しゅ)をほめたたえ、
ぶどうを集(あつ)めた者(もの)は
わが聖所(せいじょ)の庭(にわ)でこれを飲(の)む」。


10門(もん)を通(とお)って行(い)け、通(とお)って行(い)け。
民(たみ)の道(みち)を備(そな)えよ。
土(つち)を盛(も)り、土(つち)を盛(も)って大路(おおじ)を設(もう)けよ。
石(いし)を取(と)りのけ。
もろもろの民(たみ)の上(うえ)に旗(はた)をあげよ。
11見(み)よ、主(しゅ)は地(ち)の果(はて)にまで告(つ)げて言(い)われた、
「シオンの娘(むすめ)に言(い)え、
『見(み)よ、あなたの救(すくい)は来(く)る。
見(み)よ、その報(むく)いは主(しゅ)と共(とも)にあり、
その働(はたら)きの報(むく)いは、その前(まえ)にある』と。
12彼(かれ)らは『聖(せい)なる民(たみ)、
主(しゅ)にあがなわれた者(もの)』ととなえられ、
あなたは『人(ひと)に尋(たず)ね求(もと)められる者(もの)、
捨(す)てられない町(まち)』ととなえられる」。

第六三章


1「このエドムから来(く)る者(もの)、
深紅(しんく)の衣(ころも)を着(き)て、ボズラから来(く)る者(もの)はだれか。
その装(よそお)いは、はなやかに、
大(おお)いなる力(ちから)をもって進(すす)み来(く)る者(もの)はだれか」。
「義(ぎ)をもって語(かた)り、
救(すくい)を施(ほどこ)す力(ちから)あるわたしがそれだ」。
2「何(なに)ゆえあなたの装(よそお)いは赤(あか)く、
あなたの衣(ころも)は酒(さか)ぶねを踏(ふ)む者(もの)のように赤(あか)いのか」。
3「わたしはひとりで酒(さか)ぶねを踏(ふ)んだ。
もろもろの民(たみ)のなかに、
わたしと事(こと)を共(とも)にする者(もの)はなかった。
わたしは怒(いか)りによって彼(かれ)らを踏(ふ)み、
憤(いきどお)りによって彼(かれ)らを踏(ふ)みにじったので、
彼(かれ)らの血(ち)がわが衣(ころも)にふりかかり、
わが装(よそお)いをことごとく汚(けが)した。
4報復(ほうふく)の日(ひ)がわが心(こころ)のうちにあり、
わがあがないの年(とし)が来(き)たからである。
5わたしは見(み)たけれども、助(たす)ける者(もの)はなく、
怪(あや)しんだけれども、ささえる者(もの)はなかった。
それゆえ、わがかいながわたしを勝(か)たせ、
わが憤(いきどお)りがわたしをささえた。
6わたしは怒(いか)りによって、もろもろの民(たみ)を踏(ふ)みにじり、
憤(いきどお)りによって彼(かれ)らを酔(よ)わせ、
彼(かれ)らの血(ち)を、地(ち)に流(なが)れさせた」。


7わたしは主(しゅ)がわれわれになされた
すべてのことによって、
主(しゅ)のいつくしみと、主(しゅ)の誉(ほまれ)とを語(かた)り告(つ)げ、
また、そのあわれみにより、
その多(おお)くのいつくしみによって、
イスラエルの家(いえ)に施(ほどこ)された
その大(おお)いなる恵(めぐ)みを語(かた)り告(つ)げよう。
8主(しゅ)は言(い)われた、「まことに彼(かれ)らはわが民(たみ)、
偽(いつわ)りのない子(こ)らである」と。
そして主(しゅ)は彼(かれ)らの救主(すくいぬし)となられた。
9彼(かれ)らのすべての悩(なや)みのとき、主(しゅ)も悩(なや)まれて、
そのみ前(まえ)の使(つかい)をもって彼(かれ)らを救(すく)い、
その愛(あい)とあわれみとによって彼(かれ)らをあがない、
いにしえの日(ひ)、つねに彼(かれ)らをもたげ、
彼(かれ)らを携(たずさ)えられた。


