ミカ書

第一章

1ユダの王(おう)ヨタム、アハズおよびヒゼキヤの世(よ)に、モレシテびとミカが、サマリヤとエルサレムについて示(しめ)された主(しゅ)の言葉(ことば)。
2あなたがたすべての民(たみ)よ、聞(き)け。
地(ち)とその中(なか)に満(み)てる者(もの)よ、耳(みみ)を傾(かたむ)けよ。
主(しゅ)なる神(かみ)はあなたがたにむかって証言(しょうげん)し、
主(しゅ)はその聖(せい)なる宮(みや)から証言(しょうげん)される。
3見(み)よ、主(しゅ)はそのご座(ざ)所(しょ)から出(で)てこられ、
下(くだ)ってきて地(ち)の高(たか)い所(ところ)を踏(ふ)まれる。
4山(やま)は彼(かれ)の下(した)に溶(と)け、谷(たに)は裂(さ)け、
火(ひ)の前(まえ)のろうのごとく、
坂(さか)に流(なが)れる水(みず)のようだ。
5これはみなヤコブのとがのゆえ、
イスラエルの家(いえ)の罪(つみ)のゆえである。
ヤコブのとがとは何(なに)か、
サマリヤではないか。
ユダの家(いえ)の罪(つみ)とは何(なに)か、
エルサレムではないか。
6このゆえにわたしはサマリヤを野(の)の石塚(いしづか)となし、
ぶどうを植(う)える所(ところ)となし、
またその石(いし)を谷(たに)に投(な)げ落(おと)し、
その基(もとい)をあらわにする。
7その彫像(ちょうぞう)はみな砕(くだ)かれ、
その獲(え)た価(あたい)はみな火(ひ)で焼(や)かれる。
わたしはその偶像(ぐうぞう)をことごとくこわす。
これは遊女(ゆうじょ)の価(あたい)から集(あつ)めたのだから、
遊女(ゆうじょ)の価(あたい)に帰(かえ)る。
8わたしはこれがために嘆(なげ)き悲(かな)しみ、
はだしと裸(はだか)で歩(ある)きまわり、
山犬(やまいぬ)のように嘆(なげ)き、
だちょうのように悲(かな)しみ鳴(な)く。
9サマリヤの傷(きず)はいやすことのできないもので、
ユダまでひろがり、
わが民(たみ)の門(もん)、エルサレムまで及(およ)んでいる。

10ガテに告(つ)げるな、泣(な)き叫(さけ)ぶな。
ベテレアフラで、ちりの中(なか)にころがれ。
11サピルに住(す)む者(もの)よ、
裸(はだか)になり、恥(はじ)をこうむって進(すす)み行(ゆ)け。
ザアナンに住(す)む者(もの)は出(で)てこない。
ベテエゼルの嘆(なげ)きはあなたがたからその跡(あと)を断(た)つ。
12マロテに住(す)む者(もの)は気(き)づかわしそうに幸(さいわい)を待(ま)つ。
災(わざわい)が主(しゅ)から出(で)て、
エルサレムの門(もん)に臨(のぞ)んだからである。
13ラキシに住(す)む者(もの)よ、
戦車(せんしゃ)に早馬(はやうま)をつなげ。
ラキシはシオンの娘(むすめ)にとって罪(つみ)の初(はじ)めであった。
イスラエルのとがが、
あなたがたのうちに見(み)られたからである。
14それゆえ、あなたはモレセテ・ガテに
別(わか)れの贈(おく)り物(もの)を与(あた)える。
アクジブの家々(いえいえ)はイスラエルの王(おう)たちにとって、
人(ひと)を欺(あざむ)くものとなる。
15マレシャに住(す)む者(もの)よ、
わたしはまた侵略者(しんりゃくしゃ)をあなたの所(ところ)に連(つ)れて行(い)く。
イスラエルの栄光(えいこう)はアドラムに去(さ)るであろう。
16あなたの喜(よろこ)ぶ子(こ)らのために、あなたの髪(かみ)をそり落(おと)せ。
そのそった所(ところ)をはげたかのように大(おお)きくせよ。
彼(かれ)らは捕(とら)えられてあなたを離(はな)れるからである。

