エレミヤ書

第一章

1ベニヤミンのアナトテの祭司さいしのひとりである、ヒルキヤのエレミヤの言葉ことば 2アモンの、ユダのおうヨシヤのとき、すなわちその治世ちせいの十三ねんに、しゅ言葉ことばがエレミヤにのぞんだ。 3その言葉ことばはまたヨシヤの、ユダのおうエホヤキムのときにものぞんで、ヨシヤの、ユダのおうゼデキヤの十一ねんおわり、すなわちそのねんの五がつにエルサレムのたみとらうつされたときにまでおよんだ。

4しゅ言葉ことばがわたしにのぞんでう、
5「わたしはあなたをまだははたいにつくらないさきに、
あなたをり、
あなたがまだうまれないさきに、
あなたを聖別せいべつし、
あなたをてて万国ばんこく預言者よげんしゃとした」。
6そのときわたしはった、「ああ、しゅなるかみよ、わたしはただ若者わかものにすぎず、どのようにかたってよいかりません」。 7しかししゅはわたしにわれた、
「あなたはただ若者わかものにすぎないとってはならない。
だれにでも、すべてわたしがつかわすひとき、
あなたにめいじることをみなかたらなければならない。
8かれらをおそれてはならない、
わたしがあなたとともにいて、
あなたをすくうからである」としゅおおせられる。
9そしてしゅはみべて、わたしのくちにつけ、しゅはわたしにわれた、
よ、わたしの言葉ことばをあなたのくちれた。
10よ、わたしはきょう、
あなたを万民ばんみんうえと、万国ばんこくうえて、
あなたに、あるいはき、あるいはこわし、
あるいはほろぼし、あるいはたおし、
あるいはて、あるいはえさせる」。

11しゅ言葉ことばがまたわたしにのぞんでう、「エレミヤよ、あなたはなにるか」。わたしはこたえた、「あめんどうのえだます」。 12しゅはわたしにわれた、「あなたのたとおりだ。わたしは自分じぶん言葉ことばおこなおうとして見張みはっているのだ」。

13しゅ言葉ことばがふたたびわたしにのぞんでう、「あなたはなにるか」。わたしはこたえた、「っているなべをます。きたからこちらにかっています」。 14しゅはわたしにわれた、「わざわいきたからって、このむすべてのものうえのぞむ」。 15しゅわれる、「よ、わたしはきた国々くにぐにのすべてのたみぶ。かれらはて、エルサレムのもん入口いりぐちと、周囲しゅういのすべての城壁じょうへき、およびユダのすべての町々まちまちかって、おのおのそのもうける。 16わたしは、かれらがわたしをてて、すべての悪事あくじおこなったゆえに、わたしのさばきをかれらにげる。かれらは神々かみがみこうをたき、自分じぶんつくったものはいしたのである。 17しかしあなたはこしおびしてち、わたしがめいじるすべてのことかれらにげよ。かれらをおそれてはならない。さもないと、わたしはかれらのまえであなたをあわてさせる。 18よ、わたしはきょう、この全国ぜんこくと、ユダのおうと、そのつかさと、その祭司さいしと、そのたみまえに、あなたをかたしろてつはしら青銅せいどう城壁じょうへきとする。 19かれらはあなたとたたかうが、あなたにつことはできない。わたしがあなたとともにいて、あなたをすくうからである」としゅわれる。

第二章

1しゅ言葉ことばがわたしにのぞんでう、 2って、エルサレムにものみみげよ、しゅはこうわれる、
わたしはあなたのわかとき純情じゅんじょう
花嫁はなよめときあい
荒野あらのなる、たねまかぬ
わたしにしたがったことをおぼえている。
3イスラエルはしゅのために聖別せいべつされたもの、
その刈入かりいれの初穂はつほである。
すべてこれをべるものつみせられ、
わざわいにあう」としゅわれる。

4ヤコブのいえとイスラエルのいえのすべてのやからよ、しゅ言葉ことばけ。 5しゅはこうわれる、
「あなたがたの先祖せんぞは、
わたしになんのわることがあるのをて、
わたしからとおざかり、
むなしいものにしたがって、むなしくなったのか。
6かれらはわなかった、
『われわれをエジプトのよりみちびし、
荒野あらのなる、あなおおれた
かわいた暗黒あんこく
ひととおらない、ひとまない
とおらせたしゅはどこにおられるか』と。
7わたしはあなたがたをみちびいてゆたかなれ、
そのものべさせた。
しかしあなたがたはここにはいって、
わたしのけがし、
わたしのぎょうにくむべきものとした。
8祭司さいしたちは、
しゅはどこにおられるか』とわなかった。
律法りっぽうあつかものたちはわたしをらず、
つかさたちはわたしにそむき、
預言者よげんしゃたちはバアルによって預言よげんし、
えきなきものしたがってった。

9それゆえ、わたしはなお、あなたがたとあらそう、
またあなたがたの子孫しそんあらそう」としゅわれる。
10「あなたがたはクプロの島々しまじまわたってみよ、
またひとをケダルにつかわして、
このようなことがかつてあったかを
つまびらかに、しらべてみよ。
11そのかみかみではないものえたくにがあろうか。
ところが、わたしのたみはその栄光えいこう
えきなきものとえた。
12てんよ、このことっておどろけ、
おののけ、いたくおそれよ」としゅわれる。
13「それは、わたしのたみ
二つのしきことおこなったからである。
すなわちけるみずみなもとであるわたしをてて、
自分じぶんみずためをった。
それは、こわれたみずためで、
みずれておくことのできないものだ。

14イスラエルは奴隷どれいであるか、
いえうまれたしもべであるか。
それならなぜとらわれのとなったのか。
15ししはかれかってほえ、
そのこえたかくあげて、かれあらした。
その町々まちまちほろびてひともない。
16メンピスとタパネスの人々ひとびともまた、
あなたのかしらのかんむりくだいた。
17あなたのかみしゅがあなたをみちみちびかれたとき
あなたはしゅてたので、
このことがあなたにおよんだのではないか。
18あなたがナイルのみずもうとして、
エジプトへくのはなにのためか。
またユフラテのみずもうとして、
アッスリヤへくのはなにのためか。
19あなたの悪事あくじはあなたをこらしめ、
あなたの背信はいしんはあなたをめる。
あなたが、あなたのかみしゅてることの
しくかつにがいことであるのをるがよい。
わたしをおそれることがあなたのうちにないのだ」と
万軍ばんぐんかみしゅわれる。

20「あなたはひさしい以前いぜん自分じぶんのくびきをり、
自分じぶんのなわめをって、
『わたしはつかえることをしない』とった。
そして、すべてのたかおかうえと、
すべてのあおしたで、
遊女ゆうじょのようにをかがめた。
21わたしはあなたを、まったくたね
すぐれたぶどうのとしてえたのに、
どうしてあなたはかわって、
わるぶどうのとなったのか。
22たといソーダをもってみずかあらい、
またおおくの灰汁あくもちいても、
あなたのあくけがれは、なおわたしのまえにある」と
しゅなるかみわれる。
23「どうしてあなたは、『わたしはけがれていない、
バアルにしたがわなかった』とうことができようか。
たになかでのあなたのおこないをるがよい。
あなたのしたことをるがよい。
あなたはぎょしがたいわかいらくだであって、
そのみちきつもどりつする。
24あなたは荒野あらのれたろばである、
その欲情よくじょうのためにかぜにあえぐ。
その欲情よくじょうをだれがとどめることができようか。
すべてこれをたずねるものろうするにおよばない、
そのつきであればこれにうことができる。
25あなたのあしが、はだしにならないように、
のどが、かわかないようにせよ。
ところが、あなたはった、『それはだめだ、
わたしはことなるくにものあいして、
それにしたがってこう』と。

26ぬすびとがとらえられて、はずかしめをけるように、
イスラエルのいえは、はずかしめをける。
かれらはそのおうも、そのつかさも、
その祭司さいしも、その預言者よげんしゃもみなそのとおりである。
27かれらはかって、
『あなたはわたしのちちです』とい、
またいしかって、
『あなたはわたしをんでくださった』とう。
かれらはをわたしにけて、
そのかおをわたしにけない。
しかしかれらがわざわいにあうときは、
って、われわれをすくいたまえ』とう。
28あなたが自分じぶんのためにつくった神々かみがみ
どこにいるのか。
あなたがわざわいにあうとき
もしかれらがあなたをすくえるなら、
ってもらうがよい。
ユダよ、あなたの神々かみがみは、
あなたのまちかずほどおおいからである。
29あなたがたは、なぜわたしとあらそうのか。
あなたがたはみなわたしにそむいている」と
しゅわれる。
30「わたしがあなたがたのどもたちを
ったのはむだであった。
かれらはいましめをけず、
あなたがたのつるぎは、
たけりたつししのように、預言者よげんしゃたちをほろぼした。
31あなたがたこの世代せだいひとよ、
しゅ言葉ことばけ。
わたしはイスラエルにとって、
荒野あらのであったであろうか。
暗黒あんこくであったであろうか。
それならなぜ、わたしのたみは『われわれは自由じゆうだ、
もはやあなたのところへはかない』とうのか。
32おとめはそのかざものわすれることができようか。
花嫁はなよめはそのおびわすれることができようか。
ところが、わたしのたみの、
わたしをわすれたかぞえがたい。

33あなたは恋人こいびとたずねて、
いかにもたくみにそのほうあしける。
それゆえわるおんなさえ、あなたのみちまなんだ。
34また、あなたの着物きもののすそには
つみのないまずしいひといのちがついている。
あなたはかれらがるのをたのではない。
しかも、すべてこれらのことにもかかわらず、
35あなたはう、『わたしはつみがない。かれいかりは、
けっしてわたしにのぞむことがない』と。
あなたが『わたしはつみおかさなかった』と
うことによって、わたしはあなたをさばく。
36あなたはなぜ軽々かるがるしくさまよって、
そのみちえようとするのか。
あなたはアッスリヤに、はずかしめをけたように、
エジプトにもまた、はずかしめをける。
37あなたはまた両手りょうてあたまいて、そこからる。
しゅがあなたのたのみとするものどもをてられたので、
あなたはかれらによってさかえることがないからだ。

第三章


1もしひとがそのつま離婚りこんし、
おんなかれのもとをって、他人たにんつまとなるなら、
そのひとはふたたび彼女かのじょかえるであろうか。
そのおおいにけがれないであろうか。
あなたはおおくの恋人こいびと姦淫かんいんおこなった。
しかもわたしにかえろうというのか」としゅわれる。
2をあげてもろもろのはだかやまよ、
姦淫かんいんおこなわなかったところがどこにあるか。
荒野あらのにいるアラビヤびとがするように、
あなたはみちのかたわらにして恋人こいびとった。
あなたは姦淫かんいん悪事あくじをもって、このけがした。
3それゆえあめはとどめられ、はるあめらなかった。
しかもあなたには遊女ゆうじょひたいがあり、
すこしもじようとはしない。
4いまあなたは、わたしをんでったではないか、
『わがちちよ、あなたはわたしのわかときともです。
5永久えいきゅういかられるのですか、
おわりまでいきどおられるのですか』と。
よ、あなたはこうったけれども、
なしうるかぎりのもろもろのあくおこなった」。

6ヨシヤおうときしゅはまたわたしにわれた、「あなたは、かの背信はいしんのイスラエルがしたことをたか。彼女かのじょはすべてのたかおかにのぼり、すべてのあおしたって、そこで姦淫かんいんおこなった。 7わたしは、彼女かのじょがこのすべてをおこなったのち、わたしのところかえるであろうとおもったが、かえってこなかった。その不信ふしん姉妹しまいユダはこれをた。 8わたしが背信はいしんのイスラエルを、そのすべての姦淫かんいんのゆえに、離縁りえんじょうあたえてしたのをユダはた。しかもその不信ふしん姉妹しまいユダはおそれず、自分じぶんって姦淫かんいんおこなった。 9彼女かのじょにとって姦淫かんいんかるいことであったので、いしとに姦淫かんいんって、このけがした。 10このすべてのことがあっても、なおその不信ふしん姉妹しまいユダは真心まごころをもってわたしにかえらない、ただいつわっているだけだ」としゅわれる。

11しゅはまたわたしにわれた、「背信はいしんのイスラエルは不信ふしんのユダよりも自分じぶんつみすくないことをしめした。 12あなたはってきたにむかい、この言葉ことばをのべてうがよい、
しゅわれる、背信はいしんのイスラエルよ、かえれ。
わたしはいかりのかおをあなたがたにけない、
わたしはいつくしみふかものである。
いつまでもいかることはしないと、しゅわれる。
13ただあなたは自分じぶんつみみとめ、
あなたのかみしゅにそむいて
すべてのあおしたことなる神々かみがみ
あなたのあいしまずあたえたこと、
わたしのこえしたがわなかったことを
いあらわせと、しゅわれる。
14しゅわれる、背信はいしんらよ、かえれ。
わたしはあなたがたのおっとだからである。
まちからひとり、氏族しぞくからふたりをって、
あなたがたをシオンへれてこう。

15わたしは自分じぶんこころにかなう牧者ぼくしゃたちをあなたがたにあたえる。かれらは知識ちしきさとりとをもってあなたがたをやしなう。 16しゅわれる、あなたがたがしておおくなるとき、そのには、人々ひとびとはかさねて「しゅ契約けいやくはこ」とわず、これをおもさず、これをおぼえず、これをたずねず、これをつくらない。 17そのときエルサレムはしゅのみくらいととなえられ、万国ばんこくたみはここにあつまる。すなわちしゅのもとにエルサレムにあつまり、かさねて、かたくなに自分じぶんわるこころしたがうことはしない。 18そのには、ユダのいえはイスラエルのいえ一緒いっしょになり、きたからて、わたしがあなたがたの先祖せんぞたちにぎょうとしてあたえたともる。
19どのようにして、
あなたをわたしのどもたちのうちにき、
万国ばんこくのうちでもっとうつくしいぎょうである
あなたにあたえようかと、わたしはおもっていた。
わたしはまた、あなたがわたしを「わがちち」とび、
わたしにしたがってはなれることはないとおもっていた。
20イスラエルのいえよ、
背信はいしんつまおっとのもとをるように、
たしかに、あなたがたはわたしにそむいた』と
しゅわれる」。

21はだかやまうえこえきこえる、
イスラエルのたみかなしみいのるのである。
かれらがまがったみちあゆみ、そのかみしゅわすれたからだ。
22背信はいしんどもたちよ、かえれ。
わたしはあなたがたの背信はいしんをいやす」。

よ、われわれはあなたのもとにかえります。
あなたはわれわれのかみしゅであらせられます。
23まことに、もろもろのおかまよいであり、
やまうえさわぎもおなじです。
まことに、イスラエルのすくい
われわれのかみしゅにあるのです。

24しかし、われわれの幼少ようしょうときから、ずべきことが、われわれの先祖せんぞのほねおってたもの、すなわちそのひつじ、そのうし、およびそのむすこ、むすめたちをことごとくのみつくしました。 25われわれははじなかし、はずかしめにおおわれています。それはわれわれと先祖せんぞとが、われわれの幼少ようしょうときから今日こんにちまで、われわれのかみしゅつみおかし、われわれのかみしゅこえしたがわなかったからです」。

第四章


1しゅわれる、「イスラエルよ、
もし、あなたがかえるならば、
わたしのもとにかえらなければならない。
もし、あなたがにくむべきもの
わたしのまえからのぞいて、ためらうことなく、
2また真実しんじつ正義せいぎ正直しょうじきとをもって、
しゅきておられる』とちかうならば、
万国ばんこくたみかれによって祝福しゅくふくけ、
かれによってほこる」。
3しゅはユダの人々ひとびととエルサレムに人々ひとびと
こうわれる、
「あなたがたの新田しんでんたがやせ、
いばらのなかたねをまくな。
4ユダの人々ひとびととエルサレムに人々ひとびとよ、
あなたがたはみずか割礼かつれいおこなって、
しゅぞくするものとなり、
自分じぶんこころまえかわれ。
さもないと、あなたがたのしきおこないのために
わたしのいかりがのようにはっしてえ、
これをものはない」。

5ユダにげ、エルサレムにしめしてえ、
国中くにぢゅうにラッパをき、大声おおごえばわってえ、
あつまれ、われわれは堅固けんご町々まちまちこう』と。
6シオンのほうしめはたてよ。
避難ひなんせよ、とどまってはならない、
わたしがきたからわざわい
おおいなる破滅はめつをこさせるからだ。
7ししはそのもりからてのぼり、
国々くにぐにほろぼすものすすんできた。
かれはあなたのくにあらそうとして、
すでにそのところからてきた。
あなたの町々まちまちほろぼされて、
ものもなくなる。
8このために、あなたがたは荒布あらぬのにまとって、
かなしみなげけ。
しゅはげしいいかりが、
まだわれわれをはなれないからだ」。

9しゅわれる、「そのおうきみたちとはそのこころうしない、祭司さいしおどろき、預言者よげんしゃあやしむ」。 10そこでわたしはった、「ああしゅなるかみよ、まことにあなたはこのたみとエルサレムとをまったくあざむかれました。『あなたがたはやすらかになる』とわれましたが、つるぎがいのちにまでもおよびました」。

11そのときこのたみとエルサレムとはこうげられる、「あつかぜ荒野あらのはだかやまからわたしのたみむすめのほうにいてくる。これはあおぎけるためではなく、きよめるためでもない。 12これよりもなおはげしいかぜがわたしのためにく。いまわたしはかれらにさばきをげる」。
13よ、かれくものようにのぼってくる。
その戦車せんしゃはつむじかぜのよう、
そのうまはわしのぶよりもはやい。
ああ、われわれはわざわいだ、
われわれはほろぼされる。
14エルサレムよ、あなたのこころあくあらきよめよ、
そうするならばすくわれる。
しきおもいはいつまで
あなたのうちにとどまるのか。
15ダンからげるこえがある、
エフライムのやまからわざわいらせている。
16国々くにぐにたみかれることをげ、
またエルサレムにらせよ。
めかこむものとおくのくにからて、
ユダの町々まちまちにむかってそのこえをあげる。
17かれらははたけまももののようにこれをめかこむ。
それはわたしにそむいたからだと、しゅわれる。
18あなたのみちとそのおこないとが、
あなたのにこれをまねいたのだ。
これはあなたのあく結果けっかで、まことににがく、
あなたのこころをつらぬく」。

19ああ、わがはらわたよ、わがはらわたよ、
わたしはくるしみにもだえる。
ああ、わが心臓しんぞうかべよ、
わたしの心臓しんぞうは、はげしく鼓動こどうする。
わたしは沈黙ちんもくまもることができない、
ラッパのこえと、たたかいのさけびをくからである。
20破壊はかいぐに破壊はかいがあり、
ぜんあらされ、
わたしの天幕てんまくはにわかにやぶられ、
わたしのまくはたちまちやぶられた。
21いつまでわたしははた
またラッパのこえかなければならないのか。
22「わたしのたみおろかであって、わたしをらない。
かれらは愚鈍ぐどんどもらで、さとることがない。
かれらはあくおこなうのにさといけれども、
ぜんおこなうことをらない」。

23わたしはたが、
それはかたちがなく、またむなしかった。
てんをあおいだが、そこにはひかりがなかった。
24わたしはやまたが、みなふるえ、
もろもろのおかうごいていた。
25わたしはたが、ひとはひとりもおらず、
そらとりはみなっていた。
26わたしはたが、ゆたかなとなり、
そのすべてのまちは、しゅまえに、
そのはげしいいかりのまえに、破壊はかいされていた。
27それはしゅがこうわれたからだ、「ぜんとなる。しかしわたしはことごとくはこれをほろぼさない。
28このためにかなしみ、うえなるてんくらくなる。
わたしがすでにこれをい、これをさだめたからだ。
わたしはいない、またそれをすることをやめない」。

29どのまちひとも、騎兵きへい射手いてさけびのために
げてもりはいり、いわのぼる。
まちはみなてられ、そこにひとはない。
30ああ、あらされたおんなよ、あなたがべに着物きものをき、
きんかざりでをよそおい、
っておおきくするのは、なんのためか。
あなたがうつくしくしても、むだである。
あなたの恋人こいびとらはあなたをいやしめ、
あなたのいのちもとめている。
31わたしはおんなのようなこえ
ういごをおんなくるしむようなこえいた。
シオンのむすめのあえぐさけびである。
両手りょうてべて彼女かのじょう、「わたしはわざわいだ、
わたしをころものらのまえにわたしはとおくなる」と。

第五章


1エルサレムのちまたをきめぐり、
て、るがよい。
その広場ひろばたずねて、公平こうへいおこない、
真実しんじつもとめるものが、ひとりでもあるかさがしてみよ。
あれば、わたしはエルサレムをゆるす。
2かれらは、「しゅきておられる」とうけれども、
じつは、いつわってちかうのだ。
3しゅよ、あなたのは、
真実しんじつかえりみられるではありませんか。
あなたがかれらをたれても、いたみをおぼえず、
かれらをほろぼされても、こらしめをけることをこばみ、
そのかおいわよりもかたくして、
あらためることをこばみました。

4それで、わたしはった、
「これらはただまずしいおろかな人々ひとびとで、
しゅみちと、かみのおきてをりません。
5わたしはえらひとたちのところって、かれらにかたります。
かれらはしゅみちり、かみのおきてをっています」。
ところが、かれらもみなおなじように、くびきをり、
なわめをっていた。

6それゆえはやしから、ししがてきてかれらをころし、
荒野あらのから、おおかみがてきてかれらをほろぼす。
ひょうはかれらの町々まちまちをねらっている。
そこからものはみなかれる。
かれらのつみおおく、
その背信はいしんがはなはだしいからである。

7「わたしはどうしてあなたを、
ゆるすことができようか。
あなたのどもらは、わたしをてさり、
かみでもないものをさしてちかった。
わたしがかれらをらせたとき
かれらは姦淫かんいんおこない、遊女ゆうじょいえあつまった。
8かれらはふとった丈夫じょうぶうまのように、
おのおの、いなないてとなりつましたう。
9わたしはこれらのことのために
かれらをばっしないでいられようか。
このような国民こくみんにあだをかえさないであろうか」と
しゅわれる。

10「あなたがたはユダのぶどうのあいだを、
のぼってって、ほろぼせ、
ただ、ことごとくほろぼしてはならない。
そのえだのぞけ、
しゅのものではないからである。
11イスラエルのいえとユダのいえとは
わたしにまったく不信ふしんであった」としゅわれる。
12かれらはしゅについていつわかたってった、
しゅ何事なにごともなされない、
わざわいはわれわれにない、
またつるぎや、ききんをることはない。
13預言者よげんしゃらはかぜとなり、かれらのうちに言葉ことばはない。
かれらはこのようになる』と」。

14それゆえ万軍ばんぐんかみしゅはこうわれる、
かれらがこの言葉ことばかたったので、
よ、わたしはあなたのくちにある
わたしの言葉ことばとし、このたみをたきぎとする。
かれらをつくす」。
15しゅわれる、「イスラエルのいえよ、
よ、わたしはとおくにたみ
あなたがたのところにめこさせる。
そのくにながつづくにふるくにで、
あなたがたはそのくに言葉ことばらず、
人々ひとびとかたるのをさとることもできない。
16そのえびらひらいたはかのようであり、
かれらはみな勇士ゆうしである。
17かれらはあなたがれたものと、
あなたの糧食りょうしょくとをつくし、
あなたのむすこむすめつくし、
あなたのひつじうしつくし、
あなたのぶどうのといちじくのつくし、
またつるぎをもって、あなたがたのみとする
堅固けんご町々まちまちほろぼす」。

18しゅわれる、「しかしそのときでも、わたしはことごとくはあなたをほろぼさない。 19あなたのたみが、『どうしてわれわれのかみしゅはこれらのすべてのことをわれわれになされたのか』とうならば、あなたはかれらにこたえなければならない、『あなたがたがわたしをてて、自分じぶんことなる神々かみがみつかえたように、あなたがたは自分じぶんのものでない異邦いほうひとつかえるようになる』と」。


20これをヤコブのいえにのべ、
またユダにしめしてえ、
21おろかで、さとりもなく、
があってもえず、
みみがあってもきこえないたみよ、これをけ。
22しゅわれる、あなたがたはわたしをおそれないのか、
わたしのまえにおののかないのか。
わたしはすないてうみさかいとし、
これを永遠えいえん限界げんかいとして、
えることができないようにした。
なみはさかまいても、つことはできない、
りわたっても、これをえることはできない。
23ところが、このたみには強情ごうじょうな、そむくこころがあり、
かれらはわきみちにそれて、ってしまった。
24かれらは『われわれにあめあたえ、
あきあめはるあめときにしたがってらせ、
われわれのために刈入かりいれのときさだめられた
われわれのかみしゅおそれよう』と
そのこころのうちにわないのだ。
25あなたがたのとがは、これらのことをしりぞけ、
あなたがたのつみは、
ものがあなたがたにるのをさまたげた。
26わがたみのうちにはわるものがあって、
とりをとるひとのようにをかがめてうかがい、
わなをいてひととらえる。
27かごにとりちているように、
かれらのいえ不義ふぎたからちている。
それゆえ、かれらはおおいなるもの裕福ゆうふくものとなり、
28えて、つやがあり、
そのしきおこないには際限さいげんがない。
かれらは公正こうせいに、みなしごのうったえをさばいて、
それをたすけようとはせず、
またまずしいひとうったえをさばかない。
29しゅわれる、わたしはこのようなことのために、
かれらをばっしないであろうか。
わたしはこのようなたみに、
あだをかえさないであろうか」。

30おどろくべきこと、おそるべきことがこのおこっている。
31預言者よげんしゃいつわって預言よげんし、
祭司さいし自分じぶんによっておさめ、
わがたみはこのようにすることをあいしている。
しかしあなたがたは
そのおわりにはどうするつもりか。

第六章


1ベニヤミンの人々ひとびとよ、
エルサレムのなかから避難ひなんせよ。
テコアでラッパをき、
ベテハケレムに合図あいずをあげよ。
きたからわざわいのぞみ、おおいなるほろびがるからである。
2わたしはうつくしい、たおやかなシオンのむすめほろぼす。
3牧者ぼくしゃたちは、そのれをひきいてて、
彼女かのじょめ、彼女かのじょ周囲しゅうい天幕てんまくる。
れはおのおのそのところくさう。
4たたかいをはじめ、彼女かのじょめよ。
て、われわれは真昼まひる攻撃こうげきしよう」。
「わざわいなるかな、ははやかたむき、
夕日ゆうひかげながくなった」。
5て、われわれはよるあいだ攻撃こうげきしよう、
そして彼女かのじょのもろもろの宮殿きゅうでん破壊はかいしよう」。

6万軍ばんぐんしゅはこうわれる、
「あなたがたは彼女かのじょたおし、
エルサレムにむかってるいきずけ。
これはばつすべきまちである、そのうちにはただ圧制あっせいだけがある。
7井戸いどあたらしいみずがわくように
彼女かのじょはそのあくつねにあらたにながす。
そのうちには暴虐ぼうぎゃく破滅はめつとがきこえる。
わたしのまえやまいきずとがえない。
8エルサレムよ、いましめをけいれよ。
さもないと、わたしはあなたからはなれ、
あなたをとし、ひとのないとする」。

9万軍ばんぐんしゅはこうわれる、
「ぶどうののこりをみとるように、
イスラエルののこりのたみをのこらずれ。
ぶどうをみとるひとのように、
あなたのをふたたびそのえだばせ」。
10わたしはだれにかたり、だれをいましめて、かせようか。
よ、かれらのみみざされて、くことができない。
よ、かれらはしゅ言葉ことばをあざけり、それをよろこばない。
11それゆえ、わたしのにはしゅいかりがち、
それをしのぶのに、うみつかれている。
「それをちまたにいる子供こどもらと、
あつまっているわか人々ひとびととにらせ。
おっとつまも、いたひとも、
としのひじょうにすすんだひととらえられ、
12かれらのいえはたけつまとはとも他人たにんわたる。
わたしがばして、
このものつからである」としゅわれる。
13「それはかれらが、ちいさいものからおおきいものまで、
みな不正ふせいをむさぼり、
また預言者よげんしゃから祭司さいしにいたるまで、
みないつわりをおこなっているからだ。
14かれらは、手軽てがるにわたしのたみきずをいやし、
平安へいあんがないのに『平安へいあん平安へいあん』とっている。
15かれらはにくむべきことをして、じたであろうか。
すこしもずかしいとはおもわず、
またじることをらなかった。
それゆえかれらはたおれるものともたおれる。
わたしがかれらをばっするとき、
かれらはたおれる」としゅわれる。

16しゅはこうわれる、
「あなたがたはわかれみちって、よく
いにしえのみちにつき、
みちがどれかをたずねて、そのみちあゆみ、
そしてあなたがたのたましいのために、安息あんそくよ。
しかしかれらはこたえて、
『われわれはそのみちあゆまない』とった。
17わたしはあなたがたのうえ見張みはりびとをて、
『ラッパのおとをつけよ』とった。
しかしかれらはこたえて、
『われわれはをつけることはしない』とった。
18それゆえ国々くにぐにたみよ、け。
会衆かいしゅうよ、かれらにどのようなことがおこるかをれ。
19よ、け。よ、わたしはこのたみわざわいをくだす。
それはかれらのたくらみのである。
かれらがわたしの言葉ことばをつけず、
わたしのおきてをてたからである。
20シバから、わたしのところ乳香にゅうこう
とおくにから、菖蒲しょうぶるのはなんのためか。
あなたがたの燔祭はんさいはわたしにはよろこばしくなく、
あなたがたの犠牲ぎせいもうれしくはない。
21それゆえしゅはこうわれる、
よ、わたしはこのたみまえにつまずくいしく、
人々ひとびとちちともにそれにつまずき、
となびともそのともほろびる』」。

22しゅはこうわれる、
よ、たみきたくにからる、
おおいなる国民こくみんはてからおこる。
23かれらはゆみとやりをとる。
かれらは残忍ざんにんで、あわれみがなく、
うみのようなひびきをてる。
シオンのむすめよ、かれらはうまり、
いくさひとのようにをよろって、
あなたをめる」。
24われわれはそのうわさをいて、
よわり、おんなのぞむような
なやみとくるしみとにとらえられた。
25はたけてはならない、
またみちあるいてはならない。
てきはつるぎをち、おそれが四方しほうにあるからだ。
26わがたみむすめよ、荒布あらぬのにまとい、
はいなかにまろび、
ひとりうしなったときのように、かなしみ、いたくなげけ。
ほろぼすものが、にわかにわれわれをおそうからだ。

27「わたしはあなたをたみのうちにてて、
ためすものこころみるものとした。
あなたがかれらのみちり、
それをためすことができるようにするためである。
28かれらはみな、強情ごうじょう反逆者はんぎゃくしゃであって、
あるきまわってひとをそしる。
かれらは青銅せいどうてつであって、みないやしいことをおこなう。
29ふいごははげしくき、
なまりにとけてき、
精錬せいれんはいたずらにすすむ。
しきものがまだのぞかれないからである。
30しゅかれらをてられたので、
かれらはてられたぎんばれる」。

