エレミヤ書

第一章

1ベニヤミンの地(ち)アナトテの祭司(さいし)のひとりである、ヒルキヤの子(こ)エレミヤの言葉(ことば)。 2アモンの子(こ)、ユダの王(おう)ヨシヤの時(とき)、すなわちその治世(ちせい)の十三年(ねん)に、主(しゅ)の言葉(ことば)がエレミヤに臨(のぞ)んだ。 3その言葉(ことば)はまたヨシヤの子(こ)、ユダの王(おう)エホヤキムの時(とき)にも臨(のぞ)んで、ヨシヤの子(こ)、ユダの王(おう)ゼデキヤの十一年(ねん)の終(おわ)り、すなわちその年(ねん)の五月(がつ)にエルサレムの民(たみ)が捕(とら)え移(うつ)された時(とき)にまで及(およ)んだ。

4主(しゅ)の言葉(ことば)がわたしに臨(のぞ)んで言(い)う、
5「わたしはあなたをまだ母(はは)の胎(たい)につくらないさきに、
あなたを知(し)り、
あなたがまだ生(うま)れないさきに、
あなたを聖別(せいべつ)し、
あなたを立(た)てて万国(ばんこく)の預言者(よげんしゃ)とした」。
6その時(とき)わたしは言(い)った、「ああ、主(しゅ)なる神(かみ)よ、わたしはただ若者(わかもの)にすぎず、どのように語(かた)ってよいか知(し)りません」。 7しかし主(しゅ)はわたしに言(い)われた、
「あなたはただ若者(わかもの)にすぎないと言(い)ってはならない。
だれにでも、すべてわたしがつかわす人(ひと)へ行(い)き、
あなたに命(めい)じることをみな語(かた)らなければならない。
8彼(かれ)らを恐(おそ)れてはならない、
わたしがあなたと共(とも)にいて、
あなたを救(すく)うからである」と主(しゅ)は仰(おお)せられる。
9そして主(しゅ)はみ手(て)を伸(の)べて、わたしの口(くち)につけ、主(しゅ)はわたしに言(い)われた、
「見(み)よ、わたしの言葉(ことば)をあなたの口(くち)に入(い)れた。
10見(み)よ、わたしはきょう、
あなたを万民(ばんみん)の上(うえ)と、万国(ばんこく)の上(うえ)に立(た)て、
あなたに、あるいは抜(ぬ)き、あるいはこわし、
あるいは滅(ほろ)ぼし、あるいは倒(たお)し、
あるいは建(た)て、あるいは植(う)えさせる」。

11主(しゅ)の言葉(ことば)がまたわたしに臨(のぞ)んで言(い)う、「エレミヤよ、あなたは何(なに)を見(み)るか」。わたしは答(こた)えた、「あめんどうの枝(えだ)を見(み)ます」。 12主(しゅ)はわたしに言(い)われた、「あなたの見(み)たとおりだ。わたしは自分(じぶん)の言葉(ことば)を行(おこな)おうとして見張(みは)っているのだ」。

13主(しゅ)の言葉(ことば)がふたたびわたしに臨(のぞ)んで言(い)う、「あなたは何(なに)を見(み)るか」。わたしは答(こた)えた、「煮(に)え立(た)っているなべを見(み)ます。北(きた)からこちらに向(む)かっています」。 14主(しゅ)はわたしに言(い)われた、「災(わざわい)が北(きた)から起(た)って、この地(ち)に住(す)むすべての者(もの)の上(うえ)に臨(のぞ)む」。 15主(しゅ)は言(い)われる、「見(み)よ、わたしは北(きた)の国々(くにぐに)のすべての民(たみ)を呼(よ)ぶ。彼(かれ)らは来(き)て、エルサレムの門(もん)の入口(いりぐち)と、周囲(しゅうい)のすべての城壁(じょうへき)、およびユダのすべての町々(まちまち)に向(む)かって、おのおのその座(ざ)を設(もう)ける。 16わたしは、彼(かれ)らがわたしを捨(す)てて、すべての悪事(あくじ)を行(おこな)ったゆえに、わたしのさばきを彼(かれ)らに告(つ)げる。彼(かれ)らは他(た)の神々(かみがみ)に香(こう)をたき、自分(じぶん)の手(て)で作(つく)った物(もの)を拝(はい)したのである。 17しかしあなたは腰(こし)に帯(おび)して立(た)ち、わたしが命(めい)じるすべての事(こと)を彼(かれ)らに告(つ)げよ。彼(かれ)らを恐(おそ)れてはならない。さもないと、わたしは彼(かれ)らの前(まえ)であなたをあわてさせる。 18見(み)よ、わたしはきょう、この全国(ぜんこく)と、ユダの王(おう)と、そのつかさと、その祭司(さいし)と、その地(ち)の民(たみ)の前(まえ)に、あなたを堅(かた)き城(しろ)、鉄(てつ)の柱(はしら)、青銅(せいどう)の城壁(じょうへき)とする。 19彼(かれ)らはあなたと戦(たたか)うが、あなたに勝(か)つことはできない。わたしがあなたと共(とも)にいて、あなたを救(すく)うからである」と主(しゅ)は言(い)われる。

第二章

1主(しゅ)の言葉(ことば)がわたしに臨(のぞ)んで言(い)う、 2「行(い)って、エルサレムに住(す)む者(もの)の耳(みみ)に告(つ)げよ、主(しゅ)はこう言(い)われる、
わたしはあなたの若(わか)い時(とき)の純情(じゅんじょう)、
花嫁(はなよめ)の時(とき)の愛(あい)、
荒野(あらの)なる、種(たね)まかぬ地(ち)で
わたしに従(したが)ったことを覚(おぼ)えている。
3イスラエルは主(しゅ)のために聖別(せいべつ)されたもの、
その刈入(かりい)れの初穂(はつほ)である。
すべてこれを食(た)べる者(もの)は罪(つみ)せられ、
災(わざわい)にあう」と主(しゅ)は言(い)われる。

4ヤコブの家(いえ)とイスラエルの家(いえ)のすべてのやからよ、主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)け。 5主(しゅ)はこう言(い)われる、
「あなたがたの先祖(せんぞ)は、
わたしになんの悪(わる)い事(こと)があるのを見(み)て、
わたしから遠(とお)ざかり、
むなしいものに従(したが)って、むなしくなったのか。
6彼(かれ)らは言(い)わなかった、
『われわれをエジプトの地(ち)より導(みちび)き出(だ)し、
荒野(あらの)なる、穴(あな)の多(おお)い荒(あ)れた地(ち)、
かわいた濃(こ)い暗黒(あんこく)の地(ち)、
人(ひと)の通(とお)らない、人(ひと)の住(す)まない地(ち)を
通(とお)らせた主(しゅ)はどこにおられるか』と。
7わたしはあなたがたを導(みちび)いて豊(ゆた)かな地(ち)に入(い)れ、
その実(み)と良(よ)い物(もの)を食(た)べさせた。
しかしあなたがたはここにはいって、
わたしの地(ち)を汚(けが)し、
わたしの嗣(し)業(ぎょう)を憎(にく)むべきものとした。
8祭司(さいし)たちは、
『主(しゅ)はどこにおられるか』と言(い)わなかった。
律法(りっぽう)を扱(あつか)う者(もの)たちはわたしを知(し)らず、
つかさたちはわたしにそむき、
預言者(よげんしゃ)たちはバアルによって預言(よげん)し、
益(えき)なき者(もの)に従(したが)って行(い)った。

9それゆえ、わたしはなお、あなたがたと争(あらそ)う、
またあなたがたの子孫(しそん)と争(あらそ)う」と主(しゅ)は言(い)われる。
10「あなたがたはクプロの島々(しまじま)に渡(わた)ってみよ、
また人(ひと)をケダルにつかわして、
このようなことがかつてあったかを
つまびらかに、しらべてみよ。
11その神(かみ)を神(かみ)ではない者(もの)に取(と)り替(か)えた国(くに)があろうか。
ところが、わたしの民(たみ)はその栄光(えいこう)を
益(えき)なきものと取(と)り替(か)えた。
12天(てん)よ、この事(こと)を知(し)って驚(おどろ)け、
おののけ、いたく恐(おそ)れよ」と主(しゅ)は言(い)われる。
13「それは、わたしの民(たみ)が
二つの悪(あ)しき事(こと)を行(おこな)ったからである。
すなわち生(い)ける水(みず)の源(みなもと)であるわたしを捨(す)てて、
自分(じぶん)で水(みず)ためを掘(ほ)った。
それは、こわれた水(みず)ためで、
水(みず)を入(い)れておくことのできないものだ。

14イスラエルは奴隷(どれい)であるか、
家(いえ)に生(うま)れたしもべであるか。
それならなぜ捕(とら)われの身(み)となったのか。
15ししは彼(かれ)に向(む)かってほえ、
その声(こえ)を高(たか)くあげて、彼(かれ)の地(ち)を荒(あら)した。
その町々(まちまち)は滅(ほろ)びて住(す)む人(ひと)もない。
16メンピスとタパネスの人々(ひとびと)もまた、
あなたのかしらの冠(かんむり)を砕(くだ)いた。
17あなたの神(かみ)、主(しゅ)があなたを道(みち)に導(みちび)かれた時(とき)、
あなたは主(しゅ)を捨(す)てたので、
この事(こと)があなたに及(およ)んだのではないか。
18あなたがナイルの水(みず)を飲(の)もうとして、
エジプトへ行(い)くのは何(なに)のためか。
またユフラテの水(みず)を飲(の)もうとして、
アッスリヤへ行(い)くのは何(なに)のためか。
19あなたの悪事(あくじ)はあなたを懲(こら)しめ、
あなたの背信(はいしん)はあなたを責(せ)める。
あなたが、あなたの神(かみ)、主(しゅ)を捨(す)てることの
悪(あ)しくかつ苦(にが)いことであるのを見(み)て知(し)るがよい。
わたしを恐(おそ)れることがあなたのうちにないのだ」と
万軍(ばんぐん)の神(かみ)、主(しゅ)は言(い)われる。

20「あなたは久(ひさ)しい以前(いぜん)に自分(じぶん)のくびきを折(お)り、
自分(じぶん)のなわめを断(た)ち切(き)って、
『わたしは仕(つか)えることをしない』と言(い)った。
そして、すべての高(たか)い丘(おか)の上(うえ)と、
すべての青(あお)木(き)の下(した)で、
遊女(ゆうじょ)のように身(み)をかがめた。
21わたしはあなたを、まったく良(よ)い種(たね)の
すぐれたぶどうの木(き)として植(う)えたのに、
どうしてあなたは変(かわ)って、
悪(わる)い野(の)ぶどうの木(き)となったのか。
22たといソーダをもって自(みずか)ら洗(あら)い、
また多(おお)くの灰汁(あく)を用(もち)いても、
あなたの悪(あく)の汚(けが)れは、なおわたしの前(まえ)にある」と
主(しゅ)なる神(かみ)は言(い)われる。
23「どうしてあなたは、『わたしは汚(けが)れていない、
バアルに従(したが)わなかった』と言(い)うことができようか。
谷(たに)の中(なか)でのあなたの行(おこな)いを見(み)るがよい。
あなたのしたことを知(し)るがよい。
あなたは御(ぎょ)しがたい若(わか)いらくだであって、
その道(みち)を行(ゆ)きつもどりつする。
24あなたは荒野(あらの)に慣(な)れた野(の)の雌(め)ろばである、
その欲情(よくじょう)のために風(かぜ)にあえぐ。
その欲情(よくじょう)をだれがとどめることができようか。
すべてこれを尋(たず)ねる者(もの)は苦(く)労(ろう)するにおよばない、
その月(つき)であればこれに会(あ)うことができる。
25あなたの足(あし)が、はだしにならないように、
のどが、かわかないようにせよ。
ところが、あなたは言(い)った、『それはだめだ、
わたしは異(こと)なる国(くに)の者(もの)を愛(あい)して、
それに従(したが)って行(い)こう』と。

26盗(ぬす)びとが捕(とら)えられて、はずかしめを受(う)けるように、
イスラエルの家(いえ)は、はずかしめを受(う)ける。
彼(かれ)らはその王(おう)も、そのつかさも、
その祭司(さいし)も、その預言者(よげんしゃ)もみなそのとおりである。
27彼(かれ)らは木(き)に向(む)かって、
『あなたはわたしの父(ちち)です』と言(い)い、
また石(いし)に向(む)かって、
『あなたはわたしを生(う)んでくださった』と言(い)う。
彼(かれ)らは背(せ)をわたしに向(む)けて、
その顔(かお)をわたしに向(む)けない。
しかし彼(かれ)らが災(わざわい)にあう時(とき)は、
『立(た)って、われわれを救(すく)いたまえ』と言(い)う。
28あなたが自分(じぶん)のために造(つく)った神々(かみがみ)は
どこにいるのか。
あなたが災(わざわい)にあう時(とき)、
もし彼(かれ)らがあなたを救(すく)えるなら、
立(た)ってもらうがよい。
ユダよ、あなたの神々(かみがみ)は、
あなたの町(まち)の数(かず)ほど多(おお)いからである。
29あなたがたは、なぜわたしと争(あらそ)うのか。
あなたがたは皆(みな)わたしにそむいている」と
主(しゅ)は言(い)われる。
30「わたしがあなたがたの子(こ)どもたちを
打(う)ったのはむだであった。
彼(かれ)らは戒(いまし)めを受(う)けず、
あなたがたのつるぎは、
たけりたつししのように、預言者(よげんしゃ)たちを滅(ほろ)ぼした。
31あなたがたこの世代(せだい)の人(ひと)よ、
主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)け。
わたしはイスラエルにとって、
荒野(あらの)であったであろうか。
暗黒(あんこく)の地(ち)であったであろうか。
それならなぜ、わたしの民(たみ)は『われわれは自由(じゆう)だ、
もはやあなたのところへは行(い)かない』と言(い)うのか。
32おとめはその飾(かざ)り物(もの)を忘(わす)れることができようか。
花嫁(はなよめ)はその帯(おび)を忘(わす)れることができようか。
ところが、わたしの民(たみ)の、
わたしを忘(わす)れた日(ひ)は数(かぞ)えがたい。

33あなたは恋人(こいびと)を尋(たず)ねて、
いかにも巧(たく)みにその方(ほう)に足(あし)を向(む)ける。
それゆえ悪(わる)い女(おんな)さえ、あなたの道(みち)を学(まな)んだ。
34また、あなたの着物(きもの)のすそには
罪(つみ)のない貧(まず)しい人(ひと)の命(いのち)の血(ち)がついている。
あなたは彼(かれ)らが押(お)し入(い)るのを見(み)たのではない。
しかも、すべてこれらの事(こと)にもかかわらず、
35あなたは言(い)う、『わたしは罪(つみ)がない。彼(かれ)の怒(いか)りは、
決(けっ)してわたしに臨(のぞ)むことがない』と。
あなたが『わたしは罪(つみ)を犯(おか)さなかった』と
言(い)うことによって、わたしはあなたをさばく。
36あなたはなぜ軽々(かるがる)しくさまよって、
その道(みち)を変(か)えようとするのか。
あなたはアッスリヤに、はずかしめを受(う)けたように、
エジプトにもまた、はずかしめを受(う)ける。
37あなたはまた両手(りょうて)を頭(あたま)に置(お)いて、そこから出(で)て来(く)る。
主(しゅ)があなたの頼(たの)みとする者(もの)どもを捨(す)てられたので、
あなたは彼(かれ)らによって栄(さか)えることがないからだ。

第三章


1もし人(ひと)がその妻(つま)を離婚(りこん)し、
女(おんな)が彼(かれ)のもとを去(さ)って、他人(たにん)の妻(つま)となるなら、
その人(ひと)はふたたび彼女(かのじょ)に帰(かえ)るであろうか。
その地(ち)は大(おお)いに汚(けが)れないであろうか。
あなたは多(おお)くの恋人(こいびと)と姦淫(かんいん)を行(おこな)った。
しかもわたしに帰(かえ)ろうというのか」と主(しゅ)は言(い)われる。
2「目(め)をあげてもろもろの裸(はだか)の山(やま)を見(み)よ、
姦淫(かんいん)を行(おこな)わなかった所(ところ)がどこにあるか。
荒野(あらの)にいるアラビヤびとがするように、
あなたは道(みち)のかたわらに座(ざ)して恋人(こいびと)を待(ま)った。
あなたは姦淫(かんいん)の悪事(あくじ)をもって、この地(ち)を汚(けが)した。
3それゆえ雨(あめ)はとどめられ、春(はる)の雨(あめ)は降(ふ)らなかった。
しかもあなたには遊女(ゆうじょ)の額(ひたい)があり、
少(すこ)しも恥(は)じようとはしない。
4今(いま)あなたは、わたしを呼(よ)んで言(い)ったではないか、
『わが父(ちち)よ、あなたはわたしの若(わか)い時(とき)の友(とも)です。
5永久(えいきゅう)に怒(いか)られるのですか、
終(おわ)りまで憤(いきどお)られるのですか』と。
見(み)よ、あなたはこう言(い)ったけれども、
なしうるかぎりのもろもろの悪(あく)を行(おこな)った」。

6ヨシヤ王(おう)の時(とき)、主(しゅ)はまたわたしに言(い)われた、「あなたは、かの背信(はいしん)のイスラエルがしたことを見(み)たか。彼女(かのじょ)はすべての高(たか)い丘(おか)にのぼり、すべての青(あお)木(き)の下(した)に行(い)って、そこで姦淫(かんいん)を行(おこな)った。 7わたしは、彼女(かのじょ)がこのすべてを行(おこな)った後(のち)、わたしの所(ところ)に帰(かえ)るであろうと思(おも)ったが、帰(かえ)ってこなかった。その不信(ふしん)の姉妹(しまい)ユダはこれを見(み)た。 8わたしが背信(はいしん)のイスラエルを、そのすべての姦淫(かんいん)のゆえに、離縁(りえん)状(じょう)を与(あた)えて出(だ)したのをユダは見(み)た。しかもその不信(ふしん)の姉妹(しまい)ユダは恐(おそ)れず、自分(じぶん)も行(い)って姦淫(かんいん)を行(おこな)った。 9彼女(かのじょ)にとって姦淫(かんいん)は軽(かる)いことであったので、石(いし)と木(き)とに姦淫(かんいん)を行(い)って、この地(ち)を汚(けが)した。 10このすべての事(こと)があっても、なおその不信(ふしん)の姉妹(しまい)ユダは真心(まごころ)をもってわたしに帰(かえ)らない、ただ偽(いつわ)っているだけだ」と主(しゅ)は言(い)われる。

11主(しゅ)はまたわたしに言(い)われた、「背信(はいしん)のイスラエルは不信(ふしん)のユダよりも自分(じぶん)の罪(つみ)の少(すく)ないことを示(しめ)した。 12あなたは行(い)って北(きた)にむかい、この言葉(ことば)をのべて言(い)うがよい、
『主(しゅ)は言(い)われる、背信(はいしん)のイスラエルよ、帰(かえ)れ。
わたしは怒(いか)りの顔(かお)をあなたがたに向(む)けない、
わたしはいつくしみ深(ふか)い者(もの)である。
いつまでも怒(いか)ることはしないと、主(しゅ)は言(い)われる。
13ただあなたは自分(じぶん)の罪(つみ)を認(みと)め、
あなたの神(かみ)、主(しゅ)にそむいて
すべての青(あお)木(き)の下(した)で異(こと)なる神々(かみがみ)に
あなたの愛(あい)を惜(お)しまず与(あた)えたこと、
わたしの声(こえ)に聞(き)き従(したが)わなかったことを
言(い)いあらわせと、主(しゅ)は言(い)われる。
14主(しゅ)は言(い)われる、背信(はいしん)の子(こ)らよ、帰(かえ)れ。
わたしはあなたがたの夫(おっと)だからである。
町(まち)からひとり、氏族(しぞく)からふたりを取(と)って、
あなたがたをシオンへ連(つ)れて行(い)こう。

15わたしは自分(じぶん)の心(こころ)にかなう牧者(ぼくしゃ)たちをあなたがたに与(あた)える。彼(かれ)らは知識(ちしき)と悟(さと)りとをもってあなたがたを養(やしな)う。 16主(しゅ)は言(い)われる、あなたがたが地(ち)に増(ま)して多(おお)くなるとき、その日(ひ)には、人々(ひとびと)はかさねて「主(しゅ)の契約(けいやく)の箱(はこ)」と言(い)わず、これを思(おも)い出(だ)さず、これを覚(おぼ)えず、これを尋(たず)ねず、これを作(つく)らない。 17そのときエルサレムは主(しゅ)のみ位(くらい)ととなえられ、万国(ばんこく)の民(たみ)はここに集(あつ)まる。すなわち主(しゅ)の名(な)のもとにエルサレムに集(あつ)まり、かさねて、かたくなに自分(じぶん)の悪(わる)い心(こころ)に従(したが)うことはしない。 18その日(ひ)には、ユダの家(いえ)はイスラエルの家(いえ)と一緒(いっしょ)になり、北(きた)の地(ち)から出(で)て、わたしがあなたがたの先祖(せんぞ)たちに嗣(し)業(ぎょう)として与(あた)えた地(ち)に共(とも)に来(く)る。
19どのようにして、
あなたをわたしの子(こ)どもたちのうちに置(お)き、
万国(ばんこく)のうちで最(もっと)も美(うつく)しい嗣(し)業(ぎょう)である良(よ)い地(ち)を
あなたに与(あた)えようかと、わたしは思(おも)っていた。
わたしはまた、あなたがわたしを「わが父(ちち)」と呼(よ)び、
わたしに従(したが)って離(はな)れることはないと思(おも)っていた。
20イスラエルの家(いえ)よ、
背信(はいしん)の妻(つま)が夫(おっと)のもとを去(さ)るように、
たしかに、あなたがたはわたしにそむいた』と
主(しゅ)は言(い)われる」。

21裸(はだか)の山(やま)の上(うえ)に声(こえ)が聞(きこ)える、
イスラエルの民(たみ)が悲(かな)しみ祈(いの)るのである。
彼(かれ)らが曲(まが)った道(みち)に歩(あゆ)み、その神(かみ)、主(しゅ)を忘(わす)れたからだ。
22「背信(はいしん)の子(こ)どもたちよ、帰(かえ)れ。
わたしはあなたがたの背信(はいしん)をいやす」。

「見(み)よ、われわれはあなたのもとに帰(かえ)ります。
あなたはわれわれの神(かみ)、主(しゅ)であらせられます。
23まことに、もろもろの丘(おか)は迷(まよ)いであり、
山(やま)の上(うえ)の騒(さわ)ぎも同(おな)じです。
まことに、イスラエルの救(すくい)は
われわれの神(かみ)、主(しゅ)にあるのです。

24しかし、われわれの幼少(ようしょう)の時(とき)から、恥(は)ずべきことが、われわれの先祖(せんぞ)のほねおって得(え)たもの、すなわちその羊(ひつじ)、その牛(うし)、およびそのむすこ、娘(むすめ)たちをことごとくのみ尽(つく)しました。 25われわれは恥(はじ)の中(なか)に伏(ふ)し、はずかしめにおおわれています。それはわれわれと先祖(せんぞ)とが、われわれの幼少(ようしょう)の時(とき)から今日(こんにち)まで、われわれの神(かみ)、主(しゅ)に罪(つみ)を犯(おか)し、われわれの神(かみ)、主(しゅ)の声(こえ)に従(したが)わなかったからです」。

第四章


1主(しゅ)は言(い)われる、「イスラエルよ、
もし、あなたが帰(かえ)るならば、
わたしのもとに帰(かえ)らなければならない。
もし、あなたが憎(にく)むべき者(もの)を
わたしの前(まえ)から取(と)り除(のぞ)いて、ためらうことなく、
2また真実(しんじつ)と正義(せいぎ)と正直(しょうじき)とをもって、
『主(しゅ)は生(い)きておられる』と誓(ちか)うならば、
万国(ばんこく)の民(たみ)は彼(かれ)によって祝福(しゅくふく)を受(う)け、
彼(かれ)によって誇(ほこ)る」。
3主(しゅ)はユダの人々(ひとびと)とエルサレムに住(す)む人々(ひとびと)に
こう言(い)われる、
「あなたがたの新田(しんでん)を耕(たがや)せ、
いばらの中(なか)に種(たね)をまくな。
4ユダの人々(ひとびと)とエルサレムに住(す)む人々(ひとびと)よ、
あなたがたは自(みずか)ら割礼(かつれい)を行(おこな)って、
主(しゅ)に属(ぞく)するものとなり、
自分(じぶん)の心(こころ)の前(まえ)の皮(かわ)を取(と)り去(さ)れ。
さもないと、あなたがたの悪(あ)しき行(おこな)いのために
わたしの怒(いか)りが火(ひ)のように発(はっ)して燃(も)え、
これを消(け)す者(もの)はない」。

5ユダに告(つ)げ、エルサレムに示(しめ)して言(い)え、
「国中(くにぢゅう)にラッパを吹(ふ)き、大声(おおごえ)に呼(よ)ばわって言(い)え、
『集(あつ)まれ、われわれは堅固(けんご)な町々(まちまち)へ行(い)こう』と。
6シオンの方(ほう)を示(しめ)す旗(はた)を立(た)てよ。
避難(ひなん)せよ、とどまってはならない、
わたしが北(きた)から災(わざわい)と
大(おお)いなる破滅(はめつ)をこさせるからだ。
7ししはその森(もり)から出(で)てのぼり、
国々(くにぐに)を滅(ほろ)ぼす者(もの)は進(すす)んできた。
彼(かれ)はあなたの国(くに)を荒(あら)そうとして、
すでにその所(ところ)から出(で)てきた。
あなたの町々(まちまち)は滅(ほろ)ぼされて、
住(す)む者(もの)もなくなる。
8このために、あなたがたは荒布(あらぬの)を身(み)にまとって、
悲(かな)しみ嘆(なげ)け。
主(しゅ)の激(はげ)しい怒(いか)りが、
まだわれわれを離(はな)れないからだ」。

9主(しゅ)は言(い)われる、「その日(ひ)、王(おう)と君(きみ)たちとはその心(こころ)を失(うしな)い、祭司(さいし)は驚(おどろ)き、預言者(よげんしゃ)は怪(あや)しむ」。 10そこでわたしは言(い)った、「ああ主(しゅ)なる神(かみ)よ、まことにあなたはこの民(たみ)とエルサレムとをまったく欺(あざむ)かれました。『あなたがたは安(やす)らかになる』と言(い)われましたが、つるぎが命(いのち)にまでも及(およ)びました」。

11その時(とき)この民(たみ)とエルサレムとはこう告(つ)げられる、「熱(あつ)い風(かぜ)が荒野(あらの)の裸(はだか)の山(やま)からわたしの民(たみ)の娘(むすめ)のほうに吹(ふ)いてくる。これはあおぎ分(わ)けるためではなく、清(きよ)めるためでもない。 12これよりもなお激(はげ)しい風(かぜ)がわたしのために吹(ふ)く。いまわたしは彼(かれ)らにさばきを告(つ)げる」。
13見(み)よ、彼(かれ)は雲(くも)のように上(のぼ)ってくる。
その戦車(せんしゃ)はつむじ風(かぜ)のよう、
その馬(うま)はわしの飛(と)ぶよりも速(はや)い。
ああ、われわれはわざわいだ、
われわれは滅(ほろ)ぼされる。
14エルサレムよ、あなたの心(こころ)の悪(あく)を洗(あら)い清(きよ)めよ、
そうするならば救(すく)われる。
悪(あ)しき思(おも)いはいつまで
あなたのうちにとどまるのか。
15ダンから告(つ)げる声(こえ)がある、
エフライムの山(やま)から災(わざわい)を知(し)らせている。
16国々(くにぐに)の民(たみ)に彼(かれ)の来(く)ることを告(つ)げ、
またエルサレムに知(し)らせよ。
「攻(せ)めかこむ者(もの)が遠(とお)くの国(くに)から来(き)て、
ユダの町々(まちまち)にむかってその声(こえ)をあげる。
17彼(かれ)らは畑(はたけ)を守(まも)る者(もの)のようにこれを攻(せ)めかこむ。
それはわたしにそむいたからだと、主(しゅ)は言(い)われる。
18あなたの道(みち)とその行(おこな)いとが、
あなたの身(み)にこれを招(まね)いたのだ。
これはあなたの悪(あく)の結果(けっか)で、まことに苦(にが)く、
あなたの心(こころ)をつらぬく」。

19ああ、わがはらわたよ、わがはらわたよ、
わたしは苦(くる)しみにもだえる。
ああ、わが心臓(しんぞう)の壁(かべ)よ、
わたしの心臓(しんぞう)は、はげしく鼓動(こどう)する。
わたしは沈黙(ちんもく)を守(まも)ることができない、
ラッパの声(こえ)と、戦(たたか)いの叫(さけ)びを聞(き)くからである。
20破壊(はかい)に次(つ)ぐに破壊(はかい)があり、
全(ぜん)地(ち)は荒(あら)され、
わたしの天幕(てんまく)はにわかに破(やぶ)られ、
わたしの幕(まく)はたちまち破(やぶ)られた。
21いつまでわたしは旗(はた)を見(み)、
またラッパの声(こえ)を聞(き)かなければならないのか。
22「わたしの民(たみ)は愚(おろ)かであって、わたしを知(し)らない。
彼(かれ)らは愚鈍(ぐどん)な子(こ)どもらで、悟(さと)ることがない。
彼(かれ)らは悪(あく)を行(おこな)うのにさといけれども、
善(ぜん)を行(おこな)うことを知(し)らない」。

23わたしは地(ち)を見(み)たが、
それは形(かたち)がなく、またむなしかった。
天(てん)をあおいだが、そこには光(ひかり)がなかった。
24わたしは山(やま)を見(み)たが、みな震(ふる)え、
もろもろの丘(おか)は動(うご)いていた。
25わたしは見(み)たが、人(ひと)はひとりもおらず、
空(そら)の鳥(とり)はみな飛(と)び去(さ)っていた。
26わたしは見(み)たが、豊(ゆた)かな地(ち)は荒(あ)れ地(ち)となり、
そのすべての町(まち)は、主(しゅ)の前(まえ)に、
その激(はげ)しい怒(いか)りの前(まえ)に、破壊(はかい)されていた。
27それは主(しゅ)がこう言(い)われたからだ、「全(ぜん)地(ち)は荒(あ)れ地(ち)となる。しかしわたしはことごとくはこれを滅(ほろ)ぼさない。
28このために地(ち)は悲(かな)しみ、上(うえ)なる天(てん)は暗(くら)くなる。
わたしがすでにこれを言(い)い、これを定(さだ)めたからだ。
わたしは悔(く)いない、またそれをする事(こと)をやめない」。

29どの町(まち)の人(ひと)も、騎兵(きへい)と射手(いて)の叫(さけ)びのために
逃(に)げて森(もり)に入(はい)り、岩(いわ)に上(のぼ)る。
町(まち)はみな捨(す)てられ、そこに住(す)む人(ひと)はない。
30ああ、荒(あら)された女(おんな)よ、あなたが紅(べに)の着物(きもの)をき、
金(きん)の飾(かざ)りで身(み)をよそおい、
目(め)を塗(ぬ)って大(おお)きくするのは、なんのためか。
あなたが美(うつく)しくしても、むだである。
あなたの恋人(こいびと)らはあなたを卑(いや)しめ、
あなたの命(いのち)を求(もと)めている。
31わたしは子(こ)を産(う)む女(おんな)のような声(こえ)、
ういごを産(う)む女(おんな)の苦(くる)しむような声(こえ)を聞(き)いた。
シオンの娘(むすめ)のあえぐ叫(さけ)びである。
両手(りょうて)を伸(の)べて彼女(かのじょ)は言(い)う、「わたしはわざわいだ、
わたしを殺(ころ)す者(もの)らの前(まえ)にわたしは気(き)が遠(とお)くなる」と。

第五章


1エルサレムのちまたを行(い)きめぐり、
見(み)て、知(し)るがよい。
その広場(ひろば)を尋(たず)ねて、公平(こうへい)を行(おこな)い、
真実(しんじつ)を求(もと)める者(もの)が、ひとりでもあるか捜(さが)してみよ。
あれば、わたしはエルサレムをゆるす。
2彼(かれ)らは、「主(しゅ)は生(い)きておられる」と言(い)うけれども、
実(じつ)は、偽(いつわ)って誓(ちか)うのだ。
3主(しゅ)よ、あなたの目(め)は、
真実(しんじつ)を顧(かえり)みられるではありませんか。
あなたが彼(かれ)らを打(う)たれても、痛(いた)みを覚(おぼ)えず、
彼(かれ)らを滅(ほろ)ぼされても、懲(こら)しめを受(う)けることを拒(こば)み、
その顔(かお)を岩(いわ)よりも堅(かた)くして、
悔(く)い改(あらた)めることを拒(こば)みました。

4それで、わたしは言(い)った、
「これらはただ貧(まず)しい愚(おろ)かな人々(ひとびと)で、
主(しゅ)の道(みち)と、神(かみ)のおきてを知(し)りません。
5わたしは偉(えら)い人(ひと)たちの所(ところ)へ行(い)って、彼(かれ)らに語(かた)ります。
彼(かれ)らは主(しゅ)の道(みち)を知(し)り、神(かみ)のおきてを知(し)っています」。
ところが、彼(かれ)らも皆(みな)おなじように、くびきを折(お)り、
なわめを断(た)っていた。

6それゆえ林(はやし)から、ししが出(で)てきて彼(かれ)らを殺(ころ)し、
荒野(あらの)から、おおかみが出(で)てきて彼(かれ)らを滅(ほろ)ぼす。
ひょうは彼(かれ)らの町々(まちまち)をねらっている。
そこから出(で)る者(もの)はみな裂(さ)かれる。
彼(かれ)らの罪(つみ)が多(おお)く、
その背信(はいしん)がはなはだしいからである。

7「わたしはどうしてあなたを、
ゆるすことができようか。
あなたの子(こ)どもらは、わたしを捨(す)てさり、
神(かみ)でもないものをさして誓(ちか)った。
わたしが彼(かれ)らを満(み)ち足(た)らせた時(とき)、
彼(かれ)らは姦淫(かんいん)を行(おこな)い、遊女(ゆうじょ)の家(いえ)に群(む)れ集(あつ)まった。
8彼(かれ)らは肥(こ)え太(ふと)った丈夫(じょうぶ)な雄(お)馬(うま)のように、
おのおの、いなないて隣(となり)の妻(つま)を慕(した)う。
9わたしはこれらの事(こと)のために
彼(かれ)らを罰(ばっ)しないでいられようか。
このような国民(こくみん)にあだを返(かえ)さないであろうか」と
主(しゅ)は言(い)われる。

10「あなたがたはユダのぶどうの並(な)み木(き)の間(あいだ)を、
のぼって行(い)って、滅(ほろ)ぼせ、
ただ、ことごとく滅(ほろ)ぼしてはならない。
その枝(えだ)を切(き)り除(のぞ)け、
主(しゅ)のものではないからである。
11イスラエルの家(いえ)とユダの家(いえ)とは
わたしにまったく不信(ふしん)であった」と主(しゅ)は言(い)われる。
12「彼(かれ)らは主(しゅ)について偽(いつわ)り語(かた)って言(い)った、
『主(しゅ)は何事(なにごと)もなされない、
災(わざわい)はわれわれに来(こ)ない、
またつるぎや、ききんを見(み)ることはない。
13預言者(よげんしゃ)らは風(かぜ)となり、彼(かれ)らのうちに言葉(ことば)はない。
彼(かれ)らはこのようになる』と」。

14それゆえ万軍(ばんぐん)の神(かみ)、主(しゅ)はこう言(い)われる、
「彼(かれ)らがこの言葉(ことば)を語(かた)ったので、
見(み)よ、わたしはあなたの口(くち)にある
わたしの言葉(ことば)を火(ひ)とし、この民(たみ)をたきぎとする。
火(ひ)は彼(かれ)らを焼(や)き尽(つく)す」。
15主(しゅ)は言(い)われる、「イスラエルの家(いえ)よ、
見(み)よ、わたしは遠(とお)い国(くに)の民(たみ)を
あなたがたのところに攻(せ)めこさせる。
その国(くに)は長(なが)く続(つづ)く国(くに)、古(ふる)い国(くに)で、
あなたがたはその国(くに)の言葉(ことば)を知(し)らず、
人々(ひとびと)の語(かた)るのを悟(さと)ることもできない。
16その箙(えびら)は開(ひら)いた墓(はか)のようであり、
彼(かれ)らはみな勇士(ゆうし)である。
17彼(かれ)らはあなたが刈(か)り入(い)れた物(もの)と、
あなたの糧食(りょうしょく)とを食(く)い尽(つく)し、
あなたのむすこ娘(むすめ)を食(く)い尽(つく)し、
あなたの羊(ひつじ)と牛(うし)を食(く)い尽(つく)し、
あなたのぶどうの木(き)といちじくの木(き)を食(く)い尽(つく)し、
またつるぎをもって、あなたが頼(たの)みとする
堅固(けんご)な町々(まちまち)を滅(ほろ)ぼす」。

18主(しゅ)は言(い)われる、「しかしその時(とき)でも、わたしはことごとくはあなたを滅(ほろ)ぼさない。 19あなたの民(たみ)が、『どうしてわれわれの神(かみ)、主(しゅ)はこれらのすべての事(こと)をわれわれになされたのか』と言(い)うならば、あなたは彼(かれ)らに答(こた)えなければならない、『あなたがたがわたしを捨(す)てて、自分(じぶん)の地(ち)で異(こと)なる神々(かみがみ)に仕(つか)えたように、あなたがたは自分(じぶん)のものでない地(ち)で異邦(いほう)の人(ひと)に仕(つか)えるようになる』と」。


20これをヤコブの家(いえ)にのべ、
またユダに示(しめ)して言(い)え、
21「愚(おろ)かで、悟(さと)りもなく、
目(め)があっても見(み)えず、
耳(みみ)があっても聞(きこ)えない民(たみ)よ、これを聞(き)け。
22主(しゅ)は言(い)われる、あなたがたはわたしを恐(おそ)れないのか、
わたしの前(まえ)におののかないのか。
わたしは砂(すな)を置(お)いて海(うみ)の境(さかい)とし、
これを永遠(えいえん)の限界(げんかい)として、
越(こ)えることができないようにした。
波(なみ)はさかまいても、勝(か)つことはできない、
鳴(な)りわたっても、これを越(こ)えることはできない。
23ところが、この民(たみ)には強情(ごうじょう)な、そむく心(こころ)があり、
彼(かれ)らはわき道(みち)にそれて、去(さ)ってしまった。
24彼(かれ)らは『われわれに雨(あめ)を与(あた)え、
秋(あき)の雨(あめ)と春(はる)の雨(あめ)を時(とき)にしたがって降(ふ)らせ、
われわれのために刈入(かりい)れの時(とき)を定(さだ)められた
われわれの神(かみ)、主(しゅ)を恐(おそ)れよう』と
その心(こころ)のうちに言(い)わないのだ。
25あなたがたのとがは、これらの事(こと)をしりぞけ、
あなたがたの罪(つみ)は、
良(よ)い物(もの)があなたがたに来(く)るのをさまたげた。
26わが民(たみ)のうちには悪(わる)い者(もの)があって、
鳥(とり)をとる人(ひと)のように身(み)をかがめてうかがい、
わなを置(お)いて人(ひと)を捕(とら)える。
27かごに鳥(とり)が満(み)ちているように、
彼(かれ)らの家(いえ)は不義(ふぎ)の宝(たから)で満(み)ちている。
それゆえ、彼(かれ)らは大(おお)いなる者(もの)、裕福(ゆうふく)な者(もの)となり、
28肥(こ)えて、つやがあり、
その悪(あ)しき行(おこな)いには際限(さいげん)がない。
彼(かれ)らは公正(こうせい)に、みなしごの訴(うった)えをさばいて、
それを助(たす)けようとはせず、
また貧(まず)しい人(ひと)の訴(うった)えをさばかない。
29主(しゅ)は言(い)われる、わたしはこのような事(こと)のために、
彼(かれ)らを罰(ばっ)しないであろうか。
わたしはこのような民(たみ)に、
あだを返(かえ)さないであろうか」。

30驚(おどろ)くべきこと、恐(おそ)るべきことがこの地(ち)に起(おこ)っている。
31預言者(よげんしゃ)は偽(いつわ)って預言(よげん)し、
祭司(さいし)は自分(じぶん)の手(て)によって治(おさ)め、
わが民(たみ)はこのようにすることを愛(あい)している。
しかしあなたがたは
その終(おわ)りにはどうするつもりか。

第六章


1ベニヤミンの人々(ひとびと)よ、
エルサレムの中(なか)から避難(ひなん)せよ。
テコアでラッパを吹(ふ)き、
ベテハケレムに合図(あいず)の火(ひ)をあげよ。
北(きた)から災(わざわい)が臨(のぞ)み、大(おお)いなる滅(ほろ)びが来(く)るからである。
2わたしは美(うつく)しい、たおやかなシオンの娘(むすめ)を滅(ほろ)ぼす。
3牧者(ぼくしゃ)たちは、その群(む)れをひきいて来(き)て、
彼女(かのじょ)を攻(せ)め、彼女(かのじょ)の周囲(しゅうい)に天幕(てんまく)を張(は)る。
群(む)れはおのおのその所(ところ)で草(くさ)を食(く)う。
4「戦(たたか)いを始(はじ)め、彼女(かのじょ)を攻(せ)めよ。
立(た)て、われわれは真昼(まひる)に攻撃(こうげき)しよう」。
「わざわいなるかな、日(ひ)ははや傾(かたむ)き、
夕日(ゆうひ)の影(かげ)は長(なが)くなった」。
5「立(た)て、われわれは夜(よる)の間(あいだ)に攻撃(こうげき)しよう、
そして彼女(かのじょ)のもろもろの宮殿(きゅうでん)を破壊(はかい)しよう」。

6万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はこう言(い)われる、
「あなたがたは彼女(かのじょ)の木(き)を切(き)り倒(たお)し、
エルサレムにむかって塁(るい)を築(きず)け。
これは罰(ばつ)すべき町(まち)である、そのうちにはただ圧制(あっせい)だけがある。
7井戸(いど)に新(あたら)しい水(みず)がわくように
彼女(かのじょ)はその悪(あく)を常(つね)にあらたに流(なが)す。
そのうちには暴虐(ぼうぎゃく)と破滅(はめつ)とが聞(きこ)える。
わたしの前(まえ)に病(やまい)と傷(きず)とが絶(た)えない。
8エルサレムよ、戒(いまし)めを受(う)けいれよ。
さもないと、わたしはあなたから離(はな)れ、
あなたを荒(あ)れ地(ち)とし、住(す)む人(ひと)のない地(ち)とする」。

9万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はこう言(い)われる、
「ぶどうの残(のこ)りを摘(つ)みとるように、
イスラエルの残(のこ)りの民(たみ)をのこらず摘(つ)み取(と)れ。
ぶどうを摘(つ)みとる人(ひと)のように、
あなたの手(て)をふたたびその枝(えだ)に伸(の)ばせ」。
10わたしはだれに語(かた)り、だれを戒(いまし)めて、聞(き)かせようか。
見(み)よ、彼(かれ)らの耳(みみ)は閉(と)ざされて、聞(き)くことができない。
見(み)よ、彼(かれ)らは主(しゅ)の言葉(ことば)をあざけり、それを喜(よろこ)ばない。
11それゆえ、わたしの身(み)には主(しゅ)の怒(いか)りが満(み)ち、
それを忍(しの)ぶのに、うみつかれている。
「それをちまたにいる子供(こども)らと、
集(あつ)まっている若(わか)い人々(ひとびと)とに漏(も)らせ。
夫(おっと)も妻(つま)も、老(お)いた人(ひと)も、
年(とし)のひじょうに進(すす)んだ人(ひと)も捕(とら)えられ、
12彼(かれ)らの家(いえ)と畑(はたけ)と妻(つま)とは共(とも)に他人(たにん)に渡(わた)る。
わたしが手(て)を伸(の)ばして、
この地(ち)に住(す)む者(もの)を撃(う)つからである」と主(しゅ)は言(い)われる。
13「それは彼(かれ)らが、小(ちい)さい者(もの)から大(おお)きい者(もの)まで、
みな不正(ふせい)な利(り)をむさぼり、
また預言者(よげんしゃ)から祭司(さいし)にいたるまで、
みな偽(いつわ)りを行(おこな)っているからだ。
14彼(かれ)らは、手軽(てがる)にわたしの民(たみ)の傷(きず)をいやし、
平安(へいあん)がないのに『平安(へいあん)、平安(へいあん)』と言(い)っている。
15彼(かれ)らは憎(にく)むべきことをして、恥(は)じたであろうか。
すこしも恥(は)ずかしいとは思(おも)わず、
また恥(は)じることを知(し)らなかった。
それゆえ彼(かれ)らは倒(たお)れる者(もの)と共(とも)に倒(たお)れる。
わたしが彼(かれ)らを罰(ばっ)するとき、
彼(かれ)らは倒(たお)れる」と主(しゅ)は言(い)われる。

16主(しゅ)はこう言(い)われる、
「あなたがたはわかれ道(みち)に立(た)って、よく見(み)、
いにしえの道(みち)につき、
良(よ)い道(みち)がどれかを尋(たず)ねて、その道(みち)に歩(あゆ)み、
そしてあなたがたの魂(たましい)のために、安息(あんそく)を得(え)よ。
しかし彼(かれ)らは答(こた)えて、
『われわれはその道(みち)に歩(あゆ)まない』と言(い)った。
17わたしはあなたがたの上(うえ)に見張(みはり)びとを立(た)て、
『ラッパの音(おと)に気(き)をつけよ』と言(い)った。
しかし彼(かれ)らは答(こた)えて、
『われわれは気(き)をつけることはしない』と言(い)った。
18それゆえ国々(くにぐに)の民(たみ)よ、聞(き)け。
会衆(かいしゅう)よ、彼(かれ)らにどのようなことが起(おこ)るかを知(し)れ。
19地(ち)よ、聞(き)け。見(み)よ、わたしはこの民(たみ)に災(わざわい)をくだす。
それは彼(かれ)らのたくらみの実(み)である。
彼(かれ)らがわたしの言葉(ことば)に気(き)をつけず、
わたしのおきてを捨(す)てたからである。
20シバから、わたしの所(ところ)に乳香(にゅうこう)が来(き)、
遠(とお)い国(くに)から、菖蒲(しょうぶ)が来(く)るのはなんのためか。
あなたがたの燔祭(はんさい)はわたしには喜(よろこ)ばしくなく、
あなたがたの犠牲(ぎせい)もうれしくはない。
21それゆえ主(しゅ)はこう言(い)われる、
『見(み)よ、わたしはこの民(たみ)の前(まえ)につまずく石(いし)を置(お)く、
人々(ひとびと)は父(ちち)も子(こ)も共(とも)にそれにつまずき、
隣(とな)り人(びと)もその友(とも)も滅(ほろ)びる』」。

22主(しゅ)はこう言(い)われる、
「見(み)よ、民(たみ)が北(きた)の国(くに)から来(く)る、
大(おお)いなる国民(こくみん)が地(ち)の果(はて)から興(おこ)る。
23彼(かれ)らは弓(ゆみ)とやりをとる。
彼(かれ)らは残忍(ざんにん)で、あわれみがなく、
海(うみ)のような響(ひび)きを立(た)てる。
シオンの娘(むすめ)よ、彼(かれ)らは馬(うま)に乗(の)り、
いくさ人(ひと)のように身(み)をよろって、
あなたを攻(せ)める」。
24われわれはそのうわさを聞(き)いて、
手(て)は弱(よわ)り、子(こ)を産(う)む女(おんな)に臨(のぞ)むような
悩(なや)みと苦(くる)しみとに捕(とら)えられた。
25畑(はたけ)に出(で)てはならない、
また道(みち)を歩(ある)いてはならない。
敵(てき)はつるぎを持(も)ち、恐(おそ)れが四方(しほう)にあるからだ。
26わが民(たみ)の娘(むすめ)よ、荒布(あらぬの)を身(み)にまとい、
灰(はい)の中(なか)にまろび、
ひとり子(こ)を失(うしな)った時(とき)のように、悲(かな)しみ、いたく嘆(なげ)け。
滅(ほろ)ぼす者(もの)が、にわかにわれわれを襲(おそ)うからだ。