第二章


1その床(とこ)の上(うえ)で不義(ふぎ)を計(はか)り、
悪(あく)を行(おこな)う者(もの)はわざわいである。
彼(かれ)らはその手(て)に力(ちから)あるゆえ、
夜(よ)が明(あ)けるとこれを行(おこな)う。
2彼(かれ)らは田畑(たはた)をむさぼってこれを奪(うば)い、
家(いえ)をむさぼってこれを取(と)る。
彼(かれ)らは人(ひと)をしえたげてその家(いえ)を奪(うば)い、
人(ひと)をしえたげてその嗣(し)業(ぎょう)を奪(うば)う。
3それゆえ、主(しゅ)はこう言(い)われる、
見(み)よ、わたしはこのやからにむかって
災(わざわい)を下(くだ)そうと計(はか)る。
あなたがたはその首(くび)を
これから、はずすことはできない。
また、まっすぐに立(た)って歩(ある)くことはできない。
これは災(わざわい)の時(とき)だからである。
4その日(ひ)、人々(ひとびと)は歌(うた)を作(つく)ってあなたがたをののしり、
悲(かな)しみの歌(うた)をもって嘆(なげ)き悲(かな)しみ、
「われわれはことごとく滅(ほろ)ぼされる、
わが民(たみ)の分(ぶん)は人(ひと)に与(あた)えられる。
どうしてこれはわたしから離(はな)れるのであろう。
われわれの田畑(たはた)はわれわれを捕(とら)えた者(もの)の間(あいだ)に分(わ)け与(あた)えられる」と言(い)う。
5それゆえ、主(しゅ)の会衆(かいしゅう)のうちには
くじによって測(はか)りなわを張(は)る者(もの)はひとりもなくなる。

6彼(かれ)らは言(い)う、「あなたがたは説教(せっきょう)してはならない。
そのような事(こと)について説教(せっきょう)してはならない。
そうすればわれわれは恥(はじ)をこうむることがない」と。
7ヤコブの家(いえ)よ、そんなことは言(い)えるのだろうか。
主(しゅ)は気短(きみじか)な方(かた)であろうか。
これらは主(しゅ)のみわざなのであろうか。
わが言葉(ことば)は正(ただ)しく歩(あゆ)む者(もの)に、
益(えき)とならないのであろうか。
8ところが、あなたがたは立(た)ってわが民(たみ)の敵(てき)となり、
いくさのことを知(し)らずに、安(やす)らかに過(す)ぎゆく者(もの)から、
平和(へいわ)な者(もの)から、上着(うわぎ)をはぎ取(と)り、
9わが民(たみ)の女(おんな)たちをその楽(たの)しい家(いえ)から追(お)い出(だ)し、
その子(こ)どもから、わが栄(さか)えをとこしえに奪(うば)う。
10立(た)って去(さ)れ、
これはあなたがたの休(やす)み場所(ばしょ)ではない。
これは汚(けが)れのゆえに滅(ほろ)びる。
その滅(ほろ)びは悲惨(ひさん)な滅(ほろ)びだ。
11もし人(ひと)が風(かぜ)に歩(あゆ)み、偽(いつわ)りを言(い)い、
「わたしはぶどう酒(しゅ)と濃(こ)き酒(さけ)とについて、
あなたに説教(せっきょう)しよう」と言(い)うならば、
その人(ひと)はこの民(たみ)の説教(せっきょう)者(しゃ)となるであろう。

12ヤコブよ、わたしは必(かなら)ずあなたをことごとく集(あつ)め、
イスラエルの残(のこ)れる者(もの)を集(あつ)める。
わたしはこれをおりの羊(ひつじ)のように、
牧場(まきば)の中(なか)の群(む)れのように共(とも)におく。
これは人(ひと)の多(おお)きによって騒(さわ)がしくなる。
13打(う)ち破(やぶ)る者(もの)は彼(かれ)らに先(さき)だって登(のぼ)りゆき、
彼(かれ)らは門(もん)を打(う)ち破(やぶ)り、これをとおって外(そと)に出(で)て行(い)く。
彼(かれ)らの王(おう)はその前(まえ)に進(すす)み、
主(しゅ)はその先頭(せんとう)に立(た)たれる。