第七章

1しゅからエレミヤにのぞんだ言葉ことばはこうである。 2しゅいえもんち、そのところで、この言葉ことばをのべてえ、しゅおがむために、このもんをはいるユダのすべてのひとよ、しゅ言葉ことばけ。 3万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうわれる、あなたがたのみちとあなたがたのおこないをあらためるならば、わたしはあなたがたをこのところまわせる。 4あなたがたは、『これはしゅ神殿しんでんだ、しゅ神殿しんでんだ、しゅ神殿しんでんだ』といういつわりの言葉ことばたのみとしてはならない。

5もしあなたがたが、まことに、そのみちおこないをあらためて、たがい公正こうせいおこない、 6寄留きりゅう他国たこくじんと、みなしごと、やもめをしえたげることなく、つみのないひとをこのところながすことなく、また、ほかの神々かみがみしたがってみずかがいをまねくことをしないならば、 7わたしはあなたがたを、わたしがむかしあなたがたの先祖せんぞあたえたこの永遠えいえんまわせる。

8よ、あなたがたはいつわりの言葉ことばたのみとしているが、それはむだである。 9あなたがたはぬすみ、ころし、姦淫かんいんし、いつわってちかい、バアルにこうをたき、あなたがたが以前いぜんにはらなかった神々かみがみしたがいながら、 10わたしのをもって、となえられるこのいえてわたしのまえち、『われわれはすくわれた』とい、しかもすべてこれらにくむべきことをおこなうのは、どうしたことか。 11わたしのをもって、となえられるこのいえが、あなたがたのには盗賊とうぞくえるのか。わたし自身じしん、そうたとしゅわれる。 12わたしがはじめにわたしのいた場所ばしょシロへき、わがたみイスラエルのあくのために、わたしがその場所ばしょたいしておこなったことをよ。 13しゅわれる、いまあなたがたはこれらのすべてのことをおこなっている。またわたしはあなたがたに、しきりにかたったけれども、あなたがたはかず、あなたがたをんだけれどもこたえなかった。 14それゆえわたしはシロにたいしておこなったように、わたしのをもって、となえられるこのいえにもおこなう。すなわちあなたがたがたのみとするところ、わたしがあなたがたと、あなたがたの先祖せんぞあたえたこのところおこなう。 15そしてわたしは、あなたがたのすべての兄弟きょうだい、すなわちエフライムのすべての子孫しそんてたように、わたしのまえからあなたがたをもてる。

16あなたはこのたみのためにいのってはならない。かれらのためになげき、いのってはならない。またわたしに、とりなしをしてはならない。わたしはあなたのもとめをかない。 17あなたはかれらがユダの町々まちまちと、エルサレムのちまたでしていることをないのか。 18どもらは、たきぎをあつめ、ちちたちはをたき、おんなこなをこね、パンをつくってこれを天后てんこうそなえる。またかれらは神々かみがみまえさけそそいで、わたしをいからせる。 19しゅわれる、かれらがいからせるのはわたしなのか。自分じぶんたち自身じしんではないのか。そしてみずからうろたえている。 20それゆえしゅなるかみはこうわれる、よ、わたしのいかりといきどおりを、このところと、ひとけものと、はたけと、産物さんぶつとにそそぐ。いかりはえてえることがない」。

21万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうわれる、「あなたがたの犠牲ぎせい燔祭はんさいものわせてにくべるがよい。 22それはあなたがたの先祖せんぞをエジプトのからみちびしたに、わたしは燔祭はんさい犠牲ぎせいとについてかれらにかたったこともなく、まためいじたこともないからである。 23ただわたしはこのいましめをかれらにあたえてった、『わたしのこえきしたがいなさい。そうすれば、わたしはあなたがたのかみとなり、あなたがたはわたしのたみとなる。わたしがあなたがたにめいじるすべてのみちあゆんでさいわいなさい』と。 24しかしかれらはしたがわず、みみかたむけず、自分じぶんわるこころはかりごとと強情ごうじょうにしたがってあゆみ、わるくなるばかりで、よくはならなかった。 25あなたがたの先祖せんぞがエジプトのから今日こんにちまで、わたしはわたしのしもべである預言者よげんしゃたちを日々ひびかれらにつかわした。 26しかしかれらはわたしにかず、みみかたむけないで強情ごうじょうになり、先祖せんぞたちにもまさってあくおこなった。

27たといあなたがかれらにこのすべての言葉ことばかたってもかれらはかない。またかれらをんでもあなたにこたえない。 28それゆえ、あなたはこうかれらにわなければならない、『これはそのかみしゅこえしたがわず、そのいましめをけいれなかった国民こくみんである。真実しんじつはうせ、かれらのくちからえた。
29あなたのかみっててよ、
はだかやまうえなげきのこえをあげよ。
しゅが、おいかりになっているひと
退しりぞてられたからだ』。

30しゅわれる、ユダのたみはわたしのまえあくおこない、わたしのをもってとなえられるいえに、にくむべきものいてそこをけがした。 31またベンヒンノムのたににあるトペテのたかところきずいて、むすこむすめいた。わたしはそれをめいじたことはなく、またそのようなことをかんがえたこともなかった。 32しゅわれる、それゆえによ、そのところをトペテ、またはベンヒンノムのたにばないで、ほふりのたにる。それはほかに場所ばしょがないので、トペテにほうむるからである。 33このたみ死体したいそらとりけもの食物しょくもつとなり、これをはらものもない。 34そのときわたしはユダの町々まちまちとエルサレムのちまたに、よろこびのこえたのしみのこえ花婿はなむここえ花嫁はなよめこえやす。このてるからである。

第八章

1しゅわれる、そのときユダのおうたちのほねと、そのつかさたちのほねと、祭司さいしたちのほねと、預言者よげんしゃたちのほねと、エルサレムに人々ひとびとほねはかよりされて、 2かれらのあいし、つかえ、したがい、もとめ、またおがんだ、つきてんしゅうぐんまえにさらされる。そのほねあつめるものほうむものもなく、のおもてに糞土ふんどのようになる。 3このしきたみのうちののこっているのこりのものはみな、わたしがいやった場所ばしょで、きることよりもぬことをねがうようになると、万軍ばんぐんしゅわれる。
4あなたはかれらにわなければならない。
しゅはこうおおせられる、
ひとたおれたならば、またきあがらないであろうか。
はなれていったならば、かえってこないであろうか。
5それにどうしてこのたみは、
つねにそむいてはなれていくのか。
かれらはいつわりをかたくとらえて、
かえってくることをこばんでいる。
6わたしはをつけていたが、
かれらはただしくはかたらなかった。
そのあくいて、
『わたしのしたことなにか』というものはひとりもない。
かれらはみな戦場せんじょうに、はせうまのように、
自分じぶんのすきなみちかう。
7そらのこうのとりでもそのときり、
やまばとと、つばめと、つるはそのときまもる。
しかしわがたみしゅのおきてをらない。

8どうしてあなたがたは、『われわれには知恵ちえがある、
しゅのおきてがある』とうことができようか。
よ、まことに書記しょきいつわりのふで
これをいつわりにしたのだ。
9知恵ちえあるものは、はずかしめられ、
あわてふためき、とらえられる。
よ、かれらはしゅ言葉ことばてた、
かれらになんの知恵ちえがあろうか。
10それゆえ、わたしはかれらのつま他人たにんあたえ、
そのはたけ征服せいふくしゃあたえる。
それはかれらがちいさいものからおおきいものにいたるまで、
みな不正ふせいをむさぼり、
預言者よげんしゃから祭司さいしにいたるまで、
みないつわりをっているからである。
11かれらは手軽てがるに、わたしのたみきずをいやし、
平安へいあんがないのに、『平安へいあん平安へいあん』とっている。
12かれらはにくむべきことをして、じたであろうか。
すこしもずかしいとはおもわず、
またじることをらなかった。
それゆえかれらはたおれるものともたおれる。
わたしがかれらをばっするとき、
かれらはたおれると、しゅわれる。
13しゅわれる、わたしがあつめようとおもうとき、
ぶどうのにぶどうはなく、
いちじくのに、いちじくはなく、
さえ、しぼんでいる。
わたしがかれらにあたえたものも、
かれらをはなれて、うせった」。

14どうしてわれわれはなすこともなくしているのか。
あつまって、堅固けんごまちにはいり、
そこでわれわれはほろびよう。
われわれがしゅつみおかしたので、
われわれのかみしゅがわれわれをほろぼそうとして、
どくみずませられるのだ。
15われわれは平安へいあんのぞんだが、ことはこなかった。
いやされるときのぞんだが、かえって恐怖きょうふた。

16かれらのうまのいななきはダンからきこえてくる。
かれらのつようまこえによってぜんふるう。
かれらはて、このと、ここにあるすべてのもの、
まちと、そのうちにものとをほろぼす。
17よ、魔法まほうをもってならすことのできない、
へびや、まむしをあなたがたのうちにつかわす。
それはあなたがたをかむ」としゅわれる。

18わがなげきはいやしがたく、
わがこころはうちになやむ。
19け、全面ぜんめんから、
わがたみむすめこえがあがるのを。
しゅはシオンにおられないのか、
シオンのおうはそのうちにおられないのか」。
「なぜかれらはその彫像ちょうぞうと、
異邦いほう偶像ぐうぞうとをもって、わたしをいからせたのか」。
20刈入かりいれのときぎ、なつもはやおわった、
しかしわれわれはまだすくわれない」。
21わがたみむすめきずによって、わがこころいたむ。
わたしはなげき、うろたえる。

22ギレアデに乳香にゅうこうがあるではないか。
そのところ医者いしゃがいるではないか。
それにどうしてわがたみむすめ
いやされることがないのか。

第九章


1ああ、わたしのあたまみずとなり、
わたしのなみだいずみとなればよいのに。
そうすれば、わたしはたみむすめころされたもののために
ひるよるなげくことができる。
2ああ、わたしが荒野あらのに、
隊商たいしょう宿やどることができればよいのに。
そうすれば、わたしはたみはなれて
ってくことができる。
かれらはみな姦淫かんいんするもの
不信ふしんのともがらだからである。
3かれらはゆみをひくように、そのしたげる。
真実しんじつではなく、いつわりがこのつよくなった。
かれらはあくよりあくすすみ、
またわたしをらないと、しゅわれる。

4あなたがたはおのおのとなびとをつけよ。
どの兄弟きょうだいをもしんじてはならない。
兄弟きょうだいはみな、しのけるものであり、
となびとはみな、ののしってあるものだからである。
5ひとはみな、そのとなびとあざむき、
真実しんじつものはない。
かれらは自分じぶんしたいつわりをうことをおしえ、
あくおこない、つかれてあらためるいとまもなく、
6しえたげに、しえたげをかさね、
いつわりにいつわりをかさね、
わたしをることをこばんでいると、しゅわれる。

7それゆえ万軍ばんぐんしゅはこうわれる、
よ、わたしはかれらをかし、こころみる。
このほか、わがたみをどうすることができよう。
8かれらのしたころのようだ、
それはいつわりをう。
そのくちではおのおのとなびとにおだやかにかたるが、
そのこころではかれせるはかりごとをてる。
9しゅわれる、これらのことのために、
わたしがかれらをばっしないだろうか。
わたしがこのようなたみにあだをかえさないだろうか。

10やまのためにさけび、牧場まきばのためにかなしめ。
これらはれすたれて、とおぎるひともない。
ここにはうしひつじこえきこえず、
そらとりけものみなった。
11わたしはエルサレムを荒塚あれづかとし、山犬やまいぬとする。
またユダの町々まちまちあらして、ひともないところとする」。

12知恵ちえがあって、これをさとることのできるひとはだれか。しゅくち言葉ことばをうけて、それをしめひとはだれか。このほろぼされて荒野あらののようになり、とおぎるひともなくなったのはどういうわけか。 13しゅわれる、「それはかれらのまえにわたしがてたおきてをかれらがてて、わたしのこえしたがわず、そのとおりにあるかなかったからである。 14かれらは強情ごうじょう自分じぶんこころしたがい、また先祖せんぞおしえたようにバアルにしたがった。 15それゆえ万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうわれる、よ、わたしはこのたみに、にがよもぎをべさせ、どくみずませ、 16かれらも、その先祖せんぞたちもらなかったくにびとのうちにかれらをらし、またかれらをほろぼしつくすまで、そのうしろに、つるぎをつかわす」。


17万軍ばんぐんしゅはこうわれる、
「よくかんがえて、おんなべ。
またひとをつかわしてたくみなおんなまねけ。
18かれらにいそいでこさせ、
われわれのためにかなしませて、
われわれのなみだをこぼさせ、
まぶたからみずをあふれさせよ。
19シオンからかなしみのこえきこえる。
それはう、『ああ、われわれはほろぼされ、
いたく、はずかしめられている。
われわれはそのり、
かれらがわれわれのすみかをこわしたからだ』」。

20おんなたちよ、しゅ言葉ことばけ。
あなたがたのみみに、そのくち言葉ことばをいれよ。
あなたがたのむすめかなしみのうたおしえ、
おのおのそのとなびと哀悼あいとううたおしえよ。
21がわれわれのまどのぼって
われわれの邸宅ていたくなかにはいり、
ちまたにいるどもらをやし、
広場ひろばにいるわかひとたちをころそうとしているからだ。
22あなたはこういなさい、
しゅわれる、『ひと死体したい糞土ふんどのように、
たおれているようになり、
また刈入かりいれするひとのうしろにのこって、
だれもあつめることをしないたばのようになる』」。

23しゅはこうわれる、「知恵ちえあるひとはその知恵ちえほこってはならない。ちからあるひとはそのちからほこってはならない。めるものはそのとみほこってはならない。 24ほこものはこれをほこりとせよ。すなわち、さとくあって、わたしをっていること、わたしがしゅであって、に、いつくしみと公平こうへい正義せいぎっているものであることをることがそれである。わたしはこれらのことよろこぶと、しゅわれる」。

25しゅわれる、「よ、このようなる。そのには、割礼かつれいをうけても、こころ割礼かつれいをうけていないすべてのひとをわたしはばっする。 26エジプト、ユダ、エドム、アンモンの人々ひとびと、モアブ、およびにいて、かみのすみずみをそる人々ひとびとはそれである。これらのくにびとはみな割礼かつれいをうけていないものであり、イスラエルの全家ぜんかもみなこころ割礼かつれいをうけていないものである」。

第一〇章

1イスラエルのいえよ、しゅのあなたがたにかたられる言葉ことばけ。 2しゅはこうわれる、
異邦いほうひとみちならってはならない。
また異邦いほうひとてんあらわれるしるしをおそれても、
あなたがたはそれをおそれてはならない。
3異邦いほうたみのならわしはむなしいからだ。
かれらの崇拝すうはいするものは、はやしからりだしたで、
木工もっこうで、おのをもってつくったものだ。
4人々ひとびとぎんきんをもって、それをかざり、
くぎとつちをもってうごかないようにそれをとめる。
5その偶像ぐうぞうは、きゅうりはたけのかかしのようで、
ものをうことができない。
あるくこともできないから、
ひとはこんでもらわなければならない。
それをおそれるにおよばない。
それはわざわいをくだすことができず、
またさいわいをくだすちからもないからだ」。

6しゅよ、あなたにならびうるものはありません。
あなたはおおいなるものであり、あなたの
そのちからのためにおおいなるものであります。
7万国ばんこくおうであるあなたを、
おそれないものがありましょうか。
あなたをおそれるのは当然とうぜんのことであります。
万国ばんこくのすべての知恵ちえあるもののうちにも、
その国々くにぐにのうちにも、
あなたにならびうるものはありません。
8かれらはみなおろかでにぶく、
偶像ぐうぞうおしえは、ただにすぎない。
9ぎんぱくはタルシシから渡来とらいし、
きんはウパズからたずさえてくる。
これらは工人こうじんきん細工人ざいくにん工作こうさくである。
かれらの着物きものはすみれいろ紫色むらさきいろである。
これらはみなたくみな細工人さいくにんつくったものである。
10しかししゅはまことのかみである。
きたかみであり、永遠えいえんおうである。
そのいかりによってふるいうごき、
万国ばんこくはそのいきどおりにあたることができない。

11あなたがたはかれらに、こうわなければならない、「天地てんちつくらなかった神々かみがみうえてんしたからほろる」と。
12しゅはそのちからをもってつくり、
その知恵ちえをもって世界せかいて、
そのさとりをもっててんをのべられた。
13かれこえされると、
てんおおくのみずのざわめきがあり、
またはてからきりちあがらせられる。
かれあめのために、いなびかりをおこし、
そのくらからかぜされる。
14すべてのひとおろかで知恵ちえがなく、
すべてのきん細工人ざいくにん
そのつくった偶像ぐうぞうのためにはじをこうむる。
その偶像ぐうぞういつわもので、
そのうちにいきがないからだ。
15これらは、むなしいもので、まよいのわざである。
ばっせられるときほろびるものである。
16ヤコブのぶんであるかれはこのようなものではない。
かれ万物ばんぶつつくぬしだからである。
イスラエルはかれぎょうとしての部族ぶぞくである。
かれ万軍ばんぐんしゅという。

17かこみのなかにおるものよ、
あなたのつつみからげよ。
18しゅがこうわれるからだ、
よ、わたしはこのたび、
このものてる。
かつかれらをせめなやまして、おもらせる」。

19わたしはいたでをうけた、ああ、わざわいなるかな、
わたしのきずおもい。
しかしわたしはった、
「まことに、これはなやみである。
わたしはこれをしのばなければならない」と。
20わたしの天幕てんまくやぶれ、つなはことごとくれ、
どもたちはわたしをててって、いなくなった。
もはやわたしの天幕てんまくものはなく、
まくけるものもない。
21牧者ぼくしゃおろかであって、
しゅうことをしないからである。
それゆえかれらはさかえることもなく、
そのれはみなっている。

22けよ、うわさのあるのを。
よ、きたくにからおおいなるさわぎがる。
これはユダの町々まちまちあらして山犬やまいぬとする。

23しゅよ、わたしはっています、
ひとみち自身じしんによるのではなく、
あゆひとが、そのあゆみを
自分じぶんめることのできないことを。
24しゅよ、わたしをらしてください。
ただしいみちにしたがって、いからずにらしてください。
さもないと、わたしはしてしまうでしょう。

25あなたをらない国民くにたみと、
あなたのをとなえない人々ひとびと
あなたのいかりをそそいでください。
かれらはヤコブをつく
これをつくしてほろぼし、
そのすみかをあらしたからです。

第一一章

1しゅからエレミヤにのぞんだ言葉ことばう、 2「この契約けいやく言葉ことばき、ユダの人々ひとびととエルサレムにものげよ。 3かれらにえ、イスラエルのかみしゅはこうおおせられる、この契約けいやく言葉ことばしたがわないひとは、のろわれる。 4この契約けいやくは、わたしがあなたがたの先祖せんぞをエジプトのてつのかまどのなかからみちびしたときに、かれらにめいじたところのものである。すなわち、そのときわたしはかれらにった、わたしのこえき、あなたがたにめいじるすべてのことをおこなうならば、あなたがたはわたしのたみとなり、わたしはあなたがたのかみとなる。 5そして、わたしがあなたがたの先祖せんぞに、ちちみつとのながれるあたえるとちかったことを、なしげると。すなわち今日こんにちのとおりである」。そのときわたしは、「しゅよ、おおせのとおりです」とこたえた。

6しゅはわたしにわれた、「このすべての言葉ことばを、ユダの町々まちまちと、エルサレムのちまたにしめし、この契約けいやく言葉ことばき、これをおこなえ、といなさい。 7わたしは、あなたがたの先祖せんぞをエジプトのからみちびしたときから今日こんにちにいたるまで、おごそかにかれらをいましめ、えずいましめて、わたしのこえしたがうようにとった。 8しかしかれらはしたがわず、そのみみかたむけず、おのおの自分じぶんわる強情ごうじょうこころしたがってあゆんだ。それゆえ、わたしはこの契約けいやく言葉ことばをもってかれらをめた。これはわたしがかれらにおこなえとめいじたが、おこなわなかったものである」。

9しゅはまたわたしにわれた、「ユダの人々ひとびととエルサレムにもののうちに反逆はんぎゃくことがある。 10かれらは、わたしの言葉ことばくことをこばんだその先祖せんぞたちのつみかえり、またほかの神々かみがみしたがってそれにつかえた。イスラエルのいえとユダのいえとは、わたしがその先祖せんぞたちとむすんだ契約けいやくやぶった。 11それゆえしゅはこうわれる、よ、わたしはわざわいかれらのうえくだす。かれらはそれをまぬかれることはできない。かれらがわたしをんでも、わたしはかない。 12ユダの町々まちまちとエルサレムにものは、って、自分じぶんたちがそれにこうをたいている神々かみがみもとめるが、これらは、かれらのわざわいときにもけっしてかれらをすくうことはできない。 13ユダよ、あなたの神々かみがみは、あなたのまちかずほどおおくなった。またあなたがたはエルサレムのちまたのかずほどの祭壇さいだんずべきもののためにてた。すなわちバアルにこうをたくための祭壇さいだんである。

14それゆえ、このたみのためにいのってはならない。またかれらのためにき、あるいはいのもとめてはならない。かれらがそのわざわいときに、わたしにばわっても、わたしはかれらにくことをしないからだ。 15わがあいするものは、わたしのいえなにをするのか。すでにこれは悪事あくじおこなった。誓願せいがん犠牲ぎせいにくとがあなたにわざわいまぬかれさせることができるであろうか。それであなたはよろこぶことができるであろうか。 16しゅはあなたを、かつては『のなるうつくしい青々あおあおとしたオリブの』とばれたが、はげしい暴風ぼうふうのとどろきとともに、しゅはそれにをかけ、そのえだはらわれるのである。 17あなたをえた万軍ばんぐんしゅは、あなたにかってわざわいわたされた。これはイスラエルのいえとユダのいえとがあくおこない、バアルにこうをたいて、わたしをいからせたからである」。


18しゅらせてくださったので、
わたしはそれをった。
そのとき、あなたはかれらのしきわざを
わたしにしめされた。
19しかしわたしは、
ほふられにく、おとなしい小羊こひつじのようで、
かれらがわたしをがいしようと、
はかりごとをめぐらしているのをらなかった。
かれらはう、「さあ、とそのともほろぼそう。
けるものからかれって、
そのひとわすれさせよう」。
20ただしいさばきをし、
ひとこころおもいをさぐられる万軍ばんぐんしゅよ、
わたしは自分じぶんうったえをあなたにおまかせしました。
あなたがかれらにあだをかえされるのをさせてください。

21それゆえしゅはアナトテの人々ひとびとについてこうわれる、かれらはあなたのいのちろうともとめてう、「しゅによって預言よげんしてはならない。それをするならば、あなたはわれわれのにかかってぬであろう」。 22それで万軍ばんぐんしゅはこうわれる、「よ、わたしはかれらをばっする。わかひとはつるぎでに、かれらのむすこむすめは、ききんでに、 23だれものこものはない。わたしがアナトテの人々ひとびとわざわいくだし、かれらをばっするとしをこさせるからである」。

第一二章


1しゅよ、わたしがあなたとろんあらそとき
あなたはつねただしい。
しかしなお、わたしはあなたのまえに、
さばきのことをろんじてみたい。
悪人あくにんみちがさかえ、
不信実ふしんじつものがみな繁栄はんえいするのはなにゆえですか。
2あなたがかれらをえられたので、
かれらはづき、そだって、むすびます。
かれらはくちではあなたにちかづきますが、
こころはあなたからとおざかっています。
3しゅよ、あなたはわたしをり、わたしを
わたしのこころがあなたにたいして
いかにあるかをこころみられます。
ほふるためにひつじすように、かれらをし、
ころにそなえて、かれらをのこしておいてください。
4いつまで、このなげき、
どのはたけ野菜やさいれていてよいでしょうか。
このものあくによって、
けものとりほろびうせます。
人々ひとびといました、
かれはわれわれのおわりをることはない」と。

5「もしあなたが、徒歩とほひと競争きょうそうしてつかれるなら、
どうして騎馬きばひときそうことができようか。
もし安全あんぜんで、あなたがたおれるなら、
ヨルダンの密林みつりんでは、どうするつもりか。
6あなたの兄弟きょうだいたち、あなたのちちいえのものさえ、
あなたをあざむき、大声おおごえをあげて、あなたをっている。
かれらがしたしげにあなたにかたることがあっても、
かれらをしんじてはならない」。

7「わたしはわがいえはなれ、わがぎょうて、
わがたましいあいするものてきわたした。
8わたしのぎょうは、わたしにとって
はやしなかのししのようになった。
これはわたしにかってそのこえをあげる。
それゆえわたしはこれをにくむ。
9わたしのぎょうは、わたしにとって、
斑点はんてんのある猛禽もうきんのようではないか。
猛禽もうきんがこれをかこんでいるではないか。
って、けものをみなあつめ、
れてきてこれをべさせよ。
10おおくの牧者ぼくしゃたちはわたしのぶどうはたけほろぼし、
わたしのあらした。
わたしのうるわしいれたにした。
11かれらはこれをとしてしまった。
そのがわたしにかってなげくのだ。
ぜんにされた。
しかし、ひとりもこれをこころめるものはない。
12ほろぼすものどもが荒野あらののすべての、はげやまうえにきた。
しゅのつるぎが、の、このはてから、かのはてまでをほろぼすのだ。
いのちあるものはやすらかであることができない。
13かれらはむぎをまいて、いばらをる。
苦労くろうしてもなんの利益りえきもない。
かれらはその収穫しゅうかくじるようになる。
しゅはげしいいかりによってである」。

14わたしがわがたみイスラエルにつがせたぎょうれるすべてのわるとなびとについて、しゅはこうわれる、「よ、わたしはかれらをそのからし、ユダのいえかれらのうちからす。 15わたしは、かれらをしたのちに、またかれらをあわれんで、それぞれそのぎょうみちびかえし、おのおのを、そのかえらせる。 16もしかれらがわたしのたみみちまなび、わたしのによって、『しゅきておられる』とってちかうことが、かつてかれらがわたしのたみおしえてバアルをさしてちかわせたようになるならば、かれらはわたしのたみのうちにてられる。 17しかしみみをかさないたみがあるときは、わたしはそのたみしてほろぼすと、しゅわれる」。

第一三章

1しゅはわたしにこうわれた、「って、亜麻あまぬのおびい、こしむすべ。みずにつけてはならない」。 2そこで、わたしはしゅ言葉ことばしたがい、おびってこしむすんだ。 3しゅ言葉ことばは、ふたたびわたしにのぞんでった、 4「あなたがってこしむすんでいるおびり、ってユフラテのかわき、そのところいわにこれをかくせ」。 5わたしはしゅめいじられたように、って、これをユフラテのかわのほとりにかくした。 6おおくのてのち、しゅはわたしにわれた、「って、ユフラテのかわき、あなたにめいじて、そこにかくさせたおびをそのところからってきなさい」。 7そこでわたしはユフラテのかわき、って、かくしたところからおびしたが、そのおびはそこなわれて、やくたなくなっていた。

8そのときしゅ言葉ことばがわたしにのぞんだ、 9しゅはこうおおせられる、これとおなじように、わたしはユダのたかぶりとエルサレムのおおいなるたかぶりを、やぶるのである。 10このしきたみはわたしの言葉ことばくことをこばみ、自分じぶんこころ強情ごうじょうにしてあゆみ、また神々かみがみしたがってこれにつかえ、これをおがんでいる。かれらはこのおびのように、なんのやくにもたなくなる」。 11しゅわれる、「おびひとこしくように、イスラエルのすべてのいえとユダのすべてのいえとをわたしにかせ、これをわたしのたみとし、とし、ほまれとし、さかえとしようとした。しかしかれらはしたがおうともしなかった」。

12「あなたはこの言葉ことばかれらにかたらなければならない、『イスラエルのかみはこうわれる、さけつぼには、みなさけちる』と。かれらはあなたにうであろう、『さけつぼに、みなさけちることをわれわれがらないことがあろうか』と。 13そのとき、あなたはかれらにわなければならない、『しゅはこうわれる、よ、わたしはこのむすべてのものと、ダビデのくらいおうたちと、祭司さいし預言者よげんしゃおよびエルサレムにむすべてのものいをたし、 14かれらをたがいててくだく。ちちをもそのようにすると、しゅわれる。わたしはかれらをあわれまず、しまず、かわいそうともおもわずにほろぼす』と」。
15みみかたむけてけ、たかぶってはならない、
しゅがおかたりになるからである。
16しゅがまだやみをおこされないうちに、
またあなたがたのあし
薄暗うすくらがりのやまにつまずかないうちに、
あなたがたのかみしゅ栄光えいこうせよ。
さもないと、あなたがたがひかりのぞんでいるあいだに、
しゅはそれを暗黒あんこくえ、
それをくらやみとされるからである。
17もしあなたがたがかないならば、
わたしのたましいはひそかなところで、
あなたがたのたかぶりのためにかなしむ。
またしゅれが、かすめられたために、
わたしのはいたくいて、なみだながすのである。

18おう太后たいこうとにげよ、
「あなたがたはひくにすわりなさい。
うるわしいかんむりはすでに
あなたがたのあたまからちてしまったからです」。
19ネゲブの町々まちまちざされて、これをひらひとがない。
ユダはみなとらうつされる、
ことごとくとらうつされる。

20をあげて、きたほうからくるものよ、
あなたにたまわったれ、
あなたのうるわしいれはどこにいるのか。
21かれらがあなたのしたしみれたひとたちを、
あなたのうえててかしらとするとき、
あなたはなにおうとするのか。
あなたのくるしみは、
おんなくるしみのようでないであろうか。
22あなたがこころのうちに、
『どうしてこのようなことが
わたしにったのか』というならば、
あなたのつみおもいゆえに、
あなたの着物きもののすそはあげられ、
はずかしめをけるのだ。
23エチオピヤびとは
その皮膚ひふえることができようか。
ひょうはその斑点はんてんえることができようか。
もしそれができるならば、あくれたあなたがたも、
ぜんおこなうことができる。
24わたしはあなたがたをらし、
かぜらされるもみがらのようにする。
25しゅわれる、これがあなたにさづけられたさだめ、
わたしがはかってあなたにあたえるぶんである。
あなたがわたしをわすれて、
いつわりをたのみとしたからだ。
26わたしはまたあなたの着物きもののすそをかおまであげて、
あなたのはじをあらわす。
27わたしはあなたのにくむべきおこない、
あなたの姦淫かんいんと、いななき、
おかうえおこなったあなたのみだらなおこないをた。
エルサレムよ、あなたはわざわいだ、
あなたのきよめられるのはいつのことであろうか」。