27「わたしはあなたを民(たみ)のうちに立(た)てて、
ためす者(もの)、試(こころ)みる者(もの)とした。
あなたが彼(かれ)らの道(みち)を知(し)り、
それをためすことができるようにするためである。
28彼(かれ)らはみな、強情(ごうじょう)な反逆者(はんぎゃくしゃ)であって、
歩(ある)きまわって人(ひと)をそしる。
彼(かれ)らは青銅(せいどう)や鉄(てつ)であって、みな卑(いや)しいことを行(おこな)う。
29ふいごは激(はげ)しく吹(ふ)き、
鉛(なまり)は火(ひ)にとけて尽(つ)き、
精錬(せいれん)はいたずらに進(すす)む。
悪(あ)しき者(もの)がまだ除(のぞ)かれないからである。
30主(しゅ)が彼(かれ)らを捨(す)てられたので、
彼(かれ)らは捨(す)てられた銀(ぎん)と呼(よ)ばれる」。

第七章

1主(しゅ)からエレミヤに臨(のぞ)んだ言葉(ことば)はこうである。 2「主(しゅ)の家(いえ)の門(もん)に立(た)ち、その所(ところ)で、この言葉(ことば)をのべて言(い)え、主(しゅ)を拝(おが)むために、この門(もん)をはいるユダのすべての人(ひと)よ、主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)け。 3万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう言(い)われる、あなたがたの道(みち)とあなたがたの行(おこな)いを改(あらた)めるならば、わたしはあなたがたをこの所(ところ)に住(す)まわせる。 4あなたがたは、『これは主(しゅ)の神殿(しんでん)だ、主(しゅ)の神殿(しんでん)だ、主(しゅ)の神殿(しんでん)だ』という偽(いつわ)りの言葉(ことば)を頼(たの)みとしてはならない。

5もしあなたがたが、まことに、その道(みち)と行(おこな)いを改(あらた)めて、互(たがい)に公正(こうせい)を行(おこな)い、 6寄留(きりゅう)の他国(たこく)人(じん)と、みなしごと、やもめをしえたげることなく、罪(つみ)のない人(ひと)の血(ち)をこの所(ところ)に流(なが)すことなく、また、ほかの神々(かみがみ)に従(したが)って自(みずか)ら害(がい)をまねくことをしないならば、 7わたしはあなたがたを、わたしが昔(むかし)あなたがたの先祖(せんぞ)に与(あた)えたこの地(ち)に永遠(えいえん)に住(す)まわせる。

8見(み)よ、あなたがたは偽(いつわ)りの言葉(ことば)を頼(たの)みとしているが、それはむだである。 9あなたがたは盗(ぬす)み、殺(ころ)し、姦淫(かんいん)し、偽(いつわ)って誓(ちか)い、バアルに香(こう)をたき、あなたがたが以前(いぜん)には知(し)らなかった他(た)の神々(かみがみ)に従(したが)いながら、 10わたしの名(な)をもって、となえられるこの家(いえ)に来(き)てわたしの前(まえ)に立(た)ち、『われわれは救(すく)われた』と言(い)い、しかもすべてこれら憎(にく)むべきことを行(おこな)うのは、どうしたことか。 11わたしの名(な)をもって、となえられるこの家(いえ)が、あなたがたの目(め)には盗賊(とうぞく)の巣(す)と見(み)えるのか。わたし自身(じしん)、そう見(み)たと主(しゅ)は言(い)われる。 12わたしが初(はじ)めにわたしの名(な)を置(お)いた場所(ばしょ)シロへ行(い)き、わが民(たみ)イスラエルの悪(あく)のために、わたしがその場所(ばしょ)に対(たい)して行(おこな)ったことを見(み)よ。 13主(しゅ)は言(い)われる、今(いま)あなたがたはこれらのすべてのことを行(おこな)っている。またわたしはあなたがたに、しきりに語(かた)ったけれども、あなたがたは聞(き)かず、あなたがたを呼(よ)んだけれども答(こた)えなかった。 14それゆえわたしはシロに対(たい)して行(おこな)ったように、わたしの名(な)をもって、となえられるこの家(いえ)にも行(おこな)う。すなわちあなたがたが頼(たの)みとする所(ところ)、わたしがあなたがたと、あなたがたの先祖(せんぞ)に与(あた)えたこの所(ところ)に行(おこな)う。 15そしてわたしは、あなたがたのすべての兄弟(きょうだい)、すなわちエフライムのすべての子孫(しそん)を捨(す)てたように、わたしの前(まえ)からあなたがたをも捨(す)てる。

16あなたはこの民(たみ)のために祈(いの)ってはならない。彼(かれ)らのために嘆(なげ)き、祈(いの)ってはならない。またわたしに、とりなしをしてはならない。わたしはあなたの求(もと)めを聞(き)かない。 17あなたは彼(かれ)らがユダの町々(まちまち)と、エルサレムのちまたでしていることを見(み)ないのか。 18子(こ)どもらは、たきぎを集(あつ)め、父(ちち)たちは火(ひ)をたき、女(おんな)は粉(こな)をこね、パンを造(つく)ってこれを天后(てんこう)に供(そな)える。また彼(かれ)らは他(た)の神々(かみがみ)の前(まえ)に酒(さけ)を注(そそ)いで、わたしを怒(いか)らせる。 19主(しゅ)は言(い)われる、彼(かれ)らが怒(いか)らせるのはわたしなのか。自分(じぶん)たち自身(じしん)ではないのか。そして自(みずか)らうろたえている。 20それゆえ主(しゅ)なる神(かみ)はこう言(い)われる、見(み)よ、わたしの怒(いか)りと憤(いきどお)りを、この所(ところ)と、人(ひと)と獣(けもの)と、畑(はたけ)の木(き)と、地(ち)の産物(さんぶつ)とに注(そそ)ぐ。怒(いか)りは燃(も)えて消(き)えることがない」。

21万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう言(い)われる、「あなたがたの犠牲(ぎせい)に燔祭(はんさい)の物(もの)を合(あ)わせて肉(にく)を食(た)べるがよい。 22それはあなたがたの先祖(せんぞ)をエジプトの地(ち)から導(みちび)き出(だ)した日(ひ)に、わたしは燔祭(はんさい)と犠牲(ぎせい)とについて彼(かれ)らに語(かた)ったこともなく、また命(めい)じたこともないからである。 23ただわたしはこの戒(いまし)めを彼(かれ)らに与(あた)えて言(い)った、『わたしの声(こえ)に聞(き)きしたがいなさい。そうすれば、わたしはあなたがたの神(かみ)となり、あなたがたはわたしの民(たみ)となる。わたしがあなたがたに命(めい)じるすべての道(みち)を歩(あゆ)んで幸(さいわい)を得(え)なさい』と。 24しかし彼(かれ)らは聞(き)き従(したが)わず、耳(みみ)を傾(かたむ)けず、自分(じぶん)の悪(わる)い心(こころ)の計(はか)りごとと強情(ごうじょう)にしたがって歩(あゆ)み、悪(わる)くなるばかりで、よくはならなかった。 25あなたがたの先祖(せんぞ)がエジプトの地(ち)を出(で)た日(ひ)から今日(こんにち)まで、わたしはわたしのしもべである預言者(よげんしゃ)たちを日々(ひび)彼(かれ)らにつかわした。 26しかし彼(かれ)らはわたしに聞(き)かず、耳(みみ)を傾(かたむ)けないで強情(ごうじょう)になり、先祖(せんぞ)たちにもまさって悪(あく)を行(おこな)った。

27たといあなたが彼(かれ)らにこのすべての言葉(ことば)を語(かた)っても彼(かれ)らは聞(き)かない。また彼(かれ)らを呼(よ)んでもあなたに答(こた)えない。 28それゆえ、あなたはこう彼(かれ)らに言(い)わなければならない、『これはその神(かみ)、主(しゅ)の声(こえ)に聞(き)き従(したが)わず、その戒(いまし)めを受(う)けいれなかった国民(こくみん)である。真実(しんじつ)はうせ、彼(かれ)らの口(くち)から絶(た)えた。
29あなたの髪(かみ)の毛(け)を切(き)って捨(す)てよ、
裸(はだか)の山(やま)の上(うえ)に嘆(なげ)きの声(こえ)をあげよ。
主(しゅ)が、お怒(いか)りになっている世(よ)の人(ひと)を
退(しりぞ)け捨(す)てられたからだ』。

30主(しゅ)は言(い)われる、ユダの民(たみ)はわたしの前(まえ)に悪(あく)を行(おこな)い、わたしの名(な)をもってとなえられる家(いえ)に、憎(にく)むべき者(もの)を置(お)いてそこを汚(けが)した。 31またベンヒンノムの谷(たに)にあるトペテの高(たか)き所(ところ)を築(きず)いて、むすこ娘(むすめ)を火(ひ)に焼(や)いた。わたしはそれを命(めい)じたことはなく、またそのようなことを考(かんが)えたこともなかった。 32主(しゅ)は言(い)われる、それゆえに見(み)よ、その所(ところ)をトペテ、またはベンヒンノムの谷(たに)と呼(よ)ばないで、ほふりの谷(たに)と呼(よ)ぶ日(ひ)が来(く)る。それはほかに場所(ばしょ)がないので、トペテに葬(ほうむ)るからである。 33この民(たみ)の死体(したい)は空(そら)の鳥(とり)と地(ち)の獣(けもの)の食物(しょくもつ)となり、これを追(お)い払(はら)う者(もの)もない。 34そのときわたしはユダの町々(まちまち)とエルサレムのちまたに、喜(よろこ)びの声(こえ)、楽(たの)しみの声(こえ)、花婿(はなむこ)の声(こえ)、花嫁(はなよめ)の声(こえ)を絶(た)やす。この地(ち)は荒(あ)れ果(は)てるからである。

第八章

1主(しゅ)は言(い)われる、その時(とき)ユダの王(おう)たちの骨(ほね)と、そのつかさたちの骨(ほね)と、祭司(さいし)たちの骨(ほね)と、預言者(よげんしゃ)たちの骨(ほね)と、エルサレムに住(す)む人々(ひとびと)の骨(ほね)は墓(はか)より掘(ほ)り出(だ)されて、 2彼(かれ)らの愛(あい)し、仕(つか)え、従(したが)い、求(もと)め、また拝(おが)んだ、日(ひ)と月(つき)と天(てん)の衆(しゅう)群(ぐん)の前(まえ)にさらされる。その骨(ほね)は集(あつ)める者(もの)も葬(ほうむ)る者(もの)もなく、地(ち)のおもてに糞土(ふんど)のようになる。 3この悪(あ)しき民(たみ)のうちの残(のこ)っている残(のこ)りの者(もの)はみな、わたしが追(お)いやった場所(ばしょ)で、生(い)きることよりも死(し)ぬことを願(ねが)うようになると、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は言(い)われる。
4あなたは彼(かれ)らに言(い)わなければならない。
主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、
人(ひと)は倒(たお)れたならば、また起(お)きあがらないであろうか。
離(はな)れていったならば、帰(かえ)ってこないであろうか。
5それにどうしてこの民(たみ)は、
常(つね)にそむいて離(はな)れていくのか。
彼(かれ)らは偽(いつわ)りを固(かた)くとらえて、
帰(かえ)ってくることを拒(こば)んでいる。
6わたしは気(き)をつけて聞(き)いたが、
彼(かれ)らは正(ただ)しくは語(かた)らなかった。
その悪(あく)を悔(く)いて、
『わたしのした事(こと)は何(なに)か』という者(もの)はひとりもない。
彼(かれ)らはみな戦場(せんじょう)に、はせ入(い)る馬(うま)のように、
自分(じぶん)のすきな道(みち)に向(む)かう。
7空(そら)のこうのとりでもその時(とき)を知(し)り、
山(やま)ばとと、つばめと、つるはその来(く)る時(とき)を守(まも)る。
しかしわが民(たみ)は主(しゅ)のおきてを知(し)らない。

8どうしてあなたがたは、『われわれには知恵(ちえ)がある、
主(しゅ)のおきてがある』と言(い)うことができようか。
見(み)よ、まことに書記(しょき)の偽(いつわ)りの筆(ふで)が
これを偽(いつわ)りにしたのだ。
9知恵(ちえ)ある者(もの)は、はずかしめられ、
あわてふためき、捕(とら)えられる。
見(み)よ、彼(かれ)らは主(しゅ)の言葉(ことば)を捨(す)てた、
彼(かれ)らになんの知恵(ちえ)があろうか。
10それゆえ、わたしは彼(かれ)らの妻(つま)を他人(たにん)に与(あた)え、
その畑(はたけ)を征服(せいふく)者(しゃ)に与(あた)える。
それは彼(かれ)らが小(ちい)さい者(もの)から大(おお)きい者(もの)にいたるまで、
みな不正(ふせい)な利(り)をむさぼり、
預言者(よげんしゃ)から祭司(さいし)にいたるまで、
みな偽(いつわ)りを行(い)っているからである。
11彼(かれ)らは手軽(てがる)に、わたしの民(たみ)の傷(きず)をいやし、
平安(へいあん)がないのに、『平安(へいあん)、平安(へいあん)』と言(い)っている。
12彼(かれ)らは憎(にく)むべきことをして、恥(は)じたであろうか。
すこしも恥(は)ずかしいとは思(おも)わず、
また恥(は)じることを知(し)らなかった。
それゆえ彼(かれ)らは倒(たお)れる者(もの)と共(とも)に倒(たお)れる。
わたしが彼(かれ)らを罰(ばっ)するとき、
彼(かれ)らは倒(たお)れると、主(しゅ)は言(い)われる。
13主(しゅ)は言(い)われる、わたしが集(あつ)めようと思(おも)うとき、
ぶどうの木(き)にぶどうはなく、
いちじくの木(き)に、いちじくはなく、
葉(は)さえ、しぼんでいる。
わたしが彼(かれ)らに与(あた)えたものも、
彼(かれ)らを離(はな)れて、うせ去(さ)った」。

14どうしてわれわれはなす事(こと)もなく座(ざ)しているのか。
集(あつ)まって、堅固(けんご)な町(まち)にはいり、
そこでわれわれは滅(ほろ)びよう。
われわれが主(しゅ)に罪(つみ)を犯(おか)したので、
われわれの神(かみ)、主(しゅ)がわれわれを滅(ほろ)ぼそうとして、
毒(どく)の水(みず)を飲(の)ませられるのだ。
15われわれは平安(へいあん)を望(のぞ)んだが、良(よ)い事(こと)はこなかった。
いやされる時(とき)を望(のぞ)んだが、かえって恐怖(きょうふ)が来(き)た。

16「彼(かれ)らの馬(うま)のいななきはダンから聞(きこ)えてくる。
彼(かれ)らの強(つよ)い馬(うま)の声(こえ)によって全(ぜん)地(ち)は震(ふる)う。
彼(かれ)らは来(き)て、この地(ち)と、ここにあるすべてのもの、
町(まち)と、そのうちに住(す)む者(もの)とを食(く)い滅(ほろ)ぼす。
17見(み)よ、魔法(まほう)をもってならすことのできない、
へびや、まむしをあなたがたのうちにつかわす。
それはあなたがたをかむ」と主(しゅ)は言(い)われる。

18わが嘆(なげ)きはいやしがたく、
わが心(こころ)はうちに悩(なや)む。
19聞(き)け、地(ち)の全面(ぜんめん)から、
わが民(たみ)の娘(むすめ)の声(こえ)があがるのを。
「主(しゅ)はシオンにおられないのか、
シオンの王(おう)はそのうちにおられないのか」。
「なぜ彼(かれ)らはその彫像(ちょうぞう)と、
異邦(いほう)の偶像(ぐうぞう)とをもって、わたしを怒(いか)らせたのか」。
20「刈入(かりい)れの時(とき)は過(す)ぎ、夏(なつ)もはや終(おわ)った、
しかしわれわれはまだ救(すく)われない」。
21わが民(たみ)の娘(むすめ)の傷(きず)によって、わが心(こころ)は痛(いた)む。
わたしは嘆(なげ)き、うろたえる。

22ギレアデに乳香(にゅうこう)があるではないか。
その所(ところ)に医者(いしゃ)がいるではないか。
それにどうしてわが民(たみ)の娘(むすめ)は
いやされることがないのか。

第九章


1ああ、わたしの頭(あたま)が水(みず)となり、
わたしの目(め)が涙(なみだ)の泉(いずみ)となればよいのに。
そうすれば、わたしは民(たみ)の娘(むすめ)の殺(ころ)された者(もの)のために
昼(ひる)も夜(よる)も嘆(なげ)くことができる。
2ああ、わたしが荒野(あらの)に、
隊商(たいしょう)の宿(やど)を得(え)ることができればよいのに。
そうすれば、わたしは民(たみ)を離(はな)れて
去(さ)って行(い)くことができる。
彼(かれ)らはみな姦淫(かんいん)する者(もの)、
不信(ふしん)のともがらだからである。
3彼(かれ)らは弓(ゆみ)をひくように、その舌(した)を曲(ま)げる。
真実(しんじつ)ではなく、偽(いつわ)りがこの地(ち)に強(つよ)くなった。
彼(かれ)らは悪(あく)より悪(あく)に進(すす)み、
またわたしを知(し)らないと、主(しゅ)は言(い)われる。

4あなたがたはおのおの隣(とな)り人(びと)に気(き)をつけよ。
どの兄弟(きょうだい)をも信(しん)じてはならない。
兄弟(きょうだい)はみな、押(お)しのける者(もの)であり、
隣(とな)り人(びと)はみな、ののしって歩(ある)く者(もの)だからである。
5人(ひと)はみな、その隣(とな)り人(びと)を欺(あざむ)き、
真実(しんじつ)を言(い)う者(もの)はない。
彼(かれ)らは自分(じぶん)の舌(した)に偽(いつわ)りを言(い)うことを教(おし)え、
悪(あく)を行(おこな)い、疲(つか)れて悔(く)い改(あらた)めるいとまもなく、
6しえたげに、しえたげを積(つ)み重(かさ)ね、
偽(いつわ)りに偽(いつわ)りを積(つ)み重(かさ)ね、
わたしを知(し)ることを拒(こば)んでいると、主(しゅ)は言(い)われる。

7それゆえ万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はこう言(い)われる、
「見(み)よ、わたしは彼(かれ)らを溶(と)かし、試(こころ)みる。
このほか、わが民(たみ)をどうすることができよう。
8彼(かれ)らの舌(した)は殺(ころ)す矢(や)のようだ、
それは偽(いつわ)りを言(い)う。
その口(くち)ではおのおの隣(とな)り人(びと)におだやかに語(かた)るが、
その心(こころ)では彼(かれ)を待(ま)ち伏(ぶ)せる計(はか)りごとを立(た)てる。
9主(しゅ)は言(い)われる、これらのことのために、
わたしが彼(かれ)らを罰(ばっ)しないだろうか。
わたしがこのような民(たみ)にあだを返(かえ)さないだろうか。

10山(やま)のために泣(な)き叫(さけ)び、野(の)の牧場(まきば)のために悲(かな)しめ。
これらは荒(あ)れすたれて、通(とお)り過(す)ぎる人(ひと)もない。
ここには牛(うし)、羊(ひつじ)の鳴(な)く声(こえ)も聞(きこ)えず、
空(そら)の鳥(とり)も獣(けもの)も皆(みな)逃(に)げ去(さ)った。
11わたしはエルサレムを荒塚(あれづか)とし、山犬(やまいぬ)の巣(す)とする。
またユダの町々(まちまち)を荒(あら)して、住(す)む人(ひと)もない所(ところ)とする」。

12知恵(ちえ)があって、これを悟(さと)ることのできる人(ひと)はだれか。主(しゅ)の口(くち)の言葉(ことば)をうけて、それを示(しめ)す人(ひと)はだれか。この地(ち)が滅(ほろ)ぼされて荒野(あらの)のようになり、通(とお)り過(す)ぎる人(ひと)もなくなったのはどういうわけか。 13主(しゅ)は言(い)われる、「それは彼(かれ)らの前(まえ)にわたしが立(た)てたおきてを彼(かれ)らが捨(す)てて、わたしの声(こえ)に聞(き)き従(したが)わず、そのとおりに歩(ある)かなかったからである。 14彼(かれ)らは強情(ごうじょう)に自分(じぶん)の心(こころ)に従(したが)い、また先祖(せんぞ)の教(おし)えたようにバアルに従(したが)った。 15それゆえ万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう言(い)われる、見(み)よ、わたしはこの民(たみ)に、にがよもぎを食(た)べさせ、毒(どく)の水(みず)を飲(の)ませ、 16彼(かれ)らも、その先祖(せんぞ)たちも知(し)らなかった国(くに)びとのうちに彼(かれ)らを散(ち)らし、また彼(かれ)らを滅(ほろ)ぼし尽(つく)すまで、そのうしろに、つるぎをつかわす」。


17万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はこう言(い)われる、
「よく考(かんが)えて、泣(な)き女(おんな)を呼(よ)べ。
また人(ひと)をつかわして巧(たく)みな女(おんな)を招(まね)け。
18彼(かれ)らに急(いそ)いでこさせ、
われわれのために泣(な)き悲(かな)しませて、
われわれの目(め)に涙(なみだ)をこぼさせ、
まぶたから水(みず)をあふれさせよ。
19シオンから悲(かな)しみの声(こえ)が聞(きこ)える。
それは言(い)う、『ああ、われわれは滅(ほろ)ぼされ、
いたく、はずかしめられている。
われわれはその地(ち)を去(さ)り、
彼(かれ)らがわれわれのすみかをこわしたからだ』」。

20女(おんな)たちよ、主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)け。
あなたがたの耳(みみ)に、その口(くち)の言葉(ことば)をいれよ。
あなたがたの娘(むすめ)に悲(かな)しみの歌(うた)を教(おし)え、
おのおのその隣(とな)り人(びと)に哀悼(あいとう)の歌(うた)を教(おし)えよ。
21死(し)がわれわれの窓(まど)に上(のぼ)って来(き)、
われわれの邸宅(ていたく)の中(なか)にはいり、
ちまたにいる子(こ)どもらを絶(た)やし、
広場(ひろば)にいる若(わか)い人(ひと)たちを殺(ころ)そうとしているからだ。
22あなたはこう言(い)いなさい、
「主(しゅ)は言(い)われる、『人(ひと)の死体(したい)が糞土(ふんど)のように、
野(の)に倒(たお)れているようになり、
また刈入(かりい)れする人(ひと)のうしろに残(のこ)って、
だれも集(あつ)めることをしない束(たば)のようになる』」。

23主(しゅ)はこう言(い)われる、「知恵(ちえ)ある人(ひと)はその知恵(ちえ)を誇(ほこ)ってはならない。力(ちから)ある人(ひと)はその力(ちから)を誇(ほこ)ってはならない。富(と)める者(もの)はその富(とみ)を誇(ほこ)ってはならない。 24誇(ほこ)る者(もの)はこれを誇(ほこり)とせよ。すなわち、さとくあって、わたしを知(し)っていること、わたしが主(しゅ)であって、地(ち)に、いつくしみと公平(こうへい)と正義(せいぎ)を行(い)っている者(もの)であることを知(し)ることがそれである。わたしはこれらの事(こと)を喜(よろこ)ぶと、主(しゅ)は言(い)われる」。

25主(しゅ)は言(い)われる、「見(み)よ、このような日(ひ)が来(く)る。その日(ひ)には、割礼(かつれい)をうけても、心(こころ)に割礼(かつれい)をうけていないすべての人(ひと)をわたしは罰(ばっ)する。 26エジプト、ユダ、エドム、アンモンの人々(ひとびと)、モアブ、および野(の)にいて、髪(かみ)の毛(け)のすみずみをそる人々(ひとびと)はそれである。これらの国(くに)びとはみな割礼(かつれい)をうけていない者(もの)であり、イスラエルの全家(ぜんか)もみな心(こころ)に割礼(かつれい)をうけていない者(もの)である」。

第一〇章

1イスラエルの家(いえ)よ、主(しゅ)のあなたがたに語(かた)られる言葉(ことば)を聞(き)け。 2主(しゅ)はこう言(い)われる、
「異邦(いほう)の人(ひと)の道(みち)に習(なら)ってはならない。
また異邦(いほう)の人(ひと)が天(てん)に現(あらわ)れるしるしを恐(おそ)れても、
あなたがたはそれを恐(おそ)れてはならない。
3異邦(いほう)の民(たみ)のならわしはむなしいからだ。
彼(かれ)らの崇拝(すうはい)するものは、林(はやし)から切(き)りだした木(き)で、
木工(もっこう)の手(て)で、おのをもって造(つく)ったものだ。
4人々(ひとびと)は銀(ぎん)や金(きん)をもって、それを飾(かざ)り、
くぎと鎚(つち)をもって動(うご)かないようにそれをとめる。
5その偶像(ぐうぞう)は、きゅうり畑(はたけ)のかかしのようで、
ものを言(い)うことができない。
歩(ある)くこともできないから、
人(ひと)に運(はこ)んでもらわなければならない。
それを恐(おそ)れるに及(およ)ばない。
それは災(わざわい)をくだすことができず、
また幸(さいわい)をくだす力(ちから)もないからだ」。

6主(しゅ)よ、あなたに並(なら)びうる者(もの)はありません。
あなたは大(おお)いなる者(もの)であり、あなたの名(な)も
その力(ちから)のために大(おお)いなるものであります。
7万国(ばんこく)の王(おう)であるあなたを、
恐(おそ)れない者(もの)がありましょうか。
あなたを恐(おそ)れるのは当然(とうぜん)のことであります。
万国(ばんこく)のすべての知恵(ちえ)ある者(もの)のうちにも、
その国々(くにぐに)のうちにも、
あなたに並(なら)びうる者(もの)はありません。
8彼(かれ)らは皆(みな)、愚(おろ)かで鈍(にぶ)く、
偶像(ぐうぞう)の教(おしえ)は、ただ木(き)にすぎない。
9銀(ぎん)ぱくはタルシシから渡来(とらい)し、
金(きん)はウパズから携(たずさ)えてくる。
これらは工人(こうじん)と金(きん)細工人(ざいくにん)の工作(こうさく)である。
彼(かれ)らの着物(きもの)はすみれ色(いろ)と紫色(むらさきいろ)である。
これらはみな巧(たく)みな細工人(さいくにん)の作(つく)った物(もの)である。
10しかし主(しゅ)はまことの神(かみ)である。
生(い)きた神(かみ)であり、永遠(えいえん)の王(おう)である。
その怒(いか)りによって地(ち)は震(ふる)いうごき、
万国(ばんこく)はその憤(いきどお)りに当(あた)ることができない。

11あなたがたは彼(かれ)らに、こう言(い)わなければならない、「天地(てんち)を造(つく)らなかった神々(かみがみ)は地(ち)の上(うえ)、天(てん)の下(した)から滅(ほろ)び去(さ)る」と。
12主(しゅ)はその力(ちから)をもって地(ち)を造(つく)り、
その知恵(ちえ)をもって世界(せかい)を建(た)て、
その悟(さと)りをもって天(てん)をのべられた。
13彼(かれ)が声(こえ)を出(だ)されると、
天(てん)に多(おお)くの水(みず)のざわめきがあり、
また地(ち)の果(はて)から霧(きり)を立(た)ちあがらせられる。
彼(かれ)は雨(あめ)のために、いなびかりをおこし、
その倉(くら)から風(かぜ)を取(と)り出(だ)される。
14すべての人(ひと)は愚(おろ)かで知恵(ちえ)がなく、
すべての金(きん)細工人(ざいくにん)は
その造(つく)った偶像(ぐうぞう)のために恥(はじ)をこうむる。
その偶像(ぐうぞう)は偽(いつわ)り物(もの)で、
そのうちに息(いき)がないからだ。
15これらは、むなしいもので、迷(まよ)いのわざである。
罰(ばっ)せられる時(とき)に滅(ほろ)びるものである。
16ヤコブの分(ぶん)である彼(かれ)はこのようなものではない。
彼(かれ)は万物(ばんぶつ)の造(つく)り主(ぬし)だからである。
イスラエルは彼(かれ)の嗣(し)業(ぎょう)としての部族(ぶぞく)である。
彼(かれ)の名(な)を万軍(ばんぐん)の主(しゅ)という。

17囲(かこ)みの中(なか)におる者(もの)よ、
あなたの包(つつみ)を地(ち)から取(と)り上(あ)げよ。
18主(しゅ)がこう言(い)われるからだ、
「見(み)よ、わたしはこのたび、
この地(ち)に住(す)む者(もの)を投(な)げ捨(す)てる。
かつ彼(かれ)らをせめなやまして、思(おも)い知(し)らせる」。

19わたしはいたでをうけた、ああ、わざわいなるかな、
わたしの傷(きず)は重(おも)い。
しかしわたしは言(い)った、
「まことに、これは悩(なや)みである。
わたしはこれを忍(しの)ばなければならない」と。
20わたしの天幕(てんまく)は破(やぶ)れ、綱(つな)はことごとく切(き)れ、
子(こ)どもたちはわたしを捨(す)てて行(い)って、いなくなった。
もはやわたしの天幕(てんまく)を張(は)る者(もの)はなく、
幕(まく)を掛(か)ける者(もの)もない。
21牧者(ぼくしゃ)は愚(おろ)かであって、
主(しゅ)に問(と)うことをしないからである。
それゆえ彼(かれ)らは栄(さか)えることもなく、
その群(む)れはみな散(ち)り去(さ)っている。

22聞(き)けよ、うわさのあるのを。
見(み)よ、北(きた)の国(くに)から大(おお)いなる騒(さわ)ぎが来(く)る。
これはユダの町々(まちまち)を荒(あら)して山犬(やまいぬ)の巣(す)とする。

23主(しゅ)よ、わたしは知(し)っています、
人(ひと)の道(みち)は自身(じしん)によるのではなく、
歩(あゆ)む人(ひと)が、その歩(あゆ)みを
自分(じぶん)で決(き)めることのできないことを。
24主(しゅ)よ、わたしを懲(こ)らしてください。
正(ただ)しい道(みち)にしたがって、怒(いか)らずに懲(こ)らしてください。
さもないと、わたしは無(む)に帰(き)してしまうでしょう。

25あなたを知(し)らない国民(くにたみ)と、
あなたの名(な)をとなえない人々(ひとびと)に
あなたの怒(いか)りを注(そそ)いでください。
彼(かれ)らはヤコブを食(く)い尽(つく)し
これを食(く)い尽(つく)して滅(ほろ)ぼし、
そのすみかを荒(あら)したからです。

第一一章

1主(しゅ)からエレミヤに臨(のぞ)んだ言葉(ことば)は言(い)う、 2「この契約(けいやく)の言葉(ことば)を聞(き)き、ユダの人々(ひとびと)とエルサレムに住(す)む者(もの)に告(つ)げよ。 3彼(かれ)らに言(い)え、イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、この契約(けいやく)の言葉(ことば)に従(したが)わない人(ひと)は、のろわれる。 4この契約(けいやく)は、わたしがあなたがたの先祖(せんぞ)をエジプトの地(ち)、鉄(てつ)のかまどの中(なか)から導(みちび)き出(だ)した時(とき)に、彼(かれ)らに命(めい)じたところのものである。すなわち、その時(とき)わたしは彼(かれ)らに言(い)った、わたしの声(こえ)を聞(き)き、あなたがたに命(めい)じるすべてのことを行(おこな)うならば、あなたがたはわたしの民(たみ)となり、わたしはあなたがたの神(かみ)となる。 5そして、わたしがあなたがたの先祖(せんぞ)に、乳(ちち)と蜜(みつ)との流(なが)れる地(ち)を与(あた)えると誓(ちか)ったことを、なし遂(と)げると。すなわち今日(こんにち)のとおりである」。その時(とき)わたしは、「主(しゅ)よ、仰(おお)せのとおりです」と答(こた)えた。

6主(しゅ)はわたしに言(い)われた、「このすべての言葉(ことば)を、ユダの町々(まちまち)と、エルサレムのちまたに告(つ)げ示(しめ)し、この契約(けいやく)の言葉(ことば)を聞(き)き、これを行(おこな)え、と言(い)いなさい。 7わたしは、あなたがたの先祖(せんぞ)をエジプトの地(ち)から導(みちび)き出(だ)した時(とき)から今日(こんにち)にいたるまで、おごそかに彼(かれ)らを戒(いまし)め、絶(た)えず戒(いまし)めて、わたしの声(こえ)に聞(き)き従(したが)うようにと言(い)った。 8しかし彼(かれ)らは従(したが)わず、その耳(みみ)を傾(かたむ)けず、おのおの自分(じぶん)の悪(わる)い強情(ごうじょう)な心(こころ)に従(したが)って歩(あゆ)んだ。それゆえ、わたしはこの契約(けいやく)の言葉(ことば)をもって彼(かれ)らを責(せ)めた。これはわたしが彼(かれ)らに行(おこな)えと命(めい)じたが、行(おこな)わなかったものである」。

9主(しゅ)はまたわたしに言(い)われた、「ユダの人々(ひとびと)とエルサレムに住(す)む者(もの)のうちに反逆(はんぎゃく)の事(こと)がある。 10彼(かれ)らは、わたしの言葉(ことば)を聞(き)くことを拒(こば)んだその先祖(せんぞ)たちの罪(つみ)に立(た)ち返(かえ)り、またほかの神々(かみがみ)に従(したが)ってそれに仕(つか)えた。イスラエルの家(いえ)とユダの家(いえ)とは、わたしがその先祖(せんぞ)たちと結(むす)んだ契約(けいやく)を破(やぶ)った。 11それゆえ主(しゅ)はこう言(い)われる、見(み)よ、わたしは災(わざわい)を彼(かれ)らの上(うえ)に下(くだ)す。彼(かれ)らはそれを免(まぬか)れることはできない。彼(かれ)らがわたしを呼(よ)んでも、わたしは聞(き)かない。 12ユダの町々(まちまち)とエルサレムに住(す)む者(もの)は、行(い)って、自分(じぶん)たちがそれに香(こう)をたいている神々(かみがみ)に呼(よ)び求(もと)めるが、これらは、彼(かれ)らの災(わざわい)の時(とき)にも決(けっ)して彼(かれ)らを救(すく)うことはできない。 13ユダよ、あなたの神々(かみがみ)は、あなたの町(まち)の数(かず)ほど多(おお)くなった。またあなたがたはエルサレムのちまたの数(かず)ほどの祭壇(さいだん)を恥(は)ずべき者(もの)のために立(た)てた。すなわちバアルに香(こう)をたくための祭壇(さいだん)である。

14それゆえ、この民(たみ)のために祈(いの)ってはならない。また彼(かれ)らのために泣(な)き、あるいは祈(いの)り求(もと)めてはならない。彼(かれ)らがその災(わざわい)の時(とき)に、わたしに呼(よ)ばわっても、わたしは彼(かれ)らに聞(き)くことをしないからだ。 15わが愛(あい)する者(もの)は、わたしの家(いえ)で何(なに)をするのか。すでにこれは悪事(あくじ)を行(おこな)った。誓願(せいがん)と犠牲(ぎせい)の肉(にく)とがあなたに災(わざわい)を免(まぬか)れさせることができるであろうか。それであなたは喜(よろこ)ぶことができるであろうか。 16主(しゅ)はあなたを、かつては『良(よ)い実(み)のなる美(うつく)しい青々(あおあお)としたオリブの木(き)』と呼(よ)ばれたが、激(はげ)しい暴風(ぼうふう)のとどろきと共(とも)に、主(しゅ)はそれに火(ひ)をかけ、その枝(えだ)を焼(や)き払(はら)われるのである。 17あなたを植(う)えた万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は、あなたに向(む)かって災(わざわい)を言(い)い渡(わた)された。これはイスラエルの家(いえ)とユダの家(いえ)とが悪(あく)を行(おこな)い、バアルに香(こう)をたいて、わたしを怒(いか)らせたからである」。


18主(しゅ)が知(し)らせてくださったので、
わたしはそれを知(し)った。
その時(とき)、あなたは彼(かれ)らの悪(あ)しきわざを
わたしに示(しめ)された。
19しかしわたしは、
ほふられに行(い)く、おとなしい小羊(こひつじ)のようで、
彼(かれ)らがわたしを害(がい)しようと、
計(はか)りごとをめぐらしているのを知(し)らなかった。
彼(かれ)らは言(い)う、「さあ、木(き)とその実(み)を共(とも)に滅(ほろ)ぼそう。
生(い)ける者(もの)の地(ち)から彼(かれ)を絶(た)って、
その名(な)を人(ひと)に忘(わす)れさせよう」。
20正(ただ)しいさばきをし、
人(ひと)の心(こころ)と思(おも)いを探(さぐ)られる万軍(ばんぐん)の主(しゅ)よ、
わたしは自分(じぶん)の訴(うった)えをあなたにお任(まか)せしました。
あなたが彼(かれ)らにあだをかえされるのを見(み)させてください。

21それゆえ主(しゅ)はアナトテの人々(ひとびと)についてこう言(い)われる、彼(かれ)らはあなたの命(いのち)を取(と)ろうと求(もと)めて言(い)う、「主(しゅ)の名(な)によって預言(よげん)してはならない。それをするならば、あなたはわれわれの手(て)にかかって死(し)ぬであろう」。 22それで万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はこう言(い)われる、「見(み)よ、わたしは彼(かれ)らを罰(ばっ)する。若(わか)い人(ひと)はつるぎで死(し)に、彼(かれ)らのむすこ娘(むすめ)は、ききんで死(し)に、 23だれも残(のこ)る者(もの)はない。わたしがアナトテの人々(ひとびと)に災(わざわい)を下(くだ)し、彼(かれ)らを罰(ばっ)する年(とし)をこさせるからである」。

第一二章


1主(しゅ)よ、わたしがあなたと論(ろん)じ争(あらそ)う時(とき)、
あなたは常(つね)に正(ただ)しい。
しかしなお、わたしはあなたの前(まえ)に、
さばきのことを論(ろん)じてみたい。
悪人(あくにん)の道(みち)がさかえ、
不信実(ふしんじつ)な者(もの)がみな繁栄(はんえい)するのはなにゆえですか。
2あなたが彼(かれ)らを植(う)えられたので、
彼(かれ)らは根(ね)づき、育(そだ)って、実(み)を結(むす)びます。
彼(かれ)らは口(くち)ではあなたに近(ちか)づきますが、
心(こころ)はあなたから遠(とお)ざかっています。
3主(しゅ)よ、あなたはわたしを知(し)り、わたしを見(み)、
わたしの心(こころ)があなたに対(たい)して
いかにあるかを試(こころ)みられます。
ほふるために羊(ひつじ)を引(ひ)き出(だ)すように、彼(かれ)らを引(ひ)き出(だ)し、
殺(ころ)す日(ひ)にそなえて、彼(かれ)らを残(のこ)しておいてください。
4いつまで、この地(ち)は嘆(なげ)き、
どの畑(はたけ)の野菜(やさい)も枯(か)れていてよいでしょうか。
この地(ち)に住(す)む者(もの)の悪(あく)によって、
獣(けもの)と鳥(とり)は滅(ほろ)びうせます。
人々(ひとびと)は言(い)いました、
「彼(かれ)はわれわれの終(おわ)りを見(み)ることはない」と。

5「もしあなたが、徒歩(とほ)の人(ひと)と競争(きょうそう)して疲(つか)れるなら、
どうして騎馬(きば)の人(ひと)と競(きそ)うことができようか。
もし安全(あんぜん)な地(ち)で、あなたが倒(たお)れるなら、
ヨルダンの密林(みつりん)では、どうするつもりか。
6あなたの兄弟(きょうだい)たち、あなたの父(ちち)の家(いえ)のものさえ、
あなたを欺(あざむ)き、大声(おおごえ)をあげて、あなたを追(お)っている。
彼(かれ)らが親(した)しげにあなたに語(かた)ることがあっても、
彼(かれ)らを信(しん)じてはならない」。

7「わたしはわが家(いえ)を離(はな)れ、わが嗣(し)業(ぎょう)を捨(す)て、
わが魂(たましい)の愛(あい)する者(もの)を敵(てき)の手(て)に渡(わた)した。
8わたしの嗣(し)業(ぎょう)は、わたしにとって
林(はやし)の中(なか)のししのようになった。
これはわたしに向(む)かってその声(こえ)をあげる。
それゆえわたしはこれを憎(にく)む。
9わたしの嗣(し)業(ぎょう)は、わたしにとって、
斑点(はんてん)のある猛禽(もうきん)のようではないか。
他(た)の猛禽(もうきん)がこれを囲(かこ)んでいるではないか。
行(い)って、野(の)の獣(けもの)をみな集(あつ)め、
連(つ)れてきてこれを食(た)べさせよ。
10多(おお)くの牧者(ぼくしゃ)たちはわたしのぶどう畑(はたけ)を滅(ほろ)ぼし、
わたしの地(ち)を踏(ふ)み荒(あら)した。
わたしの麗(うるわ)しい地(ち)を荒(あ)れた野(の)にした。
11彼(かれ)らはこれを荒(あ)れ地(ち)としてしまった。
その荒(あ)れ地(ち)がわたしに向(む)かって嘆(なげ)くのだ。
全(ぜん)地(ち)は荒(あ)れ地(ち)にされた。
しかし、ひとりもこれを心(こころ)に留(と)める者(もの)はない。
12滅(ほろ)ぼす者(もの)どもが荒野(あらの)のすべての、はげ山(やま)の上(うえ)にきた。
主(しゅ)のつるぎが、地(ち)の、この果(はて)から、かの果(はて)までを滅(ほろ)ぼすのだ。
命(いのち)あるものは安(やす)らかであることができない。
13彼(かれ)らは麦(むぎ)をまいて、いばらを刈(か)り取(と)る。
苦労(くろう)してもなんの利益(りえき)もない。
彼(かれ)らはその収穫(しゅうかく)を恥(は)じるようになる。
主(しゅ)の激(はげ)しい怒(いか)りによってである」。

14わたしがわが民(たみ)イスラエルにつがせた嗣(し)業(ぎょう)に手(て)を触(ふ)れるすべての悪(わる)い隣(とな)り人(びと)について、主(しゅ)はこう言(い)われる、「見(み)よ、わたしは彼(かれ)らをその地(ち)から抜(ぬ)き出(だ)し、ユダの家(いえ)を彼(かれ)らのうちから抜(ぬ)き出(だ)す。 15わたしは、彼(かれ)らを抜(ぬ)き出(だ)したのちに、また彼(かれ)らをあわれんで、それぞれその嗣(し)業(ぎょう)に導(みちび)き返(かえ)し、おのおのを、その地(ち)に帰(かえ)らせる。 16もし彼(かれ)らがわたしの民(たみ)の道(みち)を学(まな)び、わたしの名(な)によって、『主(しゅ)は生(い)きておられる』と言(い)って誓(ちか)うことが、かつて彼(かれ)らがわたしの民(たみ)に教(おし)えてバアルをさして誓(ちか)わせたようになるならば、彼(かれ)らはわたしの民(たみ)のうちに建(た)てられる。 17しかし耳(みみ)をかさない民(たみ)があるときは、わたしはその民(たみ)を抜(ぬ)き出(だ)して滅(ほろ)ぼすと、主(しゅ)は言(い)われる」。

第一三章

1主(しゅ)はわたしにこう言(い)われた、「行(い)って、亜麻(あま)布(ぬの)の帯(おび)を買(か)い、腰(こし)に結(むす)べ。水(みず)につけてはならない」。 2そこで、わたしは主(しゅ)の言葉(ことば)に従(したが)い、帯(おび)を買(か)って腰(こし)に結(むす)んだ。 3主(しゅ)の言葉(ことば)は、再(ふたた)びわたしに臨(のぞ)んで言(い)った、 4「あなたが買(か)って腰(こし)に結(むす)んでいる帯(おび)を手(て)に取(と)り、立(た)ってユフラテの川(かわ)へ行(い)き、その所(ところ)の岩(いわ)の裂(さ)け目(め)にこれを隠(かく)せ」。 5わたしは主(しゅ)が命(めい)じられたように、行(い)って、これをユフラテの川(かわ)のほとりに隠(かく)した。 6多(おお)くの日(ひ)を経(へ)てのち、主(しゅ)はわたしに言(い)われた、「立(た)って、ユフラテの川(かわ)へ行(い)き、あなたに命(めい)じて、そこに隠(かく)させた帯(おび)をその所(ところ)から取(と)ってきなさい」。 7そこでわたしはユフラテの川(かわ)へ行(い)き、地(ち)を掘(ほ)って、隠(かく)した所(ところ)から帯(おび)を取(と)り出(だ)したが、その帯(おび)はそこなわれて、役(やく)に立(た)たなくなっていた。

8その時(とき)、主(しゅ)の言葉(ことば)がわたしに臨(のぞ)んだ、 9「主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、これと同(おな)じように、わたしはユダの高(たか)ぶりとエルサレムの大(おお)いなる高(たか)ぶりを、破(やぶ)るのである。 10この悪(あ)しき民(たみ)はわたしの言葉(ことば)を聞(き)くことを拒(こば)み、自分(じぶん)の心(こころ)を強情(ごうじょう)にして歩(あゆ)み、また他(た)の神々(かみがみ)に従(したが)ってこれに仕(つか)え、これを拝(おが)んでいる。彼(かれ)らはこの帯(おび)のように、なんの役(やく)にも立(た)たなくなる」。 11主(しゅ)は言(い)われる、「帯(おび)が人(ひと)の腰(こし)に着(つ)くように、イスラエルのすべての家(いえ)とユダのすべての家(いえ)とをわたしに着(つ)かせ、これをわたしの民(たみ)とし、名(な)とし、誉(ほまれ)とし、栄(さか)えとしようとした。しかし彼(かれ)らは聞(き)き従(したが)おうともしなかった」。

12「あなたはこの言葉(ことば)を彼(かれ)らに語(かた)らなければならない、『イスラエルの神(かみ)はこう言(い)われる、酒(さけ)つぼには、みな酒(さけ)が満(み)ちる』と。彼(かれ)らはあなたに言(い)うであろう、『酒(さけ)つぼに、みな酒(さけ)が満(み)ちることをわれわれが知(し)らないことがあろうか』と。 13その時(とき)、あなたは彼(かれ)らに言(い)わなければならない、『主(しゅ)はこう言(い)われる、見(み)よ、わたしはこの地(ち)に住(す)むすべての者(もの)と、ダビデの位(くらい)に座(ざ)す王(おう)たちと、祭司(さいし)と預言者(よげんしゃ)およびエルサレムに住(す)むすべての者(もの)に酔(よ)いを満(み)たし、 14彼(かれ)らを互(たがい)に打(う)ち当(あ)てて砕(くだ)く。父(ちち)と子(こ)をもそのようにすると、主(しゅ)は言(い)われる。わたしは彼(かれ)らをあわれまず、惜(お)しまず、かわいそうとも思(おも)わずに滅(ほろ)ぼす』と」。
15耳(みみ)を傾(かたむ)けて聞(き)け、高(たか)ぶってはならない、
主(しゅ)がお語(かた)りになるからである。
16主(しゅ)がまだやみを起(おこ)されないうちに、
またあなたがたの足(あし)が
薄暗(うすくら)がりの山(やま)につまずかないうちに、
あなたがたの神(かみ)、主(しゅ)に栄光(えいこう)を帰(き)せよ。
さもないと、あなたがたが光(ひかり)を望(のぞ)んでいる間(あいだ)に、
主(しゅ)はそれを暗黒(あんこく)に変(か)え、
それを暗(くら)やみとされるからである。
17もしあなたがたが聞(き)かないならば、
わたしの魂(たましい)はひそかな所(ところ)で、
あなたがたの高(たか)ぶりのために悲(かな)しむ。
また主(しゅ)の群(む)れが、かすめられたために、
わたしの目(め)はいたく泣(な)いて、涙(なみだ)を流(なが)すのである。

18王(おう)と太后(たいこう)とに告(つ)げよ、
「あなたがたは低(ひく)い座(ざ)にすわりなさい。
麗(うるわ)しい冠(かんむり)はすでに
あなたがたの頭(あたま)から落(お)ちてしまったからです」。
19ネゲブの町々(まちまち)は閉(と)ざされて、これを開(ひら)く人(ひと)がない。
ユダはみな捕(とら)え移(うつ)される、
ことごとく捕(とら)え移(うつ)される。

20「目(め)をあげて、北(きた)の方(ほう)からくる者(もの)を見(み)よ、
あなたに賜(たま)わった群(む)れ、
あなたの麗(うるわ)しい群(む)れはどこにいるのか。
21彼(かれ)らがあなたの親(した)しみ慣(な)れた人(ひと)たちを、
あなたの上(うえ)に立(た)ててかしらとするとき、
あなたは何(なに)を言(い)おうとするのか。
あなたの苦(くる)しみは、
子(こ)を産(う)む女(おんな)の苦(くる)しみのようでないであろうか。
22あなたが心(こころ)のうちに、
『どうしてこのようなことが
わたしに起(た)ったのか』というならば、
あなたの罪(つみ)が重(おも)いゆえに、
あなたの着物(きもの)のすそはあげられ、
はずかしめを受(う)けるのだ。
23エチオピヤびとは
その皮膚(ひふ)を変(か)えることができようか。
ひょうはその斑点(はんてん)を変(か)えることができようか。
もしそれができるならば、悪(あく)に慣(な)れたあなたがたも、
善(ぜん)を行(おこな)うことができる。
24わたしはあなたがたを散(ち)らし、
野(の)の風(かぜ)に吹(ふ)き散(ち)らされるもみがらのようにする。
25主(しゅ)は言(い)われる、これがあなたに授(さづ)けられた定(さだ)め、
わたしが量(はか)ってあなたに与(あた)える分(ぶん)である。
あなたがわたしを忘(わす)れて、
偽(いつわ)りを頼(たの)みとしたからだ。
26わたしはまたあなたの着物(きもの)のすそを顔(かお)まであげて、
あなたの恥(はじ)をあらわす。
27わたしはあなたの憎(にく)むべき行(おこな)い、
あなたの姦淫(かんいん)と、いななき、
野(の)の丘(おか)の上(うえ)で行(おこな)ったあなたのみだらな行(おこな)いを見(み)た。
エルサレムよ、あなたはわざわいだ、
あなたの清(きよ)められるのはいつのことであろうか」。