第三章


1わたしは言(い)った、
ヤコブのかしらたちよ、
イスラエルの家(いえ)のつかさたちよ、聞(き)け、
公義(こうぎ)はあなたがたの知(し)っておるべきことではないか。
2あなたがたは善(ぜん)を憎(にく)み、悪(あく)を愛(あい)し、
わが民(たみ)の身(み)から皮(かわ)をはぎ、その骨(ほね)から肉(にく)をそぎ、
3またわが民(たみ)の肉(にく)を食(く)らい、
その皮(かわ)をはぎ、その骨(ほね)を砕(くだ)き、
これを切(き)りきざんで、なべに入(い)れる食物(しょくもつ)のようにし、
大(おお)なべに入(い)れる肉(にく)のようにする。
4こうして彼(かれ)らが主(しゅ)に呼(よ)ばわっても、
主(しゅ)はお答(こた)えにならない。
かえってその時(とき)には、み顔(かお)を彼(かれ)らに隠(かく)される。
彼(かれ)らのおこないが悪(わる)いからである。

5わが民(たみ)を惑(まど)わす預言者(よげんしゃ)について主(しゅ)はこう言(い)われる、
彼(かれ)らは食(た)べ物(もの)のある時(とき)には、
「平安(へいあん)」を叫(さけ)ぶけれども、
その口(くち)に何(なに)も与(あた)えない者(もの)にむかっては、
宣戦(せんせん)を布告(ふこく)する。
6それゆえ、あなたがたには夜(よる)があっても幻(まぼろし)がなく、
暗(くら)やみがあっても占(うらな)いがない。
太陽(たいよう)はその預言者(よげんしゃ)たちに没(ぼっ)し、
昼(ひる)も彼(かれ)らの上(うえ)に暗(くら)くなる。
7先見者(せんけんしゃ)は恥(はじ)をかき、占(うらな)い師(し)は顔(かお)をあからめ、
彼(かれ)らは皆(みな)そのくちびるをおおう。
神(かみ)の答(こたえ)がないからである。
8しかしわたしは主(しゅ)のみたまによって力(ちから)に満(み)ち、
公義(こうぎ)と勇気(ゆうき)とに満(み)たされ、
ヤコブにそのとがを示(しめ)し、イスラエルにその罪(つみ)を示(しめ)すことができる。

9ヤコブの家(いえ)のかしらたち、
イスラエルの家(いえ)のつかさたちよ、
すなわち公義(こうぎ)を憎(にく)み、
すべての正(ただ)しい事(こと)を曲(ま)げる者(もの)よ、これを聞(き)け。
10あなたがたは血(ち)をもってシオンを建(た)て、
不義(ふぎ)をもってエルサレムを建(た)てた。
11そのかしらたちは、まいないをとってさばき、
その祭司(さいし)たちは価(あたい)をとって教(おし)え、
その預言者(よげんしゃ)たちは金(きん)をとって占(うらな)う。
しかもなお彼(かれ)らは主(しゅ)に寄(よ)り頼(たよ)んで、
「主(しゅ)はわれわれの中(なか)におられるではないか、
だから災(わざわい)はわれわれに臨(のぞ)むことがない」と言(い)う。
12それゆえ、シオンはあなたがたのゆえに
田畑(たはた)となって耕(たがや)され、
エルサレムは石塚(いしづか)となり、
宮(みや)の山(やま)は木(き)のおい茂(しげ)る高(たか)い所(ところ)となる。

第四章


1末(すえ)の日(ひ)になって、
主(しゅ)の家(いえ)の山(やま)はもろもろの山(やま)のかしらとして
堅(かた)く立(た)てられ、
もろもろの峰(みね)よりも高(たか)くあげられ、
もろもろの民(たみ)はこれに流(なが)れくる。
2多(おお)くの国民(くにたみ)は来(き)て言(い)う、
「さあ、われわれは主(しゅ)の山(やま)に登(のぼ)り、
ヤコブの神(かみ)の家(いえ)に行(い)こう。
彼(かれ)はその道(みち)をわれわれに教(おし)え、
われわれはその道(みち)に歩(あゆ)もう」と。
律法(りっぽう)はシオンから出(で)、
主(しゅ)の言葉(ことば)はエルサレムから出(で)るからである。
3彼(かれ)は多(おお)くの民(たみ)の間(あいだ)をさばき、
遠(とお)い所(ところ)まで強(つよ)い国々(くにぐに)のために仲裁(ちゅうさい)される。
そこで彼(かれ)らはつるぎを打(う)ちかえて、すきとし、
そのやりを打(う)ちかえて、かまとし、
国(くに)は国(くに)にむかってつるぎをあげず、
再(ふたた)び戦(たたか)いのことを学(まな)ばない。
4彼(かれ)らは皆(みな)そのぶどうの木(き)の下(した)に座(ざ)し、
そのいちじくの木(き)の下(した)にいる。
彼(かれ)らを恐(おそ)れさせる者(もの)はない。
これは万軍(ばんぐん)の主(しゅ)がその口(くち)で語(かた)られたことである。