第一四章

1ひでりのことについてエレミヤにのぞんだしゅ言葉ことば
2「ユダはかなしみ、
その町々まちまちもんかたむき、
たみしてなげき、
エルサレムのさけびはあがる。
3そのきみたちは、しもべをつかわしてみずをくませる。
かれらが井戸いどところにきても、みずつからず、
むなしいうつわをもってかえり、
じ、かつ当惑とうわくして、そのあたまをおおう。
4あめらず、つちが、かわいてれたため、
農夫のうふじて、そのあたまをおおう。
5にいるじかでさえもんで、これをてる。
くさがないからである。
6ろばは、はげやまうえって、
山犬やまいぬのようにあえぎ、
くさのないために、そのはくらむ。

7しゅよ、われわれのつみがわれわれをうったえて
不利ふり証言しょうげんをしても、
あなたののために、ことをなしてください。
われわれの背信はいしんかずおおく、
あなたにかってつみおかしました。
8イスラエルののぞみなるしゅよ、
なやみのとき救主すくいぬしよ、
なぜ、あなたはこの異邦いほうひとのようにし、
また一夜いちや宿やどりのためにたびびとのように
なさらねばならないのですか。
9なぜ、あなたは、うろたえているひとのようにし、
またひとすくいえない勇士ゆうしのように
なさらねばならないのですか。
しゅよ、あなたはわれわれのうちにいらせられます。
われわれは、みによってばれているものです。
われわれを見捨みすてないでください」。

10このたみについてしゅはこうわれる、
かれらはこのようにこのんで、さまよい、
そのあしをとどめることをしなかったので、
しゅかれらをよろこばず、
いまそのとがをおぼえ、そのつみばっするのだ」。

11しゅはわたしにわれた、「このたみのためにめぐみをいのってはならない。 12かれらが断食だんじきしても、わたしはかれらのぶのをかない。燔祭はんさい素祭そさいをささげても、わたしはそれをけない。かえって、つるぎと、ききん、および疫病えきびょうをもって、かれらをほろぼしてしまう」。

13わたしはった、「ああ、しゅなるかみよ、預言者よげんしゃたちはこのたみかい、『あなたがたは、つるぎをることはない。ききんもこない。わたしはこのところたしかな平安へいあんをあなたがたにあたえる』とっています」。 14しゅはわたしにわれた、「預言者よげんしゃらはわたしのによっていつわりの預言よげんをしている。わたしはかれらをつかわさなかった。またかれらにめいじたこともなく、はなしたこともない。かれらはいつわりの黙示もくしと、やくたないうらない、および自分じぶんこころでつくりあげたあざむきをあなたがたに預言よげんしているのだ。 15それゆえ、わたしがつかわさないのに、わたしのによって預言よげんして、『つるぎとききんは、このにこない』とっているあの預言者よげんしゃについて、しゅはこうおおせられる、この預言者よげんしゃらは、つるぎとききんにほろぼされる。 16またかれらの預言よげんたみは、ききんとつるぎとによって、エルサレムのちまたにてられる。だれもこれをほうむものはない。かれらとそのつま、およびそのむすこむすめ同様どうようである。わたしがかれらのあくをそのうえそそぐからである。

17この言葉ことばかれらにかたれ、
『わたしのよるひるえずなみだながす。
わがたみむすめであるおとめがおおきなきず
おも打撃だげきによってほろぼされるからである。
18わたしがはたけくと、
つるぎでころされたものがある。
まちにはいると、ききんでんでいるものがある。
預言者よげんしゃ祭司さいしともにそのにさまよって、
るところがない』」。


19あなたはまったくユダをてられたのですか。
あなたのこころはシオンをきらわれるのですか。
あなたはわれわれをったのに、どうしていやしてはくださらないのですか。
われわれは平安へいあんのぞんだが、ことはこなかった。
いやされるときのぞんだが、かえって恐怖きょうふた。
20しゅよ、われわれは自分じぶんあくと、
先祖せんぞのとがとをみとめています。
われわれはあなたにつみおかしました。
21のために、われわれをてないでください。
あなたのさかえあるみくらい
はずかしめないでください。
あなたがわれわれにおてになった契約けいやくおぼえて、
それをやぶらないでください。
22異邦いほういつわりの神々かみがみのうちに、
あめらせうるものがあるであろうか。
てん自分じぶん夕立ゆうだちをらすことができようか。
われわれのかみしゅよ、
あなたこそ、これをなさるかたではありませんか。
われわれののぞむのはあなたです。
あなたがこれらすべてのことをなさるからです。

第一五章

1しゅはわたしにわれた、「たといモーセとサムエルとがわたしのまえっても、わたしのこころはこのたみかえりみない。かれらをわたしのまえからし、ここをらせよ。 2もしかれらが、『われわれはどこにけばよいのか』とあなたにたずねるならば、かれらにいなさい、
しゅはこうおおせられる、
疫病えきびょうさだめられたもの疫病えきびょうに、
つるぎにさだめられたものはつるぎに、
ききんにさだめられたものはききんに、
とりこにさだめられたものはとりこにく』。

3しゅおおせられる、わたしは四つのものをもってかれらをばっする。すなわち、つるぎをもってころし、いぬをもってかませ、そらとりけものをもってほろぼさせる。 4またユダのおうヒゼキヤのマナセが、エルサレムでしたおこないのゆえに、わたしはかれらをのすべてのくにおそれおののくものとする。


5エルサレムよ、だれがあなたをあわれむであろうか。
だれがあなたのためになげくであろうか。
だれがふりかえって、あなたの安否あんぴうであろうか。
6しゅわれる、あなたはわたしをてた。
そしてますます退しりぞいてく。
それゆえ、わたしはべてあなたをほろぼした。
わたしはあわれむことにはきた。
7わたしはこのもんで、
みのかれらをあおぎけた。
かれらがそのみちはなれなかったので、
わたしはかれらのうばい、
わがたみほろぼした。
8わたしはかれらの寡婦かふかず
はまべのすなよりもおおくした。
わたしは真昼まひるに、ほろぼすものれてきて、
若者わかものらのははたちをせめ、
おどろきとおそれを、にわかにははたちにおこした。
9にんんだおんなは、よわおとろえて、いきえ、
まだひるであったが、彼女かのじょぼっした。
彼女かのじょじ、うろたえた。
そののこりのものは、これをてきのつるぎにわたすと
しゅわれる」。

10ああ、わたしはわざわいだ。わがははよ、あなたは、なぜ、わたしをんだのか。全国ぜんこくひとはわたしとあらそい、わたしをめる。わたしはひとしたこともなく、ひとりたこともないのに、みなわたしをのろう。 11しゅよ、もしわたしがかれらの幸福こうふくをあなたにいのもとめず、またてきのため、そのなやみのときと、わざわいのときに、わたしがあなたにとりなしをしなかったのであれば、かれらののろいも、やむをえないでしょう。 12ひとてつを、きたからくるてつ青銅せいどうくだくことができましょうか。

13「わたしはあなたのとみたからを、ぶんどりものとしてほかあたえる。代価だいかけることはできない。それはあなたのすべてのつみによるので、領域りょういきないのいたるところにこのことがおこる。 14わたしはあなたのらないで、あなたのてきつかえさせる。わたしのいかりによっててんじられ、いつまでもつづけるからである」。


15しゅよ、あなたはっておられます。
わたしをおぼえ、わたしをかえりみてください。
わたしを迫害はくがいするものに、あだをかえし、
あなたの寛容かんようによって、
わたしをらないでください。
わたしがあなたのために、
はずかしめをけるのをってください。
16わたしはみ言葉ことばあたえられて、それをべました。
言葉ことばは、わたしによろこびとなり、
こころたのしみとなりました。
万軍ばんぐんかみしゅよ、わたしは、あなたのをもって
となえられているものです。
17わたしはわらいさざめくひとのつどいに
すわることなく、またよろこぶことをせず、
ただひとりですわっていました。
あなたのがわたしのうえにあり、
あなたがいきどおりをもって
わたしをたされたからです。
18どうしてわたしのいたみはまらず、
きずおもくて、なおらないのですか。
あなたはわたしにとって、みずがなくてひとあざむ
谷川たにがわのようになられるのですか。

19それゆえしゅはこうおおせられる、
「もしあなたがかえってくるならば、
もとのようにして、わたしのまえたせよう。
もしあなたが、つまらないことをうのをやめて、
貴重きちょうなことをうならば、
わたしのくちのようになる。
かれらはあなたのところかえってくる。
しかしあなたがかれらのところかえるのではない。
20わたしはあなたをこのたみまえに、
堅固けんご青銅せいどう城壁じょうへきにする。
かれらがあなたをめても、
あなたにつことはできない。
わたしがあなたとともにいて、あなたをたすけ、
あなたをすくうからであると、しゅわれる。
21わたしはあなたを悪人あくにんからすくい、
無慈悲むじひひとからあがなう」。

第一六章

1しゅ言葉ことばはまたわたしにのぞんだ、 2「あなたはこのところつまをめとってはならない。またむすこむすめってはならない。 3このところうまれるむすこむすめと、このでこれをははたちと、これをちちたちとについてしゅはこうわれる、 4かれらはやまいにかかってに、哀悼あいとうするものもなく、埋葬まいそうするものもなく、のおもてに、糞土ふんどのようになる。またつるぎと、ききんにほろぼされて、その死体したいそらとりけものものとなる。

5しゅはこうわれる、のあるいえに、はいってはならない。またって、それをかなしみなげいてはならない。わたしがこのたみからわたしの平安へいあんと、いつくしみと、あわれみとをったからであると、しゅわれる。 6おおいなるものちいさきものも、このぬ。かれらはほうむられず、またかれらのためにかなしむものもなく、自分じぶんきずつけるものもなく、かみをそるものもない。 7かなしむもののためにパンをさいて、死者ししゃのためにこれをなぐさめるものはなく、またちちあるいはははのためになぐさめのさかずきをこれにあたえてませるものもない。 8またあなたは宴会えんかいをするいえにはいって、人々ひとびとともにすわってみしてはならない。 9万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうわれる、よ、あなたのまえで、あなたのなおこのにいるあいだに、わたしはよろこびのこえたのしみのこえ花婿はなむここえ花嫁はなよめこえとをこのところやしてしまう。

10あなたがこのすべての言葉ことばをこのたみげるとき、かれらがあなたにたずねて、『しゅがわれわれにこのおおきなわざわい宣告せんこくされるのはどうしてですか。われわれにどんなわるところがあるのですか。われわれのかみしゅにそむいて、われわれがおかしたつみとはなんですか』とうならば、 11あなたはかれらにこたえなければならない、『しゅおおせられる、それはあなたがたの先祖せんぞがわたしをてて神々かみがみしたがい、これにつかえ、これをはいし、またわたしをて、わたしの律法りっぽうまもらなかったからである。 12あなたがたは、あなたがたの先祖せんぞよりも、いっそうわるいことをした。よ、あなたがたはおのおの自分じぶんわる強情ごうじょうこころしたがい、わたしにしたがうことはしない。 13それゆえ、わたしはあなたがたをこのよりし、あなたがたも、あなたがたの先祖せんぞらないかせる。そのところであなたがたは昼夜ちゅうや、ほかの神々かみがみつかえるようになる。これはわたしがあなたがたにあわれみをしめさないからである』と。

14しゅわれる、それゆえ、よ、こののち『イスラエルのたみをエジプトのからみちびしたしゅきておられる』とはわないで、 15『イスラエルのたみきたくにと、そのすべていやられた国々くにぐにからみちびしたしゅきておられる』というがくる。わたしがかれらを、その先祖せんぞあたえたかれらのみちびきかえすからである。

16しゅわれる、よ、わたしはおおくの漁夫ぎょふんできて、かれらをすなどらせ、また、そののちおおくの猟師りょうしんできて、もろもろのやま、もろもろのおか、およびいわからかれらをかりさせる。 17わたしのかれらのすべてのみちているからである。みなわたしにかくれてはいない。またそのあくはわたしのかくれることはない。 18わたしはそのあくとそのつみむくいを二ばいにする。かれらがそのむべき偶像ぐうぞう死体したいをもって、わたしのけがし、そのにくむべきものをもって、わたしのぎょうたしたからである」。
19しゅ、わがちから、わがしろ
なやみのときの、のがれよ、
万国ばんこくたみはてから
あなたのもとにきてもうします、
「われわれの先祖せんぞいだのは、
ただいつわりと、やくたないつまらないことばかりです。
20ひと自分じぶん神々かみがみつくることができましょうか。
そういうものはかみではありません」。

21「それゆえ、よ、わたしはかれらにらせよう。すなわち、このさいわたしのちからと、わたしのいきおいとをらせよう。かれらはわたしのが、しゅであることをるようになる」。

第一七章

1「ユダのつみは、てつふで金剛石こんごうせきのとがりをもってしるされ、かれらのこころいしぶみと、祭壇さいだんつのりつけられている。 2かれらの子供こどもたちはあおしたと、たかおかうえやまうえにある祭壇さいだんとアシラのことをおぼえている。 3わたしはあなたのとみとすべてのたからとを、あなたのぜん領域りょういきうちおかしたつみ代価だいかとして、ぶんどりものとならせる。 4わたしがあなたにあたえたぎょうからあなたはをはなすようになる。またわたしは、あなたのらないで、あなたのてきつかえさせる。わたしのいかりによって、てんじられ、いつまでもつづけるからである」。

5しゅはこうわれる、
「おおよそひとたのみとしにくなるもの自分じぶんうでとし、
そのこころしゅはなれているひとは、のろわれる。
6かれ荒野あらのそだちいさいのように、
なにいことのるのをない。
荒野あらのの、干上ひあがったところみ、
ひとまないしおにいる。
7おおよそしゅにたより、
しゅたのみとするひとはさいわいである。
8かれみずのほとりにえたのようで、
そのかわにのばし、
あつさにあってもおそれることはない。
そのつねあおく、
ひでりのねんにもうれえることなく、
えずむすぶ」。

9こころはよろずのものよりもいつわるもので、
はなはだしくあくまっている。
だれがこれを、よくることができようか。
10しゅであるわたしはこころさぐり、おもいをこころみる。
おのおのに、そのみちにしたがい、
そのおこないのによってむくいをするためである」。

11しゃこが自分じぶんんだのではないたまごくように、
不正ふせい財産ざいさんものがある。
そのひと一生いっしょうなかばにそれからはなれて、
そのおわりにはおろかなものとなる。

12はじめからたかくあげられたさかえあるみは、
われわれの聖所せいじょのあるところである。
13またイスラエルののぞみであるしゅよ、
あなたをてるものはみなはじをかき、
あなたをはなれるものつちをしるされます。
それはけるみずみなもとであるしゅてたからです。

14しゅよ、わたしをいやしてください、
そうすれば、わたしはいえます。
わたしをおすくいください、
そうすれば、わたしはすくわれます。
あなたはわたしのほめたたえるものだからです。
15かれらはわたしにいます、
しゅ言葉ことばはどこにあるのか。
いま、それをしてせよ」と。
16あくをつかわされるようにとは、
わたしはたってもとめませんでした。
またわざわいねがわなかったのを、
あなたはごぞんじです。
わたしのくちびるからたことは、みまえにあります。
17どうか、わたしをおそれさせないでください。
わざわいのときに、あなたはわたしののがれです。
18わたしをなやますものをはずかしめてください。
しかしわたしをはずかしめないでください。
かれらをおそれさせてください。
しかしわたしをおそれさせないでください。
わざわいかれらにきたらせ、
ほろびをばいにしてかれらをほろぼしてください。

19しゅはわたしにこうわれた、「って、ユダのおうたちの出入でいりするベニヤミンのもん、およびエルサレムのすべてのもんって、 20いなさい、『これらのもんからはいるユダのおうたち、およびユダのすべてのたみとエルサレムにむすべてのものよ、しゅ言葉ことばきなさい。 21しゅはこうわれる、いのちしいならばをつけるがよい。安息日あんそくにちをたずさえ、またはそれをってエルサレムのもんにはいってはならない。 22また安息日あんそくにちにあなたがたのいえからはこしてはならない。なんのわざをもしてはならない。わたしがあなたがたの先祖せんぞめいじたように安息日あんそくにち聖別せいべつしてまもりなさい。 23しかしかれらはしたがわずみみかたむけず、くことも、いましめをうけることをも強情ごうじょうこばんだ。

24しゅわれる、もしあなたがたがわたしにしたがい、安息日あんそくにちをたずさえてこのまちもんにはいらず、安息日あんそくにち聖別せいべつして、なんのわざをもしないならば、 25ダビデのくらいするおうたち、つかさたち、ユダの人々ひとびと、エルサレムにものは、くるまうまってこのまちもんからはいることができる。そしてこのまちにはながひとむようになる。 26また人々ひとびとはユダの町々まちまちやエルサレムの周囲しゅうい、ベニヤミンの平地へいち山地さんちおよびネゲブから燔祭はんさい犠牲ぎせい素祭そさい乳香にゅうこう感謝祭かんしゃさいをたずさえてしゅいえにはいる。 27しかし、もしあなたがたがわたしにしたがわないで、安息日あんそくにち聖別せいべつしてまもることをせず、安息日あんそくにちをたずさえてエルサレムのもんにはいるならば、わたしはをそのもんなかやして、エルサレムのもろもろの宮殿きゅうでんほろぼす。そのえることがない』」。

第一八章

1しゅからエレミヤにのぞんだ言葉ことば 2って、陶器とうきいえくだってきなさい。そのところでわたしはあなたにわたしの言葉ことばかせよう」。 3わたしは陶器とうきいえくだってった。るとかれは、ろくろで仕事しごとをしていたが、 4粘土ねんどつくっていたうつわが、そのひとなか仕損しそんじたので、かれ自分じぶんのままに、それをもってほかのうつわつくった。

5そのときしゅ言葉ことばがわたしにのぞんだ、 6しゅおおせられる、イスラエルのいえよ、この陶器とうきがしたように、わたしもあなたがたにできないのだろうか。イスラエルのいえよ、陶器とうき粘土ねんどがあるように、あなたがたはわたしののうちにある。 7あるときには、わたしがたみまたはくにく、やぶる、ほろぼすということがあるが、 8もしわたしのったくにがそのあくはなれるならば、わたしはこれにわざわいくだそうとしたことをおもいかえす。 9またあるときには、わたしがたみまたはくにてる、えるということがあるが、 10もしそのくにがわたしのあくえることをおこない、わたしのこえしたがわないなら、わたしはこれにさいわいあたえようとしたことをおもいかえす。 11それゆえ、ユダの人々ひとびととエルサレムにものいなさい、『しゅはこうおおせられる、よ、わたしはあなたがたにわざわいくだそうと工夫くふうし、あなたがたをめるはかりごとをてている。あなたがたはおのおのそのしきみちはなれ、そのみちおこないをあらためなさい』と。

12しかしかれらはう、『それはむだです。われわれは自分じぶんはかるところにしたがい、おのおのそのわる強情ごうじょうこころにしたがって行動こうどうします』と。
13それゆえしゅはこうわれる、
異邦いほうたみのうちのあるものたずねてみよ、
このようなこといたものがあろうか。
おとめイスラエルはおそろしいことをした。
14レバノンのゆきが、
どうしてシリオンのいわはなれようか。
やまみずつめたいかわながれが、
どうしてかわいてしまおうか。
15それなのにわがたみはわたしをわすれて、
いつわりの神々かみがみこうをたいている。
かれらはそのみちふるみちにつまずき、
また小道こみちり、大路おおじからはなれた。
16自分じぶんれすたれさせて、
いつまでもひと舌打したうちされるものとした。
そこをとおひとはみな身震みぶるいして、くびる。
17わたしは東風ひがしかぜのように、かれらをそのてきまえらす。
そのほろびのには、
わたしはかれらにけ、かおけない」。

18かれらはった、「さあ、計略けいりゃくをめぐらして、エレミヤをたおそう。祭司さいしには律法りっぽうがあり、知恵ちえあるものにははかりごとがあり、預言者よげんしゃには言葉ことばがあって、これらのものがほろびてしまうことはない。さあ、われわれはしたをもってかれとう。かれのすべての言葉ことばに、こころめないことにしよう」。


19しゅよ、どうぞわたしにみこころめ、
わたしのうったえをおきください。
20あくをもってぜんむくいるべきでしょうか。
しかもなおかれらはわたしのいのちろうとして
あなりました。
わたしがあなたのまえって、
かれらのことをい、
あなたのいきどおりをめようとしたのを
おぼえてください。
21それゆえ、かれらのどもたちをききんにわたし、
かれらをつるぎのわたしてください。
かれらのつまうしない、また寡婦かふとなり、
おとこ疫病えきびょうにかかってに、
わかものは、戦争せんそうでつるぎにころされますように。
22あなたがてきをにわかにかれらにのぞませられるとき、
かれらのいえからさけごえきこえますように。
かれらはあなって、わたしをとらえようとし、
わなをつくって、わたしのあし
とらえようとしたからです。
23しゅよ、あなたはかれらがわたしをころすために
めぐらしている計略けいりゃくみなごぞんじです。
そのあくをゆるすことなく、
そのつみをあなたのまえかららないでください。
かれらをあなたのまえたおれさせてください。
あなたのおいかりになるときかれらをばっしてください。

第一九章

1しゅはこうわれる、「って、陶器とうきのびんをい、たみ長老ちょうろう年長ねんちょう祭司さいしのうちの数人すうにんともなって、 2瀬戸せとかけのもん入口いりぐちにあるベンヒンノムのたにき、そのところで、わたしがあなたにかた言葉ことばをのべて、 3いなさい、『ユダのおうたち、およびエルサレムにものよ、しゅ言葉ことばきなさい。万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうおおせられる、よ、わたしはわざわいをこのところくだす。おおよそ、そのわざわいのことをくもののみみ両方りょうほうともる。 4かれらがわたしをて、このところけがし、このところで、自分じぶん先祖せんぞたちもユダのおうたちもらなかった神々かみがみこうをたき、かつつみのないものを、このところたしたからである。 5またかれらはバアルのためにたかところきずき、をもって自分じぶんどもたちをき、燔祭はんさいとしてバアルにささげた。これはわたしのめいじたことではなく、さだめたことでもなく、またおもいもしなかったことである。 6しゅわれる、それゆえ、よ、このところをトペテまたはベンヒンノムのたにばないで、虐殺ぎゃくさつたにがくる。 7またわたしはこのところでユダとエルサレムのはかりごとをやぶり、つるぎをもって、かれらをそのてきまえと、そのいのちをもとめるものたおれさせ、またその死体したいそらとりけものものとし、 8かつ、このまちれすたれさせて、ひと舌打したうちされるものとする。そこをとおひとみなそのもろもろのわざわい身震みぶるいし、舌打したうちする。 9またかれらがそのてきとそのいのちもとめるものとにかこまれてくるしみなやとき、わたしはかれらに自分じぶんのむすこのにくむすめにくべさせる。かれらはまたたがいにそのともにくべるようになる』。

10そこで、あなたは、一緒いっしょ人々ひとびとまえで、そのびんをくだき、 11そしてかれらにいなさい、『万軍ばんぐんしゅはこうおおせられる、陶器とうきうつわをひとたびくだくならば、もはやもとのようにすることはできない。このようにわたしはこのたみとこのまちとをくだく。人々ひとびとはほかにほうむるべき場所ばしょがないために、トペテにほうむるであろう。 12しゅおおせられる、わたしはこのところと、ここにものとにこのようにし、このまちをトペテのようにする。 13エルサレムのいえとユダのおうたちのいえ、すなわちかれらがその屋上おくじょうてんしゅうぐんこうをたき、ほかの神々かみがみさけそそいだいえは、みなトペテのところのようにけがされる』」。

14エレミヤはしゅかれをつかわして預言よげんさせられたトペテからかえってきて、しゅいえにわち、すべてのたみった、 15万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうおおせられる、よ、わたしは、このまちとそのすべての村々むらむらに、わたしのったもろもろのわざわいくだす。かれらが強情ごうじょうで、わたしの言葉ことばしたがおうとしないからである」。

第二〇章

1さて祭司さいしインメルので、しゅみやのつかさのちょうであったパシュルは、エレミヤがこれらのこと預言よげんするのをいた。 2そしてパシュルは預言者よげんしゃエレミヤをち、しゅみやにあるうえのベニヤミンのもんあしかせにつないだ。 3その翌日よくじつパシュルがエレミヤをあしかせからはなしたとき、エレミヤはかれった、「しゅはあなたのをパシュルとはばないで、『おそれが周囲しゅういにある』とばれる。 4しゅはこうおおせられる、よ、わたしはあなたを、あなた自身じしんとあなたのすべてのともだちにおそれをおこさせるものとする。かれらはあなたがているまえてきのつるぎにたおれる。わたしはまたユダのすべてのたみをバビロンおうわたす。かれかれらをとらえてバビロンにうつし、つるぎをもってころす。 5わたしはまたこのまちのすべてのとみと、そのたすべてのものと、そのすべての貴重きちょうものと、ユダのおうたちのすべての宝物ほうもつをそのてきわたす。かれらはこれをかすめ、たみとらえてバビロンにうつす。 6パシュルよ、あなたと、あなたのいえものとはみなとらうつされる。あなたはバビロンにって、そのところに、そのところほうむられる。あなたも、あなたがいつわって預言よげんした言葉ことばしたがったとももみなそのようになる」。


7しゅよ、あなたがわたしをあざむかれたので、
わたしはそのあざむきにしたがいました。
あなたはわたしよりもつよいので、
わたしをせられたのです。
わたしは一日いちにちぢゅう物笑ものわらいとなり、
ひとはみなわたしをあざけります。
8それは、わたしがかたり、ばわるごとに、
暴虐ぼうぎゃく滅亡めつぼう」とさけぶからです。
しゅ言葉ことば一日いちにちぢゅう
わがのはずかしめと、あざけりになるからです。
9もしわたしが、「しゅのことは、かさねてわない、
このうえそのによってかたことはしない」とえば、
しゅ言葉ことばがわたしのこころにあって、える
わがほねのうちにじこめられているようで、
それをおさえるのにつかれはてて、
えることができません。
10おおくのひとのささやくのをくからです。
おそれが四方しほうにあります。
告発こくはつせよ。さあ、かれ告発こくはつしよう」とって、
わがしたしいともみな
わたしのつまずくのを、うかがっています。
また、「かれあざむかれるだろう。
そのとき、われわれはかれって、
あだをかえすことができる」といます。
11しかししゅつよ勇士ゆうしのように
わたしとともにおられる。
それゆえ、わたしにせまりくるものはつまずき、
わたしにつことはできない。
かれらは、なしげることができなくて、
おおいにはじをかく。
そのはじは、いつまでもわすれられることはない。
12ただしきものこころみ、
ひとこころおもいをられる万軍ばんぐんしゅよ、
あなたがかれらに、
あだをかえされるのをせてください。
わたしはあなたに、わたしのうったえを
まかせしたからです。

13しゅかってうたい、しゅをほめたたえよ。
しゅまずしいものいのちを、
悪人あくにんからすくわれたからである。

14わたしのうまれたはのろわれよ。
ははがわたしをんだ祝福しゅくふくけるな。
15わたしのちちに「おとこが、うまれました」とげて、
かれおおいによろこばせたひとは、のろわれよ。
16そのひとは、しゅのあわれみをけることなく、
ほろぼされたまちのようになれ。
あさには、かれさけびをかせ、
ひるにはたたかいのこえかせよ。
17かれがわたしを胎内たいないころさず、
わがははをわたしの墓場はかばとなさず、
そのたいをいつまでもおおきくしなかったからである。
18なにゆえにわたしは胎内たいないてきて、
なやみとかなしみにい、はじけて一生いっしょうごすのか。

第二一章

1ゼデキヤおうは、マルキヤのパシュルと祭司さいしマアセヤのゼパニヤを、エレミヤのもとにつかわし、 2「バビロンのおうネブカデレザルがわれわれをめようとしているゆえ、われわれのためにしゅたずねてほしい。しゅはそのもろもろの不思議ふしぎなわざをもって、われわれをたすけ、バビロンのおうをわれわれから退しりぞかせられるかもれない」とわせた。そのときしゅ言葉ことばがエレミヤにのぞんだ。

3エレミヤはかれらにこたえてった、「あなたがたはゼデキヤにこのようにいなさい、 4『イスラエルのかみしゅはこうおおせられる、よ、あなたがたが、この城壁じょうへきそとにあって、あなたがたをかこむバビロンのおうおよびカルデヤびととたたかうとき、わたしはあなたがたのっている武器ぶきをとりあげ、これをまちなかあつめさせる。 5わたしはべ、つようでをもって、いかり、いきどおり、はげしくいかって、あなたがたをめる。 6わたしはまたこのまちひとけものとをつ。かれらはみなおも疫病えきびょうにかかってぬ。 7しゅわれる、こののち、わたしはユダのおうゼデキヤとその家来けらいたち、および疫病えきびょうと、つるぎと、ききんをまぬかれて、このまちのこっているたみを、バビロンのおうネブカデレザルのと、そのてき、およびそのいのちもとめるものわたす。バビロンのおうはつるぎのにかけてかれらをち、かれらをしまず、かえりみず、またあわれむこともしない』。

8あなたはまたこのたみいなさい、『しゅはこうおおせられる、よ、わたしはいのちみちみちとをあなたがたのまえく。 9このまちにとどまるものは、つるぎと、ききんと、疫病えきびょうとでぬ。しかし、って、あなたがたをかこんでいるカルデヤびとに降伏こうふくするものまぬかれ、そのいのち自分じぶんのぶんどりものとなる。 10しゅわれる、わたしがこのまちかおけたのはさいわいあたえるためではなく、わざわいあたえるためである。このまちはバビロンのおうわたされる。かれをもって、これをはらう』。

11またユダのおういえいなさい、『しゅ言葉ことばきなさい。 12ダビデのいえよ、しゅはこうおおせられる、
あさごとに、ただしいさばきをおこない、
ものうばわれたひとをしえたげるものからすくえ。
そうしないと、あなたがたのわるおこないのために、
わたしのいかりはのようにえて、
それをすことはできない』」。

13しゅわれる、たにものよ、平原へいげんいわよ、
よ、わたしはあなたにてきする。
あなたがたはう、
『だれがくだってきて、われわれをめるものか、
だれがわれわれのいるところに、はいるものか』と。
14わたしはあなたがたを、
そのおこないのによってばっする。
またそのはやしをつけて、
その周囲しゅういのものをみなつくすと、しゅわれる」。