第一四章

1ひでりの事(こと)についてエレミヤに臨(のぞ)んだ主(しゅ)の言葉(ことば)。
2「ユダは悲(かな)しみ、
その町々(まちまち)の門(もん)は傾(かたむ)き、
民(たみ)は地(ち)に座(ざ)して嘆(なげ)き、
エルサレムの叫(さけ)びはあがる。
3その君(きみ)たちは、しもべをつかわして水(みず)をくませる。
彼(かれ)らが井戸(いど)の所(ところ)にきても、水(みず)は見(み)つからず、
むなしい器(うつわ)をもって帰(かえ)り、
恥(は)じ、かつ当惑(とうわく)して、その頭(あたま)をおおう。
4地(ち)に雨(あめ)が降(ふ)らず、土(つち)が、かわいて割(わ)れたため、
農夫(のうふ)は恥(は)じて、その頭(あたま)をおおう。
5野(の)にいる雌(め)じかでさえも子(こ)を産(う)んで、これを捨(す)てる。
草(くさ)がないからである。
6野(の)ろばは、はげ山(やま)の上(うえ)に立(た)って、
山犬(やまいぬ)のようにあえぎ、
草(くさ)のないために、その目(め)はくらむ。

7主(しゅ)よ、われわれの罪(つみ)がわれわれを訴(うった)えて
不利(ふり)な証言(しょうげん)をしても、
あなたの名(な)のために、事(こと)をなしてください。
われわれの背信(はいしん)の数(かず)は多(おお)く、
あなたに向(む)かって罪(つみ)を犯(おか)しました。
8イスラエルの望(のぞ)みなる主(しゅ)よ、
悩(なや)みの時(とき)の救主(すくいぬし)よ、
なぜ、あなたはこの地(ち)に住(す)む異邦(いほう)の人(ひと)のようにし、
また一夜(いちや)の宿(やど)りのために立(た)ち寄(よ)る旅(たび)びとのように
なさらねばならないのですか。
9なぜ、あなたは、うろたえている人(ひと)のようにし、
また人(ひと)を救(すく)いえない勇士(ゆうし)のように
なさらねばならないのですか。
主(しゅ)よ、あなたはわれわれのうちにいらせられます。
われわれは、み名(な)によって呼(よ)ばれている者(もの)です。
われわれを見捨(みす)てないでください」。

10この民(たみ)について主(しゅ)はこう言(い)われる、
「彼(かれ)らはこのように好(この)んで、さまよい、
その足(あし)をとどめることをしなかったので、
主(しゅ)は彼(かれ)らを喜(よろこ)ばず、
いまそのとがを覚(おぼ)え、その罪(つみ)を罰(ばっ)するのだ」。

11主(しゅ)はわたしに言(い)われた、「この民(たみ)のために恵(めぐ)みを祈(いの)ってはならない。 12彼(かれ)らが断食(だんじき)しても、わたしは彼(かれ)らの呼(よ)ぶのを聞(き)かない。燔祭(はんさい)と素祭(そさい)をささげても、わたしはそれを受(う)けない。かえって、つるぎと、ききん、および疫病(えきびょう)をもって、彼(かれ)らを滅(ほろ)ぼしてしまう」。

13わたしは言(い)った、「ああ、主(しゅ)なる神(かみ)よ、預言者(よげんしゃ)たちはこの民(たみ)に向(む)かい、『あなたがたは、つるぎを見(み)ることはない。ききんもこない。わたしはこの所(ところ)に確(たし)かな平安(へいあん)をあなたがたに与(あた)える』と言(い)っています」。 14主(しゅ)はわたしに言(い)われた、「預言者(よげんしゃ)らはわたしの名(な)によって偽(いつわ)りの預言(よげん)をしている。わたしは彼(かれ)らをつかわさなかった。また彼(かれ)らに命(めい)じたこともなく、話(はな)したこともない。彼(かれ)らは偽(いつわ)りの黙示(もくし)と、役(やく)に立(た)たない占(うらな)い、および自分(じぶん)の心(こころ)でつくりあげた欺(あざむ)きをあなたがたに預言(よげん)しているのだ。 15それゆえ、わたしがつかわさないのに、わたしの名(な)によって預言(よげん)して、『つるぎとききんは、この地(ち)にこない』と言(い)っているあの預言者(よげんしゃ)について、主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、この預言者(よげんしゃ)らは、つるぎとききんに滅(ほろ)ぼされる。 16また彼(かれ)らの預言(よげん)を聞(き)く民(たみ)は、ききんとつるぎとによって、エルサレムのちまたに投(な)げ捨(す)てられる。だれもこれを葬(ほうむ)る者(もの)はない。彼(かれ)らとその妻(つま)、およびそのむすこ娘(むすめ)も同様(どうよう)である。わたしが彼(かれ)らの悪(あく)をその上(うえ)に注(そそ)ぐからである。

17この言葉(ことば)を彼(かれ)らに語(かた)れ、
『わたしの目(め)は夜(よる)も昼(ひる)も絶(た)えず涙(なみだ)を流(なが)す。
わが民(たみ)の娘(むすめ)であるおとめが大(おお)きな傷(きず)と
重(おも)い打撃(だげき)によって滅(ほろ)ぼされるからである。
18わたしが出(で)て畑(はたけ)に行(い)くと、
つるぎで殺(ころ)された者(もの)がある。
町(まち)にはいると、ききんで病(や)んでいる者(もの)がある。
預言者(よげんしゃ)も祭司(さいし)も共(とも)にその地(ち)にさまよって、
知(し)るところがない』」。


19あなたはまったくユダを捨(す)てられたのですか。
あなたの心(こころ)はシオンをきらわれるのですか。
あなたはわれわれを撃(う)ったのに、どうしていやしてはくださらないのですか。
われわれは平安(へいあん)を望(のぞ)んだが、良(よ)い事(こと)はこなかった。
いやされる時(とき)を望(のぞ)んだが、かえって恐怖(きょうふ)が来(き)た。
20主(しゅ)よ、われわれは自分(じぶん)の悪(あく)と、
先祖(せんぞ)のとがとを認(みと)めています。
われわれはあなたに罪(つみ)を犯(おか)しました。
21み名(な)のために、われわれを捨(す)てないでください。
あなたの栄(さか)えあるみ位(くらい)を
はずかしめないでください。
あなたがわれわれにお立(た)てになった契約(けいやく)を覚(おぼ)えて、
それを破(やぶ)らないでください。
22異邦(いほう)の偽(いつわ)りの神々(かみがみ)のうちに、
雨(あめ)を降(ふ)らせうる者(もの)があるであろうか。
天(てん)が自分(じぶん)で夕立(ゆうだ)ちを降(ふ)らすことができようか。
われわれの神(かみ)、主(しゅ)よ、
あなたこそ、これをなさる方(かた)ではありませんか。
われわれの待(ま)ち望(のぞ)むのはあなたです。
あなたがこれらすべてのことをなさるからです。

第一五章

1主(しゅ)はわたしに言(い)われた、「たといモーセとサムエルとがわたしの前(まえ)に立(た)っても、わたしの心(こころ)はこの民(たみ)を顧(かえり)みない。彼(かれ)らをわたしの前(まえ)から追(お)い出(だ)し、ここを去(さ)らせよ。 2もし彼(かれ)らが、『われわれはどこに行(い)けばよいのか』とあなたに尋(たず)ねるならば、彼(かれ)らに言(い)いなさい、
『主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、
疫病(えきびょう)に定(さだ)められた者(もの)は疫病(えきびょう)に、
つるぎに定(さだ)められた者(もの)はつるぎに、
ききんに定(さだ)められた者(もの)はききんに、
とりこに定(さだ)められた者(もの)はとりこに行(い)く』。

3主(しゅ)は仰(おお)せられる、わたしは四つの物(もの)をもって彼(かれ)らを罰(ばっ)する。すなわち、つるぎをもって殺(ころ)し、犬(いぬ)をもってかませ、空(そら)の鳥(とり)と地(ち)の獣(けもの)をもって食(く)い滅(ほろ)ぼさせる。 4またユダの王(おう)ヒゼキヤの子(こ)マナセが、エルサレムでした行(おこな)いのゆえに、わたしは彼(かれ)らを地(ち)のすべての国(くに)が見(み)て恐(おそ)れおののくものとする。


5エルサレムよ、だれがあなたをあわれむであろうか。
だれがあなたのために嘆(なげ)くであろうか。
だれがふり返(かえ)って、あなたの安否(あんぴ)を問(と)うであろうか。
6主(しゅ)は言(い)われる、あなたはわたしを捨(す)てた。
そしてますます退(しりぞ)いて行(い)く。
それゆえ、わたしは手(て)を伸(の)べてあなたを滅(ほろ)ぼした。
わたしはあわれむことには飽(あ)きた。
7わたしはこの地(ち)の門(もん)で、
箕(みの)で彼(かれ)らをあおぎ分(わ)けた。
彼(かれ)らがその道(みち)を離(はな)れなかったので、
わたしは彼(かれ)らの子(こ)を奪(うば)い、
わが民(たみ)を滅(ほろ)ぼした。
8わたしは彼(かれ)らの寡婦(かふ)の数(かず)を
浜(はま)べの砂(すな)よりも多(おお)くした。
わたしは真昼(まひる)に、滅(ほろ)ぼす者(もの)を連(つ)れてきて、
若者(わかもの)らの母(はは)たちをせめ、
驚(おどろ)きと恐(おそ)れを、にわかに母(はは)たちにおこした。
9七人(にん)の子(こ)を産(う)んだ女(おんな)は、弱(よわ)り衰(おとろ)えて、息(いき)絶(た)え、
まだ昼(ひる)であったが、彼女(かのじょ)の日(ひ)は没(ぼっ)した。
彼女(かのじょ)は恥(は)じ、うろたえた。
その残(のこ)りの者(もの)は、これを敵(てき)のつるぎに渡(わた)すと
主(しゅ)は言(い)われる」。

10ああ、わたしはわざわいだ。わが母(はは)よ、あなたは、なぜ、わたしを産(う)んだのか。全国(ぜんこく)の人(ひと)はわたしと争(あらそ)い、わたしを攻(せ)める。わたしは人(ひと)に貸(か)したこともなく、人(ひと)に借(か)りたこともないのに、皆(みな)わたしをのろう。 11主(しゅ)よ、もしわたしが彼(かれ)らの幸福(こうふく)をあなたに祈(いの)り求(もと)めず、また敵(てき)のため、その悩(なや)みのときと、災(わざわい)のときに、わたしがあなたにとりなしをしなかったのであれば、彼(かれ)らののろいも、やむをえないでしょう。 12人(ひと)は鉄(てつ)を、北(きた)からくる鉄(てつ)や青銅(せいどう)を砕(くだ)くことができましょうか。

13「わたしはあなたの富(とみ)と宝(たから)を、ぶんどり物(もの)として他(ほか)に与(あた)える。代価(だいか)を受(う)けることはできない。それはあなたのすべての罪(つみ)によるので、領域(りょういき)内(ない)のいたる所(ところ)にこのことが起(おこ)る。 14わたしはあなたの知(し)らない地(ち)で、あなたの敵(てき)に仕(つか)えさせる。わたしの怒(いか)りによって火(ひ)は点(てん)じられ、いつまでも燃(も)え続(つづ)けるからである」。


15主(しゅ)よ、あなたは知(し)っておられます。
わたしを覚(おぼ)え、わたしを顧(かえり)みてください。
わたしを迫害(はくがい)する者(もの)に、あだを返(かえ)し、
あなたの寛容(かんよう)によって、
わたしを取(と)り去(さ)らないでください。
わたしがあなたのために、
はずかしめを受(う)けるのを知(し)ってください。
16わたしはみ言葉(ことば)を与(あた)えられて、それを食(た)べました。
み言葉(ことば)は、わたしに喜(よろこ)びとなり、
心(こころ)の楽(たの)しみとなりました。
万軍(ばんぐん)の神(かみ)、主(しゅ)よ、わたしは、あなたの名(な)をもって
となえられている者(もの)です。
17わたしは笑(わら)いさざめく人(ひと)のつどいに
すわることなく、また喜(よろこ)ぶことをせず、
ただひとりですわっていました。
あなたの手(て)がわたしの上(うえ)にあり、
あなたが憤(いきどお)りをもって
わたしを満(み)たされたからです。
18どうしてわたしの痛(いた)みは止(と)まらず、
傷(きず)は重(おも)くて、なおらないのですか。
あなたはわたしにとって、水(みず)がなくて人(ひと)を欺(あざむ)く
谷川(たにがわ)のようになられるのですか。

19それゆえ主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、
「もしあなたが帰(かえ)ってくるならば、
もとのようにして、わたしの前(まえ)に立(た)たせよう。
もしあなたが、つまらないことを言(い)うのをやめて、
貴重(きちょう)なことを言(い)うならば、
わたしの口(くち)のようになる。
彼(かれ)らはあなたの所(ところ)に帰(かえ)ってくる。
しかしあなたが彼(かれ)らの所(ところ)に帰(かえ)るのではない。
20わたしはあなたをこの民(たみ)の前(まえ)に、
堅固(けんご)な青銅(せいどう)の城壁(じょうへき)にする。
彼(かれ)らがあなたを攻(せ)めても、
あなたに勝(か)つことはできない。
わたしがあなたと共(とも)にいて、あなたを助(たす)け、
あなたを救(すく)うからであると、主(しゅ)は言(い)われる。
21わたしはあなたを悪人(あくにん)の手(て)から救(すく)い、
無慈悲(むじひ)な人(ひと)の手(て)からあがなう」。

第一六章

1主(しゅ)の言葉(ことば)はまたわたしに臨(のぞ)んだ、 2「あなたはこの所(ところ)で妻(つま)をめとってはならない。またむすこ娘(むすめ)を持(も)ってはならない。 3この所(ところ)で生(うま)れるむすこ娘(むすめ)と、この地(ち)でこれを産(う)む母(はは)たちと、これを生(う)む父(ちち)たちとについて主(しゅ)はこう言(い)われる、 4彼(かれ)らは死(し)の病(やまい)にかかって死(し)に、哀悼(あいとう)する者(もの)もなく、埋葬(まいそう)する者(もの)もなく、地(ち)のおもてに、糞土(ふんど)のようになる。またつるぎと、ききんに滅(ほろ)ぼされて、その死体(したい)は空(そら)の鳥(とり)と地(ち)の獣(けもの)の食(く)い物(もの)となる。

5主(しゅ)はこう言(い)われる、喪(も)のある家(いえ)に、はいってはならない。また行(い)って、それを悲(かな)しみ嘆(なげ)いてはならない。わたしがこの民(たみ)からわたしの平安(へいあん)と、いつくしみと、あわれみとを取(と)り去(さ)ったからであると、主(しゅ)は言(い)われる。 6大(おお)いなる者(もの)も小(ちい)さき者(もの)も、この地(ち)に死(し)ぬ。彼(かれ)らは葬(ほうむ)られず、また彼(かれ)らのために悲(かな)しむ者(もの)もなく、自分(じぶん)の身(み)を傷(きず)つける者(もの)もなく、髪(かみ)をそる者(もの)もない。 7悲(かな)しむ者(もの)のためにパンをさいて、死者(ししゃ)のためにこれを慰(なぐさ)める者(もの)はなく、また父(ちち)あるいは母(はは)のために慰(なぐさ)めの杯(さかずき)をこれに与(あた)えて飲(の)ませる者(もの)もない。 8またあなたは宴会(えんかい)をする家(いえ)にはいって、人々(ひとびと)と共(とも)にすわって食(く)い飲(の)みしてはならない。 9万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう言(い)われる、見(み)よ、あなたの目(め)の前(まえ)で、あなたのなおこの世(よ)にいる間(あいだ)に、わたしは喜(よろこ)びの声(こえ)と楽(たの)しみの声(こえ)、花婿(はなむこ)の声(こえ)と花嫁(はなよめ)の声(こえ)とをこの所(ところ)に絶(た)やしてしまう。

10あなたがこのすべての言葉(ことば)をこの民(たみ)に告(つ)げるとき、彼(かれ)らがあなたに尋(たず)ねて、『主(しゅ)がわれわれにこの大(おお)きな災(わざわい)を宣告(せんこく)されるのはどうしてですか。われわれにどんな悪(わる)い所(ところ)があるのですか。われわれの神(かみ)、主(しゅ)にそむいて、われわれが犯(おか)した罪(つみ)とはなんですか』と言(い)うならば、 11あなたは彼(かれ)らに答(こた)えなければならない、『主(しゅ)は仰(おお)せられる、それはあなたがたの先祖(せんぞ)がわたしを捨(す)てて他(た)の神々(かみがみ)に従(したが)い、これに仕(つか)え、これを拝(はい)し、またわたしを捨(す)て、わたしの律法(りっぽう)を守(まも)らなかったからである。 12あなたがたは、あなたがたの先祖(せんぞ)よりも、いっそう悪(わる)いことをした。見(み)よ、あなたがたはおのおの自分(じぶん)の悪(わる)い強情(ごうじょう)な心(こころ)に従(したが)い、わたしに聞(き)き従(したが)うことはしない。 13それゆえ、わたしはあなたがたをこの地(ち)より追(お)い出(だ)し、あなたがたも、あなたがたの先祖(せんぞ)も知(し)らない地(ち)に行(い)かせる。その所(ところ)であなたがたは昼夜(ちゅうや)、ほかの神々(かみがみ)に仕(つか)えるようになる。これはわたしがあなたがたにあわれみを示(しめ)さないからである』と。

14主(しゅ)は言(い)われる、それゆえ、見(み)よ、こののち『イスラエルの民(たみ)をエジプトの地(ち)から導(みちび)き出(だ)した主(しゅ)は生(い)きておられる』とは言(い)わないで、 15『イスラエルの民(たみ)を北(きた)の国(くに)と、そのすべて追(お)いやられた国々(くにぐに)から導(みちび)き出(だ)した主(しゅ)は生(い)きておられる』という日(ひ)がくる。わたしが彼(かれ)らを、その先祖(せんぞ)に与(あた)えた彼(かれ)らの地(ち)に導(みちび)きかえすからである。

16主(しゅ)は言(い)われる、見(み)よ、わたしは多(おお)くの漁夫(ぎょふ)を呼(よ)んできて、彼(かれ)らをすなどらせ、また、そののち多(おお)くの猟師(りょうし)を呼(よ)んできて、もろもろの山(やま)、もろもろの丘(おか)、および岩(いわ)の裂(さ)け目(め)から彼(かれ)らをかり出(だ)させる。 17わたしの目(め)は彼(かれ)らのすべての道(みち)を見(み)ているからである。みなわたしに隠(かく)れてはいない。またその悪(あく)はわたしの目(め)に隠(かく)れることはない。 18わたしはその悪(あく)とその罪(つみ)の報(むく)いを二倍(ばい)にする。彼(かれ)らがその忌(い)むべき偶像(ぐうぞう)の死体(したい)をもって、わたしの地(ち)を汚(けが)し、その憎(にく)むべきものをもって、わたしの嗣(し)業(ぎょう)を満(み)たしたからである」。
19主(しゅ)、わが力(ちから)、わが城(しろ)、
悩(なや)みの時(とき)の、のがれ場(ば)よ、
万国(ばんこく)の民(たみ)は地(ち)の果(はて)から
あなたのもとにきて申(もう)します、
「われわれの先祖(せんぞ)が受(う)け嗣(つ)いだのは、
ただ偽(いつわ)りと、役(やく)に立(た)たないつまらない事(こと)ばかりです。
20人(ひと)が自分(じぶん)で神々(かみがみ)を造(つく)ることができましょうか。
そういうものは神(かみ)ではありません」。

21「それゆえ、見(み)よ、わたしは彼(かれ)らに知(し)らせよう。すなわち、この際(さい)わたしの力(ちから)と、わたしの勢(いきお)いとを知(し)らせよう。彼(かれ)らはわたしの名(な)が、主(しゅ)であることを知(し)るようになる」。

第一七章

1「ユダの罪(つみ)は、鉄(てつ)の筆(ふで)、金剛石(こんごうせき)のとがりをもってしるされ、彼(かれ)らの心(こころ)の碑(いしぶみ)と、祭壇(さいだん)の角(つの)に彫(ほ)りつけられている。 2彼(かれ)らの子供(こども)たちは青(あお)木(き)の下(した)と、高(たか)い丘(おか)の上(うえ)、野(の)の山(やま)の上(うえ)にある祭壇(さいだん)とアシラのことを覚(おぼ)えている。 3わたしはあなたの富(とみ)とすべての宝(たから)とを、あなたの全(ぜん)領域(りょういき)の内(うち)で犯(おか)した罪(つみ)の代価(だいか)として、ぶんどり物(もの)とならせる。 4わたしがあなたに与(あた)えた嗣(し)業(ぎょう)からあなたは手(て)をはなすようになる。またわたしは、あなたの知(し)らない地(ち)で、あなたの敵(てき)に仕(つか)えさせる。わたしの怒(いか)りによって、火(ひ)は点(てん)じられ、いつまでも燃(も)え続(つづ)けるからである」。

5主(しゅ)はこう言(い)われる、
「おおよそ人(ひと)を頼(たの)みとし肉(にく)なる者(もの)を自分(じぶん)の腕(うで)とし、
その心(こころ)が主(しゅ)を離(はな)れている人(ひと)は、のろわれる。
6彼(かれ)は荒野(あらの)に育(そだ)つ小(ちい)さい木(き)のように、
何(なに)も良(よ)いことの来(く)るのを見(み)ない。
荒野(あらの)の、干上(ひあ)がった所(ところ)に住(す)み、
人(ひと)の住(す)まない塩(しお)地(ち)にいる。
7おおよそ主(しゅ)にたより、
主(しゅ)を頼(たの)みとする人(ひと)はさいわいである。
8彼(かれ)は水(みず)のほとりに植(う)えた木(き)のようで、
その根(ね)を川(かわ)にのばし、
暑(あつ)さにあっても恐(おそ)れることはない。
その葉(は)は常(つね)に青(あお)く、
ひでりの年(ねん)にも憂(うれ)えることなく、
絶(た)えず実(み)を結(むす)ぶ」。

9心(こころ)はよろずの物(もの)よりも偽(いつわ)るもので、
はなはだしく悪(あく)に染(そ)まっている。
だれがこれを、よく知(し)ることができようか。
10「主(しゅ)であるわたしは心(こころ)を探(さぐ)り、思(おも)いを試(こころ)みる。
おのおのに、その道(みち)にしたがい、
その行(おこな)いの実(み)によって報(むく)いをするためである」。

11しゃこが自分(じぶん)が産(う)んだのではない卵(たまご)を抱(だ)くように、
不正(ふせい)な財産(ざいさん)を得(え)る者(もの)がある。
その人(ひと)は一生(いっしょう)の半(なか)ばにそれから離(はな)れて、
その終(おわ)りには愚(おろ)かな者(もの)となる。

12初(はじ)めから高(たか)くあげられた栄(さか)えあるみ座(ざ)は、
われわれの聖所(せいじょ)のある所(ところ)である。
13またイスラエルの望(のぞ)みである主(しゅ)よ、
あなたを捨(す)てる者(もの)はみな恥(はじ)をかき、
あなたを離(はな)れる者(もの)は土(つち)に名(な)をしるされます。
それは生(い)ける水(みず)の源(みなもと)である主(しゅ)を捨(す)てたからです。

14主(しゅ)よ、わたしをいやしてください、
そうすれば、わたしはいえます。
わたしをお救(すく)いください、
そうすれば、わたしは救(すく)われます。
あなたはわたしのほめたたえる者(もの)だからです。
15彼(かれ)らはわたしに言(い)います、
「主(しゅ)の言葉(ことば)はどこにあるのか。
今(いま)、それを出(だ)して見(み)せよ」と。
16悪(あく)をつかわされるようにとは、
わたしはたって求(もと)めませんでした。
また災(わざわい)の日(ひ)を願(ねが)わなかったのを、
あなたはごぞんじです。
わたしのくちびるから出(で)たことは、み前(まえ)にあります。
17どうか、わたしを恐(おそ)れさせないでください。
災(わざわい)のときに、あなたはわたしののがれ場(ば)です。
18わたしを攻(せ)め悩(なや)ます者(もの)をはずかしめてください。
しかしわたしをはずかしめないでください。
彼(かれ)らを恐(おそ)れさせてください。
しかしわたしを恐(おそ)れさせないでください。
災(わざわい)の日(ひ)を彼(かれ)らにきたらせ、
滅(ほろ)びを倍(ばい)にして彼(かれ)らを滅(ほろ)ぼしてください。

19主(しゅ)はわたしにこう言(い)われた、「行(い)って、ユダの王(おう)たちの出入(でい)りするベニヤミンの門(もん)、およびエルサレムのすべての門(もん)に立(た)って、 20言(い)いなさい、『これらの門(もん)からはいるユダの王(おう)たち、およびユダのすべての民(たみ)とエルサレムに住(す)むすべての者(もの)よ、主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)きなさい。 21主(しゅ)はこう言(い)われる、命(いのち)が惜(お)しいならば気(き)をつけるがよい。安息日(あんそくにち)に荷(に)をたずさえ、またはそれを持(も)ってエルサレムの門(もん)にはいってはならない。 22また安息日(あんそくにち)にあなたがたの家(いえ)から荷(に)を運(はこ)び出(だ)してはならない。なんのわざをもしてはならない。わたしがあなたがたの先祖(せんぞ)に命(めい)じたように安息日(あんそくにち)を聖別(せいべつ)して守(まも)りなさい。 23しかし彼(かれ)らは従(したが)わず耳(みみ)を傾(かたむ)けず、聞(き)くことも、戒(いまし)めをうけることをも強情(ごうじょう)に拒(こば)んだ。

24主(しゅ)は言(い)われる、もしあなたがたがわたしに聞(き)き従(したが)い、安息日(あんそくにち)に荷(に)をたずさえてこの町(まち)の門(もん)にはいらず、安息日(あんそくにち)を聖別(せいべつ)して、なんのわざをもしないならば、 25ダビデの位(くらい)に座(ざ)する王(おう)たち、つかさたち、ユダの人々(ひとびと)、エルサレムに住(す)む者(もの)は、車(くるま)と馬(うま)に乗(の)ってこの町(まち)の門(もん)からはいることができる。そしてこの町(まち)には長(なが)く人(ひと)が住(す)むようになる。 26また人々(ひとびと)はユダの町々(まちまち)やエルサレムの周囲(しゅうい)、ベニヤミンの地(ち)、平地(へいち)と山地(さんち)およびネゲブから来(き)て燔祭(はんさい)、犠牲(ぎせい)、素祭(そさい)、乳香(にゅうこう)、感謝祭(かんしゃさい)をたずさえて主(しゅ)の家(いえ)にはいる。 27しかし、もしあなたがたがわたしに聞(き)き従(したが)わないで、安息日(あんそくにち)を聖別(せいべつ)して守(まも)ることをせず、安息日(あんそくにち)に荷(に)をたずさえてエルサレムの門(もん)にはいるならば、わたしは火(ひ)をその門(もん)の中(なか)に燃(も)やして、エルサレムのもろもろの宮殿(きゅうでん)を焼(や)き滅(ほろ)ぼす。その火(ひ)は消(き)えることがない』」。

第一八章

1主(しゅ)からエレミヤに臨(のぞ)んだ言葉(ことば)。 2「立(た)って、陶器(とうき)師(し)の家(いえ)に下(くだ)って行(い)きなさい。その所(ところ)でわたしはあなたにわたしの言葉(ことば)を聞(き)かせよう」。 3わたしは陶器(とうき)師(し)の家(いえ)へ下(くだ)って行(い)った。見(み)ると彼(かれ)は、ろくろで仕事(しごと)をしていたが、 4粘土(ねんど)で造(つく)っていた器(うつわ)が、その人(ひと)の手(て)の中(なか)で仕損(しそん)じたので、彼(かれ)は自分(じぶん)の意(い)のままに、それをもってほかの器(うつわ)を造(つく)った。

5その時(とき)、主(しゅ)の言葉(ことば)がわたしに臨(のぞ)んだ、 6「主(しゅ)は仰(おお)せられる、イスラエルの家(いえ)よ、この陶器(とうき)師(し)がしたように、わたしもあなたがたにできないのだろうか。イスラエルの家(いえ)よ、陶器(とうき)師(し)の手(て)に粘土(ねんど)があるように、あなたがたはわたしの手(て)のうちにある。 7ある時(とき)には、わたしが民(たみ)または国(くに)を抜(ぬ)く、破(やぶ)る、滅(ほろ)ぼすということがあるが、 8もしわたしの言(い)った国(くに)がその悪(あく)を離(はな)れるならば、わたしはこれに災(わざわい)を下(くだ)そうとしたことを思(おも)いかえす。 9またある時(とき)には、わたしが民(たみ)または国(くに)を建(た)てる、植(う)えるということがあるが、 10もしその国(くに)がわたしの目(め)に悪(あく)と見(み)えることを行(おこな)い、わたしの声(こえ)に聞(き)き従(したが)わないなら、わたしはこれに幸(さいわい)を与(あた)えようとしたことを思(おも)いかえす。 11それゆえ、ユダの人々(ひとびと)とエルサレムに住(す)む者(もの)に言(い)いなさい、『主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、見(み)よ、わたしはあなたがたに災(わざわい)を下(くだ)そうと工夫(くふう)し、あなたがたを攻(せ)める計(はか)りごとを立(た)てている。あなたがたはおのおのその悪(あ)しき道(みち)を離(はな)れ、その道(みち)と行(おこな)いを改(あらた)めなさい』と。

12しかし彼(かれ)らは言(い)う、『それはむだです。われわれは自分(じぶん)の図(はか)るところに従(したが)い、おのおのその悪(わる)い強情(ごうじょう)な心(こころ)にしたがって行動(こうどう)します』と。
13それゆえ主(しゅ)はこう言(い)われる、
異邦(いほう)の民(たみ)のうちのある者(もの)に尋(たず)ねてみよ、
このような事(こと)を聞(き)いた者(もの)があろうか。
おとめイスラエルは恐(おそ)ろしい事(こと)をした。
14レバノンの雪(ゆき)が、
どうしてシリオンの岩(いわ)を離(はな)れようか。
山(やま)の水(みず)、冷(つめ)たい川(かわ)の流(なが)れが、
どうしてかわいてしまおうか。
15それなのにわが民(たみ)はわたしを忘(わす)れて、
偽(いつわ)りの神々(かみがみ)に香(こう)をたいている。
彼(かれ)らはその道(みち)、古(ふる)い道(みち)につまずき、
また小道(こみち)に入(い)り、大路(おおじ)からはなれた。
16自分(じぶん)の地(ち)を荒(あ)れすたれさせて、
いつまでも人(ひと)に舌打(したう)ちされるものとした。
そこを通(とお)る人(ひと)はみな身震(みぶる)いして、首(くび)を振(ふ)る。
17わたしは東風(ひがしかぜ)のように、彼(かれ)らをその敵(てき)の前(まえ)に散(ち)らす。
その滅(ほろ)びの日(ひ)には、
わたしは彼(かれ)らに背(せ)を向(む)け、顔(かお)を向(む)けない」。

18彼(かれ)らは言(い)った、「さあ、計略(けいりゃく)をめぐらして、エレミヤを倒(たお)そう。祭司(さいし)には律法(りっぽう)があり、知恵(ちえ)ある者(もの)には計(はか)りごとがあり、預言者(よげんしゃ)には言葉(ことば)があって、これらのものが滅(ほろ)びてしまうことはない。さあ、われわれは舌(した)をもって彼(かれ)を撃(う)とう。彼(かれ)のすべての言葉(ことば)に、心(こころ)を留(と)めないことにしよう」。


19主(しゅ)よ、どうぞわたしにみ心(こころ)を留(と)め、
わたしの訴(うった)えをお聞(き)きください。
20悪(あく)をもって善(ぜん)に報(むく)いるべきでしょうか。
しかもなお彼(かれ)らはわたしの命(いのち)を取(と)ろうとして
穴(あな)を掘(ほ)りました。
わたしがあなたの前(まえ)に立(た)って、
彼(かれ)らのことを良(よ)く言(い)い、
あなたの憤(いきどお)りを止(と)めようとしたのを
覚(おぼ)えてください。
21それゆえ、彼(かれ)らの子(こ)どもたちをききんに渡(わた)し、
彼(かれ)らをつるぎの刃(は)に渡(わた)してください。
彼(かれ)らの妻(つま)は子(こ)を失(うしな)い、また寡婦(かふ)となり、
男(おとこ)は疫病(えきびょう)にかかって死(し)に、
若(わか)い者(もの)は、戦争(せんそう)でつるぎに殺(ころ)されますように。
22あなたが敵(てき)をにわかに彼(かれ)らに臨(のぞ)ませられるとき、
彼(かれ)らの家(いえ)から叫(さけ)び声(ごえ)が聞(きこ)えますように。
彼(かれ)らは穴(あな)を掘(ほ)って、わたしを捕(とら)えようとし、
わなをつくって、わたしの足(あし)を
捕(とら)えようとしたからです。
23主(しゅ)よ、あなたは彼(かれ)らがわたしを殺(ころ)すために
めぐらしている計略(けいりゃく)を皆(みな)ごぞんじです。
その悪(あく)をゆるすことなく、
その罪(つみ)をあなたの前(まえ)から消(け)し去(さ)らないでください。
彼(かれ)らをあなたの前(まえ)に倒(たお)れさせてください。
あなたのお怒(いか)りになる時(とき)に彼(かれ)らを罰(ばっ)してください。

第一九章

1主(しゅ)はこう言(い)われる、「行(い)って、陶器(とうき)師(し)のびんを買(か)い、民(たみ)の長老(ちょうろう)と年長(ねんちょう)の祭司(さいし)のうちの数人(すうにん)を伴(ともな)って、 2瀬戸(せと)かけの門(もん)の入口(いりぐち)にあるベンヒンノムの谷(たに)へ行(い)き、その所(ところ)で、わたしがあなたに語(かた)る言葉(ことば)をのべて、 3言(い)いなさい、『ユダの王(おう)たち、およびエルサレムに住(す)む者(もの)よ、主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)きなさい。万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう仰(おお)せられる、見(み)よ、わたしは災(わざわい)をこの所(ところ)に下(くだ)す。おおよそ、その災(わざわい)のことを聞(き)くものの耳(みみ)は両方(りょうほう)とも鳴(な)る。 4彼(かれ)らがわたしを捨(す)て、この所(ところ)を汚(けが)し、この所(ところ)で、自分(じぶん)も先祖(せんぞ)たちもユダの王(おう)たちも知(し)らなかった他(た)の神々(かみがみ)に香(こう)をたき、かつ罪(つみ)のない者(もの)の血(ち)を、この所(ところ)に満(み)たしたからである。 5また彼(かれ)らはバアルのために高(たか)き所(ところ)を築(きず)き、火(ひ)をもって自分(じぶん)の子(こ)どもたちを焼(や)き、燔祭(はんさい)としてバアルにささげた。これはわたしの命(めい)じたことではなく、定(さだ)めたことでもなく、また思(おも)いもしなかったことである。 6主(しゅ)は言(い)われる、それゆえ、見(み)よ、この所(ところ)をトペテまたはベンヒンノムの谷(たに)と呼(よ)ばないで、虐殺(ぎゃくさつ)の谷(たに)と呼(よ)ぶ日(ひ)がくる。 7またわたしはこの所(ところ)でユダとエルサレムの計(はか)りごとを打(う)ち破(やぶ)り、つるぎをもって、彼(かれ)らをその敵(てき)の前(まえ)と、そのいのちを求(もと)める者(もの)の手(て)に倒(たお)れさせ、またその死体(したい)を空(そら)の鳥(とり)と地(ち)の獣(けもの)の食(く)い物(もの)とし、 8かつ、この町(まち)を荒(あ)れすたれさせて、人(ひと)に舌打(したう)ちされるものとする。そこを通(とお)る人(ひと)は皆(みな)そのもろもろの災(わざわい)を見(み)て身震(みぶる)いし、舌打(したう)ちする。 9また彼(かれ)らがその敵(てき)とその命(いのち)を求(もと)める者(もの)とに囲(かこ)まれて苦(くる)しみ悩(なや)む時(とき)、わたしは彼(かれ)らに自分(じぶん)のむすこの肉(にく)、娘(むすめ)の肉(にく)を食(た)べさせる。彼(かれ)らはまた互(たがい)にその友(とも)の肉(にく)を食(た)べるようになる』。

10そこで、あなたは、一緒(いっしょ)に行(ゆ)く人々(ひとびと)の目(め)の前(まえ)で、そのびんを砕(くだ)き、 11そして彼(かれ)らに言(い)いなさい、『万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、陶器(とうき)師(し)の器(うつわ)をひとたび砕(くだ)くならば、もはやもとのようにすることはできない。このようにわたしはこの民(たみ)とこの町(まち)とを砕(くだ)く。人々(ひとびと)はほかに葬(ほうむ)るべき場所(ばしょ)がないために、トペテに葬(ほうむ)るであろう。 12主(しゅ)は仰(おお)せられる、わたしはこの所(ところ)と、ここに住(す)む者(もの)とにこのようにし、この町(まち)をトペテのようにする。 13エルサレムの家(いえ)とユダの王(おう)たちの家(いえ)、すなわち彼(かれ)らがその屋上(おくじょう)で天(てん)の衆(しゅう)群(ぐん)に香(こう)をたき、ほかの神々(かみがみ)に酒(さけ)を注(そそ)いだ家(いえ)は、皆(みな)トペテの所(ところ)のように汚(けが)される』」。

14エレミヤは主(しゅ)が彼(かれ)をつかわして預言(よげん)させられたトペテから帰(かえ)ってきて、主(しゅ)の家(いえ)の庭(にわ)に立(た)ち、すべての民(たみ)に言(い)った、 15「万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう仰(おお)せられる、見(み)よ、わたしは、この町(まち)とそのすべての村々(むらむら)に、わたしの言(い)ったもろもろの災(わざわい)を下(くだ)す。彼(かれ)らが強情(ごうじょう)で、わたしの言葉(ことば)に聞(き)き従(したが)おうとしないからである」。

第二〇章

1さて祭司(さいし)インメルの子(こ)で、主(しゅ)の宮(みや)のつかさの長(ちょう)であったパシュルは、エレミヤがこれらの事(こと)を預言(よげん)するのを聞(き)いた。 2そしてパシュルは預言者(よげんしゃ)エレミヤを打(う)ち、主(しゅ)の宮(みや)にある上(うえ)のベニヤミンの門(もん)の足(あし)かせにつないだ。 3その翌日(よくじつ)パシュルがエレミヤを足(あし)かせから解(と)き放(はな)した時(とき)、エレミヤは彼(かれ)に言(い)った、「主(しゅ)はあなたの名(な)をパシュルとは呼(よ)ばないで、『恐(おそ)れが周囲(しゅうい)にある』と呼(よ)ばれる。 4主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、見(み)よ、わたしはあなたを、あなた自身(じしん)とあなたのすべての友(とも)だちに恐(おそ)れを起(おこ)させる者(もの)とする。彼(かれ)らはあなたが見(み)ている目(め)の前(まえ)で敵(てき)のつるぎに倒(たお)れる。わたしはまたユダのすべての民(たみ)をバビロン王(おう)の手(て)に渡(わた)す。彼(かれ)は彼(かれ)らを捕(とら)えてバビロンに移(うつ)し、つるぎをもって殺(ころ)す。 5わたしはまたこの町(まち)のすべての富(とみ)と、その獲(え)たすべての物(もの)と、そのすべての貴重(きちょう)な物(もの)と、ユダの王(おう)たちのすべての宝物(ほうもつ)をその敵(てき)の手(て)に渡(わた)す。彼(かれ)らはこれをかすめ、民(たみ)を捕(とら)えてバビロンに移(うつ)す。 6パシュルよ、あなたと、あなたの家(いえ)に住(す)む者(もの)とはみな捕(とら)え移(うつ)される。あなたはバビロンに行(い)って、その所(ところ)で死(し)に、その所(ところ)に葬(ほうむ)られる。あなたも、あなたが偽(いつわ)って預言(よげん)した言葉(ことば)に聞(き)き従(したが)った友(とも)もみなそのようになる」。


7主(しゅ)よ、あなたがわたしを欺(あざむ)かれたので、
わたしはその欺(あざむ)きに従(したが)いました。
あなたはわたしよりも強(つよ)いので、
わたしを説(と)き伏(ふ)せられたのです。
わたしは一日(いちにち)中(ぢゅう)、物笑(ものわら)いとなり、
人(ひと)はみなわたしをあざけります。
8それは、わたしが語(かた)り、呼(よ)ばわるごとに、
「暴虐(ぼうぎゃく)、滅亡(めつぼう)」と叫(さけ)ぶからです。
主(しゅ)の言葉(ことば)が一日(いちにち)中(ぢゅう)、
わが身(み)のはずかしめと、あざけりになるからです。
9もしわたしが、「主(しゅ)のことは、重(かさ)ねて言(い)わない、
このうえその名(な)によって語(かた)る事(こと)はしない」と言(い)えば、
主(しゅ)の言葉(ことば)がわたしの心(こころ)にあって、燃(も)える火(ひ)の
わが骨(ほね)のうちに閉(と)じこめられているようで、
それを押(おさ)えるのに疲(つか)れはてて、
耐(た)えることができません。
10多(おお)くの人(ひと)のささやくのを聞(き)くからです。
恐(おそ)れが四方(しほう)にあります。
「告発(こくはつ)せよ。さあ、彼(かれ)を告発(こくはつ)しよう」と言(い)って、
わが親(した)しい友(とも)は皆(みな)
わたしのつまずくのを、うかがっています。
また、「彼(かれ)は欺(あざむ)かれるだろう。
そのとき、われわれは彼(かれ)に勝(か)って、
あだを返(かえ)すことができる」と言(い)います。
11しかし主(しゅ)は強(つよ)い勇士(ゆうし)のように
わたしと共(とも)におられる。
それゆえ、わたしに迫(せま)りくる者(もの)はつまずき、
わたしに打(う)ち勝(か)つことはできない。
彼(かれ)らは、なし遂(と)げることができなくて、
大(おお)いに恥(はじ)をかく。
その恥(はじ)は、いつまでも忘(わす)れられることはない。
12正(ただ)しき者(もの)を試(こころ)み、
人(ひと)の心(こころ)と思(おも)いを見(み)られる万軍(ばんぐん)の主(しゅ)よ、
あなたが彼(かれ)らに、
あだを返(かえ)されるのを見(み)せてください。
わたしはあなたに、わたしの訴(うった)えを
お任(まか)せしたからです。

13主(しゅ)に向(む)かって歌(うた)い、主(しゅ)をほめたたえよ。
主(しゅ)は貧(まず)しい者(もの)の命(いのち)を、
悪人(あくにん)の手(て)から救(すく)われたからである。

14わたしの生(うま)れた日(ひ)はのろわれよ。
母(はは)がわたしを産(う)んだ日(ひ)は祝福(しゅくふく)を受(う)けるな。
15わたしの父(ちち)に「男(おとこ)の子(こ)が、生(うま)れました」と告(つ)げて、
彼(かれ)を大(おお)いに喜(よろこ)ばせた人(ひと)は、のろわれよ。
16その人(ひと)は、主(しゅ)のあわれみを受(う)けることなく、
滅(ほろ)ぼされた町(まち)のようになれ。
朝(あさ)には、彼(かれ)に叫(さけ)びを聞(き)かせ、
昼(ひる)には戦(たたか)いの声(こえ)を聞(き)かせよ。
17彼(かれ)がわたしを胎内(たいない)で殺(ころ)さず、
わが母(はは)をわたしの墓場(はかば)となさず、
その胎(たい)をいつまでも大(おお)きくしなかったからである。
18なにゆえにわたしは胎内(たいない)を出(で)てきて、
悩(なや)みと悲(かな)しみに会(あ)い、恥(はじ)を受(う)けて一生(いっしょう)を過(す)ごすのか。

第二一章

1ゼデキヤ王(おう)は、マルキヤの子(こ)パシュルと祭司(さいし)マアセヤの子(こ)ゼパニヤを、エレミヤのもとにつかわし、 2「バビロンの王(おう)ネブカデレザルがわれわれを攻(せ)めようとしているゆえ、われわれのために主(しゅ)に尋(たず)ねてほしい。主(しゅ)はそのもろもろの不思議(ふしぎ)なわざをもって、われわれを助(たす)け、バビロンの王(おう)をわれわれから退(しりぞ)かせられるかも知(し)れない」と言(い)わせた。その時(とき)、主(しゅ)の言葉(ことば)がエレミヤに臨(のぞ)んだ。

3エレミヤは彼(かれ)らに答(こた)えて言(い)った、「あなたがたはゼデキヤにこのように言(い)いなさい、 4『イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、見(み)よ、あなたがたが、この城壁(じょうへき)の外(そと)にあって、あなたがたを攻(せ)め囲(かこ)むバビロンの王(おう)およびカルデヤびとと戦(たたか)うとき、わたしはあなたがたの手(て)に持(も)っている武器(ぶき)をとりあげ、これを町(まち)の中(なか)に集(あつ)めさせる。 5わたしは手(て)を伸(の)べ、強(つよ)い腕(うで)をもって、怒(いか)り、憤(いきどお)り、激(はげ)しく怒(いか)って、あなたがたを攻(せ)める。 6わたしはまたこの町(まち)に住(す)む人(ひと)と獣(けもの)とを撃(う)つ。彼(かれ)らはみな重(おも)い疫病(えきびょう)にかかって死(し)ぬ。 7主(しゅ)は言(い)われる、この後(のち)、わたしはユダの王(おう)ゼデキヤとその家来(けらい)たち、および疫病(えきびょう)と、つるぎと、ききんを免(まぬか)れて、この町(まち)に残(のこ)っている民(たみ)を、バビロンの王(おう)ネブカデレザルの手(て)と、その敵(てき)の手(て)、およびその命(いのち)を求(もと)める者(もの)の手(て)に渡(わた)す。バビロンの王(おう)はつるぎの刃(は)にかけて彼(かれ)らを撃(う)ち、彼(かれ)らを惜(お)しまず、顧(かえり)みず、またあわれむこともしない』。

8あなたはまたこの民(たみ)に言(い)いなさい、『主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、見(み)よ、わたしは命(いのち)の道(みち)と死(し)の道(みち)とをあなたがたの前(まえ)に置(お)く。 9この町(まち)にとどまる者(もの)は、つるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)とで死(し)ぬ。しかし、出(で)て行(い)って、あなたがたを攻(せ)め囲(かこ)んでいるカルデヤびとに降伏(こうふく)する者(もの)は死(し)を免(まぬか)れ、その命(いのち)は自分(じぶん)のぶんどり物(もの)となる。 10主(しゅ)は言(い)われる、わたしがこの町(まち)に顔(かお)を向(む)けたのは幸(さいわい)を与(あた)えるためではなく、災(わざわい)を与(あた)えるためである。この町(まち)はバビロンの王(おう)の手(て)に渡(わた)される。彼(かれ)は火(ひ)をもって、これを焼(や)き払(はら)う』。

11またユダの王(おう)の家(いえ)に言(い)いなさい、『主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)きなさい。 12ダビデの家(いえ)よ、主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、
朝(あさ)ごとに、正(ただ)しいさばきを行(おこな)い、
物(もの)を奪(うば)われた人(ひと)をしえたげる者(もの)の手(て)から救(すく)え。
そうしないと、あなたがたの悪(わる)い行(おこな)いのために、
わたしの怒(いか)りは火(ひ)のように燃(も)えて、
それを消(け)すことはできない』」。

13「主(しゅ)は言(い)われる、谷(たに)に住(す)む者(もの)よ、平原(へいげん)の岩(いわ)よ、
見(み)よ、わたしはあなたに敵(てき)する。
あなたがたは言(い)う、
『だれが下(くだ)ってきて、われわれを攻(せ)めるものか、
だれがわれわれのいる所(ところ)に、はいるものか』と。
14わたしはあなたがたを、
その行(おこな)いの実(み)によって罰(ばっ)する。
またその林(はやし)に火(ひ)をつけて、
その周囲(しゅうい)のものをみな焼(や)き尽(つく)すと、主(しゅ)は言(い)われる」。