5すべての民(たみ)はおのおのその神(かみ)の名(な)によって歩(あゆ)む。
しかしわれわれは
われわれの神(かみ)、主(しゅ)の名(な)によって、とこしえに歩(あゆ)む。

6主(しゅ)は言(い)われる、その日(ひ)には、
わたしはかの足(あし)のなえた者(もの)を集(あつ)め、
またかの追(お)いやられた者(もの)および
わたしが苦(くる)しめた者(もの)を集(あつ)め、
7その足(あし)のなえた者(もの)を残(のこ)れる民(たみ)とし、
遠(とお)く追(お)いやられた者(もの)を強(つよ)い国民(くにたみ)とする。
主(しゅ)はシオンの山(やま)で、今(いま)よりとこしえに
彼(かれ)らを治(おさ)められる。

8羊(ひつじ)の群(む)れのやぐら、シオンの娘(むすめ)の山(やま)よ、
以前(いぜん)の主権(しゅけん)はあなたに帰(かえ)ってくる。
すなわちエルサレムの娘(むすめ)の国(くに)は
あなたに帰(かえ)ってくる。

9今(いま)あなたは何(なに)ゆえわめき叫(さけ)ぶのか、
あなたのうちに王(おう)がないのか。
あなたの相談(そうだん)相手(あいて)は絶(た)えはて、
産婦(さんぷ)のように激(はげ)しい痛(いた)みがあなたを捕(とら)えたのか。
10シオンの娘(むすめ)よ、
産婦(さんぷ)のように苦(くる)しんでうめけ。
あなたは今(いま)、町(まち)を出(で)て野(の)にやどり、
バビロンに行(い)かなければならない。
その所(ところ)であなたは救(すく)われる。
主(しゅ)はその所(ところ)であなたを敵(てき)の手(て)からあがなわれる。

11いま多(おお)くの国民(くにたみ)はあなたに逆(さか)らい、集(あつ)まって言(い)う、
「どうかシオンが汚(けが)されるように、
われわれの目(め)がシオンを見(み)てあざ笑(わら)うように」と。
12しかし彼(かれ)らは主(しゅ)の思(おも)いを知(し)らず、
またその計画(けいかく)を悟(さと)らない。
すなわち主(しゅ)が麦(むぎ)束(たば)を打(う)ち場(ば)に集(あつ)めるように、
彼(かれ)らを集(あつ)められることを悟(さと)らない。
13シオンの娘(むすめ)よ、立(た)って打(う)ちこなせ。
わたしはあなたの角(つの)を鉄(てつ)となし、
あなたのひずめを青銅(せいどう)としよう。
あなたは多(おお)くの民(たみ)を打(う)ち砕(くだ)き、
彼(かれ)らのぶんどり物(もの)を主(しゅ)にささげ、
彼(かれ)らの富(とみ)を全(ぜん)地(ち)の主(しゅ)にささげる。

第五章


1今(いま)あなたは壁(かべ)でとりまかれている。
敵(てき)はわれわれを攻(せ)め囲(かこ)み、
つえをもってイスラエルのつかさのほおを撃(う)つ。

2しかしベツレヘム・エフラタよ、
あなたはユダの氏族(しぞく)のうちで小(ちい)さい者(もの)だが、
イスラエルを治(おさ)める者(もの)があなたのうちから
わたしのために出(で)る。
その出(で)るのは昔(むかし)から、いにしえの日(ひ)からである。
3それゆえ、産婦(さんぷ)の産(う)みおとす時(とき)まで、
主(しゅ)は彼(かれ)らを渡(わた)しおかれる。
その後(のち)その兄弟(きょうだい)たちの残(のこ)れる者(もの)は
イスラエルの子(こ)らのもとに帰(かえ)る。
4彼(かれ)は主(しゅ)の力(ちから)により、
その神(かみ)、主(しゅ)の名(な)の威光(いこう)により、
立(た)ってその群(む)れを養(やしな)い、
彼(かれ)らを安(やす)らかにおらせる。
今(いま)、彼(かれ)は大(おお)いなる者(もの)となって、
地(ち)の果(はて)にまで及(およ)ぶからである。