10ところが彼(かれ)らはそむいて
その聖(せい)なる霊(れい)を憂(うれ)えさせたので、
主(しゅ)はひるがえって彼(かれ)らの敵(てき)となり、
みずから彼(かれ)らと戦(たたか)われた。
11その時(とき)、民(たみ)はいにしえのモーセの日(ひ)を
思(おも)い出(だ)して言(い)った、
「その群(む)れの牧者(ぼくしゃ)を、
海(うみ)から携(たずさ)えあげた者(もの)はどこにいるか。
彼(かれ)らの中(なか)に聖(せい)なる霊(れい)をおいた者(もの)はどこにいるか。
12栄光(えいこう)のかいなをモーセの右(みぎ)に行(い)かせ、
彼(かれ)らの前(まえ)に水(みず)を二つに分(わ)けて、
みずから、とこしえの名(な)をつくり、
13彼(かれ)らを導(みちび)いて、馬(うま)が野(の)を走(はし)るように、
つまずくことなく淵(ふち)を通(とお)らせた者(もの)はどこにいるか。
14谷(たに)にくだる家畜(かちく)のように、
主(しゅ)の霊(れい)は彼(かれ)らをいこわせられた。
このように、あなたはおのれの民(たみ)を導(みちび)いて
みずから栄光(えいこう)の名(な)をつくられた」。


15どうか、天(てん)から見(み)おろし、
その聖(せい)なる栄光(えいこう)あるすみかからごらんください。
あなたの熱心(ねっしん)と、大能(たいのう)とはどこにありますか。
あなたのせつなる同情(どうじょう)とあわれみとは
おさえられて、わたしにあらわれません。
16たといアブラハムがわれわれを知(し)らず、
イスラエルがわれわれを認(みと)めなくても、
あなたはわれわれの父(ちち)です。
主(しゅ)よ、あなたはわれわれの父(ちち)、
いにしえからあなたの名(な)は
われわれのあながい主(ぬし)です。
17主(しゅ)よ、なぜ、われわれをあなたの道(みち)から離(はな)れ迷(まよ)わせ、
われわれの心(こころ)をかたくなにして、
あなたを恐(おそ)れないようにされるのですか。
どうぞ、あなたのしもべらのために、
あなたの嗣(し)業(ぎょう)である部族(ぶぞく)らのために、
お帰(かえ)りください。
18あなたの聖(せい)なる民(たみ)が、
あなたの聖所(せいじょ)を獲(え)て間(あいだ)もないのに、
われわれのあだは、それを踏(ふ)みにじりました。
19われわれはあなたによって、
いにしえから治(おさ)められない者(もの)のようになり、
あなたの名(な)をもって、
となえられない者(もの)のようになりました。

第六四章


1どうか、あなたが天(てん)を裂(さ)いて下(くだ)り、
あなたの前(まえ)に山々(やまやま)が震(ふる)い動(うご)くように。
2火(ひ)が柴木(しばき)を燃(も)やし、
火(ひ)が水(みず)を沸(わ)かすときのごとく下(くだ)られるように。
そして、み名(な)をあなたのあだにあらわし、
もろもろの国(くに)をあなたの前(まえ)に
震(ふる)えおののかせられるように。
3あなたは、われわれが期待(きたい)しなかった恐(おそ)るべき事(こと)を
なされた時(とき)に下(くだ)られたので、山々(やまやま)は震(ふる)い動(うご)いた。
4いにしえからこのかた、
あなたのほか神(かみ)を待(ま)ち望(のぞ)む者(もの)に、
このような事(こと)を行(おこな)われた神(かみ)を聞(き)いたことはなく、
耳(みみ)に入(い)れたこともなく、目(め)に見(み)たこともない。
5あなたは喜(よろこ)んで義(ぎ)を行(おこな)い、
あなたの道(みち)にあって、
あなたを記念(きねん)する者(もの)を迎(むか)えられる。
見(み)よ、あなたは怒(いか)られた、われわれは罪(つみ)を犯(おか)した。
われわれは久(ひさ)しく罪(つみ)のうちにあった。
われわれは救(すく)われるであろうか。
6われわれはみな汚(けが)れた人(ひと)のようになり、
われわれの正(ただ)しい行(おこな)いは、
ことごとく汚(けが)れた衣(ころも)のようである。
われわれはみな木(こ)の葉(は)のように枯(か)れ、
われわれの不義(ふぎ)は風(かぜ)のようにわれわれを吹(ふ)き去(さ)る。
7あなたの名(な)を呼(よ)ぶ者(もの)はなく、
みずから励(はげ)んで、あなたによりすがる者(もの)はない。
あなたはみ顔(かお)を隠(かく)して、われわれを顧(かえり)みられず、
われわれをおのれの不義(ふぎ)の手(て)に渡(わた)された。