第二二章

1しゅはこうわれる、「ユダのおういえくだり、そのところにこの言葉ことばをのべて、 2いなさい、『ダビデのくらいにすわるユダのおうよ、あなたと、あなたの家臣かしん、および、このもんからはいるあなたのたみしゅ言葉ことばきなさい。 3しゅはこうわれる、公平こうへい正義せいぎおこない、ものうばわれたひとを、しえたげるものからすくい、異邦いほうひと孤児こじ寡婦かふなやまし、しえたげてはならない。またこのところに、つみなきものながしてはならない。 4もしあなたがたがこの言葉ことば真実しんじつおこなうならば、ダビデのくらいにすわるおうとその家臣かしん、およびそのたみは、くるまうまって、このいえもんにはいることができる。 5しかしあなたがたがこの言葉ことばかないならば、わたしは自身じしんをさしてちかうが、このいえとなると、しゅわれる。 6しゅはユダのおういえについてこうわれる、
あなたはわたしにたいしてギレアデのようであり、
レバノンのいただきのようである。
しかし、わたしはかならずあなたをにし、
ひとまないまちにする。
7わたしはほろぼすものもうけて、あなたをめさせる、
かれらはおのおのその武器ぶきをとり、
あなたのうるわしい香柏こうはくたおし、
れる。

8おおくのくにひとはこのまちぎ、たがいかたって、「なぜしゅはこのおおいなるまちをこのようにされたのか」とうとき、 9ひとこたえて、「これはかれらがそのかみしゅ契約けいやくてて神々かみがみはいし、これにつかえたからである」とうであろう』」。


10んだもののためにくことなく、
またそのためになげいてはならない。
とらうつされてゆくもののために、はげしくけ。
かれはふたたびかえってきて、
その故郷こきょうることがないからである。

11ユダのおうヨシヤのシャルムはちちヨシヤについでおうとなったが、ついにこのところからった。しゅかれについてこうわれる、「かれふたたびここにかえらない。 12かれはそのとらかれたところに、ふたたびこのない」。


13不義ふぎをもってそのいえて、
不法ふほうをもってその高殿たかどのつくり、
となびとやとってなにをもあたえず、
その賃金ちんぎんはらわないものはわざわいである。
14かれう、『わたしは自分じぶんのためにおおきないえて、
ひろ高殿たかどのつくろう』と。
そしてこれがためにまどつくり、
香柏こうはく鏡板かがみいたでおおい、それをしゅる。
15あなたはきそって香柏こうはくもちいることによって、
おうであるとおもうのか。
あなたのちちみし、
公平こうへい正義せいぎおこなって、さいわいたのではないか。
16かれまずしいひととぼしいひとうったえをただして、
さいわいをた。
こうすることがわたしをることではないかと
しゅわれる。
17しかし、あなたはこころも、
不正ふせい利益りえきのためにのみもちい、
つみなきものながそうとし、
圧制あっせい暴虐ぼうぎゃくおこなおうとする」。

18それゆえ、しゅはユダのおうヨシヤのエホヤキムについてこうわれる、
人々ひとびとは『かなしいかな、わがあに』、
かなしいかな、わがあね』とって、
かれのためになげかない。
また『かなしいかな、主君しゅくんよ』、
かなしいかな、陛下へいかよ』とってなげかない。
19ろばがめられるように、かれほうむられる。
かれてって、
エルサレムのもんそとてられる」。

20「レバノンにのぼってばわり、
バシャンにあなたのこえをあげ、
アバリムからばわれ。
あなたのあいするものがみなほろぼされるからだ。
21あなたのさかえていたとき、わたしはあなたにかたったが
きたくはない』とった。
あなたがわたしのこえしたがわないことは、
あなたのおさなときからの、ならわしであった。
22あなたの牧者ぼくしゃはみな、かぜてられ、
あなたのあいするものとらうつされる。
そのとき、あなたは自分じぶんのもろもろのあくのために、
じ、うろたえる。
23レバノンにみ、
香柏こうはくなかをつくっているものよ、
おんなのぞくるしみのような苦痛くつう
あなたにのぞむとき、
あなたはどんなになげくことであろうか」。

24しゅわれる、わたしはきている。ユダのおうエホヤキムのコニヤが、わたしの右手みぎて指輪ゆびわであっても、わたしはあなたをる。 25あなたのいのちもとめるもの、あなたがそのかおおそれるもの、すなわちバビロンのおうネブカデレザルのと、カルデヤびとのにあなたをわたす。 26わたしは、あなたと、あなたをんだははを、あなたがたのうまれたくにでないくにいやる。あなたがたはそこでぬ。 27かれらがかえりたいとせつにねがくにに、かれらはふたたかえることができない」。
28このひとコニヤは
いやしむべき、こわれたつぼであろうか、
だれもこころめないうつわであろうか。
なぜかれとその子孫しそんいやられて、
らないげやられるのか。
29ああ、よ、よ、よ、
しゅ言葉ことばけよ。
30しゅはこうわれる、
「このひとを、なきひととして、
またその一生いっしょうのうち、
さかえることのないひととして記録きろくせよ。
その子孫しそんのうち、ひとりもさかえて、
ダビデのくらいにすわり、
ユダをおさめるものがふたたおこらないからである」。

第二三章

1しゅわれる、「わが牧場まきばひつじほろぼしらす牧者ぼくしゃはわざわいである」。 2それゆえイスラエルのかみしゅはわがたみやしな牧者ぼくしゃについてこうわれる、「あなたがたはわたしのれをらし、これをいやってかえりみなかった。よ、わたしはあなたがたのしきおこないによってあなたがたにむくいると、しゅわれる。 3わたしのれののこったものを、いやったすべてのからあつめ、ふたたびこれをそのおりにかえらせよう。かれらはんでそのかずおおくなる。 4わたしはこれをやしな牧者ぼくしゃをそのうえてる、かれらはふたたおそれることなく、またおののくことなく、いなくなることもないと、しゅわれる。

5しゅおおせられる、よ、わたしがダビデのために一つのただしいえだおこがくる。かれおうとなっておさめ、さかえて、公平こうへい正義せいぎおこなう。 6そのユダはすくい、イスラエルはやすらかにおる。そのは『しゅはわれわれの正義せいぎ』ととなえられる。

7しゅわれる、それゆえよ、人々ひとびとは『イスラエルのたみをエジプトのからみちびされたしゅきておられる』とまたわないで、 8『イスラエルのいえ子孫しそんきたと、そのすべていやられたからみちびされたかみきておられる』というがくる。そのときかれらは自分じぶんんでいる」。

9預言者よげんしゃたちについて。
わがこころはわたしのうちにやぶれ、
わがほねはみなふるう。
しゅとそのせいなる言葉ことばのために、
わたしはっているひとのよう、
さけかされたひとのようである。
10この姦淫かんいんおこなうものがちているからだ。
のろいによってなげき、荒野あらの牧場まきばはかわく。
かれらのみちわるく、そのちからただしくない。
11預言者よげんしゃ祭司さいしとはともかみけがものである。
わたしのいえにおいてすら
かれらのあくたと、しゅわれる。
12それゆえ、かれらのみちは、
おのずから暗黒あんこくなかにある
なめらかなみちのようになり、
かれらはされてそのみちたおれる。
わたしがかれらのばっせられるとしに、
わざわいをそのうえのぞませるからであると、しゅわれる。
13わたしはサマリヤの預言者よげんしゃのうちに
不快ふかいことのあるのをた。
かれらはバアルによって預言よげんし、
わがたみイスラエルをまどわした。
14しかしエルサレムの預言者よげんしゃのうちには、
おそろしいことのあるのをた。
かれらは姦淫かんいんおこない、いつわりにあゆみ、
悪人あくにんつよくし、
ひとをそのあくからはなれさせない。
かれらはみなわたしにはソドムのようであり、
そのたみはゴモラのようである」。
15それゆえ万軍ばんぐんしゅ預言者よげんしゃについてこうわれる、
よ、わたしはかれらに、にがよもぎをべさせ、
どくみずませる。
かみけがすことがエルサレムの預言者よげんしゃからて、
ぜんおよんでいるからである」。

16万軍ばんぐんしゅはこうわれる、「あなたがたに預言よげんする預言者よげんしゃ言葉ことばいてはならない。かれらはあなたがたに、むなしいのぞみをいだかせ、しゅくちからたのでない、自分じぶんこころ黙示もくしかたるのである。 17かれらはしゅ言葉ことばかるんじるものかってえず、『あなたがたは平安へいあんる』とい、また自分じぶん強情ごうじょうこころにしたがってあゆむすべてのひとかって、『あなたがたにわざわいはこない』とう」。


18かれらのうちだれかしゅ議会ぎかいって、
その言葉ことば見聞みききしたものがあろうか。
だれかみみかたむけてその言葉ことばいたものがあろうか。
19よ、しゅ暴風ぼうふうがくる。
いきどおりと、つむじかぜて、悪人あくにんのこうべをうつ。
20しゅいかりは、みこころおもさだめられたことを
なしげられるまで退しりぞくことはない。
すえにあなたがたはそれをあきらかにさとる。

21預言者よげんしゃたちはわたしがつかわさなかったのに、
かれらははしった。
わたしが、かれらにげなかったのに、
かれらは預言よげんした。
22もしかれらがわたしの議会ぎかいったのであれば、
わたしのたみにわが言葉ことばしめして、
そのわるみちわるおこないから、はなれさせたであろうに。

23しゅわれる、わたしはただちかくのかみであって、とおくのかみではないのであるか。 24しゅわれる、ひとは、ひそかなところかくして、わたしにられないようにすることができようか。しゅわれる、わたしはてんとにちているではないか。 25わがによっていつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちが、『わたしはゆめた、わたしはゆめた』とうのをいた。 26いつわりを預言よげんする預言者よげんしゃたちのこころに、いつまでいつわりがあるのであるか。かれらはそのこころあざむきを預言よげんする。 27かれらはその先祖せんぞがバアルにしたがってわがわすれたように、たがいゆめかたって、わたしのたみにわがわすれさせようとする。 28ゆめをみた預言者よげんしゃゆめかたるがよい。しかし、わたしの言葉ことばけたもの誠実せいじつにわたしの言葉ことばかたらなければならない。わらとむぎとをくらべることができようかと、しゅわれる。 29しゅおおせられる、わたしの言葉ことばのようではないか。またいわくだつちのようではないか。 30それゆえよ、わたしはわたしの言葉ことばたがいぬす預言者よげんしゃてきとなると、しゅわれる。 31よ、わたしは、『しゅいたもう』としたをもってかた預言者よげんしゃてきとなると、しゅわれる。 32しゅおおせられる、よ、わたしはいつわりのゆめ預言よげんするものてきとなる。かれらはそれをかたり、またそのいつわりと大言たいげんをもってわたしのたみまどわす。わたしがかれらをつかわしたのではなく、またかれらにめいじたのでもない。それでかれらはこのたみにすこしもえきにならないと、しゅわれる。

33このたみのひとり、または預言者よげんしゃ、または祭司さいしがあなたに、『しゅ重荷おもにはなんですか』とうならば、かれらにこたえなさい、『あなたがたがその重荷おもにです。そしてしゅは、あなたがたをてるとっておられます』と。 34そして、『しゅ重荷おもに』とうその預言者よげんしゃ祭司さいし、またはたみのひとりを、その家族かぞくともにわたしはばっする。 35あなたがたは、みなたがいに、となびとに、また兄弟きょうだいに、こうわなければならない、『しゅはなんとこたえられましたか』、『しゅはなんとわれましたか』と。 36しかしかさねて『しゅ重荷おもに』とってはならない。重荷おもにひとおのおのの自分じぶん言葉ことばだからである。あなたがたはけるかみ万軍ばんぐんしゅなるわれわれのかみ言葉ことばげるものである。 37あなたは預言者よげんしゃにこうわなければならない、『しゅはあなたになんとこたえられましたか』、『しゅはなんとわれましたか』と。 38もしあなたがたが『しゅ重荷おもに』とうならば、しゅはこうおおせられる、『わたしがひとをあなたがたにつかわして、あなたがたは「しゅ重荷おもに」とってはならないとわせたのに、あなたがたは「しゅ重荷おもに」という言葉ことばったので、 39わたしはかならずあなたがたをとらうつさせ、あなたがたとあなたがたの先祖せんぞとにあたえたこのまちと、あなたがたとを、わたしのまえからる。 40そして、わすれられることのない永遠えいえんのはずかしめと永遠えいえんはじを、あなたがたにこうむらせる』」。

第二四章

1バビロンのおうネブカデレザルがユダのおうエホヤキムのエコニヤおよびユダのきみたちと工匠こうしょう鍛冶かじをエルサレムからバビロンにうつしてのちしゅはわたしにこのまぼろしをおしめしになった。よ、しゅみやまえかれているいちじくをった二つのかごがあった。 2その一つのかごには、はじめてじゅくしたような非常ひじょういいちじくがあり、ほかのかごには非常ひじょうわるくてべられないほどのわるいいちじくがれてあった。 3しゅはわたしに、「エレミヤよ、なにるか」とわれた。わたしは、「いちじくです。そのいいちじくは非常ひじょうによく、わるいほうのいちじくは非常ひじょうわるくて、べられません」とこたえた。

4しゅ言葉ことばがまたわたしにのぞんだ、 5「イスラエルのかみしゅはこうおおせられる、このところからカルデヤびとのいやったユダのとらわれびとを、わたしはこのいいちじくのようにかえりみてめぐもう。 6わたしはかれらにをかけてこれをめぐみ、かれらをこのかえし、かれらをててたおさず、えてかない。 7わたしはかれらにわたしがしゅであることをこころあたえよう。かれらはわたしのたみとなり、わたしはかれらのかみとなる。かれらは一心いっしんにわたしのもとにかえってくる。

8しゅはこうおおせられる、わたしはユダのおうゼデキヤとそのつかさたち、およびエルサレムのひとのこってこのにいるもの、ならびにエジプトのんでいるものを、このわるくてべられないわるいいちじくのようにしよう。 9わたしはかれらをのもろもろのくにで、みきらわれるものとし、またわたしのいやるすべてのところで、はずかしめにわせ、ことわざとなり、あざけりと、のろいにわせる。 10わたしはつるぎと、ききんと、疫病えきびょうかれらのうちにおくって、ついにかれらをわたしがかれらとその先祖せんぞとにあたえたからえさせる」。

第二五章

1ユダのおうヨシヤのエホヤキムの四ねん(バビロンのおうネブカデレザルの元年がんねん)にユダのすべてのたみについての言葉ことばがエレミヤにのぞんだ。 2預言者よげんしゃエレミヤはこの言葉ことばをユダのすべてのたみとエルサレムにむすべてのひとげてった、 3「ユダのおうアモンのヨシヤの十三ねんから今日こんにちにいたるまで二十三ねんあいだしゅ言葉ことばがわたしにのぞんだ。わたしはたゆまずにそれをあなたがたにかたってきたが、あなたがたはかなかった。 4しゅはたゆまず、そのしもべである預言者よげんしゃを、あなたがたにつかわされたが、あなたがたはかずまたみみかたむけてこうともしなかった。 5かれらはった、『あなたがたはおのおのいまそのあくみちわるおこないをてなさい。そうすればしゅむかしからあなたがたと先祖せんぞたちとにあたえられた永遠えいえんむことができる。 6あなたがたは、ほかのかみしたがって、それにつかえ、それをおがんではならない。あなたがたのつくったものをもって、わたしをいからせてはならない。このようなことをしないなら、わたしはあなたがたをそこなうことはない』と。 7しかしあなたがたはわたしにしたがわず、あなたがたのつくったものをもって、わたしをいからせてみずかがいまねいたと、しゅわれる。

8それゆえ万軍ばんぐんしゅはこうおおせられる、あなたがたがわたしの言葉ことばしたがわないゆえ、 9よ、わたしはきたほうのすべての種族しゅぞくと、わたしのしもべであるバビロンのおうネブカデレザルをせて、このとそのたみと、そのまわりの国々くにぐにほろぼさせ、これをみきらわれるものとし、ひとわらいものとし、永遠えいえんのはずかしめとすると、しゅわれる。 10またわたしはよろこびのこえたのしみのこえ花婿はなむここえ花嫁はなよめこえ、ひきうすのおと、ともしびのひかりかれらのなかえさせる。 11このはみなほろぼされてとなる。そしてその国々くにぐには七十ねんあいだバビロンのおうつかえる。 12しゅわれる、七十ねんおわったのちに、わたしはバビロンのおうと、そのたみと、カルデヤびとのを、そのつみのためにばっし、永遠えいえんとする。 13わたしはあのについて、わたしがかたったすべての言葉ことばをそのうえのぞませる。これはエレミヤが、万国ばんこくのことについて預言よげんしたものであって、みなこのしょにしるされている。 14おおくの国々くにぐに偉大いだいおうたちとは、かれらをさえ奴隷どれいとしてつかえさせる。わたしはかれらのおこないと、そののわざにしたがってむくいる」。

15イスラエルのかみしゅはわたしにこうおおせられた、「わたしのから、このいかりのさかずきけて、わたしがあなたをつかわす国々くにぐにたみませなさい。 16かれらはんで、よろめきくるう。これはわたしがかれらのうちに、つるぎをつかわそうとしているからである」。

17こうしてわたしはしゅからさかずきけ、しゅがわたしをつかわされた国々くにぐにたみませた。 18すなわちエルサレムとユダのすべてのまちと、そのおうたちおよびそのつかさたちにませて、それらをほろぼし、とし、ひとわらいものとし、のろわれるものとした。今日こんにちのとおりである。 19またエジプトのおうパロとその家来けらいたち、そのきみたち、そのすべてのたみと、 20もろもろの寄留きりゅう異邦人いほうじん、およびウズののすべてのおうたち、およびペリシテびとののすべてのおうたち、(アシケロン、ガザ、エクロン、アシドドののこりのもの)、 21エドム、モアブ、アンモンの子孫しそん 22ツロのすべてのおうたち、シドンのすべてのおうたち、うみのかなたの海沿うみぞいのおうたち、 23デダン、テマ、ブズおよびすべてかみのすみずみをそるもの 24アラビヤのすべてのおうたち、荒野あらの雑種ざっしゅたみのすべてのおうたち、 25ジムリのすべてのおうたち、エラムのすべてのおうたち、メデアのすべてのおうたち、 26きたのすべてのおうたちのとおものちかものもつぎつぎに、またすべてのおもてにある国々くにぐにおうたちもこのさかずきむ。そしてかれらのつぎにバビロンのおうもこれをむ。

27「それであなたはかれらにいなさい、『万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうおおせられる、め、ってけ、たおれてふたたつな、わたしがあなたがたのうちに、つるぎをつかわすからである』」。

28「もしかれらがあなたのからさかずきけてむことをしないならば、あなたはかれらにいなさい、『万軍ばんぐんしゅはこうおおせられる、あなたがたはかならまなければならない。 29よ、わたしのをもってばれるこのまちにさえわざわいくだすのだ。どうしてあなたがたがばつまぬかれることができようか。あなたがたはばつまぬかれることはできない。わたしがつるぎをせて、むすべてのものめるからであると、万軍ばんぐんしゅおおせられる』。

30それゆえ、あなたはかれらにこのすべての言葉ことば預言よげんしていなさい、
しゅたかところからばわり、
そのせいなるすまいからこえし、
自分じぶんのすみかにかっておおいにばわり、
むすべてのものかって
ぶどうをもののようにさけばれる。
31さけびははてにまでひびきわたる。
しゅ国々くにぐにあらそい、
すべてのにくなるものをさばき、
悪人あくにんをつるぎにわたすからであると、しゅわれる』。
32万軍ばんぐんしゅはこうおおせられる、
よ、くにからくにわざわいく。
おおきなあらしがはてからおこる。

33そのしゅころされる人々ひとびとは、のこのはてから、かのはておよぶ。かれらはかなしまれず、あつめられず、またほうむられずに、のおもてに糞土ふんどとなる。
34牧者ぼくしゃよ、なげさけべ、
れのかしらたちよ、はいなかにまろべ。
あなたがたのほふられる
らされるたからだ。
あなたがたはえらけられた雄羊おひつじのようにたおれる。
35牧者ぼくしゃには、のがれなく、
れのかしらたちはげるところがない。
36牧者ぼくしゃさけごえと、
れのかしらたちのなげきのこえきこえる。
しゅかれらの牧場まきばほろぼしておられるからだ。
37しゅはげしいいかりによって、
平和へいわ牧場まきばれていく。
38ししのようにかれはそのた。
しゅのつるぎと、そのはげしいいかりによって、
かれらのとなった」。

第二六章

1ユダのおうヨシヤのエホヤキムがおさめたはじめのころ、しゅからこの言葉ことばがあった、 2しゅはこうおおせられる、しゅみやにわち、わたしがあなたにめいじてわせるすべての言葉ことばを、しゅみやれいはいするためにているユダの町々まちまち人々ひとびとげなさい。ひとことをものこしておいてはならない。 3かれらがいて、おのおのそのわるみちはなれることがあるかもれない。そのとき、わたしはかれらのおこないのわるいために、わざわいかれらにくだそうとしたのをおもいなおす。 4あなたはかれらにいなさい、『しゅはこうおおせられる、もしあなたがたがわたしにしたがわず、わたしがあなたがたのまえさだめおいた律法りっぽうおこなわず、 5わたしがあなたがたに、しきりにつかわすわたしのしもべである預言者よげんしゃ言葉ことばしたがわないならば、(あなたがたはしたがわなかったが、) 6わたしはこのみやをシロのようにし、またこのまち万国ばんこくにのろわれるものとする』」。

7祭司さいし預言者よげんしゃおよびすべてのたみは、エレミヤがしゅみやでこれらの言葉ことばかたるのをいた。 8エレミヤがしゅめいじられたすべての言葉ことばたみおわったとき祭司さいし預言者よげんしゃおよびたみはみなかれとらえてった、「あなたはななければならない。 9なぜあなたはしゅによって預言よげんし、このみやはシロのようになり、このまちあらされてひともなくなるであろうとったのか」と。たみはみなしゅみやあつまってエレミヤをかこんだ。

10ユダのつかさたちはこのこといておう宮殿きゅうでんしゅみやのぼり、しゅみやの「あたらしいもん」の入口いりぐちした。 11祭司さいし預言者よげんしゃらは、つかさたちとすべてのたみうったえてった、「このひと死刑しけいしょすべきものです。あなたがたが自分じぶんみみかれたように、このまちさからう預言よげんをしたのです」。

12そのときエレミヤは、つかさたちとすべてのたみった、「しゅはわたしをつかわし、このみやとこのまちにむかって、預言よげんをさせられたので、そのすべての言葉ことばをあなたがたはいた。 13それで、あなたがたはいま、あなたがたのみちおこないをあらため、あなたがたのかみしゅこえしたがいなさい。そうするならばしゅはあなたがたにわざわいくだそうとしたことをおもいなおされる。 14よ、わたしはあなたがたのなかにある。あなたがたのに、いとえ、ただしいとおもうことをわたしにおこなうがよい。 15ただあきらかにこのことをっておきなさい。もしあなたがたがわたしをころすならば、つみなきものはあなたがたのと、このまちと、その住民じゅうみんとにする。まことにしゅがわたしをつかわして、このすべての言葉ことばをあなたがたのみみに、げさせられたからである」。

16つかさたちと、すべてのたみとは、祭司さいし預言者よげんしゃった、「このひと死刑しけいしょすべきものではない。われわれのかみしゅによってわれわれにかたったのである」。 17そのときこの長老ちょうろうたち数人すうにんって、そこにあつまっているすべてのものげてった、 18「ユダのおうヒゼキヤのに、モレシテびとミカはユダのすべてのたみ預言よげんしてった、『万軍ばんぐんしゅはこうおおせられる、
シオンははたけのようにたがやされ、
エルサレムは石塚いしづかとなり、
みややまのおいしげたかところとなる』。
19ユダのおうヒゼキヤと、すべてのユダのひとかれころそうとしたことがあろうか。ヒゼキヤはしゅおそれ、しゅめぐみをもとめたので、しゅかれらにわざわいくだすとおげになったのをおもいなおされたではないか。しかし、われわれは、自分じぶんおおきなわざわいまねこうとしている」。

20しゅによって預言よげんしたひとがほかにもあった。すなわちキリアテ・ヤリムのシマヤのウリヤである。かれはエレミヤとおなじような言葉ことばをもって、このまちとこのにむかって預言よげんした。 21エホヤキムおうと、そのすべての勇士ゆうしと、すべてのつかさたちはその言葉ことばいた。そしておうかれころそうとおもったが、ウリヤはこれをいておそれ、エジプトにげてったので、 22エホヤキムおうひとをエジプトにつかわした。すなわちアクボルのエルナタンとすうめいひとを、エジプトにつかわした。 23かれらはウリヤをエジプトからし、エホヤキムおうのもとにれてきたので、おうはつるぎをもってかれころし、その死体したい共同きょうどう墓地ぼちてさせた。

24しかしシャパンのアヒカムはエレミヤをたすけ、たみわたされてころされることのないようにした。

第二七章

1ユダのおうヨシヤのゼデキヤがおさはじめたころ、この言葉ことばしゅからエレミヤにのぞんだ。 2すなわちしゅはこうわたしにおおせられた、「つなと、くびきとをつくって、それをあなたのくびにつけ、 3エルサレムにいるユダのおうゼデキヤのところ使者ししゃたちによって、エドムのおう、モアブのおう、アンモンびとのおう、ツロのおう、シドンのおういおくりなさい。 4かれらの主君しゅくんにこのいのちつたえさせなさい、『万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうおおせられる、あなたがたは主君しゅくんにこのようにげなければならない。 5わたしはおおいなるちからべたうでとをもって、うえにいるひとけものとをつくったものである。そしてこころのままにひとあたえる。 6いまわたしはこのすべてのくにを、わたしのしもべであるバビロンのおうネブカデネザルのあたえ、またけものをもかれあたえてかれつかえさせた。 7かれときがくるまで、万国民ばんこくみんかれとそのとそのまごつかえる。そのときがくるならば、おおくのくにおおいなるおうたちとがかれ自分じぶん奴隷どれいにする。

8バビロンのおうネブカデネザルにつかえず、バビロンのおうのくびきを自分じぶんくびわないたみくにとは、わたしがつるぎと、ききんと、疫病えきびょうをもってばっし、ついにはかれによってことごとくほろぼすとしゅわれる。 9それで、あなたがたの預言者よげんしゃうらなゆめみるものほうじゅつ魔法使まほうつかいが、「あなたがたはバビロンのおうつかえることはない」とっても、いてはならない。 10かれらはあなたがたにいつわりを預言よげんして、あなたがたを自分じぶんくにからとおはなれさせ、わたしに、あなたがたをしてあなたがたをほろぼさせるのである。 11しかしバビロンのおうのくびきをくびって、かれつかえる国民こくみんを、わたしはその故国ここくのこらせ、それをたがやして、そこにまわせるとしゅわれる』」。

12わたしはユダのおうゼデキヤにもおなじようにった、「あなたがたは、バビロンのおうのくびきを自分じぶんくびって、かれとそのたみとにつかえ、そしてきなさい。 13どうしてあなたと、あなたのたみとが、しゅがバビロンのおうつかえない国民こくみんについてわれたように、つるぎと、ききんと、疫病えきびょうんでよかろうか。 14あなたがたはバビロンのおうつかえることはないとあなたがたにげる預言者よげんしゃ言葉ことばいてはならない。かれらがあなたがたに預言よげんしていることはいつわりであるからだ。 15しゅわれる、わたしがかれらをつかわしたのではないのに、かれらはわたしのによっていつわって預言よげんしている。そのために、わたしはあなたがたをはらい、あなたがたと、あなたがたに預言よげんする預言者よげんしゃたちをほろぼすようになるのだ」。

16わたしはまた祭司さいしとこのすべてのたみとにかたってった、「しゅはこうおおせられる、『よ、しゅみやうつわいま、すみやかに、バビロンからかえされてくる』とあなたがたに預言よげんする預言者よげんしゃ言葉ことばいてはならない。それは、かれらがあなたがたに預言よげんしていることはいつわりであるからだ。 17かれらのいうことをいてはならない。バビロンのおうつかえ、そしてきなさい。どうしてこのまちとなってよかろうか。 18もしかれらが預言者よげんしゃであって、しゅ言葉ことばかれらのうちにあるのであれば、しゅみやとユダのおう宮殿きゅうでんとエルサレムとにのこされているうつわが、バビロンにうつされないように、万軍ばんぐんしゅに、とりなしをねがうべきだ。 19万軍ばんぐんしゅはしらうみだい、そのこのまちのこっているうつわについて、こうおおせられる。 20これはバビロンのおうネブカデネザルが、ユダのおうエホヤキムのエコニヤ、およびユダとエルサレムのすべての身分みぶんたっと人々ひとびととらえてエルサレムからバビロンにうつしたときに、らなかったうつわである。―― 21すなわち万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみは、しゅみやとユダのおう宮殿きゅうでんとエルサレムとにのこされているうつわについて、こうおおせられる。 22これらはバビロンにたずさかれ、わたしがかえりみるまでそこにおかれている。そののち、わたしはこれらのものを、このところたずさかえらせるとしゅわれる」。

第二八章

1そのねん、すなわちユダのおうゼデキヤの治世ちせいはじめ、そのだいねんの五がつ、ギベオン出身しゅっしん預言者よげんしゃであって、アズルのであるハナニヤは、しゅみや祭司さいしとすべてのたみまえでわたしにかたってった、 2万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうおおせられる、わたしはバビロンのおうのくびきをくだいた。 3ねんうちに、バビロンのおうネブカデネザルが、このところからってバビロンにたずさえてったしゅみやうつわを、みなこのところかえらせる。 4わたしはまたユダのおうエホヤキムのエコニヤと、バビロンにったユダのすべてのとらわれびとをこのところかえらせる。それは、わたしがバビロンのおうのくびきを、くだくからであるとしゅわれる」。

5そこで預言者よげんしゃエレミヤはしゅみやのうちにっている祭司さいしとすべてのたみまえで、預言者よげんしゃハナニヤにった。 6すなわち預言者よげんしゃエレミヤはった、「アァメン。どうかしゅがこのようにしてくださるように。どうかあなたの預言よげんした言葉ことば成就じょうじゅして、バビロンにたずさえてったしゅみやうつわとすべてのとらわれびとを、しゅがバビロンからふたたびこのところかえらせてくださるように。 7ただし、いまわたしがあなたとすべてのたみいているところかたるこの言葉ことばきなさい。 8わたしと、あなたのさき預言者よげんしゃは、むかしから、おおくのおおきなくにについて、たたかいと、ききんと、疫病えきびょうこと預言よげんした。 9平和へいわ預言よげんする預言者よげんしゃは、その預言者よげんしゃ言葉ことば成就じょうじゅするとき、真実しんじつしゅがその預言者よげんしゃをつかわされたのであることがられるのだ」。

10そこで預言者よげんしゃハナニヤは預言者よげんしゃエレミヤのくびから、くびきをって、それをくだいた。 11そしてハナニヤは、すべてのたみまえかたり、「しゅはこうおおせられる、『わたしは二ねんのうちに、このように、万国民ばんこくみんくびからバビロンのおうネブカデネザルのくびきをはなしてくだく』」とった。預言者よげんしゃエレミヤはってった。