第二二章

1主(しゅ)はこう言(い)われる、「ユダの王(おう)の家(いえ)に下(くだ)り、その所(ところ)にこの言葉(ことば)をのべて、 2言(い)いなさい、『ダビデの位(くらい)にすわるユダの王(おう)よ、あなたと、あなたの家臣(かしん)、および、この門(もん)からはいるあなたの民(たみ)は主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)きなさい。 3主(しゅ)はこう言(い)われる、公平(こうへい)と正義(せいぎ)を行(おこな)い、物(もの)を奪(うば)われた人(ひと)を、しえたげる者(もの)の手(て)から救(すく)い、異邦(いほう)の人(ひと)、孤児(こじ)、寡婦(かふ)を悩(なや)まし、しえたげてはならない。またこの所(ところ)に、罪(つみ)なき者(もの)の血(ち)を流(なが)してはならない。 4もしあなたがたがこの言葉(ことば)を真実(しんじつ)に行(おこな)うならば、ダビデの位(くらい)にすわる王(おう)とその家臣(かしん)、およびその民(たみ)は、車(くるま)と馬(うま)に乗(の)って、この家(いえ)の門(もん)にはいることができる。 5しかしあなたがたがこの言葉(ことば)を聞(き)かないならば、わたしは自身(じしん)をさして誓(ちか)うが、この家(いえ)は荒(あ)れ地(ち)となると、主(しゅ)は言(い)われる。 6主(しゅ)はユダの王(おう)の家(いえ)についてこう言(い)われる、
あなたはわたしに対(たい)してギレアデのようであり、
レバノンの頂(いただき)のようである。
しかし、わたしは必(かなら)ずあなたを荒(あ)れ地(ち)にし、
人(ひと)の住(す)まない町(まち)にする。
7わたしは滅(ほろ)ぼす者(もの)を設(もう)けて、あなたを攻(せ)めさせる、
彼(かれ)らはおのおのその武器(ぶき)をとり、
あなたの麗(うるわ)しい香柏(こうはく)を切(き)り倒(たお)し、
火(ひ)に投(な)げ入(い)れる。

8多(おお)くの国(くに)の人(ひと)はこの町(まち)を過(す)ぎ、互(たがい)に語(かた)って、「なぜ主(しゅ)はこの大(おお)いなる町(まち)をこのようにされたのか」と言(い)うとき、 9人(ひと)は答(こた)えて、「これは彼(かれ)らがその神(かみ)、主(しゅ)の契約(けいやく)を捨(す)てて他(た)の神々(かみがみ)を拝(はい)し、これに仕(つか)えたからである」と言(い)うであろう』」。


10死(し)んだ者(もの)のために泣(な)くことなく、
またそのために嘆(なげ)いてはならない。
捕(とら)え移(うつ)されてゆく者(もの)のために、激(はげ)しく泣(な)け。
彼(かれ)はふたたび帰(かえ)ってきて、
その故郷(こきょう)を見(み)ることがないからである。

11ユダの王(おう)ヨシヤの子(こ)シャルムは父(ちち)ヨシヤについで王(おう)となったが、ついにこの所(ところ)から出(で)て行(い)った。主(しゅ)は彼(かれ)についてこう言(い)われる、「彼(かれ)は再(ふたた)びここに帰(かえ)らない。 12彼(かれ)はその捕(とら)え行(い)かれた所(ところ)で死(し)に、再(ふたた)びこの地(ち)を見(み)ない」。


13「不義(ふぎ)をもってその家(いえ)を建(た)て、
不法(ふほう)をもってその高殿(たかどの)を造(つく)り、
隣(とな)り人(びと)を雇(やと)って何(なに)をも与(あた)えず、
その賃金(ちんぎん)を払(はら)わない者(もの)はわざわいである。
14彼(かれ)は言(い)う、『わたしは自分(じぶん)のために大(おお)きな家(いえ)を建(た)て、
広(ひろ)い高殿(たかどの)を造(つく)ろう』と。
そしてこれがために窓(まど)を造(つく)り、
香柏(こうはく)の鏡板(かがみいた)でおおい、それを朱(しゅ)で塗(ぬ)る。
15あなたは競(きそ)って香柏(こうはく)を用(もち)いることによって、
王(おう)であると思(おも)うのか。
あなたの父(ちち)は食(く)い飲(の)みし、
公平(こうへい)と正義(せいぎ)を行(おこな)って、幸(さいわい)を得(え)たのではないか。
16彼(かれ)は貧(まず)しい人(ひと)と乏(とぼ)しい人(ひと)の訴(うった)えをただして、
さいわいを得(え)た。
こうすることがわたしを知(し)ることではないかと
主(しゅ)は言(い)われる。
17しかし、あなたは目(め)も心(こころ)も、
不正(ふせい)な利益(りえき)のためにのみ用(もち)い、
罪(つみ)なき者(もの)の血(ち)を流(なが)そうとし、
圧制(あっせい)と暴虐(ぼうぎゃく)を行(おこな)おうとする」。

18それゆえ、主(しゅ)はユダの王(おう)ヨシヤの子(こ)エホヤキムについてこう言(い)われる、
「人々(ひとびと)は『悲(かな)しいかな、わが兄(あに)』、
『悲(かな)しいかな、わが姉(あね)』と言(い)って、
彼(かれ)のために嘆(なげ)かない。
また『悲(かな)しいかな、主君(しゅくん)よ』、
『悲(かな)しいかな、陛下(へいか)よ』と言(い)って嘆(なげ)かない。
19ろばが埋(う)められるように、彼(かれ)は葬(ほうむ)られる。
引(ひ)かれて行(い)って、
エルサレムの門(もん)の外(そと)に投(な)げ捨(す)てられる」。

20「レバノンに登(のぼ)って呼(よ)ばわり、
バシャンにあなたの声(こえ)をあげ、
アバリムから呼(よ)ばわれ。
あなたの愛(あい)する者(もの)がみな滅(ほろ)ぼされるからだ。
21あなたの栄(さか)えていた時(とき)、わたしはあなたに語(かた)ったが
『聞(き)きたくはない』と言(い)った。
あなたがわたしの声(こえ)に聞(き)き従(したが)わないことは、
あなたの幼(おさな)い時(とき)からの、ならわしであった。
22あなたの牧者(ぼくしゃ)はみな、風(かぜ)に追(お)い立(た)てられ、
あなたの愛(あい)する者(もの)は捕(とら)え移(うつ)される。
その時(とき)、あなたは自分(じぶん)のもろもろの悪(あく)のために、
恥(は)じ、うろたえる。
23レバノンに住(す)み、
香柏(こうはく)の中(なか)に巣(す)をつくっている者(もの)よ、
子(こ)を産(う)む女(おんな)に臨(のぞ)む苦(くる)しみのような苦痛(くつう)が
あなたに臨(のぞ)むとき、
あなたはどんなに嘆(なげ)くことであろうか」。

24「主(しゅ)は言(い)われる、わたしは生(い)きている。ユダの王(おう)エホヤキムの子(こ)コニヤが、わたしの右手(みぎて)の指輪(ゆびわ)であっても、わたしはあなたを抜(ぬ)き取(と)る。 25あなたの命(いのち)を求(もと)める者(もの)の手(て)、あなたがその顔(かお)を恐(おそ)れる者(もの)の手(て)、すなわちバビロンの王(おう)ネブカデレザルの手(て)と、カルデヤびとの手(て)にあなたを渡(わた)す。 26わたしは、あなたと、あなたを産(う)んだ母(はは)を、あなたがたの生(うま)れた国(くに)でない他(た)の国(くに)に追(お)いやる。あなたがたはそこで死(し)ぬ。 27彼(かれ)らが帰(かえ)りたいとせつに願(ねが)う国(くに)に、彼(かれ)らは再(ふたた)び帰(かえ)ることができない」。
28この人(ひと)コニヤは
卑(いや)しむべき、こわれたつぼであろうか、
だれも心(こころ)に留(と)めない器(うつわ)であろうか。
なぜ彼(かれ)とその子孫(しそん)は追(お)いやられて、
知(し)らない地(ち)に投(な)げやられるのか。
29ああ、地(ち)よ、地(ち)よ、地(ち)よ、
主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)けよ。
30主(しゅ)はこう言(い)われる、
「この人(ひと)を、子(こ)なき人(ひと)として、
またその一生(いっしょう)のうち、
栄(さか)えることのない人(ひと)として記録(きろく)せよ。
その子孫(しそん)のうち、ひとりも栄(さか)えて、
ダビデの位(くらい)にすわり、
ユダを治(おさ)めるものが再(ふたた)び起(おこ)らないからである」。

第二三章

1主(しゅ)は言(い)われる、「わが牧場(まきば)の羊(ひつじ)を滅(ほろ)ぼし散(ち)らす牧者(ぼくしゃ)はわざわいである」。 2それゆえイスラエルの神(かみ)、主(しゅ)はわが民(たみ)を養(やしな)う牧者(ぼくしゃ)についてこう言(い)われる、「あなたがたはわたしの群(む)れを散(ち)らし、これを追(お)いやって顧(かえり)みなかった。見(み)よ、わたしはあなたがたの悪(あ)しき行(おこな)いによってあなたがたに報(むく)いると、主(しゅ)は言(い)われる。 3わたしの群(む)れの残(のこ)った者(もの)を、追(お)いやったすべての地(ち)から集(あつ)め、再(ふたた)びこれをそのおりに帰(かえ)らせよう。彼(かれ)らは子(こ)を産(う)んでその数(かず)が多(おお)くなる。 4わたしはこれを養(やしな)う牧者(ぼくしゃ)をその上(うえ)に立(た)てる、彼(かれ)らは再(ふたた)び恐(おそ)れることなく、またおののくことなく、いなくなることもないと、主(しゅ)は言(い)われる。

5主(しゅ)は仰(おお)せられる、見(み)よ、わたしがダビデのために一つの正(ただ)しい枝(えだ)を起(おこ)す日(ひ)がくる。彼(かれ)は王(おう)となって世(よ)を治(おさ)め、栄(さか)えて、公平(こうへい)と正義(せいぎ)を世(よ)に行(おこな)う。 6その日(ひ)ユダは救(すくい)を得(え)、イスラエルは安(やす)らかにおる。その名(な)は『主(しゅ)はわれわれの正義(せいぎ)』ととなえられる。

7主(しゅ)は言(い)われる、それゆえ見(み)よ、人々(ひとびと)は『イスラエルの民(たみ)をエジプトの地(ち)から導(みちび)き出(だ)された主(しゅ)は生(い)きておられる』とまた言(い)わないで、 8『イスラエルの家(いえ)の子孫(しそん)を北(きた)の地(ち)と、そのすべて追(お)いやられた地(ち)から導(みちび)き出(だ)された神(かみ)は生(い)きておられる』という日(ひ)がくる。その時(とき)、彼(かれ)らは自分(じぶん)の地(ち)に住(す)んでいる」。

9預言者(よげんしゃ)たちについて。
わが心(こころ)はわたしのうちに破(やぶ)れ、
わが骨(ほね)はみな震(ふる)う。
主(しゅ)とその聖(せい)なる言葉(ことば)のために、
わたしは酔(よ)っている人(ひと)のよう、
酒(さけ)に打(う)ち負(ま)かされた人(ひと)のようである。
10この地(ち)に姦淫(かんいん)を行(おこな)うものが満(み)ちているからだ。
のろいによって地(ち)は嘆(なげ)き、荒野(あらの)の牧場(まきば)はかわく。
彼(かれ)らの道(みち)は悪(わる)く、その力(ちから)は正(ただ)しくない。
11「預言者(よげんしゃ)と祭司(さいし)とは共(とも)に神(かみ)を汚(けが)す者(もの)である。
わたしの家(いえ)においてすら
彼(かれ)らの悪(あく)を見(み)たと、主(しゅ)は言(い)われる。
12それゆえ、彼(かれ)らの道(みち)は、
おのずから暗黒(あんこく)の中(なか)にある
なめらかな道(みち)のようになり、
彼(かれ)らは押(お)されてその道(みち)に倒(たお)れる。
わたしが彼(かれ)らの罰(ばっ)せられる年(とし)に、
災(わざわい)をその上(うえ)に臨(のぞ)ませるからであると、主(しゅ)は言(い)われる。
13わたしはサマリヤの預言者(よげんしゃ)のうちに
不快(ふかい)な事(こと)のあるのを見(み)た。
彼(かれ)らはバアルによって預言(よげん)し、
わが民(たみ)イスラエルを惑(まど)わした。
14しかしエルサレムの預言者(よげんしゃ)のうちには、
恐(おそ)ろしい事(こと)のあるのを見(み)た。
彼(かれ)らは姦淫(かんいん)を行(おこな)い、偽(いつわ)りに歩(あゆ)み、
悪人(あくにん)の手(て)を強(つよ)くし、
人(ひと)をその悪(あく)から離(はな)れさせない。
彼(かれ)らはみなわたしにはソドムのようであり、
その民(たみ)はゴモラのようである」。
15それゆえ万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は預言者(よげんしゃ)についてこう言(い)われる、
「見(み)よ、わたしは彼(かれ)らに、にがよもぎを食(た)べさせ、
毒(どく)の水(みず)を飲(の)ませる。
神(かみ)を汚(けが)すことがエルサレムの預言者(よげんしゃ)から出(で)て、
全(ぜん)地(ち)に及(およ)んでいるからである」。

16万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はこう言(い)われる、「あなたがたに預言(よげん)する預言者(よげんしゃ)の言葉(ことば)を聞(き)いてはならない。彼(かれ)らはあなたがたに、むなしい望(のぞ)みをいだかせ、主(しゅ)の口(くち)から出(で)たのでない、自分(じぶん)の心(こころ)の黙示(もくし)を語(かた)るのである。 17彼(かれ)らは主(しゅ)の言葉(ことば)を軽(かる)んじる者(もの)に向(む)かって絶(た)えず、『あなたがたは平安(へいあん)を得(え)る』と言(い)い、また自分(じぶん)の強情(ごうじょう)な心(こころ)にしたがって歩(あゆ)むすべての人(ひと)に向(む)かって、『あなたがたに災(わざわい)はこない』と言(い)う」。


18彼(かれ)らのうちだれか主(しゅ)の議会(ぎかい)に立(た)って、
その言葉(ことば)を見聞(みき)きした者(もの)があろうか。
だれか耳(みみ)を傾(かたむ)けてその言葉(ことば)を聞(き)いた者(もの)があろうか。
19見(み)よ、主(しゅ)の暴風(ぼうふう)がくる。
憤(いきどお)りと、つむじ風(かぜ)が出(で)て、悪人(あくにん)のこうべをうつ。
20主(しゅ)の怒(いか)りは、み心(こころ)に思(おも)い定(さだ)められたことを
なし遂(と)げられるまで退(しりぞ)くことはない。
末(すえ)の日(ひ)にあなたがたはそれを明(あき)らかに悟(さと)る。

21預言者(よげんしゃ)たちはわたしがつかわさなかったのに、
彼(かれ)らは走(はし)った。
わたしが、彼(かれ)らに告(つ)げなかったのに、
彼(かれ)らは預言(よげん)した。
22もし彼(かれ)らがわたしの議会(ぎかい)に立(た)ったのであれば、
わたしの民(たみ)にわが言葉(ことば)を告(つ)げ示(しめ)して、
その悪(わる)い道(みち)と悪(わる)い行(おこな)いから、離(はな)れさせたであろうに。

23「主(しゅ)は言(い)われる、わたしはただ近(ちか)くの神(かみ)であって、遠(とお)くの神(かみ)ではないのであるか。 24主(しゅ)は言(い)われる、人(ひと)は、ひそかな所(ところ)に身(み)を隠(かく)して、わたしに見(み)られないようにすることができようか。主(しゅ)は言(い)われる、わたしは天(てん)と地(ち)とに満(み)ちているではないか。 25わが名(な)によって偽(いつわ)りを預言(よげん)する預言者(よげんしゃ)たちが、『わたしは夢(ゆめ)を見(み)た、わたしは夢(ゆめ)を見(み)た』と言(い)うのを聞(き)いた。 26偽(いつわ)りを預言(よげん)する預言者(よげんしゃ)たちの心(こころ)に、いつまで偽(いつわ)りがあるのであるか。彼(かれ)らはその心(こころ)の欺(あざむ)きを預言(よげん)する。 27彼(かれ)らはその先祖(せんぞ)がバアルに従(したが)ってわが名(な)を忘(わす)れたように、互(たがい)に夢(ゆめ)を語(かた)って、わたしの民(たみ)にわが名(な)を忘(わす)れさせようとする。 28夢(ゆめ)をみた預言者(よげんしゃ)は夢(ゆめ)を語(かた)るがよい。しかし、わたしの言葉(ことば)を受(う)けた者(もの)は誠実(せいじつ)にわたしの言葉(ことば)を語(かた)らなければならない。わらと麦(むぎ)とをくらべることができようかと、主(しゅ)は言(い)われる。 29主(しゅ)は仰(おお)せられる、わたしの言葉(ことば)は火(ひ)のようではないか。また岩(いわ)を打(う)ち砕(くだ)く鎚(つち)のようではないか。 30それゆえ見(み)よ、わたしはわたしの言葉(ことば)を互(たがい)に盗(ぬす)む預言者(よげんしゃ)の敵(てき)となると、主(しゅ)は言(い)われる。 31見(み)よ、わたしは、『主(しゅ)は言(い)いたもう』と舌(した)をもって語(かた)る預言者(よげんしゃ)の敵(てき)となると、主(しゅ)は言(い)われる。 32主(しゅ)は仰(おお)せられる、見(み)よ、わたしは偽(いつわ)りの夢(ゆめ)を預言(よげん)する者(もの)の敵(てき)となる。彼(かれ)らはそれを語(かた)り、またその偽(いつわ)りと大言(たいげん)をもってわたしの民(たみ)を惑(まど)わす。わたしが彼(かれ)らをつかわしたのではなく、また彼(かれ)らに命(めい)じたのでもない。それで彼(かれ)らはこの民(たみ)にすこしも益(えき)にならないと、主(しゅ)は言(い)われる。

33この民(たみ)のひとり、または預言者(よげんしゃ)、または祭司(さいし)があなたに、『主(しゅ)の重荷(おもに)はなんですか』と問(と)うならば、彼(かれ)らに答(こた)えなさい、『あなたがたがその重荷(おもに)です。そして主(しゅ)は、あなたがたを捨(す)てると言(い)っておられます』と。 34そして、『主(しゅ)の重荷(おもに)』と言(い)うその預言者(よげんしゃ)、祭司(さいし)、または民(たみ)のひとりを、その家族(かぞく)と共(とも)にわたしは罰(ばっ)する。 35あなたがたは、みな互(たがい)に、隣(とな)り人(びと)に、また兄弟(きょうだい)に、こう言(い)わなければならない、『主(しゅ)はなんと答(こた)えられましたか』、『主(しゅ)はなんと言(い)われましたか』と。 36しかし重(かさ)ねて『主(しゅ)の重荷(おもに)』と言(い)ってはならない。重荷(おもに)は人(ひと)おのおのの自分(じぶん)の言葉(ことば)だからである。あなたがたは生(い)ける神(かみ)、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)なるわれわれの神(かみ)の言葉(ことば)を曲(ま)げる者(もの)である。 37あなたは預言者(よげんしゃ)にこう言(い)わなければならない、『主(しゅ)はあなたになんと答(こた)えられましたか』、『主(しゅ)はなんと言(い)われましたか』と。 38もしあなたがたが『主(しゅ)の重荷(おもに)』と言(い)うならば、主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、『わたしが人(ひと)をあなたがたにつかわして、あなたがたは「主(しゅ)の重荷(おもに)」と言(い)ってはならないと言(い)わせたのに、あなたがたは「主(しゅ)の重荷(おもに)」という言葉(ことば)を言(い)ったので、 39わたしは必(かなら)ずあなたがたを捕(とら)え移(うつ)させ、あなたがたとあなたがたの先祖(せんぞ)とに与(あた)えたこの町(まち)と、あなたがたとを、わたしの前(まえ)から捨(す)て去(さ)る。 40そして、忘(わす)れられることのない永遠(えいえん)のはずかしめと永遠(えいえん)の恥(はじ)を、あなたがたにこうむらせる』」。

第二四章

1バビロンの王(おう)ネブカデレザルがユダの王(おう)エホヤキムの子(こ)エコニヤおよびユダの君(きみ)たちと工匠(こうしょう)と鍛冶(かじ)をエルサレムからバビロンに移(うつ)して後(のち)、主(しゅ)はわたしにこの幻(まぼろし)をお示(しめ)しになった。見(み)よ、主(しゅ)の宮(みや)の前(まえ)に置(お)かれているいちじくを盛(も)った二つのかごがあった。 2その一つのかごには、はじめて熟(じゅく)したような非常(ひじょう)に良(よ)いいちじくがあり、ほかのかごには非常(ひじょう)に悪(わる)くて食(た)べられないほどの悪(わる)いいちじくが入(い)れてあった。 3主(しゅ)はわたしに、「エレミヤよ、何(なに)を見(み)るか」と言(い)われた。わたしは、「いちじくです。その良(よ)いいちじくは非常(ひじょう)によく、悪(わる)いほうのいちじくは非常(ひじょう)に悪(わる)くて、食(た)べられません」と答(こた)えた。

4主(しゅ)の言葉(ことば)がまたわたしに臨(のぞ)んだ、 5「イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、この所(ところ)からカルデヤびとの地(ち)に追(お)いやったユダの捕(とら)われ人(びと)を、わたしはこの良(よ)いいちじくのように顧(かえり)みて恵(めぐ)もう。 6わたしは彼(かれ)らに目(め)をかけてこれを恵(めぐ)み、彼(かれ)らをこの地(ち)に返(かえ)し、彼(かれ)らを建(た)てて倒(たお)さず、植(う)えて抜(ぬ)かない。 7わたしは彼(かれ)らにわたしが主(しゅ)であることを知(し)る心(こころ)を与(あた)えよう。彼(かれ)らはわたしの民(たみ)となり、わたしは彼(かれ)らの神(かみ)となる。彼(かれ)らは一心(いっしん)にわたしのもとに帰(かえ)ってくる。

8主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、わたしはユダの王(おう)ゼデキヤとそのつかさたち、およびエルサレムの人(ひと)の残(のこ)ってこの地(ち)にいる者(もの)、ならびにエジプトの地(ち)に住(す)んでいる者(もの)を、この悪(わる)くて食(た)べられない悪(わる)いいちじくのようにしよう。 9わたしは彼(かれ)らを地(ち)のもろもろの国(くに)で、忌(い)みきらわれるものとし、またわたしの追(お)いやるすべての所(ところ)で、はずかしめに会(あ)わせ、ことわざとなり、あざけりと、のろいに会(あ)わせる。 10わたしはつるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)を彼(かれ)らのうちに送(おく)って、ついに彼(かれ)らをわたしが彼(かれ)らとその先祖(せんぞ)とに与(あた)えた地(ち)から絶(た)えさせる」。

第二五章

1ユダの王(おう)ヨシヤの子(こ)エホヤキムの四年(ねん)(バビロンの王(おう)ネブカデレザルの元年(がんねん))にユダのすべての民(たみ)についての言葉(ことば)がエレミヤに臨(のぞ)んだ。 2預言者(よげんしゃ)エレミヤはこの言葉(ことば)をユダのすべての民(たみ)とエルサレムに住(す)むすべての人(ひと)に告(つ)げて言(い)った、 3「ユダの王(おう)アモンの子(こ)ヨシヤの十三年(ねん)から今日(こんにち)にいたるまで二十三年(ねん)の間(あいだ)、主(しゅ)の言葉(ことば)がわたしに臨(のぞ)んだ。わたしはたゆまずにそれをあなたがたに語(かた)ってきたが、あなたがたは聞(き)かなかった。 4主(しゅ)はたゆまず、そのしもべである預言者(よげんしゃ)を、あなたがたにつかわされたが、あなたがたは聞(き)かずまた耳(みみ)を傾(かたむ)けて聞(き)こうともしなかった。 5彼(かれ)らは言(い)った、『あなたがたはおのおの今(いま)その悪(あく)の道(みち)と悪(わる)い行(おこな)いを捨(す)てなさい。そうすれば主(しゅ)が昔(むかし)からあなたがたと先祖(せんぞ)たちとに与(あた)えられた地(ち)に永遠(えいえん)に住(す)むことができる。 6あなたがたは、ほかの神(かみ)に従(したが)って、それに仕(つか)え、それを拝(おが)んではならない。あなたがたの手(て)で作(つく)ったものをもって、わたしを怒(いか)らせてはならない。このようなことをしないなら、わたしはあなたがたをそこなうことはない』と。 7しかしあなたがたはわたしに聞(き)き従(したが)わず、あなたがたの手(て)で作(つく)った物(もの)をもって、わたしを怒(いか)らせて自(みずか)ら害(がい)を招(まね)いたと、主(しゅ)は言(い)われる。

8それゆえ万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、あなたがたがわたしの言葉(ことば)に聞(き)き従(したが)わないゆえ、 9見(み)よ、わたしは北(きた)の方(ほう)のすべての種族(しゅぞく)と、わたしのしもべであるバビロンの王(おう)ネブカデレザルを呼(よ)び寄(よ)せて、この地(ち)とその民(たみ)と、そのまわりの国々(くにぐに)を攻(せ)め滅(ほろ)ぼさせ、これを忌(い)みきらわれるものとし、人(ひと)の笑(わら)いものとし、永遠(えいえん)のはずかしめとすると、主(しゅ)は言(い)われる。 10またわたしは喜(よろこ)びの声(こえ)、楽(たの)しみの声(こえ)、花婿(はなむこ)の声(こえ)、花嫁(はなよめ)の声(こえ)、ひきうすの音(おと)、ともしびの光(ひかり)を彼(かれ)らの中(なか)に絶(た)えさせる。 11この地(ち)はみな滅(ほろ)ぼされて荒(あ)れ地(ち)となる。そしてその国々(くにぐに)は七十年(ねん)の間(あいだ)バビロンの王(おう)に仕(つか)える。 12主(しゅ)は言(い)われる、七十年(ねん)の終(おわ)った後(のち)に、わたしはバビロンの王(おう)と、その民(たみ)と、カルデヤびとの地(ち)を、その罪(つみ)のために罰(ばっ)し、永遠(えいえん)の荒(あ)れ地(ち)とする。 13わたしはあの地(ち)について、わたしが語(かた)ったすべての言葉(ことば)をその上(うえ)に臨(のぞ)ませる。これはエレミヤが、万国(ばんこく)のことについて預言(よげん)したものであって、みなこの書(しょ)にしるされている。 14多(おお)くの国々(くにぐに)と偉大(いだい)な王(おう)たちとは、彼(かれ)らをさえ奴隷(どれい)として仕(つか)えさせる。わたしは彼(かれ)らの行(おこな)いと、その手(て)のわざに従(したが)って報(むく)いる」。

15イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)はわたしにこう仰(おお)せられた、「わたしの手(て)から、この怒(いか)りの杯(さかずき)を受(う)けて、わたしがあなたをつかわす国々(くにぐに)の民(たみ)に飲(の)ませなさい。 16彼(かれ)らは飲(の)んで、よろめき狂(くる)う。これはわたしが彼(かれ)らのうちに、つるぎをつかわそうとしているからである」。

17こうしてわたしは主(しゅ)の手(て)から杯(さかずき)を受(う)け、主(しゅ)がわたしをつかわされた国々(くにぐに)の民(たみ)に飲(の)ませた。 18すなわちエルサレムとユダのすべての町(まち)と、その王(おう)たちおよびそのつかさたちに飲(の)ませて、それらを滅(ほろ)ぼし、荒(あ)れ地(ち)とし、人(ひと)の笑(わら)いものとし、のろわれるものとした。今日(こんにち)のとおりである。 19またエジプトの王(おう)パロとその家来(けらい)たち、その君(きみ)たち、そのすべての民(たみ)と、 20もろもろの寄留(きりゅう)の異邦人(いほうじん)、およびウズの地(ち)のすべての王(おう)たち、およびペリシテびとの地(ち)のすべての王(おう)たち、(アシケロン、ガザ、エクロン、アシドドの残(のこ)りの者(もの))、 21エドム、モアブ、アンモンの子孫(しそん)、 22ツロのすべての王(おう)たち、シドンのすべての王(おう)たち、海(うみ)のかなたの海沿(うみぞ)いの地(ち)の王(おう)たち、 23デダン、テマ、ブズおよびすべて髪(かみ)の毛(け)のすみずみをそる者(もの)、 24アラビヤのすべての王(おう)たち、荒野(あらの)の雑種(ざっしゅ)の民(たみ)のすべての王(おう)たち、 25ジムリのすべての王(おう)たち、エラムのすべての王(おう)たち、メデアのすべての王(おう)たち、 26北(きた)のすべての王(おう)たちの遠(とお)き者(もの)、近(ちか)き者(もの)もつぎつぎに、またすべて地(ち)のおもてにある世(よ)の国々(くにぐに)の王(おう)たちもこの杯(さかずき)を飲(の)む。そして彼(かれ)らの次(つぎ)にバビロンの王(おう)もこれを飲(の)む。

27「それであなたは彼(かれ)らに言(い)いなさい、『万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう仰(おお)せられる、飲(の)め、酔(よ)って吐(は)け、倒(たお)れて再(ふたた)び立(た)つな、わたしがあなたがたのうちに、つるぎをつかわすからである』」。

28「もし彼(かれ)らがあなたの手(て)から杯(さかずき)を受(う)けて飲(の)むことをしないならば、あなたは彼(かれ)らに言(い)いなさい、『万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、あなたがたは必(かなら)ず飲(の)まなければならない。 29見(み)よ、わたしの名(な)をもって呼(よ)ばれるこの町(まち)にさえ災(わざわい)を下(くだ)すのだ。どうしてあなたがたが罰(ばつ)を免(まぬか)れることができようか。あなたがたは罰(ばつ)を免(まぬか)れることはできない。わたしがつるぎを呼(よ)び寄(よ)せて、地(ち)に住(す)むすべての者(もの)を攻(せ)めるからであると、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は仰(おお)せられる』。

30それゆえ、あなたは彼(かれ)らにこのすべての言葉(ことば)を預言(よげん)して言(い)いなさい、
『主(しゅ)は高(たか)い所(ところ)から呼(よ)ばわり、
その聖(せい)なるすまいから声(こえ)を出(だ)し、
自分(じぶん)のすみかに向(む)かって大(おお)いに呼(よ)ばわり、
地(ち)に住(す)むすべての者(もの)に向(む)かって
ぶどうを踏(ふ)む者(もの)のように叫(さけ)ばれる。
31叫(さけ)びは地(ち)の果(はて)にまで響(ひび)きわたる。
主(しゅ)が国々(くにぐに)と争(あらそ)い、
すべての肉(にく)なる者(もの)をさばき、
悪人(あくにん)をつるぎに渡(わた)すからであると、主(しゅ)は言(い)われる』。
32万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、
見(み)よ、国(くに)から国(くに)へ災(わざわい)が出(で)て行(い)く。
大(おお)きなあらしが地(ち)の果(はて)からおこる。

33その日(ひ)、主(しゅ)に殺(ころ)される人々(ひとびと)は、地(ち)のこの果(はて)から、かの果(はて)に及(およ)ぶ。彼(かれ)らは悲(かな)しまれず、集(あつ)められず、また葬(ほうむ)られずに、地(ち)のおもてに糞土(ふんど)となる。
34牧者(ぼくしゃ)よ、嘆(なげ)き叫(さけ)べ、
群(む)れのかしらたちよ、灰(はい)の中(なか)にまろべ。
あなたがたのほふられる日(ひ)、
散(ち)らされる日(ひ)が来(き)たからだ。
あなたがたは選(えら)び分(わ)けられた雄羊(おひつじ)のように倒(たお)れる。
35牧者(ぼくしゃ)には、のがれ場(ば)なく、
群(む)れのかしらたちは逃(に)げる所(ところ)がない。
36牧者(ぼくしゃ)の叫(さけ)び声(ごえ)と、
群(む)れのかしらたちの嘆(なげ)きの声(こえ)が聞(きこ)える。
主(しゅ)が彼(かれ)らの牧場(まきば)を滅(ほろ)ぼしておられるからだ。
37主(しゅ)の激(はげ)しい怒(いか)りによって、
平和(へいわ)な牧場(まきば)は荒(あ)れていく。
38ししのように彼(かれ)はその巣(す)を出(で)た。
主(しゅ)のつるぎと、その激(はげ)しい怒(いか)りによって、
彼(かれ)らの地(ち)は荒(あ)れ地(ち)となった」。

第二六章

1ユダの王(おう)ヨシヤの子(こ)エホヤキムが世(よ)を治(おさ)めた初(はじ)めのころ、主(しゅ)からこの言葉(ことば)があった、 2「主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、主(しゅ)の宮(みや)の庭(にわ)に立(た)ち、わたしがあなたに命(めい)じて言(い)わせるすべての言葉(ことば)を、主(しゅ)の宮(みや)で礼(れい)拝(はい)するために来(き)ているユダの町々(まちまち)の人々(ひとびと)に告(つ)げなさい。ひと言(こと)をも言(い)い残(のこ)しておいてはならない。 3彼(かれ)らが聞(き)いて、おのおのその悪(わる)い道(みち)を離(はな)れることがあるかも知(し)れない。そのとき、わたしは彼(かれ)らの行(おこな)いの悪(わる)いために、災(わざわい)を彼(かれ)らに下(くだ)そうとしたのを思(おも)いなおす。 4あなたは彼(かれ)らに言(い)いなさい、『主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、もしあなたがたがわたしに聞(き)き従(したが)わず、わたしがあなたがたの前(まえ)に定(さだ)めおいた律法(りっぽう)を行(おこな)わず、 5わたしがあなたがたに、しきりにつかわすわたしのしもべである預言者(よげんしゃ)の言葉(ことば)に聞(き)き従(したが)わないならば、(あなたがたは聞(き)き従(したが)わなかったが、) 6わたしはこの宮(みや)をシロのようにし、またこの町(まち)を地(ち)の万国(ばんこく)にのろわれるものとする』」。

7祭司(さいし)と預言者(よげんしゃ)およびすべての民(たみ)は、エレミヤが主(しゅ)の宮(みや)でこれらの言葉(ことば)を語(かた)るのを聞(き)いた。 8エレミヤが主(しゅ)に命(めい)じられたすべての言葉(ことば)を民(たみ)に告(つ)げ終(おわ)った時(とき)、祭司(さいし)と預言者(よげんしゃ)および民(たみ)はみな彼(かれ)を捕(とら)えて言(い)った、「あなたは死(し)ななければならない。 9なぜあなたは主(しゅ)の名(な)によって預言(よげん)し、この宮(みや)はシロのようになり、この町(まち)は荒(あら)されて住(す)む人(ひと)もなくなるであろうと言(い)ったのか」と。民(たみ)はみな主(しゅ)の宮(みや)に集(あつ)まってエレミヤを取(と)り囲(かこ)んだ。

10ユダのつかさたちはこの事(こと)を聞(き)いて王(おう)の宮殿(きゅうでん)を出(で)て主(しゅ)の宮(みや)に上(のぼ)り、主(しゅ)の宮(みや)の「新(あたら)しい門(もん)」の入口(いりぐち)に座(ざ)した。 11祭司(さいし)と預言者(よげんしゃ)らは、つかさたちとすべての民(たみ)に訴(うった)えて言(い)った、「この人(ひと)は死刑(しけい)に処(しょ)すべき者(もの)です。あなたがたが自分(じぶん)の耳(みみ)で聞(き)かれたように、この町(まち)に逆(さか)らう預言(よげん)をしたのです」。

12その時(とき)エレミヤは、つかさたちとすべての民(たみ)に言(い)った、「主(しゅ)はわたしをつかわし、この宮(みや)とこの町(まち)にむかって、預言(よげん)をさせられたので、そのすべての言葉(ことば)をあなたがたは聞(き)いた。 13それで、あなたがたは今(いま)、あなたがたの道(みち)と行(おこな)いを改(あらた)め、あなたがたの神(かみ)、主(しゅ)の声(こえ)に聞(き)き従(したが)いなさい。そうするならば主(しゅ)はあなたがたに災(わざわい)を下(くだ)そうとしたことを思(おも)いなおされる。 14見(み)よ、わたしはあなたがたの手(て)の中(なか)にある。あなたがたの目(め)に、良(よ)いと見(み)え、正(ただ)しいと思(おも)うことをわたしに行(おこな)うがよい。 15ただ明(あき)らかにこのことを知(し)っておきなさい。もしあなたがたがわたしを殺(ころ)すならば、罪(つみ)なき者(もの)の血(ち)はあなたがたの身(み)と、この町(まち)と、その住民(じゅうみん)とに帰(き)する。まことに主(しゅ)がわたしをつかわして、このすべての言葉(ことば)をあなたがたの耳(みみ)に、告(つ)げさせられたからである」。

16つかさたちと、すべての民(たみ)とは、祭司(さいし)と預言者(よげんしゃ)に言(い)った、「この人(ひと)は死刑(しけい)に処(しょ)すべき者(もの)ではない。われわれの神(かみ)、主(しゅ)の名(な)によってわれわれに語(かた)ったのである」。 17その時(とき)この地(ち)の長老(ちょうろう)たち数人(すうにん)が立(た)って、そこに集(あつ)まっているすべての者(もの)に告(つ)げて言(い)った、 18「ユダの王(おう)ヒゼキヤの世(よ)に、モレシテびとミカはユダのすべての民(たみ)に預言(よげん)して言(い)った、『万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、
シオンは畑(はたけ)のように耕(たがや)され、
エルサレムは石塚(いしづか)となり、
宮(みや)の山(やま)は木(き)のおい茂(しげ)る高(たか)い所(ところ)となる』。
19ユダの王(おう)ヒゼキヤと、すべてのユダの人(ひと)は彼(かれ)を殺(ころ)そうとしたことがあろうか。ヒゼキヤは主(しゅ)を恐(おそ)れ、主(しゅ)の恵(めぐ)みを求(もと)めたので、主(しゅ)は彼(かれ)らに災(わざわい)を下(くだ)すとお告(つ)げになったのを思(おも)いなおされたではないか。しかし、われわれは、自分(じぶん)の身(み)に大(おお)きな災(わざわい)を招(まね)こうとしている」。

20主(しゅ)の名(な)によって預言(よげん)した人(ひと)がほかにもあった。すなわちキリアテ・ヤリムのシマヤの子(こ)ウリヤである。彼(かれ)はエレミヤとおなじような言葉(ことば)をもって、この町(まち)とこの地(ち)にむかって預言(よげん)した。 21エホヤキム王(おう)と、そのすべての勇士(ゆうし)と、すべてのつかさたちはその言葉(ことば)を聞(き)いた。そして王(おう)は彼(かれ)を殺(ころ)そうと思(おも)ったが、ウリヤはこれを聞(き)いて恐(おそ)れ、エジプトに逃(に)げて行(い)ったので、 22エホヤキム王(おう)は人(ひと)をエジプトにつかわした。すなわちアクボルの子(こ)エルナタンと他(た)の数(すう)名(めい)の人(ひと)を、エジプトにつかわした。 23彼(かれ)らはウリヤをエジプトから引(ひ)き出(だ)し、エホヤキム王(おう)のもとに連(つ)れてきたので、王(おう)はつるぎをもって彼(かれ)を殺(ころ)し、その死体(したい)を共同(きょうどう)墓地(ぼち)に捨(す)てさせた。

24しかしシャパンの子(こ)アヒカムはエレミヤを助(たす)け、民(たみ)の手(て)に渡(わた)されて殺(ころ)されることのないようにした。

第二七章

1ユダの王(おう)ヨシヤの子(こ)ゼデキヤが世(よ)を治(おさ)め始(はじ)めたころ、この言葉(ことば)が主(しゅ)からエレミヤに臨(のぞ)んだ。 2すなわち主(しゅ)はこうわたしに仰(おお)せられた、「綱(つな)と、くびきとを作(つく)って、それをあなたの首(くび)につけ、 3エルサレムにいるユダの王(おう)ゼデキヤの所(ところ)に来(き)た使者(ししゃ)たちによって、エドムの王(おう)、モアブの王(おう)、アンモンびとの王(おう)、ツロの王(おう)、シドンの王(おう)に言(い)いおくりなさい。 4彼(かれ)らの主君(しゅくん)にこの命(いのち)を伝(つた)えさせなさい、『万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう仰(おお)せられる、あなたがたは主君(しゅくん)にこのように告(つ)げなければならない。 5わたしは大(おお)いなる力(ちから)と伸(の)べた腕(うで)とをもって、地(ち)と地(ち)の上(うえ)にいる人(ひと)と獣(けもの)とをつくった者(もの)である。そして心(こころ)のままに地(ち)を人(ひと)に与(あた)える。 6いまわたしはこのすべての国(くに)を、わたしのしもべであるバビロンの王(おう)ネブカデネザルの手(て)に与(あた)え、また野(の)の獣(けもの)をも彼(かれ)に与(あた)えて彼(かれ)に仕(つか)えさせた。 7彼(かれ)の地(ち)に時(とき)がくるまで、万国民(ばんこくみん)は彼(かれ)とその子(こ)とその孫(まご)に仕(つか)える。その時(とき)がくるならば、多(おお)くの国(くに)と大(おお)いなる王(おう)たちとが彼(かれ)を自分(じぶん)の奴隷(どれい)にする。

8バビロンの王(おう)ネブカデネザルに仕(つか)えず、バビロンの王(おう)のくびきを自分(じぶん)の首(くび)に負(お)わない民(たみ)と国(くに)とは、わたしがつるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)をもって罰(ばっ)し、ついには彼(かれ)の手(て)によってことごとく滅(ほろ)ぼすと主(しゅ)は言(い)われる。 9それで、あなたがたの預言者(よげんしゃ)、占(うらな)い師(し)、夢(ゆめ)みる者(もの)、法(ほう)術(じゅつ)師(し)、魔法使(まほうつかい)が、「あなたがたはバビロンの王(おう)に仕(つか)えることはない」と言(い)っても、聞(き)いてはならない。 10彼(かれ)らはあなたがたに偽(いつわ)りを預言(よげん)して、あなたがたを自分(じぶん)の国(くに)から遠(とお)く離(はな)れさせ、わたしに、あなたがたを追(お)い出(だ)してあなたがたを滅(ほろ)ぼさせるのである。 11しかしバビロンの王(おう)のくびきを首(くび)に負(お)って、彼(かれ)に仕(つか)える国民(こくみん)を、わたしはその故国(ここく)に残(のこ)らせ、それを耕(たがや)して、そこに住(す)まわせると主(しゅ)は言(い)われる』」。

12わたしはユダの王(おう)ゼデキヤにも同(おな)じように言(い)った、「あなたがたは、バビロンの王(おう)のくびきを自分(じぶん)の首(くび)に負(お)って、彼(かれ)とその民(たみ)とに仕(つか)え、そして生(い)きなさい。 13どうしてあなたと、あなたの民(たみ)とが、主(しゅ)がバビロンの王(おう)に仕(つか)えない国民(こくみん)について言(い)われたように、つるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)に死(し)んでよかろうか。 14あなたがたはバビロンの王(おう)に仕(つか)えることはないとあなたがたに告(つ)げる預言者(よげんしゃ)の言葉(ことば)を聞(き)いてはならない。彼(かれ)らがあなたがたに預言(よげん)していることは偽(いつわ)りであるからだ。 15主(しゅ)は言(い)われる、わたしが彼(かれ)らをつかわしたのではないのに、彼(かれ)らはわたしの名(な)によって偽(いつわ)って預言(よげん)している。そのために、わたしはあなたがたを追(お)い払(はら)い、あなたがたと、あなたがたに預言(よげん)する預言者(よげんしゃ)たちを滅(ほろ)ぼすようになるのだ」。

16わたしはまた祭司(さいし)とこのすべての民(たみ)とに語(かた)って言(い)った、「主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、『見(み)よ、主(しゅ)の宮(みや)の器(うつわ)は今(いま)、すみやかに、バビロンから返(かえ)されてくる』とあなたがたに預言(よげん)する預言者(よげんしゃ)の言葉(ことば)を聞(き)いてはならない。それは、彼(かれ)らがあなたがたに預言(よげん)していることは偽(いつわ)りであるからだ。 17彼(かれ)らのいうことを聞(き)いてはならない。バビロンの王(おう)に仕(つか)え、そして生(い)きなさい。どうしてこの町(まち)が荒(あ)れ地(ち)となってよかろうか。 18もし彼(かれ)らが預言者(よげんしゃ)であって、主(しゅ)の言葉(ことば)が彼(かれ)らのうちにあるのであれば、主(しゅ)の宮(みや)とユダの王(おう)の宮殿(きゅうでん)とエルサレムとに残(のこ)されている器(うつわ)が、バビロンに移(うつ)されないように、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)に、とりなしを願(ねが)うべきだ。 19万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は柱(はしら)と海(うみ)と台(だい)、その他(た)この町(まち)に残(のこ)っている器(うつわ)について、こう仰(おお)せられる。 20これはバビロンの王(おう)ネブカデネザルが、ユダの王(おう)エホヤキムの子(こ)エコニヤ、およびユダとエルサレムのすべての身分(みぶん)の尊(たっと)い人々(ひとびと)を捕(とら)えてエルサレムからバビロンに移(うつ)したときに、持(も)ち去(さ)らなかった器(うつわ)である。―― 21すなわち万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)は、主(しゅ)の宮(みや)とユダの王(おう)の宮殿(きゅうでん)とエルサレムとに残(のこ)されている器(うつわ)について、こう仰(おお)せられる。 22これらはバビロンに携(たずさ)え行(い)かれ、わたしが顧(かえり)みる日(ひ)までそこにおかれている。その後(のち)、わたしはこれらのものを、この所(ところ)に携(たずさ)え帰(かえ)らせると主(しゅ)は言(い)われる」。

第二八章

1その年(ねん)、すなわちユダの王(おう)ゼデキヤの治世(ちせい)の初(はじ)め、その第(だい)四年(ねん)の五月(がつ)、ギベオン出身(しゅっしん)の預言者(よげんしゃ)であって、アズルの子(こ)であるハナニヤは、主(しゅ)の宮(みや)で祭司(さいし)とすべての民(たみ)の前(まえ)でわたしに語(かた)って言(い)った、 2「万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう仰(おお)せられる、わたしはバビロンの王(おう)のくびきを砕(くだ)いた。 3二年(ねん)の内(うち)に、バビロンの王(おう)ネブカデネザルが、この所(ところ)から取(と)ってバビロンに携(たずさ)えて行(い)った主(しゅ)の宮(みや)の器(うつわ)を、皆(みな)この所(ところ)に帰(かえ)らせる。 4わたしはまたユダの王(おう)エホヤキムの子(こ)エコニヤと、バビロンに行(い)ったユダのすべての捕(とら)われ人(びと)をこの所(ところ)に帰(かえ)らせる。それは、わたしがバビロンの王(おう)のくびきを、砕(くだ)くからであると主(しゅ)は言(い)われる」。

5そこで預言者(よげんしゃ)エレミヤは主(しゅ)の宮(みや)のうちに立(た)っている祭司(さいし)とすべての民(たみ)の前(まえ)で、預言者(よげんしゃ)ハナニヤに言(い)った。 6すなわち預言者(よげんしゃ)エレミヤは言(い)った、「アァメン。どうか主(しゅ)がこのようにしてくださるように。どうかあなたの預言(よげん)した言葉(ことば)が成就(じょうじゅ)して、バビロンに携(たずさ)えて行(い)った主(しゅ)の宮(みや)の器(うつわ)とすべての捕(とら)われ人(びと)を、主(しゅ)がバビロンから再(ふたた)びこの所(ところ)に帰(かえ)らせてくださるように。 7ただし、今(いま)わたしがあなたとすべての民(たみ)の聞(き)いている所(ところ)で語(かた)るこの言葉(ことば)を聞(き)きなさい。 8わたしと、あなたの先(さき)に出(で)た預言者(よげんしゃ)は、むかしから、多(おお)くの地(ち)と大(おお)きな国(くに)について、戦(たたか)いと、ききんと、疫病(えきびょう)の事(こと)を預言(よげん)した。 9平和(へいわ)を預言(よげん)する預言者(よげんしゃ)は、その預言者(よげんしゃ)の言葉(ことば)が成就(じょうじゅ)するとき、真実(しんじつ)に主(しゅ)がその預言者(よげんしゃ)をつかわされたのであることが知(し)られるのだ」。