5これは平和(へいわ)である。
アッスリヤびとがわれわれの国(くに)に来(き)て、
われわれの土地(とち)を踏(ふ)むとき、
七(しち)人(にん)の牧者(ぼくしゃ)を起(おこ)し、
八人(にん)の君(きみ)を起(おこ)してこれに当(あた)らせる。
6彼(かれ)らはつるぎをもってアッスリヤの地(ち)を治(おさ)め、
ぬきみのつるぎをもってニムロデの地(ち)を治(おさ)める。
アッスリヤびとがわれわれの地(ち)に来(き)て、
われわれの境(さかい)を踏(ふ)み荒(あら)すとき、
彼(かれ)らはアッスリヤびとから、われわれを救(すく)う。
7その時(とき)ヤコブの残(のこ)れる者(もの)は多(おお)くの民(たみ)の中(なか)にあること、
人(ひと)によらず、また人(ひと)の子(こ)らを待(ま)たずに
主(しゅ)からくだる露(つゆ)のごとく、
青草(あおくさ)の上(うえ)に降(ふ)る夕立(ゆうだ)ちのようである。
8またヤコブの残(のこ)れる者(もの)が国々(くにぐに)の中(なか)におり、
多(おお)くの民(たみ)の中(なか)にいること、
林(はやし)の獣(けもの)の中(なか)のししのごとく、
羊(ひつじ)の群(む)れの中(なか)の若(わか)いししのようである。
それが過(す)ぎるときは踏(ふ)み、かつ裂(さ)いて救(すく)う者(もの)はない。
9あなたの手(て)はもろもろのあだの上(うえ)にあげられ、
あなたの敵(てき)はことごとく断(た)たれる。

10主(しゅ)は言(い)われる、その日(ひ)には、
わたしはあなたのうちから馬(うま)を絶(た)やし、
戦車(せんしゃ)をこわし、
11あなたの国(くに)の町々(まちまち)を絶(た)やし、
あなたの城(しろ)をことごとくくつがえす。
12またあなたの手(て)から魔術(まじゅつ)を絶(た)やす。
あなたのうちには占(うらな)い師(し)がないようになる。
13またあなたのうちから彫像(ちょうぞう)および石(いし)の柱(はしら)を絶(た)やす。
あなたは重(かさ)ねて手(て)で作(つく)った物(もの)を拝(おが)むことはない。
14またあなたのうちからアシラ像(ぞう)を抜(ぬ)き倒(たお)し、
あなたの町々(まちまち)を滅(ほろ)ぼす。
15そしてわたしは怒(いか)りと憤(いきどお)りとをもって
その聞(き)き従(したが)わないもろもろの国民(くにたみ)に復讐(ふくしゅう)する。

第六章


1あなたがたは
主(しゅ)の言(い)われることを聞(き)き、
立(た)ちあがって、もろもろの山(やま)の前(まえ)に訴(うった)えをのべ、
もろもろの丘(おか)にあなたの声(こえ)を聞(き)かせよ。
2もろもろの山(やま)よ、地(ち)の変(かわ)ることなき基(もとい)よ、
主(しゅ)の言(い)い争(あらそ)いを聞(き)け。
主(しゅ)はその民(たみ)と言(い)い争(あらそ)い、
イスラエルと論争(ろんそう)されるからである。

3「わが民(たみ)よ、わたしはあなたに何(なに)をなしたか、
何(なに)によってあなたを疲(つか)れさせたか、
わたしに答(こた)えよ。
4わたしはエジプトの国(くに)からあなたを導(みちび)きのぼり、
奴隷(どれい)の家(いえ)からあなたをあがない出(だ)し、
モーセ、アロンおよびミリアムをつかわして、あなたに先(さき)だたせた。
5わが民(たみ)よ、モアブの王(おう)バラクがたくらんだ事(こと)、
ベオルの子(こ)バラムが彼(かれ)に答(こた)えた事(こと)、
シッテムからギルガルに至(いた)るまでに
起(おこ)った事(こと)どもを思(おも)い起(おこ)せ。
そうすれば、あなたは主(しゅ)の正義(せいぎ)のみわざを
知(し)るであろう」。