8されど主(しゅ)よ、あなたはわれわれの父(ちち)です。
われわれは粘土(ねんど)であって、あなたは陶器(とうき)師(し)です。
われわれはみな、み手(て)のわざです。
9主(しゅ)よ、ひどくお怒(いか)りにならぬように、
いつまでも不義(ふぎ)をみこころにとめられぬように。
どうぞ、われわれを顧(かえり)みてください。
われわれはみな、あなたの民(たみ)です。
10あなたの聖(せい)なる町々(まちまち)は荒野(あらの)となり、
シオンは荒野(あらの)となり、
エルサレムは荒(あ)れすたれた。
11われわれの先祖(せんぞ)があなたをほめたたえた
聖(せい)なる麗(うるわ)しいわれわれの宮(みや)は火(ひ)で焼(や)かれ、
われわれが慕(した)った所(ところ)はことごとく荒(あ)れはてた。
12主(しゅ)よ、これらの事(こと)があっても
なお、あなたはみずからをおさえ、
黙(もく)して、われわれをいたく苦(くる)しめられるのですか。

第六五章


1わたしはわたしを求(もと)めなかった者(もの)に
問(と)われることを喜(よろこ)び、
わたしを尋(たず)ねなかった者(もの)に
見(み)いだされることを喜(よろこ)んだ。
わたしはわが名(な)を呼(よ)ばなかった国民(こくみん)に言(い)った、
「わたしはここにいる、わたしはここにいる」と。
2よからぬ道(みち)に歩(あゆ)み、
自分(じぶん)の思(おも)いに従(したが)うそむける民(たみ)に、
わたしはひねもす手(て)を伸(の)べて招(まね)いた。
3この民(たみ)はまのあたり常(つね)にわたしを怒(いか)らせ、
園(その)の中(なか)で犠牲(ぎせい)をささげ、
かわらの上(うえ)で香(こう)をたき、
4墓場(はかば)にすわり、ひそかな所(ところ)にやどり、
豚(ぶた)の肉(にく)を食(く)らい、
憎(にく)むべき物(もの)の、あつものをその器(うつわ)に盛(も)って、
5言(い)う、「あなたはそこに立(た)って、
わたしに近(ちか)づいてはならない。
わたしはあなたと区別(くべつ)されたものだから」と。
これらはわが鼻(はな)の煙(けむり)、ひねもす燃(も)える火(ひ)である。
6見(み)よ、この事(こと)はわが前(まえ)にしるされた、
「わたしは黙(だま)っていないで報(むく)い返(かえ)す。
そうだ、わたしは彼(かれ)らのふところに、
7彼(かれ)らの不義(ふぎ)と、彼(かれ)らの先祖(せんぞ)たちの不義(ふぎ)とを
共(とも)に報(むく)い返(かえ)す。
彼(かれ)らが山(やま)の上(うえ)で香(こう)をたき、
丘(おか)の上(うえ)でわたしをそしったゆえ、
わたしは彼(かれ)らのさきのわざを量(はか)って、
そのふところに返(かえ)す」と主(しゅ)は言(い)われる。


8主(しゅ)はこう言(い)われる、
「人(ひと)がぶどうのふさの中(なか)に、
ぶどうのしるのあるのを見(み)るならば、
『それを破(やぶ)るな、その中(なか)に祝福(しゅくふく)があるから』と言(い)う。
そのようにわたしは、わがしもべらのために行(おこな)って、
ことごとくは滅(ほろ)ぼさない。
9わたしはヤコブから子孫(しそん)をいだし、
ユダからわが山々(やまやま)を受(う)けつぐべき者(もの)をいだす。
わたしが選(えら)んだ者(もの)はこれを受(う)けつぎ、
わがしもべらはそこに住(す)む。
10シャロンは羊(ひつじ)の群(む)れの牧場(まきば)となり、
アコルの谷(たに)は牛(うし)の群(む)れの伏(ふ)す所(ところ)となって、
わたしを尋(たず)ね求(もと)めたわが民(たみ)のものとなる。
11しかし主(しゅ)を捨(す)て、
わが聖(せい)なる山(やま)を忘(わす)れ、
机(つくえ)を禍福(かふく)の神(かみ)に供(そな)え、
混(ま)ぜ合(あ)わせた酒(さけ)を盛(も)って
運命(うんめい)の神(かみ)にささげるあなたがたよ、
12わたしは、あなたがたを
つるぎに渡(わた)すことに定(さだ)めた。
あなたがたは皆(みな)かがんでほふられる。
あなたがたはわたしが呼(よ)んだときに答(こた)えず、
わたしが語(かた)ったときに聞(き)かず、
わたしの目(め)に悪(わる)い事(こと)をおこない、
わたしの好(この)まなかった事(こと)を選(えら)んだからだ」。