10そこで預言者(よげんしゃ)ハナニヤは預言者(よげんしゃ)エレミヤの首(くび)から、くびきを取(と)って、それを砕(くだ)いた。 11そしてハナニヤは、すべての民(たみ)の前(まえ)で語(かた)り、「主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、『わたしは二年(ねん)のうちに、このように、万国民(ばんこくみん)の首(くび)からバビロンの王(おう)ネブカデネザルのくびきを離(はな)して砕(くだ)く』」と言(い)った。預言者(よげんしゃ)エレミヤは去(さ)って行(い)った。

12預言者(よげんしゃ)ハナニヤが預言者(よげんしゃ)エレミヤの首(くび)から、くびきを離(はな)して砕(くだ)いた後(のち)、しばらくして主(しゅ)の言葉(ことば)がエレミヤに臨(のぞ)んだ、 13「行(い)って、ハナニヤに告(つ)げなさい、『主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、あなたは木(き)のくびきを砕(くだ)いたが、わたしはそれに替(か)えて鉄(てつ)のくびきを作(つく)ろう。 14万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう仰(おお)せられる、わたしは鉄(てつ)のくびきをこの万国民(ばんこくみん)の首(くび)に置(お)いて、バビロンの王(おう)ネブカデネザルに仕(つか)えさせる。彼(かれ)らはこれに仕(つか)える。わたしは野(の)の獣(けもの)をも彼(かれ)に与(あた)えた』」。 15預言者(よげんしゃ)エレミヤはまた預言者(よげんしゃ)ハナニヤに言(い)った、「ハナニヤよ、聞(き)きなさい。主(しゅ)があなたをつかわされたのではない。あなたはこの民(たみ)に偽(いつわ)りを信(しん)じさせた。 16それゆえ主(しゅ)は仰(おお)せられる、『わたしはあなたを地(ち)のおもてから除(のぞ)く。あなたは主(しゅ)に対(たい)する反逆(はんぎゃく)を語(かた)ったので、今(いま)年(とし)のうちに死(し)ぬのだ』と」。

17預言者(よげんしゃ)ハナニヤはその年(ねん)の七月(がつ)に死(し)んだ。

第二九章

1これは預言者(よげんしゃ)エレミヤがエルサレムから、かの捕(とら)え移(うつ)された長老(ちょうろう)たち、およびネブカデネザルによってエルサレムからバビロンに捕(とら)え移(うつ)された祭司(さいし)と預言者(よげんしゃ)ならびにすべての民(たみ)に送(おく)った手紙(てがみ)に書(か)きしるした言葉(ことば)である。 2それはエコニヤ王(おう)と太后(たいこう)と宦官(かんがん)およびユダとエルサレムのつかさたち、および工匠(こうしょう)と鍛冶(かじ)とがエルサレムを去(さ)ってのちに書(か)かれたものであって、 3エレミヤはその手紙(てがみ)をシャパンの子(こ)エラサおよびヒルキヤの子(こ)ゲマリヤの手(て)によって送(おく)った。この人々(ひとびと)はユダの王(おう)ゼデキヤがバビロンに行(い)かせ、バビロンの王(おう)ネブカデネザルのもとにつかわしたものであった。その手紙(てがみ)には次(つぎ)のように書(か)いてあった。 4「万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)は、すべて捕(とら)え移(うつ)された者(もの)、すなわち、わたしがエルサレムから、バビロンに捕(とら)え移(うつ)させた者(もの)に、こう言(い)う、 5あなたがたは家(いえ)を建(た)てて、それに住(す)み、畑(はたけ)を作(つく)ってその産物(さんぶつ)を食(た)べよ。 6妻(つま)をめとって、むすこ娘(むすめ)を産(う)み、また、そのむすこに嫁(よめ)をめとり、娘(むすめ)をとつがせて、むすこ娘(むすめ)を産(う)むようにせよ。その所(ところ)であなたがたの数(かず)を増(ま)し、減(へ)ってはならない。 7わたしがあなたがたを捕(とら)え移(うつ)させたところの町(まち)の平安(へいあん)を求(もと)め、そのために主(しゅ)に祈(いの)るがよい。その町(まち)が平安(へいあん)であれば、あなたがたも平安(へいあん)を得(え)るからである。 8万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう言(い)われる、あなたがたのうちにいる預言者(よげんしゃ)と占(うらな)い師(し)に惑(まど)わされてはならない。また彼(かれ)らの見(み)る夢(ゆめ)に聞(き)き従(したが)ってはならない。 9それは、彼(かれ)らがわたしの名(な)によってあなたがたに偽(いつわ)りを預言(よげん)しているからである。わたしが彼(かれ)らをつかわしたのではないと主(しゅ)は言(い)われる。

10主(しゅ)はこう言(い)われる、バビロンで七十年(ねん)が満(み)ちるならば、わたしはあなたがたを顧(かえり)み、わたしの約束(やくそく)を果(はた)し、あなたがたをこの所(ところ)に導(みちび)き帰(かえ)る。 11主(しゅ)は言(い)われる、わたしがあなたがたに対(たい)していだいている計画(けいかく)はわたしが知(し)っている。それは災(わざわい)を与(あた)えようというのではなく、平安(へいあん)を与(あた)えようとするものであり、あなたがたに将来(しょうらい)を与(あた)え、希望(きぼう)を与(あた)えようとするものである。 12その時(とき)、あなたがたはわたしに呼(よ)ばわり、来(き)て、わたしに祈(いの)る。わたしはあなたがたの祈(いのり)を聞(き)く。 13あなたがたはわたしを尋(たず)ね求(もと)めて、わたしに会(あ)う。もしあなたがたが一心(いっしん)にわたしを尋(たず)ね求(もと)めるならば、 14わたしはあなたがたに会(あ)うと主(しゅ)は言(い)われる。わたしはあなたがたの繁栄(はんえい)を回復(かいふく)し、あなたがたを万国(ばんこく)から、すべてわたしがあなたがたを追(お)いやった所(ところ)から集(あつ)め、かつ、わたしがあなたがたを捕(とら)われ離(はな)れさせたそのもとの所(ところ)に、あなたがたを導(みちび)き帰(かえ)ろうと主(しゅ)は言(い)われる。

15あなたがたは、『主(しゅ)はバビロンでわれわれのために預言者(よげんしゃ)たちを起(おこ)された』と言(い)ったが、―― 16主(しゅ)はダビデの位(くらい)に座(ざ)している王(おう)と、この町(まち)に住(す)むすべての民(たみ)で、あなたがたと共(とも)に捕(とら)え移(うつ)されなかった兄弟(きょうだい)たちについて、こう言(い)われる、 17『万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はこう言(い)われる、見(み)よ、わたしは、つるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)を彼(かれ)らに送(おく)り、彼(かれ)らを悪(わる)くて食(た)べられない腐(くさ)ったいちじくのようにしてしまう。 18わたしはつるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)をもって彼(かれ)らのあとを追(お)い、また彼(かれ)らを地(ち)の万国(ばんこく)に忌(い)みきらわれるものとなし、わたしが彼(かれ)らを追(お)いやる国々(くにぐに)で、のろいとなり、恐(おそ)れとなり、物笑(ものわら)いとなり、はずかしめとならせる。 19それは彼(かれ)らがわたしの言葉(ことば)に聞(き)き従(したが)わなかったからであると主(しゅ)は言(い)われる。わたしはこの言葉(ことば)を、わたしのしもべである預言者(よげんしゃ)たちによって、しきりに送(おく)ったが、あなたがたは聞(き)こうともしなかったと主(しゅ)は言(い)われる』。―― 20わたしがエルサレムからバビロンに送(おく)ったあなたがたすべての捕(とら)われ人(びと)よ、主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)きなさい、 21『わたしの名(な)によって、あなたがたに偽(いつわ)りを預言(よげん)しているコラヤの子(こ)アハブと、マアセヤの子(こ)ゼデキヤについて万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう仰(おお)せられる、見(み)よ、わたしは彼(かれ)らをバビロンの王(おう)ネブカデレザルの手(て)に渡(わた)す。王(おう)はあなたがたの目(め)の前(まえ)で彼(かれ)らを殺(ころ)す。 22バビロンにいるユダの捕(とら)われ人(びと)は皆(みな)、彼(かれ)らの名(な)を、のろいの言葉(ことば)に用(もち)いて、「主(しゅ)があなたをバビロンの王(おう)が火(ひ)で焼(や)いたゼデキヤとアハブのようにされるように」という。 23それは、彼(かれ)らがイスラエルのうちで愚(おろ)かな事(こと)をし、隣(となり)の妻(つま)と不義(ふぎ)を行(おこな)い、わたしが命(めい)じたのでない偽(いつわ)りの言葉(ことば)を、わたしの名(な)によって語(かた)ったことによるのである。わたしはそれを知(し)っており、またその証人(しょうにん)であると主(しゅ)は言(い)われる』」。

24ネヘラムびとシマヤにあなたは言(い)いなさい、 25「万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう仰(おお)せられる、あなたは自分(じぶん)の名(な)でエルサレムにいるすべての民(たみ)と、マアセヤの子(こ)祭司(さいし)ゼパニヤおよびすべての祭司(さいし)に手紙(てがみ)を送(おく)って言(い)う、 26『主(しゅ)は祭司(さいし)エホヤダに代(かわ)ってあなたを祭司(さいし)とし、主(しゅ)の宮(みや)をつかさどらせ、すべて狂(くる)い、かつ預言(よげん)する者(もの)を足(あし)かせと首(くび)かせにつながせられる。 27そうであるのに、どうしてあなたは、あなたがたに預言(よげん)しているアナトテのエレミヤを戒(いまし)めないのか。 28彼(かれ)はバビロンにいるわれわれの所(ところ)に手紙(てがみ)を送(おく)って、捕(とら)われの時(とき)はなお長(なが)いゆえ、あなたがたは家(いえ)を建(た)ててそこに住(す)み、畑(はたけ)を作(つく)ってその産物(さんぶつ)を食(た)べよと言(い)ってきた』」。

29祭司(さいし)ゼパニヤはこの手紙(てがみ)を預言者(よげんしゃ)エレミヤに読(よ)み聞(き)かせた。 30その時(とき)、主(しゅ)の言葉(ことば)がエレミヤに臨(のぞ)んだ、 31「すべての捕(とら)われ人(びと)に書(か)き送(おく)って言(い)いなさい、ネヘラムびとシマヤの事(こと)について主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、わたしはシマヤをつかわさなかったのに、彼(かれ)があなたがたに預言(よげん)して偽(いつわ)りを信(しん)じさせたので、 32主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、見(み)よ、わたしはネヘラムびとシマヤとその子孫(しそん)を罰(ばっ)する。彼(かれ)は主(しゅ)に対(たい)する反逆(はんぎゃく)を語(かた)ったゆえ、彼(かれ)に属(ぞく)する者(もの)で、この民(たみ)のうちに住(す)み、わたしが自分(じぶん)の民(たみ)に行(おこな)おうとしている良(よ)い事(こと)を見(み)るものはひとりもいない」。

第三〇章

1主(しゅ)からエレミヤに臨(のぞ)んだ言葉(ことば)。 2「イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、わたしがあなたに語(かた)った言葉(ことば)を、ことごとく書物(しょもつ)にしるしなさい。 3主(しゅ)は言(い)われる、見(み)よ、わたしがわが民(たみ)イスラエルとユダの繁栄(はんえい)を回復(かいふく)する日(ひ)が来(く)る。主(しゅ)がこれを言(い)われる。わたしは彼(かれ)らを、その先祖(せんぞ)に与(あた)えた地(ち)に帰(かえ)らせ、彼(かれ)らにこれを保(たも)たせる」。

4これは主(しゅ)がイスラエルとユダについて言(い)われた言葉(ことば)である。
5「主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、
われわれはおののきの声(こえ)を聞(き)いた。
恐(おそ)れがあり、平安(へいあん)はない。
6子(こ)を産(う)む男(おとこ)があるか、尋(たず)ねてみよ。
どうして男(おとこ)がみな子(こ)を産(う)む女(おんな)のように
手(て)を腰(こし)におくのをわたしは見(み)るのか。
なぜ、どの人(ひと)の顔色(かおいろ)も青(あお)く変(かわ)っているのか。
7悲(かな)しいかな、その日(ひ)は大(おお)いなる日(ひ)であって、
それに比(くら)べるべき日(ひ)はない。
それはヤコブの悩(なや)みの時(とき)である。
しかし彼(かれ)はそれから救(すく)い出(だ)される。

8万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は仰(おお)せられる、その日(ひ)わたしは彼(かれ)らの首(くび)からそのくびきを砕(くだ)き離(はな)し、彼(かれ)らの束縛(そくばく)を解(と)く。異邦(いほう)の人(ひと)はもはや、彼(かれ)らを使役(しえき)することをしない。 9彼(かれ)らはその神(かみ)、主(しゅ)と、わたしが彼(かれ)らのために立(た)てるその王(おう)ダビデに仕(つか)える。
10主(しゅ)は仰(おお)せられる、
わがしもべヤコブよ、恐(おそ)れることはない、
イスラエルよ、驚(おどろ)くことはない。
見(み)よ、わたしがあなたを救(すく)って、遠(とお)くからかえし、
あなたの子孫(しそん)を救(すく)って、
その捕(とら)え移(うつ)された地(ち)からかえすからだ。
ヤコブは帰(かえ)ってきて、穏(おだ)やかに安(やす)らかにおり、
彼(かれ)を恐(おそ)れさせる者(もの)はない。
11主(しゅ)は言(い)われる、
わたしはあなたと共(とも)にいて、あなたを救(すく)う。
わたしはあなたを散(ち)らした国々(くにぐに)を
ことごとく滅(ほろ)ぼし尽(つく)す。
しかし、あなたを滅(ほろ)ぼし尽(つく)すことはしない。
わたしは正(ただ)しい道(みち)に従(したが)ってあなたを懲(こ)らしめる。
決(けっ)して罰(ばっ)しないではおかない。

12主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、
あなたの痛(いた)みはいえず、あなたの傷(きず)は重(おも)い。
13あなたの訴(うった)えを支持(しじ)する者(もの)はなく、
あなたの傷(きず)をつつむ薬(くすり)はなく、
あなたをいやすものもない。
14あなたの愛(あい)する者(もの)は皆(みな)あなたを忘(わす)れて
あなたの事(こと)を心(こころ)に留(と)めない。
それは、あなたのとがが多(おお)く、
あなたの罪(つみ)がはなはだしいので、
わたしがあだを撃(う)つようにあなたを撃(う)ち、
残忍(ざんにん)な敵(てき)のように懲(こ)らしたからだ。
15なぜ、あなたの傷(きず)のために叫(さけ)ぶのか、
あなたの悩(なや)みはいえることはない。
あなたのとがが多(おお)く、
あなたの罪(つみ)がはなはだしいので、
これらの事(こと)をわたしはあなたにしたのである。
16しかし、すべてあなたを食(く)い滅(ほろ)ぼす者(もの)は
食(く)い滅(ほろ)ぼされ、
あなたをしえたげる者(もの)は、
ひとり残(のこ)らず、捕(とら)え移(うつ)され、
あなたをかすめる者(もの)は、かすめられ、
すべてあなたの物(もの)を奪(うば)う者(もの)は奪(うば)われる者(もの)となる。
17主(しゅ)は言(い)われる、
わたしはあなたの健康(けんこう)を回復(かいふく)させ、
あなたの傷(きず)をいやす。
それは、人(ひと)があなたを捨(す)てられた者(もの)とよび、
『だれも心(こころ)に留(と)めないシオン』というからである。

18主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、
見(み)よ、わたしはヤコブの天幕(てんまく)を再(ふたた)び栄(さか)えさせ、
そのすまいにあわれみを施(ほどこ)す。
町(まち)は、その丘(おか)に建(た)てなおされ、
宮殿(きゅうでん)はもと立(た)っていた所(ところ)に立(た)つ。
19感謝(かんしゃ)の歌(うた)と喜(よろこ)ぶ者(もの)の声(こえ)とが、その中(なか)から出(で)る。
わたしが彼(かれ)らを増(ま)すゆえ、彼(かれ)らは少(すく)なくはなく、
また彼(かれ)らを尊(たっと)ばれしめるゆえ、
卑(いや)しめられることはない。
20その子(こ)らは、いにしえのようになり、
その会衆(かいしゅう)はわたしの前(まえ)に堅(かた)く立(た)つ。
すべて彼(かれ)らをしえたげる者(もの)をわたしは罰(ばっ)する。
21その君(きみ)は彼(かれ)ら自身(じしん)のうちのひとりであり、
そのつかさは、そのうちから出(で)る。
わたしは彼(かれ)をわたしに近(ちか)づけ、彼(かれ)はわたしに近(ちか)づく。
だれか自分(じぶん)の命(いのち)をかけて
わたしに近(ちか)づく者(もの)があろうかと
主(しゅ)は言(い)われる。
22あなたがたは、わたしの民(たみ)となり、
わたしはあなたがたの神(かみ)となる」。

23見(み)よ、主(しゅ)の暴風(ぼうふう)がくる。
憤(いきどお)りと、つむじ風(かぜ)が出(で)て、悪人(あくにん)のこうべをうつ。
24主(しゅ)の激(はげ)しい怒(いか)りは、
み心(こころ)に思(おも)い定(さだ)められたことを行(おこな)って、
これを遂(と)げるまで、退(しりぞ)くことはない。
末(すえ)の日(ひ)にあなたがたはこれを悟(さと)るのである。

第三一章

1「主(しゅ)は言(い)われる、その時(とき)わたしはイスラエルの全部(ぜんぶ)族(ぞく)の神(かみ)となり、彼(かれ)らはわたしの民(たみ)となる」。
2主(しゅ)はこう言(い)われる、
「つるぎをのがれて生(い)き残(のこ)った民(たみ)は、
荒野(あらの)で恵(めぐ)みを得(え)た。
イスラエルが安息(あんそく)を求(もと)めた時(とき)、
3主(しゅ)は遠(とお)くから彼(かれ)に現(あらわ)れた。
わたしは限(かぎ)りなき愛(あい)をもってあなたを愛(あい)している。
それゆえ、わたしは絶(た)えずあなたに
真実(しんじつ)をつくしてきた。
4イスラエルのおとめよ、
再(ふたた)びわたしはあなたを建(た)てる、あなたは建(た)てられる。
あなたは再(ふたた)び鼓(つづみ)をもって身(み)を飾(かざ)り、
出(で)て行(い)って、喜(よろこ)び楽(たの)しむ者(もの)と共(とも)に踊(おど)る。
5またあなたはぶどうの木(き)をサマリヤの山(やま)に植(う)える。
植(う)える者(もの)は、植(う)えてその実(み)を食(た)べることができる。
6見守(みまも)る者(もの)がエフライムの山(やま)の上(うえ)に立(た)って
呼(よ)ばわる日(ひ)が来(く)る。
『立(た)って、シオンに上(のぼ)り、
われわれの神(かみ)、主(しゅ)に、もうでよう』と」。

7主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、
「ヤコブのために喜(よろこ)んで声(こえ)高(たか)く歌(うた)い、
万国(ばんこく)のかしらのために叫(さけ)び声(ごえ)をあげよ。
告(つ)げ示(しめ)し、ほめたたえて言(い)え、
『主(しゅ)はその民(たみ)イスラエルの残(のこ)りの者(もの)を救(すく)われた』と。
8見(み)よ、わたしは彼(かれ)らを北(きた)の国(くに)から連(つ)れ帰(かえ)り、
彼(かれ)らを地(ち)の果(はて)から集(あつ)める。
彼(かれ)らのうちには、盲人(もうじん)やあしなえ、
妊婦(にんぷ)、産婦(さんぷ)も共(とも)にいる。
彼(かれ)らは大(おお)きな群(む)れとなって、ここに帰(かえ)ってくる。
9彼(かれ)らは泣(な)き悲(かな)しんで帰(かえ)ってくる。
わたしは慰(なぐさ)めながら彼(かれ)らを導(みちび)き帰(かえ)る。
彼(かれ)らがつまずかないように、まっすぐな道(みち)により、
水(みず)の流(なが)れのそばを通(とお)らせる。
それは、わたしがイスラエルの父(ちち)であり、
エフライムはわたしの長子(ちょうし)だからである。

10万国(ばんこく)の民(たみ)よ、あなたがたは主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)き、
これを遠(とお)い、海沿(うみぞ)いの地(ち)に示(しめ)して言(い)いなさい、
『イスラエルを散(ち)らした者(もの)がこれを集(あつ)められる。
牧者(ぼくしゃ)がその群(む)れを守(まも)るようにこれを守(まも)られる』と。
11すなわち主(しゅ)はヤコブをあがない、
彼(かれ)らよりも強(つよ)い者(もの)の手(て)から彼(かれ)を救(すく)いだされた。
12彼(かれ)らは来(き)てシオンの山(やま)で声(こえ)高(たか)く歌(うた)い、
主(しゅ)から賜(たま)わった良(よ)い物(もの)のために、
穀物(こくもつ)と酒(さけ)と油(あぶら)および若(わか)き羊(ひつじ)と牛(うし)のために、
喜(よろこ)びに輝(かがや)く。
その魂(たましい)は潤(うるお)う園(その)のようになり、
彼(かれ)らは重(かさ)ねて憂(うれ)えることがない。
13その時(とき)おとめたちは舞(ま)って楽(たの)しみ、
若(わか)い者(もの)も老(お)いた者(もの)も共(とも)に楽(たの)しむ。
わたしは彼(かれ)らの悲(かな)しみを喜(よろこ)びにかえ、
彼(かれ)らを慰(なぐさ)め、憂(うれ)いの代(かわ)りに喜(よろこ)びを与(あた)える。
14わたしは多(おお)くのささげ物(もの)で、祭司(さいし)の心(こころ)を飽(あ)かせ、
わたしの良(よ)き物(もの)で、わたしの民(たみ)を満(み)ち足(た)らせると
主(しゅ)は言(い)われる」。

15主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、
「嘆(なげ)き悲(かな)しみ、いたく泣(な)く声(こえ)がラマで聞(きこ)える。
ラケルがその子(こ)らのために嘆(なげ)くのである。
子(こ)らがもはやいないので、
彼女(かのじょ)はその子(こ)らのことで慰(なぐさ)められるのを願(ねが)わない」。
16主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、
「あなたは泣(な)く声(こえ)をとどめ、
目(め)から涙(なみだ)をながすことをやめよ。
あなたのわざに報(むく)いがある。
彼(かれ)らは敵(てき)の地(ち)から帰(かえ)ってくると主(しゅ)は言(い)われる。
17あなたの将来(しょうらい)には希望(きぼう)があり、
あなたの子供(こども)たちは自分(じぶん)の国(くに)に帰(かえ)ってくると
主(しゅ)は言(い)われる。
18わたしは確(たし)かに、エフライムが
こう言(い)って嘆(なげ)くの聞(き)いた、
『あなたはわたしを懲(こら)しめられた、
わたしはくびきに慣(な)れない子(こ)牛(うし)のように
懲(こら)しめをうけた。
主(しゅ)よ、あなたはわたしの神(かみ)、主(しゅ)でいらせられる、
わたしを連(つ)れ帰(かえ)って、もとにかえしてください。
19わたしはそむき去(さ)った後(のち)、悔(く)い、
教(おしえ)をうけた後(のち)、ももを打(う)った。
若(わか)い時(とき)のはずかしめが身(み)にあるので、
わたしは恥(は)じ、うろたえた』。
20主(しゅ)は言(い)われる、
エフライムはわたしの愛(あい)する子(こ)、
わたしの喜(よろこ)ぶ子(こ)であろうか。
わたしは彼(かれ)について語(かた)るごとに、
なお彼(かれ)を忘(わす)れることができない。
それゆえ、わたしの心(こころ)は彼(かれ)をしたっている。
わたしは必(かなら)ず彼(かれ)をあわれむ。
21みずからのために道(みち)しるべを置(お)き、
みずからのために標柱(ひょうちゅう)を立(た)てよ。
大路(おおじ)に、あなたの通(とお)って行(い)った道(みち)に心(こころ)を留(と)めよ。
イスラエルのおとめよ、帰(かえ)れ、
これらの、あなたの町々(まちまち)に帰(かえ)れ。
22不信(ふしん)の娘(むすめ)よ、いつまでさまようのか。
主(しゅ)は地(ち)の上(うえ)に新(あたら)しい事(こと)を創造(そうぞう)されたのだ、
女(おんな)が男(おとこ)を保護(ほご)する事(こと)である」。

23万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう言(い)われる、「わたしが彼(かれ)らを再(ふたた)び栄(さか)えさせる時(とき)、人々(ひとびと)はまたユダの地(ち)とその町々(まちまち)でこの言葉(ことば)を言(い)う、
『正義(せいぎ)のすみかよ、聖(せい)なる山(やま)よ、
どうか主(しゅ)がおまえを祝福(しゅくふく)してくださるように』。
24ユダとそのすべての町(まち)の人(ひと)、および農夫(のうふ)と群(む)れを飼(か)って歩(ある)き回(まわ)る者(もの)は共(とも)にそこに住(す)む。 25わたしが疲(つか)れた魂(たましい)を飽(あ)き足(た)らせ、すべて悩(なや)んでいる魂(たましい)を慰(なぐさ)めるからである」。

26ここでわたしは目(め)をさましたが、わたしの眠(ねむ)りは、ここちよかった。

27「主(しゅ)は言(い)われる、見(み)よ、わたしが人(ひと)の種(たね)と獣(けもの)の種(たね)とをイスラエルの家(いえ)とユダの家(いえ)とにまく日(ひ)が来(く)る。 28わたしは彼(かれ)らを抜(ぬ)き、砕(くだ)き、倒(たお)し、滅(ほろ)ぼし、悩(なや)まそうと待(ま)ちかまえていたように、また彼(かれ)らを建(た)て、植(う)えようと待(ま)ちかまえていると主(しゅ)は言(い)われる。 29その時(とき)、彼(かれ)らはもはや、
『父(ちち)がすっぱいぶどうを食(た)べたので、
子(こ)どもの歯(は)がうく』
とは言(い)わない。 30人(ひと)はめいめい自分(じぶん)の罪(つみ)によって死(し)ぬ。すっぱいぶどうを食(た)べる人(ひと)はみな、その歯(は)がうく。

31主(しゅ)は言(い)われる、見(み)よ、わたしがイスラエルの家(いえ)とユダの家(いえ)とに新(あたら)しい契約(けいやく)を立(た)てる日(ひ)が来(く)る。 32この契約(けいやく)はわたしが彼(かれ)らの先祖(せんぞ)をその手(て)をとってエジプトの地(ち)から導(みちび)き出(だ)した日(ひ)に立(た)てたようなものではない。わたしは彼(かれ)らの夫(おっと)であったのだが、彼(かれ)らはそのわたしの契約(けいやく)を破(やぶ)ったと主(しゅ)は言(い)われる。 33しかし、それらの日(ひ)の後(のち)にわたしがイスラエルの家(いえ)に立(た)てる契約(けいやく)はこれである。すなわちわたしは、わたしの律法(りっぽう)を彼(かれ)らのうちに置(お)き、その心(こころ)にしるす。わたしは彼(かれ)らの神(かみ)となり、彼(かれ)らはわたしの民(たみ)となると主(しゅ)は言(い)われる。 34人(ひと)はもはや、おのおのその隣(となり)とその兄弟(きょうだい)に教(おし)えて、『あなたは主(しゅ)を知(し)りなさい』とは言(い)わない。それは、彼(かれ)らが小(しょう)より大(だい)に至(いた)るまで皆(みな)、わたしを知(し)るようになるからであると主(しゅ)は言(い)われる。わたしは彼(かれ)らの不義(ふぎ)をゆるし、もはやその罪(つみ)を思(おも)わない」。
35主(しゅ)はこう言(い)われる、すなわち
太陽(たいよう)を与(あた)えて昼(ひる)の光(ひかり)とし、
月(つき)と星(ほし)とを定(さだ)めて夜(よる)の光(ひかり)とし、
海(うみ)をかき立(た)てて、その波(なみ)を鳴(な)りとどろかせる者(もの)――
その名(な)は万軍(ばんぐん)の主(しゅ)という。
36主(しゅ)は言(い)われる、
「もしこの定(さだ)めがわたしの前(まえ)ですたれてしまうなら、
イスラエルの子孫(しそん)もすたって、
永久(えいきゅう)にわたしの前(まえ)で民(たみ)であることはできない」。
37主(しゅ)はこう言(い)われる、
「もし上(うえ)の天(てん)を量(はか)ることができ、
下(した)の地(ち)の基(もとい)を探(さぐ)ることができるなら、
そのとき、わたしはイスラエルのすべての子孫(しそん)を
そのもろもろの行(おこな)いのために捨(す)て去(さ)ると
主(しゅ)は言(い)われる」。
38主(しゅ)は言(い)われる、「見(み)よ、この町(まち)が、ハナネルの塔(とう)から隅(すみ)の門(もん)まで、主(しゅ)のために再建(さいけん)される時(とき)が来(く)る。 39測(はか)りなわはそれよりも遠(とお)くまっすぐに延(の)びて、ガレブの丘(おか)に達(たっ)し、ゴアのほうに向(む)かう。 40死体(したい)と灰(はい)との谷(たに)の全部(ぜんぶ)、またキデロンの谷(たに)に行(い)くまでと、東(ひがし)のほうの馬(うま)の門(もん)のすみに行(い)くまでとのすべての畑(はたけ)はみな主(しゅ)の聖(せい)なる所(ところ)となり、永遠(えいえん)にわたって、ふたたび抜(ぬ)かれ、また倒(たお)されることはない」。

第三二章

1ユダの王(おう)ゼデキヤの十年(ねん)、すなわちネブカデレザルの十八年(ねん)に、主(しゅ)の言葉(ことば)がエレミヤに臨(のぞ)んだ。 2その時(とき)、バビロンの王(おう)の軍勢(ぐんぜい)がエルサレムを攻(せ)め囲(かこ)んでいて、預言者(よげんしゃ)エレミヤはユダの王(おう)の宮殿(きゅうでん)にある監視(かんし)の庭(にわ)のうちに監禁(かんきん)されていた。 3ユダの王(おう)ゼデキヤが彼(かれ)を閉(と)じ込(こ)めたのであるが、王(おう)は言(い)った、「なぜあなたは預言(よげん)して言(い)うのか、『主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、見(み)よ、わたしはこの町(まち)をバビロンの王(おう)の手(て)に渡(わた)し、彼(かれ)はこれを取(と)る。 4またユダの王(おう)ゼデキヤはカルデヤびとの手(て)をのがれることなく、かならずバビロンの王(おう)の手(て)に渡(わた)され、顔(かお)と顔(かお)を合(あ)わせて彼(かれ)と語(かた)り、目(め)と目(め)は相(あい)まみえる。 5そして彼(かれ)はゼデキヤをバビロンに引(ひ)いていき、ゼデキヤは、わたしが彼(かれ)を顧(かえり)みる時(とき)まで、そこにいると主(しゅ)は言(い)われる。あなたがたは、カルデヤびとと戦(たたか)っても勝(か)つことはできない』と」。

6エレミヤは言(い)った、「主(しゅ)の言葉(ことば)がわたしに臨(のぞ)んで言(い)われる、 7『見(み)よ、あなたのおじシャルムの子(こ)ハナメルがあなたの所(ところ)に来(き)て言(い)う、「アナトテにあるわたしの畑(はたけ)を買(か)いなさい。それは、これを買(か)い取(と)り、あがなう権利(けんり)があなたにあるから」と』。 8はたして主(しゅ)の言葉(ことば)のように、わたしのいとこであるハナメルが監視(かんし)の庭(にわ)のうちにいるわたしの所(ところ)に来(き)て言(い)った、『ベニヤミンの地(ち)のアナトテにあるわたしの畑(はたけ)を買(か)ってください。所有(しょゆう)するのも、あがなうのも、あなたの権利(けんり)なのです。買(か)い取(と)ってあなたの物(もの)にしてください。これが主(しゅ)の言葉(ことば)であるのをわたしは知(し)っていました』。

9そこでわたしは、いとこのハナメルからアナトテにある畑(はたけ)を買(か)い取(と)り、銀(ぎん)十七シケルを量(はか)って彼(かれ)に支払(しはら)った。 10すなわち、わたしはその証書(しょうしょ)をつくって、これに記名(きめい)し、それを封印(ふういん)し、証人(しょうにん)を立(た)て、はかりをもって銀(ぎん)を量(はか)って与(あた)えた。 11そしてわたしはその約定(やくじょう)をしるして封印(ふういん)した買収(ばいしゅう)証書(しょうしょ)と、封印(ふういん)のない写(うつ)しとを取(と)り、 12いとこのハナメルと、買収(ばいしゅう)証書(しょうしょ)に記名(きめい)した証人(しょうにん)たち、および監視(かんし)の庭(にわ)にすわっているすべてのユダヤ人(ひと)の前(まえ)で、その証書(しょうしょ)をマアセヤの子(こ)であるネリヤの子(こ)バルクに与(あた)え、 13彼(かれ)らの前(まえ)で、わたしはバルクに命(めい)じて言(い)った、 14『万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう仰(おお)せられる、これらの証書(しょうしょ)すなわち、この買収(ばいしゅう)証書(しょうしょ)の封印(ふういん)したものと、封印(ふういん)のない写(うつ)しとを取(と)り、これらを土(つち)の器(うつわ)に入(い)れて、長(なが)く保存(ほぞん)せよ。 15万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)がこう言(い)われるからである、「この地(ち)で人々(ひとびと)はまた家(いえ)と畑(はたけ)とぶどう畑(はたけ)を買(か)うようになる」と』。

16わたしは買収(ばいしゅう)証書(しょうしょ)をネリヤの子(こ)バルクに渡(わた)したあとで主(しゅ)に祈(いの)って言(い)った、 17『ああ主(しゅ)なる神(かみ)よ、あなたは大(おお)いなる力(ちから)と、伸(の)べた腕(うで)をもって天(てん)と地(ち)をお造(つく)りになったのです。あなたのできないことは、ひとつもありません。 18あなたはいつくしみを千万人(にん)に施(ほどこ)し、また父(ちち)の罪(つみ)をそののちの子孫(しそん)に報(むく)いられるのです。あなたは大(おお)いなる全能(ぜんのう)の神(かみ)でいらせられ、その名(な)は万軍(ばんぐん)の主(しゅ)と申(もう)されます。 19あなたの計(はか)りごとは大(おお)きく、また、事(こと)を行(おこな)うのに力(ちから)があり、あなたの目(め)は人々(ひとびと)の歩(あゆ)むすべての道(みち)を見(み)て、おのおのの道(みち)にしたがい、その行(おこな)いの実(み)によってこれに報(むく)いられます。 20あなたは、しるしと、不思議(ふしぎ)なわざとをエジプトの地(ち)に行(おこな)い、また今日(こんにち)に至(いた)るまでイスラエルと全(ぜん)人類(じんるい)のうちに行(おこな)い、そして今日(こんにち)のように名(な)をあげられました。 21あなたは、しるしと、不思議(ふしぎ)なわざと、強(つよ)い手(て)と、伸(の)べた腕(うで)と、大(おお)いなる恐(おそ)るべき事(こと)をもって、あなたの民(たみ)イスラエルをエジプトの地(ち)から導(みちび)き出(だ)し、 22この地(ち)を彼(かれ)らに賜(たま)わりました。これはあなたが彼(かれ)らの先祖(せんぞ)たちに与(あた)えようと誓(ちか)われた乳(ちち)と蜜(みつ)の流(なが)れる地(ち)です。 23こうして彼(かれ)らは、はいってこれを獲(え)たのですが、あなたの声(こえ)に聞(き)き従(したが)わず、あなたの律法(りっぽう)を行(おこな)わず、すべてあなたがせよと命(めい)じられたことをしなかったので、あなたはこの災(わざわい)を彼(かれ)らの上(うえ)にお下(くだ)しになりました。 24見(み)よ、塁(るい)が築(きず)きあげられたのは、この町(まち)を取(と)るためです。つるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)のために、町(まち)はこれを攻(せ)めているカルデヤびとの手(て)に渡(わた)されます。あなたの言(い)われたようになりましたのは、ごらんのとおりであります。 25主(しゅ)なる神(かみ)よ、あなたはわたしに言(い)われました、「銀(ぎん)をもって畑(はたけ)を買(か)い、証人(しょうにん)を立(た)てよ」と。そうであるのに、町(まち)はカルデヤびとの手(て)に渡(わた)されています』」。

26主(しゅ)の言葉(ことば)がエレミヤに臨(のぞ)んだ、 27「見(み)よ、わたしは主(しゅ)である、すべて命(いのち)ある者(もの)の神(かみ)である。わたしにできない事(こと)があろうか。 28それゆえ、主(しゅ)はこう言(い)われる、見(み)よ、わたしはこの町(まち)をカルデヤびとと、バビロンの王(おう)ネブカデレザルの手(て)に渡(わた)す。彼(かれ)はこれを取(と)る。 29この町(まち)を攻(せ)めているカルデヤびとがきて、この町(まち)に火(ひ)をつけて焼(や)き払(はら)う。屋根(やね)の上(うえ)で人々(ひとびと)が、バアルに香(こう)をたき、ほかの神々(かみがみ)に酒(さけ)をそそいで、わたしを怒(いか)らせたその家(いえ)をも彼(かれ)らは焼(や)く。 30それは、イスラエルの人々(ひとびと)とユダの人々(ひとびと)とは、その若(わか)い時(とき)から、わたしの前(まえ)に悪(わる)いことのみを行(おこな)い、またイスラエルの民(たみ)はその手(て)のわざをもって、わたしを怒(いか)らせることばかりをしたからであると主(しゅ)は言(い)われる。 31この町(まち)はそれが建(た)った日(ひ)からきょうまで、わたしの怒(いか)りと憤(いきどお)りとをひき起(おこ)してきたので、わたしの前(まえ)からこれを除(のぞ)き去(さ)るのである。 32それは、イスラエルの民(たみ)とユダの民(たみ)とが、もろもろの悪(あく)を行(い)って、わたしを怒(いか)らせたことによるのである。――彼(かれ)らの王(おう)たちと、そのつかさたち、祭司(さいし)たち、預言者(よげんしゃ)たち、またユダの人々(ひとびと)とエルサレムの住民(じゅうみん)たちが皆(みな)そうである。 33彼(かれ)らはその背中(せなか)をわたしに向(む)けて顔(かお)をわたしに向(む)けず、わたしがたゆまず教(おし)えたにもかかわらず、彼(かれ)らは教(おしえ)を聞(き)かず、またうけないのである。 34彼(かれ)らは憎(にく)むべき物(もの)を、わが名(な)をもって呼(よ)ばれている家(いえ)にすえつけて、そこを汚(けが)し、 35またベンヒンノムの谷(たに)にバアルの高(たか)き所(ところ)を築(きず)いて、むすこ娘(むすめ)をモレクにささげた。わたしは彼(かれ)らにこのようなことを命(めい)じたことはなく、また彼(かれ)らがこの憎(にく)むべきことを行(い)って、ユダに罪(つみ)を犯(おか)させようとは考(かんが)えもしなかった。

36それゆえ今(いま)イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)は、この町(まち)、すなわちあなたがたが、『つるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)のためにバビロンの王(おう)の手(て)に渡(わた)される』といっている町(まち)についてこう仰(おお)せられる、 37見(み)よ、わたしは、わたしの怒(いか)りと憤(いきどお)りと大(おお)いなる怒(いか)りをもって、彼(かれ)らを追(お)いやったもろもろの国(くに)から彼(かれ)らを集(あつ)め、この所(ところ)へ導(みちび)きかえって、安(やす)らかに住(す)まわせる。 38そして彼(かれ)らはわたしの民(たみ)となり、わたしは彼(かれ)らの神(かみ)となる。 39わたしは彼(かれ)らに一つの心(こころ)と一つの道(みち)を与(あた)えて常(つね)にわたしを恐(おそ)れさせる。これは彼(かれ)らが彼(かれ)ら自身(じしん)とその後(のち)の子孫(しそん)の幸(さいわい)を得(え)るためである。 40わたしは彼(かれ)らと永遠(えいえん)の契約(けいやく)を立(た)てて、彼(かれ)らを見捨(みす)てずに恵(めぐ)みを施(ほどこ)すことを誓(ちか)い、またわたしを恐(おそ)れる恐(おそ)れを彼(かれ)らの心(こころ)に置(お)いて、わたしを離(はな)れることのないようにしよう。 41わたしは彼(かれ)らに恵(めぐ)みを施(ほどこ)すことを喜(よろこ)びとし、心(こころ)をつくし、精神(せいしん)をつくし、真実(しんじつ)をもって彼(かれ)らをこの地(ち)に植(う)える。 42主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、わたしがこのもろもろの大(おお)きな災(わざわい)をこの民(たみ)に下(くだ)したように、わたしが彼(かれ)らに約束(やくそく)するもろもろの幸(さいわい)を彼(かれ)らの上(うえ)に下(くだ)す。 43人々(ひとびと)はこの地(ち)に畑(はたけ)を買(か)うようになる。あなたがたが、『それは荒(あ)れて人(ひと)も獣(けもの)もいなくなり、カルデヤびとの手(て)に渡(わた)されてしまう』といっている地(ち)である。 44人々(ひとびと)はベニヤミンの地(ち)と、エルサレムの周囲(しゅうい)と、ユダの町々(まちまち)と、山地(さんち)の町々(まちまち)と、平地(へいち)の町々(まちまち)と、ネゲブの町々(まちまち)で、銀(ぎん)をもって畑(はたけ)を買(か)い、証書(しょうしょ)をつくって、これに記名(きめい)し封印(ふういん)し、また証人(しょうにん)を立(た)てる。それは、わたしが彼(かれ)らを再(ふたた)び栄(さか)えさせるからであると主(しゅ)は言(い)われる」。

第三三章

1エレミヤがなお監視(かんし)の庭(にわ)に閉(と)じ込(こ)められている時(とき)、主(しゅ)の言葉(ことば)はふたたび彼(かれ)に臨(のぞ)んだ、 2「地(ち)を造(つく)られた主(しゅ)、それを形(かたち)造(つく)って堅(かた)く立(た)たせられた主(しゅ)、その名(な)を主(しゅ)と名(な)のっておられる者(もの)がこう仰(おお)せられる、 3わたしに呼(よ)び求(もと)めよ、そうすれば、わたしはあなたに答(こた)える。そしてあなたの知(し)らない大(おお)きな隠(かく)されている事(こと)を、あなたに示(しめ)す。 4イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)は塁(るい)と、つるぎとを防(ふせ)ぐために破壊(はかい)されたこの町(まち)の家(いえ)と、ユダの王(おう)の家(いえ)についてこう言(い)われる、 5カルデヤびとは来(き)て戦(たたか)い、わたしが怒(いか)りと憤(いきどお)りをもって殺(ころ)す人々(ひとびと)の死体(したい)を、それに満(み)たす。わたしは人々(ひとびと)のもろもろの悪(あく)のために、この町(まち)にわたしの顔(かお)をおおい隠(かく)した。 6見(み)よ、わたしは健康(けんこう)と、いやしとを、ここにもたらして人々(ひとびと)をいやし、豊(ゆた)かな繁栄(はんえい)と安全(あんぜん)とを彼(かれ)らに示(しめ)す。 7わたしはユダとイスラエルを再(ふたた)び栄(さか)えさせ、彼(かれ)らを建(た)てて、もとのようにする。 8わたしは彼(かれ)らがわたしに向(む)かって犯(おか)した罪(つみ)のすべてのとがを清(きよ)め、彼(かれ)らがわたしに向(む)かって犯(おか)した罪(つみ)と反逆(はんぎゃく)のすべてのとがをゆるす。 9この町(まち)は地(ち)のもろもろの民(たみ)の前(まえ)に、わたしのために喜(よろこ)びの名(な)となり、誉(ほまれ)となり、栄(さか)えとなる。彼(かれ)らはわたしがわたしの民(たみ)に施(ほどこ)すもろもろの恵(めぐ)みのことを聞(き)く。そして、わたしがこの町(まち)に施(ほどこ)すもろもろの恵(めぐ)みと、もろもろの繁栄(はんえい)のために恐(おそ)れて身(み)をふるわす。

10主(しゅ)はこう言(い)われる、あなたがたが、『それは荒(あ)れて、人(ひと)もおらず獣(けもの)もいない』というこの所(ところ)、すなわち、荒(あ)れて、人(ひと)もおらず住(す)む者(もの)もなく、獣(けもの)もいないユダの町(まち)とエルサレムのちまたに、 11再(ふたた)び喜(よろこ)びの声(こえ)、楽(たの)しみの声(こえ)、花婿(はなむこ)の声(こえ)、花嫁(はなよめ)の声(こえ)、および
『万軍(ばんぐん)の主(しゅ)に感謝(かんしゃ)せよ、
主(しゅ)は恵(めぐ)みふかく、
そのいつくしみは、いつまでも絶(た)えることがない』
といって、感謝(かんしゃ)の供(そな)え物(もの)を主(しゅ)の宮(みや)に携(たずさ)えてくる者(もの)の声(こえ)が聞(きこ)える。それは、わたしがこの地(ち)を再(ふたた)び栄(さか)えさせて初(はじ)めのようにするからであると主(しゅ)は言(い)われる。

12万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はこう言(い)われる、荒(あ)れて、人(ひと)もおらず獣(けもの)もいないこの所(ところ)と、そのすべての町々(まちまち)に再(ふたた)びその群(む)れを伏(ふ)させる牧者(ぼくしゃ)のすまいがあるようになる。 13山地(さんち)の町々(まちまち)と、平地(へいち)の町々(まちまち)と、ネゲブの町々(まちまち)と、ベニヤミンの地(ち)、エルサレムの周囲(しゅうい)と、ユダの町々(まちまち)で、群(む)れは再(ふたた)びそれを数(かぞ)える者(もの)の手(て)の下(した)を通(とお)りすぎると主(しゅ)は言(い)われる。

14主(しゅ)は言(い)われる、見(み)よ、わたしがイスラエルの家(いえ)とユダの家(いえ)に約束(やくそく)したことをなし遂(と)げる日(ひ)が来(く)る。 15その日(ひ)、その時(とき)になるならば、わたしはダビデのために一つの正(ただ)しい枝(えだ)を生(しょう)じさせよう。彼(かれ)は公平(こうへい)と正義(せいぎ)を地(ち)に行(おこな)う。 16その日(ひ)、ユダは救(すくい)を得(え)、エルサレムは安(やす)らかにおる。その名(な)は『主(しゅ)はわれわれの正義(せいぎ)』ととなえられる。

17主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、イスラエルの家(いえ)の位(くらい)に座(ざ)する人(ひと)がダビデの子孫(しそん)のうちに欠(か)けることはない。 18またわたしの前(まえ)に燔祭(はんさい)をささげ、素祭(そさい)を焼(や)き、つねに犠牲(ぎせい)をささげる人(ひと)が、レビびとである祭司(さいし)のうちに絶(た)えることはない」。

19主(しゅ)の言葉(ことば)はエレミヤに臨(のぞ)んだ、 20「主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、もしあなたがたが、昼(ひる)と結(むす)んだわたしの契約(けいやく)を破(やぶ)り、また夜(よる)と結(むす)んだわたしの契約(けいやく)を破(やぶ)り、昼(ひる)と夜(よる)が定(さだ)められた時(とき)に来(き)ないようにすることができるならば、 21しもべダビデとわたしが結(むす)んだ契約(けいやく)もまた破(やぶ)れ、彼(かれ)はその位(くらい)に座(ざ)して王(おう)となる子(こ)を与(あた)えられない。またわたしがわたしに仕(つか)えるレビびとである祭司(さいし)に立(た)てた契約(けいやく)も破(やぶ)れる。 22天(てん)の星(ほし)は数(かぞ)えることができず、浜(はま)の砂(すな)は量(はか)ることができない。そのようにわたしは、しもべダビデの子孫(しそん)と、わたしに仕(つか)えるレビびとである祭司(さいし)の数(かず)を増(ま)そう」。

23主(しゅ)の言葉(ことば)はエレミヤに臨(のぞ)んだ、 24「あなたはこの民(たみ)が、『主(しゅ)は自(みずか)ら選(えら)んだ二つのやからを捨(す)てた』といっているのを聞(き)かないか。彼(かれ)らはこのようにわたしの民(たみ)を侮(あなど)って、これを国(くに)とみなさないのである。 25主(しゅ)はこう言(い)われる、もしわたしが昼(ひる)と夜(よる)とに契約(けいやく)を立(た)てず、また天地(てんち)のおきてを定(さだ)めなかったのであれば、 26わたしは、ヤコブとわたしのしもべダビデとの子孫(しそん)を捨(す)てて、再(ふたた)び彼(かれ)の子孫(しそん)のうちからアブラハム、イサク、ヤコブの子孫(しそん)を治(おさ)める者(もの)を選(えら)ばない。わたしは彼(かれ)らを再(ふたた)び栄(さか)えさせ、彼(かれ)らにあわれみをたれよう」。