6「わたしは何(なに)をもって主(しゅ)のみ前(まえ)に行(い)き、
高(たか)き神(かみ)を拝(はい)すべきか。
燔祭(はんさい)および当歳(とうさい)の子(こ)牛(うし)をもって
そのみ前(まえ)に行(ゆ)くべきか。
7主(しゅ)は数(すう)千(せん)の雄羊(おひつじ)、
万(まん)流(りゅう)の油(あぶら)を喜(よろこ)ばれるだろうか。
わがとがのためにわが長子(ちょうし)をささぐべきか。
わが魂(たましい)の罪(つみ)のためにわが身(み)の子(こ)をささぐべきか」。
8人(ひと)よ、彼(かれ)はさきによい事(こと)のなんであるかを
あなたに告(つ)げられた。
主(しゅ)のあなたに求(もと)められることは、
ただ公義(こうぎ)をおこない、いつくしみを愛(あい)し、
へりくだってあなたの神(かみ)と共(とも)に歩(あゆ)むことではないか。

9主(しゅ)の声(こえ)が町(まち)にむかって呼(よ)ばわる――
全(まった)き知恵(ちえ)はあなたの名(な)を恐(おそ)れることである――
「部族(ぶぞく)および町(まち)の会衆(かいしゅう)よ、聞(き)け。
10わたしは悪人(あくにん)の家(いえ)にある不義(ふぎ)の財宝(ざいほう)、
のろうべき不正(ふせい)な枡(ます)を忘(わす)れ得(え)ようか。
11不正(ふせい)なはかりを用(もち)い、
偽(いつわ)りのおもしを入(い)れた袋(ふくろ)を用(もち)いる人(ひと)を
わたしは罪(つみ)なしとするだろうか。
12あなたのうちの富(と)める人(ひと)は暴虐(ぼうぎゃく)で満(み)ち、
あなたの住民(じゅうみん)は偽(いつわ)りを言(い)い、
その舌(した)は口(くち)で欺(あざむ)くことをなす。
13それゆえ、わたしはあなたを撃(う)ち、
あなたをその罪(つみ)のために滅(ほろ)ぼすことを始(はじ)めた。
14あなたは食(た)べても、飽(あ)くことがなく、
あなたの腹(はら)はいつもひもじい。
あなたは移(うつ)しても、救(すく)うことができない。
あなたが救(すく)う者(もの)を、わたしはつるぎにわたす。
15あなたは種(たね)をまいても、刈(か)ることがなく、
オリブの実(み)を踏(ふ)んでも、その身(み)に油(あぶら)を塗(ぬ)ることがなく、
ぶどうを踏(ふ)んでも、その酒(さけ)を飲(の)むことがない。
16あなたはオムリの定(さだ)めを守(まも)り、
アハブの家(いえ)のすべてのわざをおこない、
彼(かれ)らの計(はか)りごとに従(したが)って歩(あゆ)んだ。
これはわたしがあなたを荒(あら)し、
その住民(じゅうみん)を笑(わら)い物(もの)とするためである。
あなたがたは民(たみ)のはずかしめを負(お)わねばならぬ」。

第七章


1わざわいなるかな、
わたしは夏(なつ)のくだものを集(あつ)める時(とき)のように、
ぶどうの収穫(しゅうかく)の残(のこ)りを集(あつ)める時(とき)のようになった。
食(く)らうべきぶどうはなく、
わが心(こころ)の好(この)む初(はつ)なりのいちじくもない。
2神(かみ)を敬(うやま)う人(ひと)は地(ち)に絶(た)え、人(ひと)のうちに正(ただ)しい者(もの)はない。
みな血(ち)を流(なが)そうと待(ま)ち伏(ぶ)せし、
おのおの網(あみ)をもってその兄弟(きょうだい)を捕(とら)える。
3両手(りょうて)は悪(わる)い事(こと)をしようと努(つと)めてやまない。
つかさと裁判官(さいばんかん)はまいないを求(もと)め、
大(おお)いなる人(ひと)はその心(こころ)の悪(わる)い欲望(よくぼう)を言(い)いあらわし、
こうして彼(かれ)らはその悪(あく)を仕組(しく)む。
4彼(かれ)らの最(もっと)もよい者(もの)もいばらのごとく、
最(もっと)も正(ただ)しい者(もの)もいばらのいけがきのようだ。
彼(かれ)らの見張(みはり)びとの日(ひ)、
すなわち彼(かれ)らの刑罰(けいばつ)の日(ひ)が来(く)る。
いまや彼(かれ)らの混乱(こんらん)が近(ちか)い。
5あなたがたは隣(とな)り人(びと)を信(しん)じてはならない。
友人(ゆうじん)をたのんではならない。
あなたのふところに寝(ね)る者(もの)にも、
あなたの口(くち)の戸(と)を守(まも)れ。
6むすこは父(ちち)をいやしめ、娘(むすめ)はその母(はは)にそむき、
嫁(よめ)はそのしゅうとめにそむく。
人(ひと)の敵(てき)はその家(いえ)の者(もの)である。
7しかし、わたしは主(しゅ)を仰(あお)ぎ見(み)、わが救(すくい)の神(かみ)を待(ま)つ。
わが神(かみ)はわたしの願(ねが)いを聞(き)かれる。