12預言者よげんしゃハナニヤが預言者よげんしゃエレミヤのくびから、くびきをはなしてくだいたのち、しばらくしてしゅ言葉ことばがエレミヤにのぞんだ、 13って、ハナニヤにげなさい、『しゅはこうおおせられる、あなたはのくびきをくだいたが、わたしはそれにえててつのくびきをつくろう。 14万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうおおせられる、わたしはてつのくびきをこの万国民ばんこくみんくびいて、バビロンのおうネブカデネザルにつかえさせる。かれらはこれにつかえる。わたしはけものをもかれあたえた』」。 15預言者よげんしゃエレミヤはまた預言者よげんしゃハナニヤにった、「ハナニヤよ、きなさい。しゅがあなたをつかわされたのではない。あなたはこのたみいつわりをしんじさせた。 16それゆえしゅおおせられる、『わたしはあなたをのおもてからのぞく。あなたはしゅたいする反逆はんぎゃくかたったので、いまとしのうちにぬのだ』と」。

17預言者よげんしゃハナニヤはそのねんの七がつんだ。

第二九章

1これは預言者よげんしゃエレミヤがエルサレムから、かのとらうつされた長老ちょうろうたち、およびネブカデネザルによってエルサレムからバビロンにとらうつされた祭司さいし預言者よげんしゃならびにすべてのたみおくった手紙てがみきしるした言葉ことばである。 2それはエコニヤおう太后たいこう宦官かんがんおよびユダとエルサレムのつかさたち、および工匠こうしょう鍛冶かじとがエルサレムをってのちにかれたものであって、 3エレミヤはその手紙てがみをシャパンのエラサおよびヒルキヤのゲマリヤのによっておくった。この人々ひとびとはユダのおうゼデキヤがバビロンにかせ、バビロンのおうネブカデネザルのもとにつかわしたものであった。その手紙てがみにはつぎのようにいてあった。 4万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみは、すべてとらうつされたもの、すなわち、わたしがエルサレムから、バビロンにとらうつさせたものに、こうう、 5あなたがたはいえてて、それにみ、はたけつくってその産物さんぶつべよ。 6つまをめとって、むすこむすめみ、また、そのむすこによめをめとり、むすめをとつがせて、むすこむすめむようにせよ。そのところであなたがたのかずし、ってはならない。 7わたしがあなたがたをとらうつさせたところのまち平安へいあんもとめ、そのためにしゅいのるがよい。そのまち平安へいあんであれば、あなたがたも平安へいあんるからである。 8万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうわれる、あなたがたのうちにいる預言者よげんしゃうらなまどわされてはならない。またかれらのゆめしたがってはならない。 9それは、かれらがわたしのによってあなたがたにいつわりを預言よげんしているからである。わたしがかれらをつかわしたのではないとしゅわれる。

10しゅはこうわれる、バビロンで七十ねんちるならば、わたしはあなたがたをかえりみ、わたしの約束やくそくはたし、あなたがたをこのところみちびかえる。 11しゅわれる、わたしがあなたがたにたいしていだいている計画けいかくはわたしがっている。それはわざわいあたえようというのではなく、平安へいあんあたえようとするものであり、あなたがたに将来しょうらいあたえ、希望きぼうあたえようとするものである。 12そのとき、あなたがたはわたしにばわり、て、わたしにいのる。わたしはあなたがたのいのりく。 13あなたがたはわたしをたずもとめて、わたしにう。もしあなたがたが一心いっしんにわたしをたずもとめるならば、 14わたしはあなたがたにうとしゅわれる。わたしはあなたがたの繁栄はんえい回復かいふくし、あなたがたを万国ばんこくから、すべてわたしがあなたがたをいやったところからあつめ、かつ、わたしがあなたがたをとらわれはなれさせたそのもとのところに、あなたがたをみちびかえろうとしゅわれる。

15あなたがたは、『しゅはバビロンでわれわれのために預言者よげんしゃたちをおこされた』とったが、―― 16しゅはダビデのくらいしているおうと、このまちむすべてのたみで、あなたがたとともとらうつされなかった兄弟きょうだいたちについて、こうわれる、 17万軍ばんぐんしゅはこうわれる、よ、わたしは、つるぎと、ききんと、疫病えきびょうかれらにおくり、かれらをわるくてべられないくさったいちじくのようにしてしまう。 18わたしはつるぎと、ききんと、疫病えきびょうをもってかれらのあとをい、またかれらを万国ばんこくみきらわれるものとなし、わたしがかれらをいやる国々くにぐにで、のろいとなり、おそれとなり、物笑ものわらいとなり、はずかしめとならせる。 19それはかれらがわたしの言葉ことばしたがわなかったからであるとしゅわれる。わたしはこの言葉ことばを、わたしのしもべである預言者よげんしゃたちによって、しきりにおくったが、あなたがたはこうともしなかったとしゅわれる』。―― 20わたしがエルサレムからバビロンにおくったあなたがたすべてのとらわれびとよ、しゅ言葉ことばきなさい、 21『わたしのによって、あなたがたにいつわりを預言よげんしているコラヤのアハブと、マアセヤのゼデキヤについて万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうおおせられる、よ、わたしはかれらをバビロンのおうネブカデレザルのわたす。おうはあなたがたのまえかれらをころす。 22バビロンにいるユダのとらわれびとみなかれらのを、のろいの言葉ことばもちいて、「しゅがあなたをバビロンのおういたゼデキヤとアハブのようにされるように」という。 23それは、かれらがイスラエルのうちでおろかなことをし、となりつま不義ふぎおこない、わたしがめいじたのでないいつわりの言葉ことばを、わたしのによってかたったことによるのである。わたしはそれをっており、またその証人しょうにんであるとしゅわれる』」。

24ネヘラムびとシマヤにあなたはいなさい、 25万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうおおせられる、あなたは自分じぶんでエルサレムにいるすべてのたみと、マアセヤの祭司さいしゼパニヤおよびすべての祭司さいし手紙てがみおくってう、 26しゅ祭司さいしエホヤダにかわってあなたを祭司さいしとし、しゅみやをつかさどらせ、すべてくるい、かつ預言よげんするものあしかせとくびかせにつながせられる。 27そうであるのに、どうしてあなたは、あなたがたに預言よげんしているアナトテのエレミヤをいましめないのか。 28かれはバビロンにいるわれわれのところ手紙てがみおくって、とらわれのときはなおながいゆえ、あなたがたはいえててそこにみ、はたけつくってその産物さんぶつべよとってきた』」。

29祭司さいしゼパニヤはこの手紙てがみ預言者よげんしゃエレミヤにかせた。 30そのときしゅ言葉ことばがエレミヤにのぞんだ、 31「すべてのとらわれびとおくっていなさい、ネヘラムびとシマヤのことについてしゅはこうおおせられる、わたしはシマヤをつかわさなかったのに、かれがあなたがたに預言よげんしていつわりをしんじさせたので、 32しゅはこうおおせられる、よ、わたしはネヘラムびとシマヤとその子孫しそんばっする。かれしゅたいする反逆はんぎゃくかたったゆえ、かれぞくするもので、このたみのうちにみ、わたしが自分じぶんたみおこなおうとしていることるものはひとりもいない」。

第三〇章

1しゅからエレミヤにのぞんだ言葉ことば 2「イスラエルのかみしゅはこうおおせられる、わたしがあなたにかたった言葉ことばを、ことごとく書物しょもつにしるしなさい。 3しゅわれる、よ、わたしがわがたみイスラエルとユダの繁栄はんえい回復かいふくするる。しゅがこれをわれる。わたしはかれらを、その先祖せんぞあたえたかえらせ、かれらにこれをたもたせる」。

4これはしゅがイスラエルとユダについてわれた言葉ことばである。
5しゅはこうおおせられる、
われわれはおののきのこえいた。
おそれがあり、平安へいあんはない。
6おとこがあるか、たずねてみよ。
どうしておとこがみなおんなのように
こしにおくのをわたしはるのか。
なぜ、どのひと顔色かおいろあおかわっているのか。
7かなしいかな、そのおおいなるであって、
それにくらべるべきはない。
それはヤコブのなやみのときである。
しかしかれはそれからすくされる。

8万軍ばんぐんしゅおおせられる、そのわたしはかれらのくびからそのくびきをくだはなし、かれらの束縛そくばくく。異邦いほうひとはもはや、かれらを使役しえきすることをしない。 9かれらはそのかみしゅと、わたしがかれらのためにてるそのおうダビデにつかえる。
10しゅおおせられる、
わがしもべヤコブよ、おそれることはない、
イスラエルよ、おどろくことはない。
よ、わたしがあなたをすくって、とおくからかえし、
あなたの子孫しそんすくって、
そのとらうつされたからかえすからだ。
ヤコブはかえってきて、おだやかにやすらかにおり、
かれおそれさせるものはない。
11しゅわれる、
わたしはあなたとともにいて、あなたをすくう。
わたしはあなたをらした国々くにぐに
ことごとくほろぼしつくす。
しかし、あなたをほろぼしつくすことはしない。
わたしはただしいみちしたがってあなたをらしめる。
けっしてばっしないではおかない。

12しゅはこうおおせられる、
あなたのいたみはいえず、あなたのきずおもい。
13あなたのうったえを支持しじするものはなく、
あなたのきずをつつむくすりはなく、
あなたをいやすものもない。
14あなたのあいするものみなあなたをわすれて
あなたのことこころめない。
それは、あなたのとががおおく、
あなたのつみがはなはだしいので、
わたしがあだをつようにあなたをち、
残忍ざんにんてきのようにらしたからだ。
15なぜ、あなたのきずのためにさけぶのか、
あなたのなやみはいえることはない。
あなたのとががおおく、
あなたのつみがはなはだしいので、
これらのことをわたしはあなたにしたのである。
16しかし、すべてあなたをほろぼすもの
ほろぼされ、
あなたをしえたげるものは、
ひとりのこらず、とらうつされ、
あなたをかすめるものは、かすめられ、
すべてあなたのものうばものうばわれるものとなる。
17しゅわれる、
わたしはあなたの健康けんこう回復かいふくさせ、
あなたのきずをいやす。
それは、ひとがあなたをてられたものとよび、
『だれもこころめないシオン』というからである。

18しゅはこうおおせられる、
よ、わたしはヤコブの天幕てんまくふたたさかえさせ、
そのすまいにあわれみをほどこす。
まちは、そのおかてなおされ、
宮殿きゅうでんはもとっていたところつ。
19感謝かんしゃうたよろこものこえとが、そのなかからる。
わたしがかれらをすゆえ、かれらはすくなくはなく、
またかれらをたっとばれしめるゆえ、
いやしめられることはない。
20そのらは、いにしえのようになり、
その会衆かいしゅうはわたしのまえかたつ。
すべてかれらをしえたげるものをわたしはばっする。
21そのきみかれ自身じしんのうちのひとりであり、
そのつかさは、そのうちからる。
わたしはかれをわたしにちかづけ、かれはわたしにちかづく。
だれか自分じぶんいのちをかけて
わたしにちかづくものがあろうかと
しゅわれる。
22あなたがたは、わたしのたみとなり、
わたしはあなたがたのかみとなる」。

23よ、しゅ暴風ぼうふうがくる。
いきどおりと、つむじかぜて、悪人あくにんのこうべをうつ。
24しゅはげしいいかりは、
こころおもさだめられたことをおこなって、
これをげるまで、退しりぞくことはない。
すえにあなたがたはこれをさとるのである。

第三一章

1しゅわれる、そのときわたしはイスラエルの全部ぜんぶぞくかみとなり、かれらはわたしのたみとなる」。
2しゅはこうわれる、
「つるぎをのがれてのこったたみは、
荒野あらのめぐみをた。
イスラエルが安息あんそくもとめたとき
3しゅとおくからかれあらわれた。
わたしはかぎりなきあいをもってあなたをあいしている。
それゆえ、わたしはえずあなたに
真実しんじつをつくしてきた。
4イスラエルのおとめよ、
ふたたびわたしはあなたをてる、あなたはてられる。
あなたはふたたつづみをもってかざり、
って、よろこたのしむものともおどる。
5またあなたはぶどうのをサマリヤのやまえる。
えるものは、えてそのべることができる。
6見守みまもものがエフライムのやまうえって
ばわるる。
って、シオンにのぼり、
われわれのかみしゅに、もうでよう』と」。

7しゅはこうおおせられる、
「ヤコブのためによろこんでこえたかうたい、
万国ばんこくのかしらのためにさけごえをあげよ。
しめし、ほめたたえてえ、
しゅはそのたみイスラエルののこりのものすくわれた』と。
8よ、わたしはかれらをきたくにからかえり、
かれらをはてからあつめる。
かれらのうちには、盲人もうじんやあしなえ、
妊婦にんぷ産婦さんぷともにいる。
かれらはおおきなれとなって、ここにかえってくる。
9かれらはかなしんでかえってくる。
わたしはなぐさめながらかれらをみちびかえる。
かれらがつまずかないように、まっすぐなみちにより、
みずながれのそばをとおらせる。
それは、わたしがイスラエルのちちであり、
エフライムはわたしの長子ちょうしだからである。

10万国ばんこくたみよ、あなたがたはしゅ言葉ことばき、
これをとおい、海沿うみぞいのしめしていなさい、
『イスラエルをらしたものがこれをあつめられる。
牧者ぼくしゃがそのれをまもるようにこれをまもられる』と。
11すなわちしゅはヤコブをあがない、
かれらよりもつよものからかれすくいだされた。
12かれらはてシオンのやまこえたかうたい、
しゅからたまわったもののために、
穀物こくもつさけあぶらおよびわかひつじうしのために、
よろこびにかがやく。
そのたましいうるおそののようになり、
かれらはかさねてうれえることがない。
13そのときおとめたちはってたのしみ、
わかものいたものともたのしむ。
わたしはかれらのかなしみをよろこびにかえ、
かれらをなぐさめ、うれいのかわりによろこびをあたえる。
14わたしはおおくのささげもので、祭司さいしこころかせ、
わたしのもので、わたしのたみらせると
しゅわれる」。

15しゅはこうおおせられる、
なげかなしみ、いたくこえがラマできこえる。
ラケルがそのらのためになげくのである。
らがもはやいないので、
彼女かのじょはそのらのことでなぐさめられるのをねがわない」。
16しゅはこうおおせられる、
「あなたはこえをとどめ、
からなみだをながすことをやめよ。
あなたのわざにむくいがある。
かれらはてきからかえってくるとしゅわれる。
17あなたの将来しょうらいには希望きぼうがあり、
あなたの子供こどもたちは自分じぶんくにかえってくると
しゅわれる。
18わたしはたしかに、エフライムが
こうってなげくのいた、
『あなたはわたしをこらしめられた、
わたしはくびきにれないうしのように
こらしめをうけた。
しゅよ、あなたはわたしのかみしゅでいらせられる、
わたしをかえって、もとにかえしてください。
19わたしはそむきったのちい、
おしえをうけたのち、ももをった。
わかときのはずかしめがにあるので、
わたしはじ、うろたえた』。
20しゅわれる、
エフライムはわたしのあいする
わたしのよろこであろうか。
わたしはかれについてかたるごとに、
なおかれわすれることができない。
それゆえ、わたしのこころかれをしたっている。
わたしはかならかれをあわれむ。
21みずからのためにみちしるべをき、
みずからのために標柱ひょうちゅうてよ。
大路おおじに、あなたのとおってったみちこころめよ。
イスラエルのおとめよ、かえれ、
これらの、あなたの町々まちまちかえれ。
22不信ふしんむすめよ、いつまでさまようのか。
しゅうえあたらしいこと創造そうぞうされたのだ、
おんなおとこ保護ほごすることである」。

23万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうわれる、「わたしがかれらをふたたさかえさせるとき人々ひとびとはまたユダのとその町々まちまちでこの言葉ことばう、
正義せいぎのすみかよ、せいなるやまよ、
どうかしゅがおまえを祝福しゅくふくしてくださるように』。
24ユダとそのすべてのまちひと、および農夫のうふれをってあるまわものともにそこにむ。 25わたしがつかれたたましいらせ、すべてなやんでいるたましいなぐさめるからである」。

26ここでわたしはをさましたが、わたしのねむりは、ここちよかった。

27しゅわれる、よ、わたしがひとたねけものたねとをイスラエルのいえとユダのいえとにまくる。 28わたしはかれらをき、くだき、たおし、ほろぼし、なやまそうとちかまえていたように、またかれらをて、えようとちかまえているとしゅわれる。 29そのときかれらはもはや、
ちちがすっぱいぶどうをべたので、
どものがうく』
とはわない。 30ひとはめいめい自分じぶんつみによってぬ。すっぱいぶどうをべるひとはみな、そのがうく。

31しゅわれる、よ、わたしがイスラエルのいえとユダのいえとにあたらしい契約けいやくてるる。 32この契約けいやくはわたしがかれらの先祖せんぞをそのをとってエジプトのからみちびしたてたようなものではない。わたしはかれらのおっとであったのだが、かれらはそのわたしの契約けいやくやぶったとしゅわれる。 33しかし、それらののちにわたしがイスラエルのいえてる契約けいやくはこれである。すなわちわたしは、わたしの律法りっぽうかれらのうちにき、そのこころにしるす。わたしはかれらのかみとなり、かれらはわたしのたみとなるとしゅわれる。 34ひとはもはや、おのおのそのとなりとその兄弟きょうだいおしえて、『あなたはしゅりなさい』とはわない。それは、かれらがしょうよりだいいたるまでみな、わたしをるようになるからであるとしゅわれる。わたしはかれらの不義ふぎをゆるし、もはやそのつみおもわない」。
35しゅはこうわれる、すなわち
太陽たいようあたえてひるひかりとし、
つきほしとをさだめてよるひかりとし、
うみをかきてて、そのなみりとどろかせるもの――
その万軍ばんぐんしゅという。
36しゅわれる、
「もしこのさだめがわたしのまえですたれてしまうなら、
イスラエルの子孫しそんもすたって、
永久えいきゅうにわたしのまえたみであることはできない」。
37しゅはこうわれる、
「もしうえてんはかることができ、
したもといさぐることができるなら、
そのとき、わたしはイスラエルのすべての子孫しそん
そのもろもろのおこないのためにると
しゅわれる」。
38しゅわれる、「よ、このまちが、ハナネルのとうからすみもんまで、しゅのために再建さいけんされるときる。 39はかりなわはそれよりもとおくまっすぐにびて、ガレブのおかたっし、ゴアのほうにかう。 40死体したいはいとのたに全部ぜんぶ、またキデロンのたにくまでと、ひがしのほうのうまもんのすみにくまでとのすべてのはたけはみなしゅせいなるところとなり、永遠えいえんにわたって、ふたたびかれ、またたおされることはない」。

第三二章

1ユダのおうゼデキヤの十ねん、すなわちネブカデレザルの十八ねんに、しゅ言葉ことばがエレミヤにのぞんだ。 2そのとき、バビロンのおう軍勢ぐんぜいがエルサレムをかこんでいて、預言者よげんしゃエレミヤはユダのおう宮殿きゅうでんにある監視かんしにわのうちに監禁かんきんされていた。 3ユダのおうゼデキヤがかれめたのであるが、おうった、「なぜあなたは預言よげんしてうのか、『しゅはこうおおせられる、よ、わたしはこのまちをバビロンのおうわたし、かれはこれをる。 4またユダのおうゼデキヤはカルデヤびとのをのがれることなく、かならずバビロンのおうわたされ、かおかおわせてかれかたり、あいまみえる。 5そしてかれはゼデキヤをバビロンにいていき、ゼデキヤは、わたしがかれかえりみるときまで、そこにいるとしゅわれる。あなたがたは、カルデヤびととたたかってもつことはできない』と」。

6エレミヤはった、「しゅ言葉ことばがわたしにのぞんでわれる、 7よ、あなたのおじシャルムのハナメルがあなたのところう、「アナトテにあるわたしのはたけいなさい。それは、これをり、あがなう権利けんりがあなたにあるから」と』。 8はたしてしゅ言葉ことばのように、わたしのいとこであるハナメルが監視かんしにわのうちにいるわたしのところった、『ベニヤミンののアナトテにあるわたしのはたけってください。所有しょゆうするのも、あがなうのも、あなたの権利けんりなのです。ってあなたのものにしてください。これがしゅ言葉ことばであるのをわたしはっていました』。

9そこでわたしは、いとこのハナメルからアナトテにあるはたけり、ぎん十七シケルをはかってかれ支払しはらった。 10すなわち、わたしはその証書しょうしょをつくって、これに記名きめいし、それを封印ふういんし、証人しょうにんて、はかりをもってぎんはかってあたえた。 11そしてわたしはその約定やくじょうをしるして封印ふういんした買収ばいしゅう証書しょうしょと、封印ふういんのないうつしとをり、 12いとこのハナメルと、買収ばいしゅう証書しょうしょ記名きめいした証人しょうにんたち、および監視かんしにわにすわっているすべてのユダヤひとまえで、その証書しょうしょをマアセヤのであるネリヤのバルクにあたえ、 13かれらのまえで、わたしはバルクにめいじてった、 14万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうおおせられる、これらの証書しょうしょすなわち、この買収ばいしゅう証書しょうしょ封印ふういんしたものと、封印ふういんのないうつしとをり、これらをつちうつわれて、なが保存ほぞんせよ。 15万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみがこうわれるからである、「この人々ひとびとはまたいえはたけとぶどうはたけうようになる」と』。

16わたしは買収ばいしゅう証書しょうしょをネリヤのバルクにわたしたあとでしゅいのってった、 17『ああしゅなるかみよ、あなたはおおいなるちからと、べたうでをもっててんをおつくりになったのです。あなたのできないことは、ひとつもありません。 18あなたはいつくしみを千万にんほどこし、またちちつみをそののちの子孫しそんむくいられるのです。あなたはおおいなる全能ぜんのうかみでいらせられ、その万軍ばんぐんしゅもうされます。 19あなたのはかりごとはおおきく、また、ことおこなうのにちからがあり、あなたの人々ひとびとあゆむすべてのみちて、おのおののみちにしたがい、そのおこないのによってこれにむくいられます。 20あなたは、しるしと、不思議ふしぎなわざとをエジプトのおこない、また今日こんにちいたるまでイスラエルとぜん人類じんるいのうちにおこない、そして今日こんにちのようにをあげられました。 21あなたは、しるしと、不思議ふしぎなわざと、つよと、べたうでと、おおいなるおそるべきことをもって、あなたのたみイスラエルをエジプトのからみちびし、 22このかれらにたまわりました。これはあなたがかれらの先祖せんぞたちにあたえようとちかわれたちちみつながれるです。 23こうしてかれらは、はいってこれをたのですが、あなたのこえしたがわず、あなたの律法りっぽうおこなわず、すべてあなたがせよとめいじられたことをしなかったので、あなたはこのわざわいかれらのうえにおくだしになりました。 24よ、るいきずきあげられたのは、このまちるためです。つるぎと、ききんと、疫病えきびょうのために、まちはこれをめているカルデヤびとのわたされます。あなたのわれたようになりましたのは、ごらんのとおりであります。 25しゅなるかみよ、あなたはわたしにわれました、「ぎんをもってはたけい、証人しょうにんてよ」と。そうであるのに、まちはカルデヤびとのわたされています』」。

26しゅ言葉ことばがエレミヤにのぞんだ、 27よ、わたしはしゅである、すべていのちあるものかみである。わたしにできないことがあろうか。 28それゆえ、しゅはこうわれる、よ、わたしはこのまちをカルデヤびとと、バビロンのおうネブカデレザルのわたす。かれはこれをる。 29このまちめているカルデヤびとがきて、このまちをつけてはらう。屋根やねうえ人々ひとびとが、バアルにこうをたき、ほかの神々かみがみさけをそそいで、わたしをいからせたそのいえをもかれらはく。 30それは、イスラエルの人々ひとびととユダの人々ひとびととは、そのわかときから、わたしのまえわるいことのみをおこない、またイスラエルのたみはそののわざをもって、わたしをいからせることばかりをしたからであるとしゅわれる。 31このまちはそれがったからきょうまで、わたしのいかりといきどおりとをひきおこしてきたので、わたしのまえからこれをのぞるのである。 32それは、イスラエルのたみとユダのたみとが、もろもろのあくって、わたしをいからせたことによるのである。――かれらのおうたちと、そのつかさたち、祭司さいしたち、預言者よげんしゃたち、またユダの人々ひとびととエルサレムの住民じゅうみんたちがみなそうである。 33かれらはその背中せなかをわたしにけてかおをわたしにけず、わたしがたゆまずおしえたにもかかわらず、かれらはおしえかず、またうけないのである。 34かれらはにくむべきものを、わがをもってばれているいえにすえつけて、そこをけがし、 35またベンヒンノムのたににバアルのたかところきずいて、むすこむすめをモレクにささげた。わたしはかれらにこのようなことをめいじたことはなく、またかれらがこのにくむべきことをって、ユダにつみおかさせようとはかんがえもしなかった。

36それゆえいまイスラエルのかみしゅは、このまち、すなわちあなたがたが、『つるぎと、ききんと、疫病えきびょうのためにバビロンのおうわたされる』といっているまちについてこうおおせられる、 37よ、わたしは、わたしのいかりといきどおりとおおいなるいかりをもって、かれらをいやったもろもろのくにからかれらをあつめ、このところみちびきかえって、やすらかにまわせる。 38そしてかれらはわたしのたみとなり、わたしはかれらのかみとなる。 39わたしはかれらに一つのこころと一つのみちあたえてつねにわたしをおそれさせる。これはかれらがかれ自身じしんとそののち子孫しそんさいわいるためである。 40わたしはかれらと永遠えいえん契約けいやくてて、かれらを見捨みすてずにめぐみをほどこすことをちかい、またわたしをおそれるおそれをかれらのこころいて、わたしをはなれることのないようにしよう。 41わたしはかれらにめぐみをほどこすことをよろこびとし、こころをつくし、精神せいしんをつくし、真実しんじつをもってかれらをこのえる。 42しゅはこうおおせられる、わたしがこのもろもろのおおきなわざわいをこのたみくだしたように、わたしがかれらに約束やくそくするもろもろのさいわいかれらのうえくだす。 43人々ひとびとはこのはたけうようになる。あなたがたが、『それはれてひとけものもいなくなり、カルデヤびとのわたされてしまう』といっているである。 44人々ひとびとはベニヤミンのと、エルサレムの周囲しゅういと、ユダの町々まちまちと、山地さんち町々まちまちと、平地へいち町々まちまちと、ネゲブの町々まちまちで、ぎんをもってはたけい、証書しょうしょをつくって、これに記名きめい封印ふういんし、また証人しょうにんてる。それは、わたしがかれらをふたたさかえさせるからであるとしゅわれる」。

第三三章

1エレミヤがなお監視かんしにわめられているときしゅ言葉ことばはふたたびかれのぞんだ、 2つくられたしゅ、それをかたちつくってかたたせられたしゅ、そのしゅのっておられるものがこうおおせられる、 3わたしにもとめよ、そうすれば、わたしはあなたにこたえる。そしてあなたのらないおおきなかくされていることを、あなたにしめす。 4イスラエルのかみしゅるいと、つるぎとをふせぐために破壊はかいされたこのまちいえと、ユダのおういえについてこうわれる、 5カルデヤびとはたたかい、わたしがいかりといきどおりをもってころ人々ひとびと死体したいを、それにたす。わたしは人々ひとびとのもろもろのあくのために、このまちにわたしのかおをおおいかくした。 6よ、わたしは健康けんこうと、いやしとを、ここにもたらして人々ひとびとをいやし、ゆたかな繁栄はんえい安全あんぜんとをかれらにしめす。 7わたしはユダとイスラエルをふたたさかえさせ、かれらをてて、もとのようにする。 8わたしはかれらがわたしにかっておかしたつみのすべてのとがをきよめ、かれらがわたしにかっておかしたつみ反逆はんぎゃくのすべてのとがをゆるす。 9このまちのもろもろのたみまえに、わたしのためによろこびのとなり、ほまれとなり、さかえとなる。かれらはわたしがわたしのたみほどこすもろもろのめぐみのことをく。そして、わたしがこのまちほどこすもろもろのめぐみと、もろもろの繁栄はんえいのためにおそれてをふるわす。

10しゅはこうわれる、あなたがたが、『それはれて、ひともおらずけものもいない』というこのところ、すなわち、れて、ひともおらずものもなく、けものもいないユダのまちとエルサレムのちまたに、 11ふたたよろこびのこえたのしみのこえ花婿はなむここえ花嫁はなよめこえ、および
万軍ばんぐんしゅ感謝かんしゃせよ、
しゅめぐみふかく、
そのいつくしみは、いつまでもえることがない』
といって、感謝かんしゃそなものしゅみやたずさえてくるものこえきこえる。それは、わたしがこのふたたさかえさせてはじめのようにするからであるとしゅわれる。

12万軍ばんぐんしゅはこうわれる、れて、ひともおらずけものもいないこのところと、そのすべての町々まちまちふたたびそのれをさせる牧者ぼくしゃのすまいがあるようになる。 13山地さんち町々まちまちと、平地へいち町々まちまちと、ネゲブの町々まちまちと、ベニヤミンの、エルサレムの周囲しゅういと、ユダの町々まちまちで、れはふたたびそれをかぞえるものしたとおりすぎるとしゅわれる。

14しゅわれる、よ、わたしがイスラエルのいえとユダのいえ約束やくそくしたことをなしげるる。 15その、そのときになるならば、わたしはダビデのために一つのただしいえだしょうじさせよう。かれ公平こうへい正義せいぎおこなう。 16その、ユダはすくい、エルサレムはやすらかにおる。そのは『しゅはわれわれの正義せいぎ』ととなえられる。

17しゅはこうおおせられる、イスラエルのいえくらいするひとがダビデの子孫しそんのうちにけることはない。 18またわたしのまえ燔祭はんさいをささげ、素祭そさいき、つねに犠牲ぎせいをささげるひとが、レビびとである祭司さいしのうちにえることはない」。

19しゅ言葉ことばはエレミヤにのぞんだ、 20しゅはこうおおせられる、もしあなたがたが、ひるむすんだわたしの契約けいやくやぶり、またよるむすんだわたしの契約けいやくやぶり、ひるよるさだめられたときないようにすることができるならば、 21しもべダビデとわたしがむすんだ契約けいやくもまたやぶれ、かれはそのくらいしておうとなるあたえられない。またわたしがわたしにつかえるレビびとである祭司さいしてた契約けいやくやぶれる。 22てんほしかぞえることができず、はますなはかることができない。そのようにわたしは、しもべダビデの子孫しそんと、わたしにつかえるレビびとである祭司さいしかずそう」。

23しゅ言葉ことばはエレミヤにのぞんだ、 24「あなたはこのたみが、『しゅみずかえらんだ二つのやからをてた』といっているのをかないか。かれらはこのようにわたしのたみあなどって、これをくにとみなさないのである。 25しゅはこうわれる、もしわたしがひるよるとに契約けいやくてず、また天地てんちのおきてをさだめなかったのであれば、 26わたしは、ヤコブとわたしのしもべダビデとの子孫しそんてて、ふたたかれ子孫しそんのうちからアブラハム、イサク、ヤコブの子孫しそんおさめるものえらばない。わたしはかれらをふたたさかえさせ、かれらにあわれみをたれよう」。