第三四章

1バビロンの王(おう)ネブカデレザルがその全(ぜん)軍(ぐん)と、彼(かれ)に従(したが)っている地(ち)のすべての国(くに)の人々(ひとびと)、およびもろもろの民(たみ)を率(ひき)いて、エルサレムとその町々(まちまち)を攻(せ)めて戦(たたか)っていた時(とき)に、主(しゅ)からエレミヤに臨(のぞ)んだ言葉(ことば)、 2「イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)はこう言(い)われる、行(い)ってユダの王(おう)ゼデキヤに告(つ)げて言(い)いなさい、『主(しゅ)はこう言(い)われる、見(み)よ、わたしはこの町(まち)をバビロンの王(おう)の手(て)に渡(わた)す。彼(かれ)は火(ひ)でこれを焼(や)く。 3あなたはその手(て)をのがれることはできない、必(かなら)ず捕(とら)えられてその手(て)に渡(わた)される。あなたはまのあたりバビロンの王(おう)を見(み)、顔(かお)と顔(かお)を合(あ)わせて彼(かれ)と語(かた)る。それからバビロンへ行(い)く』。 4しかしユダの王(おう)ゼデキヤよ、主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)きなさい。主(しゅ)はあなたの事(こと)についてこう言(い)われる、『あなたはつるぎで死(し)ぬことはない。 5あなたは安(やす)らかに死(し)ぬ。民(たみ)はあなたの先祖(せんぞ)であるあなたの先(さき)の王(おう)たちのために香(こう)をたいたように、あなたのためにも香(こう)をたき、またあなたのために嘆(なげ)いて「ああ、主君(しゅくん)よ」と言(い)う』。わたしがこの言葉(ことば)をいうのであると主(しゅ)は言(い)われる」。

6そこで預言者(よげんしゃ)エレミヤはこの言葉(ことば)をことごとくエルサレムでユダの王(おう)ゼデキヤに告(つ)げた。 7その時(とき)バビロンの王(おう)の軍勢(ぐんぜい)はエルサレム、および残(のこ)っているユダのすべての町(まち)、すなわちラキシとアゼカを攻(せ)めて戦(たたか)っていた。それはユダの町々(まちまち)のうちに、これらの堅固(けんご)な町(まち)がなお残(のこ)っていたからである。

8ゼデキヤ王(おう)がエルサレムにいるすべての民(たみ)と契約(けいやく)を立(た)てて、彼(かれ)らに釈放(しゃくほう)のことを告(つ)げ示(しめ)した後(のち)に、主(しゅ)からエレミヤに臨(のぞ)んだ言葉(ことば)。 9その契約(けいやく)はすなわち人(ひと)がおのおのそのヘブルびとである男女(だんじょ)の奴隷(どれい)を解放(かいほう)し、その兄弟(きょうだい)であるユダヤ人(ひと)を奴隷(どれい)としないことを定(さだ)めたものであった。 10この契約(けいやく)をしたつかさたちと、すべての民(たみ)は人(ひと)がおのおのその男女(だんじょ)の奴隷(どれい)を解放(かいほう)し、再(ふたた)びこれを奴隷(どれい)としないということに聞(き)き従(したが)って、これを解放(かいほう)したが、 11後(のち)に心(こころ)を翻(ひるがえ)し、解放(かいほう)した男女(だんじょ)の奴隷(どれい)をひきかえさせ、再(ふたた)びこれを従(したが)わせて奴隷(どれい)とした。 12そこで主(しゅ)の言葉(ことば)が主(しゅ)からエレミヤに臨(のぞ)んだ、 13「イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)はこう言(い)われる、わたしはあなたがたの先祖(せんぞ)をエジプトの地(ち)、その奴隷(どれい)であった家(いえ)から導(みちび)き出(だ)した時(とき)、彼(かれ)らと契約(けいやく)を立(た)てて言(い)った、 14『あなたがたの兄弟(きょうだい)であるヘブルびとで、あなたがたに身(み)を売(う)り、六年(ねん)の間(あいだ)あなたがたに仕(つか)えた者(もの)は、六年(ねん)の終(おわ)りに、あなたがたおのおのがこれを解放(かいほう)しなければならない。あなたがたは彼(かれ)を解放(かいほう)して、あなたがたに仕(つか)えることをやめさせなければならない』。ところがあなたがたの先祖(せんぞ)たちはわたしに聞(き)き従(したが)わず、またその耳(みみ)を傾(かたむ)けなかった。 15しかしあなたがたは今日(こんにち)、心(こころ)を改(あらた)め、おのおのその隣(とな)り人(びと)に釈放(しゃくほう)のことを告(つ)げ示(しめ)して、わたしの見(み)て正(ただ)しいとすることを行(おこな)い、かつわたしの名(な)をもってとなえられる家(いえ)で、わたしの前(まえ)に契約(けいやく)を立(た)てた。 16ところがあなたがたは再(ふたた)び心(こころ)を翻(ひるがえ)して、わたしの名(な)を汚(けが)し、おのおの男女(だんじょ)の奴隷(どれい)をその願(ねが)いのままに解放(かいほう)したのをひきかえさせ、再(ふたた)びこれを従(したが)わせて、あなたがたの奴隷(どれい)とした。 17それゆえに、主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、あなたがたがわたしに聞(き)き従(したが)わず、おのおのその兄弟(きょうだい)とその隣(となり)に釈放(しゃくほう)のことを告(つ)げ示(しめ)さなかったので、見(み)よ、わたしはあなたがたのために釈放(しゃくほう)を告(つ)げ示(しめ)して、あなたがたをつるぎと、疫病(えきびょう)と、ききんとに渡(わた)すと主(しゅ)は言(い)われる。わたしはあなたがたを地(ち)のもろもろの国(くに)に忌(い)みきらわれるものとする。 18わたしの契約(けいやく)を破(やぶ)り、わたしの前(まえ)に立(た)てた契約(けいやく)の定(さだ)めに従(したが)わない人々(ひとびと)を、わたしは彼(かれ)らが二つに裂(さ)いて、その二つの間(あいだ)を通(とお)った子(こ)牛(うし)のようにする。―― 19すなわち二つに分(わ)けた子(こ)牛(うし)の間(あいだ)を通(とお)ったユダのつかさたち、エルサレムのつかさたちと宦官(かんがん)と祭司(さいし)と、この地(ち)のすべての民(たみ)を、 20わたしはその敵(てき)の手(て)と、その命(いのち)を求(もと)める者(もの)の手(て)に渡(わた)す。その死体(したい)は空(そら)の鳥(とり)と野(の)の獣(けもの)の食物(しょくもつ)となる。 21わたしはまたユダの王(おう)ゼデキヤと、そのつかさたちをその敵(てき)の手(て)、その命(いのち)を求(もと)める者(もの)の手(て)、あなたがたを離(はな)れて去(さ)ったバビロンの王(おう)の軍勢(ぐんぜい)の手(て)に渡(わた)す。 22主(しゅ)は言(い)われる、見(み)よ、わたしは彼(かれ)らに命(めい)じて、この町(まち)に引(ひ)きかえしてこさせる。彼(かれ)らはこの町(まち)を攻(せ)めて戦(たたか)い、これを取(と)り、火(ひ)を放(はな)って焼(や)き払(はら)う。わたしはユダの町々(まちまち)を住(す)む人(ひと)のない荒(あ)れ地(ち)とする」。

第三五章

1ユダの王(おう)ヨシヤの子(こ)エホヤキムの時(とき)、主(しゅ)からエレミヤに臨(のぞ)んだ言葉(ことば)。 2「レカブびとの家(いえ)に行(い)って、彼(かれ)らと語(かた)り、彼(かれ)らを主(しゅ)の宮(みや)の一室(いっしつ)に連(つ)れてきて、酒(さけ)を飲(の)ませなさい」。 3そこでわたしはハバジニヤの子(こ)エレミヤの子(こ)であるヤザニヤと、その兄弟(きょうだい)と、そのむすこたち、およびレカブびとの全家(ぜんか)を連(つ)れ、 4これを主(しゅ)の宮(みや)にあるハナンの子(こ)たちの室(しつ)に連(つ)れてきた。ハナンはイグダリヤの子(こ)であって神(かみ)の人(ひと)であった。その室(しつ)は、つかさたちの室(しつ)の次(つぎ)にあって、門(もん)を守(まも)るシャルムの子(こ)マアセヤの室(しつ)の上(うえ)にあった。 5わたしはレカブびとの前(まえ)に酒(さけ)を満(み)たしたつぼと杯(さかずき)を置(お)き、彼(かれ)らに、「酒(さけ)を飲(の)みなさい」と言(い)ったが、 6彼(かれ)らは答(こた)えた、「われわれは酒(さけ)を飲(の)みません。それは、レカブの子(こ)であるわれわれの先祖(せんぞ)ヨナダブがわれわれに命(めい)じて、『あなたがたとあなたがたの子孫(しそん)はいつまでも酒(さけ)を飲(の)んではならない。 7また家(いえ)を建(た)てず、種(たね)をまかず、またぶどう畑(はたけ)を植(う)えてはならない。またこれを所有(しょゆう)してはならない。あなたがたは生(い)きながらえる間(あいだ)は幕屋(まくや)に住(す)んでいなさい。そうするならば、あなたがたはその宿(やど)っている地(ち)に長(なが)く生(い)きることができると言(い)ったからです』。 8こうしてわれわれは、レカブの子(こ)であるわれわれの先祖(せんぞ)ヨナダブがすべて命(めい)じた言葉(ことば)に従(したが)って、われわれも、妻(つま)も、むすこ娘(むすめ)も生(い)きながらえる間(あいだ)、酒(さけ)を飲(の)まず、 9住(す)む家(いえ)を建(た)てず、ぶどう畑(はたけ)も畑(はたけ)も種(たね)も持(も)たないで、 10幕屋(まくや)に住(す)み、すべてわれわれの先祖(せんぞ)ヨナダブがわれわれに命(めい)じたところに従(したが)い、そのように行(おこな)いました。 11しかしバビロンの王(おう)ネブカデレザルがこの地(ち)に上(のぼ)ってきた時(とき)、われわれは言(い)いました、『さあ、われわれはエルサレムへ行(い)こう。カルデヤびとの軍勢(ぐんぜい)とスリヤびとの軍勢(ぐんぜい)が恐(おそ)ろしい』と。こうしてわれわれはエルサレムに住(す)んでいるのです」。

12その時(とき)、主(しゅ)の言葉(ことば)がエレミヤに臨(のぞ)んだ、 13「万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう言(い)われる、行(い)って、ユダの人々(ひとびと)とエルサレムに住(す)む者(もの)とに告(つ)げよ。主(しゅ)は仰(おお)せられる、あなたがたはわたしの言葉(ことば)を聞(き)いて教(おしえ)を受(う)けないのか。 14レカブの子(こ)ヨナダブがその子孫(しそん)に酒(さけ)を飲(の)むなと命(めい)じた言葉(ことば)は守(まも)られてきた。彼(かれ)らは今日(こんにち)に至(いた)るまで酒(さけ)を飲(の)まず、その先祖(せんぞ)の命(いのち)に従(したが)ってきた。ところがあなたがたはわたしがしきりに語(かた)ったけれども、わたしに聞(き)き従(したが)わなかった。 15わたしはまた、わたしのしもべである預言者(よげんしゃ)たちを、しきりにあなたがたにつかわして言(い)わせた、『あなたがたは今(いま)おのおのその悪(わる)い道(みち)を離(はな)れ、その行(おこな)いを改(あらた)めなさい。ほかの神々(かみがみ)に従(したが)い仕(つか)えてはならない。そうすれば、あなたがたはわたしがあなたがたと、あなたがたの先祖(せんぞ)に与(あた)えたこの地(ち)に住(す)むことができる』と。しかしあなたがたは耳(みみ)を傾(かたむ)けず、わたしに聞(き)かなかった。 16レカブの子(こ)ヨナダブの子孫(しそん)は、その先祖(せんぞ)が彼(かれ)らに命(めい)じた命令(めいれい)を守(まも)っているのである。しかしこの民(たみ)はわたしに従(したが)わなかった。 17それゆえ万軍(ばんぐん)の神(かみ)、主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう仰(おお)せられる、見(み)よ、わたしはユダとエルサレムに住(す)む者(もの)とに、わたしが彼(かれ)らの上(うえ)に宣告(せんこく)した災(わざわい)を下(くだ)す。わたしが彼(かれ)らに語(かた)っても聞(き)かず、彼(かれ)らを呼(よ)んでも答(こた)えなかったからである」。

18ところでエレミヤはレカブびとの家(いえ)の人々(ひとびと)に言(い)った、「万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう仰(おお)せられる、あなたがたは先祖(せんぞ)ヨナダブの命(いのち)に従(したが)い、そのすべての戒(いまし)めを守(まも)り、彼(かれ)があなたがたに命(めい)じた事(こと)を行(おこな)った。 19それゆえ、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう言(い)われる、レカブの子(こ)ヨナダブには、わたしの前(まえ)に立(た)つ人(ひと)がいつまでも欠(か)けることはない」。

第三六章

1ユダの王(おう)ヨシヤの子(こ)エホヤキムの四年(ねん)に主(しゅ)からこの言葉(ことば)がエレミヤに臨(のぞ)んだ、 2「あなたは巻物(まきもの)を取(と)り、わたしがあなたに語(かた)った日(ひ)、すなわちヨシヤの日(ひ)から今日(こんにち)に至(いた)るまで、イスラエルとユダと万国(ばんこく)とに関(かん)してあなたに語(かた)ったすべての言葉(ことば)を、それにしるしなさい。 3ユダの家(いえ)がわたしの下(くだ)そうとしているすべての災(わざわい)を聞(き)いて、おのおのその悪(わる)い道(みち)を離(はな)れて帰(かえ)ることもあろう。そうすれば、わたしはそのとがとその罪(つみ)をゆるすかも知(し)れない」。

4そこでエレミヤはネリヤの子(こ)バルクを呼(よ)んだ。バルクはエレミヤの口述(こうじゅつ)にしたがって、主(しゅ)が彼(かれ)にお告(つ)げになった言葉(ことば)をことごとく巻物(まきもの)に書(か)きしるした。 5そしてエレミヤはバルクに命(めい)じて言(い)った、「わたしは主(しゅ)の宮(みや)に行(い)くことを妨(さまた)げられている。 6それで、あなたが行(い)って、断食(だんじき)の日(ひ)に主(しゅ)の宮(みや)で、すべての民(たみ)が聞(き)いているところで、あなたがわたしの口述(こうじゅつ)にしたがって、巻物(まきもの)に筆記(ひっき)した主(しゅ)の言葉(ことば)を読(よ)みなさい。またユダの人々(ひとびと)がその町々(まちまち)から来(き)て聞(き)いているところで、それを読(よ)みなさい。 7彼(かれ)らは主(しゅ)の前(まえ)に祈願(きがん)をささげ、おのおのその悪(わる)い道(みち)を離(はな)れて帰(かえ)ることもあろう。主(しゅ)がこの民(たみ)に対(たい)して宣告(せんこく)された怒(いか)りと憤(いきどお)りは大(おお)きいからである」。 8こうしてネリヤの子(こ)バルクはすべて預言者(よげんしゃ)エレミヤが自分(じぶん)に命(めい)じたように、主(しゅ)の宮(みや)で、その巻物(まきもの)に書(か)かれた主(しゅ)の言葉(ことば)を読(よ)んだ。

9ユダの王(おう)ヨシヤの子(こ)エホヤキムの五年(ねん)九月(がつ)、エルサレムのすべての民(たみ)と、ユダの町々(まちまち)からエルサレムに来(き)たすべての民(たみ)とは、主(しゅ)の前(まえ)に断食(だんじき)を行(おこな)うべきことを告(つ)げ示(しめ)された。 10バルクは主(しゅ)の宮(みや)の上(うえ)の庭(にわ)で、主(しゅ)の宮(みや)の新(あたら)しい門(もん)の入口(いりぐち)のかたわらにある書記(しょき)シャパンの子(こ)であるゲマリヤのへやで、巻物(まきもの)に書(か)かれたエレミヤの言葉(ことば)をすべての民(たみ)に読(よ)み聞(き)かせた。

11シャパンの子(こ)であるゲマリヤの子(こ)ミカヤはその巻物(まきもの)にある主(しゅ)の言葉(ことば)をことごとく聞(き)いて、 12王(おう)の家(いえ)にある書記(しょき)のへやに下(くだ)って行(い)くと、もろもろのつかさたち、すなわち書記(しょき)エリシャマ、シマヤの子(こ)デラヤ、アカボルの子(こ)エルナタン、シャパンの子(こ)ゲマリヤ、ハナニヤの子(こ)ゼデキヤおよびすべてのつかさたちがそこに座(ざ)していた。 13ミカヤはバルクが民(たみ)に巻物(まきもの)を読(よ)んで聞(き)かせたとき、自分(じぶん)の聞(き)いたすべての言葉(ことば)を彼(かれ)らに告(つ)げたので、 14つかさたちはクシの子(こ)セレミヤの子(こ)であるネタニヤの子(こ)エホデをバルクのもとにつかわして言(い)わせた、「あなたが民(たみ)に読(よ)み聞(き)かせたその巻物(まきもの)を手(て)に取(と)って、来(き)てください」。そこでネリヤの子(こ)バルクは巻物(まきもの)を手(て)に取(と)って、彼(かれ)らのもとに来(き)たので、 15彼(かれ)らはバルクに言(い)った、「座(ざ)してそれを読(よ)んでください」。バルクはそれを彼(かれ)らに読(よ)みきかせた。 16彼(かれ)らはそのすべての言葉(ことば)を聞(き)き、恐(おそ)れて互(たがい)に見(み)かわし、バルクに言(い)った、「われわれはこのすべての言葉(ことば)を、王(おう)に報告(ほうこく)しなければならない」。 17そしてバルクに尋(たず)ねて言(い)った、「このすべての言葉(ことば)を、あなたがどのようにして書(か)いたのか話(はな)してください。彼(かれ)の口述(こうじゅつ)によるのですか」。 18バルクは彼(かれ)らに答(こた)えた、「彼(かれ)がわたしにこのすべての言葉(ことば)を口述(こうじゅつ)したので、わたしはそれを墨汁(ぼくじゅう)で巻物(まきもの)に書(か)いたのです」。 19つかさたちはバルクに言(い)った、「行(い)って、エレミヤと一緒(いっしょ)に身(み)を隠(かく)しなさい。人(ひと)に所在(しょざい)を知(し)られてはなりません」。

20そこで彼(かれ)らは巻物(まきもの)を書記(しょき)エリシャマのへやに置(お)いて庭(にわ)にはいり、王(おう)のもとへ行(い)って、このすべての言葉(ことば)を王(おう)に告(つ)げたので、 21王(おう)はその巻物(まきもの)を持(も)ってこさせるためにエホデをつかわした。エホデは書記(しょき)エリシャマのへやから巻物(まきもの)を取(と)ってきて、それを王(おう)と王(おう)のかたわらに立(た)っているすべてのつかさたちに読(よ)みきかせた。 22時(とき)は九月(がつ)であって、王(おう)は冬(ふゆ)の家(いえ)に座(ざ)していた。その前(まえ)に炉(ろ)があって火(ひ)が燃(も)えていた。 23エホデが三段(だん)か四段(だん)を読(よ)むと、王(おう)は小刀(こがたな)をもってそれを切(き)り取(と)り、炉(ろ)の火(ひ)に投(な)げいれ、ついに巻物(まきもの)全部(ぜんぶ)を炉(ろ)の火(ひ)で焼(や)きつくした。 24王(おう)とその家来(けらい)たちはこのすべての言葉(ことば)を聞(き)いても恐(おそ)れず、またその着物(きもの)を裂(さ)くこともしなかった。 25エルナタン、デラヤおよびゲマリヤが王(おう)にその巻物(まきもの)を焼(や)かないようにと願(ねが)ったときにも彼(かれ)は聞(き)きいれなかった。 26そして王(おう)は王子(おうじ)エラメルとアヅリエルの子(こ)セラヤとアブデルの子(こ)セレミヤに、書記(しょき)バルクと預言者(よげんしゃ)エレミヤを捕(とら)えるようにと命(めい)じたが、主(しゅ)は彼(かれ)らを隠(かく)された。

27バルクがエレミヤの口述(こうじゅつ)にしたがって筆記(ひっき)した言葉(ことば)を載(の)せた巻物(まきもの)を王(おう)が焼(や)いた後(のち)、主(しゅ)の言葉(ことば)がエレミヤに臨(のぞ)んだ、 28「他(た)の巻物(まきもの)を取(と)り、ユダの王(おう)エホヤキムが焼(や)いた、前(まえ)の巻物(まきもの)のうちにある言葉(ことば)を皆(みな)それに書(か)きしるしなさい。 29またユダの王(おう)エホヤキムについて言(い)いなさい、『主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、あなたはこの巻物(まきもの)を焼(や)いて言(い)った、「どうしてあなたはこの巻物(まきもの)に、バビロンの王(おう)が必(かなら)ず来(き)てこの地(ち)を滅(ほろ)ぼし、ここから人(ひと)と獣(けもの)とを絶(た)やす、と書(か)いたのか」と。 30それゆえ主(しゅ)はユダの王(おう)エホヤキムについてこう言(い)われる、彼(かれ)の子孫(しそん)にはダビデの位(くらい)にすわる者(もの)がなくなる。また彼(かれ)の死体(したい)は捨(す)てられて昼(ひる)は暑(あつ)さにあい、夜(よる)は霜(しも)にあう。 31わたしはまた彼(かれ)とその子孫(しそん)とその家来(けらい)たちをその罪(つみ)のために罰(ばっ)する。また彼(かれ)らとエルサレムの民(たみ)とユダの人々(ひとびと)には災(わざわい)を下(くだ)す。この災(わざわい)のことについては、すでに語(かた)ったけれども、彼(かれ)らは聞(き)くことをしなかった』」。

32そこでエレミヤは他(た)の巻物(まきもの)を取(と)り、ネリヤの子(こ)書記(しょき)バルクに与(あた)えたので、バルクはユダの王(おう)エホヤキムが火(ひ)にくべて焼(や)いた巻物(まきもの)のすべての言葉(ことば)を、エレミヤの口述(こうじゅつ)にしたがってそれに書(か)きしるし、また同(おな)じような言葉(ことば)を多(おお)くそれに加(くわ)えた。

第三七章

1ヨシヤの子(こ)ゼデキヤはエホヤキムの子(こ)コニヤに代(かわ)って王(おう)となった。バビロンの王(おう)ネブカデレザルが彼(かれ)をユダの地(ち)の王(おう)としたのである。 2彼(かれ)もその家来(けらい)たちも、その地(ち)の人々(ひとびと)も、主(しゅ)が預言者(よげんしゃ)エレミヤによって語(かた)られた言葉(ことば)に聞(き)き従(したが)わなかった。

3ゼデキヤ王(おう)はセレミヤの子(こ)ユカルと、マアセヤの子(こ)祭司(さいし)ゼパニヤを預言者(よげんしゃ)エレミヤにつかわして、「われわれのために、われわれの神(かみ)、主(しゅ)に祈(いの)ってください」と言(い)わせた。 4エレミヤは民(たみ)の中(なか)に出入(でい)りしていた。まだ獄屋(ごくや)に入(い)れられなかったからである。 5パロの軍勢(ぐんぜい)がエジプトから出(で)て来(き)たので、エルサレムを攻(せ)め囲(かこ)んでいたカルデヤびとはその情報(じょうほう)を聞(き)いてエルサレムを退(しりぞ)いた。 6その時(とき)、主(しゅ)の言葉(ことば)は預言者(よげんしゃ)エレミヤに臨(のぞ)んだ、 7「イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)はこう言(い)われる、あなたがたをつかわしてわたしに求(もと)めたユダの王(おう)にこう言(い)いなさい、『あなたがたを救(すく)うために出(で)てきたパロの軍勢(ぐんぜい)はその国(くに)エジプトに帰(かえ)ろうとしている。 8カルデヤびとが再(ふたた)び来(き)てこの町(まち)を攻(せ)めて戦(たたか)い、これを取(と)って火(ひ)で焼(や)き滅(ほろ)ぼす。 9主(しゅ)はこう言(い)われる、あなたがたは、「カルデヤびとはきっとわれわれを離(はな)れ去(さ)る」といって自分(じぶん)を欺(あざむ)いてはならない。彼(かれ)らは去(さ)ることはない。 10たといあなたがたが自分(じぶん)を攻(せ)めて戦(たたか)うカルデヤびとの全(ぜん)軍(ぐん)を撃(う)ち破(やぶ)って、その天幕(てんまく)のうちに負傷(ふしょう)者(もの)のみを残(のこ)しても、彼(かれ)らは立(た)ち上(あ)がって火(ひ)でこの町(まち)を焼(や)き滅(ほろ)ぼす』」。

11さてカルデヤびとの軍勢(ぐんぜい)がパロの軍勢(ぐんぜい)の来(く)るのを聞(き)いてエルサレムを退(しりぞ)いたとき、 12エレミヤは、ベニヤミンの地(ち)で民(たみ)のうちに自分(じぶん)の分(わ)け前(まえ)を受(う)け取(と)るため、エルサレムを立(た)ってその地(ち)へ行(い)こうと、 13ベニヤミンの門(もん)に着(つ)いたとき、そこにハナニヤの子(こ)セレミヤの子(こ)でイリヤという名(な)の番兵(ばんぺい)がいて、預言者(よげんしゃ)エレミヤを捕(とら)え、「あなたはカルデヤびとの側(がわ)に脱走(だっそう)しようとしている」と言(い)った。 14エレミヤは言(い)った、「それはまちがいだ。わたしはカルデヤびとの側(がわ)に脱走(だっそう)しようとしていない」。しかしイリヤは聞(き)かず、エレミヤを捕(とら)えて、つかさたちのもとへ引(ひ)いて行(い)った。 15つかさたちは怒(いか)って、エレミヤを打(う)ちたたき、書記(しょき)ヨナタンの家(いえ)の獄屋(ごくや)にいれた。この家(いえ)が獄屋(ごくや)になっていたからである。

16エレミヤが地下(ちか)の獄屋(ごくや)にはいって、そこに多(おお)くの日(ひ)を送(おく)ってのち、 17ゼデキヤ王(おう)は人(ひと)をつかわし、彼(かれ)を連(つ)れてこさせた。王(おう)は自分(じぶん)の家(いえ)でひそかに彼(かれ)に尋(たず)ねて言(い)った、「主(しゅ)から何(なに)かお言葉(ことば)があったか」。エレミヤはあったと答(こた)えた。そして言(い)った、「あなたはバビロンの王(おう)の手(て)に引(ひ)き渡(わた)されます」。 18エレミヤはまたゼデキヤ王(おう)に言(い)った、「わたしが獄屋(ごくや)にいれられたのは、あなたに、またはあなたの家来(けらい)に、あるいはこの民(たみ)に、どのような罪(つみ)を犯(おか)したからなのですか。 19あなたがたに預言(よげん)して、『バビロンの王(おう)はあなたがたをも、この地(ち)をも攻(せ)めにこない』と言(い)っていたあなたがたの預言者(よげんしゃ)は今(いま)どこにいるのですか。 20王(おう)なるわが君(きみ)よ、どうぞ今(いま)お聞(き)きください。わたしの願(ねが)いをお聞(き)きとどけください。わたしを書記(しょき)ヨナタンの家(いえ)へ帰(かえ)らせないでください。そうでないと、わたしはそこで殺(ころ)されるでしょう」。 21そこでゼデキヤ王(おう)は命(めい)を下(くだ)し、エレミヤを監視(かんし)の庭(にわ)に入(い)れさせ、かつ、パンを造(つく)る者(もの)の町(まち)から毎日(まいにち)パン一個(こ)を彼(かれ)に与(あた)えさせた。これは町(まち)にパンがなくなるまで続(つづ)いた。こうしてエレミヤは監視(かんし)の庭(にわ)にいた。

第三八章

1マッタンの子(こ)シパテヤ、パシュルの子(こ)ゲダリヤ、セレミヤの子(こ)ユカル、マルキヤの子(こ)パシュルはエレミヤがすべての民(たみ)に告(つ)げていたその言葉(ことば)を聞(き)いた。 2彼(かれ)は言(い)った、「主(しゅ)はこう言(い)われる、この町(まち)にとどまる者(もの)は、つるぎや、ききんや、疫病(えきびょう)で死(し)ぬ。しかし出(で)てカルデヤびとにくだる者(もの)は死(し)を免(まぬか)れる。すなわちその命(いのち)を自分(じぶん)のぶんどり物(もの)として生(い)きることができる。 3主(しゅ)はこう言(い)われる、この町(まち)は必(かなら)ずバビロンの王(おう)の軍勢(ぐんぜい)の手(て)に渡(わた)される。彼(かれ)はこれを取(と)る」。 4すると、つかさたちは王(おう)に言(い)った、「この人(ひと)を殺(ころ)してください。このような言葉(ことば)をのべて、この町(まち)に残(のこ)っている兵士(へいし)の手(て)と、すべての民(たみ)の手(て)を弱(よわ)くしているからです。この人(ひと)は民(たみ)の安泰(あんたい)を求(もと)めないで、その災(わざわい)を求(もと)めているのです」。 5ゼデキヤ王(おう)は言(い)った、「見(み)よ、彼(かれ)はあなたがたの手(て)にある。王(おう)はあなたがたに逆(さか)らって何事(なにごと)をもなし得(え)ない」。 6そこで彼(かれ)らはエレミヤを捕(とら)え、監視(かんし)の庭(にわ)にある王子(おうじ)マルキヤの穴(あな)に投(な)げ入(い)れた。すなわち、綱(つな)をもってエレミヤをつり降(お)ろしたが、その穴(あな)には水(みず)がなく、泥(どろ)だけであったので、エレミヤは泥(どろ)の中(なか)に沈(しず)んだ。

7王(おう)の家(いえ)の宦官(かんがん)エチオピヤびとエベデメレクは、彼(かれ)らがエレミヤを穴(あな)に投(な)げ入(い)れたことを聞(き)いた。その時(とき)、王(おう)はベニヤミンの門(もん)に座(ざ)していたので、 8エベデメレクは王(おう)の家(いえ)から出(で)て行(い)って王(おう)に言(い)った、 9「王(おう)なるわが君(きみ)よ、この人々(ひとびと)が預言者(よげんしゃ)エレミヤにしたことはみな良(よ)いことではありません。彼(かれ)を穴(あな)に投(な)げ入(い)れました。町(まち)に食物(しょくもつ)がなくなりましたから、彼(かれ)はそこで餓死(がし)するでしょう」。 10王(おう)はエチオピヤびとエベデメレクに命(めい)じて言(い)った、「ここから三人(にん)のひとを連(つ)れて行(い)って、預言者(よげんしゃ)エレミヤを、死(し)なないうちに穴(あな)から引(ひ)き上(あ)げなさい」。 11そこでエベデメレクはその人々(ひとびと)を連(つ)れて王(おう)の家(いえ)の倉(くら)の衣服(いふく)室(しつ)に行(い)き、そこから古(ふる)い布(ぬの)切(き)れや、着(き)ふるした着物(きもの)を取(と)り、これを穴(あな)の中(なか)にいるエレミヤのところへ、綱(つな)をもってつり降(お)ろした。 12そしてエチオピヤびとエベデメレクは、「この布(ぬの)切(き)れや着物(きもの)を、あなたのわきの下(した)にはさんで、綱(つな)に当(あ)てなさい」とエレミヤに言(い)った。エレミヤはそのようにした。 13すると彼(かれ)らは綱(つな)をもってエレミヤを穴(あな)から引(ひ)き上(あ)げた。そしてエレミヤは監視(かんし)の庭(にわ)にとどまった。

14ゼデキヤ王(おう)は人(ひと)をつかわして預言者(よげんしゃ)エレミヤを主(しゅ)の宮(みや)の第(だい)三の門(もん)に連(つ)れてこさせ、王(おう)はエレミヤに言(い)った、「あなたに尋(たず)ねたいことがある。何事(なにごと)もわたしに隠(かく)してはならない」。 15エレミヤはゼデキヤに言(い)った、「もしわたしがお話(はな)するなら、あなたは必(かなら)ずわたしを殺(ころ)されるではありませんか。たといわたしが忠告(ちゅうこく)をしても、あなたはお聞(き)きにならないでしょう」。 16その時(とき)ゼデキヤ王(おう)は、ひそかにエレミヤに誓(ちか)って言(い)った、「われわれの魂(たましい)を造(つく)られた主(しゅ)は生(い)きておられる。わたしはあなたを殺(ころ)さない、またあなたの命(いのち)を求(もと)める者(もの)の手(て)に、あなたを渡(わた)すこともしない」。

17そこでエレミヤはゼデキヤに言(い)った、「万軍(ばんぐん)の神(かみ)、イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)はこう仰(おお)せられる、もしあなたがバビロンの王(おう)のつかさたちに降伏(こうふく)するならば、あなたの命(いのち)は助(たす)かり、またこの町(まち)は火(ひ)で焼(や)かれることなく、あなたも、あなたの家(いえ)の者(もの)も生(い)きながらえることができる。 18しかし、もしあなたが出(で)てバビロンの王(おう)のつかさたちに降伏(こうふく)しないならば、この町(まち)はカルデヤびとの手(て)に渡(わた)される。彼(かれ)らは火(ひ)でこれを焼(や)く。あなたはその手(て)をのがれることができない」。 19ゼデキヤ王(おう)はエレミヤに言(い)った、「わたしはカルデヤびとに脱走(だっそう)したユダヤ人(ひと)を恐(おそ)れている。カルデヤびとはわたしを彼(かれ)らの手(て)に渡(わた)し、彼(かれ)らはわたしをはずかしめる」。 20エレミヤは言(い)った、「彼(かれ)らはあなたを渡(わた)さないでしょう。どうか、わたしがあなたに告(つ)げた主(しゅ)の声(こえ)に聞(き)き従(したが)ってください。そうすれば幸(さいわい)を得(え)、また命(いのち)が助(たす)かります。 21しかし降伏(こうふく)することを拒(こば)むならば、主(しゅ)がわたしに示(しめ)された幻(まぼろし)を申(もう)しましょう。 22すなわち、ユダの王(おう)の家(いえ)に残(のこ)っている女(おんな)たちは、みなバビロンの王(おう)のつかさたちの所(ところ)へ引(ひ)いて行(い)かれます。その女(おんな)たちは言(い)うのです、
『あなたの親(した)しい友(とも)だちがあなたを欺(あざむ)いた、
そしてあなたに勝(か)った。
今(いま)あなたの足(あし)は泥(どろ)に沈(しず)んでいるので、
彼(かれ)らはあなたを捨(す)てて去(さ)る』。
23あなたの妻(つま)たちと子供(こども)たちは皆(みな)カルデヤびとの所(ところ)へひき出(だ)される。あなた自身(じしん)もその手(て)をのがれることができず、バビロンの王(おう)に捕(とら)えられる。そしてこの町(まち)は火(ひ)で焼(や)かれるでしょう」。

24ゼデキヤはエレミヤに言(い)った、「これらの言葉(ことば)を人(ひと)に知(し)らせてはならない。そうすればあなたは殺(ころ)されることはない。 25わたしがあなたと話(はなし)をしたことを、つかさたちが聞(き)いて、彼(かれ)らがあなたの所(ところ)に来(き)て、『あなたが王(おう)に話(はな)したこと、王(おう)があなたに話(はな)したことをわれわれに告(つ)げなさい。何事(なにごと)も隠(かく)してはならない。われわれはあなたを殺(ころ)しはしない』と言(い)うならば、 26あなたは彼(かれ)らに、『わたしは王(おう)に願(ねが)って、わたしをヨナタンの家(いえ)に送(おく)り返(かえ)さず、そこで死(し)ぬことのないようにしてくださいと言(い)った』と答(こた)えなさい」。 27さて、つかさたちは皆(みな)エレミヤのところへ来(き)て尋(たず)ねたが、王(おう)が彼(かれ)に教(おし)えたように彼(かれ)らに答(こた)えたので、彼(かれ)らは彼(かれ)と話(はな)すことをやめた。その会話(かいわ)を聞(き)いた者(もの)がなかったからである。 28エレミヤはエルサレムの取(と)られる日(ひ)まで監視(かんし)の庭(にわ)にとどまっていた。

第三九章

1ユダの王(おう)ゼデキヤの九年(ねん)十月(がつ)、バビロンの王(おう)ネブカデレザルはその全(ぜん)軍(ぐん)を率(ひき)い、エルサレムに来(き)てこれを攻(せ)め囲(かこ)んだが、 2ゼデキヤの十一年(ねん)四月(がつ)九日(か)になって町(まち)の一角(いっかく)が破(やぶ)れた。 3エルサレムが取(と)られたので、バビロンの王(おう)のつかさたち、すなわちネルガル・シャレゼル、サムガル・ネボ、ラブサリスのサルセキム、ラブマグのネルガル・シャレゼルおよびバビロンの王(おう)のその他(た)のつかさたちは皆(みな)ともに来(き)て中(なか)の門(もん)に座(ざ)した。 4ユダの王(おう)ゼデキヤとすべての兵士(へいし)たちはこれを見(み)て逃(に)げ、夜(よる)のうちに、王(おう)の庭園(ていえん)の道(みち)を通(とお)って、二つの城壁(じょうへき)の間(あいだ)の門(もん)から町(まち)を出(で)て、アラバの方(ほう)へ行(い)ったが、 5カルデヤびとの軍勢(ぐんぜい)はこれを追(お)って、エリコの平地(へいち)でゼデキヤに追(お)いつき、これを捕(とら)えて、ハマテの地(ち)リブラにいるバビロンの王(おう)ネブカデレザルのもとに引(ひ)いて行(い)ったので、王(おう)はそこで彼(かれ)の罪(つみ)をさだめた。 6バビロンの王(おう)はリブラで、ゼデキヤの子(こ)たちを彼(かれ)の目(め)の前(まえ)で殺(ころ)した。バビロンの王(おう)はまたユダのすべての貴族(きぞく)たちを殺(ころ)した。 7王(おう)はまたゼデキヤの目(め)をつぶさせ、彼(かれ)をバビロンに引(ひ)いて行(い)くために、鎖(くさり)につないだ。 8またカルデヤびとは王宮(おうきゅう)と民家(みんか)を火(ひ)で焼(や)き、エルサレムの城壁(じょうへき)を破壊(はかい)した。 9そして侍衛(じえい)の長(ちょう)ネブザラダンは町(まち)のうちに残(のこ)っている民(たみ)と、自分(じぶん)に降伏(こうふく)した者(もの)、およびその他(た)の残(のこ)っている民(たみ)をバビロンに捕(とら)え移(うつ)した。 10しかし侍衛(じえい)の長(ちょう)ネブザラダンは、民(たみ)の貧(まず)しい無産(むさん)者(もの)をユダの地(ち)に残(のこ)し、同時(どうじ)にぶどう畑(はたけ)と田地(でんち)をこれに与(あた)えた。

11さてバビロンの王(おう)ネブカデレザルはエレミヤの事(こと)について侍衛(じえい)の長(ちょう)ネブザラダンに命(めい)じて言(い)った、 12「彼(かれ)をとり、よく世話(せわ)をせよ。害(がい)を加(くわ)えることなく、彼(かれ)があなたに言(い)うようにしてやりなさい」。 13そこで侍衛(じえい)の長(ちょう)ネブザラダン、ラブサリスのネブシャズバン、ラブマグのネルガル・シャレゼル、およびバビロンの王(おう)のつかさたちは、 14人(ひと)をつかわして、エレミヤを監視(かんし)の庭(にわ)から連(つ)れてこさせ、シャパンの子(こ)アヒカムの子(こ)であるゲダリヤに託(たく)して、家(いえ)につれて行(い)かせた。こうして彼(かれ)は民(たみ)のうちにいた。

15エレミヤが監視(かんし)の庭(にわ)に閉(と)じこめられていた時(とき)、主(しゅ)の言葉(ことば)が彼(かれ)に臨(のぞ)んだ、 16「行(い)って、エチオピヤびとエベデメレクに告(つ)げなさい、『万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう言(い)われる、わたしの言(い)った災(わざわい)をわたしはこの町(まち)に下(くだ)す、幸(さいわい)をこれに下(くだ)すのではない。その日(ひ)、この事(こと)があなたの目(め)の前(まえ)で成就(じょうじゅ)する。 17主(しゅ)は言(い)われる、その日(ひ)わたしはあなたを救(すく)う。あなたは自分(じぶん)の恐(おそ)れている人々(ひとびと)の手(て)に渡(わた)されることはない。 18わたしが必(かなら)ずあなたを救(すく)い、つるぎに倒(たお)れることのないようにするからである。あなたの命(いのち)はあなたのぶんどり物(もの)となる。あなたがわたしに寄(よ)り頼(たよ)んだからであると主(しゅ)は言(い)われる』」。

第四〇章

1侍衛(じえい)の長(ちょう)ネブザラダンは、バビロンに移(うつ)されるエルサレムとユダの人々(ひとびと)のうちにエレミヤを鎖(くさり)につないでおいて、これを捕(とら)えて行(い)ったが、ついにラマで彼(かれ)を釈放(しゃくほう)した。その後(のち)、主(しゅ)の言葉(ことば)がエレミヤに臨(のぞ)んだ。 2侍衛(じえい)の長(ちょう)はエレミヤを召(め)して彼(かれ)に言(い)った、「あなたの神(かみ)、主(しゅ)はこの所(ところ)にこの災(わざわい)を下(くだ)すと告(つ)げ示(しめ)された。 3主(しゅ)はこれを下(くだ)し、自(みずか)ら言(い)われたとおりに行(おこな)われた。あなたがたが主(しゅ)に対(たい)して罪(つみ)を犯(おか)し、み声(こえ)に従(したが)わなかったから、この事(こと)があなたがたの上(うえ)に臨(のぞ)んだのだ。 4見(み)よ、わたしはきょう、あなたの手(て)の鎖(くさり)を解(と)いてあなたを釈放(しゃくほう)する。もしあなたがわたしと一緒(いっしょ)にバビロンへ行(い)くのが良(よ)いと思(おも)われるなら、おいでなさい。わたしは、じゅうぶんあなたの世話(せわ)をします。もしあなたがわたしと一緒(いっしょ)にバビロンには行(い)きたくないなら、行(い)かなくてもよろしい。見(み)よ、この地(ち)はみなあなたの前(まえ)にあります、あなたが良(よ)いと思(おも)い、正(ただ)しいと思(おも)う所(ところ)に行(い)きなさい。 5あなたがとどまるならば、バビロンの王(おう)がユダの町々(まちまち)の総督(そうとく)として立(た)てたシャパンの子(こ)アヒカムの子(こ)であるゲダリヤの所(ところ)へ帰(かえ)り、彼(かれ)と共(とも)に民(たみ)のうちに住(す)みなさい。あるいはまたあなたが正(ただ)しいと思(おも)う所(ところ)へ行(い)きなさい」。こうして侍衛(じえい)の長(ちょう)は彼(かれ)に糧食(りょうしょく)と贈(おく)り物(もの)を与(あた)えて去(さ)らせた。 6そこでエレミヤはミヅパへ行(い)き、アヒカムの子(こ)ゲダリヤの所(ところ)へ行(い)って、彼(かれ)と共(とも)にその地(ち)に残(のこ)っている民(たみ)のうちに住(す)んだ。

7さて野外(やがい)にいた軍勢(ぐんぜい)の長(ちょう)たちと、その配下(はいか)の人々(ひとびと)は、バビロンの王(おう)がアヒカムの子(こ)ゲダリヤを立(た)てて、その地(ち)の総督(そうとく)とし、男(おとこ)、女(おんな)、子供(こども)、および国(くに)のうちのバビロンに移(うつ)されない貧(まず)しい者(もの)を彼(かれ)に委託(いたく)した事(こと)を聞(き)いたので、 8ネタニヤの子(こ)イシマエルと、カレヤの子(こ)ヨハナンおよびタンホメテの子(こ)セラヤと、ネトパびとであるエパイの子(こ)たちと、マアカびとの子(こ)ヤザニヤおよびその配下(はいか)の人々(ひとびと)は、ミヅパにいるゲダリヤのもとへ行(い)った。 9シャパンの子(こ)であるアヒカムの子(こ)ゲダリヤは、彼(かれ)らとその配下(はいか)の人々(ひとびと)に誓(ちか)って言(い)った、「カルデヤびとに仕(つか)えることを恐(おそ)れるに及(およ)ばない。この地(ち)に住(す)んでバビロンの王(おう)に仕(つか)えるならば、あなたがたは幸福(こうふく)になる。 10わたしはミヅパにいて、われわれの所(ところ)に来(く)るカルデヤびとの前(まえ)に、あなたがたのために立(た)ちましょう。あなたがたは、ぶどう酒(しゅ)や夏(なつ)のくだもの、油(あぶら)を集(あつ)めて、それを器(うつわ)にたくわえ、あなたがたの獲(え)た町々(まちまち)に住(す)みなさい」。 11同(おな)じように、モアブとアンモンびとのうち、またエドムおよび他(た)の国々(くにぐに)にいるユダヤ人(ひと)は、バビロンの王(おう)がユダに人(ひと)を残(のこ)したことと、シャパンの子(こ)であるアヒカムの子(こ)ゲダリヤを立(た)ててその総督(そうとく)としたこととを聞(き)いた。 12そこでそのユダヤ人(ひと)らはみなその追(お)いやられたもろもろの所(ところ)から帰(かえ)ってきて、ユダの地(ち)のミヅパにいるゲダリヤのもとにきた。そして多(おお)くのぶどう酒(しゅ)と夏(なつ)のくだものを集(あつ)めた。

13またカレヤの子(こ)ヨハナンと、野外(やがい)にいた軍勢(ぐんぜい)の長(ちょう)たちはみなミヅパにいるゲダリヤのもとにきて、 14彼(かれ)に言(い)った、「アンモンびとの王(おう)バアリスがあなたを殺(ころ)すためにネタニヤの子(こ)イシマエルをつかわしたことを知(し)っていますか」。しかしアヒカムの子(こ)ゲダリヤは彼(かれ)らの言(い)うことを信(しん)じなかったので、 15カレヤの子(こ)ヨハナンはミヅパでひそかにゲダリヤに言(い)った、「わたしが行(い)って、人(ひと)に知(し)れないように、ネタニヤの子(こ)イシマエルを殺(ころ)しましょう。どうして彼(かれ)があなたを殺(ころ)して、あなたの周囲(しゅうい)に集(あつ)まっているユダヤ人(ひと)を散(ち)らし、ユダの残(のこ)った者(もの)を滅(ほろ)ぼしてよいでしょう」。 16しかしアヒカムの子(こ)ゲダリヤはカレヤの子(こ)ヨハナンに言(い)った、「この事(こと)をしてはならない。あなたはイシマエルについて偽(いつわ)りを言(い)っているのです」。

第四一章

1七月(がつ)のころ、王(おう)家(いえ)のもので、エリシャマの子(こ)ネタニヤの子(こ)であり、また王(おう)の高官(こうかん)のひとりであるイシマエルは、王(おう)の十人(にん)のつかさたちと共(とも)にミヅパにいたアヒカムの子(こ)ゲダリヤのもとにきて、ミヅパで食(しょく)を共(とも)にしたが、 2ネタニヤの子(こ)イシマエルおよび共(とも)にいた十人(にん)の者(もの)は立(た)ち上(あ)がって、バビロンの王(おう)がこの地(ち)の総督(そうとく)としたシャパンの子(こ)アヒカムの子(こ)であるゲダリヤを刀(かたな)で殺(ころ)し、 3イシマエルはまたミヅパでゲダリヤと共(とも)にいたすべてのユダヤ人(ひと)と、たまたまそこにいたカルデヤびとの兵士(へいし)たちを殺(ころ)した。

4ゲダリヤが殺(ころ)された次(つぎ)の日(ひ)、まだだれもその事(こと)を知(し)らないうちに、 5八十人(にん)の人々(ひとびと)がそのひげをそり、衣服(いふく)をさき、身(み)に傷(きず)をつけ、手(て)には素祭(そさい)のささげ物(もの)と香(こう)を携(たずさ)え、シケム、シロ、サマリヤからきて、主(しゅ)の宮(みや)にささげようとした。 6ネタニヤの子(こ)イシマエルはミヅパから泣(な)きながら出(で)てきて彼(かれ)らを迎(むか)え、彼(かれ)らに会(あ)って、「アヒカムの子(こ)ゲダリヤのもとにおいでなさい」と言(い)った。 7そして彼(かれ)らが町(まち)の中(なか)にはいったとき、ネタニヤの子(こ)イシマエルは自分(じぶん)と一緒(いっしょ)にいた人々(ひとびと)と共(とも)に彼(かれ)らを殺(ころ)して、その死体(したい)を穴(あな)に投(な)げ入(い)れた。 8しかしそのうちの十人(にん)はイシマエルに向(む)かい、「わたしたちは畑(はたけ)に小麦(こむぎ)、大麦(おおむぎ)、油(あぶら)、および蜜(みつ)を隠(かく)しています、わたしたちを殺(ころ)さないでください」と言(い)ったので、彼(かれ)らをその仲間(なかま)と共(とも)に殺(ころ)さないでしまった。