13それゆえ、主(しゅ)なる神(かみ)はこう言(い)われる、
「見(み)よ、わがしもべたちは食(た)べる、
しかし、あなたがたは飢(う)える。
見(み)よ、わがしもべたちは飲(の)む、
しかし、あなたがたはかわく。
見(み)よ、わがしもべたちは喜(よろこ)ぶ、
しかし、あなたがたは恥(は)じる。
14見(み)よ、わがしもべたちは心(こころ)の楽(たの)しみによって歌(うた)う、
しかし、あなたがたは心(こころ)の苦(くる)しみによって叫(さけ)び、
たましいの悩(なや)みによって泣(な)き叫(さけ)ぶ。
15あなたがたの残(のこ)す名(な)は
わが選(えら)んだ者(もの)には、のろいの文句(もんく)となり、
主(しゅ)なる神(かみ)はあなたがたを殺(ころ)される。
しかし、おのれのしもべたちを、
ほかの名(な)をもって呼(よ)ばれる。
16それゆえ、地(ち)にあって
おのれのために祝福(しゅくふく)を求(もと)める者(もの)は、
真実(しんじつ)の神(かみ)によっておのれの祝福(しゅくふく)を求(もと)め、
地(ち)にあって誓(ちか)う者(もの)は、真実(しんじつ)の神(かみ)をさして誓(ちか)う。
さきの悩(なや)みは忘(わす)れられて、とわが目(め)から隠(かく)れうせるからである。


17見(み)よ、わたしは新(あたら)しい天(てん)と、新(あたら)しい地(ち)とを創造(そうぞう)する。
さきの事(こと)はおぼえられることなく、
心(こころ)に思(おも)い起(おこ)すことはない。
18しかし、あなたがたはわたしの創造(そうぞう)するものにより、
とこしえに楽(たの)しみ、喜(よろこ)びを得(え)よ。
見(み)よ、わたしはエルサレムを造(つく)って喜(よろこ)びとし、
その民(たみ)を楽(たの)しみとする。
19わたしはエルサレムを喜(よろこ)び、わが民(たみ)を楽(たの)しむ。
泣(な)く声(こえ)と叫(さけ)ぶ声(こえ)は再(ふたた)びその中(なか)に聞(きこ)えることはない。
20わずか数日(すうじつ)で死(し)ぬみどりごと、
おのが命(いのち)の日(ひ)を満(み)たさない老人(ろうじん)とは、
もはやその中(なか)にいない。
百歳(さい)で死(し)ぬ者(もの)も、なお若(わか)い者(もの)とせられ、
百歳(さい)で死(し)ぬ者(もの)は、のろわれた罪(つみ)びととされる。
21彼(かれ)らは家(いえ)を建(た)てて、それに住(す)み、
ぶどう畑(ばたけ)を作(つく)って、その実(み)を食(た)べる。
22彼(かれ)らが建(た)てる所(ところ)に、ほかの人(ひと)は住(す)まず、
彼(かれ)らが植(う)えるものは、ほかの人(ひと)が食(た)べない。
わが民(たみ)の命(いのち)は、木(き)の命(いのち)のようになり、
わが選(えら)んだ者(もの)は、
その手(て)のわざをながく楽(たの)しむからである。
23彼(かれ)らの勤労(きんろう)はむだでなく、
その生(う)むところの子(こ)らは災(わざわい)にかからない。
彼(かれ)らは主(しゅ)に祝福(しゅくふく)された者(もの)のすえであって、
その子(こ)らも彼(かれ)らと共(とも)におるからである。
24彼(かれ)らが呼(よ)ばないさきに、わたしは答(こた)え、
彼(かれ)らがなお語(かた)っているときに、わたしは聞(き)く。
25おおかみと小羊(こひつじ)とは共(とも)に食(く)らい、
ししは牛(うし)のようにわらを食(く)らい、
へびはちりを食物(しょくもつ)とする。
彼(かれ)らはわが聖(せい)なる山(やま)のどこでもそこなうことなく、
やぶることはない」と主(しゅ)は言(い)われる。