第三四章

1バビロンのおうネブカデレザルがそのぜんぐんと、かれしたがっているのすべてのくに人々ひとびと、およびもろもろのたみひきいて、エルサレムとその町々まちまちめてたたかっていたときに、しゅからエレミヤにのぞんだ言葉ことば 2「イスラエルのかみしゅはこうわれる、ってユダのおうゼデキヤにげていなさい、『しゅはこうわれる、よ、わたしはこのまちをバビロンのおうわたす。かれでこれをく。 3あなたはそのをのがれることはできない、かならとらえられてそのわたされる。あなたはまのあたりバビロンのおうかおかおわせてかれかたる。それからバビロンへく』。 4しかしユダのおうゼデキヤよ、しゅ言葉ことばきなさい。しゅはあなたのことについてこうわれる、『あなたはつるぎでぬことはない。 5あなたはやすらかにぬ。たみはあなたの先祖せんぞであるあなたのさきおうたちのためにこうをたいたように、あなたのためにもこうをたき、またあなたのためになげいて「ああ、主君しゅくんよ」とう』。わたしがこの言葉ことばをいうのであるとしゅわれる」。

6そこで預言者よげんしゃエレミヤはこの言葉ことばをことごとくエルサレムでユダのおうゼデキヤにげた。 7そのときバビロンのおう軍勢ぐんぜいはエルサレム、およびのこっているユダのすべてのまち、すなわちラキシとアゼカをめてたたかっていた。それはユダの町々まちまちのうちに、これらの堅固けんごまちがなおのこっていたからである。

8ゼデキヤおうがエルサレムにいるすべてのたみ契約けいやくてて、かれらに釈放しゃくほうのことをしめしたのちに、しゅからエレミヤにのぞんだ言葉ことば 9その契約けいやくはすなわちひとがおのおのそのヘブルびとである男女だんじょ奴隷どれい解放かいほうし、その兄弟きょうだいであるユダヤひと奴隷どれいとしないことをさだめたものであった。 10この契約けいやくをしたつかさたちと、すべてのたみひとがおのおのその男女だんじょ奴隷どれい解放かいほうし、ふたたびこれを奴隷どれいとしないということにしたがって、これを解放かいほうしたが、 11のちこころひるがえし、解放かいほうした男女だんじょ奴隷どれいをひきかえさせ、ふたたびこれをしたがわせて奴隷どれいとした。 12そこでしゅ言葉ことばしゅからエレミヤにのぞんだ、 13「イスラエルのかみしゅはこうわれる、わたしはあなたがたの先祖せんぞをエジプトの、その奴隷どれいであったいえからみちびしたときかれらと契約けいやくててった、 14『あなたがたの兄弟きょうだいであるヘブルびとで、あなたがたにり、六ねんあいだあなたがたにつかえたものは、六ねんおわりに、あなたがたおのおのがこれを解放かいほうしなければならない。あなたがたはかれ解放かいほうして、あなたがたにつかえることをやめさせなければならない』。ところがあなたがたの先祖せんぞたちはわたしにしたがわず、またそのみみかたむけなかった。 15しかしあなたがたは今日こんにちこころあらため、おのおのそのとなびと釈放しゃくほうのことをしめして、わたしのただしいとすることをおこない、かつわたしのをもってとなえられるいえで、わたしのまえ契約けいやくてた。 16ところがあなたがたはふたたこころひるがえして、わたしのけがし、おのおの男女だんじょ奴隷どれいをそのねがいのままに解放かいほうしたのをひきかえさせ、ふたたびこれをしたがわせて、あなたがたの奴隷どれいとした。 17それゆえに、しゅはこうおおせられる、あなたがたがわたしにしたがわず、おのおのその兄弟きょうだいとそのとなり釈放しゃくほうのことをしめさなかったので、よ、わたしはあなたがたのために釈放しゃくほうしめして、あなたがたをつるぎと、疫病えきびょうと、ききんとにわたすとしゅわれる。わたしはあなたがたをのもろもろのくにみきらわれるものとする。 18わたしの契約けいやくやぶり、わたしのまえてた契約けいやくさだめにしたがわない人々ひとびとを、わたしはかれらが二つにいて、その二つのあいだとおったうしのようにする。―― 19すなわち二つにけたうしあいだとおったユダのつかさたち、エルサレムのつかさたちと宦官かんがん祭司さいしと、こののすべてのたみを、 20わたしはそのてきと、そのいのちもとめるものわたす。その死体したいそらとりけもの食物しょくもつとなる。 21わたしはまたユダのおうゼデキヤと、そのつかさたちをそのてき、そのいのちもとめるもの、あなたがたをはなれてったバビロンのおう軍勢ぐんぜいわたす。 22しゅわれる、よ、わたしはかれらにめいじて、このまちきかえしてこさせる。かれらはこのまちめてたたかい、これをり、はなってはらう。わたしはユダの町々まちまちひとのないとする」。

第三五章

1ユダのおうヨシヤのエホヤキムのときしゅからエレミヤにのぞんだ言葉ことば 2「レカブびとのいえって、かれらとかたり、かれらをしゅみや一室いっしつれてきて、さけませなさい」。 3そこでわたしはハバジニヤのエレミヤのであるヤザニヤと、その兄弟きょうだいと、そのむすこたち、およびレカブびとの全家ぜんかれ、 4これをしゅみやにあるハナンのたちのしつれてきた。ハナンはイグダリヤのであってかみひとであった。そのしつは、つかさたちのしつつぎにあって、もんまもるシャルムのマアセヤのしつうえにあった。 5わたしはレカブびとのまえさけたしたつぼとさかずきき、かれらに、「さけみなさい」とったが、 6かれらはこたえた、「われわれはさけみません。それは、レカブのであるわれわれの先祖せんぞヨナダブがわれわれにめいじて、『あなたがたとあなたがたの子孫しそんはいつまでもさけんではならない。 7またいえてず、たねをまかず、またぶどうはたけえてはならない。またこれを所有しょゆうしてはならない。あなたがたはきながらえるあいだ幕屋まくやんでいなさい。そうするならば、あなたがたはその宿やどっているながきることができるとったからです』。 8こうしてわれわれは、レカブのであるわれわれの先祖せんぞヨナダブがすべてめいじた言葉ことばしたがって、われわれも、つまも、むすこむすめきながらえるあいださけまず、 9いえてず、ぶどうはたけはたけたねたないで、 10幕屋まくやみ、すべてわれわれの先祖せんぞヨナダブがわれわれにめいじたところにしたがい、そのようにおこないました。 11しかしバビロンのおうネブカデレザルがこののぼってきたとき、われわれはいました、『さあ、われわれはエルサレムへこう。カルデヤびとの軍勢ぐんぜいとスリヤびとの軍勢ぐんぜいおそろしい』と。こうしてわれわれはエルサレムにんでいるのです」。

12そのときしゅ言葉ことばがエレミヤにのぞんだ、 13万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうわれる、って、ユダの人々ひとびととエルサレムにものとにげよ。しゅおおせられる、あなたがたはわたしの言葉ことばいておしえけないのか。 14レカブのヨナダブがその子孫しそんさけむなとめいじた言葉ことばまもられてきた。かれらは今日こんにちいたるまでさけまず、その先祖せんぞいのちしたがってきた。ところがあなたがたはわたしがしきりにかたったけれども、わたしにしたがわなかった。 15わたしはまた、わたしのしもべである預言者よげんしゃたちを、しきりにあなたがたにつかわしてわせた、『あなたがたはいまおのおのそのわるみちはなれ、そのおこないをあらためなさい。ほかの神々かみがみしたがつかえてはならない。そうすれば、あなたがたはわたしがあなたがたと、あなたがたの先祖せんぞあたえたこのむことができる』と。しかしあなたがたはみみかたむけず、わたしにかなかった。 16レカブのヨナダブの子孫しそんは、その先祖せんぞかれらにめいじた命令めいれいまもっているのである。しかしこのたみはわたしにしたがわなかった。 17それゆえ万軍ばんぐんかみしゅ、イスラエルのかみはこうおおせられる、よ、わたしはユダとエルサレムにものとに、わたしがかれらのうえ宣告せんこくしたわざわいくだす。わたしがかれらにかたってもかず、かれらをんでもこたえなかったからである」。

18ところでエレミヤはレカブびとのいえ人々ひとびとった、「万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうおおせられる、あなたがたは先祖せんぞヨナダブのいのちしたがい、そのすべてのいましめをまもり、かれがあなたがたにめいじたことおこなった。 19それゆえ、万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうわれる、レカブのヨナダブには、わたしのまえひとがいつまでもけることはない」。

第三六章

1ユダのおうヨシヤのエホヤキムの四ねんしゅからこの言葉ことばがエレミヤにのぞんだ、 2「あなたは巻物まきものり、わたしがあなたにかたった、すなわちヨシヤのから今日こんにちいたるまで、イスラエルとユダと万国ばんこくとにかんしてあなたにかたったすべての言葉ことばを、それにしるしなさい。 3ユダのいえがわたしのくだそうとしているすべてのわざわいいて、おのおのそのわるみちはなれてかえることもあろう。そうすれば、わたしはそのとがとそのつみをゆるすかもれない」。

4そこでエレミヤはネリヤのバルクをんだ。バルクはエレミヤの口述こうじゅつにしたがって、しゅかれにおげになった言葉ことばをことごとく巻物まきものきしるした。 5そしてエレミヤはバルクにめいじてった、「わたしはしゅみやくことをさまたげられている。 6それで、あなたがって、断食だんじきしゅみやで、すべてのたみいているところで、あなたがわたしの口述こうじゅつにしたがって、巻物まきもの筆記ひっきしたしゅ言葉ことばみなさい。またユダの人々ひとびとがその町々まちまちからいているところで、それをみなさい。 7かれらはしゅまえ祈願きがんをささげ、おのおのそのわるみちはなれてかえることもあろう。しゅがこのたみたいして宣告せんこくされたいかりといきどおりはおおきいからである」。 8こうしてネリヤのバルクはすべて預言者よげんしゃエレミヤが自分じぶんめいじたように、しゅみやで、その巻物まきものかれたしゅ言葉ことばんだ。

9ユダのおうヨシヤのエホヤキムの五ねんがつ、エルサレムのすべてのたみと、ユダの町々まちまちからエルサレムにたすべてのたみとは、しゅまえ断食だんじきおこなうべきことをしめされた。 10バルクはしゅみやうえにわで、しゅみやあたらしいもん入口いりぐちのかたわらにある書記しょきシャパンのであるゲマリヤのへやで、巻物まきものかれたエレミヤの言葉ことばをすべてのたみかせた。

11シャパンのであるゲマリヤのミカヤはその巻物まきものにあるしゅ言葉ことばをことごとくいて、 12おういえにある書記しょきのへやにくだってくと、もろもろのつかさたち、すなわち書記しょきエリシャマ、シマヤのデラヤ、アカボルのエルナタン、シャパンのゲマリヤ、ハナニヤのゼデキヤおよびすべてのつかさたちがそこにしていた。 13ミカヤはバルクがたみ巻物まきものんでかせたとき、自分じぶんいたすべての言葉ことばかれらにげたので、 14つかさたちはクシのセレミヤのであるネタニヤのエホデをバルクのもとにつかわしてわせた、「あなたがたみかせたその巻物まきものって、てください」。そこでネリヤのバルクは巻物まきものって、かれらのもとにたので、 15かれらはバルクにった、「してそれをんでください」。バルクはそれをかれらにみきかせた。 16かれらはそのすべての言葉ことばき、おそれてたがいかわし、バルクにった、「われわれはこのすべての言葉ことばを、おう報告ほうこくしなければならない」。 17そしてバルクにたずねてった、「このすべての言葉ことばを、あなたがどのようにしていたのかはなしてください。かれ口述こうじゅつによるのですか」。 18バルクはかれらにこたえた、「かれがわたしにこのすべての言葉ことば口述こうじゅつしたので、わたしはそれを墨汁ぼくじゅう巻物まきものいたのです」。 19つかさたちはバルクにった、「って、エレミヤと一緒いっしょかくしなさい。ひと所在しょざいられてはなりません」。

20そこでかれらは巻物まきもの書記しょきエリシャマのへやにいてにわにはいり、おうのもとへって、このすべての言葉ことばおうげたので、 21おうはその巻物まきものってこさせるためにエホデをつかわした。エホデは書記しょきエリシャマのへやから巻物まきものってきて、それをおうおうのかたわらにっているすべてのつかさたちにみきかせた。 22ときは九がつであって、おうふゆいえしていた。そのまえがあってえていた。 23エホデが三だんか四だんむと、おう小刀こがたなをもってそれをり、げいれ、ついに巻物まきもの全部ぜんぶきつくした。 24おうとその家来けらいたちはこのすべての言葉ことばいてもおそれず、またその着物きものくこともしなかった。 25エルナタン、デラヤおよびゲマリヤがおうにその巻物まきものかないようにとねがったときにもかれきいれなかった。 26そしておう王子おうじエラメルとアヅリエルのセラヤとアブデルのセレミヤに、書記しょきバルクと預言者よげんしゃエレミヤをとらえるようにとめいじたが、しゅかれらをかくされた。

27バルクがエレミヤの口述こうじゅつにしたがって筆記ひっきした言葉ことばせた巻物まきものおういたのちしゅ言葉ことばがエレミヤにのぞんだ、 28巻物まきものり、ユダのおうエホヤキムがいた、まえ巻物まきもののうちにある言葉ことばみなそれにきしるしなさい。 29またユダのおうエホヤキムについていなさい、『しゅはこうおおせられる、あなたはこの巻物まきものいてった、「どうしてあなたはこの巻物まきものに、バビロンのおうかならてこのほろぼし、ここからひとけものとをやす、といたのか」と。 30それゆえしゅはユダのおうエホヤキムについてこうわれる、かれ子孫しそんにはダビデのくらいにすわるものがなくなる。またかれ死体したいてられてひるあつさにあい、よるしもにあう。 31わたしはまたかれとその子孫しそんとその家来けらいたちをそのつみのためにばっする。またかれらとエルサレムのたみとユダの人々ひとびとにはわざわいくだす。このわざわいのことについては、すでにかたったけれども、かれらはくことをしなかった』」。

32そこでエレミヤは巻物まきものり、ネリヤの書記しょきバルクにあたえたので、バルクはユダのおうエホヤキムがにくべていた巻物まきもののすべての言葉ことばを、エレミヤの口述こうじゅつにしたがってそれにきしるし、またおなじような言葉ことばおおくそれにくわえた。

第三七章

1ヨシヤのゼデキヤはエホヤキムのコニヤにかわっておうとなった。バビロンのおうネブカデレザルがかれをユダのおうとしたのである。 2かれもその家来けらいたちも、その人々ひとびとも、しゅ預言者よげんしゃエレミヤによってかたられた言葉ことばしたがわなかった。

3ゼデキヤおうはセレミヤのユカルと、マアセヤの祭司さいしゼパニヤを預言者よげんしゃエレミヤにつかわして、「われわれのために、われわれのかみしゅいのってください」とわせた。 4エレミヤはたみなか出入でいりしていた。まだ獄屋ごくやれられなかったからである。 5パロの軍勢ぐんぜいがエジプトからたので、エルサレムをかこんでいたカルデヤびとはその情報じょうほういてエルサレムを退しりぞいた。 6そのときしゅ言葉ことば預言者よげんしゃエレミヤにのぞんだ、 7「イスラエルのかみしゅはこうわれる、あなたがたをつかわしてわたしにもとめたユダのおうにこういなさい、『あなたがたをすくうためにてきたパロの軍勢ぐんぜいはそのくにエジプトにかえろうとしている。 8カルデヤびとがふたたてこのまちめてたたかい、これをってほろぼす。 9しゅはこうわれる、あなたがたは、「カルデヤびとはきっとわれわれをはなる」といって自分じぶんあざむいてはならない。かれらはることはない。 10たといあなたがたが自分じぶんめてたたかうカルデヤびとのぜんぐんやぶって、その天幕てんまくのうちに負傷ふしょうもののみをのこしても、かれらはがってでこのまちほろぼす』」。

11さてカルデヤびとの軍勢ぐんぜいがパロの軍勢ぐんぜいるのをいてエルサレムを退しりぞいたとき、 12エレミヤは、ベニヤミンのたみのうちに自分じぶんまえるため、エルサレムをってそのこうと、 13ベニヤミンのもんいたとき、そこにハナニヤのセレミヤのでイリヤという番兵ばんぺいがいて、預言者よげんしゃエレミヤをとらえ、「あなたはカルデヤびとのがわ脱走だっそうしようとしている」とった。 14エレミヤはった、「それはまちがいだ。わたしはカルデヤびとのがわ脱走だっそうしようとしていない」。しかしイリヤはかず、エレミヤをとらえて、つかさたちのもとへいてった。 15つかさたちはいかって、エレミヤをちたたき、書記しょきヨナタンのいえ獄屋ごくやにいれた。このいえ獄屋ごくやになっていたからである。

16エレミヤが地下ちか獄屋ごくやにはいって、そこにおおくのおくってのち、 17ゼデキヤおうひとをつかわし、かれれてこさせた。おう自分じぶんいえでひそかにかれたずねてった、「しゅからなにかお言葉ことばがあったか」。エレミヤはあったとこたえた。そしてった、「あなたはバビロンのおうわたされます」。 18エレミヤはまたゼデキヤおうった、「わたしが獄屋ごくやにいれられたのは、あなたに、またはあなたの家来けらいに、あるいはこのたみに、どのようなつみおかしたからなのですか。 19あなたがたに預言よげんして、『バビロンのおうはあなたがたをも、このをもめにこない』とっていたあなたがたの預言者よげんしゃいまどこにいるのですか。 20おうなるわがきみよ、どうぞいまきください。わたしのねがいをおきとどけください。わたしを書記しょきヨナタンのいえかえらせないでください。そうでないと、わたしはそこでころされるでしょう」。 21そこでゼデキヤおうめいくだし、エレミヤを監視かんしにわれさせ、かつ、パンをつくものまちから毎日まいにちパン一かれあたえさせた。これはまちにパンがなくなるまでつづいた。こうしてエレミヤは監視かんしにわにいた。

第三八章

1マッタンのシパテヤ、パシュルのゲダリヤ、セレミヤのユカル、マルキヤのパシュルはエレミヤがすべてのたみげていたその言葉ことばいた。 2かれった、「しゅはこうわれる、このまちにとどまるものは、つるぎや、ききんや、疫病えきびょうぬ。しかしてカルデヤびとにくだるものまぬかれる。すなわちそのいのち自分じぶんのぶんどりものとしてきることができる。 3しゅはこうわれる、このまちかならずバビロンのおう軍勢ぐんぜいわたされる。かれはこれをる」。 4すると、つかさたちはおうった、「このひところしてください。このような言葉ことばをのべて、このまちのこっている兵士へいしと、すべてのたみよわくしているからです。このひとたみ安泰あんたいもとめないで、そのわざわいもとめているのです」。 5ゼデキヤおうった、「よ、かれはあなたがたのにある。おうはあなたがたにさからって何事なにごとをもなしない」。 6そこでかれらはエレミヤをとらえ、監視かんしにわにある王子おうじマルキヤのあなれた。すなわち、つなをもってエレミヤをつりろしたが、そのあなにはみずがなく、どろだけであったので、エレミヤはどろなかしずんだ。

7おういえ宦官かんがんエチオピヤびとエベデメレクは、かれらがエレミヤをあなれたことをいた。そのときおうはベニヤミンのもんしていたので、 8エベデメレクはおういえからっておうった、 9おうなるわがきみよ、この人々ひとびと預言者よげんしゃエレミヤにしたことはみないことではありません。かれあなれました。まち食物しょくもつがなくなりましたから、かれはそこで餓死がしするでしょう」。 10おうはエチオピヤびとエベデメレクにめいじてった、「ここから三にんのひとをれてって、預言者よげんしゃエレミヤを、なないうちにあなからげなさい」。 11そこでエベデメレクはその人々ひとびとれておういえくら衣服いふくしつき、そこからふるぬのれや、ふるした着物きものり、これをあななかにいるエレミヤのところへ、つなをもってつりろした。 12そしてエチオピヤびとエベデメレクは、「このぬのれや着物きものを、あなたのわきのしたにはさんで、つなてなさい」とエレミヤにった。エレミヤはそのようにした。 13するとかれらはつなをもってエレミヤをあなからげた。そしてエレミヤは監視かんしにわにとどまった。

14ゼデキヤおうひとをつかわして預言者よげんしゃエレミヤをしゅみやだい三のもんれてこさせ、おうはエレミヤにった、「あなたにたずねたいことがある。何事なにごともわたしにかくしてはならない」。 15エレミヤはゼデキヤにった、「もしわたしがおはなするなら、あなたはかならずわたしをころされるではありませんか。たといわたしが忠告ちゅうこくをしても、あなたはおきにならないでしょう」。 16そのときゼデキヤおうは、ひそかにエレミヤにちかってった、「われわれのたましいつくられたしゅきておられる。わたしはあなたをころさない、またあなたのいのちもとめるものに、あなたをわたすこともしない」。

17そこでエレミヤはゼデキヤにった、「万軍ばんぐんかみ、イスラエルのかみしゅはこうおおせられる、もしあなたがバビロンのおうのつかさたちに降伏こうふくするならば、あなたのいのちたすかり、またこのまちかれることなく、あなたも、あなたのいえものきながらえることができる。 18しかし、もしあなたがてバビロンのおうのつかさたちに降伏こうふくしないならば、このまちはカルデヤびとのわたされる。かれらはでこれをく。あなたはそのをのがれることができない」。 19ゼデキヤおうはエレミヤにった、「わたしはカルデヤびとに脱走だっそうしたユダヤひとおそれている。カルデヤびとはわたしをかれらのわたし、かれらはわたしをはずかしめる」。 20エレミヤはった、「かれらはあなたをわたさないでしょう。どうか、わたしがあなたにげたしゅこえしたがってください。そうすればさいわい、またいのちたすかります。 21しかし降伏こうふくすることをこばむならば、しゅがわたしにしめされたまぼろしもうしましょう。 22すなわち、ユダのおういえのこっているおんなたちは、みなバビロンのおうのつかさたちのところいてかれます。そのおんなたちはうのです、
『あなたのしたしいともだちがあなたをあざむいた、
そしてあなたにった。
いまあなたのあしどろしずんでいるので、
かれらはあなたをててる』。
23あなたのつまたちと子供こどもたちはみなカルデヤびとのところへひきされる。あなた自身じしんもそのをのがれることができず、バビロンのおうとらえられる。そしてこのまちかれるでしょう」。

24ゼデキヤはエレミヤにった、「これらの言葉ことばひとらせてはならない。そうすればあなたはころされることはない。 25わたしがあなたとはなしをしたことを、つかさたちがいて、かれらがあなたのところて、『あなたがおうはなしたこと、おうがあなたにはなしたことをわれわれにげなさい。何事なにごとかくしてはならない。われわれはあなたをころしはしない』とうならば、 26あなたはかれらに、『わたしはおうねがって、わたしをヨナタンのいえおくかえさず、そこでぬことのないようにしてくださいとった』とこたえなさい」。 27さて、つかさたちはみなエレミヤのところへたずねたが、おうかれおしえたようにかれらにこたえたので、かれらはかれはなすことをやめた。その会話かいわいたものがなかったからである。 28エレミヤはエルサレムのられるまで監視かんしにわにとどまっていた。

第三九章

1ユダのおうゼデキヤの九ねんがつ、バビロンのおうネブカデレザルはそのぜんぐんひきい、エルサレムにてこれをかこんだが、 2ゼデキヤの十一ねんがつになってまち一角いっかくやぶれた。 3エルサレムがられたので、バビロンのおうのつかさたち、すなわちネルガル・シャレゼル、サムガル・ネボ、ラブサリスのサルセキム、ラブマグのネルガル・シャレゼルおよびバビロンのおうのそののつかさたちはみなともになかもんした。 4ユダのおうゼデキヤとすべての兵士へいしたちはこれをげ、よるのうちに、おう庭園ていえんみちとおって、二つの城壁じょうへきあいだもんからまちて、アラバのほうったが、 5カルデヤびとの軍勢ぐんぜいはこれをって、エリコの平地へいちでゼデキヤにいつき、これをとらえて、ハマテのリブラにいるバビロンのおうネブカデレザルのもとにいてったので、おうはそこでかれつみをさだめた。 6バビロンのおうはリブラで、ゼデキヤのたちをかれまえころした。バビロンのおうはまたユダのすべての貴族きぞくたちをころした。 7おうはまたゼデキヤのをつぶさせ、かれをバビロンにいてくために、くさりにつないだ。 8またカルデヤびとは王宮おうきゅう民家みんかき、エルサレムの城壁じょうへき破壊はかいした。 9そして侍衛じえいちょうネブザラダンはまちのうちにのこっているたみと、自分じぶん降伏こうふくしたもの、およびそののこっているたみをバビロンにとらうつした。 10しかし侍衛じえいちょうネブザラダンは、たみまずしい無産むさんものをユダののこし、同時どうじにぶどうはたけ田地でんちをこれにあたえた。

11さてバビロンのおうネブカデレザルはエレミヤのことについて侍衛じえいちょうネブザラダンにめいじてった、 12かれをとり、よく世話せわをせよ。がいくわえることなく、かれがあなたにうようにしてやりなさい」。 13そこで侍衛じえいちょうネブザラダン、ラブサリスのネブシャズバン、ラブマグのネルガル・シャレゼル、およびバビロンのおうのつかさたちは、 14ひとをつかわして、エレミヤを監視かんしにわかられてこさせ、シャパンのアヒカムのであるゲダリヤにたくして、いえにつれてかせた。こうしてかれたみのうちにいた。

15エレミヤが監視かんしにわじこめられていたときしゅ言葉ことばかれのぞんだ、 16って、エチオピヤびとエベデメレクにげなさい、『万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうわれる、わたしのったわざわいをわたしはこのまちくだす、さいわいをこれにくだすのではない。その、このことがあなたのまえ成就じょうじゅする。 17しゅわれる、そのわたしはあなたをすくう。あなたは自分じぶんおそれている人々ひとびとわたされることはない。 18わたしがかならずあなたをすくい、つるぎにたおれることのないようにするからである。あなたのいのちはあなたのぶんどりものとなる。あなたがわたしにたよんだからであるとしゅわれる』」。

第四〇章

1侍衛じえいちょうネブザラダンは、バビロンにうつされるエルサレムとユダの人々ひとびとのうちにエレミヤをくさりにつないでおいて、これをとらえてったが、ついにラマでかれ釈放しゃくほうした。そののちしゅ言葉ことばがエレミヤにのぞんだ。 2侍衛じえいちょうはエレミヤをしてかれった、「あなたのかみしゅはこのところにこのわざわいくだすとしめされた。 3しゅはこれをくだし、みずかわれたとおりにおこなわれた。あなたがたがしゅたいしてつみおかし、みこえしたがわなかったから、このことがあなたがたのうえのぞんだのだ。 4よ、わたしはきょう、あなたのくさりいてあなたを釈放しゃくほうする。もしあなたがわたしと一緒いっしょにバビロンへくのがいとおもわれるなら、おいでなさい。わたしは、じゅうぶんあなたの世話せわをします。もしあなたがわたしと一緒いっしょにバビロンにはきたくないなら、かなくてもよろしい。よ、このはみなあなたのまえにあります、あなたがいとおもい、ただしいとおもところきなさい。 5あなたがとどまるならば、バビロンのおうがユダの町々まちまち総督そうとくとしててたシャパンのアヒカムのであるゲダリヤのところかえり、かれともたみのうちにみなさい。あるいはまたあなたがただしいとおもところきなさい」。こうして侍衛じえいちょうかれ糧食りょうしょくおくものあたえてらせた。 6そこでエレミヤはミヅパへき、アヒカムのゲダリヤのところって、かれともにそののこっているたみのうちにんだ。

7さて野外やがいにいた軍勢ぐんぜいちょうたちと、その配下はいか人々ひとびとは、バビロンのおうがアヒカムのゲダリヤをてて、その総督そうとくとし、おとこおんな子供こども、およびくにのうちのバビロンにうつされないまずしいものかれ委託いたくしたこといたので、 8ネタニヤのイシマエルと、カレヤのヨハナンおよびタンホメテのセラヤと、ネトパびとであるエパイのたちと、マアカびとのヤザニヤおよびその配下はいか人々ひとびとは、ミヅパにいるゲダリヤのもとへった。 9シャパンのであるアヒカムのゲダリヤは、かれらとその配下はいか人々ひとびとちかってった、「カルデヤびとにつかえることをおそれるにおよばない。このんでバビロンのおうつかえるならば、あなたがたは幸福こうふくになる。 10わたしはミヅパにいて、われわれのところるカルデヤびとのまえに、あなたがたのためにちましょう。あなたがたは、ぶどうしゅなつのくだもの、あぶらあつめて、それをうつわにたくわえ、あなたがたの町々まちまちみなさい」。 11おなじように、モアブとアンモンびとのうち、またエドムおよび国々くにぐににいるユダヤひとは、バビロンのおうがユダにひとのこしたことと、シャパンのであるアヒカムのゲダリヤをててその総督そうとくとしたこととをいた。 12そこでそのユダヤひとらはみなそのいやられたもろもろのところからかえってきて、ユダののミヅパにいるゲダリヤのもとにきた。そしておおくのぶどうしゅなつのくだものをあつめた。

13またカレヤのヨハナンと、野外やがいにいた軍勢ぐんぜいちょうたちはみなミヅパにいるゲダリヤのもとにきて、 14かれった、「アンモンびとのおうバアリスがあなたをころすためにネタニヤのイシマエルをつかわしたことをっていますか」。しかしアヒカムのゲダリヤはかれらのうことをしんじなかったので、 15カレヤのヨハナンはミヅパでひそかにゲダリヤにった、「わたしがって、ひとれないように、ネタニヤのイシマエルをころしましょう。どうしてかれがあなたをころして、あなたの周囲しゅういあつまっているユダヤひとらし、ユダののこったものほろぼしてよいでしょう」。 16しかしアヒカムのゲダリヤはカレヤのヨハナンにった、「このことをしてはならない。あなたはイシマエルについていつわりをっているのです」。

第四一章

1がつのころ、おういえのもので、エリシャマのネタニヤのであり、またおう高官こうかんのひとりであるイシマエルは、おうの十にんのつかさたちとともにミヅパにいたアヒカムのゲダリヤのもとにきて、ミヅパでしょくともにしたが、 2ネタニヤのイシマエルおよびともにいた十にんものがって、バビロンのおうがこの総督そうとくとしたシャパンのアヒカムのであるゲダリヤをかたなころし、 3イシマエルはまたミヅパでゲダリヤとともにいたすべてのユダヤひとと、たまたまそこにいたカルデヤびとの兵士へいしたちをころした。