9イシマエルが自分(じぶん)の殺(ころ)した人々(ひとびと)の死体(したい)を投(な)げ入(い)れた穴(あな)は、アサ王(おう)がイスラエルの王(おう)バアシャを恐(おそ)れて掘(ほ)った穴(あな)であった。ネタニヤの子(こ)イシマエルは殺(ころ)した人々(ひとびと)をこれに満(み)たした。 10次(つ)いでイシマエルはミヅパに残(のこ)っているすべての民(たみ)、すなわち王(おう)の娘(むすめ)たちと侍衛(じえい)の長(ちょう)ネブザラダンがアヒカムの子(こ)ゲダリヤに託(たく)したミヅパに残(のこ)っているすべての民(たみ)とを捕虜(ほりょ)とした。ネタニヤの子(こ)イシマエルは彼(かれ)らを捕虜(ほりょ)とし、アンモンびとのもとに渡(わた)り行(い)こうとして立(た)ち去(さ)った。

11カレヤの子(こ)ヨハナンおよび彼(かれ)と共(とも)にいる軍勢(ぐんぜい)の長(ちょう)たちはネタニヤの子(こ)イシマエルの行(い)った悪事(あくじ)をみな聞(き)き、 12その兵士(へいし)たちを率(ひき)いて、ネタニヤの子(こ)イシマエルと戦(たたか)うために出(で)て行(い)き、ギベオンの大池(おおいけ)のほとりで彼(かれ)に会(あ)った。 13イシマエルと共(とも)にいる人々(ひとびと)は、カレヤの子(こ)ヨハナンおよび彼(かれ)と共(とも)にいる軍勢(ぐんぜい)の長(ちょう)たちを見(み)て喜(よろこ)んだ。 14そしてイシマエルがミヅパから捕虜(ほりょ)にしてきた人々(ひとびと)は身(み)をめぐらしてカレヤの子(こ)ヨハナンのもとへ行(い)った。 15ネタニヤの子(こ)イシマエルは八人(にん)の者(もの)と共(とも)にヨハナンを避(さ)けて逃(に)げ、アンモンびとの所(ところ)へ行(い)った。 16そこでカレヤの子(こ)ヨハナンおよび彼(かれ)と共(とも)にいる軍勢(ぐんぜい)の長(ちょう)たちはネタニヤの子(こ)イシマエルがアヒカムの子(こ)ゲダリヤを殺(ころ)して、ミヅパから捕虜(ほりょ)として連(つ)れてきた、あの残(のこ)っていた民(たみ)、すなわち兵士(へいし)や女(おんな)、子供(こども)、宦官(かんがん)をギベオンから連(つ)れ帰(かえ)ったが、 17彼(かれ)らはエジプトへ行(い)こうとしてベツレヘムの近(ちか)くにあるゲルテ・キムハムへ行(い)って、そこにとどまった。 18これは、ネタニヤの子(こ)イシマエルが、バビロンの王(おう)によってこの地(ち)の総督(そうとく)に任(にん)じられたアヒカムの子(こ)ゲダリヤを殺(ころ)したことにより、カルデヤびとを恐(おそ)れたからである。

第四二章

1そのとき軍勢(ぐんぜい)の長(ちょう)たち、およびカレヤの子(こ)ヨハナンと、ホシャヤの子(こ)アザリヤ、ならびに民(たみ)の最(もっと)も小(ちい)さい者(もの)から最(もっと)も大(おお)いなる者(もの)にいたるまで、 2みな預言者(よげんしゃ)エレミヤの所(ところ)に来(き)て言(い)った、「どうかあなたの前(まえ)にわれわれの求(もと)めが受(う)けいれられますように。われわれのため、この残(のこ)っている者(もの)すべてのために、あなたの神(かみ)、主(しゅ)に祈(いの)ってください、(今(いま)ごらんのとおり、われわれは多(おお)くのうち、わずかに残(のこ)っている者(もの)です) 3そうすれば、あなたの神(かみ)、主(しゅ)は、われわれの行(い)くべき道(みち)と、なすべき事(こと)をお示(しめ)しになるでしょう」。 4預言者(よげんしゃ)エレミヤは彼(かれ)らに言(い)った、「よくわかりました。あなたがたの求(もと)めにしたがって、あなたがたの神(かみ)、主(しゅ)に祈(いの)りましょう。主(しゅ)があなたがたに答(こた)えられることを、何事(なにごと)も隠(かく)さないであなたがたに言(い)いましょう」。 5彼(かれ)らはエレミヤに言(い)った、「もし、あなたの神(かみ)、主(しゅ)があなたをつかわしてお告(つ)げになるすべての言葉(ことば)を、われわれが行(おこな)わないときは、どうか主(しゅ)がわれわれに対(たい)してまことの真実(しんじつ)な証人(しょうにん)となられるように。 6われわれは良(よ)くても悪(わる)くても、われわれがあなたをつかわそうとするわれわれの神(かみ)、主(しゅ)の声(こえ)に従(したが)います。われわれの神(かみ)、主(しゅ)の声(こえ)に従(したが)うとき、われわれは幸(さいわい)を得(え)るでしょう」。

7十日(か)の後(のち)、主(しゅ)の言葉(ことば)がエレミヤに臨(のぞ)んだ。 8エレミヤはカレヤの子(こ)ヨハナンおよび彼(かれ)と共(とも)にいる軍勢(ぐんぜい)の長(ちょう)たち、ならびに民(たみ)の最(もっと)も小(ちい)さい者(もの)から最(もっと)も大(おお)いなる者(もの)までことごとく招(まね)いて、 9彼(かれ)らに言(い)った、「あなたがたがわたしをつかわして、あなたの祈願(きがん)をその前(まえ)にのべさせたイスラエルの神(かみ)、主(しゅ)はこう言(い)われます、 10もしあなたがたがこの地(ち)にとどまるならば、わたしはあなたがたを建(た)てて倒(たお)すことなく、あなたがたを植(う)えて抜(ぬ)くことはしない。わたしはあなたがたに災(わざわい)を下(くだ)したことを悔(く)いているからである。 11主(しゅ)は言(い)われる、あなたが恐(おそ)れているバビロンの王(おう)を恐(おそ)れてはならない。彼(かれ)を恐(おそ)れてはならない、わたしが共(とも)にいて、あなたがたを救(すく)い、彼(かれ)の手(て)から助(たす)け出(だ)すからである。 12わたしはあなたがたをあわれみ、また彼(かれ)にあなたがたをあわれませ、あなたがたを自分(じぶん)の地(ち)にとどまらせる。 13しかし、もしあなたがたが、『われわれはこの地(ち)にとどまらない』といって、あなたがたの神(かみ)、主(しゅ)の声(こえ)にしたがわず、 14また、『いいえ、われわれはあの戦争(せんそう)を見(み)ず、ラッパの声(こえ)を聞(き)かず、食物(しょくもつ)も乏(とぼ)しくないエジプトの地(ち)へ行(い)って、あそこに住(す)まおう』と言(い)うならば、 15あなたがた、ユダの残(のこ)っている者(もの)たちよ、主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)きなさい。万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう言(い)われる、もしあなたがたがむりにエジプトへ行(い)ってそこに住(す)むならば、 16あなたがたの恐(おそ)れているつるぎはエジプトの地(ち)であなたがたに追(お)いつき、あなたがたの恐(おそ)れているききんは、すぐあとを追(お)ってエジプトまで行(い)き、その所(ところ)であなたがたは死(し)ぬ。 17すべてむりにエジプトへ行(い)ってそこに住(す)む者(もの)は、つるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)で死(し)ぬ。わたしが彼(かれ)らに下(くだ)そうとしている災(わざわい)をのがれて残(のこ)る者(もの)はそのうちにない。

18万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう言(い)われる、わたしの怒(いか)りと憤(いきどお)りとをエルサレムの住民(じゅうみん)の上(うえ)に注(そそ)いだように、わたしの憤(いきどお)りは、あなたがたがエジプトへ行(い)くとき、あなたがたの上(うえ)に注(そそ)ぐ。あなたがたは、のろいとなり、恐怖(きょうふ)となり、ののしりとなり、はずかしめとなる。あなたがたは再(ふたた)びこの所(ところ)を見(み)ることができない。 19ユダの残(のこ)っている者(もの)たちよ、『エジプトへ行(い)ってはならない』と主(しゅ)はあなたがたに言(い)われた。わたしがきょう警告(けいこく)したことを、あなたがたは確(たし)かに知(し)らなければならない。 20あなたがたはみずからそむき去(さ)って、命(いのち)を失(うしな)った。なぜなら、あなたがたがわたしをあなたがたの神(かみ)、主(しゅ)につかわし、『われわれの神(かみ)、主(しゅ)に祈(いの)り、われわれの神(かみ)、主(しゅ)の言(い)われることをことごとく示(しめ)してください。われわれはそれを行(おこな)います』と言(い)ったので、 21わたしはきょうそれを示(しめ)したが、あなたがたはあなたがたの神(かみ)、主(しゅ)の声(こえ)を聞(き)かず、主(しゅ)がわたしをつかわして命(めい)じさせられた事(こと)には、すこしも従(したが)わなかったからである。 22それゆえ、あなたがたが行(い)って住(す)まうことを願(ねが)っているその所(ところ)で、あなたがたはつるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)で死(し)ぬことを確(たし)かに知(し)らなければならない」。

第四三章

1エレミヤがすべての民(たみ)にむかって、彼(かれ)らの神(かみ)、主(しゅ)の言葉(ことば)をことごとく語(かた)り、彼(かれ)らの神(かみ)、主(しゅ)が自分(じぶん)をつかわして言(い)わせられるその言葉(ことば)をみな告(つ)げ終(おわ)った時(とき)、 2ホシャヤの子(こ)アザリヤと、カレヤの子(こ)ヨハナンおよび高慢(こうまん)な人々(ひとびと)はみなエレミヤに言(い)った、「あなたは偽(いつわ)りを言(い)っている。われわれの神(かみ)、主(しゅ)が、『エジプトへ行(い)ってそこに住(す)むな』と言(い)わせるためにあなたをつかわされたのではない。 3ネリヤの子(こ)バルクがあなたをそそのかして、われわれに逆(さか)らわせ、われわれをカルデヤびとの手(て)に渡(わた)して殺(ころ)すか、あるいはバビロンに捕(とら)え移(うつ)させるのだ」。 4こうしてカレヤの子(こ)ヨハナンと軍勢(ぐんぜい)の長(ちょう)たちおよび民(たみ)らは皆(みな)、主(しゅ)の声(こえ)にしたがわず、ユダの地(ち)にとどまろうとしなかった。 5そしてカレヤの子(こ)ヨハナンと軍勢(ぐんぜい)の長(ちょう)たちは、ユダに残(のこ)っている者(もの)すなわち追(お)いやられた国々(くにぐに)からユダの地(ち)に住(す)むために帰(かえ)ってきた者(もの)、―― 6男(おとこ)、女(おんな)、子供(こども)、王(おう)の娘(むすめ)たち、およびすべて侍衛(じえい)の長(ちょう)ネブザラダンがシャパンの子(こ)であるアヒカムの子(こ)ゲダリヤに渡(わた)しておいた者(もの)、ならびに預言者(よげんしゃ)エレミヤとネリヤの子(こ)バルクをつれて、 7エジプトの地(ち)へ行(い)った。彼(かれ)らは主(しゅ)の声(こえ)にしたがわなかったのである。そして彼(かれ)らはついにタパネスに行(い)った。

8主(しゅ)の言葉(ことば)はタパネスでエレミヤに臨(のぞ)んだ、 9「大(おお)きな石(いし)を手(て)に取(と)り、ユダの人々(ひとびと)の目(め)の前(まえ)で、これをタパネスにあるパロの宮殿(きゅうでん)の入口(いりぐち)の敷石(しきいし)のしっくいの中(なか)に隠(かく)して、 10彼(かれ)らに言(い)いなさい、『万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう言(い)われる、見(み)よ、わたしは使者(ししゃ)をつかわして、わたしのしもべであるバビロンの王(おう)ネブカデレザルを招(まね)く。彼(かれ)はその位(くらい)をこの隠(かく)した石(いし)の上(うえ)にすえ、その上(うえ)に王(おう)の天蓋(てんがい)を張(は)る。 11彼(かれ)は来(き)てエジプトの地(ち)を撃(う)ち、疫病(えきびょう)に定(さだ)まっている者(もの)を疫病(えきびょう)に渡(わた)し、とりこに定(さだ)まっている者(もの)をとりこにし、つるぎに定(さだ)まっている者(もの)をつるぎにかける。 12彼(かれ)はエジプトの神々(かみがみ)の宮(みや)に火(ひ)をつけてこれを焼(や)き、彼(かれ)らをとりこにする。そして羊(ひつじ)を飼(か)う者(もの)が着物(きもの)の虫(むし)をはらいきよめるように、エジプトの地(ち)をきよめる。彼(かれ)は安(やす)らかにそこを去(さ)る。 13彼(かれ)はエジプトの地(ち)にあるヘリオポリスのオベリスクをこわし、エジプトの神々(かみがみ)の宮(みや)を火(ひ)で焼(や)く』」。

第四四章

1エジプトの地(ち)に住(す)んでいるユダヤ人(ひと)すなわちミグドル、タパネス、メンピス、パテロスの地(ち)に住(す)む者(もの)の事(こと)についてエレミヤに臨(のぞ)んだ言葉(ことば)、 2「万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう言(い)われる、あなたがたはわたしがエルサレムとユダの町々(まちまち)に下(くだ)した災(わざわい)を見(み)た。見(み)よ、これらは今日(こんにち)、すでに荒(あ)れ地(ち)となって住(す)む人(ひと)もない。 3これは彼(かれ)らが悪(あく)を行(い)って、わたしを怒(いか)らせたことによるのである。すなわち彼(かれ)らは自分(じぶん)も、あなたがたも、あなたがたの先祖(せんぞ)たちも知(し)らなかった、ほかの神々(かみがみ)に行(い)って、香(こう)をたき、これに仕(つか)えた。 4わたしは自分(じぶん)のしもべであるすべての預言者(よげんしゃ)たちを、しきりにあなたがたにつかわして、『どうか、わたしの忌(い)みきらうこの憎(にく)むべき事(こと)をしないように』と言(い)わせたけれども、 5彼(かれ)らは聞(き)かず、耳(みみ)を傾(かたむ)けず、ほかの神々(かみがみ)に香(こう)をたいて、その悪(あく)を離(はな)れなかった。 6それゆえ、わたしは怒(いか)りと憤(いきどお)りをユダの町々(まちまち)とエルサレムのちまたに注(そそ)ぎ、それを焼(や)いたので、それらは今日(こんにち)のように荒(あ)れ、滅(ほろ)びてしまった。 7万軍(ばんぐん)の神(かみ)、イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)は今(いま)こう言(い)われる、あなたがたはなぜ大(おお)いなる悪(あく)を行(い)って自分(じぶん)自身(じしん)を害(がい)し、ユダのうちから、あなたがたの男(おとこ)と女(おんな)と、子供(こども)と乳(ち)のみ子(ご)を断(た)って、ひとりも残(のこ)らないようにしようとするのか。 8なぜあなたがたはその手(て)のわざをもってわたしを怒(いか)らせ、あなたがたが行(い)って住(す)まうエジプトの地(ち)で、ほかの神々(かみがみ)に香(こう)をたいて自分(じぶん)の身(み)を滅(ほろ)ぼし、地(ち)の万国(ばんこく)のうちに、のろいとなり、はずかしめとなろうとするのか。 9ユダの地(ち)とエルサレムのちまたで行(い)ったあなたがたの先祖(せんぞ)たちの悪(あく)、ユダの王(おう)たちの悪(あく)、その妻(つま)たちの悪(あく)、およびあなたがた自身(じしん)の悪(あく)、あなたがたの妻(つま)たちの悪(あく)をあなたがたは忘(わす)れたのか。 10彼(かれ)らは今日(こんにち)に至(いた)るまで悔(く)いず、また恐(おそ)れず、あなたがたとあなたがたの先祖(せんぞ)たちの前(まえ)に立(た)てた、わたしの律法(りっぽう)とわたしの定(さだ)めとに従(したが)って歩(あゆ)まないのである。

11それゆえ万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう言(い)われる、見(み)よ、わたしは顔(かお)をあなたがたに向(む)けて災(わざわい)を下(くだ)し、ユダの人々(ひとびと)をことごとく断(た)つ。 12またわたしは、エジプトの地(ち)に住(す)むために、むりに行(い)ったあのユダの残(のこ)りの者(もの)を取(と)り除(のぞ)く。彼(かれ)らはみな滅(ほろ)ぼされてエジプトの地(ち)に倒(たお)れる。彼(かれ)らは、つるぎとききんに滅(ほろ)ぼされ、最(もっと)も小(ちい)さい者(もの)から最(もっと)も大(おお)いなる者(もの)まで、つるぎとききんによって死(し)ぬ。そして、のろいとなり、恐怖(きょうふ)となり、ののしりとなり、はずかしめとなる。 13わたしはエルサレムを罰(ばっ)したように、つるぎと、ききんと、疫病(えきびょう)をもってエジプトに住(す)んでいる者(もの)を罰(ばっ)する。 14それゆえ、エジプトの地(ち)へ行(い)ってそこに住(す)んでいるユダの残(のこ)りの者(もの)のうち、のがれ、または残(のこ)って、帰(かえ)り住(す)まおうと願(ねが)うユダの地(ち)へ帰(かえ)る者(もの)はひとりもない。少数(しょうすう)ののがれる者(もの)のほかには、帰(かえ)ってくる者(もの)はない」。

15その時(とき)、自分(じぶん)の妻(つま)がほかの神々(かみがみ)に香(こう)をたいたことを知(し)っている人々(ひとびと)、およびその所(ところ)に立(た)っている女(おんな)たちの大(おお)いなる群衆(ぐんしゅう)、ならびにエジプトの地(ち)のパテロスに住(す)んでいる民(たみ)はエレミヤに答(こた)えて言(い)った、 16「あなたが主(しゅ)の名(な)によってわたしたちに述(の)べられた言葉(ことば)は、わたしたちは聞(き)くことができません。 17わたしたちは誓(ちか)ったことをみな行(おこな)い、わたしたちが、もと行(い)っていたように香(こう)を天后(てんこう)にたき、また酒(さけ)をその前(まえ)に注(そそ)ぎます。すなわち、ユダの町々(まちまち)とエルサレムのちまたで、わたしたちとわたしたちの先祖(せんぞ)たちおよびわたしたちの王(おう)たちと、わたしたちのつかさたちが行(い)ったようにいたします。その時(とき)には、わたしたちは糧食(りょうしょく)には飽(あ)き、しあわせで、災(わざわい)に会(あ)いませんでした。 18ところが、わたしたちが、天后(てんこう)に香(こう)をたくことをやめ、酒(さけ)をその前(まえ)に注(そそ)がなくなった時(とき)から、すべての物(もの)に乏(とぼ)しくなり、つるぎとききんに滅(ほろ)ぼされました」。 19また女(おんな)たちは言(い)った、「わたしたちが天后(てんこう)に香(こう)をたき、酒(さけ)をその前(まえ)に注(そそ)ぐに当(あた)って、これにかたどってパンを造(つく)り、酒(さけ)を注(そそ)いだのは、わたしたちの夫(おっと)が許(ゆる)したことではありませんか」。

20そこでエレミヤは男女(だんじょ)のすべての人(ひと)、およびこの答(こたえ)をしたすべての民(たみ)に言(い)った、 21「ユダの町々(まちまち)とエルサレムのちまたで、あなたがたとあなたがたの先祖(せんぞ)たち、およびあなたがたの王(おう)たちとあなたがたのつかさたち、およびその地(ち)の民(たみ)が香(こう)をたいたことは、主(しゅ)がこれを忘(わす)れず、また、心(こころ)にとどめておられることではないか。 22主(しゅ)はあなたがたの悪(あ)しきわざのため、あなたがたの憎(にく)むべき行(おこな)いのために、もはや忍(しの)ぶことができなくなられた。それゆえ、あなたがたの地(ち)は今日(こんにち)のごとく荒(あ)れ地(ち)となり、驚(おどろ)きとなり、のろいとなり、住(す)む人(ひと)のない地(ち)となった。 23あなたがたが香(こう)をたき、主(しゅ)に罪(つみ)を犯(おか)し、主(しゅ)の声(こえ)に聞(き)き従(したが)わず、その律法(りっぽう)と、定(さだ)めと、あかしに従(したが)って歩(あゆ)まなかったので、今日(こんにち)のようにこの災(わざわい)があなたがたに臨(のぞ)んだのである」。

24エレミヤはまたすべての民(たみ)と女(おんな)たちに言(い)った、「あなたがたすべてエジプトの地(ち)にいるユダの人々(ひとびと)よ、主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)きなさい。 25万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう言(い)われる、あなたがたとあなたがたの妻(つま)たちは口(くち)で言(い)い、手(て)で行(おこな)い、『わたしたちは天后(てんこう)に香(こう)をたき、酒(さけ)を注(そそ)いで立(た)てた誓(ちか)いを必(かなら)ずなし遂(と)げる』と言(い)う。それならば、あなたがたの誓(ちか)いをかため、あなたがたの誓(ちか)いをなし遂(と)げなさい。 26それゆえ、あなたがたすべてエジプトの地(ち)にいるユダの人々(ひとびと)よ、主(しゅ)の言葉(ことば)を聞(き)きなさい。主(しゅ)は言(い)われる、わたしは自分(じぶん)の大(おお)いなる名(な)をさして誓(ちか)う、すなわちエジプトの全(ぜん)地(ち)に、ユダの人々(ひとびと)で、その口(くち)に、『主(しゅ)なる神(かみ)は生(い)きておられる』と言(い)って、わたしの名(な)をとなえるものは、もはやひとりもないようになる。 27見(み)よ、わたしは彼(かれ)らを見守(みまも)っている、それは幸(さいわい)を与(あた)えるためではなく、災(わざわい)を下(くだ)すためである。エジプトの地(ち)にいるユダの人々(ひとびと)は、つるぎとききんによって滅(ほろ)び絶(た)える。 28しかし、つるぎをのがれるわずかの者(もの)はエジプトの地(ち)を出(で)てユダの地(ち)に帰(かえ)る。そしてユダの残(のこ)っている民(たみ)でエジプトに来(き)て住(す)んだ者(もの)は、わたしの言葉(ことば)が立(た)つか、彼(かれ)らの言葉(ことば)が立(た)つか、いずれであるかを知(し)るようになる。 29主(しゅ)は言(い)われる、わたしがこの所(ところ)であなたがたを罰(ばっ)するしるしはこれである。わたしはこのようにしてわたしがあなたがたに災(わざわい)を下(くだ)そうと言(い)った事(こと)の必(かなら)ず立(た)つことを知(し)らせよう。 30すなわち主(しゅ)はこう言(い)われる、見(み)よ、わたしはユダの王(おう)ゼデキヤを、その命(いのち)を求(もと)める敵(てき)であるバビロンの王(おう)ネブカデレザルの手(て)に渡(わた)したように、エジプトの王(おう)パロ・ホフラをその敵(てき)の手(て)、その命(いのち)を求(もと)める者(もの)の手(て)に渡(わた)す」。

第四五章

1ユダの王(おう)ヨシヤの子(こ)エホヤキムの四年(ねん)に、ネリヤの子(こ)バルクがこれらの言葉(ことば)をエレミヤの口述(こうじゅつ)にしたがって書(しょ)にしるした時(とき)、預言者(よげんしゃ)エレミヤが彼(かれ)に語(かた)った言葉(ことば)、 2「バルクよ、イスラエルの神(かみ)、主(しゅ)はあなたについてこう言(い)われる、 3あなたはかつて、『ああ、わたしはわざわいだ、主(しゅ)がわたしの苦(くる)しみに悲(かな)しみをお加(くわ)えになった。わたしは嘆(なげ)き疲(つか)れて、安息(あんそく)が得(え)られない』と言(い)った。 4あなたはこう彼(かれ)に言(い)いなさい、主(しゅ)はこう言(い)われる、見(み)よ、わたしは自分(じぶん)で建(た)てたものをこわし、自分(じぶん)で植(う)えたものを抜(ぬ)いている――それは、この全(ぜん)地(ち)である。 5あなたは自分(じぶん)のために大(おお)いなる事(こと)を求(もと)めるのか、これを求(もと)めてはならない。見(み)よ、わたしはすべての人(ひと)に災(わざわい)を下(くだ)そうとしている。しかしあなたの命(いのち)はあなたの行(ゆ)くすべての所(ところ)で、ぶんどり物(もの)としてあなたに与(あた)えると主(しゅ)は言(い)われる」。

第四六章

1もろもろの国(くに)の事(こと)について預言者(よげんしゃ)エレミヤに臨(のぞ)んだ主(しゅ)の言葉(ことば)。

2エジプトの事(こと)、すなわちユフラテ川(かわ)のほとりにあるカルケミシの近(ちか)くにいるエジプトの王(おう)パロ・ネコの軍勢(ぐんぜい)の事(こと)について。これはユダの王(おう)ヨシヤの子(こ)エホヤキムの四年(ねん)に、バビロンの王(おう)ネブカデレザルが撃(う)ち破(やぶ)ったものである。その言葉(ことば)は次(つぎ)のとおりである、
3「大盾(おおだて)と小盾(こだて)とを備(そな)え、進(すす)んで戦(たたか)え。
4騎兵(きへい)よ、馬(うま)を戦車(せんしゃ)につなぎ、馬(うま)に乗(の)れ。
かぶとをかぶって立(た)て。
ほこをみがき、よろいを着(き)よ。
5わたしは見(み)たが、何(なに)ゆえか彼(かれ)らは恐(おそ)れて退(しりぞ)き、
その勇士(ゆうし)たちは打(う)ち敗(やぶ)られ、あわてて逃(に)げて、
うしろをふり向(む)くこともしない、――
恐(おそ)れが彼(かれ)らの周囲(しゅうい)にあると主(しゅ)は言(い)われる。
6足早(あしばや)き者(もの)も逃(に)げることができず、
勇士(ゆうし)ものがれることができない。
北(きた)の方(ほう)、ユフラテ川(かわ)のほとりで
彼(かれ)らはつまずき倒(たお)れた。

7あのナイル川(かわ)のようにわきあがり、
川々(かわがわ)のように、その水(みず)のさかまく者(もの)はだれか。
8エジプトはナイル川(かわ)のようにわきあがり、
その水(みず)は川々(かわがわ)のようにさかまく。
そしてこれは言(い)う、わたしは上(のぼ)って、地(ち)をおおい、
町々(まちまち)とそのうちに住(す)む者(もの)を滅(ほろ)ぼそう。
9馬(うま)よ、進(すす)め、車(くるま)よ、激(はげ)しく走(はし)れ。
勇士(ゆうし)よ、盾(たて)を取(と)るエチオピヤびとと、プテびとよ、
弓(ゆみ)を巧(たく)みに引(ひ)くルデびとよ、進(すす)み出(で)よ。
10その日(ひ)は万軍(ばんぐん)の神(かみ)、主(しゅ)の日(ひ)であって、
主(しゅ)があだを報(むく)いられる日(ひ)、
その敵(てき)にあだをかえされる日(ひ)だ。
つるぎは食(た)べて飽(あ)き、
彼(かれ)らの血(ち)に酔(よ)う。
万軍(ばんぐん)の神(かみ)、主(しゅ)が、北(きた)の地(ち)で、ユフラテ川(かわ)のほとりで、
ほふることをなされるからだ。
11おとめなるエジプトの娘(むすめ)よ、
ギレアデに上(のぼ)って乳香(にゅうこう)を取(と)れ。
あなたは多(おお)くの薬(くすり)を用(もち)いても、むだだ。
あなたは、いやされることはない。
12あなたの恥(はじ)は国々(くにぐに)に聞(きこ)えている、
あなたの叫(さけ)びは地(ち)に満(み)ちている。
勇士(ゆうし)が勇士(ゆうし)につまずいて、共(とも)に倒(たお)れたからである」。

13バビロンの王(おう)ネブカデレザルが来(き)て、エジプトの地(ち)を撃(う)とうとする事(こと)について、主(しゅ)が預言者(よげんしゃ)エレミヤにお告(つ)げになった言葉(ことば)、
14「エジプトで宣(の)べ、ミグドルで告(つ)げ示(しめ)し、
またメンピスとタパネスに告(つ)げ示(しめ)して言(い)え、
『堅(かた)く立(た)って、備(そな)えせよ、
つるぎがあなたの周囲(しゅうい)を、滅(ほろ)ぼし尽(つく)すからだ』。
15なぜ、アピスはのがれたのか。
あなたの雄牛(おうし)は、なぜ立(た)たなかったのか。
それは主(しゅ)がこれを倒(たお)されたからだ。
16あなたに属(ぞく)する多(おお)くの兵(へい)は、つまずいて倒(たお)れた。
そして互(たがい)に言(い)った、『立(た)てよ、
われわれは、しえたげる者(もの)のつるぎを避(さ)けて、
われわれの民(たみ)に帰(かえ)り、故郷(こきょう)の地(ち)へ行(い)こう』と。
17エジプトの王(おう)パロの名(な)を、
『好機(こうき)を逸(いっ)する騒(さわ)がしい者(もの)』と呼(よ)べ。

18万軍(ばんぐん)の主(しゅ)という名(な)の王(おう)は言(い)われる、
わたしは生(い)きている、
彼(かれ)は山々(やまやま)のうちのタボルのように、
海(うみ)のほとりのカルメルのように来(きた)り臨(のぞ)む。
19エジプトに住(す)む民(たみ)よ、
捕(とら)われのために荷物(にもつ)を備(そな)えよ。
メンピスは荒(あ)れ地(ち)となり、
廃虚(はいきょ)となって住(す)む人(ひと)もなくなる。
20エジプトは美(うつく)しい雌(めす)の子(こ)牛(うし)だ、
しかし北(きた)から、牛(うし)ばえが来(き)て、それにとまった。
21そのうちにいる雇(やとい)兵(へい)でさえ、肥(こ)えた子(こ)牛(うし)のようだ。
彼(かれ)らはふり返(かえ)って共(とも)に逃(に)げ、立(た)つことをしなかった。
彼(かれ)らの災難(さいなん)の日(ひ)、その罰(ばっ)せられる時(とき)が来(き)たからだ。
22彼(かれ)は逃(に)げ去(さ)るへびのような音(おと)をたてる。
その敵(てき)が軍勢(ぐんぜい)を率(ひき)いて彼(かれ)に臨(のぞ)み、
きこりのように、おのをもって来(く)るからだ。
23彼(かれ)らは彼(かれ)の林(はやし)がいかに入(い)り込(こ)みがたくとも、
それを切(き)り倒(たお)す。
彼(かれ)らはいなごよりも多(おお)く、
数(かぞ)えがたいからであると、主(しゅ)は言(い)われる。
24エジプトの娘(むすめ)ははずかしめを受(う)け、
北(きた)からくる民(たみ)の手(て)に渡(わた)される」。

25万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)は言(い)われた、「見(み)よ、わたしはテーベのアモンと、パロと、エジプトとその神々(かみがみ)とその王(おう)たち、すなわちパロと彼(かれ)を頼(たの)む者(もの)とを罰(ばっ)する。 26わたしは彼(かれ)らを、その命(いのち)を求(もと)める者(もの)の手(て)と、バビロンの王(おう)ネブカデレザルの手(て)と、その家来(けらい)たちの手(て)に渡(わた)す。その後(のち)、エジプトは昔(むかし)のように人(ひと)の住(す)む所(ところ)となると、主(しゅ)は言(い)われる。
27わたしのしもべヤコブよ、恐(おそ)れることはない、
イスラエルよ、驚(おどろ)くことはない。
見(み)よ、わたしがあなたを遠(とお)くから救(すく)い、
あなたの子孫(しそん)をその捕(とら)え移(うつ)された地(ち)から
救(すく)うからだ。
ヤコブは帰(かえ)ってきて、おだやかに、安(やす)らかになり、
彼(かれ)を恐(おそ)れさせる者(もの)はない。
28主(しゅ)は言(い)われる、わたしのしもべヤコブよ、
恐(おそ)れることはない、わたしが共(とも)にいるからだ。
わたしはあなたを追(お)いやった国々(くにぐに)を
ことごとく滅(ほろ)ぼし尽(つく)す。
しかしあなたを滅(ほろ)ぼし尽(つく)すことはしない。
わたしは正(ただ)しい道(みち)に従(したが)って、あなたを懲(こ)らしめる、
決(けっ)して罰(ばっ)しないではおかない」。

第四七章

1パロがまだガザを撃(う)たなかったころ、ペリシテびとの事(こと)について預言者(よげんしゃ)エレミヤに臨(のぞ)んだ主(しゅ)の言葉(ことば)。
2「主(しゅ)はこう言(い)われる、
見(み)よ、水(みず)は北(きた)から起(おこ)り、あふれ流(なが)れて、
この地(ち)と、そこにあるすべての物(もの)、
その町(まち)と、その中(なか)に住(す)む者(もの)とにあふれかかる。
その時(とき)、人々(ひとびと)は叫(さけ)び、この地(ち)に住(す)む者(もの)はみな嘆(なげ)く。
3そのたくましい馬(うま)のひずめの踏(ふ)み鳴(な)らす音(おと)のため、
その戦車(せんしゃ)の響(ひび)きのため、
その車輪(しゃりん)のとどろきのために、
父(ちち)はその手(て)が弱(よわ)くなって、
自分(じぶん)の子(こ)をも顧(かえり)みない。
4これは、ペリシテびとを滅(ほろ)ぼし尽(つく)し、
ツロとシドンに残(のこ)って助(たす)けをなす者(もの)を
ことごとく絶(た)やす日(ひ)が来(く)るからである。
主(しゅ)はカフトルの海岸(かいがん)に残(のこ)っている
ペリシテびとを滅(ほろ)ぼされる。
5ガザには髪(かみ)をそることが始(はじ)まっている。
アシケロンは滅(ほろ)びた。
アナクびとの残(のこ)りの民(たみ)よ、
いつまで自分(じぶん)の身(み)に傷(きず)つけるのか。
6主(しゅ)のつるぎよ、
おまえはいつになれば静(しず)かになるのか。
おまえのさやに帰(かえ)り、休(やす)んで静(しず)かにしておれ。
7主(しゅ)がこれに命(いのち)を下(くだ)されたのだ、
どうして静(しず)かにしておれようか。
アシケロンと海岸(かいがん)の地(ち)を攻(せ)めることを
定(さだ)められたのだ」。

第四八章

1モアブの事(こと)について、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう言(い)われる、
「ああ、ネボはわざわいだ、これは滅(ほろ)ぼされた。
キリヤタイムははずかしめられて取(と)られ、
とりでは、はずかしめられてこわされた。
2モアブの誉(ほまれ)は、消(き)え去(さ)った。
ヘシボンで人々(ひとびと)はモアブの害(がい)を図(はか)り、
『さあ、この国(くに)を断(た)ち滅(ほろ)ぼそう』という。
マデメンよ、おまえもまた滅(ほろ)ぼされる、
つるぎがおまえを追(お)う。

3ホロナイムから叫(さけ)び声(ごえ)が聞(きこ)える、
『荒廃(こうはい)と大(おお)いなる滅亡(めつぼう)だ』という。
4モアブは滅(ほろ)ぼされ、
叫(さけ)びはゾアルにまで聞(きこ)える。
5彼(かれ)らは泣(な)きながらルヒテの坂(さか)を登(のぼ)る。
彼(かれ)らはホロナイムの下(くだ)り坂(ざか)で、
『滅亡(めつぼう)』の叫(さけ)びを聞(き)いたからだ。
6逃(に)げて、自分(じぶん)の身(み)を救(すく)え、
荒野(あらの)の野(の)ろばのようになれ。
7おまえが、とりでと財宝(ざいほう)とを頼(たの)みにしたので、
おまえも捕(とら)えられるからだ。
またケモシは、その祭司(さいし)とつかさたちと共(とも)に、
捕(とら)えられて行(い)く。
8滅(ほろ)ぼす者(もの)はすべての町(まち)に来(く)る、
一つの町(まち)ものがれることができない。
谷(たに)は滅(ほろ)び、平地(へいち)は荒(あら)される、
主(しゅ)の言(い)われたとおりである。
9モアブに翼(つばさ)を与(あた)えて、飛(と)び去(さ)らせよ。
その町々(まちまち)は荒(あ)れて、住(す)む者(もの)はなくなる。

10主(しゅ)のわざを行(おこな)うことを怠(おこた)る者(もの)はのろわれる。またそのつるぎを押(おさ)えて血(ち)を流(なが)さない者(もの)はのろわれる。


11モアブはその幼(おさな)い時(とき)から安(やす)らかで、
酒(さけ)が、沈(しず)んだおりの上(うえ)にとどまって、
器(うつわ)から器(うつわ)に、くみ移(うつ)されなかったように、
捕(とら)え移(うつ)されなかったので、
その味(あじ)はなお存(そん)し、その香気(こうき)も変(かわ)ることがない。

12主(しゅ)は言(い)われる、それゆえ見(み)よ、わたしがこれを傾(かたむ)ける者(もの)どもをつかわす日(ひ)が来(く)る。彼(かれ)らはこれを傾(かたむ)け、その器(うつわ)をあけ、そのかめを砕(くだ)く。 13その時(とき)モアブはケモシのために恥(はじ)をかく。ちょうどイスラエルの家(いえ)がその頼(たの)みとしたベテルのために恥(はじ)をかいたようになる。


14あなたがたはどうして
『われわれは勇士(ゆうし)だ。強(つよ)い戦士(せんし)だ』というのか。
15モアブとその町々(まちまち)を滅(ほろ)ぼす者(もの)は上(のぼ)って来(き)、
モアブのえり抜(ぬ)きの若者(わかもの)たちは下(くだ)って殺(ころ)されたと
万軍(ばんぐん)の主(しゅ)と名(な)のる王(おう)が言(い)われる。
16モアブの災難(さいなん)は近(ちか)づいている、
その苦難(くなん)はすみやかに来(く)る。
17すべてその周囲(しゅうい)にある者(もの)よ、
またその名(な)を知(し)る者(もの)よ、
彼(かれ)のために嘆(なげ)いて、
『ああ、強(つよ)き笏(しゃく)、麗(うるわ)しきつえは、
ついに折(お)れた』と言(い)え。

18デボンに住(す)む者(もの)よ、ああなたの栄(さか)えを離(はな)れて下(くだ)り、かわいた地(ち)に座(ざ)せよ。
モアブを滅(ほろ)ぼす者(もの)があなたに攻(せ)めのぼって来(き)て、
あなたの城(しろ)を滅(ほろ)ぼしたからだ。
19アロエルに住(す)む者(もの)よ、
道(みち)のかたわらに立(た)って見張(みは)りし、
逃(に)げてくる男(おとこ)、のがれてくる女(おんな)に尋(たず)ねて、
『何(なに)が起(おこ)ったのか』と言(い)え。
20モアブは敗(やぶ)れて、恥(はじ)をこうむっている。
嘆(なげ)き呼(よ)ばわれ。
アルノン川(かわ)のほとりで、
モアブは滅(ほろ)ぼされたと告(つ)げよ。

21さばきは高原(こうげん)の地(ち)に臨(のぞ)み、ホロン、ヤハズ、メパアテ、 22デボン、ネボ、ベテ・デブラタイム、 23キリヤタイム、ベテ・ガムル、ベテ・メオン、 24ケリオテ、ボズラなどモアブの地(ち)のすべての町(まち)の、遠(とお)いものにも近(ちか)いものにも、臨(のぞ)んだ。 25モアブの角(つの)は砕(くだ)け、その腕(うで)は折(お)れたと主(しゅ)は言(い)われる。

26モアブを酔(よ)わせよ、彼(かれ)が主(しゅ)に敵(てき)して自(みずか)ら高(たか)ぶったからである。モアブは自分(じぶん)の吐(は)いた物(もの)の中(なか)にころがって、笑(わら)い草(ぐさ)となる。 27イスラエルはあなたの笑(わら)い草(ぐさ)ではなかったか。あなたが、彼(かれ)のことを語(かた)るごとに首(くび)を振(ふ)ったのは、彼(かれ)が盗賊(とうぞく)の中(なか)にいたとでもいうのか。


28モアブに住(す)む者(もの)よ、町(まち)を去(さ)って岩(いわ)の間(あいだ)に住(す)め。
谷(たに)の入口(いりぐち)のかたわらに巣(す)を作(つく)る
山(やま)ばとのようにせよ。
29われわれはモアブの高慢(こうまん)な事(こと)を聞(き)いた、
その高慢(こうまん)は、はなはだしい。
すなわち、その尊大(そんだい)、高慢(こうまん)、横柄(おうへい)、
およびその心(こころ)の高(たか)ぶりのことを聞(き)いた。
30主(しゅ)は言(い)われる、わたしは彼(かれ)の横着(おうちゃく)なのを知(し)る、
彼(かれ)の自慢(じまん)は偽(いつわ)りで、その行(おこな)いも偽(いつわ)りである。
31それゆえ、わたしはモアブのために嘆(なげ)き、
モアブの全(ぜん)地(ち)のために呼(よ)ばわる。
キルヘレスの人々(ひとびと)のためにわたしは悲(かな)しむ。
32シブマのぶどうの木(き)よ、
わたしはヤゼルのために泣(な)くのにまさって
おまえのために泣(な)く。
おまえのつるは延(の)びて海(うみ)を越(こ)え、ヤゼルに及(およ)んだ。
おまえの夏(なつ)の実(み)と、その収穫(しゅうかく)を滅(ほろ)ぼす者(もの)が
襲(おそ)ってきた。
33喜(よろこ)びと楽(たの)しみは、実(みの)り多(おお)いモアブの地(ち)を去(さ)った。
わたしは、ぶどうをしぼる所(ところ)にも酒(さけ)をなくした。
楽(たの)しく呼(よ)ばわって、ぶどうを踏(ふ)む者(もの)もなくなった。
呼(よ)ばわっても、喜(よろこ)んで呼(よ)ばわる声(こえ)ではない。

34ヘシボンとエレアレは叫(さけ)ぶ。ヤハヅに至(いた)るまで、ゾアルからホロナイムとエグラテ・シリシヤに至(いた)るまで、彼(かれ)らはその声(こえ)をあげる。ニムリムの水(みず)も絶(た)えたからである。 35主(しゅ)は言(い)われる、わたしは犠牲(ぎせい)を高(たか)き所(ところ)にささげ、香(こう)をその神(かみ)にたく者(もの)をモアブのうちに滅(ほろ)ぼす。 36それゆえ、わたしの心(こころ)はモアブのために笛(ふえ)のように嘆(なげ)き、わたしの心(こころ)はキルヘレスの人々(ひとびと)のために笛(ふえ)のように嘆(なげ)く。彼(かれ)らの獲(え)た富(とみ)が消(き)えうせたからである。

37人(ひと)はみな髪(かみ)をそり、皆(みな)ひげをそり、みな手(て)に傷(きず)をつけ、腰(こし)に荒布(あらぬの)を着(つ)ける。 38モアブではどこの屋根(やね)の上(うえ)も、広場(ひろば)も、ただ悲(かな)しみに包(つつ)まれている。これは、わたしが、だれもほしがらない器(うつわ)のようにモアブを砕(くだ)いたからであると主(しゅ)は言(い)われる。 39ああ、モアブはついに滅(ほろ)びた。人々(ひとびと)は嘆(なげ)く。ああ、モアブは恥(は)じて顔(かお)をそむけた。モアブはその周囲(しゅうい)のすべての者(もの)の笑(わら)い草(ぐさ)となり恐(おそ)れとなった」。
40主(しゅ)はこう言(い)われる、
「見(み)よ、敵(てき)はわしのように速(はや)く飛(と)んできて、
モアブに向(む)かって翼(つばさ)をのべる。
41町々(まちまち)は取(と)られ、城(しろ)は奪(うば)われる。
その日(ひ)モアブの勇士(ゆうし)の心(こころ)は
子(こ)を産(う)む女(おんな)の心(こころ)のようになる。
42モアブは滅(ほろ)ぼされて、国(くに)を成(な)さないようになる。
主(しゅ)に敵(てき)して自(みずか)ら誇(ほこ)ったからである。
43主(しゅ)は言(い)われる、
モアブに住(す)む者(もの)よ、
恐(おそ)れと、穴(あな)と、わなとがあなたに臨(のぞ)んでいる。
44恐(おそ)れをさけて逃(に)げる者(もの)は穴(あな)におちいり、
穴(あな)をよじ上(のぼ)って出(で)る者(もの)は、わなに捕(とら)えられる。
わたしがモアブに、その罰(ばっ)せられる年(とし)に、
これらのものを臨(のぞ)ませるからであると
主(しゅ)は言(い)われる。

45逃(に)げた者(もの)はヘシボンの陰(かげ)に、力(ちから)なく立(た)ちどまる。
ヘシボンから火(ひ)が出(で)、シホンの家(いえ)から炎(ほのお)が出(で)て、
モアブの額(ひたい)、騒(さわ)ぐ人々(ひとびと)の頭(あたま)の頂(いただき)を焼(や)いたからだ。
46モアブよ、おまえはわざわいだ。
ケモシの民(たみ)は滅(ほろ)びた。
おまえのむすこらは捕(とら)え移(うつ)され、
おまえの娘(むすめ)らも捕(とら)え行(ゆ)かれたからである。
47しかし末(すえ)の日(ひ)にわたしは再(ふたた)びモアブを栄(さか)えさせると
主(しゅ)は言(い)われる」。
ここまではモアブのさばきの事(こと)をいったのである。

第四九章


1アンモンびとについて、
主(しゅ)はこう言(い)われる、
「イスラエルには子(こ)がないのか、世継(よつ)ぎがないのか。
どうしてミルコムがガドを追(お)い出(だ)して、
その民(たみ)がその町々(まちまち)に住(す)んでいるのか。
2主(しゅ)は言(い)われる、
それゆえ、見(み)よ、アンモンびとのラバを攻(せ)める
戦(たたか)いの叫(さけ)びを、わたしが聞(きこ)えさせる日(ひ)が来(く)る。
ラバは荒塚(あれづか)となり、その村々(むらむら)は火(ひ)で焼(や)かれる。
そのときイスラエルは自分(じぶん)を追(お)い出(だ)した者(もの)どもを
追(お)い出(だ)すと主(しゅ)は言(い)われる。

3ヘシボンよ嘆(なげ)け、アイは滅(ほろ)ぼされた。
ラバの娘(むすめ)たちよ呼(よ)ばわれ。
荒布(あらぬの)を身(み)にまとい、悲(かな)しんで、
まがきのうちを走(はし)りまわれ。
ミルコムとその祭司(さいし)およびつかさが
共(とも)に捕(とら)え移(うつ)されるからだ。
4不信(ふしん)の娘(むすめ)よ、
あなたはなぜ自分(じぶん)の谷(たに)の事(こと)を誇(ほこ)るのか。
あなたは自分(じぶん)の富(とみ)に寄(よ)り頼(たよ)んで、
『だれがわたしに攻(せ)めてくるものか』と言(い)う。
5主(しゅ)なる万軍(ばんぐん)の神(かみ)は言(い)われる、
見(み)よ、わたしはあなたの上(うえ)に恐(おそ)れを臨(のぞ)ませる、
それはあなたの周囲(しゅうい)の者(もの)から来(く)る。
あなたは追(お)われて、おのおの直(ただ)ちに他人(たにん)に続(つづ)き、
逃(に)げる者(もの)を集(あつ)める人(ひと)もない。
6しかし、のちになって、わたしはアンモンびとを再(ふたた)び栄(さか)えさせると、主(しゅ)は言(い)われる」。


7エドムの事(こと)について、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はこう言(い)われる、
「テマンには、もはや知恵(ちえ)がないのか。
さとい者(もの)には計(はか)りごとがなくなったのか。
その知恵(ちえ)は消(き)えうせたのか。
8デダンに住(す)む者(もの)よ、
逃(に)げよ、のがれよ、深(ふか)い所(ところ)に隠(かく)れよ。
わたしがエサウの災難(さいなん)を彼(かれ)の上(うえ)に臨(のぞ)ませ、
彼(かれ)を罰(ばっ)する時(とき)をこさせるからだ。
9ぶどうを集(あつ)める者(もの)があなたの所(ところ)に来(き)たならば、
すこしの実(み)をも残(のこ)さないであろうか。
夜(よる)、盗(ぬす)びとが来(き)たならば、
自分(じぶん)たちの満足(まんぞく)するだけ滅(ほろ)ぼさないであろうか。
10しかしわたしはエサウを裸(はだか)にし、
その隠(かく)れる所(ところ)を現(あらわ)したので、
彼(かれ)はその身(み)を隠(かく)すことができない。
その子(こ)どもたちも、兄弟(きょうだい)も、隣(とな)り人(びと)も滅(ほろ)ぼされる。
そして彼(かれ)は、いなくなる。
11あなたのみなしごを残(のこ)せ、
わたしがそれを生(い)きながらえさせる。
あなたのやもめには、わたしに寄(よ)り頼(たの)ませよ」。