8わが敵(てき)よ、わたしについて喜(よろこ)ぶな。
たといわたしが倒(たお)れるとも起(お)きあがる。
たといわたしが暗(くら)やみの中(なか)にすわるとも、
主(しゅ)はわが光(ひかり)となられる。
9主(しゅ)はわが訴(うった)えを取(と)りあげ、
わたしのためにさばきを行(おこな)われるまで、
わたしは主(しゅ)の怒(いか)りを負(お)わなければならない。
主(しゅ)に対(たい)して罪(つみ)を犯(おか)したからである。
主(しゅ)はわたしを光(ひかり)に導(みちび)き出(だ)してくださる。
わたしは主(しゅ)の正義(せいぎ)を見(み)るであろう。
10その時(とき)「あなたの神(かみ)、主(しゅ)はどこにいるか」と
わたしに言(い)ったわが敵(てき)は、これを見(み)て恥(はじ)をこうむり、
わが目(め)は彼(かれ)を見(み)てあざ笑(わら)う。
彼(かれ)は街路(がいろ)の泥(どろ)のように踏(ふ)みつけられる。

11あなたの城壁(じょうへき)を築(きず)く日(ひ)が来(く)る。
その日(ひ)には国境(くにざかい)が遠(とお)く広(ひろ)がる。
12その日(ひ)にはアッスリヤからエジプトまで、
エジプトからユフラテ川(がわ)まで、
海(うみ)から海(うみ)まで、山(やま)から山(やま)まで、
人々(ひとびと)はあなたに来(く)る。
13しかしかの地(ち)はその住民(じゅうみん)のゆえに、
そのおこないの実(み)によって荒(あ)れはてる。

14どうか、あなたのつえをもってあなたの民(たみ)、
すなわち園(その)の中(なか)の林(はやし)にひとりおる
あなたの嗣(し)業(ぎょう)の羊(ひつじ)を牧(ぼく)し、
いにしえの日(ひ)のようにバシャンとギレアデで、
彼(かれ)らを養(やしな)ってください。

15あなたがエジプトの国(くに)を出(で)た時(とき)のように、
わたしはもろもろの不思議(ふしぎ)な事(こと)を彼(かれ)らに示(しめ)す。

16国々(くにぐに)の民(たみ)は見(み)て、そのすべての力(ちから)を恥(は)じ、
その手(て)を口(くち)にあて、
その耳(みみ)は聞(きこ)えぬ耳(みみ)となる。
17彼(かれ)らはへびのように、
地(ち)に這(は)うもののようにちりをなめ、
震(ふる)えながらその城(しろ)から出(で)、
おののきつつ、われわれの神(かみ)、主(しゅ)に近(ちか)づいてきて、
あなたのために恐(おそ)れる。

18だれかあなたのように不義(ふぎ)をゆるし、
その嗣(し)業(ぎょう)の残(のこ)れる者(もの)のために
とがを見過(みす)ごされる神(かみ)があろうか。
神(かみ)はいつくしみを喜(よろこ)ばれるので、
その怒(いか)りをながく保(たも)たず、
19再(ふたた)びわれわれをあわれみ、
われわれの不義(ふぎ)を足(あし)で踏(ふ)みつけられる。
あなたはわれわれのもろもろの罪(つみ)を
海(うみ)の深(ふか)みに投(な)げ入(い)れ、
20昔(むかし)からわれわれの先祖(せんぞ)たちに誓(ちか)われたように、
真実(しんじつ)をヤコブに示(しめ)し、
いつくしみをアブラハムに示(しめ)される。