4ゲダリヤがころされたつぎ、まだだれもそのことらないうちに、 5八十にん人々ひとびとがそのひげをそり、衣服いふくをさき、きずをつけ、には素祭そさいのささげものこうたずさえ、シケム、シロ、サマリヤからきて、しゅみやにささげようとした。 6ネタニヤのイシマエルはミヅパからきながらてきてかれらをむかえ、かれらにって、「アヒカムのゲダリヤのもとにおいでなさい」とった。 7そしてかれらがまちなかにはいったとき、ネタニヤのイシマエルは自分じぶん一緒いっしょにいた人々ひとびとともかれらをころして、その死体したいあなれた。 8しかしそのうちの十にんはイシマエルにかい、「わたしたちははたけ小麦こむぎ大麦おおむぎあぶら、およびみつかくしています、わたしたちをころさないでください」とったので、かれらをその仲間なかまともころさないでしまった。

9イシマエルが自分じぶんころした人々ひとびと死体したいれたあなは、アサおうがイスラエルのおうバアシャをおそれてったあなであった。ネタニヤのイシマエルはころした人々ひとびとをこれにたした。 10いでイシマエルはミヅパにのこっているすべてのたみ、すなわちおうむすめたちと侍衛じえいちょうネブザラダンがアヒカムのゲダリヤにたくしたミヅパにのこっているすべてのたみとを捕虜ほりょとした。ネタニヤのイシマエルはかれらを捕虜ほりょとし、アンモンびとのもとにわたこうとしてった。

11カレヤのヨハナンおよびかれともにいる軍勢ぐんぜいちょうたちはネタニヤのイシマエルのった悪事あくじをみなき、 12その兵士へいしたちをひきいて、ネタニヤのイシマエルとたたかうためにき、ギベオンの大池おおいけのほとりでかれった。 13イシマエルとともにいる人々ひとびとは、カレヤのヨハナンおよびかれともにいる軍勢ぐんぜいちょうたちをよろこんだ。 14そしてイシマエルがミヅパから捕虜ほりょにしてきた人々ひとびとをめぐらしてカレヤのヨハナンのもとへった。 15ネタニヤのイシマエルは八にんものともにヨハナンをけてげ、アンモンびとのところった。 16そこでカレヤのヨハナンおよびかれともにいる軍勢ぐんぜいちょうたちはネタニヤのイシマエルがアヒカムのゲダリヤをころして、ミヅパから捕虜ほりょとしてれてきた、あののこっていたたみ、すなわち兵士へいしおんな子供こども宦官かんがんをギベオンからかえったが、 17かれらはエジプトへこうとしてベツレヘムのちかくにあるゲルテ・キムハムへって、そこにとどまった。 18これは、ネタニヤのイシマエルが、バビロンのおうによってこの総督そうとくにんじられたアヒカムのゲダリヤをころしたことにより、カルデヤびとをおそれたからである。

第四二章

1そのとき軍勢ぐんぜいちょうたち、およびカレヤのヨハナンと、ホシャヤのアザリヤ、ならびにたみもっとちいさいものからもっとおおいなるものにいたるまで、 2みな預言者よげんしゃエレミヤのところった、「どうかあなたのまえにわれわれのもとめがけいれられますように。われわれのため、こののこっているものすべてのために、あなたのかみしゅいのってください、(いまごらんのとおり、われわれはおおくのうち、わずかにのこっているものです) 3そうすれば、あなたのかみしゅは、われわれのくべきみちと、なすべきことをおしめしになるでしょう」。 4預言者よげんしゃエレミヤはかれらにった、「よくわかりました。あなたがたのもとめにしたがって、あなたがたのかみしゅいのりましょう。しゅがあなたがたにこたえられることを、何事なにごとかくさないであなたがたにいましょう」。 5かれらはエレミヤにった、「もし、あなたのかみしゅがあなたをつかわしておげになるすべての言葉ことばを、われわれがおこなわないときは、どうかしゅがわれわれにたいしてまことの真実しんじつ証人しょうにんとなられるように。 6われわれはくてもわるくても、われわれがあなたをつかわそうとするわれわれのかみしゅこえしたがいます。われわれのかみしゅこえしたがうとき、われわれはさいわいるでしょう」。

7のちしゅ言葉ことばがエレミヤにのぞんだ。 8エレミヤはカレヤのヨハナンおよびかれともにいる軍勢ぐんぜいちょうたち、ならびにたみもっとちいさいものからもっとおおいなるものまでことごとくまねいて、 9かれらにった、「あなたがたがわたしをつかわして、あなたの祈願きがんをそのまえにのべさせたイスラエルのかみしゅはこうわれます、 10もしあなたがたがこのにとどまるならば、わたしはあなたがたをててたおすことなく、あなたがたをえてくことはしない。わたしはあなたがたにわざわいくだしたことをいているからである。 11しゅわれる、あなたがおそれているバビロンのおうおそれてはならない。かれおそれてはならない、わたしがともにいて、あなたがたをすくい、かれからたすすからである。 12わたしはあなたがたをあわれみ、またかれにあなたがたをあわれませ、あなたがたを自分じぶんにとどまらせる。 13しかし、もしあなたがたが、『われわれはこのにとどまらない』といって、あなたがたのかみしゅこえにしたがわず、 14また、『いいえ、われわれはあの戦争せんそうず、ラッパのこえかず、食物しょくもつとぼしくないエジプトのって、あそこにまおう』とうならば、 15あなたがた、ユダののこっているものたちよ、しゅ言葉ことばきなさい。万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうわれる、もしあなたがたがむりにエジプトへってそこにむならば、 16あなたがたのおそれているつるぎはエジプトのであなたがたにいつき、あなたがたのおそれているききんは、すぐあとをってエジプトまでき、そのところであなたがたはぬ。 17すべてむりにエジプトへってそこにものは、つるぎと、ききんと、疫病えきびょうぬ。わたしがかれらにくだそうとしているわざわいをのがれてのこものはそのうちにない。

18万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうわれる、わたしのいかりといきどおりとをエルサレムの住民じゅうみんうえそそいだように、わたしのいきどおりは、あなたがたがエジプトへくとき、あなたがたのうえそそぐ。あなたがたは、のろいとなり、恐怖きょうふとなり、ののしりとなり、はずかしめとなる。あなたがたはふたたびこのところることができない。 19ユダののこっているものたちよ、『エジプトへってはならない』としゅはあなたがたにわれた。わたしがきょう警告けいこくしたことを、あなたがたはたしかにらなければならない。 20あなたがたはみずからそむきって、いのちうしなった。なぜなら、あなたがたがわたしをあなたがたのかみしゅにつかわし、『われわれのかみしゅいのり、われわれのかみしゅわれることをことごとくしめしてください。われわれはそれをおこないます』とったので、 21わたしはきょうそれをしめしたが、あなたがたはあなたがたのかみしゅこえかず、しゅがわたしをつかわしてめいじさせられたことには、すこしもしたがわなかったからである。 22それゆえ、あなたがたがってまうことをねがっているそのところで、あなたがたはつるぎと、ききんと、疫病えきびょうぬことをたしかにらなければならない」。

第四三章

1エレミヤがすべてのたみにむかって、かれらのかみしゅ言葉ことばをことごとくかたり、かれらのかみしゅ自分じぶんをつかわしてわせられるその言葉ことばをみなおわったとき 2ホシャヤのアザリヤと、カレヤのヨハナンおよび高慢こうまん人々ひとびとはみなエレミヤにった、「あなたはいつわりをっている。われわれのかみしゅが、『エジプトへってそこにむな』とわせるためにあなたをつかわされたのではない。 3ネリヤのバルクがあなたをそそのかして、われわれにさからわせ、われわれをカルデヤびとのわたしてころすか、あるいはバビロンにとらうつさせるのだ」。 4こうしてカレヤのヨハナンと軍勢ぐんぜいちょうたちおよびたみらはみなしゅこえにしたがわず、ユダのにとどまろうとしなかった。 5そしてカレヤのヨハナンと軍勢ぐんぜいちょうたちは、ユダにのこっているものすなわちいやられた国々くにぐにからユダのむためにかえってきたもの、―― 6おとこおんな子供こどもおうむすめたち、およびすべて侍衛じえいちょうネブザラダンがシャパンのであるアヒカムのゲダリヤにわたしておいたもの、ならびに預言者よげんしゃエレミヤとネリヤのバルクをつれて、 7エジプトのった。かれらはしゅこえにしたがわなかったのである。そしてかれらはついにタパネスにった。

8しゅ言葉ことばはタパネスでエレミヤにのぞんだ、 9おおきないしり、ユダの人々ひとびとまえで、これをタパネスにあるパロの宮殿きゅうでん入口いりぐち敷石しきいしのしっくいのなかかくして、 10かれらにいなさい、『万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうわれる、よ、わたしは使者ししゃをつかわして、わたしのしもべであるバビロンのおうネブカデレザルをまねく。かれはそのくらいをこのかくしたいしうえにすえ、そのうえおう天蓋てんがいる。 11かれてエジプトのち、疫病えきびょうさだまっているもの疫病えきびょうわたし、とりこにさだまっているものをとりこにし、つるぎにさだまっているものをつるぎにかける。 12かれはエジプトの神々かみがみみやをつけてこれをき、かれらをとりこにする。そしてひつじもの着物きものむしをはらいきよめるように、エジプトのをきよめる。かれやすらかにそこをる。 13かれはエジプトのにあるヘリオポリスのオベリスクをこわし、エジプトの神々かみがみみやく』」。

第四四章

1エジプトのんでいるユダヤひとすなわちミグドル、タパネス、メンピス、パテロスのものことについてエレミヤにのぞんだ言葉ことば 2万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうわれる、あなたがたはわたしがエルサレムとユダの町々まちまちくだしたわざわいた。よ、これらは今日こんにち、すでにとなってひともない。 3これはかれらがあくって、わたしをいからせたことによるのである。すなわちかれらは自分じぶんも、あなたがたも、あなたがたの先祖せんぞたちもらなかった、ほかの神々かみがみって、こうをたき、これにつかえた。 4わたしは自分じぶんのしもべであるすべての預言者よげんしゃたちを、しきりにあなたがたにつかわして、『どうか、わたしのみきらうこのにくむべきことをしないように』とわせたけれども、 5かれらはかず、みみかたむけず、ほかの神々かみがみこうをたいて、そのあくはなれなかった。 6それゆえ、わたしはいかりといきどおりをユダの町々まちまちとエルサレムのちまたにそそぎ、それをいたので、それらは今日こんにちのようにれ、ほろびてしまった。 7万軍ばんぐんかみ、イスラエルのかみしゅいまこうわれる、あなたがたはなぜおおいなるあくって自分じぶん自身じしんがいし、ユダのうちから、あなたがたのおとこおんなと、子供こどものみって、ひとりものこらないようにしようとするのか。 8なぜあなたがたはそののわざをもってわたしをいからせ、あなたがたがってまうエジプトので、ほかの神々かみがみこうをたいて自分じぶんほろぼし、万国ばんこくのうちに、のろいとなり、はずかしめとなろうとするのか。 9ユダのとエルサレムのちまたでったあなたがたの先祖せんぞたちのあく、ユダのおうたちのあく、そのつまたちのあく、およびあなたがた自身じしんあく、あなたがたのつまたちのあくをあなたがたはわすれたのか。 10かれらは今日こんにちいたるまでいず、またおそれず、あなたがたとあなたがたの先祖せんぞたちのまえてた、わたしの律法りっぽうとわたしのさだめとにしたがってあゆまないのである。

11それゆえ万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうわれる、よ、わたしはかおをあなたがたにけてわざわいくだし、ユダの人々ひとびとをことごとくつ。 12またわたしは、エジプトのむために、むりにったあのユダののこりのもののぞく。かれらはみなほろぼされてエジプトのたおれる。かれらは、つるぎとききんにほろぼされ、もっとちいさいものからもっとおおいなるものまで、つるぎとききんによってぬ。そして、のろいとなり、恐怖きょうふとなり、ののしりとなり、はずかしめとなる。 13わたしはエルサレムをばっしたように、つるぎと、ききんと、疫病えきびょうをもってエジプトにんでいるものばっする。 14それゆえ、エジプトのってそこにんでいるユダののこりのもののうち、のがれ、またはのこって、かえまおうとねがうユダのかえものはひとりもない。少数しょうすうののがれるもののほかには、かえってくるものはない」。

15そのとき自分じぶんつまがほかの神々かみがみこうをたいたことをっている人々ひとびと、およびそのところっているおんなたちのおおいなる群衆ぐんしゅう、ならびにエジプトののパテロスにんでいるたみはエレミヤにこたえてった、 16「あなたがしゅによってわたしたちにべられた言葉ことばは、わたしたちはくことができません。 17わたしたちはちかったことをみなおこない、わたしたちが、もとっていたようにこう天后てんこうにたき、またさけをそのまえそそぎます。すなわち、ユダの町々まちまちとエルサレムのちまたで、わたしたちとわたしたちの先祖せんぞたちおよびわたしたちのおうたちと、わたしたちのつかさたちがったようにいたします。そのときには、わたしたちは糧食りょうしょくにはき、しあわせで、わざわいいませんでした。 18ところが、わたしたちが、天后てんこうこうをたくことをやめ、さけをそのまえそそがなくなったときから、すべてのものとぼしくなり、つるぎとききんにほろぼされました」。 19またおんなたちはった、「わたしたちが天后てんこうこうをたき、さけをそのまえそそぐにあたって、これにかたどってパンをつくり、さけそそいだのは、わたしたちのおっとゆるしたことではありませんか」。

20そこでエレミヤは男女だんじょのすべてのひと、およびこのこたえをしたすべてのたみった、 21「ユダの町々まちまちとエルサレムのちまたで、あなたがたとあなたがたの先祖せんぞたち、およびあなたがたのおうたちとあなたがたのつかさたち、およびそのたみこうをたいたことは、しゅがこれをわすれず、また、こころにとどめておられることではないか。 22しゅはあなたがたのしきわざのため、あなたがたのにくむべきおこないのために、もはやしのぶことができなくなられた。それゆえ、あなたがたの今日こんにちのごとくとなり、おどろきとなり、のろいとなり、ひとのないとなった。 23あなたがたがこうをたき、しゅつみおかし、しゅこえしたがわず、その律法りっぽうと、さだめと、あかしにしたがってあゆまなかったので、今日こんにちのようにこのわざわいがあなたがたにのぞんだのである」。

24エレミヤはまたすべてのたみおんなたちにった、「あなたがたすべてエジプトのにいるユダの人々ひとびとよ、しゅ言葉ことばきなさい。 25万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうわれる、あなたがたとあなたがたのつまたちはくちい、おこない、『わたしたちは天后てんこうこうをたき、さけそそいでてたちかいをかならずなしげる』とう。それならば、あなたがたのちかいをかため、あなたがたのちかいをなしげなさい。 26それゆえ、あなたがたすべてエジプトのにいるユダの人々ひとびとよ、しゅ言葉ことばきなさい。しゅわれる、わたしは自分じぶんおおいなるをさしてちかう、すなわちエジプトのぜんに、ユダの人々ひとびとで、そのくちに、『しゅなるかみきておられる』とって、わたしのをとなえるものは、もはやひとりもないようになる。 27よ、わたしはかれらを見守みまもっている、それはさいわいあたえるためではなく、わざわいくだすためである。エジプトのにいるユダの人々ひとびとは、つるぎとききんによってほろえる。 28しかし、つるぎをのがれるわずかのものはエジプトのてユダのかえる。そしてユダののこっているたみでエジプトにんだものは、わたしの言葉ことばつか、かれらの言葉ことばつか、いずれであるかをるようになる。 29しゅわれる、わたしがこのところであなたがたをばっするしるしはこれである。わたしはこのようにしてわたしがあなたがたにわざわいくだそうとったことかならつことをらせよう。 30すなわちしゅはこうわれる、よ、わたしはユダのおうゼデキヤを、そのいのちもとめるてきであるバビロンのおうネブカデレザルのわたしたように、エジプトのおうパロ・ホフラをそのてき、そのいのちもとめるものわたす」。

第四五章

1ユダのおうヨシヤのエホヤキムの四ねんに、ネリヤのバルクがこれらの言葉ことばをエレミヤの口述こうじゅつにしたがってしょにしるしたとき預言者よげんしゃエレミヤがかれかたった言葉ことば 2「バルクよ、イスラエルのかみしゅはあなたについてこうわれる、 3あなたはかつて、『ああ、わたしはわざわいだ、しゅがわたしのくるしみにかなしみをおくわえになった。わたしはなげつかれて、安息あんそくられない』とった。 4あなたはこうかれいなさい、しゅはこうわれる、よ、わたしは自分じぶんてたものをこわし、自分じぶんえたものをいている――それは、このぜんである。 5あなたは自分じぶんのためにおおいなることもとめるのか、これをもとめてはならない。よ、わたしはすべてのひとわざわいくだそうとしている。しかしあなたのいのちはあなたのくすべてのところで、ぶんどりものとしてあなたにあたえるとしゅわれる」。

第四六章

1もろもろのくにことについて預言者よげんしゃエレミヤにのぞんだしゅ言葉ことば

2エジプトのこと、すなわちユフラテかわのほとりにあるカルケミシのちかくにいるエジプトのおうパロ・ネコの軍勢ぐんぜいことについて。これはユダのおうヨシヤのエホヤキムの四ねんに、バビロンのおうネブカデレザルがやぶったものである。その言葉ことばつぎのとおりである、
3大盾おおだて小盾こだてとをそなえ、すすんでたたかえ。
4騎兵きへいよ、うま戦車せんしゃにつなぎ、うまれ。
かぶとをかぶってて。
ほこをみがき、よろいをよ。
5わたしはたが、なにゆえかかれらはおそれて退しりぞき、
その勇士ゆうしたちはやぶられ、あわててげて、
うしろをふりくこともしない、――
おそれがかれらの周囲しゅういにあるとしゅわれる。
6足早あしばやものげることができず、
勇士ゆうしものがれることができない。
きたほう、ユフラテかわのほとりで
かれらはつまずきたおれた。

7あのナイルかわのようにわきあがり、
川々かわがわのように、そのみずのさかまくものはだれか。
8エジプトはナイルかわのようにわきあがり、
そのみず川々かわがわのようにさかまく。
そしてこれはう、わたしはのぼって、をおおい、
町々まちまちとそのうちにものほろぼそう。
9うまよ、すすめ、くるまよ、はげしくはしれ。
勇士ゆうしよ、たてるエチオピヤびとと、プテびとよ、
ゆみたくみにくルデびとよ、すすよ。
10その万軍ばんぐんかみしゅであって、
しゅがあだをむくいられる
そのてきにあだをかえされるだ。
つるぎはべてき、
かれらのう。
万軍ばんぐんかみしゅが、きたで、ユフラテかわのほとりで、
ほふることをなされるからだ。
11おとめなるエジプトのむすめよ、
ギレアデにのぼって乳香にゅうこうれ。
あなたはおおくのくすりもちいても、むだだ。
あなたは、いやされることはない。
12あなたのはじ国々くにぐにきこえている、
あなたのさけびはちている。
勇士ゆうし勇士ゆうしにつまずいて、ともたおれたからである」。

13バビロンのおうネブカデレザルがて、エジプトのとうとすることについて、しゅ預言者よげんしゃエレミヤにおげになった言葉ことば
14「エジプトでべ、ミグドルでしめし、
またメンピスとタパネスにしめしてえ、
かたって、そなえせよ、
つるぎがあなたの周囲しゅういを、ほろぼしつくすからだ』。
15なぜ、アピスはのがれたのか。
あなたの雄牛おうしは、なぜたなかったのか。
それはしゅがこれをたおされたからだ。
16あなたにぞくするおおくのへいは、つまずいてたおれた。
そしてたがいった、『てよ、
われわれは、しえたげるもののつるぎをけて、
われわれのたみかえり、故郷こきょうこう』と。
17エジプトのおうパロのを、
好機こうきいっするさわがしいもの』とべ。

18万軍ばんぐんしゅというおうわれる、
わたしはきている、
かれ山々やまやまのうちのタボルのように、
うみのほとりのカルメルのようにきたのぞむ。
19エジプトにたみよ、
とらわれのために荷物にもつそなえよ。
メンピスはとなり、
廃虚はいきょとなってひともなくなる。
20エジプトはうつくしいめすうしだ、
しかしきたから、うしばえがて、それにとまった。
21そのうちにいるやといへいでさえ、えたうしのようだ。
かれらはふりかえってともげ、つことをしなかった。
かれらの災難さいなん、そのばっせられるときたからだ。
22かれるへびのようなおとをたてる。
そのてき軍勢ぐんぜいひきいてかれのぞみ、
きこりのように、おのをもってるからだ。
23かれらはかれはやしがいかにみがたくとも、
それをたおす。
かれらはいなごよりもおおく、
かぞえがたいからであると、しゅわれる。
24エジプトのむすめははずかしめをけ、
きたからくるたみわたされる」。

25万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみわれた、「よ、わたしはテーベのアモンと、パロと、エジプトとその神々かみがみとそのおうたち、すなわちパロとかれたのものとをばっする。 26わたしはかれらを、そのいのちもとめるものと、バビロンのおうネブカデレザルのと、その家来けらいたちのわたす。そののち、エジプトはむかしのようにひとところとなると、しゅわれる。
27わたしのしもべヤコブよ、おそれることはない、
イスラエルよ、おどろくことはない。
よ、わたしがあなたをとおくからすくい、
あなたの子孫しそんをそのとらうつされたから
すくうからだ。
ヤコブはかえってきて、おだやかに、やすらかになり、
かれおそれさせるものはない。
28しゅわれる、わたしのしもべヤコブよ、
おそれることはない、わたしがともにいるからだ。
わたしはあなたをいやった国々くにぐに
ことごとくほろぼしつくす。
しかしあなたをほろぼしつくすことはしない。
わたしはただしいみちしたがって、あなたをらしめる、
けっしてばっしないではおかない」。

第四七章

1パロがまだガザをたなかったころ、ペリシテびとのことについて預言者よげんしゃエレミヤにのぞんだしゅ言葉ことば
2しゅはこうわれる、
よ、みずきたからおこり、あふれながれて、
このと、そこにあるすべてのもの
そのまちと、そのなかものとにあふれかかる。
そのとき人々ひとびとさけび、このものはみななげく。
3そのたくましいうまのひずめのらすおとのため、
その戦車せんしゃひびきのため、
その車輪しゃりんのとどろきのために、
ちちはそのよわくなって、
自分じぶんをもかえりみない。
4これは、ペリシテびとをほろぼしつくし、
ツロとシドンにのこってたすけをなすもの
ことごとくやするからである。
しゅはカフトルの海岸かいがんのこっている
ペリシテびとをほろぼされる。
5ガザにはかみをそることがはじまっている。
アシケロンはほろびた。
アナクびとののこりのたみよ、
いつまで自分じぶんきずつけるのか。
6しゅのつるぎよ、
おまえはいつになればしずかになるのか。
おまえのさやにかえり、やすんでしずかにしておれ。
7しゅがこれにいのちくだされたのだ、
どうしてしずかにしておれようか。
アシケロンと海岸かいがんめることを
さだめられたのだ」。

第四八章

1モアブのことについて、万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうわれる、
「ああ、ネボはわざわいだ、これはほろぼされた。
キリヤタイムははずかしめられてられ、
とりでは、はずかしめられてこわされた。
2モアブのほまれは、った。
ヘシボンで人々ひとびとはモアブのがいはかり、
『さあ、このくにほろぼそう』という。
マデメンよ、おまえもまたほろぼされる、
つるぎがおまえをう。

3ホロナイムからさけごえきこえる、
荒廃こうはいおおいなる滅亡めつぼうだ』という。
4モアブはほろぼされ、
さけびはゾアルにまできこえる。
5かれらはきながらルヒテのさかのぼる。
かれらはホロナイムのくだざかで、
滅亡めつぼう』のさけびをいたからだ。
6げて、自分じぶんすくえ、
荒野あらのろばのようになれ。
7おまえが、とりでと財宝ざいほうとをたのみにしたので、
おまえもとらえられるからだ。
またケモシは、その祭司さいしとつかさたちとともに、
とらえられてく。
8ほろぼすものはすべてのまちる、
一つのまちものがれることができない。
たにほろび、平地へいちあらされる、
しゅわれたとおりである。
9モアブにつばさあたえて、らせよ。
その町々まちまちれて、ものはなくなる。

10しゅのわざをおこなうことをおこたものはのろわれる。またそのつるぎをおさえてながさないものはのろわれる。


11モアブはそのおさなときからやすらかで、
さけが、しずんだおりのうえにとどまって、
うつわからうつわに、くみうつされなかったように、
とらうつされなかったので、
そのあじはなおそんし、その香気こうきかわることがない。

12しゅわれる、それゆえよ、わたしがこれをかたむけるものどもをつかわする。かれらはこれをかたむけ、そのうつわをあけ、そのかめをくだく。 13そのときモアブはケモシのためにはじをかく。ちょうどイスラエルのいえがそのたのみとしたベテルのためにはじをかいたようになる。


14あなたがたはどうして
『われわれは勇士ゆうしだ。つよ戦士せんしだ』というのか。
15モアブとその町々まちまちほろぼすもののぼって
モアブのえりきの若者わかものたちはくだってころされたと
万軍ばんぐんしゅのるおうわれる。
16モアブの災難さいなんちかづいている、
その苦難くなんはすみやかにる。
17すべてその周囲しゅういにあるものよ、
またそのものよ、
かれのためになげいて、
『ああ、つよしゃくうるわしきつえは、
ついにれた』とえ。

18デボンにものよ、ああなたのさかえをはなれてくだり、かわいたせよ。
モアブをほろぼすものがあなたにめのぼってて、
あなたのしろほろぼしたからだ。
19アロエルにものよ、
みちのかたわらにって見張みはりし、
げてくるおとこ、のがれてくるおんなたずねて、
なにおこったのか』とえ。
20モアブはやぶれて、はじをこうむっている。
なげばわれ。
アルノンかわのほとりで、
モアブはほろぼされたとげよ。

21さばきは高原こうげんのぞみ、ホロン、ヤハズ、メパアテ、 22デボン、ネボ、ベテ・デブラタイム、 23キリヤタイム、ベテ・ガムル、ベテ・メオン、 24ケリオテ、ボズラなどモアブののすべてのまちの、とおいものにもちかいものにも、のぞんだ。 25モアブのつのくだけ、そのうでれたとしゅわれる。

26モアブをわせよ、かれしゅてきしてみずかたかぶったからである。モアブは自分じぶんいたものなかにころがって、わらぐさとなる。 27イスラエルはあなたのわらぐさではなかったか。あなたが、かれのことをかたるごとにくびったのは、かれ盗賊とうぞくなかにいたとでもいうのか。


28モアブにものよ、まちっていわあいだめ。
たに入口いりぐちのかたわらにつく
やまばとのようにせよ。
29われわれはモアブの高慢こうまんこといた、
その高慢こうまんは、はなはだしい。
すなわち、その尊大そんだい高慢こうまん横柄おうへい
およびそのこころたかぶりのことをいた。
30しゅわれる、わたしはかれ横着おうちゃくなのをる、
かれ自慢じまんいつわりで、そのおこないもいつわりである。
31それゆえ、わたしはモアブのためになげき、
モアブのぜんのためにばわる。
キルヘレスの人々ひとびとのためにわたしはかなしむ。
32シブマのぶどうのよ、
わたしはヤゼルのためにくのにまさって
おまえのためにく。
おまえのつるはびてうみえ、ヤゼルにおよんだ。
おまえのなつと、その収穫しゅうかくほろぼすもの
おそってきた。
33よろこびとたのしみは、みのおおいモアブのった。
わたしは、ぶどうをしぼるところにもさけをなくした。
たのしくばわって、ぶどうをものもなくなった。
ばわっても、よろこんでばわるこえではない。

34ヘシボンとエレアレはさけぶ。ヤハヅにいたるまで、ゾアルからホロナイムとエグラテ・シリシヤにいたるまで、かれらはそのこえをあげる。ニムリムのみずえたからである。 35しゅわれる、わたしは犠牲ぎせいたかところにささげ、こうをそのかみにたくものをモアブのうちにほろぼす。 36それゆえ、わたしのこころはモアブのためにふえのようになげき、わたしのこころはキルヘレスの人々ひとびとのためにふえのようになげく。かれらのとみえうせたからである。

37ひとはみなかみをそり、みなひげをそり、みなきずをつけ、こし荒布あらぬのける。 38モアブではどこの屋根やねうえも、広場ひろばも、ただかなしみにつつまれている。これは、わたしが、だれもほしがらないうつわのようにモアブをくだいたからであるとしゅわれる。 39ああ、モアブはついにほろびた。人々ひとびとなげく。ああ、モアブはじてかおをそむけた。モアブはその周囲しゅういのすべてのものわらぐさとなりおそれとなった」。
40しゅはこうわれる、
よ、てきはわしのようにはやんできて、
モアブにかってつばさをのべる。
41町々まちまちられ、しろうばわれる。
そのモアブの勇士ゆうしこころ
おんなこころのようになる。
42モアブはほろぼされて、くにさないようになる。
しゅてきしてみずかほこったからである。
43しゅわれる、
モアブにものよ、
おそれと、あなと、わなとがあなたにのぞんでいる。
44おそれをさけてげるものあなにおちいり、
あなをよじのぼってものは、わなにとらえられる。
わたしがモアブに、そのばっせられるとしに、
これらのものをのぞませるからであると
しゅわれる。

45げたものはヘシボンのかげに、ちからなくちどまる。
ヘシボンから、シホンのいえからほのおて、
モアブのひたいさわ人々ひとびとあたまいただきいたからだ。
46モアブよ、おまえはわざわいだ。
ケモシのたみほろびた。
おまえのむすこらはとらうつされ、
おまえのむすめらもとらかれたからである。
47しかしすえにわたしはふたたびモアブをさかえさせると
しゅわれる」。
ここまではモアブのさばきのことをいったのである。

第四九章


1アンモンびとについて、
しゅはこうわれる、
「イスラエルにはがないのか、世継よつぎがないのか。
どうしてミルコムがガドをして、
そのたみがその町々まちまちんでいるのか。
2しゅわれる、
それゆえ、よ、アンモンびとのラバをめる
たたかいのさけびを、わたしがきこえさせるる。
ラバは荒塚あれづかとなり、その村々むらむらかれる。
そのときイスラエルは自分じぶんしたものどもを
すとしゅわれる。