12主(しゅ)はこう言(い)われる、「もし、杯(さかずき)を飲(の)むべきでない者(もの)もそれを飲(の)まなければならなかったとすれば、あなたは罰(ばつ)を免(まぬか)れることができようか。あなたは罰(ばつ)を免(まぬか)れない。それを飲(の)まなければならない。 13主(しゅ)は言(い)われる、わたしは自分(じぶん)をさして誓(ちか)った、ボズラは驚(おどろ)きとなり、ののしりとなり、荒(あ)れ地(ち)となり、のろいとなる。その町々(まちまち)は長(なが)く荒(あ)れ地(ち)となる」。
14わたしは主(しゅ)からのおとずれを聞(き)いた。
ひとりの使者(ししゃ)がつかわされて万国(ばんこく)に行(い)き、
そして言(い)った、
「あなたがたは集(あつ)まり、行(い)って彼(かれ)を攻(せ)め、立(た)って戦(たたか)え。
15見(み)よ、わたしはあなたを万国(ばんこく)のうちに小(ちい)さい者(もの)とし、
人々(ひとびと)のうちに卑(いや)しめられる者(もの)とする。
16岩(いわ)の割(わ)れ目(め)に住(す)み、山(やま)の高(たか)みを占(し)める者(もの)よ、
あなたの恐(おそ)ろしい事(こと)と、あなたの心(こころ)の高(たか)ぶりが、
あなたを欺(あざむ)いた。
あなたは、わたしのように巣(す)を高(たか)い所(ところ)に作(つく)っているが、
わたしはその所(ところ)からあなたを取(と)りおろすと
主(しゅ)は言(い)われる。

17エドムは恐(おそ)れとなる。そのかたわらを通(とお)り過(す)ぎる者(もの)はみな恐(おそ)れ、その災(わざわい)のために、舌打(したう)ちする。 18主(しゅ)は言(い)われる、ソドムとゴモラとその隣(となり)の町々(まちまち)がくつがえされた時(とき)のように、そこに住(す)む人(ひと)はなく、そこに宿(やど)る人(ひと)もなくなる。 19見(み)よ、ししがヨルダンの密林(みつりん)から上(のぼ)ってきて、じょうぶな羊(ひつじ)のおりを襲(おそ)うように、わたしは、たちまち彼(かれ)らをそこから逃(に)げ走(はし)らせ、わたしの選(えら)ぶ者(もの)をその上(うえ)に立(た)てる。だれかわたしのような者(もの)があるであろうか。だれがわたしを呼(よ)びつけることができようか。どの牧者(ぼくしゃ)がわたしの前(まえ)に立(た)つことができようか。 20それゆえ、エドムに対(たい)して主(しゅ)が立(た)てた計(はか)りごとと、テマンに住(す)む者(もの)に対(たい)してしようとする事(こと)を聞(き)くがよい。彼(かれ)らの群(む)れのうちの小(ちい)さいものまでも皆(みな)、引(ひ)かれて行(い)く。彼(かれ)らのおりのものもその終(おわ)りを見(み)て恐(おそ)れる。 21その倒(たお)れる音(おと)を聞(き)いて、地(ち)は震(ふる)い、彼(かれ)らの叫(さけ)び声(ごえ)は紅海(こうかい)にも聞(きこ)える。 22見(み)よ、敵(てき)はわしのように上(のぼ)り、すみやかに飛(と)びかけり、その翼(つばさ)をボズラの上(うえ)に張(は)り広(ひろ)げる。その日(ひ)エドムの勇士(ゆうし)の心(こころ)は子(こ)を産(う)む女(おんな)の心(こころ)のようになる」。


23ダマスコの事(こと)について、
「ハマテとアルパデは、うろたえている、
彼(かれ)らは悪(わる)いおとずれを聞(き)いたからだ。
彼(かれ)らは勇気(ゆうき)を失(うしな)い、
穏(おだ)やかになることのできない海(うみ)のように悩(なや)む。
24ダマスコは弱(よわ)り、身(み)をめぐらして逃(に)げた、
恐怖(きょうふ)に襲(おそ)われている。
子(こ)を産(う)む女(おんな)に臨(のぞ)むように痛(いた)みと悲(かな)しみと彼(かれ)に臨(のぞ)む。
25ああ、名(な)ある町(まち)、楽(たの)しい町(まち)は捨(す)てられる。
26それゆえ、その日(ひ)に、若(わか)い者(もの)は、広場(ひろば)に倒(たお)れ、
兵士(へいし)はことごとく滅(ほろ)ぼされると
万軍(ばんぐん)の主(しゅ)は言(い)われる。
27わたしはダマスコの城壁(じょうへき)の上(うえ)に火(ひ)を燃(も)やし、
ベネハダデの宮殿(きゅうでん)を焼(や)き尽(つく)す」。

28バビロンの王(おう)ネブカデレザルが攻(せ)め撃(う)ったケダルとハゾルの諸国(しょこく)の事(こと)について、
主(しゅ)はこう言(い)われる、「立(た)って、ケダルに向(む)かって進(すす)み、
東(ひがし)の人々(ひとびと)を滅(ほろ)ぼせ。
29彼(かれ)らの天幕(てんまく)と、その羊(ひつじ)の群(む)れとは取(と)られ、
その垂幕(たれまく)とそのもろもろの器(うつわ)と、
らくだとは彼(かれ)らの所(ところ)から運(はこ)び去(さ)られ、
人々(ひとびと)は彼(かれ)らに向(む)かって叫(さけ)ぶ、
『恐(おそ)ろしいことが四方(しほう)にある』と。
30主(しゅ)は言(い)われる、ハゾルに住(す)む者(もの)よ、
逃(に)げよ、遠(とお)くさまよい行(い)き、深(ふか)い所(ところ)に隠(かく)れよ。
バビロンの王(おう)ネブカデレザルが
あなたがたを攻(せ)める計(はか)りごとをめぐらし、
あなたがたを攻(せ)める、てだてを設(もう)けたからだ。

31主(しゅ)は言(い)われる、
立(た)って進(すす)み、安全(あんぜん)な所(ところ)に住(す)むきらくな民(たみ)を攻(せ)めよ、
彼(かれ)らは門(もん)もなく、貫(かん)の木(き)もなく、ひとり離(はな)れて住(す)む。
32彼(かれ)らのらくだは、ぶんどり物(もの)となり、
家畜(かちく)の群(む)れは奪(うば)われる。
わたしは、かの髪(かみ)の毛(け)のすみずみを切(き)る者(もの)を
四方(しほう)に散(ち)らし、
その災難(さいなん)を八方(はっぽう)からこさせると主(しゅ)は言(い)われる。
33ハゾルは山犬(やまいぬ)のすまいとなり、
いつまでも荒(あ)れ地(ち)となっている。
だれもそこに住(す)む人(ひと)はなく、
そこに宿(やど)る人(ひと)もない」。

34ユダの王(おう)ゼデキヤの治世(ちせい)の初(はじ)めのころに、エラムの事(こと)について預言者(よげんしゃ)エレミヤに臨(のぞ)んだ主(しゅ)の言葉(ことば)。

35万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はこう言(い)われる、「見(み)よ、わたしはエラムが力(ちから)として頼(たよ)んでいる弓(ゆみ)を折(お)る。 36わたしは天(てん)の四方(しほう)から、四方(しほう)の風(かぜ)をエラムにこさせ、彼(かれ)らを四方(しほう)の風(かぜ)に散(ち)らす。エラムから追(お)い出(だ)される者(もの)の行(い)かない国(くに)はない。 37主(しゅ)は言(い)われる、わたしはエラムをしてその敵(てき)の前(まえ)、またその命(いのち)を求(もと)める者(もの)の前(まえ)に恐(おそ)れさせる。わたしは災(わざわい)をくだし、激(はげ)しい怒(いか)りをその上(うえ)にくだす。彼(かれ)らのうしろに、つるぎを送(おく)って滅(ほろ)ぼし尽(つく)す。 38そしてわたしの位(くらい)をエラムにすえ、王(おう)とつかさたちとを滅(ほろ)ぼすと主(しゅ)は言(い)われる。

39しかし末(すえ)の日(ひ)に、わたしはエラムを再(ふたた)び栄(さか)えさせると、主(しゅ)は言(い)われる」。

第五〇章

1主(しゅ)が預言者(よげんしゃ)エレミヤによって語(かた)られたバビロンとカルデヤびとの地(ち)の事(こと)についての言葉(ことば)。
2「国々(くにぐに)のうちに告(つ)げ、また触(ふ)れ示(しめ)せよ、
旗(はた)を立(た)てて、隠(かく)すことなく触(ふ)れ示(しめ)して言(い)え、
『バビロンは取(と)られ、ベルははずかしめられ、
メロダクは砕(くだ)かれ、その像(ぞう)ははずかしめられ、
その偶像(ぐうぞう)は砕(くだ)かれる』と。

3それは、北(きた)の方(ほう)から一つの国民(こくみん)がきて、これを攻(せ)め、その地(ち)を荒(あら)して、住(す)む人(ひと)もないようにするからである。人(ひと)も獣(けもの)もみな逃(に)げ去(さ)ってしまう。

4主(しゅ)は言(い)われる、その日(ひ)その時(とき)、イスラエルの民(たみ)とユダの民(たみ)は共(とも)に帰(かえ)ってくる。彼(かれ)らは嘆(なげ)きながら帰(かえ)ってくる。そしてその神(かみ)、主(しゅ)を求(もと)める。 5彼(かれ)らは顔(かお)をシオンに向(む)けて、その道(みち)を問(と)い、『さあ、われわれは、永遠(えいえん)に忘(わす)れられることのない契約(けいやく)を結(むす)んで主(しゅ)に連(つら)なろう』と言(い)う。

6わたしの民(たみ)は迷(まよ)える羊(ひつじ)の群(む)れである、その牧者(ぼくしゃ)がこれをいざなって、山(やま)に踏(ふ)み迷(まよ)わせたので、山(やま)から丘(おか)へと行(い)きめぐり、その休(やす)む所(ところ)を忘(わす)れた。 7これに会(あ)う者(もの)はみなこれを食(た)べた。その敵(てき)は言(い)った、『われわれに罪(つみ)はない。彼(かれ)らがそのまことのすみかである主(しゅ)、先祖(せんぞ)たちの希望(きぼう)であった主(しゅ)に対(たい)して罪(つみ)を犯(おか)したのだ』と。

8バビロンのうちから逃(に)げよ。カルデヤびとの地(ち)から出(で)よ。群(む)れの前(まえ)に行(い)く雄(お)やぎのようにせよ。 9見(み)よ、わたしは大(おお)きい国々(くにぐに)を起(おこ)し集(あつ)めて、北(きた)の地(ち)からバビロンに攻(せ)めこさせる。彼(かれ)らはこれに向(む)かって勢(せい)ぞろいをし、これをその所(ところ)から取(と)る。彼(かれ)らの矢(や)はむなしく帰(かえ)らない老練(ろうれん)な勇士(ゆうし)のようである。 10カルデヤは人(ひと)にかすめられる。これをかすめる者(もの)はみな飽(あ)くことができると、主(しゅ)は言(い)われる。
11わたしの嗣(し)業(ぎょう)をかすめる者(もの)どもよ、
あなたがたは喜(よろこ)び楽(たの)しみ、
雌(めす)の子(こ)牛(うし)のように草(くさ)に戯(たわむ)れ、
雄(お)馬(うま)のように、いなないているが、
12あなたがたの母(はは)はいたくはずかしめられ、
あなたがたを産(う)んだ者(もの)は恥(はじ)をこうむる。
見(み)よ、彼女(かのじょ)は国々(くにぐに)のうちの最(もっと)もあとなるものとなり、
かわいた砂原(すなはら)の荒野(あらの)となる。
13主(しゅ)の怒(いか)りによって、ここに住(す)む者(もの)はなく、
完全(かんぜん)に荒(あ)れ地(ち)となる。
バビロンのかたわらを通(とお)る者(もの)は、
みなその傷(きず)を見(み)て驚(おどろ)き、かつあざ笑(わら)う。
14あなたがたすべて弓(ゆみ)を張(は)る者(もの)よ、
バビロンの周囲(しゅうい)に勢(せい)ぞろいして、これを攻(せ)め、
矢(や)を惜(お)しまずに、これを射(い)よ、
彼女(かのじょ)が主(しゅ)に罪(つみ)を犯(おか)したからだ。
15その周囲(しゅうい)に叫(さけ)び声(ごえ)をあげよ、彼女(かのじょ)は降伏(こうふく)した。
そのとりでは倒(たお)れ、その城壁(じょうへき)はくずれた、
主(しゅ)があだをかえされたからだ。
彼女(かのじょ)に報復(ほうふく)せよ、彼女(かのじょ)がおこなったように、
これに行(おこな)え。
16種(たね)まく者(もの)と、刈入(かりい)れどきに、かまを取(と)る者(もの)を
バビロンに絶(た)やせ。
滅(ほろ)ぼす者(もの)のつるぎを恐(おそ)れて、
人(ひと)はおのおの自分(じぶん)の民(たみ)の所(ところ)に帰(かえ)り、
そのふるさとに逃(に)げて行(い)く。

17イスラエルは、ししに追(お)われて散(ち)った羊(ひつじ)である。初(はじ)めにアッスリヤの王(おう)がこれを食(く)い、そして今(いま)はついにバビロンの王(おう)ネブカデレザルがその骨(ほね)をかじった。 18それゆえ万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)は、こう言(い)われる、見(み)よ、わたしはアッスリヤの王(おう)を罰(ばっ)したように、バビロンの王(おう)とその国(くに)に罰(ばつ)を下(くだ)す。 19わたしはイスラエルを再(ふたた)びその牧場(まきば)に帰(かえ)らせる。彼(かれ)はカルメルとバシャンで草(くさ)を食(た)べる。またエフライムの山(やま)とギレアデでその望(のぞ)みが満(み)たされる。 20主(しゅ)は言(い)われる、その日(ひ)その時(とき)には、イスラエルのとがを探(さが)しても見当(みあた)らず、ユダの罪(つみ)を探(さが)してもない。それはわたしが残(のこ)しておく人々(ひとびと)を、ゆるすからである。


21主(しゅ)は言(い)われる、
上(のぼ)って行(い)って、メラタイムの地(ち)を攻(せ)め、
ペコデの民(たみ)を攻(せ)め、
彼(かれ)らを殺(ころ)して全(まった)く滅(ほろ)ぼし、
わたしがあなたがたに命(めい)じたことを皆(みな)、行(おこな)いなさい。
22その地(ち)に、いくさの叫(さけ)びと、大(おお)いなる滅(ほろ)びがある。
23ああ、全(ぜん)地(ち)を砕(くだ)いた鎚(つち)はついに折(お)れ砕(くだ)ける。
ああ、バビロンはついに国々(くにぐに)のうちの
恐(おそ)るべき見(み)ものとなる。
24バビロンよ、
わたしは、おまえを捕(とら)えるためにわなをかけたが、
おまえはそれにかかった。
そしておまえはそれを知(し)らなかった。
おまえは主(しゅ)に敵(てき)したので、尋(たず)ね出(だ)され、捕(とら)えられた。
25主(しゅ)は武器(ぶき)の倉(くら)を開(ひら)いて
その怒(いか)りの武器(ぶき)を取(と)り出(だ)された。
主(しゅ)なる万軍(ばんぐん)の神(かみ)が、
カルデヤびとの地(ち)に事(こと)を行(おこな)われるからである。
26あらゆる方面(ほうめん)からきて、これを攻(せ)め、
その穀倉(こくぐら)を開(ひら)き、
これを穀物(こくもつ)の山(やま)のように積(つ)み上(あ)げ、
完全(かんぜん)に滅(ほろ)ぼし尽(つく)し、そこに残(のこ)る者(もの)のないようにせよ。
27その雄牛(おうし)をことごとく殺(ころ)せ、
それを、ほふり場(ば)に下(くだ)らせよ。
それらのものはわざわいだ、
その日(ひ)、その罰(ばつ)を受(う)ける時(とき)がきたからだ。

28聞(き)けよ、バビロンの地(ち)から逃(に)げ、のがれてきた者(もの)の声(こえ)がする。われわれの神(かみ)、主(しゅ)の報復(ほうふく)、その宮(みや)の報復(ほうふく)の事(こと)をシオンに告(つ)げ示(しめ)す。

29弓(ゆみ)を張(は)る射手(いて)をことごとく呼(よ)び集(あつ)めて、バビロンを攻(せ)めよ。その周囲(しゅうい)に陣(じん)を敷(し)け。ひとりも逃が(にが)すな。そのしわざにしたがってバビロンに報(むく)い、これがおこなった所(ところ)にしたがってこれに行(おこな)え。彼(かれ)がイスラエルの聖者(せいじゃ)である主(しゅ)に向(む)かって高慢(こうまん)にふるまったからだ。 30それゆえ、その日(ひ)、若(わか)い者(もの)は、広場(ひろば)に倒(たお)れ、兵士(へいし)はみな絶(た)やされると主(しゅ)は言(い)われる。
31主(しゅ)なる万軍(ばんぐん)の神(かみ)は言(い)われる、
高(たか)ぶる者(もの)よ、見(み)よ、わたしはおまえの敵(てき)となる、
あなたの日(ひ)、わたしがおまえを罰(ばっ)する時(とき)が来(き)た。
32高(たか)ぶる者(もの)はつまずき倒(たお)れる、
これを助(たす)け起(おこ)すものはない。
わたしはその町々(まちまち)に火(ひ)を燃(も)やして、
その周囲(しゅうい)の者(もの)をことごとく焼(や)き尽(つく)す。

33万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はこう言(い)われる、イスラエルの民(たみ)とユダの民(たみ)は共(とも)にしえたげられている。彼(かれ)らをとりこにした者(もの)はみな彼(かれ)らを固(かた)く守(まも)って釈放(しゃくほう)することを拒(こば)む。 34彼(かれ)らをあがなう者(もの)は強(つよ)く、その名(な)は万軍(ばんぐん)の主(しゅ)といわれる。彼(かれ)は必(かなら)ず彼(かれ)らの訴(うった)えをただし、この地(ち)に安(やす)きを与(あた)えるが、バビロンに住(す)む者(もの)には不安(ふあん)を与(あた)えられる。
35主(しゅ)は言(い)われる、
カルデヤびとの上(うえ)とバビロンに住(す)む者(もの)の上(うえ)、
そのつかさたち、その知者(ちしゃ)たちの上(うえ)につるぎが臨(のぞ)む。
36占(うらな)い師(し)の上(うえ)につるぎが臨(のぞ)み、彼(かれ)らは愚(おろ)か者(もの)となる。
その勇士(ゆうし)の上(うえ)につるぎが臨(のぞ)み、彼(かれ)らは滅(ほろ)ぼされる。
37その馬(うま)の上(うえ)と、その車(くるま)の上(うえ)につるぎが臨(のぞ)み、
またそのうちにあるすべての雇(やとい)兵(へい)の上(うえ)に臨(のぞ)み、
彼(かれ)らは女(おんな)のようになる。
その財宝(ざいほう)の上(うえ)につるぎが臨(のぞ)み、それはかすめられる。
38その水(みず)の上(うえ)に、ひでりが来(き)て、それはかわく。
それは、この地(ち)が偶像(ぐうぞう)の地(ち)であって、
人々(ひとびと)が偶像(ぐうぞう)に心(こころ)が狂(くる)っているからだ。

39それゆえ、野(の)の獣(けもの)と山犬(やまいぬ)とは共(とも)にバビロンにおり、だちょうもそこに住(す)む。しかし、いつまでもその地(ち)に住(す)む人(ひと)はなく、世々(よよ)ここに住(す)む人(ひと)はない。 40主(しゅ)は言(い)われる、神(かみ)がソドムとゴモラと、その隣(となり)の町々(まちまち)を滅(ほろ)ぼされたように、そこに住(す)む人(ひと)はなく、そこに宿(やど)る人(ひと)の子(こ)はない。


41見(み)よ、一つの民(たみ)が北(きた)の方(ほう)から来(く)る。
大(おお)いなる国(くに)と多(おお)くの王(おう)が
地(ち)の果(はて)から立(た)ち上(あ)がっている。
42彼(かれ)らは弓(ゆみ)と、やりを取(と)る。
残忍(ざんにん)で、あわれみがなく、
その響(ひび)きは海(うみ)の鳴(な)りとどろくようである。
バビロンの娘(むすめ)よ、彼(かれ)らは馬(うま)に乗(の)り、
いくさびとのように身(み)をよろって、
あなたを攻(せ)める。
43バビロンの王(おう)はそのうわさを聞(き)いて、
その手(て)は弱(よわ)り、子(こ)を産(う)む女(おんな)に臨(のぞ)むような
痛(いた)みと苦(くる)しみに迫(せま)られた。

44見(み)よ、ししがヨルダンの密林(みつりん)から上(のぼ)ってきて、じょうぶな羊(ひつじ)のおりを襲(おそ)うように、わたしは、たちまち彼(かれ)らをそこから逃(に)げ去(さ)らせる。そしてわたしの選(えら)ぶ者(もの)をその上(うえ)に立(た)てる。だれかわたしのような者(もの)があるであろうか。だれがわたしを呼(よ)びつけることができようか。どの牧者(ぼくしゃ)がわたしの前(まえ)に立(た)つことができようか。 45それゆえ、バビロンに対(たい)して主(しゅ)が立(た)てた計(はか)りごとと、カルデヤびとの地(ち)に対(たい)してしようとする事(こと)を聞(き)くがよい。彼(かれ)らの群(む)れのうちの小(ちい)さい者(もの)は、かならず引(ひ)かれて行(い)く。彼(かれ)らのおりのものも必(かなら)ずその終(おわ)りを見(み)て恐(おそ)れる。 46バビロンが取(と)られたとの声(こえ)によって地(ち)は震(ふる)い、その叫(さけ)びは国々(くにぐに)のうちに聞(きこ)える」。

第五一章


1主(しゅ)はこう言(い)われる、
「見(み)よ、わたしは、滅(ほろ)ぼす者(もの)の心(こころ)を奮(ふる)い起(おこ)して、
バビロンを攻(せ)め、カルデヤに住(す)む者(もの)を攻(せ)めさせる。
2わたしはバビロンに、あおぎ分(わ)ける者(もの)をつかわす。
彼(かれ)らは、その災(わざわい)の日(ひ)に、四方(しほう)からこれを攻(せ)め、
それをあおぎ分(わ)けて、その地(ち)をむなしくする。
3射手(いて)にはその弓(ゆみ)を張(は)らせることなく、
よろいを着(き)て立(た)ち上(あ)がらせるな。
その若(わか)き者(もの)をあわれむことなく、その軍勢(ぐんぜい)をことごとく滅(ほろ)ぼせ。
4彼(かれ)らはカルデヤびとの地(ち)に殺(ころ)されて倒(たお)れ、
そのちまたに傷(きず)ついて倒(たお)れる。
5イスラエルとユダは
その神(かみ)、万軍(ばんぐん)の主(しゅ)に捨(す)てられてはいないが、
しかしカルデヤびとの地(ち)には
イスラエルの聖者(せいじゃ)に向(む)かって犯(おか)した罪(つみ)が
満(み)ちている。

6バビロンのうちからのがれ出(で)て、
おのおのその命(いのち)を救(すく)え。
その罰(ばつ)にまきこまれて断(た)ち滅(ほろ)ぼされてはならない。
今(いま)は主(しゅ)があだを返(かえ)される時(とき)だから、
それに報復(ほうふく)をされるのである。
7バビロンは主(しゅ)の手(て)のうちにある金(きん)の杯(さかずき)であって、
すべての地(ち)を酔(よ)わせた。
国々(くにぐに)はその酒(さけ)を飲(の)んだので、国々(くにぐに)は狂(くる)った。
8バビロンはたちまち倒(たお)れて破(やぶ)れた。
これがために嘆(なげ)け。
その傷(きず)のために乳香(にゅうこう)を取(と)れ。
あるいは、いえるかも知(し)れない。
9われわれはバビロンをいやそうとしたが、
これはいえなかった。
われわれはこれを捨(す)てて、
おのおの自分(じぶん)の国(くに)に帰(かえ)ろう。
その罰(ばつ)が天(てん)に達(たっ)し、
雲(くも)にまで及(およ)んでいるからだ。
10主(しゅ)はわれわれの正(ただ)しいことを明(あき)らかにされた。
さあ、われわれはシオンで、
われわれの神(かみ)、主(しゅ)のみわざを告(つ)げ示(しめ)そう。

11矢(や)をとぎ、

盾(たて)を取(と)れ。主(しゅ)はメデアびとの王(おう)たちの心(こころ)を引(ひ)き立(た)てられる。主(しゅ)のバビロンに思(おも)い図(はか)ることは、これを滅(ほろ)ぼすことであり、主(しゅ)があだを返(かえ)し、その宮(みや)のあだを返(かえ)されるのである。
12バビロンの城壁(じょうへき)に向(む)かって旗(はた)を立(た)て、
見張(みは)りを強固(きょうこ)にし、番兵(ばんぺい)を置(お)き、伏兵(ふくへい)を備(そな)えよ。
主(しゅ)がバビロンに住(す)む者(もの)を攻(せ)めようと図(はか)り、
その言(い)われたことを、いま行(おこな)われるからだ。
13多(おお)くの水(みず)のほとりに住(す)み、
多(おお)くの財宝(ざいほう)を持(も)つ者(もの)よ、
あなたの終(おわ)りが来(き)て、その命(いのち)の糸(いと)は断(た)たれる。
14万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はみずからをさして誓(ちか)い、言(い)われる、
わたしは必(かなら)ずあなたのうちに、
人(ひと)をいなごのように満(み)たす。
彼(かれ)らはあなたに向(む)かって、かちどきの声(こえ)をあげる。

15主(しゅ)はその力(ちから)をもって地(ち)を造(つく)り、
その知恵(ちえ)をもって世界(せかい)を建(た)て、
その悟(さと)りをもって天(てん)をのべられた。
16彼(かれ)が声(こえ)を出(だ)されると、
天(てん)に多(おお)くの水(みず)のざわめきがあり、
また地(ち)の果(はて)から霧(きり)を立(た)ちあがらせられる。
彼(かれ)は雨(あめ)のためにいなびかりをおこし、
その倉(くら)から風(かぜ)を取(と)り出(だ)される。
17すべての人(ひと)は愚(おろ)かで知恵(ちえ)がなく、
すべての金(きん)細工人(ざいくにん)は
その造(つく)った偶像(ぐうぞう)のために恥(はじ)をこうむる。
その偶像(ぐうぞう)は偽(いつわ)り物(もの)で、
そのうちに息(いき)がないからだ。
18それらは、むなしいもの、迷(まよ)いのわざである。
罰(ばっ)せられる時(とき)になれば滅(ほろ)びるものである。
19ヤコブの分(ぶん)である彼(かれ)はこのようなものではない、
彼(かれ)は万物(ばんぶつ)の造(つく)り主(ぬし)だからである。
イスラエルは彼(かれ)の嗣(し)業(ぎょう)としての部族(ぶぞく)である。
彼(かれ)の名(な)は万軍(ばんぐん)の主(しゅ)という。

20おまえはわたしの鎚(つち)であり、戦(たたか)いの武器(ぶき)である。
わたしはおまえをもってすべての国(くに)を砕(くだ)き、
おまえをもって万国(ばんこく)を滅(ほろ)ぼす。
21おまえをもってわたしは馬(うま)と、その騎手(きしゅ)とを砕(くだ)き、
おまえをもって戦車(せんしゃ)とそれに乗(の)る者(もの)とを砕(くだ)く。
22わたしはおまえをもって男(おとこ)と女(おんな)とを砕(くだ)き、
おまえをもって老(お)いた者(もの)と幼(おさな)い者(もの)とを砕(くだ)き、
おまえをもって若(わか)い者(もの)と、おとめとを砕(くだ)く。
23わたしはおまえをもって、
羊飼(ひつじかい)と、その群(む)れとを砕(くだ)き、
おまえをもって農夫(のうふ)と、くびきを負(お)う家畜(かちく)とを砕(くだ)き、
おまえをもっておさたちと、つかさたちとを砕(くだ)く。

24わたしはバビロンとカルデヤに住(す)むすべての者(もの)とに、彼(かれ)らがシオンで行(い)ったもろもろの悪(あ)しき事(こと)のために、あなたがたの目(め)の前(まえ)で報(むく)いをすると、主(しゅ)は言(い)われる。


25主(しゅ)は言(い)われる、
全(ぜん)地(ち)を滅(ほろ)ぼし尽(つく)す滅(ほろ)ぼしの山(やま)よ、
見(み)よ、わたしはおまえの敵(てき)となる、
わたしは手(て)をおまえの上(うえ)に伸(の)べて、
おまえを岩(いわ)からころばし、
おまえを焼(や)け山(やま)にする。
26主(しゅ)は言(い)われる、
人(ひと)がおまえから石(いし)を取(と)って、隅(すみ)の石(いし)とすることなく、
また礎(いしずえ)とすることもない。
おまえはいつまでも荒(あ)れ地(ち)となっている。
27地(ち)に旗(はた)を立(た)て、国々(くにぐに)のうちにラッパを吹(ふ)き、
国々(くにぐに)の民(たみ)を集(あつ)めてそれを攻(せ)め、
アララテ、ミンニ、アシケナズの国々(くにぐに)をまねいて
それを攻(せ)め、
軍(ぐん)の長(ちょう)を立(た)ててそれを攻(せ)め、
群(むら)がるいなごのように馬(うま)を上(のぼ)り行(い)かせよ。
28国々(くにぐに)の民(たみ)を集(あつ)めてそれを攻(せ)め、
メデアびとの王(おう)たちと、
そのおさたち、つかさたち、
およびすべての領地(りょうち)の人々(ひとびと)を集(あつ)めてこれを攻(せ)めよ。
29その地(ち)は震(ふる)い、かつもだえ苦(くる)しむ、
主(しゅ)がその思(おも)い図(はか)ることをバビロンにおこない、
バビロンの地(ち)を、住(す)む人(ひと)なき荒(あ)れ地(ち)とされるからだ。
30バビロンの勇士(ゆうし)たちは戦(たたか)いをやめて、
その城(しろ)にこもり、力(ちから)はうせて、女(おんな)のようになる。
その家(いえ)は焼(や)け、その貫(かん)の木(き)は砕(くだ)かれる。
31飛脚(ひきゃく)は走(はし)って飛脚(ひきゃく)に会(あ)い、使者(ししゃ)は走(はし)って使者(ししゃ)に会(あ)い、
バビロンの王(おう)に告(つ)げて、町(まち)はことごとく取(と)られ、
32渡(わた)し場(ば)は奪(うば)われ、とりでは火(ひ)で焼(や)かれ、
兵士(へいし)はおびえていると言(い)う。
33万軍(ばんぐん)の主(しゅ)、イスラエルの神(かみ)はこう言(い)われる、
バビロンの娘(むすめ)は、打(う)ち場(ば)のようだ、
その踏(ふ)まれる時(とき)が来(き)たのだ。
しばらくしてその刈(か)り取(と)られる時(とき)が来(く)る」。

34「バビロンの王(おう)ネブカデレザルはわたしを食(く)い尽(つく)し、
わたしを滅(ほろ)ぼし、わたしを、からの器(うつわ)のようにし、
龍(りゅう)のようにわたしを飲(の)み、
わたしのうまい物(もの)でその腹(はら)を満(み)たし、
わたしを洗(あら)いざらいにした。
35わたしとわたしの肉親(にくしん)におこなった暴虐(ぼうぎゃく)は、
バビロンにふりかかる」と
シオンに住(す)む者(もの)は言(い)わなければならない。
「わたしの血(ち)はカルデヤに住(す)む者(もの)にふりかかる」と
エルサレムは言(い)わなければならない。
36それゆえ主(しゅ)はこう言(い)われる、
「見(み)よ、わたしはあなたの訴(うった)えをただし、
あなたのためにあだを返(かえ)す。
わたしはバビロンの海(うみ)をかわかし、
その泉(いずみ)をかわかす。
37バビロンは荒塚(あれづか)となり、山犬(やまいぬ)のすまいとなり、
驚(おどろ)きとなり、笑(わら)いとなり、
住(す)む人(ひと)のない所(ところ)となる。
38彼(かれ)らはししのように共(とも)にほえ、
若(わか)いししのようにほえる。
39彼(かれ)らの欲(よく)の燃(も)えている時(とき)、
わたしは宴(うたげ)を設(もう)けて彼(かれ)らを酔(よ)わせ、
彼(かれ)らがついに気(き)を失(うしな)って、ながい眠(ねむ)りにいり、
もはや目(め)をさますことのないようにしようと
主(しゅ)は言(い)われる。
40わたしは彼(かれ)らを小羊(こひつじ)のように、
また雄羊(おひつじ)や雄(お)やぎのように、ほふり場(ば)に下(くだ)らせよう。

41ああ、バビロンはついに取(と)られた、
全(ぜん)地(ち)の人(ひと)の、ほめたたえた者(もの)は捕(とら)えられた。
ああ、バビロンはついに国々(くにぐに)のうちに驚(おどろ)きとなった。
42海(うみ)はバビロンにあふれかかり、
どよめく波(なみ)におおわれた。
43その町々(まちまち)は荒(あ)れて、
かわいた地(ち)となり、砂原(すなはら)となり、
住(す)む人(ひと)のない地(ち)となる。
人(ひと)の子(こ)はひとりとしてそこを過(す)ぎることはない。
44わたしはバビロンでベルを罰(ばっ)し、
そののみこんだものを口(くち)から取(と)り出(だ)す。
国々(くにぐに)が川(かわ)のように彼(かれ)に流(なが)れ入(い)ることはなくなる。
バビロンの城壁(じょうへき)は倒(たお)れた。
45わが民(たみ)よ、あなたがたはその中(なか)から出(で)て、
おのおの主(しゅ)の激(はげ)しい怒(いか)りを免(まぬか)れ、その命(いのち)を救(すく)え。
46心(こころ)を弱(よわ)くしてはならない、
この地(ち)で聞(き)くうわさを恐(おそ)れてはならない。
うわさはこの年(とし)にもくれば、また次(つぎ)の年(とし)にもくる。
この地(ち)に暴虐(ぼうぎゃく)があり、
つかさとつかさとが攻(せ)めあうことがある。
47それゆえ見(み)よ、
わたしがバビロンの偶像(ぐうぞう)を罰(ばっ)する日(ひ)が来(く)る。
その全(ぜん)地(ち)ははずかしめられ、
その殺(ころ)される者(もの)はみなその中(なか)に倒(たお)れる。
48天(てん)と地(ち)とそのうちにあるすべてのものは
バビロンの事(こと)で喜(よろこ)び歌(うた)う。
滅(ほろ)ぼす者(もの)が北(きた)の方(ほう)からここに来(く)るからであると
主(しゅ)は言(い)われる。
49イスラエルの殺(ころ)された者(もの)たちのために、
バビロンは倒(たお)れなければならない、
バビロンのために全(ぜん)地(ち)の殺(ころ)された者(もの)は倒(たお)れたのだ。

50つるぎをのがれてきたあなたがたは、
行(い)け、立(た)ちとどまってはならない。
遠(とお)くから主(しゅ)を覚(おぼ)え、
エルサレムを心(こころ)にとめよ。
51『われわれはののしりを聞(き)いたので、恥(は)じている。
異邦人(いほうじん)が主(しゅ)の宮(みや)の聖所(せいじょ)にはいったので、
恥(はじ)がわれわれの顔(かお)をおおった』。

52主(しゅ)は言(い)われる、
それゆえ見(み)よ、わたしがその偶像(ぐうぞう)を罰(ばっ)する日(ひ)が来(く)る、
傷(きず)つけられた者(もの)が、その全国(ぜんこく)にうめくようになる。
53たといバビロンが天(てん)に上(のぼ)っても、
その城(しろ)を高(たか)くして固(かた)めても、
滅(ほろ)ぼす者(もの)はわたしから出(で)て、
これに臨(のぞ)むと主(しゅ)は言(い)われる。

54聞(き)け、バビロンの叫(さけ)びを、
カルデヤびとの地(ち)に起(おこ)る大(おお)いなる滅(ほろ)びの騒(さわ)ぎ声(こえ)を。
55主(しゅ)がバビロンを滅(ほろ)ぼし、
その大(おお)いなる声(こえ)を絶(た)やされるのだ。
その波(なみ)は大水(おおみず)のように鳴(な)りとどろき、
その声(こえ)はひびき渡(わた)る。
56滅(ほろ)ぼす者(もの)がこれに臨(のぞ)み、バビロンに来(き)た。
その勇士(ゆうし)たちは捕(とら)えられ、その弓(ゆみ)は折(お)られる。
主(しゅ)は報(むく)いをする神(かみ)であるから必(かなら)ず報(むく)いられるのだ。
57わたしはその君(きみ)たちと知者(ちしゃ)たち、
おさたち、つかさたち、および勇士(ゆうし)たちを酔(よ)わせる。
彼(かれ)らは、ながい眠(ねむ)りにいり、目(め)をさますことはない。
万軍(ばんぐん)の主(しゅ)と呼(よ)ばれる王(おう)がこれを言(い)わせる。
58万軍(ばんぐん)の主(しゅ)はこう言(い)われる、
バビロンの広(ひろ)い城壁(じょうへき)は地(ち)にくずされ、
その高(たか)い門(もん)は火(ひ)に焼(や)かれる。
こうして民(たみ)の労苦(ろうく)はむなしくなり、
国民(こくみん)はただ火(ひ)のために疲(つか)れる」。

59マアセヤの子(こ)であるネリヤの子(こ)セラヤが、ユダの王(おう)ゼデキヤと共(とも)に、その治世(ちせい)の四年(ねん)にバビロンへ行(い)くとき、預言者(よげんしゃ)エレミヤがセラヤに命(めい)じた言葉(ことば)。セラヤは宿営(しゅくえい)の長(ちょう)であった。 60エレミヤはバビロンに臨(のぞ)もうとするすべての災(わざわい)を巻物(まきもの)にしるした。これはすなわちバビロンの事(こと)についてしるしたすべての言葉(ことば)である。 61エレミヤはセラヤに言(い)った、「あなたはバビロンへ行(い)ったならば、忘(わす)れることなくこのすべての言葉(ことば)を読(よ)み、 62そして言(い)いなさい、『主(しゅ)よ、あなたはこの所(ところ)を滅(ほろ)ぼし、人(ひと)と獣(けもの)とを問(と)わず、すべてここに住(す)む者(もの)のないようにし、永久(えいきゅう)にここを荒(あ)れ地(ち)としようと、この所(ところ)について語(かた)られました』と。 63あなたがこの巻物(まきもの)を読(よ)み終(おわ)ったならば、これに石(いし)をむすびつけてユフラテ川(かわ)の中(なか)に投(な)げこみ、 64そして言(い)いなさい、『バビロンはこのように沈(しず)んで、二度(ど)と上(あ)がってこない。わたしがこれに災(わざわい)を下(くだ)すからである』と」。ここまではエレミヤの言葉(ことば)である。

第五二章

1ゼデキヤは王(おう)となったとき二十一歳(さい)であったが、エルサレムで十一年(ねん)世(よ)を治(おさ)めた。母(はは)の名(な)はハムタルといい、リブナのエレミヤの娘(むすめ)である。 2ゼデキヤはエホヤキムがすべて行(い)ったように、主(しゅ)の目(め)の前(まえ)に悪事(あくじ)を行(おこな)った。 3たしかに、主(しゅ)の怒(いか)りによって、エルサレムとユダとは、そのみ前(まえ)から捨(す)て去(さ)られるようなことになった。

そしてゼデキヤはバビロンの王(おう)にそむいた。 4そこで彼(かれ)の治世(ちせい)の九年(ねん)十月(がつ)十日(か)に、バビロンの王(おう)ネブカデレザルはその軍勢(ぐんぜい)を率(ひき)い、エルサレムにきて、これを包囲(ほうい)し、周囲(しゅうい)に塁(るい)を築(きず)いてこれを攻(せ)めた。 5こうしてこの町(まち)は攻(せ)め囲(かこ)まれて、ゼデキヤ王(おう)の十一年(ねん)にまで及(およ)んだが、 6その四月(がつ)九日(か)になって、町(まち)の中(なか)の食糧(しょくりょう)は、はなはだしく欠乏(けつぼう)し、その地(ち)の民(たみ)は食物(しょくもつ)を得(え)ることができなくなった。 7そして町(まち)の城壁(じょうへき)はついに打(う)ち破(やぶ)られたので、兵士(へいし)たちはみな逃(に)げ、夜(よる)のうちに、王(おう)の園(その)の近(ちか)くの、二つの城壁(じょうへき)の間(あいだ)の門(もん)から町(まち)をのがれ出(で)て、カルデヤびとが、町(まち)を攻(せ)め囲(かこ)んでいるうちに、アラバの方(ほう)へ落(お)ちて行(い)った。 8しかしカルデヤびとの軍勢(ぐんぜい)は王(おう)を追(お)って行(い)って、エリコの平地(へいち)でゼデキヤに追(お)いついたが、彼(かれ)の軍勢(ぐんぜい)がみな散(ち)って彼(かれ)のそばを離(はな)れたので、 9カルデヤびとは王(おう)を捕(とら)え、ハマテの地(ち)のリブラにいるバビロンの王(おう)のもとに引(ひ)いていったので、王(おう)は彼(かれ)の罪(つみ)を定(さだ)めた。 10すなわちバビロンの王(おう)はゼデキヤの子(こ)たちをその目(め)の前(まえ)で殺(ころ)させ、ユダのつかさたちをことごとくリブラで殺(ころ)させ、 11またゼデキヤの目(め)をつぶさせた。そしてバビロンの王(おう)は彼(かれ)を鎖(くさり)につないでバビロンへ連(つ)れて行(い)き、その死(し)ぬ日(ひ)まで獄屋(ごくや)に入(い)れて置(お)いた。

12五月(がつ)十日(か)に、――それはバビロンの王(おう)ネブカデレザルの世(よ)の十九年(ねん)であった――バビロンの王(おう)に仕(つか)える侍衛(じえい)の長(ちょう)ネブザラダンはエルサレムに、はいって、 13主(しゅ)の宮(みや)と王(おう)の宮殿(きゅうでん)を焼(や)き、エルサレムのすべての家(いえ)を焼(や)いた。彼(かれ)は大(おお)きな家(いえ)をみな焼(や)きはらった。 14また侍衛(じえい)の長(ちょう)と共(とも)にいたカルデヤびとの軍勢(ぐんぜい)は、エルサレムの周囲(しゅうい)の城壁(じょうへき)をみな取(と)りこわした。 15そして侍衛(じえい)の長(ちょう)ネブザラダンは民(たみ)のうちの最(もっと)も貧(まず)しい者(もの)若干(じゃっかん)、そのほか町(まち)のうちに残(のこ)った者(もの)、およびバビロンの王(おう)にくだった人(ひと)、その他(た)工匠(こうしょう)たちを捕(とら)え移(うつ)した。 16しかし侍衛(じえい)の長(ちょう)ネブザラダンはその地(ち)の最(もっと)も貧(まず)しい者(もの)若干(じゃっかん)を残(のこ)して、ぶどうを作(つく)る者(もの)とし、農夫(のうふ)とした。

17カルデヤびとはまた主(しゅ)の宮(みや)の青銅(せいどう)の柱(はしら)と、洗盤(せんばん)の台(だい)と、青銅(せいどう)の海(うみ)を砕(くだ)いて、その青銅(せいどう)をことごとくバビロンへ運(はこ)び、 18また、つぼと、十能(じゅうのう)と、心切(しんき)りばさみと、鉢(はち)と、香(こう)を盛(も)る皿(さら)および宮(みや)の勤(つと)めに用(もち)いる青銅(せいどう)の器(うつわ)をことごとく取(と)って行(い)った。 19また彼(かれ)らは小鉢(こばち)と、心取(しんと)り皿(ざら)と、鉢(はち)と、つぼと、燭台(しょくだい)と、香(こう)を盛(も)る皿(さら)と、灌祭(かんさい)の鉢(はち)を取(と)った。金(きん)で作(つく)った物(もの)は金(きん)として、銀(ぎん)で作(つく)った物(もの)は銀(ぎん)として、侍衛(じえい)の長(ちょう)は運(はこ)び去(さ)った。 20ソロモン王(おう)が主(しゅ)の宮(みや)に造(つく)った二本(ほん)の柱(はしら)と、一つの海(うみ)と、海(うみ)の下(した)の十二の青銅(せいどう)の牛(うし)と、台(だい)など、このすべての物(もの)の青銅(せいどう)の重(おも)さは量(はか)ることもできなかった。 21この一本(ぽん)の柱(はしら)の高(たか)さは十八キュビト、周囲(しゅうい)は十二キュビトで、指(ゆび)四本(ほん)の厚(あつ)さがあり、中(なか)は、うつろであった。 22その上(うえ)に青銅(せいどう)の柱頭(ちゅうとう)があり、柱頭(ちゅうとう)の高(たか)さは五キュビト、柱頭(ちゅうとう)の周囲(しゅうい)は網(あみ)細工(ざいく)と、ざくろとで飾(かざ)り、これらもみな青銅(せいどう)であった。他(た)の柱(はしら)もそのざくろも、これと同(おな)じであった。 23その四方(しほう)に九十六個(こ)のざくろがあり、周囲(しゅうい)の網(あみ)細工(ざいく)の上(うえ)にあるざくろの数(かず)は百個(こ)であった。

24侍衛(じえい)の長(ちょう)は祭司(さいし)長(ちょう)セラヤと次席(じせき)の祭司(さいし)ゼパニヤと三人(にん)の門(もん)を守(まも)る者(もの)を捕(とら)え、 25また兵士(へいし)をつかさどるひとりの役人(やくにん)と、町(まち)にいた王(おう)の側近(そっきん)の者(もの)七人(にん)と、その地(ち)の民(たみ)を募(つの)る軍勢(ぐんぜい)の長(ちょう)の書記官(しょきかん)と、町(まち)の中(なか)にいた六十人(にん)の者(もの)を町(まち)から捕(とら)え去(さ)った。 26侍衛(じえい)の長(ちょう)ネブザラダンは、これらの人(ひと)を捕(とら)えて、リブラにいるバビロンの王(おう)のもとに連(つ)れて行(い)った。 27バビロンの王(おう)は、ハマテの地(ち)のリブラで彼(かれ)らを撃(う)ち殺(ころ)した。こうして、ユダは自分(じぶん)の地(ち)から捕(とら)え移(うつ)された。

28ネブカデレザルが捕(とら)え移(うつ)した民(たみ)の数(かず)は次(つぎ)のとおりである。第(だい)七年(ねん)にはユダヤ人(ひと)三千二十三人(にん)。 29またネブカデレザルはその第(だい)十八年(ねん)にエルサレムから八百三十二人(にん)を捕(とら)え移(うつ)した。 30ネブカデレザルの二十三年(ねん)に侍衛(じえい)の長(ちょう)ネブザラダンは、ユダヤ人(ひと)七百四十五人(にん)を捕(とら)え移(うつ)した。この総数(そうすう)は四千六百人(にん)であった。

31ユダの王(おう)エホヤキンが捕(とら)え移(うつ)されて後(のち)三十七年(ねん)の十二月(がつ)二十五日(にち)に、バビロンの王(おう)エビルメロダクはその即位(そくい)の年(ねん)に、ユダの王(おう)エホヤキンを獄屋(ごくや)から出(だ)し、そのこうべを挙(あ)げさせ、 32親切(しんせつ)に彼(かれ)を慰(なぐさ)め、その位(くらい)を、バビロンで共(とも)にいる王(おう)たちの位(くらい)よりも高(たか)くした。 33こうしてエホヤキンは獄屋(ごくや)の服(ふく)を脱(ぬ)いだ。そして生(い)きている間(あいだ)は毎日(まいにち)王(おう)の食卓(しょくたく)で食事(しょくじ)し、 34彼(かれ)の給与(きゅうよ)としては、その死(し)ぬ日(ひ)まで一生(いっしょう)の間(あいだ)、たえず日々(ひび)の必要(ひつよう)にしたがって、バビロンの王(おう)から給与(きゅうよ)を賜(たま)わった。