第六六章


1主(しゅ)はこう言(い)われる、
「天(てん)はわが位(くらい)、地(ち)はわが足(あし)台(だい)である。
あなたがたはわたしのためにどんな家(いえ)を建(た)てようとするのか。
またどんな所(ところ)がわが休(やす)み所(ところ)となるのか」。
2主(しゅ)は言(い)われる、
「わが手(て)はすべてこれらの物(もの)を造(つく)った。
これらの物(もの)はことごとくわたしのものである。
しかし、わたしが顧(かえり)みる人(ひと)はこれである。
すなわち、へりくだって心(こころ)悔(く)い、
わが言葉(ことば)に恐(おそ)れおののく者(もの)である。
3牛(うし)をほふる者(もの)は、また人(ひと)を殺(ころ)す者(もの)、
小羊(こひつじ)を犠牲(ぎせい)とする者(もの)は、また犬(いぬ)をくびり殺(ころ)す者(もの)、
供(そな)え物(もの)をささげる者(もの)は、また豚(ぶた)の血(ち)をささげる者(もの)、
乳香(にゅうこう)を記念(きねん)としてささげる者(もの)は、
また偶像(ぐうぞう)をほめる者(もの)である。
これはおのが道(みち)を選(えら)び、
その心(こころ)は憎(にく)むべきものを楽(たの)しむ。
4わたしもまた彼(かれ)らのために悩(なや)みを選(えら)び、
彼(かれ)らの恐(おそ)れるところのものを彼(かれ)らに臨(のぞ)ませる。
これは、わたしが呼(よ)んだときに答(こた)える者(もの)なく、
わたしが語(かた)ったときに聞(き)くことをせず、
わたしの目(め)に悪(わる)い事(こと)を行(おこな)い、
わたしの好(この)まなかった事(こと)を選(えら)んだからである」。


5あなたがた、主(しゅ)の言葉(ことば)に恐(おそ)れおののく者(もの)よ、
主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)け、
「あなたがたの兄弟(きょうだい)たちはあなたがたを憎(にく)み、
あなたがたをわが名(な)のために追(お)い出(だ)して言(い)った、
『願(ねが)わくは主(しゅ)がその栄光(えいこう)をあらわして
われわれにあなたがたの喜(よろこ)びを見(み)させよ』と。
しかし彼(かれ)らは恥(はじ)を受(う)ける。


6聞(き)けよ、町(まち)から起(おこ)る騒(さわ)ぎを。
宮(みや)から聞(きこ)える声(こえ)を。
主(しゅ)がその敵(てき)に報復(ほうふく)される声(こえ)を。


7シオンは産(う)みの苦(くる)しみをなす前(まえ)に産(う)み、
その苦(くる)しみの来(こ)ない前(まえ)に男子(だんし)を産(う)んだ。
8だれがこのような事(こと)を聞(き)いたか、
だれがこのような事(こと)どもを見(み)たか。
一つの国(くに)は一日(にち)の苦(くる)しみで生(うま)れるだろうか。
一つの国民(くにたみ)はひと時(とき)に生(うま)れるだろうか。
しかし、シオンは産(う)みの苦(くる)しみをするやいなや
その子(こ)らを産(う)んだ。
9わたしが出産(しゅっさん)に臨(のぞ)ませて
産(う)ませないことがあろうか」と
主(しゅ)は言(い)われる。
「わたしは産(う)ませる者(もの)なのに
胎(たい)をとざすであろうか」と
あなたの神(かみ)は言(い)われる。


10「すべてエルサレムを愛(あい)する者(もの)よ、
彼女(かのじょ)と共(とも)に喜(よろこ)べ、彼女(かのじょ)のゆえに楽(たの)しめ。
すべて彼女(かのじょ)のために悲(かな)しむ者(もの)よ、
彼女(かのじょ)と共(とも)に喜(よろこ)び楽(たの)しめ。
11あなたがたは慰(なぐさ)めを与(あた)えるエルサレムの乳(ち)ぶさから
乳(ちち)を吸(す)って飽(あ)くことができ、
またその豊(ゆた)かな栄(さか)えから
飲(の)んで楽(たの)しむことができるからだ」。