3ヘシボンよなげけ、アイはほろぼされた。
ラバのむすめたちよばわれ。
荒布あらぬのにまとい、かなしんで、
まがきのうちをはしりまわれ。
ミルコムとその祭司さいしおよびつかさが
ともとらうつされるからだ。
4不信ふしんむすめよ、
あなたはなぜ自分じぶんたにことほこるのか。
あなたは自分じぶんとみたよんで、
『だれがわたしにめてくるものか』とう。
5しゅなる万軍ばんぐんかみわれる、
よ、わたしはあなたのうえおそれをのぞませる、
それはあなたの周囲しゅういものからる。
あなたはわれて、おのおのただちに他人たにんつづき、
げるものあつめるひともない。
6しかし、のちになって、わたしはアンモンびとをふたたさかえさせると、しゅわれる」。


7エドムのことについて、万軍ばんぐんしゅはこうわれる、
「テマンには、もはや知恵ちえがないのか。
さといものにははかりごとがなくなったのか。
その知恵ちええうせたのか。
8デダンにものよ、
げよ、のがれよ、ふかところかくれよ。
わたしがエサウの災難さいなんかれうえのぞませ、
かればっするときをこさせるからだ。
9ぶどうをあつめるものがあなたのところたならば、
すこしのをものこさないであろうか。
よるぬすびとがたならば、
自分じぶんたちの満足まんぞくするだけほろぼさないであろうか。
10しかしわたしはエサウをはだかにし、
そのかくれるところあらわしたので、
かれはそのかくすことができない。
そのどもたちも、兄弟きょうだいも、となびとほろぼされる。
そしてかれは、いなくなる。
11あなたのみなしごをのこせ、
わたしがそれをきながらえさせる。
あなたのやもめには、わたしにたのませよ」。

12しゅはこうわれる、「もし、さかずきむべきでないものもそれをまなければならなかったとすれば、あなたはばつまぬかれることができようか。あなたはばつまぬかれない。それをまなければならない。 13しゅわれる、わたしは自分じぶんをさしてちかった、ボズラはおどろきとなり、ののしりとなり、となり、のろいとなる。その町々まちまちながとなる」。
14わたしはしゅからのおとずれをいた。
ひとりの使者ししゃがつかわされて万国ばんこくき、
そしてった、
「あなたがたはあつまり、ってかれめ、ってたたかえ。
15よ、わたしはあなたを万国ばんこくのうちにちいさいものとし、
人々ひとびとのうちにいやしめられるものとする。
16いわみ、やまたかみをめるものよ、
あなたのおそろしいことと、あなたのこころたかぶりが、
あなたをあざむいた。
あなたは、わたしのようにたかところつくっているが、
わたしはそのところからあなたをりおろすと
しゅわれる。

17エドムはおそれとなる。そのかたわらをとおぎるものはみなおそれ、そのわざわいのために、舌打したうちする。 18しゅわれる、ソドムとゴモラとそのとなり町々まちまちがくつがえされたときのように、そこにひとはなく、そこに宿やどひともなくなる。 19よ、ししがヨルダンの密林みつりんからのぼってきて、じょうぶなひつじのおりをおそうように、わたしは、たちまちかれらをそこからはしらせ、わたしのえらものをそのうえてる。だれかわたしのようなものがあるであろうか。だれがわたしをびつけることができようか。どの牧者ぼくしゃがわたしのまえつことができようか。 20それゆえ、エドムにたいしてしゅてたはかりごとと、テマンにものたいしてしようとすることくがよい。かれらのれのうちのちいさいものまでもみなかれてく。かれらのおりのものもそのおわりをおそれる。 21そのたおれるおといて、ふるい、かれらのさけごえ紅海こうかいにもきこえる。 22よ、てきはわしのようにのぼり、すみやかにびかけり、そのつばさをボズラのうえひろげる。そのエドムの勇士ゆうしこころおんなこころのようになる」。


23ダマスコのことについて、
「ハマテとアルパデは、うろたえている、
かれらはわるいおとずれをいたからだ。
かれらは勇気ゆうきうしない、
おだやかになることのできないうみのようになやむ。
24ダマスコはよわり、をめぐらしてげた、
恐怖きょうふおそわれている。
おんなのぞむようにいたみとかなしみとかれのぞむ。
25ああ、あるまちたのしいまちてられる。
26それゆえ、そのに、わかものは、広場ひろばたおれ、
兵士へいしはことごとくほろぼされると
万軍ばんぐんしゅわれる。
27わたしはダマスコの城壁じょうへきうえやし、
ベネハダデの宮殿きゅうでんつくす」。

28バビロンのおうネブカデレザルがったケダルとハゾルの諸国しょこくことについて、
しゅはこうわれる、「って、ケダルにかってすすみ、
ひがし人々ひとびとほろぼせ。
29かれらの天幕てんまくと、そのひつじれとはられ、
その垂幕たれまくとそのもろもろのうつわと、
らくだとはかれらのところからはこられ、
人々ひとびとかれらにかってさけぶ、
おそろしいことが四方しほうにある』と。
30しゅわれる、ハゾルにものよ、
げよ、とおくさまよいき、ふかところかくれよ。
バビロンのおうネブカデレザルが
あなたがたをめるはかりごとをめぐらし、
あなたがたをめる、てだてをもうけたからだ。

31しゅわれる、
ってすすみ、安全あんぜんところむきらくなたみめよ、
かれらはもんもなく、かんもなく、ひとりはなれてむ。
32かれらのらくだは、ぶんどりものとなり、
家畜かちくれはうばわれる。
わたしは、かのかみのすみずみをもの
四方しほうらし、
その災難さいなん八方はっぽうからこさせるとしゅわれる。
33ハゾルは山犬やまいぬのすまいとなり、
いつまでもとなっている。
だれもそこにひとはなく、
そこに宿やどひともない」。

34ユダのおうゼデキヤの治世ちせいはじめのころに、エラムのことについて預言者よげんしゃエレミヤにのぞんだしゅ言葉ことば

35万軍ばんぐんしゅはこうわれる、「よ、わたしはエラムがちからとしてたよんでいるゆみる。 36わたしはてん四方しほうから、四方しほうかぜをエラムにこさせ、かれらを四方しほうかぜらす。エラムからされるものかないくにはない。 37しゅわれる、わたしはエラムをしてそのてきまえ、またそのいのちもとめるものまえおそれさせる。わたしはわざわいをくだし、はげしいいかりをそのうえにくだす。かれらのうしろに、つるぎをおくってほろぼしつくす。 38そしてわたしのくらいをエラムにすえ、おうとつかさたちとをほろぼすとしゅわれる。

39しかしすえに、わたしはエラムをふたたさかえさせると、しゅわれる」。

第五〇章

1しゅ預言者よげんしゃエレミヤによってかたられたバビロンとカルデヤびとのことについての言葉ことば
2国々くにぐにのうちにげ、またしめせよ、
はたてて、かくすことなくしめしてえ、
『バビロンはられ、ベルははずかしめられ、
メロダクはくだかれ、そのぞうははずかしめられ、
その偶像ぐうぞうくだかれる』と。

3それは、きたほうから一つの国民こくみんがきて、これをめ、そのあらして、ひともないようにするからである。ひとけものもみなってしまう。

4しゅわれる、そのそのとき、イスラエルのたみとユダのたみともかえってくる。かれらはなげきながらかえってくる。そしてそのかみしゅもとめる。 5かれらはかおをシオンにけて、そのみちい、『さあ、われわれは、永遠えいえんわすれられることのない契約けいやくむすんでしゅつらなろう』とう。

6わたしのたみまよえるひつじれである、その牧者ぼくしゃがこれをいざなって、やままよわせたので、やまからおかへときめぐり、そのやすところわすれた。 7これにものはみなこれをべた。そのてきった、『われわれにつみはない。かれらがそのまことのすみかであるしゅ先祖せんぞたちの希望きぼうであったしゅたいしてつみおかしたのだ』と。

8バビロンのうちからげよ。カルデヤびとのからよ。れのまえやぎのようにせよ。 9よ、わたしはおおきい国々くにぐにおこあつめて、きたからバビロンにめこさせる。かれらはこれにかってせいぞろいをし、これをそのところからる。かれらのはむなしくかえらない老練ろうれん勇士ゆうしのようである。 10カルデヤはひとにかすめられる。これをかすめるものはみなくことができると、しゅわれる。
11わたしのぎょうをかすめるものどもよ、
あなたがたはよろこたのしみ、
めすうしのようにくさたわむれ、
うまのように、いなないているが、
12あなたがたのはははいたくはずかしめられ、
あなたがたをんだものはじをこうむる。
よ、彼女かのじょ国々くにぐにのうちのもっともあとなるものとなり、
かわいた砂原すなはら荒野あらのとなる。
13しゅいかりによって、ここにものはなく、
完全かんぜんとなる。
バビロンのかたわらをとおものは、
みなそのきずおどろき、かつあざわらう。
14あなたがたすべてゆみものよ、
バビロンの周囲しゅういせいぞろいして、これをめ、
しまずに、これをよ、
彼女かのじょしゅつみおかしたからだ。
15その周囲しゅういさけごえをあげよ、彼女かのじょ降伏こうふくした。
そのとりではたおれ、その城壁じょうへきはくずれた、
しゅがあだをかえされたからだ。
彼女かのじょ報復ほうふくせよ、彼女かのじょがおこなったように、
これにおこなえ。
16たねまくものと、刈入かりいれどきに、かまをもの
バビロンにやせ。
ほろぼすもののつるぎをおそれて、
ひとはおのおの自分じぶんたみところかえり、
そのふるさとにげてく。

17イスラエルは、ししにわれてったひつじである。はじめにアッスリヤのおうがこれをい、そしていまはついにバビロンのおうネブカデレザルがそのほねをかじった。 18それゆえ万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみは、こうわれる、よ、わたしはアッスリヤのおうばっしたように、バビロンのおうとそのくにばつくだす。 19わたしはイスラエルをふたたびその牧場まきばかえらせる。かれはカルメルとバシャンでくさべる。またエフライムのやまとギレアデでそののぞみがたされる。 20しゅわれる、そのそのときには、イスラエルのとがをさがしても見当みあたらず、ユダのつみさがしてもない。それはわたしがのこしておく人々ひとびとを、ゆるすからである。


21しゅわれる、
のぼってって、メラタイムのめ、
ペコデのたみめ、
かれらをころしてまったほろぼし、
わたしがあなたがたにめいじたことをみなおこないなさい。
22そのに、いくさのさけびと、おおいなるほろびがある。
23ああ、ぜんくだいたつちはついにくだける。
ああ、バビロンはついに国々くにぐにのうちの
おそるべきものとなる。
24バビロンよ、
わたしは、おまえをとらえるためにわなをかけたが、
おまえはそれにかかった。
そしておまえはそれをらなかった。
おまえはしゅてきしたので、たずされ、とらえられた。
25しゅ武器ぶきくらひらいて
そのいかりの武器ぶきされた。
しゅなる万軍ばんぐんかみが、
カルデヤびとのことおこなわれるからである。
26あらゆる方面ほうめんからきて、これをめ、
その穀倉こくぐらひらき、
これを穀物こくもつやまのようにげ、
完全かんぜんほろぼしつくし、そこにのこもののないようにせよ。
27その雄牛おうしをことごとくころせ、
それを、ほふりくだらせよ。
それらのものはわざわいだ、
その、そのばつけるときがきたからだ。

28けよ、バビロンのからげ、のがれてきたものこえがする。われわれのかみしゅ報復ほうふく、そのみや報復ほうふくことをシオンにしめす。

29ゆみ射手いてをことごとくあつめて、バビロンをめよ。その周囲しゅういじんけ。ひとりも逃がにがすな。そのしわざにしたがってバビロンにむくい、これがおこなったところにしたがってこれにおこなえ。かれがイスラエルの聖者せいじゃであるしゅかって高慢こうまんにふるまったからだ。 30それゆえ、そのわかものは、広場ひろばたおれ、兵士へいしはみなやされるとしゅわれる。
31しゅなる万軍ばんぐんかみわれる、
たかぶるものよ、よ、わたしはおまえのてきとなる、
あなたの、わたしがおまえをばっするときた。
32たかぶるものはつまずきたおれる、
これをたすおこすものはない。
わたしはその町々まちまちやして、
その周囲しゅういものをことごとくつくす。

33万軍ばんぐんしゅはこうわれる、イスラエルのたみとユダのたみともにしえたげられている。かれらをとりこにしたものはみなかれらをかたまもって釈放しゃくほうすることをこばむ。 34かれらをあがなうものつよく、その万軍ばんぐんしゅといわれる。かれかならかれらのうったえをただし、このやすきをあたえるが、バビロンにものには不安ふあんあたえられる。
35しゅわれる、
カルデヤびとのうえとバビロンにものうえ
そのつかさたち、その知者ちしゃたちのうえにつるぎがのぞむ。
36うらなうえにつるぎがのぞみ、かれらはおろものとなる。
その勇士ゆうしうえにつるぎがのぞみ、かれらはほろぼされる。
37そのうまうえと、そのくるまうえにつるぎがのぞみ、
またそのうちにあるすべてのやといへいうえのぞみ、
かれらはおんなのようになる。
その財宝ざいほううえにつるぎがのぞみ、それはかすめられる。
38そのみずうえに、ひでりがて、それはかわく。
それは、この偶像ぐうぞうであって、
人々ひとびと偶像ぐうぞうこころくるっているからだ。

39それゆえ、けもの山犬やまいぬとはともにバビロンにおり、だちょうもそこにむ。しかし、いつまでもそのひとはなく、世々よよここにひとはない。 40しゅわれる、かみがソドムとゴモラと、そのとなり町々まちまちほろぼされたように、そこにひとはなく、そこに宿やどひとはない。


41よ、一つのたみきたほうからる。
おおいなるくにおおくのおう
はてからがっている。
42かれらはゆみと、やりをる。
残忍ざんにんで、あわれみがなく、
そのひびきはうみりとどろくようである。
バビロンのむすめよ、かれらはうまり、
いくさびとのようにをよろって、
あなたをめる。
43バビロンのおうはそのうわさをいて、
そのよわり、おんなのぞむような
いたみとくるしみにせまられた。

44よ、ししがヨルダンの密林みつりんからのぼってきて、じょうぶなひつじのおりをおそうように、わたしは、たちまちかれらをそこかららせる。そしてわたしのえらものをそのうえてる。だれかわたしのようなものがあるであろうか。だれがわたしをびつけることができようか。どの牧者ぼくしゃがわたしのまえつことができようか。 45それゆえ、バビロンにたいしてしゅてたはかりごとと、カルデヤびとのたいしてしようとすることくがよい。かれらのれのうちのちいさいものは、かならずかれてく。かれらのおりのものもかならずそのおわりをおそれる。 46バビロンがられたとのこえによってふるい、そのさけびは国々くにぐにのうちにきこえる」。

第五一章


1しゅはこうわれる、
よ、わたしは、ほろぼすものこころふるおこして、
バビロンをめ、カルデヤにものめさせる。
2わたしはバビロンに、あおぎけるものをつかわす。
かれらは、そのわざわいに、四方しほうからこれをめ、
それをあおぎけて、そのをむなしくする。
3射手いてにはそのゆみらせることなく、
よろいをがらせるな。
そのわかものをあわれむことなく、その軍勢ぐんぜいをことごとくほろぼせ。
4かれらはカルデヤびとのころされてたおれ、
そのちまたにきずついてたおれる。
5イスラエルとユダは
そのかみ万軍ばんぐんしゅてられてはいないが、
しかしカルデヤびとのには
イスラエルの聖者せいじゃかっておかしたつみ
ちている。

6バビロンのうちからのがれて、
おのおのそのいのちすくえ。
そのばつにまきこまれてほろぼされてはならない。
いましゅがあだをかえされるときだから、
それに報復ほうふくをされるのである。
7バビロンはしゅのうちにあるきんさかずきであって、
すべてのわせた。
国々くにぐにはそのさけんだので、国々くにぐにくるった。
8バビロンはたちまちたおれてやぶれた。
これがためになげけ。
そのきずのために乳香にゅうこうれ。
あるいは、いえるかもれない。
9われわれはバビロンをいやそうとしたが、
これはいえなかった。
われわれはこれをてて、
おのおの自分じぶんくにかえろう。
そのばつてんたっし、
くもにまでおよんでいるからだ。
10しゅはわれわれのただしいことをあきらかにされた。
さあ、われわれはシオンで、
われわれのかみしゅのみわざをしめそう。

11をとぎ、

たてれ。しゅはメデアびとのおうたちのこころてられる。しゅのバビロンにおもはかることは、これをほろぼすことであり、しゅがあだをかえし、そのみやのあだをかえされるのである。
12バビロンの城壁じょうへきかってはたて、
見張みはりを強固きょうこにし、番兵ばんぺいき、伏兵ふくへいそなえよ。
しゅがバビロンにものめようとはかり、
そのわれたことを、いまおこなわれるからだ。
13おおくのみずのほとりにみ、
おおくの財宝ざいほうものよ、
あなたのおわりがて、そのいのちいとたれる。
14万軍ばんぐんしゅはみずからをさしてちかい、われる、
わたしはかならずあなたのうちに、
ひとをいなごのようにたす。
かれらはあなたにかって、かちどきのこえをあげる。

15しゅはそのちからをもってつくり、
その知恵ちえをもって世界せかいて、
そのさとりをもっててんをのべられた。
16かれこえされると、
てんおおくのみずのざわめきがあり、
またはてからきりちあがらせられる。
かれあめのためにいなびかりをおこし、
そのくらからかぜされる。
17すべてのひとおろかで知恵ちえがなく、
すべてのきん細工人ざいくにん
そのつくった偶像ぐうぞうのためにはじをこうむる。
その偶像ぐうぞういつわもので、
そのうちにいきがないからだ。
18それらは、むなしいもの、まよいのわざである。
ばっせられるときになればほろびるものである。
19ヤコブのぶんであるかれはこのようなものではない、
かれ万物ばんぶつつくぬしだからである。
イスラエルはかれぎょうとしての部族ぶぞくである。
かれ万軍ばんぐんしゅという。

20おまえはわたしのつちであり、たたかいの武器ぶきである。
わたしはおまえをもってすべてのくにくだき、
おまえをもって万国ばんこくほろぼす。
21おまえをもってわたしはうまと、その騎手きしゅとをくだき、
おまえをもって戦車せんしゃとそれにものとをくだく。
22わたしはおまえをもっておとこおんなとをくだき、
おまえをもっていたものおさなものとをくだき、
おまえをもってわかものと、おとめとをくだく。
23わたしはおまえをもって、
羊飼ひつじかいと、そのれとをくだき、
おまえをもって農夫のうふと、くびきを家畜かちくとをくだき、
おまえをもっておさたちと、つかさたちとをくだく。

24わたしはバビロンとカルデヤにむすべてのものとに、かれらがシオンでったもろもろのしきことのために、あなたがたのまえむくいをすると、しゅわれる。


25しゅわれる、
ぜんほろぼしつくほろぼしのやまよ、
よ、わたしはおまえのてきとなる、
わたしはをおまえのうえべて、
おまえをいわからころばし、
おまえをやまにする。
26しゅわれる、
ひとがおまえからいしって、すみいしとすることなく、
またいしずえとすることもない。
おまえはいつまでもとなっている。
27はたて、国々くにぐにのうちにラッパをき、
国々くにぐにたみあつめてそれをめ、
アララテ、ミンニ、アシケナズの国々くにぐにをまねいて
それをめ、
ぐんちょうててそれをめ、
むらがるいなごのようにうまのぼかせよ。
28国々くにぐにたみあつめてそれをめ、
メデアびとのおうたちと、
そのおさたち、つかさたち、
およびすべての領地りょうち人々ひとびとあつめてこれをめよ。
29そのふるい、かつもだえくるしむ、
しゅがそのおもはかることをバビロンにおこない、
バビロンのを、ひとなきとされるからだ。
30バビロンの勇士ゆうしたちはたたかいをやめて、
そのしろにこもり、ちからはうせて、おんなのようになる。
そのいえけ、そのかんくだかれる。
31飛脚ひきゃくはしって飛脚ひきゃくい、使者ししゃはしって使者ししゃい、
バビロンのおうげて、まちはことごとくられ、
32わたうばわれ、とりではかれ、
兵士へいしはおびえているとう。
33万軍ばんぐんしゅ、イスラエルのかみはこうわれる、
バビロンのむすめは、のようだ、
そのまれるときたのだ。
しばらくしてそのられるときる」。

34「バビロンのおうネブカデレザルはわたしをつくし、
わたしをほろぼし、わたしを、からのうつわのようにし、
りゅうのようにわたしをみ、
わたしのうまいものでそのはらたし、
わたしをあらいざらいにした。
35わたしとわたしの肉親にくしんにおこなった暴虐ぼうぎゃくは、
バビロンにふりかかる」と
シオンにものわなければならない。
「わたしのはカルデヤにものにふりかかる」と
エルサレムはわなければならない。
36それゆえしゅはこうわれる、
よ、わたしはあなたのうったえをただし、
あなたのためにあだをかえす。
わたしはバビロンのうみをかわかし、
そのいずみをかわかす。
37バビロンは荒塚あれづかとなり、山犬やまいぬのすまいとなり、
おどろきとなり、わらいとなり、
ひとのないところとなる。
38かれらはししのようにともにほえ、
わかいししのようにほえる。
39かれらのよくえているとき
わたしはうたげもうけてかれらをわせ、
かれらがついにうしなって、ながいねむりにいり、
もはやをさますことのないようにしようと
しゅわれる。
40わたしはかれらを小羊こひつじのように、
また雄羊おひつじやぎのように、ほふりくだらせよう。

41ああ、バビロンはついにられた、
ぜんひとの、ほめたたえたものとらえられた。
ああ、バビロンはついに国々くにぐにのうちにおどろきとなった。
42うみはバビロンにあふれかかり、
どよめくなみにおおわれた。
43その町々まちまちれて、
かわいたとなり、砂原すなはらとなり、
ひとのないとなる。
ひとはひとりとしてそこをぎることはない。
44わたしはバビロンでベルをばっし、
そののみこんだものをくちからす。
国々くにぐにかわのようにかれながることはなくなる。
バビロンの城壁じょうへきたおれた。
45わがたみよ、あなたがたはそのなかからて、
おのおのしゅはげしいいかりをまぬかれ、そのいのちすくえ。
46こころよわくしてはならない、
このくうわさをおそれてはならない。
うわさはこのとしにもくれば、またつぎとしにもくる。
この暴虐ぼうぎゃくがあり、
つかさとつかさとがめあうことがある。
47それゆえよ、
わたしがバビロンの偶像ぐうぞうばっするる。
そのぜんははずかしめられ、
そのころされるものはみなそのなかたおれる。
48てんとそのうちにあるすべてのものは
バビロンのことよろこうたう。
ほろぼすものきたほうからここにるからであると
しゅわれる。
49イスラエルのころされたものたちのために、
バビロンはたおれなければならない、
バビロンのためにぜんころされたものたおれたのだ。

50つるぎをのがれてきたあなたがたは、
け、ちとどまってはならない。
とおくからしゅおぼえ、
エルサレムをこころにとめよ。
51『われわれはののしりをいたので、じている。
異邦人いほうじんしゅみや聖所せいじょにはいったので、
はじがわれわれのかおをおおった』。

52しゅわれる、
それゆえよ、わたしがその偶像ぐうぞうばっするる、
きずつけられたものが、その全国ぜんこくにうめくようになる。
53たといバビロンがてんのぼっても、
そのしろたかくしてかためても、
ほろぼすものはわたしからて、
これにのぞむとしゅわれる。

54け、バビロンのさけびを、
カルデヤびとのおこおおいなるほろびのさわこえを。
55しゅがバビロンをほろぼし、
そのおおいなるこえやされるのだ。
そのなみ大水おおみずのようにりとどろき、
そのこえはひびきわたる。
56ほろぼすものがこれにのぞみ、バビロンにた。
その勇士ゆうしたちはとらえられ、そのゆみられる。
しゅむくいをするかみであるからかならむくいられるのだ。
57わたしはそのきみたちと知者ちしゃたち、
おさたち、つかさたち、および勇士ゆうしたちをわせる。
かれらは、ながいねむりにいり、をさますことはない。
万軍ばんぐんしゅばれるおうがこれをわせる。
58万軍ばんぐんしゅはこうわれる、
バビロンのひろ城壁じょうへきにくずされ、
そのたかもんかれる。
こうしてたみ労苦ろうくはむなしくなり、
国民こくみんはただのためにつかれる」。

59マアセヤのであるネリヤのセラヤが、ユダのおうゼデキヤとともに、その治世ちせいの四ねんにバビロンへくとき、預言者よげんしゃエレミヤがセラヤにめいじた言葉ことば。セラヤは宿営しゅくえいちょうであった。 60エレミヤはバビロンにのぞもうとするすべてのわざわい巻物まきものにしるした。これはすなわちバビロンのことについてしるしたすべての言葉ことばである。 61エレミヤはセラヤにった、「あなたはバビロンへったならば、わすれることなくこのすべての言葉ことばみ、 62そしていなさい、『しゅよ、あなたはこのところほろぼし、ひとけものとをわず、すべてここにもののないようにし、永久えいきゅうにここをとしようと、このところについてかたられました』と。 63あなたがこの巻物まきものおわったならば、これにいしをむすびつけてユフラテかわなかげこみ、 64そしていなさい、『バビロンはこのようにしずんで、二がってこない。わたしがこれにわざわいくだすからである』と」。ここまではエレミヤの言葉ことばである。

第五二章

1ゼデキヤはおうとなったとき二十一さいであったが、エルサレムで十一ねんおさめた。はははハムタルといい、リブナのエレミヤのむすめである。 2ゼデキヤはエホヤキムがすべてったように、しゅまえ悪事あくじおこなった。 3たしかに、しゅいかりによって、エルサレムとユダとは、そのみまえからられるようなことになった。

そしてゼデキヤはバビロンのおうにそむいた。 4そこでかれ治世ちせいの九ねんがつに、バビロンのおうネブカデレザルはその軍勢ぐんぜいひきい、エルサレムにきて、これを包囲ほういし、周囲しゅういるいきずいてこれをめた。 5こうしてこのまちかこまれて、ゼデキヤおうの十一ねんにまでおよんだが、 6その四がつになって、まちなか食糧しょくりょうは、はなはだしく欠乏けつぼうし、そのたみ食物しょくもつることができなくなった。 7そしてまち城壁じょうへきはついにやぶられたので、兵士へいしたちはみなげ、よるのうちに、おうそのちかくの、二つの城壁じょうへきあいだもんからまちをのがれて、カルデヤびとが、まちかこんでいるうちに、アラバのほうちてった。 8しかしカルデヤびとの軍勢ぐんぜいおうってって、エリコの平地へいちでゼデキヤにいついたが、かれ軍勢ぐんぜいがみなってかれのそばをはなれたので、 9カルデヤびとはおうとらえ、ハマテののリブラにいるバビロンのおうのもとにいていったので、おうかれつみさだめた。 10すなわちバビロンのおうはゼデキヤのたちをそのまえころさせ、ユダのつかさたちをことごとくリブラでころさせ、 11またゼデキヤのをつぶさせた。そしてバビロンのおうかれくさりにつないでバビロンへれてき、そのまで獄屋ごくやれていた。

12がつに、――それはバビロンのおうネブカデレザルのの十九ねんであった――バビロンのおうつかえる侍衛じえいちょうネブザラダンはエルサレムに、はいって、 13しゅみやおう宮殿きゅうでんき、エルサレムのすべてのいえいた。かれおおきないえをみなきはらった。 14また侍衛じえいちょうともにいたカルデヤびとの軍勢ぐんぜいは、エルサレムの周囲しゅうい城壁じょうへきをみなりこわした。 15そして侍衛じえいちょうネブザラダンはたみのうちのもっとまずしいもの若干じゃっかん、そのほかまちのうちにのこったもの、およびバビロンのおうにくだったひと、その工匠こうしょうたちをとらうつした。 16しかし侍衛じえいちょうネブザラダンはそのもっとまずしいもの若干じゃっかんのこして、ぶどうをつくものとし、農夫のうふとした。

17カルデヤびとはまたしゅみや青銅せいどうはしらと、洗盤せんばんだいと、青銅せいどううみくだいて、その青銅せいどうをことごとくバビロンへはこび、 18また、つぼと、十能じゅうのうと、心切しんきりばさみと、はちと、こうさらおよびみやつとめにもちいる青銅せいどううつわをことごとくってった。 19またかれらは小鉢こばちと、心取しんとざらと、はちと、つぼと、燭台しょくだいと、こうさらと、灌祭かんさいはちった。きんつくったものきんとして、ぎんつくったものぎんとして、侍衛じえいちょうはこった。 20ソロモンおうしゅみやつくった二ほんはしらと、一つのうみと、うみしたの十二の青銅せいどううしと、だいなど、このすべてのもの青銅せいどうおもさははかることもできなかった。 21この一ぽんはしらたかさは十八キュビト、周囲しゅういは十二キュビトで、ゆびほんあつさがあり、なかは、うつろであった。 22そのうえ青銅せいどう柱頭ちゅうとうがあり、柱頭ちゅうとうたかさは五キュビト、柱頭ちゅうとう周囲しゅういあみ細工ざいくと、ざくろとでかざり、これらもみな青銅せいどうであった。はしらもそのざくろも、これとおなじであった。 23その四方しほうに九十六のざくろがあり、周囲しゅういあみ細工ざいくうえにあるざくろのかずは百であった。

24侍衛じえいちょう祭司さいしちょうセラヤと次席じせき祭司さいしゼパニヤと三にんもんまもものとらえ、 25また兵士へいしをつかさどるひとりの役人やくにんと、まちにいたおう側近そっきんものにんと、そのたみつの軍勢ぐんぜいちょう書記官しょきかんと、まちなかにいた六十にんものまちからとらった。 26侍衛じえいちょうネブザラダンは、これらのひととらえて、リブラにいるバビロンのおうのもとにれてった。 27バビロンのおうは、ハマテののリブラでかれらをころした。こうして、ユダは自分じぶんからとらうつされた。

28ネブカデレザルがとらうつしたたみかずつぎのとおりである。だいねんにはユダヤひと三千二十三にん 29またネブカデレザルはそのだい十八ねんにエルサレムから八百三十二にんとらうつした。 30ネブカデレザルの二十三ねん侍衛じえいちょうネブザラダンは、ユダヤひと七百四十五にんとらうつした。この総数そうすうは四千六百にんであった。

31ユダのおうエホヤキンがとらうつされてのち三十七ねんの十二がつ二十五にちに、バビロンのおうエビルメロダクはその即位そくいねんに、ユダのおうエホヤキンを獄屋ごくやからし、そのこうべをげさせ、 32親切しんせつかれなぐさめ、そのくらいを、バビロンでともにいるおうたちのくらいよりもたかくした。 33こうしてエホヤキンは獄屋ごくやふくいだ。そしてきているあいだ毎日まいにちおう食卓しょくたく食事しょくじし、 34かれ給与きゅうよとしては、そのまで一生いっしょうあいだ、たえず日々ひび必要ひつようにしたがって、バビロンのおうから給与きゅうよたまわった。