12主(しゅ)はこう言(い)われる、
「見(み)よ、わたしは川(かわ)のように彼女(かのじょ)に繁栄(はんえい)を与(あた)え、
みなぎる流(なが)れのように、もろもろの国(くに)の富(とみ)を与(あた)える。
あなたがたは乳(ちち)を飲(の)み、腰(こし)に負(お)われ、
ひざの上(うえ)であやされる。
13母(はは)のその子(こ)を慰(なぐさ)めるように、
わたしもあなたがたを慰(なぐさ)める。
あなたがたはエルサレムで慰(なぐさ)めを得(え)る。
14あなたがたは見(み)て、心(こころ)喜(よろこ)び、
あなたがたの骨(ほね)は若草(わかくさ)のように栄(さか)える。
主(しゅ)の手(て)はそのしもべらと共(とも)にあり、
その憤(いきどお)りはその敵(てき)にむかっていることを知(し)る。


15見(み)よ、主(しゅ)は火(ひ)の中(なか)にあらわれて来(こ)られる。
その車(くるま)はつむじ風(かぜ)のようだ。
激(はげ)しい怒(いか)りをもってその憤(いきどお)りをもらし、
火(ひ)の炎(ほのお)をもって責(せ)められる。
16主(しゅ)は火(ひ)をもって、またつるぎをもって、
すべての人(ひと)にさばきを行(おこな)われる。
主(しゅ)に殺(ころ)される者(もの)は多(おお)い」。

17「みずからを聖別(せいべつ)し、みずからを清(きよ)めて園(その)に行(い)き、その中(なか)にあるものに従(したが)い、豚(ぶた)の肉(にく)、憎(にく)むべき物(もの)およびねずみを食(く)う者(もの)はみな共(とも)に絶(た)えうせる」と主(しゅ)は言(い)われる。

18「わたしは彼(かれ)らのわざと、彼(かれ)らの思(おも)いとを知(し)っている。わたしは来(き)て、すべての国民(こくみん)と、もろもろのやからとを集(あつ)める。彼(かれ)らは来(き)て、わが栄光(えいこう)を見(み)る。 19わたしは彼(かれ)らの中(なか)に一つのしるしを立(た)てて、のがれた者(もの)をもろもろの国(くに)、すなわちタルシシ、よく弓(ゆみ)をひくプトおよびルデ、トバル、ヤワン、またわが名声(めいせい)を聞(き)かず、わが栄光(えいこう)を見(み)ない遠(とお)くの海沿(うみぞ)いの国々(くにぐに)につかわす。彼(かれ)らはわが栄光(えいこう)をもろもろの国民(こくみん)の中(なか)に伝(つた)える。 20彼(かれ)らはイスラエルの子(こ)らが清(きよ)い器(うつわ)に供(そな)え物(もの)を盛(も)って主(しゅ)の宮(みや)に携(たずさ)えて来(く)るように、あなたがたの兄弟(きょうだい)をことごとくもろもろの国(くに)の中(なか)から馬(うま)、車(くるま)、かご、騾馬(らば)、らくだに乗(の)せて、わが聖(せい)なる山(やま)エルサレムにこさせ、主(しゅ)の供(そな)え物(もの)とする」と主(しゅ)は言(い)われる。 21「わたしはまた彼(かれ)らの中(なか)から人(ひと)を選(えら)んで祭司(さいし)とし、レビびととする」と主(しゅ)は言(い)われる。


22「わたしが造(つく)ろうとする新(あたら)しい天(てん)と、新(あたら)しい地(ち)が
わたしの前(まえ)にながくとどまるように、
あなたの子孫(しそん)と、あなたの名(な)は
ながくとどまる」と主(しゅ)は言(い)われる。
23「新月(しんげつ)ごとに、安息日(あんそくにち)ごとに、
すべての人(ひと)はわが前(まえ)に来(き)て礼(れい)拝(はい)する」と
主(しゅ)は言(い)われる。

24「彼(かれ)らは出(で)て、わたしにそむいた人々(ひとびと)のしかばねを見(み)る。そのうじは死(し)なず、その火(ひ)は消(き)えることがない。彼(かれ)らはすべての人(ひと)に忌(い)みきらわれる」。